説明

電気ストーブの枠体構造

【課題】 枠体表面に固定ねじなどの固定構造が露出しない電気ストーブの枠体構造に関する。
【解決手段】 背板1bと側板1cで構成する枠体1の前面に取り付ける前板2・3には複数個の固定片2a・3aを設け、枠体1の側板1cに複数個の係止片7を、上部と下部に固定板8・9を形成し、前板2は固定片2aを係止片7に係合して固定手段10によって固定板8に固定し、固定板8の上方に突出する運転スイッチ11の作動軸11aに操作部12を取り付ける。前板3は固定片3aを係止片7に係合して固定手段10によって固定板9に固定し、枠体1下部をベース6の凹部6aに嵌合してベース6の下面から固定手段13によって固定する。枠体1上部の固定板8と固定手段10は操作部12の下部内側に位置して操作部12によって覆い隠され、枠体1下部の固定板9と固定手段10は凹部6a内に位置してベース6によって覆い隠される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ヒータの輻射熱によって暖房を行う電気ストーブの枠体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
反射式の電気ストーブは、背板と側板を半円状もしくはコ字状に形成して前面が開口する枠体をベースの上に設置し、この枠体の前面の上部と下部に前板を取り付け、枠体の上部に天板を配置したものがある。そして、枠体前面の上部と下部に取り付けた前板の間に開口部が形成されており、この開口部内に縦長のヒータを配置し、そのヒータの背部と側部に位置して前方が開口する湾曲した反射板を備えており、ヒータに通電すると、ヒータから前方に放射される熱線と、反射板によって反射した熱線が枠体前面の開口部から前方に放射され、熱線の輻射熱によって暖房を行うものである(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭63−57895号 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記構成の電気ストーブは、前板や天板等の部品を固定ねじによって枠体に固定するものであるが、従来は固定ねじなどの固定構造が枠体の表面に露出しているものが一般的であった。このような固定ねじなどの固定構造が外観上に露出しない構造がデザイン上好ましいが、デザインを優先した構造にすると構成部品や組立工程が複雑になって、生産コストを上昇させてしまう問題があった。
【0004】
また、固定ねじが枠体表面に露出した構造では、ねじ締め作業の際に固定ねじの位置が合わなかったときやドライバーから固定ねじが脱落してしまったときに、固定ねじやドライバーの先端で枠体表面を傷つけてしまうことがあり、わずかな傷でも枠体の交換が必要となるため、正確な作業が要求されるものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上記課題を解決するもので、背板1bと側板1cとを半円状もしくはコ字状に形成して前面が開口する枠体1を設け、該枠体1の前面の上部と下部には前板2・3を取り付け、上部前板2と下部前板3との間の枠体1の前面に開口部1aを形成し、枠体1の開口部1a内には縦長のヒータ4と、該ヒータ4の前方を開口しながらヒータ4の側部と背部に位置する湾曲状の反射板5を配置し、前記枠体1の下部にはベース6を備え、該ベース6によって枠体1を床面から立たせて枠体1の前面開口部1aからヒータ4の熱線を放射する電気ストーブにおいて、前記前板2・3には両側部から内側に向けて複数個の固定片2a・3aを設け、前記枠体1の側板1cには前記固定片2a・3aに対応する複数個の係止片7を形成し、かつ、前記枠体1の上部と下部には背板1bもしくは側板1cから連続する固定板8・9を形成し、その固定板8・9に前記前板2・3を固着する固定手段10を設け、上部の前板2は固定片2aを係止片7に係合させながら、固定手段10によって枠体1上部の固定板8に固定し、下部の前板3は固定片3aを係止片7に係合させながら固定手段10によって枠体1下部の固定板9に固定し、かつ、前記枠体1内の上部には運転スイッチ11を設け、該運転スイッチ11に設けた作動軸11aを固定板8の上方に突出し、固定板8の上部には作動軸11aに嵌合する操作部12を取り付け、枠体1上部の固定板8と固定手段10が操作部12の下部内側に位置して操作部12によって覆い隠されると共に、前記ベース6には枠体1下部が嵌合する凹部6aと、枠体1とベース6を固着する固定手段13とを設け、前記枠体1は下部を凹部6aに嵌合しながらベース6の下面から固定手段13によって固定し、枠体1下部の固定板9と固定手段10が凹部6a内に位置してベース6によって覆い隠されることを特徴とするものである。
