電気掃除機用ホース
【課題】 可撓性に優れ、通気抵抗の低い電気掃除機用ホースを提供する。
【解決手段】 略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯Tを螺旋状に捲回して、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、内周部204からホース軸線方向に沿って延長部206が突設してホース内周面を略平滑に構成した電気掃除機用ホースAにおいて、外向き側縁部205または内向き側縁部201のホース内周面から、ホース軸方向に沿って支持部208を突設して、該支持部208の先端を立上り部203のホース内周面に対向させると共に、管壁が収縮方向に変形する際には支持部先端208aが立上り部203内周面に当接するように構成して、ホース壁の変形形態を変更する。
【解決手段】 略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯Tを螺旋状に捲回して、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、内周部204からホース軸線方向に沿って延長部206が突設してホース内周面を略平滑に構成した電気掃除機用ホースAにおいて、外向き側縁部205または内向き側縁部201のホース内周面から、ホース軸方向に沿って支持部208を突設して、該支持部208の先端を立上り部203のホース内周面に対向させると共に、管壁が収縮方向に変形する際には支持部先端208aが立上り部203内周面に当接するように構成して、ホース壁の変形形態を変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性に優れた合成樹脂製の可撓性ホース、特に電気掃除機に使用される電気掃除機用ホースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機本体と手元操作部との間に接続される掃除機用ホース(いわゆるクリーナホース)としては、ホースの可撓性や耐つぶれ性、通気抵抗などを考慮したものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、一端側が手元操作部に、他端側が掃除機本体側に連結される吸込用ホース(クリーナホース)を、一側縁に下向き側縁部991、他側縁に上向き側縁部992を有する断面略S字形に構成した軟質材の帯状体を隣接する側縁部同士を重合させながら螺旋状に捲回しかつ両側縁部同士を接合して管壁を凹凸波形状に形成するとともに、前記上向き側縁部の底部からホースの軸線方向に沿って突設した延長部993を遊端状態に突出させて内周面を略平滑に構成すること(図12参照)が開示され、そうしたクリーナホースによれば、軟質合成樹脂自体でホースを保形しており、誤って足で踏み付けても一時的な変形ですみ、元の形状に復元するのでその後の使用に何等支障をきたさない利点があるほか、吸込用ホースの内壁面がほぼ平滑な状態に維持されるので、通気抵抗が小さく、ごみや塵が詰まるようなことが予防されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−43102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたようなホース内周面に延長部を有するクリーナホースにおいてもなお、ホースの可撓性と通気抵抗を両立させて良くしていくことは困難であることが判明した。
【0006】
即ち、可撓性に関して言えば、ホースの管壁が伸縮する際に、条帯の略S字断面部の内周部994が、延長部993に乗り上げるように移動する必要があるため、延長部のないホースに比べてホースの可撓性が損なわれやすいことが判明した。
【0007】
また、延長部を設けるホースにおいては、図13に示したように、延長部993がホース内周面の凹溝を完全に覆うのではなく、延長部993先端部と内周部994の間に空隙(ギャップ)が存在するようにされたホースも知られているが、このようなホースにおいては、ホース収縮変形時に、延長部993が内周部994に接触してしまって、延長部がつっかい棒のようになってしまい、ホースの収縮変形が阻害されて、ホースの可撓性が損なわれやすい。
【0008】
このように、延長部が存在することによって、ホースの可撓性、特にホース壁が収縮する変形の可撓性が損なわれやすい。これを回避するために、延長部をホース内側にあらかじめ張り出させるように形成しておくことも考えられるが、そのようにしたのでは、ホース内部の断面積が実質的に減少してしまうことになり、通気抵抗を効果的に低減できなくなってしまう。
【0009】
