説明

電気二重層キャパシタモジュール

【課題】ダクトを別途設計して設ける必要がないため、手間やコストがかかることなく、簡便に段積み利用することが可能な電気二重層キャパシタモジュールを提供する。
【解決手段】本発明に係る電気二重層キャパシタモジュールは、複数個の電気二重層キャパシタセルの引出電極同士を接続し直列接続した電気二重層キャパシタモジュールにおいて、前記複数個の電気二重層キャパシタセルと接し、前記複数個の電気二重層キャパシタセルの熱を放熱する放熱部材と、前記放熱部材を囲むように設けられたダクト部材90と、からなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電気二重層キャパシタセルを直列接続して構成されるキャパシタモジューであって、当該セルを冷却するための気流の通路が予め設けられている電気二重層キャパシタモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気二重層キャパシタにおいては、一般に円筒型などその他の形態に比べて積層型はエネルギー密度が高い。積層型の電気二重層キャパシタセルは、分極性電極をセパレータともに積層した積層体に引き出し電極を取り付け、さらに積層体に電解液を含浸させた後、ラミネートフィルムに入れられ、ラミネートの開口部から引き出し電極が引き出された状態で密封されてなる。
【0003】
非特許文献1に記載されているように、電気二重層キャパシタは耐電圧が低いために、複数のキャパシタセルを直列接続してキャパシタモジュールを構成して利用される。このように積層型のキャパシタセルを直列接続して利用する際には、充放電に伴いキャパシタセルが積層面に垂直な方向に膨張収縮するので適当な加圧機構を設ける(特許文献1)。また、特許文献2には、その図15に関連して、複数の電気二重層キャパシタセルの引出電極同士が直列接続されて構成されたキャパシタモジュールが開示されている。
【非特許文献1】岡村廸夫著「電気二重層キャパシタと蓄電システム」日刊工業新聞社発行、2005年9月30日第3版第1刷、第8頁〜第9頁、第150頁〜第157頁
【特許文献1】特開2005−93492号公報
【特許文献2】特開2008−153282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の電気二重層キャパシタセルの引出電極同士を直列接続することによって構成した従来の電気二重層キャパシタモジュールを図16に示す。このような電気二重層キャパシタモジュールは電気二重層キャパシタセルの間に配される複数の放熱フィンが外側に延在するような形態となっている。このようなキャパシタモジュールを段積みして利用する場合には、それぞれのキャパシタモジュールから延在する放熱フィンを効率的に冷却するために、周囲にダクトを別途設けるようにしていた。図17は従来の電気二重層キャパシタモジュールを段積みで用いる場合におけるモジュールの空冷方法を説明する図である。しかしながら、従来のキャパシタモジュールでは、放熱フィンを冷却するためにダクトを別途設計して設ける必要があり、手間やコストがかかることとなり、キャパシタモジュールを段積み利用のネックとなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであって、請求項1に係る発明は、複数個の電気二重層キャパシタセルの引出電極同士を接続し直列接続した電気二重層キャパシタモジュールにおいて、前記複数個の電気二重層キャパシタセルと接し、前記複数個の電気二重層キャパシタセルの熱を放熱する放熱部材と、前記放熱部材を囲むように設けられたダクト部材と、からなることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電気二重層キャパシタモジュールにおいて、前記複数個の電気二重層キャパシタセルと前記放熱部材とを一体に組み付けるシャーシ部材を有し、前記ダクト部材が前記シャーシ部材に取り付けられることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の電気二重層キャパシタモジュールにおいて、前記ダクト部材が前記シャーシ部材に取り付けられた状態では、前記キャパシタモジュールの上下方向に抜ける空間が前記放熱部材周囲に形成されることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電気二重層キャパシタモジュールにおいて、前記キャパシタモジュールの高さが、前記ダクト部材の高さより高いことを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電気二重層キャパシタモジュールにおいて、前記放熱部材が、前記電気二重層キャパシタセルの間に複数設けられることを特徴とする。
【0010】
また、請求項6に係る発明は、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の電気二重層キャパシタモジュールにおいて、前記放熱部材は前記電気二重層キャパシタセルと接する接触部と、前記接触部から延在し前記電気二重層キャパシタセルと接触しないフィン状部とからなり、前記ダクト部材は前記フィン状部を囲むように、前記シャーシ部材に取り付けられることを特徴とする。
【0011】