【0006】
また、前記操作部12の側面12aを上方が内側に傾斜するテーパ状に形成したことにより、操作部12が容易に脱落することがないものである。
【0007】
また、前記枠体1と前板2の上部には外周面が連続して操作部12の側面12aを囲む筒体14を形成し、操作部12は筒体14の内側に位置して側面12a上部と上面12bが筒体14の上方に突出することにより、操作部12の操作性を維持したまま、操作部12の誤操作や脱落を確実に防止することができる。
【0008】
また、前記ヒータ4と反射板5を取り付けて一体の発熱体ユニットAを構成する固定プレート15を設け、その固定プレート15の上部と下部に一対の固定部材16を設け、
かつ、前記枠体1内には固定プレート15の固定部材16に対応する係止部17を設け、
固定プレート15の固定部材16と枠体1内の係止部17との係合によって発熱体ユニットAを枠体1内に取り付け、発熱体ユニットAの固定プレート15と固定部材16は開口部1aの上部と下部に位置して前記前板2・3によって枠体1内に隠されることにより、ヒータ4や反射板5の固定構造が外部から見えない構造となった。
【発明の効果】
【0009】
この発明では、枠体1の前面上部に取り付ける前板2は、固定片2aが側板1cの係止片7に係合し、固定手段10によって枠体1上部の固定板8に固着することで固定されている。そして、枠体1の固定板8の上部には運転スイッチ11の作動軸11aに嵌合した操作部12が配置され、固定板8と固定手段10が操作部12の下部内側に位置して、操作部12によって固定板8と固定手段10が覆い隠された構造となっている。
一方、枠体1の前面下部に取り付ける前板3は、固定片3aが側板1cの係止片7と係合し、固定手段10によって枠体1下部の固定板9に固着することで固定されている。そして、枠体1下部はベース6に設けた凹部6a内に嵌合して、ベース6の下面側から固定手段11によって固着されており、枠体1下部の固定板9と固定手段10がベースの凹部6a内に位置して、ベース6によって固定板9と固定手段10が覆い隠された構造となっている。
このため、前板2・3を枠体1へ固定するための固定構造が全て製品の内側や下側となり、外観部に固定手段が露出することが無くなったものであり、固定手段や固定板は最終的に操作部12やベース6によって覆い隠されて見えなくなる部分であるから、従来のようにねじ締め作業時に枠体表面に傷をつけてしまう問題はなくなり、作業工程が簡略化できた。
【0010】
また、枠体1上部に配置される操作部12の側面12aを上方が内側に傾斜するテーパ状に形成したから、操作部12の側面12aを持って上方へ引っ張ろうとするときは指が滑りやすくなり、操作部12から指が外れてしまうので、操作部12を容易に脱落させてしまうことを防ぐことができるものである。
【0011】
また、枠体1上部に外周面と連続して操作部12の側面12aを囲む筒体14を形成し、操作部12の側面12aの上部と上面12bを筒体14の上部に突出した構成にすることで、操作部12の筒体14から突出する部分は指先だけがかかる程度の高さとなるから、運転操作を行うときは操作部12の側面12aと上面12bのコーナ部付近を指先で持つだけでも容易に操作することができるが、操作部12を上方に引っ張ろうとするときは指先が滑って操作部12から指が外れてしまうから、操作部12の脱落を確実に防ぐことができるものとなった。また、操作部12の側面12aが枠体1の表面より内側に位置するから、操作部12に直接手が触れにくくなり、操作部12の誤操作を防止できるものである。
【0012】
また、ヒータ4と反射板5を固定プレート15に取り付けてあらかじめ一体の発熱体ユニットAとして構成し、固定プレート15の上部と下部に設けた固定部材16を枠体1内の係止部17に係合することによって、発熱体ユニットAを枠体1内に取り付けており、このとき発熱体ユニットAの固定プレート15が開口部1aの上部と下部に位置しており、前板2・3を取り付けたときに固定プレート15と固定部材16と係止部17が前板2・3によって隠れて見えなくなるから、ヒータ4や反射板5の固定構造も製品の内側に位置するものとなり、外観部に固定構造が露出することがなく、デザインの向上に寄与できるものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図に示す実施例によってこの発明を説明すると、1は電気ストーブの枠体、1aは枠体1の前面に設けた開口部、4は枠体1内に取り付けたヒータ、5はヒータ4の前方を開口しながらヒータ4の背部と側部を湾曲状に囲むように配置した反射板、5aは反射板5の上部に取り付けた上反射板、5bは反射板5の下部に取り付けた底反射板、6は枠体1の底面に取り付けたベースであり、ベース6によって枠体1を床面から立たせている。