さらに、通気抵抗に関して言えば、図12に示したホースにおいて、ホース管壁が屈曲する際、特にホース屈曲内側のホース壁部分で、条帯の略S字断面部の内周部994が、延長部993に乗り上げるように移動して、延長部993をホース内側に向かって押し込むために、延長部993がホース内部にはみ出すようになって、ホースの通気抵抗を悪化させるおそれもあることが判明した(図14)。
【0010】
このように、特許文献1に開示されたようなホース内周面を略平滑化するような延長部993を設けたクリーナホースであっても、その可撓性および通気抵抗の両性能を同時に良くしていくことはなおも困難なことであって、これら性能をバランス良く改善することができる電気掃除機用ホースが希求されている。
【0011】
したがって、本発明の目的は、可撓性に優れ、通気抵抗の低い電気掃除機用ホースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明者は、鋭意検討の結果、凹凸波型状のホース管壁のホース内側において延長部が覆っている凹溝内に、特定形状の支持部を設けると、ホース管壁の変形形態が変わって、延長部とホース壁内周面の干渉が緩和あるいは防止されて、上記課題が解決されることを知見し、本発明を完成させた。
【0013】
本発明は、その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、内周部と外向き側縁部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、外向き側縁部または内向き側縁部のホース内周面からは、延長部よりもホース外側となる位置に、ホース軸方向に沿って支持部が突設されると共に、該支持部の先端は前記立上り部のホース内周面に対向し、管壁が収縮方向に変形する際には支持部先端が立上り部内周面に当接するようにされたことを特徴とする電気掃除機用ホースである。
【0014】
また、本発明は、その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、内周部と外向き側縁部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、立上り部のホース内周面からは、延長部よりもホース外側となる位置に、ホース軸方向に沿って支持部が突設されると共に、該支持部の先端は、内向き側縁部と外向き側縁部とが接合一体化された重ね合わせ部分のホース内周面に対向し、管壁が収縮方向に変形する際には、支持部先端が、前記重ね合わせ部分の内周面に当接するようにされたことを特徴とする電気掃除機用ホースである(請求項2)。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、内向き側縁部もしくは外向き側縁部と立上り部の一方から、他方に向けて支持部が突設されて、ホース収縮時には、他方に支持部先端が当接するようにされているので、ホースの内周面が収縮方向に変位する際の変位形態が、ホース内周面がホース内側に入りこむ量が少なくなる方向に変化する。その結果、内周部と延長部の干渉が緩和あるいは防止されて、ホースの可撓性が阻害されなくなる。
【0016】
そして、本発明によれば、延長部によってホース内周面を略平滑に構成できると共に、ホースの屈曲時に延長部がホース内側に押し込まれることも防止されて、ホースの通気抵抗が高まることが予防ないしは防止される。
従って、本発明によれば、電気掃除機用ホースとして好適な、その可撓性を高めながら、通気抵抗も低くできるような可撓性ホースが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電気掃除機の構成を示す図である。
【図2】本発明の電気掃除機用ホースの第1実施形態を示す部分断面図である。
【図3】本発明第1実施形態のホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図4】本発明第1実施形態のホースを形成するための条帯の断面形状を示す図である。
【図5】支持部がない場合の変形形態を示す図である。
【図6】支持部がある場合の変形形態を示す図である。
【図7】支持部がある場合とない場合の仮想回転中心の位置の違いを示す図である。
【図8】本発明第2実施形態のホースを形成するための条帯の断面形状を示す図である。
【図9】本発明第2実施形態のホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図10】本発明第3実施形態のホースを形成する条帯の断面形状を示す図である。
