説明

電気コネクタ及び回路基板組立体

【課題】1個の接地自由端を省略できる電気コネクタを提供する。
【解決手段】電気コネクタは、フレーム、並びに第1面、反対側の第2面、及び別の電気コネクタと嵌合する挿入端を有する、フレームに設けられた端子ブロックを有する絶縁本体と、第1自由端、端子ブロックの第1面に設けられた反対側の第1接続部、並びに第1自由端及び第1接続部の間に配置された第1中間部を具備する、eSATA仕様の第1導電端子と、第2自由端、端子ブロックの第2面に設けられた反対側の第2接続部、並びに第2自由端及び第2接続部の間に配置された第2中間部を具備する、USB3.0仕様の第2導電端子とを具備し、第1導電端子、は第4の接続部及び自由端を有する第1接地端子を具備し、第2導電端子は、第5の接続部及び自由端を有する第2接地端子を具備し、第4接続部は、第1接地端子及び第2接地端子が1個の自由端を共用するように第5接続部に電気接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)用及びeSATA(外部シリアル・アドバンスト・テクノロジー・アッタッチメント)用の電気コネクタに関し、特にUSBインタフェース及びeSATAインタフェースの双方と互換性がある電気コネクタ、及びその電気コネクタを有する回路基板組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ及びその周辺機器間で有効にデータを伝送するために、異なる通信プロトコル仕様を用いた電気コネクタが開発されている。これらの電気コネクタは、USBインタフェース及びeSATAインタフェース等からなる。
【0003】
技術の進歩に伴い、コンピュータがスペースを節約するため、より小型化になりつつあるので、USBインタフェース及びeSATAインタフェースの双方が一体化された電気コネクタが提案されている。具体的には、USBインタフェースの導電端子及びeSATAインタフェースの導電端子が、1個の端子ブロックの2面にそれぞれ設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−289536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、USBインタフェース及びeSATAインタフェースの双方が一体化された電気コネクタにおいて、USBインタフェース用の導電端子及びeSATAインタフェース用の導電端子は、コンピュータの回路基板の対応する接続端子にそれぞれ独立して接続されている。従って、コンピュータの内部で、依然として大きなスペースが占有されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述したデメリットの少なくとも一面を克服又は緩和するためになされたものである。本発明は、コンピュータの周辺機器のプラグ型電気コネクタと電気接続するよう構成されたソケット型電気コネクタ、及びそのソケット型電気コネクタを有する回路基板組立体を提供するものである。ソケット型電気コネクタにおいて、USBインタフェースの導電端子の接地端子は、eSATAインタフェースの導電端子の接地端子としても使用される。このため、コンピュータの回路基板に電気接続される電気コネクタの導電端子の数が減少する。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、以下を具備する電気コネクタが提供される。すなわち、電気コネクタは、
フレーム及びこのフレームに設けられた端子ブロックを有する絶縁本体であって、端子ブロックは、第1面、この第1面とは反対側の第2面、及び別の電気コネクタと嵌合する挿入端を有する絶縁本体と、
eSATA仕様に従った複数の第1導電端子であって、各々の第1導電端子は、第1自由端、この第1自由端とは反対側の第1接続部、並びに第1自由端及び第1接続部の間に配置された第1中間部を具備し、第1接続部が端子ブロックの第1面に設けられた第1導電端子と、
USB3.0仕様に従った複数の第2導電端子であって、各々の第2導電端子は、第2自由端、この第2自由端とは反対側の第2接続部、並びに第2自由端及び第2接続部の間に配置された第2中間部を具備し、第2接続部が端子ブロックの第2面に設けられた第2導電端子と
を具備し、
第1導電端子は、第4接続部及び第4自由端を有する第1接地端子を具備し、
第2導電端子は、第5接続部及び第5自由端を有する第2接地端子を具備し、
第4接続部は、第1接地端子及び第2接地端子が電気コネクタから導出される1個の自由端を共用するように第5接続部に電気接続されることを特徴とする。
【0008】