【0014】
11は枠体1内の上部に設けた運転スイッチ、11aは枠体1の上部に突出する運転スイッチ11の作動軸、12は作動軸11aに取り付ける操作部であり、実施例では操作部12を回転操作することで運転スイッチ11のON/OFFや能力の切換を行うことができるようになっており、操作部12を操作して運転スイッチ11から運転信号が出力されるとヒータ4に通電を開始し、ヒータ4が加熱されて全体が高温になり、枠体1前面の開口部1aから前方に向かって熱線が放射される。
【0015】
1bは枠体1の背板、1cは枠体1の側板であり、背板1bと側板1cは半円状もしくはコ字状に折曲げて前面が開口する枠体1を構成している。2は枠体1の前面上部の側板1cの前縁に取り付ける上部前板、3は枠体1の前面下部の側板1cの前縁に取り付ける下部前板であり、この上部前板2と下部前板3の間に前記開口部1aが形成されている。
【0016】
従来の電気ストーブの枠体構造は、枠体表面に前板や反射板の固定構造が露出しているものが一般的であるが、枠体表面に露出した固定構造は製品の見栄えを悪くしており、また、製品の組立作業時に枠体表面に傷をつけやすい問題があった。
【0017】
2a・3aは前板2・3の外周縁部から内側に向けて形成した複数個の固定片、7は枠体1の側板1cの前縁から前方に向けて形成した係止片、7aはこの係止片7の先端に形成した突起であり、係止片7は上部前板2の固定片2aと下部前板3の固定片3aに対応するように枠体1の上部と下部にそれぞれ配置されており、上部の前板5に対応する係止片7には下向きの突起7aが形成され、下部の前板6に対応する係止片7には上向きの突起7aが形成されている。
8は枠体1の上部に設けた固定板であり、枠体1上部の固定板8は枠体1の背板1bの上端を折り曲げた平板面によって構成されている。9は枠体1の下部に設けた固定板であり、枠体1下部の固定板9は枠体1下部の側板1cの前縁から連続して形成した湾曲面によって構成されている。また、10は前板2と前板3を固定板8と固定板9に固着するための固定ねじで構成する固定手段である。
【0018】
枠体1の上部に配置する前板2は、固定片2aを係止片7の下方にのぞませてこの位置から側板1cの前縁に沿って前板2を上方向に移動すると、側板1cの前縁と係止片7の突起7aとの間に固定片2aが係合し、枠体1上部の固定板8の下部に前板2の上面が当接して重なり、固定板9と前板2の上面を固定手段10である固定ねじによって固着すると前板2が枠体1の前面に固定される。
8aは枠体1内に配置した運転スイッチ11の作動軸11aが貫通する透孔であり、運転スイッチ11は枠体1内の固定板8の下面に取り付けられ、運転スイッチ11の作動軸11aは透孔8aから固定板8の上部に突出している。操作部12は有底筒形に構成しており、12aは操作部12の側面、12bは操作部12の上面、12cは上面12bの裏面中央に設けた作動軸11aとの嵌合部である。
【0019】
操作部12の嵌合部12cを作動軸11aに嵌合して枠体1上部に取り付けると、操作部12の側面12aが枠体1の上部と前板2の上部の外周面と連続し、操作部12の下部内側に固定板8と固定手段10が位置して、操作部12によって固定板8と固定手段10が覆い隠される構造となった。
このため、枠体1の係止片7と前板2の固定片2aが枠体1内で係合して、枠体1の上部に配置された固定板8と固定手段10は操作部12で隠されるから、前板2の固定構造は全て製品の内側に位置して枠体1の表面に露出しない構造となった。
【0020】
一方、枠体1の下部に配置する前板3は、固定片3aを係止片7の上方にのぞませてこの位置から側板1cの前縁に沿って前板3を下方に移動すると、側板1cの前縁と突起7aとの隙間に固定片3aが係合し、枠体1下部の固定板9の前面に前板3の下部内面が当接して重なり、固定板9と前板3の下部前面に固定手段10である固定ねじを固着すると前板3が枠体1下部の前面に固定される。
6aはベース6の上面に設けた枠体1の下部が嵌合する凹部、13は枠体1下部とベース6を固着するための固定ねじで構成する固定手段であり、前板3を取り付けた枠体1をベース6の凹部6aに嵌合し、ベース6の底面から固定手段13である固定ねじを装着すると、枠体1がベース6に固定される。
【0021】
枠体1下部をベース6の凹部6aに嵌合したときに、枠体1下部の固定板9と固定手段10がベース6の凹部6a内に位置し、固定板9と固定手段10がベース6によって覆い隠される。また、ベース6の下面側に装着した固定手段13は、製品をベース6によって床面に設置したときにベース6の下部に隠れて見えることはない。