また、請求項7に係る発明は、請求項6に記載の電気二重層キャパシタモジュールにおいて、前記フィン状部は前記電気二重層キャパシタセルの両側方の2方向に延在し、前記ダクト部材は2方向に延在した前記フィン状部を囲むよう、前記シャーシ部材に2つ取り付けられることを特徴とする。
【0012】
また、請求項8に係る発明は、請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の電気二重層キャパシタモジュールにおいて、前記シャーシ部材には、前記放熱部材との接触箇所に絶縁部が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る電気二重層キャパシタモジュールによれば、電気二重層キャパシタセルで発生する熱を放熱する放熱部材を囲むように設けられたダクト部材が予め設けられているので、放熱部材を冷却するためにダクトを別途設計して設ける必要がなく、手間やコストがかかることなく、電気二重層キャパシタモジュールを簡便に段積み利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュールに用いる電気二重層キャパシタセル10の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュールの製造工程を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュールで用いる放熱部材20の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュールの製造工程を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュールの製造工程を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュールの製造工程を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュールの製造工程を説明する図である。
【図8】本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュールの製造工程を説明する図である。
【図9】本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュールの製造工程を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュールを示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュールを段積み利用する際の設置例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュール100を設置するために棚部140上に設けられる構成を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュール100とその設置構造各部との関係を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュール100を棚部140上に設置した状態を示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュールと空冷ファンを抜き出して示す図である。
【図16】従来の電気二重層キャパシタモジュールを示す図である。
【図17】従来の電気二重層キャパシタモジュールを段積みで用いる場合におけるモジュールの空冷方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュールに用いる電気二重層キャパシタセル10の斜視図である。この電気二重層キャパシタセル10は積層型の電気二重層キャパシタセルである。より具体的には、キャパシタ本体については、正の電極体(正極体)と負の電極体(負極体)をこれらの間にセパレータを介在させつつ交互に重ねることにより所定の積層体に組成される。正極体および負極体は、集電極とその両面に形成される分極性電極(活性炭電極)とから平板状に構成される。これら集電極は、矩形状の金属箔(アルミニウム箔)からなり、矩形平面の一辺に片側へ寄せて帯状の導電部(リード)が一体形成される。導電部は同極同士が集束され接合され、正の引出電極12、負の引出電極13とされる。
【0016】
そして、金属層を含む積層構造の樹脂フィルム(たとえば、アルミラミネート)から形成される容器部11の周縁において、正の引出電極12、負の引出電極13の一部が引き出され、一辺を除く三辺が熱溶着(ヒートシール)される。より具体的には、容器部11は正の引出電極12、負の引出電極13が突き出る一辺を開口可能とされており、そして、その開口部から内部に電解液を注入し、電解液の含浸処理などが終わると、真空ポンプにより空気や水分を除去した状態において、残りの一辺が熱溶着(ヒートシール)され、電気二重層キャパシタセル10が製作される。
【0017】
概略、以上のようにして構成される電気二重層キャパシタセル10は、耐電圧が低いために、複数個を直列接続した電気二重層キャパシタモジュールとして利用される。このとき、一の電気二重層キャパシタセル10の正の引出電極12と、他の電気二重層キャパシタセル10の負の引出電極13とを接続して、複数個のセルを直列接続して、モジュールとしての電圧を得るようにしている。