電気コネクタは、USB2.0仕様に従った複数の第3導電端子をさらに具備してもよい。各々の第3導電端子は、第3自由端、この第3自由端とは反対側の第3接続部、並びに第3自由端及び第3接続部の間に配置された第3中間部を具備し、第3接続部が端子ブロックの第2面に設けられると共に第2接続部からそれぞれ電気的に絶縁される。
【0009】
上述の電気コネクタにおいて、第2接続部及び第3接続部は、電気コネクタの幅方向に沿って交互に且つ平行に配置され、且つ、幅方向に直交する電気コネクタの長さ方向に沿って千鳥配置される。
【0010】
上述の電気コネクタにおいて、第1接続部及び第2接続部は、長さ方向に沿って千鳥配置される。
【0011】
上述の電気コネクタにおいて、第1接続部及び第4接続部は、幅方向に直交する電気コネクタの長さ方向に沿って、第2接続部及び第5接続部よりも端子ブロックの挿入端からさらに離れ、第4接続部の一端は、第1面から第2面まで端子ブロックを貫通するよう曲げられ、次に、第4自由端及び第5自由端が電気コネクタから導出される1個の自由端を共用するように第5接続部を形成するよう曲げられる。
【0012】
上述の電気コネクタは、複数のバイアホールが設けられた端子整列部材をさらに具備し、第1自由端、第2自由端、第3自由端及び第4自由端は、それぞれバイアホールを貫通して延びてもよい。
【0013】
上述の電気コネクタにおいて、フレームは、2個の第1フレーム部と、これら2個の第1フレーム部間に一体に形成された第2フレーム部とを具備する。端子ブロックは第2フレーム部から一体的に延びる。さらに、別の電気コネクタが受容凹部内に挿入されて電気コネクタと嵌合するように、2個の受容凹部が第1フレーム部の内面にそれぞれ形成される。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、回路基板組立体が提供される。この回路基板は、
いずれか1個の電気コネクタと、
電気コネクタの対応する導電端子の自由端にそれぞれ接続された複数の接続端子を有する回路基板と
を具備し、
電気コネクタから導出される共用された1個の自由端は、回路基板の接地端子に電気接続される。
【0015】
回路基板組立体において、電気コネクタは複数のピンを具備し、回路基板は複数の実装孔を有し、複数のピンは、電気コネクタが回路基板に機械的に固定されるように、複数の実装孔内にそれぞれ挿入されると共に複数の実装孔に結合される。
【0016】
本発明の実施形態に係る電気コネクタ及び回路基板組立体において、導電端子の1個の接地自由端が省略されるので、接地用の自由端と電気接続するための回路基板の接続孔の数は、1個だけ減少する。従って、導電端子の自由端を回路基板に接続する回数が減少し、電気コネクタの接地端子の自由端及び回路基板の接地端子間の低品質の溶接又は半田付けにより生ずる電気接続不良の可能性が低減する。
【0017】
上述した側面や他の側面及び本発明の利点は、添付図面と併せて実施形態の以下の説明から明白でより容易に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気コネクタを一方向からみた斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電気コネクタを別の方向からみた斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る電気コネクタをさらに別の方向からみた斜視図である。
【図4】図1の電気コネクタの一状態を示す分解斜視図である。
【図5】図1の電気コネクタの一状態を示す分解斜視図である。
【図6】図1の電気コネクタの一状態を示す分解斜視図である。
【図7】図1の電気コネクタの一状態を示す分解斜視図である。
【図8】各導電端子が絶縁本体に組み込まれた状態を示す、図1の電気コネクタの別の状態を示す分解斜視図である。
【図9】各導電端子が絶縁本体に組み込まれた状態を示す、図1の電気コネクタの別の状態を示す分解斜視図である。
【図10】導電端子、絶縁本体及び端子整列部材が組み立てられた状態を示す、図1の電気コネクタのさらに別の状態を示す分解斜視図である。
【図11】導電端子、絶縁本体及び端子整列部材が組み立てられた状態を示す、図1の電気コネクタのさらに別の状態を示す分解斜視図である。
【図12】図1の電気コネクタの縦中心線に沿った断面図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る、eSATA仕様に従った第1導電端子の斜視図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る、USB3.0仕様に従った第2導電端子の斜視図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る、USB2.0仕様に従った第3導電端子の斜視図である。
