説明

電気アルミニウムめっき液およびアルミニウムめっき被膜の形成方法

【課題】 アルミニウムハロゲン化物を多量に添加しても融点が顕著に上昇することがないことで、100℃前後の温度でも高い電流効率で付きまわりのよい電気めっきが可能であり、さらに、蒸発や昇華によってめっき装置などの内壁に付着するといったことがない電気アルミニウムめっき液、およびそれを使用したアルミニウムめっき被膜の形成方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の電気アルミニウムめっき液は、ジアルキルスルホンを溶媒としアルミニウムハロゲン化物を溶質とする電気アルミニウムめっき液であって、ジアルキルスルホンとして炭素数の合計が3以上で融点が75℃以下のジアルキルスルホンを含有し、アルミニウムハロゲン化物をジアルキルスルホン10モルに対して4.0〜9.3モル(但し4.0モルを除く)含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気アルミニウムめっき液およびそれを使用したアルミニウムめっき被膜の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウムの電析電位は水素発生の電位よりも卑であるため、水溶液からアルミニウムを電析することは不可能である。従って、電気アルミニウムめっき液は、これまで非水溶媒を使用したものが多く研究されてきた。非水溶媒としてはテトラヒドロフランやトルエンなどが知られているが、これらは引火性が強いという問題があるため、殆ど実用化されていない。このような中で、比較的安全な電気アルミニウムめっき液として、ジメチルスルホンとアルミニウムハロゲン化物(塩化アルミニウムなど)を混合して溶融させることで調製した低温溶融塩電気めっき液が特許文献1において報告されている。
【0003】
ジメチルスルホンは、融点が107〜109℃であるが、アルミニウムハロゲン化物を添加すると凝固点降下を引き起こして融点が低下する。例えばジメチルスルホン10モルに対してアルミニウムハロゲン化物を3〜4モル添加した場合、その融点は60℃近くまで低下し、100℃以下でも電気めっきが可能となる。しかしながら、ジメチルスルホンに対してアルミニウムハロゲン化物をさらに添加すると、その融点は上昇し、アルミニウムハロゲン化物の添加量がジメチルスルホン10モルに対して5モルを越えると融点は150℃以上となる。150℃以上といった高温において電気めっきを行おうとした場合、最適な電流密度が上昇することから電力の消費が増大する。また、形成されるめっき被膜とめっき液との間での反応が活発化することで、めっき被膜にめっき液由来の硫黄やハロゲンなどの不純物が多量に取り込まれ、めっき被膜の耐食性や電気伝導性が悪化する場合がある。従って、ジメチルスルホンを溶媒としアルミニウムハロゲン化物を溶質とするめっき液を用いて電気アルミニウムめっきを行う場合、アルミニウムハロゲン化物の添加量は、例えばジメチルスルホン10モルに対して1.5〜4.0モルが望ましいとされ、ジメチルスルホンの代わりにその他のジアルキルスルホン、例えばジエチルスルホンやジプロピルスルホンを溶媒として用いる場合においても当該組成が推奨されている(特許文献2)。このようにジメチルスルホンは、電気アルミニウムめっき液の溶媒として優れた側面を有する反面、アルミニウムハロゲン化物を多量に添加すると融点が顕著に上昇するので電気めっき条件が制限される点、また、めっき液が蒸発や昇華することによってめっき装置などの内壁に付着することでその運転に支障を及ぼす恐れがある点などに留意する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−76031号公報