【0018】
電気二重層キャパシタセル10同士を接続する際には、2つの引出電極をX−X’線により切断しA−A’線で90°折り曲げ加工を施し、さらにこれと逆の方向にB−B’線で90°折り曲げ加工を施す。このとき、正の引出電極12と、負の引出電極13とは互いに逆方向に折り曲げ加工がなされ、引出電極は図2に示すような状態とされる。
【0019】
次に、本発明の電気二重層キャパシタモジュールを構成する際に用いる放熱部材について説明する。図3は本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュールで用いる放熱部材20の斜視図である。放熱部材20は熱伝導が優れる金属で形成され、電気二重層キャパシタセル10と接触して、電気二重層キャパシタセル10で発生した熱を吸熱する接触部21と、この接触部21で吸熱した熱を空気中に放出するフィン状部22とから構成されている。電気二重層キャパシタモジュールを構成するときにおいて、この放熱部材20におけるフィン状部22は電気二重層キャパシタセル10とは接触することなく、セル10の両側方の2方向に延在するように設けられている。
【0020】
電気二重層キャパシタモジュールを構成する場合、以上のような、電気二重層キャパシタセル10と、放熱部材20とを図4に示すように交互に配する。このとき、一の電気二重層キャパシタセル10の正の引出電極12と、放熱部材20を介して、これと隣り合う電気二重層キャパシタセル10の負の引出電極13とが近接するように配置される。
【0021】
そして、一の電気二重層キャパシタセル10の正の引出電極12と、放熱部材20を介して、これと隣り合う電気二重層キャパシタセル10の負の引出電極13とは、図5に示すように、端子カシメ部材30によってカシメられることによって、電気二重層キャパシタセル10の直列接続が構成される。
【0022】
以上のような電気二重層キャパシタセル10の直列接続構成は、ベース部材40上に載置され、第1側壁部材41及び第2側壁部材42によって、電気二重層キャパシタセル10積層方向から挟持される。なお、第1側壁部材41又は第2側壁部材42のいずれかの側壁部材には、電気二重層キャパシタセル10を積層方向に押圧するための弾性部材などが設けられることが好ましい。第1側壁部材41と、第2側壁部材42との間は、4本の側部架橋部材43で支持する。ここで、第1側壁部材41、第2側壁部材42に対して、4つの側部架橋部材43の取り付けを行う際には、ネジ部材が適宜用いられる。
【0023】
電気二重層キャパシタセル10の直列接続の直接的なケーシングとなるベース部材40、第1側壁部材41、第2側壁部材42、側部架橋部材43などは、本明細書では一括してシャーシ部材として表現する。
【0024】
また、側部架橋部材(シャーシ部材)43が取り付けられた際に、各放熱部材20と接する箇所には、合成樹脂材料からなる絶縁部44が設けられており、シャーシ部材と放熱部材20との間の電気的絶縁が保たれるようになっている。
【0025】
以上のように、複数の電気二重層キャパシタセル10とその間に設けられた複数の放熱部材20とを各シャーシ部材によって組み付けた後には、図7に示すように、第1側壁部材41側に端子板50を取り付け、第2側壁部材42側に補助板70を取り付ける。また、上方の2つの側部架橋部材43を利用して、電気二重層キャパシタセル10上方部に回路基板60を取り付ける。
【0026】
第1側壁部材41側に取り付けられた端子板50には、直列接続された電気二重層キャパシタセル10全体の電圧が印加される端子が設けられており、この端子からモジュールとしての電圧を取り出すことができるようになっている。
【0027】
また、側部架橋部材43に取り付けられた回路基板60には、電気二重層キャパシタセル10の各々の電圧が印加される並列モニタと呼ばれるセル監視用の電気回路が設けられており、これによりモジュール全体としての安定運用を図るようになっている。なお、並列モニタを用いてモジュール内の各電気二重層キャパシタセルを適正に運用する技術については、先に示した非特許文献や特許文献に記載のものを用いることができる。
【0028】
なお、電気二重層キャパシタセル10と、端子板50や回路基板60とを接続する配線に関しては図示省略している。
【0029】
図7に関連して、端子板50や回路基板60と、電気二重層キャパシタセル10とを適切に電気配線した後には、図8に示すように、端子板50及び補助板70とを利用して、天板部材80を、また、セル両側方部から2つの側方部材85を当てるようにして組み付ける。このような天板部材80の組み付けを行う際においては、ネジ部材が適宜用いられる。
【0030】
図8に示す天板部材80、側方部材85が組み付けられた後には、シャーシ部材等から両側方に突出する状態となっている複数の放熱部材20のフィン状部22を、囲むようにして、略コ字状断面をなすダクト部材90が取り付けられる。このようなダクト部材90の取り付けにはネジ部材が用いられるが、ネジを螺着するために第1側壁部材41や、第2側壁部材42、側方部材85に設けられているネジ穴が適宜利用される。このような2つのダクト部材90が設けられることによって、図10に示すような本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュール100を得ることができる。
