説明

電気刺激装置

【課題】脳に刺激を与えることで脳機能障害を回復するといったリハビリ治療にまで適用可能な電気刺激装置を提供する。
【解決手段】電気信号を生体に印加するための電極5と、生体に着脱自在に取り付けられて該電極を特定部位に位置させるための装着体6とからなる導子を具備し、電極5は、装着体6を介して、手の平H1又は甲H2、足の裏又は甲の少なくとも一つの部位に位置させた状態で、該部位に対して間欠的に電気信号を印加することにより、脳を刺激して脳機能障害を回復させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体に電気刺激を印加することにより脳を活性化する電気刺激装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脳に何らかの障害を有している患者に対して、ドーマン法によるリハビリ治療が行われていた。ドーマン法とは、手足を動かして、脳に刺激を与える(刺激信号を脳に入力する)ことにより、脳を働かせて(脳に刺激信号を処理させて)、これにより脳障害を改善していくリハビリ手法である。
しかし、ドーマン法による治療では、治療効果が不十分であり、脳障害に対する新たな治療機器が望まれていた。
【0003】
ここで、生体に電気信号を印加する電気刺激装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この電気刺激装置は、外面又は内面に複数の面状電極を縫着し、この面状電極の縫着部を電気絶縁素材で被覆した構成である。
この電気刺激装置によれば、面状電極を介して人体に微弱電流を流すことによって、生体の細胞活動を活性化させ、これによって筋肉の収縮運動を喚起し、疲労回復・筋肉痛などの痛みの解消、美顔・痩身などの施療を行うことができる。
【特許文献1】特開2004−105579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような電気刺激装置は、疲労回復・筋肉痛といった痛み解消、美顔・痩身といった施療など、簡易な目的のために用いられているものであり、脳の機能障害を回復するといったリハビリ治療にまで適用されるものではない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、脳に刺激を与えることによって、効果的に脳機能障害を回復させることができる電気刺激装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、上記目的を達成するために本発明の課題解決手段では、生体に電気信号を印加する電気刺激装置であって、前記電気信号を前記生体に印加するための電極と、前記生体に着脱可能に取り付けられて前記電極を前記生体の特定部位に位置させるための装着体とを備える導子を具備し、前記導子は、前記装着体を介して、手の平、手の甲、足の裏又は足の甲の少なくとも一つの部位に前記電極を位置させた状態で、前記電気信号を前記生体に間欠的に印加することにより、前記生体の脳を刺激することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の課題解決手段では、前記導子が、前記装着体を前記生体に装着したときに、前記電極を手の母指球に位置させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の課題解決手段では、前記導子が、前記装着体を前記生体に装着したときに、手の母指球を挟んで、手の平側と手の甲側にそれぞれ前記電極を位置させて、これら電極から前記母指球に対して前記電気信号を印加することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の課題解決手段では、前記導子が、前記装着体を前記生体に装着したときに、手の母指球以外の手の平全体又は手の甲全体の少なくとも一方に前記電極を位置させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の課題解決手段では、前記装着体が、伸縮性を有する材料からなる手袋により形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の課題解決手段では、前記装着体が、手から着脱するための固定手段を有する手袋により形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の課題解決手段では、前記装着体が、手の平から甲に至るように装着されて、母指球を含む手の一部の部位を挟み込む装着片により形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の課題解決手段では、前記装着片が弾性体により形成されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の課題解決手段では、前記電極がゲル電極により形成され、前記ゲル電極が、手の各指の平の表面形状に合わせて個別に形成されることにより前記指に対する装着体が形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の課題解決手段では、前記電極がゲル電極により形成され、前記ゲル電極が、手の指の平の全体形状に合わせて一体化したシート状に形成されることにより前記指に対する装着体が形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の課題解決手段では、前記電極には、母指球に電気信号を印加するための母指球用電極がさらに設けられていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の課題解決手段では、前記導子が、前記装着体が前記生体に装着されたときに、前記電極を足の母指球に位置させることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の課題解決手段では、前記導子が、前記装着体が生体に装着されたときに、足の母指球を挟んで、足の裏側と足の甲側にそれぞれ前記電極を位置させることにより、これら電極から前記母指球に対して電気信号を印加することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の課題解決手段では、前記導子が、前記装着体が前記生体に装着されたときに、足の母指球以外の足の裏全体、又は足の甲全体の少なくとも一方に前記電極を位置させることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の課題解決手段では、前記装着体が、伸縮性を有する材料からなる靴下により形成されていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の課題解決手段では、前記装着体が、足から着脱するための固定手段を有する靴下により形成されていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の課題解決手段では、前記装着体が、足の裏から甲に至るように装着されて、母指球を含む足の一部の部位を挟み込む装着片により形成されていることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の課題解決手段では、前記電極がゲル電極により形成され、前記ゲル電極が、足の各指の平の表面形状に合わせて個別に形成されることにより前記指に対する装着体が形成されていることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の課題解決手段では、前記電極がゲル電極により形成され、前記ゲル電極が、足の指の平の全体形状に合わせて一体化したシート状に形成されることにより前記指に対する装着体が形成されていることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の課題解決手段では、前記電極には、母指球に電気信号を印加するための母指球用電極がさらに設けられていることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の課題解決手段では、請求項1から請求項20のいずれか一項に記載の導子と、前記電気信号を発生させる電気信号発生機とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明の電気刺激装置によれば、導子を生体に装着したときに、装着体を介して、手の平(指の平を含む)、手の甲、足の裏(指の平を含む)又は足の甲の少なくとも一つの部位に電極が位置する。この状態で、当該部位にある電極に対して間欠的に電気信号を印加することにより、脳を刺激して脳機能障害を効果的に回復させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に本発明の実施の形態を図1〜図12に基づいて説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
電気刺激装置1は、設定された周波数の電気信号を発生させる電気信号発生機2と、電気信号発生機2にケーブル3を介して接続された導子4とを備えている。
導子4は、電気信号発生機2から供給された電気信号を生体に印加するための円盤状の電極5(図2に示す)と、生体に着脱可能に取り付けられて、生体の特定部位に電極5を位置させるための装着体6とを備えている。
電気信号発生機2には、操作パネル2Aが設けられており、この操作パネル2Aを通じて内部のコントローラを操作し、このコントローラを通じて、電気信号発生素子(図示略)から発生される電気信号の周波数、ON・OFFの切換、ON・OFF時間、全体の出力パターンなどが設定及び設定変更される。
【0029】
そして、導子4を生体に装着したときに、装着体6を介して、手の平(指の平を含む)、手の甲、足の裏(指の平を含む)又は足の甲の少なくとも一つの部位に電極が位置するようになっている。この状態で、当該部位に対して電気信号発生機2から出力された電気信号を印加することにより、脳を刺激して、脳を活性化して脳機能障害の回復を図るようにしている。
なお、ここで脳機能障害の回復を図るための最適な電気信号の出力パターンは、ONが2〜3分、OFFが1〜1.5分のサイクルを、所定時間(例えば30分、45分、1時間など)に達するまで連続的に繰り返し行うことによって構成される。
【0030】
次に、図2を参照して、電極5及び装着体6から構成される導子4について説明する。