【特許文献2】特許第4609777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、アルミニウムハロゲン化物を多量に添加しても融点が顕著に上昇することがないことで、100℃前後の温度でも高い電流効率で付きまわりのよい電気めっきが可能であり、さらに、蒸発や昇華によってめっき装置などの内壁に付着するといったことがない電気アルミニウムめっき液、およびそれを使用したアルミニウムめっき被膜の形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記の点に鑑みて鋭意検討を行った結果、電気アルミニウムめっき液の溶媒として炭素数の合計が3以上で融点が75℃以下のジアルキルスルホンを用いた場合、ジメチルスルホンを用いた場合と異なり、当該ジアルキルスルホン10モルに対してアルミニウムハロゲン化物を4モルを越えて添加しても融点が顕著に上昇せず、100℃前後の温度でも電気めっきが可能であること、アルミニウムハロゲン化物を4モルを越えて添加した場合の方が特許文献2において推奨されている1.5〜4.0モル添加した場合よりもめっき液由来の硫黄やハロゲンなどの不純物の含量が少ない無光沢で白色のアルミニウムめっき被膜が得られること、さらに、めっき液が蒸発や昇華によってめっき装置などの内壁に付着するといったことがないことを見出した。
【0007】
上記の知見に基づいて完成された本発明の電気アルミニウムめっき液は、請求項1記載の通り、ジアルキルスルホンを溶媒としアルミニウムハロゲン化物を溶質とする電気アルミニウムめっき液であって、ジアルキルスルホンとして炭素数の合計が3以上で融点が75℃以下のジアルキルスルホンを含有し、アルミニウムハロゲン化物をジアルキルスルホン10モルに対して4.0〜9.3モル(但し4.0モルを除く)含有することを特徴とする。
また、請求項2記載の電気アルミニウムめっき液は、請求項1記載の電気アルミニウムめっき液において、ジアルキルスルホンがエチルメチルスルホンであることを特徴とする。
また、請求項3記載の電気アルミニウムめっき液は、請求項1記載の電気アルミニウムめっき液において、アルミニウムハロゲン化物が塩化アルミニウムであることを特徴とする。
また、本発明のアルミニウムめっき被膜の形成方法は、請求項4記載の通り、請求項1記載の電気アルミニウムめっき液中に被めっき物を陰極として設置し、通電を行うことで被めっき物の表面にアルミニウムめっき被膜を形成することを特徴とする。
また、請求項5記載のアルミニウムめっき被膜の形成方法は、請求項4記載のアルミニウムめっき被膜の形成方法において、電気アルミニウムめっき液の温度を80〜110℃とし、電流密度が0.1〜12.0A/dmで通電を行うことを特徴とする。
また、本発明の物品は、請求項6記載の通り、請求項4記載のアルミニウムめっき被膜の形成方法によって表面にアルミニウムめっき被膜が形成されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アルミニウムハロゲン化物を多量に添加しても融点が顕著に上昇することがないことで、100℃前後の温度でも高い電流効率で付きまわりのよい電気めっきが可能であり、さらに、蒸発や昇華によってめっき装置などの内壁に付着するといったことがない電気アルミニウムめっき液、およびそれを使用したアルミニウムめっき被膜の形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】溶媒としてのエチルメチルスルホンまたはジメチルスルホンに、溶質として無水塩化アルミニウムを各種の割合で添加して調製した電気アルミニウムめっき液の融点を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の電気アルミニウムめっき液は、ジアルキルスルホンを溶媒としアルミニウムハロゲン化物を溶質とする電気アルミニウムめっき液であって、ジアルキルスルホンとして炭素数の合計が3以上で融点が75℃以下のジアルキルスルホンを含有し、アルミニウムハロゲン化物をジアルキルスルホン10モルに対して4.0〜9.3モル(但し4.0モルを除く)含有することを特徴とするものである。
【0011】
炭素数の合計が3以上で融点が75℃以下のジアルキルスルホンとしては、エチルメチルスルホン(炭素数の合計が3で融点が37℃)、ジエチルスルホン(炭素数の合計が4で融点が73〜74℃)、ジプロピルスルホン(炭素数の合計が6で融点が30℃)、ジブチルスルホン(炭素数の合計が8で融点が43〜45℃)などを例示することができるが、優れた電気伝導性を有する点においてエチルメチルスルホンを好適に採用することができる。