【図11】本発明第3実施形態のホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図12】従来の電気掃除機用ホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図13】他の従来の電気掃除機用ホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図14】従来の電気掃除機用ホースの屈曲時の変形状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて、本発明の電気掃除機用ホースの実施形態を説明する。図1は電気掃除機の全体の外観を示し、図2は本発明の実施形態の可撓性ホースの部分断面図、図3は図2に示すホースのホース壁部分の拡大断面図である。
【0019】
図1において、電気掃除機用ホースAは合成樹脂材料製の可撓性ホースであり、掃除機本体10に設けられた吸気口に接続パイプ11を介してホースAの一端が接続され、ホースAの他端は手元操作部12に接続され、手元操作部12に連続して延長管13、続いて床用ノズル14が接続されて電気掃除機が構成されている。
【0020】
図2は、第1の実施形態である電気掃除機用ホース(以下、単にホースと略称する)Aの外観および断面構造を示し、ホースAは、図4に示す断面を有する合成樹脂製の条帯Tを螺旋状に捲回して形成したものである。条帯Tは、図3に示すように、その両側縁部が重ね合わせられるように螺旋状に捲回一体化されてホースAを構成する。
【0021】
条帯Tは、例えばポリオレフィン系樹脂などの比較的軟質な合成樹脂材料を材料として図4に示す断面を有するように押出成形によって製作される。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)などが例示される。本実施形態においては、条帯Tは全体が同じ樹脂材料により構成されている。条帯Tを構成する樹脂材料として好ましい硬度は、70〜95(JIS ショアA)である。また、条帯Tは、その一部分(例えば延長部206など)を他の部分と比べて軟質な樹脂材料で構成し、硬軟異材料によって一体に形成された複合材料条帯とすることもできる。
【0022】
本発明の電気掃除機用ホースの製造にあたっては、ホース壁を構成する樹脂材料を押出し機に供給して、押出し機から半溶融状態で押出しして条帯Tを作成する。押出しされた条帯Tはその後冷却されて、その断面形状が固定された後、図示しないホース製造装置のガイドシャフトの周囲に螺旋状に捲回される。条帯Tは、内向き側縁部201が先行して捲回された条帯の凹部207に位置するように捲回され、互いに隣接し重ね合わせられる内向き側縁部201と外向き側縁部205の間に接着剤30を充填し接着することにより、接合一体化されて、凹凸波型状の管壁を有する可撓性ホースAに製造される。
【0023】
接着剤30は、前記条帯Tと同じくポリオレフィン系樹脂からなるホットメルト型接着剤であって、その硬度が条帯Tよりも高いものを使用するのが望ましい。条帯Tと接着剤30の材料は同じであっても良いが、望ましくは、例えば、条帯Tの構成材料がショア硬度A70のEVAであるとき、接着剤30としてはショア硬度A80ないしそれに近い値の硬度を有する高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)が使用される。
【0024】
ホースAの管壁及び条帯Tの断面形状について、より詳細に説明する。図4に示すように、条帯Tはその断面において略S字状をなす部分(以下略S字状部分と称する)を有する。略S字状部分の両端部には、条帯Tが螺旋状に捲回された際に互いに重なり合い、接着剤30によって接着一体化される内向き側縁部201と外向き側縁部205が設けられている(図3及び図4においては、図の上側がホースの外側に対応し、図の下側がホースの内側に対応している。図5ないし図14においても同様である)。略S字状部分の両端に設けられた内向き側縁部201と外向き側縁部205の間には、捲回された際にホース内周面側を構成する部分(以下内周部)204と、捲回された際にホース外周面側を構成する部分(以下外周部)202と、内周部204と外周部202の間の立上がり部203が設けられている。内周部204と外周部202の断面は、ホースの中心軸線に対し略平行に設けられており、内周部204の方が外周部202よりもホース中心軸の近くに配置されて捲回される。内向き側縁部201と外向き側縁部205及び立上り部203とは、その断面がホース中心軸線に対して、所定の角度(望ましくは45度から90度の角度)をなすように設けられている。即ち、本実施形態においては、条帯Tの略S字状部分は、内向き側縁部201、外周部202、立上り部203、内周部204、外向き側縁部205が連設されて構成され、略S字状部分によって、ホースの内部空間を外部空間とを画成する凹凸波型状のホース管壁が構成されている。
【0025】