【図16】第1導電端子の接地端子及び第2導電端子の接地端子が1個の自由端を共用する状態を示す斜視図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る回路基板組立体を示す斜視図である。
【図18】図17に示された回路基板組立体の回路基板側から見た側面図である。
【図19】図18に示され多回路基板組立体から電気コネクタが取り外された後の回路基板を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。ここで、同じ要素には同じ参照番号が付与される。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実施することができ、以下に説明する実施形態に限定するものとして解釈してはならない。むしろ、本発明が徹底的且つ完全であり、本開示のコンセプトを当業者に十分に伝えるようにこれらの実施形態が提供される。
【0020】
図1ないし図16を参照すると、本発明の一実施形態に係る電気コネクタ100は、コンピュータ等の電子機器に実装されたソケット型電気コネクタである。電気コネクタ100は、USBメモリ、ディスプレー、プリンタ及び電子カメラ等のコンピュータ周辺機器のプラグ型電気コネクタと電気接続するよう構成されている。
【0021】
電気コネクタ100は、
例えば金属板等の電気遮蔽材料により形成されたハウジング1と、
例えばポリウレタン材料製の絶縁本体2であって、ハウジング1内に絶縁本体2を受容するためにハウジング1と組み合わせるよう構成されたフレーム、及びフレームに設けられた端子ブロック22を具備し、端子ブロック22が、第1面(例えば、図1の上面)、第1面とは反対側の第2面(例えば、図1の下面)、及び別の電気コネクタと嵌合するための挿入端222を有する絶縁本体2と、
eSATA仕様に従った複数(例えば、7個)の第1導電端子31であって、各第1導電端子31は、第1自由端313、この第1自由端313とは反対側の第1接続部311、並びに第1自由端313及び第1接続部311の間に配置された第1中間部312を具備し、第1接続部311は端子ブロック22の第1面に設けられた第1導電端子31と、
USB3.0仕様に従った複数(例えば、5個)の第2導電端子33であって、各第2導電端子33は、第2自由端333、この第2自由端333とは反対側の第2接続部331、並びに第2自由端333及び第2接続部331の間に配置された第2中間部332を具備し、第2接続部331は端子ブロック22の第2面に設けられた第2導電端子33と
を具備し、
複数の第1導電端子31は第1接地端子34を具備し、
第1接地端子34は、第4接続部341及び第4自由端343を有し、
複数の第2導電端子33は第2接地端子を具備し、
第2接地端子は、第5接続部346及び第5自由端を有し、
第4接続部341は、第1接地端子及び第2接地端子が電気コネクタ100から導出される1個の自由端343を共用するように、第5接続部346に電気接続される。
【0022】
電気コネクタの別の一実施形態によれば、電気コネクタは、USB2.0仕様に従った複数の第3導電端子32をさらに具備する。各第3導電端子32は、第3自由端323、この第3自由端323とは反対側の第3接続部321、並びに第3自由端323及び第3接続部321の間に配置された第3中間部322を具備する。第3接続部321は、端子ブロック22の第2面に設けられると共に、第2接続部331からそれぞれ電気的に絶縁される。このため、本発明に係る電気コネクタは、USB2.0インタフェース、USB3.0インタフェース及びeSATAインタフェースが一体化されたソケット型電気コネクタとして使用可能であり、必要であれば、コンピュータ及びその異なる周辺機器間でデータを伝送するように、USB2.0インタフェース、USB3.0インタフェース及びeSATAインタフェースを有するプラグ型電気コネクタと接続することができる。
【0023】
本発明に係る電気コネクタの一実施形態において、絶縁ハウジング2のフレームは、2個の第1フレーム部211と、これら第1フレーム部211間に一体形成された第2フレーム部212とを具備する。端子ブロック22は、第2フレーム部212から一体に延びており、舌片状構造を形成するよう挿入端222で終端する。挿入端222は、プラグ型電気コネクタに接続するよう構成される。プラグ型電気コネクタが端子ブロック22に接続するために、端子ブロック22の2側面及び2個の第1フレームの内面の間に所定の距離がある。2個の第1フレーム部の内面に2個の受容凹部213(図1及び図2参照)がそれぞれ形成されているので、別の電気コネクタは、受容凹部213内に挿入されて電気コネクタ100と嵌合する。例えば、eSATA仕様に従うと共により大きな幅を有するプラグ型電気コネクタ(すなわち、図示されていない別の電気コネクタ)の2個の側部は、受容凹部213に受容される。