このため、枠体1の係止片7と前板3の固定片3aが枠体1内で係合して、枠体1下部に配置された固定板9と固定手段10、及びベース6の下面に装着する固定手段13はベース6で隠されるから、前板3の固定構造は全て製品の内側や下側に位置して枠体1の表面に露出しない構造になったから、固定ねじによって外観を損なうことなくデザインの向上に寄与できるものとなった。
【0022】
また、固定手段10を取り付ける固定板8と固定板9は最終的に操作部12やベース6によって内側に隠れるものであるから、従来のようにねじ締め作業時に枠体表面に傷をつけてしまうことはなく、作業工程の簡略化が可能となった。
【0023】
また、枠体1上部に操作部12を配置すると、操作部12を持って製品を持ち上げようとする可能性があり、操作部12を脱落させる可能性がある。
この発明の他の実施例では、操作部12の側面12aを上方が内側に傾斜するようにテーパ状に設けたものであり、操作部12の側面12aは上部が細くなっているため、操作部12の側面12aを掴んで上方に持ち上げようとするときは指が滑って操作部12から外れ易くなるから、操作部12が作動軸11aから容易に外れることはなく、操作部12の脱落を防止できるものである。一方、電気ストーブの運転操作を行うときは、操作部12を回転操作するので容易に操作可能である。
【0024】
また、14は枠体1の上部に形成した筒体であり、筒体14は枠体1と前板2の外周面から連続して上端位置が固定板8より上方に延ばされており、操作部12の外径寸法を筒体14の内径寸法よりわずかに小さく設けている。操作部12を作動軸11aに嵌合すると、操作部12が筒体14の内側に位置して操作部12の側面12aが筒体14に囲まれ、操作部12の側面12aの上部と上面12bだけが筒体14の上方に突出する。操作部12の筒体14から突出する部分は側面12aと上面12bのコーナ部に指先がかかる程度の高さに設定され、操作部12の側面12aと筒体14との隙間は指が挿入できない寸法に設定されている。
【0025】
この構成では、指先で操作部12のコーナ部付近を掴むことになるため、電気ストーブの運転操作を行うときは、操作部12を回転操作するので容易に操作可能であるが、製品を上方に持ち上げようとするときは指先が滑って操作部12から容易に外れてしまうから、操作部12だけを持って製品を持ち上げることはできないものであり、操作部12の脱落を確実に防ぐことができるものとなった。また、操作部12が筒体14の外周面より内側に位置することで、操作部12に直接手が触れにくい構造となっているから、枠体1や前板2に手を触れたときに操作部12の誤操作を防止することができるものとなった。
【0026】
15はヒータ4と反射板5と上反射板5aと底反射板5bを取り付けて一体の発熱体ユニットAを構成する固定プレート、18は反射板5と上反射板5aと底反射板5bを固定プレート15に固定するための固定ねじ、19はヒータ4を固定プレート15に取り付けるためのヒータ固定片であり、反射板5の上部と下部を固定ねじ18によって固定プレート15に取り付け、ヒータ4の上部と下部をヒータ固定片19によって固定プレート15に取り付け、上反射板5aを固定プレート15の上部に、底反射板5bを固定プレート15の下部に固定ねじ18によって取り付けており、上反射板5aはヒータ4と反射板5の上部の取り付け位置よりも下方に位置し、底反射板5bはヒータ4と反射板5の下部の取り付け位置より上方に位置している。
16は固定プレート15の上部と下部に設けた一対の固定部材、17は枠体1内の上部と下部に設けた係止部、20は固定プレート15の固定部材16を枠体1内の係止部17に固着する固定ねじであり、発熱体ユニットAは固定部材16を枠体1内の係止部17に係合して固定ねじ20を装着することで枠体1の開口部1a内に取り付けることができる。
【0027】
そして、枠体1の前面の上部と下部に前板2・3を取り付けると、固定プレート15と固定部材16と係止部17は枠体1内の開口部1aの上部と下部に位置し、前板2・3と上反射板5aと底反射板5bによって枠体1の内側に隠れるものである。
このため、ヒータ4や反射板5などの固定構造も製品の内側に位置するから、枠体1の表面に固定構造が露出しないものとなり、製品デザインの向上や組立工程の簡略化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の実施例を示す電気ストーブの縦断面図である。
【図2】この発明の実施例を示す電気ストーブを分解した縦断面図である。
【図3】この発明の実施例を示す電気ストーブの要部の正面図である。
【図4】この発明の他の実施例を示す電気ストーブの要部断面図である。