【0031】
放熱部材20のフィン状部22は電気二重層キャパシタセル10の両側方の2方向に延在するようにして配されているが、これに対して、本発明の電気二重層キャパシタモジュール100においては、ダクト部材90は、2方向に延在したフィン状部22を囲むよう、シャーシ部材に2つ取り付けられている。
【0032】
本発明の電気二重層キャパシタモジュール100においては、ダクト部材90がシャーシ部材に取り付けられた状態では、電気二重層キャパシタモジュール100の上下方向に抜ける空間が放熱部材20のフィン状部22の周囲に形成されるようになっている。そして、本実施形態においては、上記のように、ダクト部材90によって画成された上下方向に抜ける空間を流路として、気流を流通させることによって、電気二重層キャパシタモジュール100を冷却する。
【0033】
また、図10に示すように、本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュール100においては、電気二重層キャパシタモジュール100本体部の高さHmと、ダクト
部材90の高さHdと、を比較すると、電気二重層キャパシタモジュール100本体部の
高さHmが高くなるように構成されている。より詳しくは図10に示すように、電気二重
層キャパシタモジュール100本体部の高さHmと比較すると、ダクト部材90の下方部
にはH1分のクリアランスが、また、ダクト部材90の上方部にはH2分のクリアランスが設けられている。これらのクリアランスは、電気二重層キャパシタモジュール100を段積み利用するときに、電気二重層キャパシタモジュール100を載置するための部材であるレール部材142などによって埋められ、これにより、上下モジュールにおけるダクト部材90は略気密に保たれることとなり、上下に連なるダクト部材90が、モジュールを段積みで利用した際の気流の流路として利用することができるようになっている。
【0034】
次に、以上のように構成される本発明に係る電気二重層キャパシタモジュール100を段積み利用するときに用いるラック部材について説明する。図11は本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュール100を段積み利用する際の設置例を示す図である。図11(A)は収納ラック110内に電気二重層キャパシタモジュール100が5台段積みされた様子を示しており、図11(B)は収納ラック110の扉部125を閉じた様子を示している。筐体部120内に設置される5台の電気二重層キャパシタモジュール100は棚部140に載置されている。また、筐体部120内において、最下段の電気二重層キャパシタモジュール100の下方には下部空間130が設けられ、最上段の電気二重
層キャパシタモジュール100の上方には上部ダクト150が配されている。また、筐体部120内の下部空間13領域に対応するように、扉部125には吸入口126が設けられている。また、上部ダクト150の断面寸法は、ダクト部材90を含めた電気二重層キャパシタモジュール100を上面から見たときの寸法と略等しくされている。
【0035】
上部ダクト150の上方には、空冷ファン160が配されており、この空冷ファン160を動作させることにより、扉部125の吸入口126から吸入された空気は、筐体部120内の下部空間130→最下段の電気二重層キャパシタモジュール100のダクト部材90→その一段上の電気二重層キャパシタモジュール100のダクト部材90→・・・→最上段の電気二重層キャパシタモジュール100のダクト部材90→上部ダクト150の流路を通り、それぞれのモジュールを冷却し、最終的には空冷ファン160から排気される。図15は本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュールと空冷ファンを抜き出して示す図であり、図中の矢印は空冷ファン160動作時における空気の流れを示している。
【0036】
次に、筐体部120内の棚部140に電気二重層キャパシタモジュール100を設置する具体的な方法についてより詳しく説明する。前述したとおり、5台の電気二重層キャパシタモジュール100は、筐体部120内の棚部140に載置されているが、より詳しくは、梁部材141やレール部材142などから構成されるステージが用いられることによって電気二重層キャパシタモジュール100が設置されている。
【0037】
図12は本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュール100を設置するために棚部140上に設けられる構成を示す図であり、図13は本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュール100とその設置構造各部との関係を示す図であり、図14は本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタモジュール100を棚部140上に設置した状態を示す図である。なお、いずれの図においても、(A)図は側面図であり、(B)図は正面図である。
【0038】