さらに、条帯Tには、延長部206が設けられている。延長部206は、内周部204と外向き側縁部205が接続される接続部204aから、内周部204を延長するように、ホース軸線方向に沿って突設された部分であり、略S字状部分と延長部206は一体に形成されて条帯Tを構成している。条帯Tの延長部206もまた前述した樹脂材料によって構成されている。延長部206がホース内周面側に配置されることによって、条帯の略S字状部分で構成される凹凸波型状のホース管壁のホース内周面側の凹溝部分(即ち、ホース内側から見て隣接する内周部204、204の間に生ずる螺旋状の空間)A1が塞がれた状態となり、ホース内周面が略平滑に構成される。ここで、条帯Tの内周部204の内周面が、先行して捲回された条帯の延長部206の外周面と軽く接触するようにされて、延長部206の先端部が内周部204から大きく浮き上がることなく、ホースAの内周面がほぼ平滑とされている。また、延長部206と、隣接する条帯の内周部204とは、互いに非接着状態で、互いにスライド可能とされ、延長部206が凹凸波型状のホース管壁の伸縮を妨げないようにされている。
【0026】
延長部206の長さは、ホース管壁がホース軸方向に引き伸ばされた際にも、延長部206の先端部が内周部204から外れない程度の長さとすることが好ましい。一方、後述するように、延長部の長さを短くして、ホースが伸縮していない状態(以下ホースの標準状態とも言う)において、延長部先端と内周部204との間に隙間がありつつも、ホースA内周面がほぼ平滑とされるような形態とすることも可能である。
【0027】
延長部206はホース全長に亘って一定の方向(図3においては右側)に向かって突設されるが、電気掃除機に接続する際には、ホース内を流れる空気流の上流側から下流側に向かう方向に延長部206が突設される(即ち図3において左側から右側に向かって空気が流れる)ように接続して使用することが、通気抵抗低減の観点から好ましい。
【0028】
さらに、ホースAおよび条帯Tには、支持部208が設けられている。支持部208は、外向き側縁部205の中間部から、ホース軸方向に沿って延長部206と同じ方向に突出するように設けられており、ホースに成形された際に、支持部208が延長部206よりもホース外周側となる位置に配置されるとともに、支持部208の先端部208aが隣接して捲回された条帯の立上り部203に対向し、ホースが収縮方向に変形する際には、支持部の先端部208aが立上り部203の内周面に当接するように形成されている。
【0029】
支持部先端部208aと立上り部203とは、接着されていても良いが、非接着であるほうが、ホースの可撓性(特に伸び方向)及びホース製造の効率性の観点から好ましい。
また、支持部先端部208aと立上り部203とは、ホースが伸縮していない標準状態においては、互いに当接状態であっても良いし、非接触状態であってもよいが、本発明の効果の観点からは、標準状態において互いに当接状態にあるか、あるいは収縮変形の初期に当接するような位置関係に設けられることが好ましい。
【0030】
本発明の作用効果を説明する。
上記実施形態の電気掃除機用ホースAによれば、延長部206がホース内周面側にホース軸線に沿って配置されることによって、条帯の略S字状部分で構成される凹凸波型状のホース管壁のホース内周面側の凹溝部分A1が塞がれた状態となって、ホース内周面が略平滑な構成となり、ホースの通気抵抗が効果的に低減される。
【0031】
また、上記実施形態によれば、支持部208を設けたことにより、ホース収縮変形時に、内周部204がホース内側に変位することを予防でき、内周部204と延長部206が干渉してホース収縮変形を妨げることが緩和されて、ホースの可撓性が高められる。以下、支持部208の作用をより詳細に説明するため、ホース壁が収縮変形する際の変形形態を、支持部208がある場合(本実施形態)とない場合(従来例)とを比較して説明する。図5が、支持部208がない場合のホース壁変形形態を示す図であり、図6が支持部208がある場合のホース壁変形形態を示す図である。両図共に図の上側がホース外側で、図の下側がホース内側であって、説明の便宜上同じである部分には同じ符号をつけて説明する。なお、図中の破線は収縮変形前(ホース標準状態)のホース壁の形状を示している。
【0032】
図5に示すような、支持部208がない場合のホース収縮形態においては、ホース壁内周部204同士が互いに近づこうとすると、内周部204から一番遠い部分、即ち、外周部202の外向き側縁部205先端付近がより多くの曲げ変形をする部分となるため、内周部204は外向き側縁部205先端付近を仮想の回転中心C1とするような変位をすることになる。その結果、ホース壁内周部204同士が互いに近づくにつれて、ホース壁内周部204がホース内側に入ろうとすることになる。従って、支持部208がない場合には、内周部204が延長部206をホース内側に押し付けるように干渉することになって、ホースの収縮変形が阻害されたり、延長部206がホース内側に押し込まれることにより通気抵抗が悪化したりする結果となる。