【0024】
図4ないし図7を参照すると、絶縁本体2の端子ブロック22の対向する第1面及び第2面には、複数のスロット221が形成される。第1導電端子31、第2導電端子33及び第3導電端子32の接続部はそれぞれ、第2フレーム部212を通って延びると共に、接合により、又は1段階フォーミングによるプラスチックを使用することにより、各スロット221に固定される。第2導電端子33及び第3導電端子32が図9及び図10に示されるようにスペースを節約するために端子ブロック22の第2面に設けられるので、複数の第2導電端子33の第2接続部331及び第2中間部332、並びに複数の第3導電端子32の第3接続部321及び第3中間部322は、電気コネクタ100の幅方向に沿って交互に且つ平行に配置され、同時に、第2導電端子33の第2接続部331及び第3導電端子32の第3接続部321は、幅方向に直交する電気コネクタ100の長さ方向(すなわち、別の電気コネクタの挿入方向)に沿って千鳥配置される。本発明の一実施形態において、第3導電端子32の第3接続部321は、長さ方向に沿って第2導電端子33の第2接続部331よりも端子ブロック22の挿入端222からより離れている。
【0025】
第1導電端子31、第2導電端子33及び第3導電端子32が端子ブロック22に配置される態様に関しては、全て平坦な(銅板等の)金属板製である第1導電端子、第2導電端子及び第3導電端子は、異なる構造又は形状を有してもよい。
【0026】
具体的には、図13ないし図16を参照すると、図13はeSATA仕様に従った第1導電端子31の斜視図であり、図14はUSB3.0仕様に従った第2導電端子33の斜視図であり、図15はUSB2.0仕様に従った第3導電端子33の斜視図であり、図16は第1導電端子の接地端子及び第2導電端子の接地端子が1個の自由端を共用する状態を示す斜視図である。第1導電端子31はほぼ「L」形状であり、例えば回路基板に接続するための第1自由端313、この第1自由端313とは反対側にあってプラグ型eSATA電気コネクタの対応する導電端子と電気接続するために使用される第1接続部311、並びに第1接続部311及び第1自由端313間に配置された第1中間部312を具備する。第1導電端子31において、第1自由端313、第1接続部311及び第1中間部312は、ほぼ同じ幅を有する。第3導電端子32は、その形状が第1導電端子の形状とほぼ同じであり、第3自由端323、第3接続部321及び第3中間部322を具備する。第3導電端子32と第1導電端子31と差異は、第3導電端子32の第3接続部321が端子ブロック22の第2面を超えて端子ブロック22のスロット221から突出するように、第3接続部321がほぼ円弧形状を有することである。このようにして、電気コネクタ100は、プラグ型USB2.0電気コネクタ(図示せず)の導電端子と電気接続するよう構成される。第2導電端子33は、その形状が第1導電端子31の形状とほぼ同じであり、第2自由端333、第2接続部331及び第2中間部332を具備する。第2導電端子33と第1導電端子31と差異は、第2導電端子33の第2接続部331が第2中間部332より広いので、第3導電端子32の第3接続部321及び第3中間部322が2個の第2導電端子33の第2中間部332間に配置できるのみならず、第2導電端子33の幅広の第2接続部331も第3導電端子32の第3接続部321を超えて配置することができる。このようにして、電気コネクタ100は、プラグ型USB3.0電気コネクタ(図示せず)の導電端子と電気接続するよう構成される。
【0027】