【図5】この発明の実施例を示す操作部を取り付ける前の枠体上部の要部断面図である。
【図6】この発明の実施例を示す枠体下部の要部断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 枠体
1a 開口部
1b 背板
1c 側板
2 上部前板
2a 固定片
3 下部前板
3a 固定片
4 ヒータ
5 反射板
6 ベース
6a 凹部
7 係止片
8 固定板
9 固定板
10 固定手段
11 運転スイッチ
11a 作動軸
12 操作部
12a 側面
12b 上面
13 固定手段
14 筒体
15 固定プレート
16 固定部材
17 係止部
A 発熱体ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背板(1b)と側板(1c)とを半円状もしくはコ字状に形成して前面が開口する枠体(1)を設け、該枠体(1)の前面の上部と下部には前板(2)・(3)を取り付け、上部前板(2)と下部前板(3)との間の枠体(1)の前面に開口部(1a)を形成し、
枠体(1)の開口部(1a)内には縦長のヒータ(4)と、該ヒータ(4)の前方を開口しながらヒータ(4)の側部と背部に位置する湾曲状の反射板(5)を配置し、
前記枠体(1)の下部にはベース(6)を備え、該ベース(6)によって枠体(1)を床面から立たせて枠体(1)の前面開口部(1a)からヒータ(4)の熱線を放射する電気ストーブにおいて、
前記前板(2)・(3)には両側部から内側に向けて複数個の固定片(2a)・(3a)を設け、
前記枠体(1)の側板(1c)には前記固定片(2a)・(3a)に対応する複数個の係止片(7)を形成し、かつ、前記枠体(1)の上部と下部には背板(1b)もしくは側板(1c)から連続する固定板(8)・(9)を形成し、その固定板(8)・(9)に前記前板(2)・(3)を固着する固定手段(10)を設け、
上部の前板(2)は固定片(2a)を係止片(7)に係合させながら、固定手段(10)によって枠体(1)上部の固定板(8)に固定し、下部の前板(3)は固定片(3a)を係止片(7)に係合させながら固定手段(10)によって枠体(1)下部の固定板(9)に固定し、
かつ、前記枠体(1)内の上部には運転スイッチ(11)を設け、該運転スイッチ(11)に設けた作動軸(11a)を固定板(8)の上方に突出し、固定板(8)の上部には作動軸(11a)に嵌合する操作部(12)を取り付け、枠体(1)上部の固定板(8)と固定手段(10)が操作部(12)の下部内側に位置して操作部(12)によって覆い隠されると共に、
前記ベース(6)には枠体(1)下部が嵌合する凹部(6a)と、枠体(1)とベース(6)を固着する固定手段(13)とを設け、前記枠体(1)は下部を凹部(6a)に嵌合しながらベース(6)の下面から固定手段(13)によって固定し、枠体(1)下部の固定板(9)と固定手段(10)が凹部(6a)内に位置してベース(6)によって覆い隠されることを特徴とする電気ストーブの枠体構造。
【請求項2】
前記操作部(12)の側面(12a)を上方が内側に傾斜するテーパ状に形成したことを特徴とする請求項1記載の電気ストーブの枠体構造。
【請求項3】
前記枠体(1)と前板(2)の上部には外周面が連続して操作部(12)の側面(12a)を囲む筒体(14)を形成し、操作部(12)は筒体(14)の内側に位置して側面(12a)の上部と上面(12b)が筒体(14)の上方に突出することを特徴とする請求項1または2に記載の電気ストーブの枠体構造。
【請求項4】
前記ヒータ(4)と反射板(5)を取り付けて一体の発熱体ユニット(A)を構成する固定プレート(15)を設け、その固定プレート(15)の上部と下部に一対の固定部材(16)を設け、
かつ、前記枠体(1)内には固定プレート(15)の固定部材(16)に対応する係止部(17)を設け、
固定プレート(15)の固定部材(16)と枠体(1)内の係止部(17)との係合によって発熱体ユニット(A)を枠体(1)内に取り付け、
発熱体ユニット(A)の固定プレート(15)と固定部材(16)は開口部(1a)の上部と下部に位置して前記前板(2)・(3)によって枠体(1)内に隠されることを特徴とする請求項1から3に記載した電気ストーブの枠体構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−287882(P2009−287882A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143097(P2008−143097)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000003229)株式会社トヨトミ (124)
【Fターム(参考)】