装着体6は、図2(A)に示すように伸縮性を有する素材により手袋状に形成されている。そして、図2(B)に示すように、装着体6が生体に装着されると、電極5が、手の平H1の側であって、かつその母指球M1に一致する位置に配される。また、電極5の中心には、電極5の周囲を支持し、電極5と電気的に接続された環状のホック7が設けられている。この電極5は、このホック7を介してケーブル3と接続される。そして、電気信号発生機2から、ケーブル3、ホック7を通じて電極5に供給される電気信号によって、手の母指球M1を刺激し、この母指球M1を通じて脳を刺激して活性化させる。
【0031】
なお、この第1実施形態に示す導子4には以下の変形例がある。
(1)装着体6を介して手の平H1の側に電極5を配置したが、これに限定されず、図2(C)に示すように、装着体6を生体に装着したときに、手の母指球M1を挟んで、手の平H1の側と手の甲H2の側にそれぞれ電極5を位置させることで、これら両側の電極5から母指球M1に対して電気信号を印加しても良い。
(2)図2(A)から(C)の例において、手の母指球M1を除く、手の平H1及び/又は手の甲H2に電極5を位置させ、手の母指球M1を除く部位の手の平H1及び/又は手の甲H2に、電気的刺激を与えるようにしても良い。
(3)図3(A)及び(B)に示すように、装着体6は、手から着脱するためのファスナー8、マジックテープ(登録商標)9などの固定手段をさらに設けても良い。このような固定手段を設けた場合には、装着体6は必ずしも伸縮性を有する材料で構成する必要は無い。
(4)図4(A)から(D)に示すように、装着体6は、母指球M1を含む手の一部の部位を包み込む装着片により形成しても良い。この場合、装着体6は親指が内部を通るように筒状に形成し、装着した場合に、電極5は母指球M1に一致するように配置する。
また、電極5をゲル電極により形成し、図4(A)から(C)に示されるように、装着体6を生体に装着したときに、手の母指球M1を挟んで、手の平H1の側と手の甲H2の側にそれぞれ位置させることによって、これら手の平H1と手の甲H2の各側から母指球M1に対して電気信号を印加しても良い。
また、図4(D)で示すように、装着体6の電極5に電気信号を供給するホック7は、手の平H1に2箇所設けて2極とし、手の平H1上の電極5に対して電気信号を印加しても良く、また、装着体6の電極5に電気信号を供給するホック7は、手の平H1に2箇所設けて2極とし、手の甲H2側の電極5に対して電気信号を印加しても良い。
(5)図5(A)から(D)に示すように、装着体6は筒状とせず、弾性体によって手の形状に合わせて加工しても良い。このような形状により、装着体6を装着した場合に手にフットし、母指球M1に対する電極5の位置決めも正確に行うことができる。また、本例においても、装着体6の電極5に電気信号を供給するホック7は、図5(D)で示すように手の平H1の側及び/又は手の甲H2の側に2箇所設けて2極としても良い。
【0032】
以上説明したように第1実施形態に示される電気刺激装置1では、導子4を生体に装着したときに、装着体6を介して、手の平H1又は手の甲H2の少なくとも一つの部位に電極5が位置する。この状態で、当該部位にある電極に対して間欠的に電気信号を印加することにより、脳を刺激して脳機能障害を回復させることができ、これによって脳機能障害を回復するといったリハビリ治療を有効に行うことが可能となる。
【0033】
次に、本発明の第2実施形態を図6及び図7を参照して説明する。
第2実施形態に示される電気刺激装置10が第1実施形態と異なる点は、電気信号を印加する生体の部位である。
図6(A)から(C)に示される電気刺激装置10の導子11では、電極12をゲル電極により形成し、かつゲル電極を、手の各指H3の平の表面形状に合わせて個別に形成することによって指H3に対する装着体13を構成するものである。
この電気刺激装置10はそれぞれの指H3毎に設けられるものであって、各指H3の電極12には、電気信号発生機2からのケーブル3に接続される端子12Aが接続されている。
【0034】
なお、この第2実施形態では以下の変形例がある。
(1)図6では、ゲル電極からなる電極12を各指H3の形状に合わせて個別に形成することにより、指H3に対する装着体13を構成したが、これに限定されず、図7(A)に示すように、ゲル電極から形成した電極14を、指H3の平の全体形状に合わせて一体化したシート状としてなる装着体15とし、この装着体15に電気信号を印加するホック16を設けるようにしても良い。
(2)図7(A)に示される電極14に、図7(B)から(D)に示すように、手の母指球M1に表面側から電気信号を印加するための母指球用ゲル電極17及びホック18をさらに設け、指H3の平全体とともに、手の母指球M1を刺激しても良い。
【0035】
なお、上述したゲル電極からなる電極14には、図7(E)に示すように、指H3の表面と接する側に絶縁板19を貼付するようにし、刺激が必要な指H3の絶縁板19を剥がすようにすると良い。これにより刺激が必要な指H3のみに電気信号を印加して刺激を与えることができる。
【0036】
以上説明したように第2実施形態に示される電気刺激装置10では、導子11を生体に装着したときに、装着体13、15を介して、手の指H3の平及び手の母指球M1に電極12、14、18が位置する。この状態で、当該部位にある電極12、14、18に対して間欠的に電気信号を印加することにより、脳を刺激して脳機能障害を回復させることができる。これによって脳機能障害を回復するといったリハビリ治療を有効に行うことができる。