本発明の別の一実施形態において、図8及び図11に示されるように、第1導電端子31の第1接続部311及び第2導電端子33の第2接続部331は、長さ方向に沿って千鳥配置される。具体的には、第1導電端子31の第1接続部311は、第2導電端子33の第2接続部331よりも端子ブロック22の挿入端222からより離れる。図12及び図16に示されるように、複数の第1導電端子31は、第4接続部341及び第4自由端343を有する第1接地端子34を具備する。複数の第2導電端子33は、第5接続部346及び第5自由端を有する第2接地端子を具備する。第4接続部341が第5接続部346に電気接続される結果、第1接地端子及び第2接地端子が1個の自由端343を共用する。さらに、第1接続部311及び第4接続部341は、電気コネクタ100の長さ方向に沿って第2接続部331及び第5接続部346よりも端子ブロック22の挿入端222からより離れている。第4接続部341の一端は、第1面から第2面まで端子ブロック22を貫通するよう曲げられた後、第5接続部346を形成するよう曲げられるので、第4自由端343及び第5自由端が1個の自由端を共用する。従って、第1導電端子31における第1接地端子34もまた、第2導電端子33における第2接地端子として使用される。具体的には、図16に示されるように、第1導電端子31における第1接地端子34の第4接続部341、第4中間部342及び第4自由端343は、他の第1導電端子31とほぼ同じ形状を有する。第1接地端子34と他の第1導電端子31との差異は、第1接地端子34の第4接続部341が最初に曲げられて端子ブロック22を貫通する曲げ部345を形成し、次に、第2導電端子33における第2導電端子の第5接続部346として形成されるようにさらに曲げられる。
【0028】
本発明に係る電気コネクタの一実施形態において、電気コネクタは、複数のバイアホール41が設けられた端子整列部材4をさらに具備する。第1導電端子31の第1自由端313、第2導電端子33の第2自由端333、第3導電端子32の第2自由端323及び第1接地端子34の第4自由端(すなわち、共用化された自由端343)は、バイアホール41をそれぞれ貫通して延びる。このため、自由端は、それぞれ配置されると共に互いに絶縁される。図面において、導電端子の各自由端は中間部に対して直交するが、当業者であれば導電端子の自由端は中間部と平行に延びてもよいことを知っているであろう。
【0029】
図7ないし図10に示されるように、本発明に係る電気コネクタ100が組み立てられると、最初に各導電端子が絶縁本体2の端子ブロック22の対応するスロット221に実装され、次に、端子整列部材4が絶縁本体2の一端に実装されるように、導電端子の自由端に端子整列部材4のバイアホール41を通過させ、最後に、導電端子及び端子整列部材4が実装された絶縁本体2がハウジング1に組み込まれ、本発明に係る電気コネクタを形成する。
【0030】
本発明の別の側面によれば、回路基板組立体が提供される。この回路基板組立体は、1個の上述の電気コネクタ100と、複数の接続端子(図示せず)を含む回路基板200とを具備し、回路基板200の接続端子は、電気コネクタの対応する導電端子の自由端にそれぞれ電気接続され、共用される1個の接地端子34の、電気コネクタから導出される自由端343は、回路基板200の接地端子(図示せず)に電気接続される。具体的には、図17ないし図19を参照すると、接続孔201,203は、回路基板200の各接続端子において対応して設けられ、第1自由端313、第2自由端333、第3自由端323及び共用された自由端343は、対応する接続孔にそれぞれ挿入されて溶接又は半田付けされる。共用される1個の接地端子34の、電気コネクタから導出される自由端343は、接地端子に接続するために回路基板200の接続孔203内に挿入される。
【0031】
上述したように、第1導電端子31の第1接地端子及び第2導電端子33の第2接地端子は1個の接地端子34を共用するので、端子整列部材4で電気コネクタから導出される導電端子の自由端の数は、挿入端22での導電端子の接続部の数に対して1個だけ減少する。例えば、本発明の一実施形態において、電気コネクタ100は、eSATA仕様(図1及び図8参照)に従った7個の接続部と、USB2.0仕様(図3、図9及び図10参照)に従った4個の接続部と、USB3.0仕様(図3、図9及び図10参照)に従った5個の接続部とを具備する。このため、合計16個の接続部となる。しかし、図2及び図10を参照すると、端子整列部材4において電気コネクタから導出されるのは15個の自由端である。このため、図17ないし図19に示されるように、接地のための導電端子の自由端の1個が省略されるので、自由端に電気接続するための回路基板200の接続孔の数は、1個だけ減少する。具体的には、図19に示されるように、7番目の接続孔及び13番目の接続孔が、1個の共用された接続孔203を形成する。従って、導電端子の自由端を回路基板に接続する回数が減少し、電気コネクタの接地端子の自由端及び回路基板の接地端子間の低品質の溶接又は半田付けにより生ずる電気接続の不良の可能性が低減する。
【0032】