【0012】
アルミニウムハロゲン化物としては、塩化アルミニウムや臭化アルミニウムなどを挙げることができるが、材料コストなどに鑑みれば、塩化アルミニウムを好適に採用することができる。アルミニウムハロゲン化物は、めっき液に含まれる水分の量を可能な限り少なくするという観点から、無水物であることが望ましい。アルミニウムハロゲン化物の含有量を、ジアルキルスルホン10モルに対して4.0〜9.3モル(但し4.0モルを除く)と規定するのは、4.0モル以下ではめっき液中のアルミニウムイオンの不足によって焦げ(黒色のめっき被膜の形成)が発生したり、めっき液由来の硫黄やハロゲンなどの不純物の含量が多い光沢を有するアルミニウムめっき被膜が形成されやすくなったりする恐れがある一方、9.3モルを上回ると電析物が粉状になって被膜が形成されない恐れがあるからである。アルミニウムハロゲン化物の含有量は、ジアルキルスルホン10モルに対して4.5〜7.5モルが望ましい。
【0013】
なお、本発明の電気アルミニウムめっき液には、形成されるアルミニウムめっき被膜の純度を高めることなどを目的として、ジメチルアミン塩酸塩などのジアルキルアミン塩酸塩や、トリメチルアミン塩酸塩などのトリアルキルアミン塩酸塩などを含有せしめてもよい。
【0014】
本発明の電気アルミニウムめっき液を用いた電気めっきは、例えば、アルミニウムからなる陽極(アルミニウムイオンの供給源にもなる)と、陰極としての被めっき物をめっき液中に設置し、めっき液の温度を80〜110℃、電流密度を0.1A/dm〜焦げが発生しない最大の電流密度(限界電流密度)に調整して行えばよい。限界電流密度は、例えば、80℃で0.5A/dm、90℃で3.0A/dm、100℃で7.5A/dm、110℃で12.0A/dmである。めっき液の温度が80℃を下回ると限界電流密度が実質的にゼロとなり、電気めっきが行えない恐れがある一方、110℃を上回ると形成されるめっき被膜とめっき液との間での反応が活発化することで、めっき被膜にめっき液由来の硫黄やハロゲンなどの不純物が多量に取り込まれ、めっき被膜の耐食性や電気伝導性が悪化する恐れがある。また、電流密度が0.1A/dmを下回ると成膜速度が遅くなることで形成されるめっき被膜とめっき液との間での反応が相対的に速くなり、めっき被膜にめっき液由来の硫黄やハロゲンなどの不純物が多量に取り込まれ、めっき被膜の耐食性や電気伝導性が悪化する恐れがある。なお、電気めっきを行う時間(通電時間)は、アルミニウムめっき被膜の所望する厚み(標準的には1〜100μmである)、めっき液の温度や電流密度などにも依存するが、通常、5分間〜3時間である。めっき方式は、ラック方式とバレル方式のいずれも採用することができる。本発明の電気アルミニウムめっき液は、電気伝導性が高いので、バレル方式でのめっき処理によっても被めっき物に対する均一なめっき被膜の形成が可能である。このことは、水分の混入量が次第に増加しても長期間安定にめっき処理が可能であることとともに、本発明の電気アルミニウムめっき液の利点として特徴付けることができる。
【0015】
電気アルミニウムめっきの処理対象となる被めっき物(物品)は、電気アルミニウムめっきによってその表面にアルミニウムめっき被膜を形成することができるものであれば特に制限されるものではなく、それ自体が電気伝導性を有する金属材料の他、表面に例えば金属被膜(ニッケル、銅、亜鉛などの被膜)を形成することで電気伝導性を付与した炭素材料や合成樹脂材料などであってもよい。また、被めっき物は、表面に金属被膜を形成した金属材料であってもよい。被めっき物の表面にアルミニウムめっき被膜を形成することで、耐食性や意匠性を付与することができる。なお、電気アルミニウムめっきを行う際には、めっき液に含まれる水分の量を可能な限り少なくするという観点から、被めっき物は十分に乾燥しておくことが望ましい。また、電気アルミニウムめっきの前処理として、被めっき物の表面に自然生成した酸化膜の有機酸や無機酸を使用した除去処理の他、ジンケート処理、無電解めっき処理、導電性陽極酸化処理、導電性化成処理などを行ってもよい。被めっき物の表面に形成されたアルミニウムめっき被膜に対して陽極酸化処理や熱水酸化処理を行うことで、めっき被膜に耐磨耗性を付加したり、めっき被膜の耐食性を増強したりしてもよい。