【0037】
次に、本発明の第3実施形態を図8から図10を参照して説明する。
第3実施形態に示される電気刺激装置20が、上記第1及び第2の実施形態と異なるのは、電気信号により手ではなく足を刺激する点である。
この電気刺激装置20の導子21を構成している装着体22は、図8(A)に示すように伸縮性を有する素材にて靴下の形状に形成されているものであって、生体に装着したときに、その電極23を、足の裏F1側でかつその母指球M2に合致するように位置させるものである。
また、電極23の中心には、電極23と電気的に接続されたホック24が設けられており、このホック24を介してケーブル3と接続される。そして、電気信号発生機2からケーブル3、ホック24を通じて電極23に供給される電気信号によって、足の母指球M2を刺激し、この母指球M2を通じて脳を刺激して活性化させる。
【0038】
なお、この第3実施形態では以下の変形例がある。
(1)装着体22を介して足の裏F1側に電極23を配置したが、これに限定されず、図8(B)及び(C)に示すように、装着体22を、生体に装着したときに、足の母指球M2を挟んで、足の裏F1側と足の甲F2側にそれぞれ電極23を位置させることにより、これら両側の電極23から母指球M2に対して電気信号を印加しても良い。
(2)図8(A)から(C)の例において、足の母指球M2を除く、足の裏F1及び/又は足の甲F2に電極23に位置させ、足の母指球M2を除く部位の足の裏F1及び/又は足の甲F2に電気的刺激を与えるようにしても良い。
(3)図9(A)及び(B)に示すように、装着体22は、足から着脱するためのファスナー25又はマジックテープ(登録商標)26などの固定手段をさらに設けても良い。このような固定手段を設けた場合には、装着体22は必ずしも伸縮性を有する材料で構成する必要は無い。
(4)図10(A)から(E)に示すように、装着体22を靴下状とせず、足の裏F1から甲F2に至るように装着されて、母指球M2を含む足の一部の部位を挟み込む装着片により形成しても良い。この場合、電極23は、図10(A)から(D)に示されるように、装着体22を生体に装着したときに、足の母指球M2を挟んで、足の裏F1側と甲F2側にそれぞれ電極23を位置させることにより、これら両側の電極23から母指球M2に対して電気信号を印加しても良い。
また、図10(E)で示すように、装着体22の電極23に電気信号を供給するホック24は、足の裏F1側に2箇所設けて2極とし、手の母指球M2を挟んで、足の甲F2側の電極23に対して電気信号を印加しても良い。
【0039】
以上説明したように第3実施形態に示される電気刺激装置20では、導子21を生体に装着したときに、装着体22を介して足の裏F1又は足の甲F2の少なくとも一つの部位に電極が位置する。この状態で、当該部位にある電極23に対して間欠的に電気信号を印加することにより、脳を刺激して脳機能障害を回復させることができる。これによって脳機能障害を回復するといったリハビリ治療を有効に行うことができる。
【0040】
次に、本発明の第4実施形態を図11及び図12を参照して説明する。
第4実施形態に示される電気刺激装置30が第3実施形態と異なる点は、電気信号を印加する生体の部位である。
図11(A)から(C)に示される電気刺激装置30の導子31では、電極32をゲル電極により形成し、かつゲル電極を足の各指F3の表面形状に合わせて個別に形成することにより、これら足の指F3に対する装着体33を構成するものである。
この電気刺激装置30は、それぞれの指F3毎に設けられるものであって、各指F3の電極32には、電気信号発生機2からのケーブル3が接続される端子32Aが設けられている。
【0041】
なお、この第4実施形態では以下の変形例がある。
(1)図11では、ゲル電極からなる電極32を足の各指F3の形状に合わせて個別に形成することにより、これら足の指F3に対する装着体33を構成したが、これに限定されず、図12(A)に示すように、ゲル電極からなる電極34を、指H3の全体形状に合わせて一体化したシート状に形成してなる装着体35とし、この装着体35に電気信号を印加するホック36を設けるようにしても良い。
(2)図12(A)に示される電極34に、図12(B)から(D)に示すように、足の母指球M2に表面側から電気信号を印加するための母指球M2用ゲル電極37及びホック38をさらに設け、足の全体とともに、足の母指球M2を刺激しても良い。
【0042】
なお、上述したゲル電極からなる電極34には、図12(E)に示すように、指F3の表面と接する側に絶縁板39を貼付するようにし、刺激が必要な指F3の絶縁板39を剥がすようにすると良い。これにより刺激が必要な指F3のみに電気信号を印加して刺激を与えることができる。
【0043】
以上説明したように第4実施形態に示される電気刺激装置30では、導子31を生体に装着したときに、装着体33、35を介して足の指F3の裏、及び足の母指球M2に電極32、34、37が位置する。この状態で、当該部位にある電極32、34、37に対して間欠的に電気信号を印加することにより、脳を刺激して脳機能障害を回復させることができる。これによって脳機能障害を回復するといったリハビリ治療を有効に行うことができる。