USB3.0仕様に従った接地端子の接続部がeSATA仕様に従った第1導電端子に接地端子の接続部をさらに曲げることにより形成される実施形態について上述したが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者であれば以下のことを理解するであろう。すなわち、第1導電端子31の第1接地端子及び第2導電端子33の第2接地端子が1個の自由端を共用するために、第1導電端子31の第1接地端子の第4接続部及び第2導電端子33の第2接地端子の第5接続部間の電気接続は、例えば、USB3.0仕様に従った第2導電端子の第1接地端子がeSATA仕様に従った接地端子の接続部を形成するように第4接続部でさらに曲げられるか、第1導電端子31の第1接地端子及び第2導電端子33の第2接地端子が配置された後に、接地端子の自由端が端子整列部材4で互いに電気接続され、共用されたバイアホール41を貫通することにより、電気コネクタ100から導出される共用された1個の接地端子を形成する等の様々な構造により得ることができる。
【0033】
本発明の別の一実施形態によれば、図1ないし図3及び図6ないし図11を参照すると、端子ブロック22の第1面及び第2面に対面するハウジング1の2面のうち1側面又は2側面において、ソケット型電気コネクタ100に挿入されたプラグ型電気コネクタ(図示せず)を位置決めする少なくとも1個のコネクタ位置決め部材11が設けられる。さらに、この少なくとも1個のコネクタ位置決め部材11は、ハウジング1と一体化されハウジング1の内側に突出する弾性金属板であってもよい。
【0034】
さらに、図1ないし図4を参照すると、電気コネクタ100は、回路基板200と対面するハウジング1の側部に設けられると共に回路基板200に向かって延びる複数のピン12をさらに具備する。これに対応して、図19に示されるように、回路基板200は複数の実装孔202を有し、ピン12は、電気コネクタ100が回路基板200に機械的に固定されるように、それぞれ実装孔202内に挿入され結合される。さらに、プラグ型電気コネクタと嵌合するために電気コネクタ100の一側面に設けられるのは、電気コネクタ100がコンピュータのハウジングに実装できる複数の実装部13である。
【0035】
本発明に係るソケット型電気コネクタ100は、eSATAインタフェース、USB2.0インタフェース及びUSB3.0インタフェースと一体化され、コンピュータの異なる周辺機器のeSATA仕様、USB2.0仕様及びUSB3.0仕様に従った複数のプラグ型電気コネクタと嵌合することができる。このようにして、コンピュータの構造が簡素化される。さらに、本発明に係る電気コネクタにおいて、eSATA仕様、USB2.0仕様及びUSB3.0仕様に従った導電端子用の伝送データプロトコル仕様は異なるが、eSATA仕様に従った導電端子及びUSB3.0仕様に従った導電端子の双方は、回路基板の接地端子と電気接続ための接地端子を有する。このため、eSATA仕様及びUSB3.0仕様に従った導電端子の接地端子は1個の接地端子を共用するので、導電端子の数、及び導電端子の自由端を回路基板に電気接続する回数が減少し、同時に異なるデータ伝送機能が確保される。
【0036】
いくつかの実施形態を図示し上述したが、当業者であれば、本発明の原理及び真髄から逸脱することなく、実施形態に変更を加えること、及び本発明の範囲は特許請求の範囲及びその等価物で定義されることが理解されよう。「具備する」、「有する」という用語は他の要素が含まれることを排除せず、「1個の」又は「一つの」という用語は複数を排除しないことに留意されたい。
【符号の説明】
【0037】
100 電気コネクタ
1 絶縁本体
12 ピン
200 回路基板
202 実装孔
211 第1フレーム部
212 第2フレーム部
213 受容凹部
22 端子ブロック
222 挿入端
31 第1導電端子
311 第1接続部
312 第1中間部
313 第1自由端
32 第3導電端子
321 第3接続部
322 第3中間部
323 第3自由端
33 第2導電端子
331 第2接続部
332 第2中間部
333 第2自由端
34 第1接続端子
341 第4接続部
343 第4自由端
346 第5接続部
4 端子整列部材
41 バイアホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム及び該フレームに設けられた端子ブロックを有する絶縁本体であって、前記端子ブロックは、第1面、該第1面とは反対側の第2面、及び別の電気コネクタと嵌合する挿入端を有する絶縁本体と、
eSATA仕様に従った複数の第1導電端子であって、各々の該第1導電端子は、第1自由端、該第1自由端とは反対側の第1接続部、並びに前記第1自由端及び前記第1接続部の間に配置された第1中間部を具備し、前記第1接続部が前記端子ブロックの前記第1面に設けられた第1導電端子と、