【実施例】
【0016】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定して解釈されるものではない。なお、以下の電気めっきの実験は、被めっき物(陰極)として20mm×20mm×0.5mm寸法の純度が99.99%の無酸素銅板を用いて行った。銅板は、予め表面の酸化膜などを除去するために16mL/Lの硫酸水溶液に1分間浸漬してから2分間の水洗を行った後に60℃の温風で十分に乾燥させてから実験に供した。陽極は40mm×20mm×2mm寸法の純アルミニウム板(A1090)を用いた。
【0017】
実験A:
溶媒としてエチルメチルスルホンを、溶質として無水塩化アルミニウムを用い、表1の実験条件で電気めっきを行った(めっき液は撹拌子を用いて500回/分の撹拌速度で撹拌)。結果を表1に示す。表1から明らかなように、エチルメチルスルホン10モルに対する無水塩化アルミニウムの添加量が3.0〜9.0モルの範囲で電気めっきを行うことができたが、No.1では、めっき液由来の硫黄やハロゲンなどの不純物の含量が多い光沢を有するめっき被膜が得られた。しかしながら、No.2〜6では、No.1で得られためっき被膜よりも不純物含量の少ない無光沢で白色のめっき被膜が得られた。なお、いずれの実験条件においても、電気めっきを行った後において容器として用いたビーカーの内壁へのめっき液の蒸発や昇華による付着は認められなかった。
【0018】
【表1】

【0019】
比較実験A:
溶媒としてジメチルスルホンを、溶質として無水塩化アルミニウムを用い、表2の実験条件で電気めっきを行った(めっき液は撹拌子を用いて500回/分の撹拌速度で撹拌)。結果を表2に示す。表2から明らかなように、ジメチルスルホン10モルに対する無水塩化アルミニウムの添加量が2.0〜4.0モルの範囲で良好な電気めっきを行うことができ、無光沢で白色のめっき被膜が得られた(No.1〜3)。しかしながら、ジメチルスルホン10モルに対する無水塩化アルミニウムの添加量が5.0モルであるNo.4では、ジメチルスルホンの融点が顕著に上昇し、110℃では溶融しなかったことから電気めっきを行うことができなかった。なお、No.1〜3では、電気めっきを行った後において容器として用いたビーカーの内壁へのめっき液の蒸発や昇華による付着が認められた。
【0020】
【表2】

【0021】
実験B:
溶媒としてエチルメチルスルホンを、溶質として無水塩化アルミニウムを用い、表3の実験条件で電気めっきを行った(めっき液は撹拌子を用いて500回/分の撹拌速度で撹拌)。結果を表3に示す。表3から明らかなように、エチルメチルスルホン10モルに対する無水塩化アルミニウムの添加量を4.5モルとしても、90℃において3.0A/dmという高い電流密度で良好な電気めっきを行うことができ、無光沢で白色のめっき被膜が得られた。なお、いずれの実験条件においても、電気めっきを行った後において容器として用いたビーカーの内壁へのめっき液の蒸発や昇華による付着は認められなかった。
【0022】
【表3】

【0023】
比較実験B:
溶媒としてジメチルスルホンを、溶質として無水塩化アルミニウムを用い、表4の実験条件で電気めっきを行った(めっき液は撹拌子を用いて500回/分の撹拌速度で撹拌)。結果を表4に示す。表4から明らかなように、ジメチルスルホン10モルに対する無水塩化アルミニウムの添加量が3.0モルでは、90℃において電流密度が1.0A/dmと2.0A/dmでは良好な電気めっきを行うことができ、無光沢で白色のめっき被膜が得られたが(No.1,2)、電流密度を3.0A/dmとすると焦げが発生し、黒色のめっき被膜が形成された(No.3)。なお、いずれの実験条件においても、電気めっきを行った後において容器として用いたビーカーの内壁へのめっき液の蒸発や昇華による付着が認められた。