【0044】
上述した第1から第4の実施形態では、電極を通じて、上述した手の平H1(指H3の平を含む)、手の甲H2、足の裏F1(指F3の平を含む)又は足の甲F2のいずれかの部位に対して電気的な刺激を与えるものであるが、その本質となる技術は、これら部位に対して電気的な刺激を与えることによって、脳機能を回復させることができる点を見出した脳機能回復方法にある。すなわち、電気信号が印加される電極を、手の平H1(指の平を含む)、手の甲H2、足の裏F1(指F3の平を含む)又は足の甲F2の少なくとも一つの部位に位置させた状態で、当該部位に対して間欠的に電気信号を印加することにより、脳を刺激して脳機能を回復させる脳機能回復方法をも提案している。
【0045】
上記実施形態においては、脳機能を回復させるための手段を、電気刺激装置として捉えた場合について説明したが、別の観点から脳機能障害の治療方法として捉えることも可能である。
すなわち、この治療方法は、上述した手の平H1(指H3の平を含む)、手の甲H2、足の裏F1(指F3の平を含む)又は足の甲F2のいずれかの部位に、電極を取り付ける取付工程と、この取付工程によって取り付けられた電極を介して、生体に電気信号を間欠的に印加する印加工程とを含むものである。
【実施例】
【0046】
以下、上述した脳機能回復方法のメカニズム、及び上述した脳機能回復が適用された電気刺激装置1、10、20、30を用いて実際に患者を治療した具体例を以下に示す。
【0047】
「電気刺激による脳機能の改善のメカニズムについて」
ニューロンネットワークという考え方が脳神経生理学で発見されて以来、その概念はコンピュータの演算モデルとしても用いられるようになってきた。簡単にニューロンネットワークを説明すると、ニューロンネットワークとは、神経細胞が互いに神経端末で繋がって網目状のネットワークを形成していることを指している。ヒトなどの高等動物では、このニューロンネットワークを使い、末梢神経から中枢神経へ、また中枢神経から末梢神経へ電気信号を送っている。もう少し詳しく言えば、末梢神経末端の感覚器に与えられた刺激(痛みや筋肉の収縮程度)は、電気信号に変換されて末梢神経、脊髄から脳幹、大脳辺縁系の神経細胞の繋がりであるニューロンネットワークを通って、大脳皮質または小脳皮質に伝えられる。最終目的地の神経細胞は、このインプットの電気信号を解析し、アウトプットの電気信号がニューロンネットワークを通じて末梢神経末端に送られ、末梢神経末端の感覚器、または運動器(筋肉など)を微調整していると考えられている。
【0048】
この電気信号の循環が絶えず無意識下に行われ、ニューロンネットワークを維持していると考えられる。一例を挙げると、発声された言葉は、耳から大脳皮質に伝わり解析され、発声された内容と発声しようとした内容とが、質的にまたは量的に同じか否か吟味される。声の音量が少し大きいと次の発声の音量は下げられる。これを大脳皮質が無意識で繰り返して発声とその理解を行っている。
このように、ヒトなどの高等動物では、外界からの刺激であるインプットと、大脳からの命令であるアウトプットとが電気信号となり、絶えず神経細胞を通過することで、神経細胞の繋がりであるニューロンネットワークを保持しようとすると考えられる。通常は、主だったニューロンの経路だけが電気信号の伝達に使用されており、バイパスとして存在するニューロンネットワークにはいくつかの予備があるが、通常は使用されていないと思われる。同じ思考や動作の目的のために、インプットの信号を多様化して質的、量的に最終目的である神経細胞に加えると、それに反応する最終目的地の神経細胞の数とそれに連結するニューロンネットワークが増えることで、思考や動作に対する質的かつ量的な達成度(アウトプット)が深まるようになると考えられる。
【0049】
手の機能と脳機能との関係であるが、ワイルダー・ペンフィールドが「脳地図」で示したように、手からの魔性神経が経由するニューロンネットワークは、大脳皮質の神経細胞の多数と繋がっており、手の機能と大脳皮質の発達とが関係していることは、今日では医学的常識となっている。
このような背景から、今回注目したのはチンパンジーである。チンパンジーは遺伝子の塩基配列がヒトと約1%しか違わず、知能的には高度に発達するが、意味明瞭な言語を発声できない。彼らが何故喋れないかは他の要因も寄与すると思われるが、脳機能障害の言語機能の低下、脳機能の低下を説明するモデルとしては現時点では最善であろうと考えた。脳機能が発達していない知的障害者では、母指球が発達しておらず、指趾にも感覚の異常があり、脳梗塞や脳血栓などの脳血管障害患者にみられる猿手に類似したものとなっている。脳血管障害患者もまた指趾にも感覚の異常を訴える場合がある。チンパンジーの母指球は発達しておらず、その手掌は外見上猿手で、指趾もヒトの様に外見的に発達しておらず、チンパンジーは明確に言語を発声できない。ヒトと外見上異なる手掌、指趾を持つチンパンジーと、言語発生機能の低下と母指球の萎縮または発達不全、指趾の感覚異常を持つ脳血管障害患者、知的障害者との類似性から(1)指趾と母指球の発達を促すニューロンネットワークと言語の発声をもたらすニューロンネットワークが交差する可能性があること、(2)脳血管障害者や知的障害者で母指球、指趾を電気的に刺激し、障害されたニューロンネットワークを再構築することで、低下した脳機能を改善できるという2つの仮説を立てて脳機能障害者で検証した。