USB3.0仕様に従った複数の第2導電端子であって、各々の該第2導電端子は、第2自由端、該第2自由端とは反対側の第2接続部、並びに前記第2自由端及び前記第2接続部の間に配置された第2中間部を具備し、前記第2接続部が前記端子ブロックの前記第2面に設けられた第2導電端子と
を具備する電気コネクタであって、
前記第1導電端子は、第4接続部及び第4自由端を有する第1接地端子を具備し、
前記第2導電端子は、第5接続部及び第5自由端を有する第2接地端子を具備し、
前記第4接続部は、前記第1接地端子及び前記第2接地端子が前記電気コネクタから導出される1個の自由端を共用するように前記第5接続部に電気接続されることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
前記電気コネクタは、USB2.0仕様に従った複数の第3導電端子をさらに具備し、
各々の前記第3導電端子は、第3自由端、該第3自由端とは反対側の第3接続部、並びに前記第3自由端及び前記第3接続部の間に配置された第3中間部を具備し、
前記第3接続部が前記端子ブロックの前記第2面に設けられると共に前記第2接続部からそれぞれ電気的に絶縁されることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記第2接続部及び前記第3接続部は、前記電気コネクタの幅方向に沿って交互に且つ平行に配置され、且つ、幅方向に直交する前記電気コネクタの長さ方向に沿って千鳥配置されることを特徴とする請求項2記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記第1接続部及び前記第2接続部は、前記長さ方向に沿って千鳥配置されることを特徴とする請求項3記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記第1接続部及び前記第4接続部は、幅方向に直交する前記電気コネクタの長さ方向に沿って、前記第2接続部及び前記第5接続部よりも前記端子ブロックの挿入端からさらに離れ、
前記第4接続部の一端は、前記第1面から前記第2面まで前記端子ブロックを貫通するよう曲げられ、次に、前記第4自由端及び前記第5自由端が前記電気コネクタから導出される1個の自由端を共用するように前記第5接続部を形成するよう曲げられることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記電気コネクタは、複数のバイアホールが設けられた端子整列部材をさらに具備し、
前記第1自由端、前記第2自由端、前記第3自由端及び前記第4自由端は、それぞれ前記バイアホールを貫通して延びることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記フレームは、2個の第1フレーム部と、該2個の第1フレーム部間に一体に形成された第2フレーム部とを具備し、
前記端子ブロックは、前記第2フレーム部から一体的に延びることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項8】
別の電気コネクタが受容凹部内に挿入されて前記電気コネクタと嵌合するように、2個の前記受容凹部が、前記第1フレーム部の内面にそれぞれ形成されることを特徴とする請求項7記載の電気コネクタ。
【請求項9】
請求項1ないし8のうちいずれか1項記載の前記電気コネクタと、
前記電気コネクタの対応する導電端子の自由端にそれぞれ接続された複数の接続端子を有する回路基板と
を具備し、
前記電気コネクタから導出される共用された1個の自由端は、前記回路基板の接地端子に電気接続されることを特徴とする回路基板組立体。
【請求項10】
前記電気コネクタは複数のピンを具備し、
前記回路基板は複数の実装孔を有し、
前記複数のピンは、前記電気コネクタが前記回路基板に機械的に固定されるように、前記複数の実装孔内にそれぞれ挿入されると共に該複数の実装孔に結合されることを特徴とする請求項9記載の回路基板組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−43783(P2012−43783A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160740(P2011−160740)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(508079120)タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド (12)
【Fターム(参考)】