【0033】
一方、本実施形態においては、図6に示すように、支持部208の作用により、ホース壁の変形形態が変化する。即ち、ホース壁内周部204同士が互いに近づこうとすると、支持部208の先端部208aと、立上り部203の内周面とが互いに当接することにより、内周部204はその当接部を仮想の回転中心C2とするような変位をすることになる。その結果、ホース壁内周部204同士が互いに近づいても、ホース壁内周部204はあまりホース内側に入りこまなくなる。そして、内周部204と延長部206との干渉が抑制あるいは防止されて、ホースの収縮変形が阻害されにくくなる。
【0034】
すなわち、本実施形態によれば、支持部208を、その先端部208aが立上り部203内周面に対向するように設け、ホース収縮時にそれらが当接するように構成したので、ホース壁内周部204が収縮変位する際の仮想の回転中心を支持部208と立上り部203の当接部付近に移動させることができ、内周部204のホース内側への変位を抑制して、可撓性を悪化させる要因である延長部206と内周部204との干渉の程度を低減することができ、ホースの可撓性を良好に維持しながら通気抵抗を高めることができる。
【0035】
また、ホースが伸縮あるいは屈曲した際に、特にホース管壁が縮む変形をする部分において内周部204が延長部206をホース内側に向かって押し込もうとする量が低減されるので、ホース屈曲時に延長部206の先端部がホース内側にはみ出すことが抑制・予防される。したがって、本実施形態によれば、ホースを屈曲させた状態においても、延長部206がホース内部にはみ出して流路を狭くすることが予防されて、通気抵抗を低く維持することができる。
【0036】
こうした効果をより効果的に発揮するためには、図7に示すように、内周部204と立上り部203が接続される部分を干渉部Xとして、支持部208がない場合の仮想回転中心C1と干渉部Xを結ぶ直線をL1、支持部208が当接した際の仮想回転中心C2と干渉部Xを結ぶ直線をL2として、直線L2の方が、直線L1よりもホース半径方向に近い角度となるように設けることが好ましい。
【0037】
以上のように、上記実施形態によれば、電気掃除機用ホースとして好適な可撓性と通気抵抗を備えるホースが提供できる。
【0038】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分については同じ番号を図面に付すとともに、その説明を省略する。
【0039】
本発明の第2実施形態として、図8には条帯の変更例T2を、図9には条帯T2により形成されたホースのホース壁断面を示す。図8に示した条帯T2の例においては、延長部209は、その長さが第1実施形態の延長部206と比べて短くされており、図9に示すように、成形されたホースの伸縮していない標準状態において、隣接する内周部204,204の間の凹溝は延長部209で完全には覆われずに、延長部209の先端209aと隣接する内周部204との間には隙間gが設けられつつ、ホース内周面が略平滑に構成されている。そして、延長部209の先端209aは、テーパー状の傾斜面を有するように形成されている。また、本実施形態においては、支持部208が外周部202とほぼ隣接するような位置で、支持部208の先端部280aが立上り部203とホース標準状態で当接するように設けられている。
【0040】
本実施形態においても、ホースが収縮変形する際の内周部204の変位の仮想回転中心C3は、支持部208の先端部280aと立上り部203との当接部付近となるので、内周部の収縮変位形態が、支持部208がない場合に比べてホース外周側に変位するような変位形態となる。その結果、本実施形態でも、内周部204のホース内側への変位が抑制でき、第1実施形態と同じく、電気掃除機用ホースの可撓性と通気抵抗をバランスよく改善できる。そして、ホースの可撓性を高める観点からは、本実施形態のように、支持部208が外周部202に隣接するような位置に設けられることが好ましく、このようにすると、仮想回転中心C3と内周部204の間の距離を大きく取ることができて、ホース壁そのものの可撓性が向上する。
【0041】
また、本実施形態のように、ホース標準状態で延長部先端209aと内周部204との間に隙間gがある場合には、ホースを収縮させていく際に延長部先端209aと内周部204が接触するのに先行して、支持部先端208aが立上り部203に当接するようにすることが好ましく、ホース標準状態で支持部先端208aが立上り部203と当接するようにすることが特に好ましい。このようにすることで、内周部204の変位形態の調整効果をより確実に発揮することができる。
【0042】