【0050】
「脳機能改善例の症例提示」
(1)FN 男性 46歳
小児期にアスピリンを誤って服用し聴力障害者になった。補聴器をつけた状態で中・低音しか聞こえなかった。平成19年2月24日に指趾と母指球の電気刺激を開始した。4月7日に補聴器をつけて高音が聞こえるようになった。
【0051】
(2)SN 男性 76歳
原因不明の聴力障害者。補聴器をつけていてもまったく聞こえないときがあった。平成19年2月5日に母指球、指趾の電気刺激を開始した。同年2月16日に補聴器をつけて後ろから声をかけると振り向くようになった。以前は、補聴器をつけていても聞こえにくかったときがある。今は人によって聞こえにくいときもあるが、概ね聞こえる。
【0052】
(3)HS 男性 70歳
平成13年5月9日に屋根から落ちて頭部外傷、脳挫傷、頭蓋骨骨折と診断された。退院後も味覚はわからず、耳鳴りがあり、手に力が入らず、脚力が回復せず、頭を重く感じる感覚(頭重感)と痺れ、目と目の周囲、口内と上唇、下唇と顎の痺れ、手足(指先、爪先まで)の痺れがあり、誤飲もあった。これらの症状がとれずに病院、開業医を転々としていた。患者の希望により平成19年2月24日に母指球、指趾の電気刺激を開始した。平成19年2月29日には味覚が回復し、誤飲がなくなった。頭重感と頭の痺れは同年3月27日に完全に消失した。耳鳴りは同年6月16日には完全に感じなくなった。目と目の周囲、口内と上唇、下唇と顎の痺れ、手足(指先、爪先まで)の痺れは同年4月24日には目と目の周囲の痺れでは目を閉じると感じるだけになった。口内と上唇、下唇と顎の痺れでは口内と上唇は未だに痺れを感じる。手の筋力低下、感覚鈍磨では右手は痺れるが、力は入り大きな物は持てるが、ペン等の細いものや小さい物は持ちにくい。字は前よりは書けるようになったが書こうとすると、ペン先の力の調節が効かず、うまくかけない。左手は1年前に比べると力が入るようになったが、まだ痺れている。朝顔の種をつかむリハビリをしているが、あまりつかめない。右足の裏の痺れがきついが、力は少し入るようになった。運転は安定している。半年前はフラフラしてまっすぐ歩けなかったが、今は前に比べてまっすぐ歩ける。走ろうとすると左足がフワット浮く感じがして、走れない。左足は痺れていて、力が入りにくい。3ヶ月くらい前から、意識すればズボンを立ってはけるようになった。以前は左足片足で立とうとすると、すぐこけていた。
【0053】
(4)HM1 男性 59歳
平成17年10月に左側の脳梗塞と診断された。退院後も味覚はわからず、右手に力が入らず、右脚力が回復せず、頭を重く感じる感覚(頭重感)と痺れ、眩暈があった。右目と目の周囲、右口内と右上唇、右下唇と顎の痺れ、右手足(指先、爪先まで)の痺れがあった。患者の希望で平成19年2月14日に母指球、指趾の電気刺激を開始した。頭を重く感じる感覚(頭重感)と痺れ、眩暈は同年4月14日には完全に消失した。右手では以前はハンドルに右手を乗せているだけだったのが、軽くにぎれるようになり運転できるようになった。口の感覚では以前は右側では食いしばれなくて、味も全然わからなかったが、母指球の電気刺激を始めて4ヶ月くらいで普通に噛めるようになり、味もわかるようになった。口内の痺れ、右足の痺れ筋力低下については母指球の電気刺激を始めてからは軽快している。
【0054】
(5)AK 女性59歳
平成18年11月に脳幹部脳梗塞と診断される。以前よりバイアスピリンを投与していたため2週間の入院加療後は頭の締め付け、口の痺れ、体の浮遊感が残っただけで大きな障害は残らなかった。患者の希望で平成19年1月5日に母指球、指趾の電気刺激を開始。平成19年1月19日には頭の締め付け、口の痺れは薄らぐ。外出後はまだ痺れが残る。体の浮遊感は無くなった。同年1月31日に全快し治療を中止した。
【0055】
(6)NN 男性 56歳
1週間前より眼がかすんで来院した。三重県四日市の市立病院の眼科で精査されたが、原因不明であった。10日前より高圧電線の下で働くようになったが、原因がはっきりしないので視野計測を行ったが、光を感知出来なかった。患者の希望で初診当日(平成19年4月28日)に母指球、指趾を電気刺激した。開始30分で眼が見えるようになった。視野計測で光を感知できた。
【0056】
(7)AF 女性 75歳
心臓弁膜症で手術され、心房細動で投薬を受けている。味覚がわからないとの訴えで平成19年5月7日に母指球、指趾の電気刺激を開始した。開始当日の電気刺激終了後に飴をなめたら飴が甘いのがわかった。5回の治療で全快した。
【0057】
(8)SK 男性 65歳
目のかすみで母指球、指趾の電気刺激を平成19年2月13日に開始した。1回目の電気刺激後すぐに目のかすみが取れた。
【0058】
「脳発達障害の症例提示」
(9)YM1 女性 11歳(平成19年9月30日現在)
基礎疾患はダウン症である。1年前の10歳時には約40語から60語くらいの単語しか話せず、文章は話せなかった。母指球、指趾の電気刺激を平成18年5月29日から開始した。治療内容を伏せて桑名市療育センター言語聴覚士により発達を判定していただいた。
母指球の電気刺激開始前の新版K式発達検査(平成18年4月18日)
認知面2歳6ヶ月から3歳6ヶ月
言語面2歳6ヶ月から3歳0ヶ月