【0024】
【表4】

【0025】
実験C:
溶媒としてのエチルメチルスルホン10モルと溶質としての無水塩化アルミニウム4.5モルを配合しためっき液を調製し、ハルセル槽を用いて、めっき温度110℃、電流密度3.0A/dm、めっき時間10分間の条件でハルセル試験を行った(めっき液は撹拌子を用いて300回/分の撹拌速度で撹拌)。その結果、陽極から最も遠い位置においてめっき被膜の薄い部分が筋状に認められたが、無めっき部分は認められなかった。
【0026】
比較実験C:
溶媒としてのジメチルスルホン10モルと溶質としての無水塩化アルミニウム3.0モルを配合しためっき液を調製し、実験Cと同様の条件でハルセル試験を行った。その結果、陽極から最も遠い位置において無めっき部分が認められた。
【0027】
参考実験:
溶媒としてのエチルメチルスルホンに、溶質として無水塩化アルミニウムを各種の割合で添加して調製した電気アルミニウムめっき液の融点を図1に示す(めっき液の撹拌に用いた撹拌子が停止する温度を融点とした)。また、図1には、溶媒としてのジメチルスルホンに、溶質として無水塩化アルミニウムを各種の割合で添加して調製した電気アルミニウムめっき液の融点をあわせて示す(融点は示差走査熱量測定により求めた)。図1から明らかなように、溶媒としてエチルメチルスルホンを用いためっき液は、溶媒としてジメチルスルホンを用いためっき液に比較して融点がはるかに低く、エチルメチルスルホン10モルに対して無水塩化アルミニウムを5モル以上添加しても融点は100℃を超えることはないことから、高い電流効率で付きまわりのよい電気めっきを行えることが確認できた(融点の測定方法の相違による測定値の有意な相違はない)。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、アルミニウムハロゲン化物を多量に添加しても融点が顕著に上昇することがないことで、100℃前後の温度でも高い電流効率で付きまわりのよい電気めっきが可能であり、さらに、蒸発や昇華によってめっき装置などの内壁に付着するといったことがない電気アルミニウムめっき液、およびそれを使用したアルミニウムめっき被膜の形成方法を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジアルキルスルホンを溶媒としアルミニウムハロゲン化物を溶質とする電気アルミニウムめっき液であって、ジアルキルスルホンとして炭素数の合計が3以上で融点が75℃以下のジアルキルスルホンを含有し、アルミニウムハロゲン化物をジアルキルスルホン10モルに対して4.0〜9.3モル(但し4.0モルを除く)含有することを特徴とする電気アルミニウムめっき液。
【請求項2】
ジアルキルスルホンがエチルメチルスルホンであることを特徴とする請求項1記載の電気アルミニウムめっき液。
【請求項3】
アルミニウムハロゲン化物が塩化アルミニウムであることを特徴とする請求項1記載の電気アルミニウムめっき液。
【請求項4】
請求項1記載の電気アルミニウムめっき液中に被めっき物を陰極として設置し、通電を行うことで被めっき物の表面にアルミニウムめっき被膜を形成することを特徴とするアルミニウムめっき被膜の形成方法。
【請求項5】
電気アルミニウムめっき液の温度を80〜110℃とし、電流密度が0.1〜12.0A/dmで通電を行うことを特徴とする請求項4記載のアルミニウムめっき被膜の形成方法。
【請求項6】
請求項4記載のアルミニウムめっき被膜の形成方法によって表面にアルミニウムめっき被膜が形成されてなることを特徴とする物品。

【図1】
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【公開番号】特開2012−233216(P2012−233216A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100859(P2011−100859)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【Fターム(参考)】