また、本実施形態のように、ホース標準状態で延長部先端209aと内周部204との間に隙間gがある場合には、延長部先端209aをテーパー状の傾斜面を有するように形成しておくことが特に好ましく、そのようにすると、傾斜部によって内周部204が延長部209に乗り上げやすくなるため、延長部209が内周部204,204の間でつっかい棒のようになってしまうことが防止されて、ホースの可撓性が高められる。
【0043】
本発明の第3実施形態として、図10には条帯の変更例T3を、図11には条帯T3により形成されたホースのホース壁断面を示す。図10に示した条帯T3の例においては、第1実施形態と比べ、支持部210の突設形態が異なる。本実施形態においては、支持部210は立上り部203の内周面から内向き側縁部201に向けて、ホース軸と略平行に設けられており、図11に示すように、成形されたホースの伸縮していない標準状態において、支持部210の先端部210aが内向き側縁部201の内周面に対向して、ホースが収縮する際に、支持部210の先端部210aと内向き側縁部201の内周面とが当接するようにされている。また、本実施形態においては、内向き側縁部201と外向き側縁部205とは、内向き側縁部201がホース内部空間側となるように重ね合わせて接着一体化されている。
【0044】
本実施形態においては、ホース収縮時に支持部210が内向き側縁部201と立上り部203との間で挟まれるようになる結果、ホースが収縮変形する際の内周部204の変位の仮想回転中心C4は、立上り部203に支持部210が突設される部分付近となるので、内周部の収縮変位形態が、支持部210がない場合に比べてホース内周側への変位が抑制された変位形態となる。その結果、本実施形態でも、第1実施形態と同じく、電気掃除機用ホースの可撓性と通気抵抗をバランスよく改善できる。
【0045】
また、第3実施形態においては、内向き側縁部201と外向き側縁部205との重ね合わせ状態を逆にして、外向き側縁部205がホース内部空間側となるように重ね合わせることもできるが、その場合には、支持部210の先端部210aが外向き側縁部205の内周面に対向して、ホースが収縮する際に、支持部210の先端部210aと外向き側縁部205の内周面とが当接するように支持部210の形状を決定すれば、同様の効果が得られる。同様に、第1実施形態において、内向き側縁部201と外向き側縁部205との重ね合わせ状態を逆にしても、本発明は実施可能であり、同様の効果が得られる。
【0046】
また、本発明に対しては、略S字状断面部分を有する条帯を捲回してホースを成形する際に適用可能な公知の技術を適用可能である。
例えば、螺旋状に捲回した条帯Tの隣接する側縁部を接合し、管壁として一体化する形態については、上記実施形態で説明したように、内向き側縁部201と外向き側縁部205とを接着剤30で接着して接合することが好ましいが、熱融着などの方法によることもできる。また、接着剤としては、条帯を構成する樹脂材料に対応して、上述したようなホットメルト系接着剤のほか、溶剤系の接着剤を使用することもでき、あるいは、条帯を構成する樹脂材料と同種の材料を溶融させて接着剤として使用することもできる。接着剤を使用する場合には、固化する前の接着剤を所定の接着領域内にとどまらせておくために、内向き側縁部201や外向き側縁部205の表面に堰となる突条を設けることが好ましい。また、内周部204や外周部202は、必ずしもホース軸方向に沿って設けられた直線状の断面を有するものには限定されず、ホース軸方向に対し多少傾いて設けられていてもよいほか、円弧状等、他の断面形状に設けられるものであってもよい。
【0047】
また、接着剤30の硬度を条帯Tを構成する合成樹脂材料の硬度よりも高くすることが好ましく、そうすることにより、比較的硬度の高い接着剤30が比較的硬度の低い樹脂材料からなる条帯Tの補強体として機能し、ホースA自体の可撓性を損なうことなくホースのつぶれを抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の電気掃除機用ホースは、その可撓性と通気性能を生かして家庭用や業務用の電気掃除機に好適に使用することができ、産業上の利用価値が高い。
【符号の説明】
【0049】
A 電気掃除機用ホース
T,T2,T3 合成樹脂製条帯
201 内向き側縁部
202 外周部
203 立上り部
204 内周部
205 外向き側縁部
206 延長部
208 支持部
209 延長部
210 支持部
30 接着剤