母指球の電気刺激開始後の新版K式発達検査(平成19年6月5日)
認知面3歳から4歳
言語面3歳から4歳6ヶ月
以上のごとく年齢が1歳加齢したが、注目すべきは、言語発達が1歳6ヶ月と身体年齢の加齢を超えて発達した。現在改善したまたは可能になったこととして、以前は10までしか数えられず、字も書けなかったが、ひらがなを真似て書く、絵本を読むようになった、絵を見てひらがなが書ける、九九が2と3の段できるようになった、ひらがなで氏名が掛けるようになった、障害者にみられる不随意運動が少なくなってきた、4文節くらいで話すようになった、嘘をつく、皮肉をいう、明日、あさってなど時間がわかる、24日の次は25日などといえる、以前はヒトの顔だけ書けたが、人の手足のついた絵を書くようになり、人物以外ではギターなど物の絵を書くようになった。
【0059】
(10)ST 女性 34歳
基礎疾患はダウン症。言語障害はない。母指球、指趾の電気刺激を平成19年2月13日に開始した。以前は読めなかった本を読むようになった。明るく社交的になり話し言葉も大人に近づいてきた。
【0060】
(11)M1R 女性 7歳
基礎疾患はダウン症。言語障害で終生発語が不可能と言語療法士に言われた。母指球、指趾の電気刺激を平成18年11月7日から開始した。平成19年3月2日に「ウエ」とはじめて意味を捉えることができる言葉を発声した。ボール遊びでボールを上にあげてほしいということであった。以後発語が増え、同年6月10日には「先生」と発声した。養護教諭に対する呼びかけで、それを聞いた教諭は予想しなかった発声に感激した。徐々に言葉数が増え、15個の言葉を明確に話す。挨拶も頭を下げてできるようになり、「み」というひらがなが書けるようになった。
【0061】
(12)YI 女性 14歳
基礎疾患はダウン症。言語障害はない、養護学校に通学中。母指球、指趾の電気刺激を平成19年1月29日と30日に施行した。同年1月31日には以前できなかったタンバリンによるリズム伴奏が全部できた。そのような結果を期待していなかった音楽療法士から「今日は何かあったの?」と訊かれ、女児は「手に電気をしたの」と答えた。電気刺激により脳機能が短時間で改善した例である。
【0062】
以上の観察結果から母指球、指趾の電気刺激で脳機能が改善することが証明された。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の電気刺激装置の全体概略構成図。
【図2】本発明の第1実施形態を示す図で、(A)はその斜視図、(B)は装着した状態を手の平H1から見た図、(C)は装着した状態を手の甲H2から見た図。
【図3】本発明の第1実施形態の変形例を示す斜視図で、(A)はファスナーを設けた例、(B)はマジックテープ(登録商標)を設けた例。
【図4】本発明の第1実施形態の変形例を示す図で、(A)〜(C)は手の平H1及び甲H2に部分的に電気刺激を与える例、(D)は電極を2つ設けた場合の例。
【図5】本発明の第1実施形態の変形例を示す図で、(A)〜(C)は手の平H1及び甲H2に部分的に電気刺激を与える例、(D)は電極を2つ設けた場合の例。
【図6】本発明の第2実施形態を示す図で、(A)はその正面図、(B)は装着した状態を手の平H1から見た図、(C)は装着した状態を手の甲H2から見た図。
【図7】本発明の第2実施形態の変形例を示す図で、(A)はその正面図、(B)〜(D)は母指球用電極を設けた場合の例、(E)はゲル電極の使用例を示す図。
【図8】本発明の第3実施形態を示す図で、(A)は装着した状態の斜視図、(B)は装着した状態を足の裏F1側から見た図、(C)は装着した状態を足のF2から見た図。
【図9】本発明の第3実施形態の変形例を示す斜視図で、(A)はファスナーを設けた例、(B)はマジックテープ(登録商標)を設けた例。
【図10】本発明の第3実施形態の変形例を示す図で、(A)〜(C)は足の裏及び甲F2に部分的に電気刺激を与える例、(D)は電極を2つ設けた場合の例。
【図11】本発明の第4実施形態を示す図で、(A)はその斜視図、(B)は装着した状態を足の裏F1から見た図、(C)は装着した状態を足の甲F2から見た図。
【図12】本発明の第4実施形態の変形例を示す図で、(A)はその正面図、(B)〜(D)は母指球用電極を設けた場合の例、(E)はゲル電極の使用例を示す図。
【符号の説明】
【0064】
1 電気刺激装置
5 電極
6 装着体
10 電気刺激装置
12 電極
13 装着体
14 電極
15 装着体
17 母指球用ゲル電極
20 電気刺激装置
22 装着体
23 電極
30 電気刺激装置
32 電極
33 装着体
34 電極
35 装着体
37 母指球用ゲル電極
H1 手の平
H2 手の甲
H3 手の指
F1 足の裏
F2 足の甲
F3 足の指
M1 手の母指球
M2 足の母指球

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体に電気信号を印加する電気刺激装置であって、
前記電気信号を前記生体に印加するための電極と、前記生体に着脱可能に取り付けられて前記電極を前記生体の特定部位に位置させるための装着体とを備える導子を具備し、
前記導子は、前記装着体を介して、手の平、手の甲、足の裏又は足の甲の少なくとも一つの部位に前記電極を位置させた状態で、前記電気信号を前記生体に間欠的に印加することにより、前記生体の脳を刺激することを特徴とする電気刺激装置。