棚部140には、電気二重層キャパシタモジュール100を上面から見たときの寸法より広い穴が設けられ、この穴の前後に、梁部材141が設けられている。より詳しくは、図12に示すように、棚部140上には、2本の梁部材141が渡されるようにし設けられている。また、これら2本の梁部材141上には、梁部材141の長手方向に対して垂直な方向に、2本のレール部材142が渡されている。電気二重層キャパシタモジュール100は、これら2本のレール部材142上に、主に両側が載置された状態で、レール部材142上を摺動可能な状態で設置されている。このようなレール部材142を用いることで、電気二重層キャパシタモジュール100を引き出すことによって、取り出すことが可能となりメンテナンス性がよいものとなる。
【0039】
また、電気二重層キャパシタモジュール100が複数個棚部140上に段積みされた際には、図14に示すように、梁部材141及びレール部材142によって、段積みされた電気二重層キャパシタモジュール100のダクト部材90同士は、ほぼ気密が保たれるようになっており、空冷ファン160の動作によって発生する気流を無駄にすることがない。
【0040】
以上、本発明に係る電気二重層キャパシタモジュール100によれば、電気二重層キャパシタセル10で発生する熱を放熱する放熱部材20(フィン状部22)を囲むように設けられたダクト部材90が予め設けられているので、放熱部材を冷却するためにダクトを別途設計して設ける必要がなく、手間やコストがかかることなく、電気二重層キャパシタモジュール100を簡便に段積み利用することが可能となる。
【符号の説明】
【0041】
10・・・電気二重層キャパシタセル
11・・・容器部
12・・・(正の)引出電極
13・・・(負の)引出電極
20・・・放熱部材
21・・・接触部
22・・・フィン状部
30・・・端子カシメ部材
40・・・ベース部材
41・・・第1側壁部材(シャーシ部材)
42・・・第2側壁部材(シャーシ部材)
43・・・側部架橋部材(シャーシ部材)
44・・・絶縁部
50・・・端子板
60・・・回路基板
70・・・補助板
80・・・天板部材
85・・・側方部材
90・・・ダクト部材
100・・・電気二重層キャパシタモジュール
110・・・収納ラック
120・・・筐体部
125・・・扉部
126・・・吸入口
130・・・下部空間
140・・・棚部
141・・・梁部材
142・・・レール部材
150・・・上部ダクト
160・・・空冷ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の電気二重層キャパシタセルの引出電極同士を接続し直列接続した電気二重層キャパシタモジュールにおいて、
前記複数個の電気二重層キャパシタセルと接し、前記複数個の電気二重層キャパシタセルの熱を放熱する放熱部材と、
前記放熱部材を囲むように設けられたダクト部材と、からなることを特徴とする電気二重層キャパシタモジュール。
【請求項2】
前記複数個の電気二重層キャパシタセルと前記放熱部材とを一体に組み付けるシャーシ部材を有し、前記ダクト部材が前記シャーシ部材に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタモジュール。
【請求項3】
前記ダクト部材が前記シャーシ部材に取り付けられた状態では、前記キャパシタモジュールの上下方向に抜ける空間が前記放熱部材周囲に形成されることを特徴とする請求項2に記載の電気二重層キャパシタモジュール。
【請求項4】
前記キャパシタモジュールの高さが、前記ダクト部材の高さより高いことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電気二重層キャパシタモジュール。
【請求項5】
前記放熱部材が、前記電気二重層キャパシタセルの間に複数設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電気二重層キャパシタモジュール。
【請求項6】
前記放熱部材は前記電気二重層キャパシタセルと接する接触部と、前記接触部から延在し前記電気二重層キャパシタセルと接触しないフィン状部とからなり、前記ダクト部材は前記フィン状部を囲むように、前記シャーシ部材に取り付けられることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の電気二重層キャパシタモジュール。
【請求項7】
前記フィン状部は前記電気二重層キャパシタセルの両側方の2方向に延在し、前記ダクト部材は2方向に延在した前記フィン状部を囲むよう、前記シャーシ部材に2つ取り付けられることを特徴とする請求項6に記載の電気二重層キャパシタモジュール。
【請求項8】
前記シャーシ部材には、前記放熱部材との接触箇所に絶縁部が設けられることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の電気二重層キャパシタモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−114248(P2011−114248A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270991(P2009−270991)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(393013560)株式会社パワーシステム (127)
【出願人】(000180025)山洋電気株式会社 (170)
【Fターム(参考)】