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性に優れた合成樹脂製の可撓性ホース、特に電気掃除機に使用される電気掃除機用ホースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機本体と手元操作部との間に接続される掃除機用ホース(いわゆるクリーナホース)としては、ホースの可撓性や耐つぶれ性、通気抵抗などを考慮したものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、一端側が手元操作部に、他端側が掃除機本体側に連結される吸込用ホース(クリーナホース)を、一側縁に下向き側縁部991、他側縁に上向き側縁部992を有する断面略S字形に構成した軟質材の帯状体を隣接する側縁部同士を重合させながら螺旋状に捲回しかつ両側縁部同士を接合して管壁を凹凸波形状に形成するとともに、前記上向き側縁部の底部からホースの軸線方向に沿って突設した延長部993を遊端状態に突出させて内周面を略平滑に構成すること(図12参照)が開示され、そうしたクリーナホースによれば、軟質合成樹脂自体でホースを保形しており、誤って足で踏み付けても一時的な変形ですみ、元の形状に復元するのでその後の使用に何等支障をきたさない利点があるほか、吸込用ホースの内壁面がほぼ平滑な状態に維持されるので、通気抵抗が小さく、ごみや塵が詰まるようなことが予防されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−43102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたようなホース内周面に延長部を有するクリーナホースにおいてもなお、ホースの可撓性と通気抵抗を両立させて良くしていくことは困難であることが判明した。
【0006】
即ち、可撓性に関して言えば、ホースの管壁が伸縮する際に、条帯の略S字断面部の内周部994が、延長部993に乗り上げるように移動する必要があるため、延長部のないホースに比べてホースの可撓性が損なわれやすいことが判明した。
【0007】
また、延長部を設けるホースにおいては、図13に示したように、延長部993がホース内周面の凹溝を完全に覆うのではなく、延長部993先端部と内周部994の間に空隙(ギャップ)が存在するようにされたホースも知られているが、このようなホースにおいては、ホース収縮変形時に、延長部993が内周部994に接触してしまって、延長部がつっかい棒のようになってしまい、ホースの収縮変形が阻害されて、ホースの可撓性が損なわれやすい。
【0008】
このように、延長部が存在することによって、ホースの可撓性、特にホース壁が収縮する変形の可撓性が損なわれやすい。これを回避するために、延長部をホース内側にあらかじめ張り出させるように形成しておくことも考えられるが、そのようにしたのでは、ホース内部の断面積が実質的に減少してしまうことになり、通気抵抗を効果的に低減できなくなってしまう。
【0009】
さらに、通気抵抗に関して言えば、図12に示したホースにおいて、ホース管壁が屈曲する際、特にホース屈曲内側のホース壁部分で、条帯の略S字断面部の内周部994が、延長部993に乗り上げるように移動して、延長部993をホース内側に向かって押し込むために、延長部993がホース内部にはみ出すようになって、ホースの通気抵抗を悪化させるおそれもあることが判明した(図14)。
【0010】
このように、特許文献1に開示されたようなホース内周面を略平滑化するような延長部993を設けたクリーナホースであっても、その可撓性および通気抵抗の両性能を同時に良くしていくことはなおも困難なことであって、これら性能をバランス良く改善することができる電気掃除機用ホースが希求されている。
【0011】
したがって、本発明の目的は、可撓性に優れ、通気抵抗の低い電気掃除機用ホースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明者は、鋭意検討の結果、凹凸波型状のホース管壁のホース内側において延長部が覆っている凹溝内に、特定形状の支持部を設けると、ホース管壁の変形形態が変わって、延長部とホース壁内周面の干渉が緩和あるいは防止されて、上記課題が解決されることを知見し、本発明を完成させた。
【0013】
本発明は、その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、内周部と外向き側縁部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、外向き側縁部または内向き側縁部のホース内周面からは、延長部よりもホース外側となる位置に、ホース軸方向に沿って支持部が突設されると共に、該支持部の先端は前記立上り部のホース内周面に対向し、管壁が収縮方向に変形する際には支持部先端が立上り部内周面に当接するようにされたことを特徴とする電気掃除機用ホースである。
【0014】