【請求項2】
前記導子は、前記装着体を前記生体に装着したときに、前記電極を手の母指球に位置させることを特徴とする請求項1記載の電気刺激装置。
【請求項3】
前記導子は、前記装着体を前記生体に装着したときに、手の母指球を挟んで、手の平側と手の甲側にそれぞれ前記電極を位置させて、これら電極から前記母指球に対して前記電気信号を印加することを特徴とする請求項2記載の電気刺激装置。
【請求項4】
前記導子は、前記装着体を前記生体に装着したときに、手の母指球以外の手の平全体又は手の甲全体の少なくとも一方に前記電極を位置させることを特徴とする請求項1記載の電気刺激装置。
【請求項5】
前記装着体は、伸縮性を有する材料からなる手袋により形成されていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の電気刺激装置。
【請求項6】
前記装着体は、手から着脱するための固定手段を有する手袋により形成されていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の電気刺激装置。
【請求項7】
前記装着体は、手の平から甲に至るように装着されて、母指球を含む手の一部の部位を挟み込む装着片により形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電気刺激装置。
【請求項8】
前記装着片は弾性体により形成されていることを特徴とする請求項7記載の電気刺激装置。
【請求項9】
前記電極はゲル電極により形成され、
前記ゲル電極が、手の各指の平の表面形状に合わせて個別に形成されることにより前記指に対する装着体が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気刺激装置。
【請求項10】
前記電極はゲル電極により形成され、
前記ゲル電極が、手の指の平の全体形状に合わせて一体化したシート状に形成されることにより前記指に対する装着体が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気刺激装置。
【請求項11】
前記電極には、母指球に電気信号を印加するための母指球用電極がさらに設けられていることを特徴とする請求項10に記載の電気刺激装置。
【請求項12】
前記導子は、前記装着体が前記生体に装着されたときに、前記電極を足の母指球に位置させることを特徴とする請求項1記載の電気刺激装置。
【請求項13】
前記導子は、前記装着体が生体に装着されたときに、足の母指球を挟んで、足の裏側と足の甲側にそれぞれ前記電極を位置させることにより、これら電極から前記母指球に対して電気信号を印加することを特徴とする請求項12記載の電気刺激装置。
【請求項14】
前記導子は、前記装着体が前記生体に装着されたときに、足の母指球以外の足の裏全体、又は足の甲全体の少なくとも一方に前記電極を位置させることを特徴とする請求項1記載の電気刺激装置。
【請求項15】
前記装着体は、伸縮性を有する材料からなる靴下により形成されていることを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の電気刺激装置。
【請求項16】
前記装着体は、足から着脱するための固定手段を有する靴下により形成されていることを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の電気刺激装置。
【請求項17】
前記装着体は、足の裏から甲に至るように装着されて、母指球を含む足の一部の部位を挟み込む装着片により形成されていることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の電気刺激装置。
【請求項18】
前記電極はゲル電極により形成され、
前記ゲル電極が、足の各指の平の表面形状に合わせて個別に形成されることにより前記指に対する装着体が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気刺激装置。
【請求項19】
前記電極はゲル電極により形成され、
前記ゲル電極が、足の指の平の全体形状に合わせて一体化したシート状に形成されることにより前記指に対する装着体が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気刺激装置。
【請求項20】
前記電極には、母指球に電気信号を印加するための母指球用電極がさらに設けられていることを特徴とする請求項19に記載の電気刺激装置。
【請求項21】
請求項1から請求項20のいずれか一項に記載の導子と、
前記電気信号を発生させる電気信号発生機とを備えることを特徴とする電気刺激装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−153904(P2009−153904A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−338129(P2007−338129)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(591032518)伊藤超短波株式会社 (69)
【出願人】(508001497)
【Fターム(参考)】