また、本発明は、その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、内周部と外向き側縁部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、立上り部のホース内周面からは、延長部よりもホース外側となる位置に、ホース軸方向に沿って支持部が突設されると共に、該支持部の先端は、内向き側縁部と外向き側縁部とが接合一体化された重ね合わせ部分のホース内周面に対向し、管壁が収縮方向に変形する際には、支持部先端が、前記重ね合わせ部分の内周面に当接するようにされたことを特徴とする電気掃除機用ホースである(請求項2)。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、内向き側縁部もしくは外向き側縁部と立上り部の一方から、他方に向けて支持部が突設されて、ホース収縮時には、他方に支持部先端が当接するようにされているので、ホースの内周面が収縮方向に変位する際の変位形態が、ホース内周面がホース内側に入りこむ量が少なくなる方向に変化する。その結果、内周部と延長部の干渉が緩和あるいは防止されて、ホースの可撓性が阻害されなくなる。
【0016】
そして、本発明によれば、延長部によってホース内周面を略平滑に構成できると共に、ホースの屈曲時に延長部がホース内側に押し込まれることも防止されて、ホースの通気抵抗が高まることが予防ないしは防止される。
従って、本発明によれば、電気掃除機用ホースとして好適な、その可撓性を高めながら、通気抵抗も低くできるような可撓性ホースが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電気掃除機の構成を示す図である。
【図2】本発明の電気掃除機用ホースの第1実施形態を示す部分断面図である。
【図3】本発明第1実施形態のホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図4】本発明第1実施形態のホースを形成するための条帯の断面形状を示す図である。
【図5】支持部がない場合の変形形態を示す図である。
【図6】支持部がある場合の変形形態を示す図である。
【図7】支持部がある場合とない場合の仮想回転中心の位置の違いを示す図である。
【図8】本発明第2実施形態のホースを形成するための条帯の断面形状を示す図である。
【図9】本発明第2実施形態のホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図10】本発明第3実施形態のホースを形成する条帯の断面形状を示す図である。
【図11】本発明第3実施形態のホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図12】従来の電気掃除機用ホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図13】他の従来の電気掃除機用ホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図14】従来の電気掃除機用ホースの屈曲時の変形状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて、本発明の電気掃除機用ホースの実施形態を説明する。図1は電気掃除機の全体の外観を示し、図2は本発明の実施形態の可撓性ホースの部分断面図、図3は図2に示すホースのホース壁部分の拡大断面図である。
【0019】
図1において、電気掃除機用ホースAは合成樹脂材料製の可撓性ホースであり、掃除機本体10に設けられた吸気口に接続パイプ11を介してホースAの一端が接続され、ホースAの他端は手元操作部12に接続され、手元操作部12に連続して延長管13、続いて床用ノズル14が接続されて電気掃除機が構成されている。
【0020】
図2は、第1の実施形態である電気掃除機用ホース(以下、単にホースと略称する)Aの外観および断面構造を示し、ホースAは、図4に示す断面を有する合成樹脂製の条帯Tを螺旋状に捲回して形成したものである。条帯Tは、図3に示すように、その両側縁部が重ね合わせられるように螺旋状に捲回一体化されてホースAを構成する。
【0021】
条帯Tは、例えばポリオレフィン系樹脂などの比較的軟質な合成樹脂材料を材料として図4に示す断面を有するように押出成形によって製作される。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)などが例示される。本実施形態においては、条帯Tは全体が同じ樹脂材料により構成されている。条帯Tを構成する樹脂材料として好ましい硬度は、70〜95(JIS ショアA)である。また、条帯Tは、その一部分(例えば延長部206など)を他の部分と比べて軟質な樹脂材料で構成し、硬軟異材料によって一体に形成された複合材料条帯とすることもできる。
【0022】
本発明の電気掃除機用ホースの製造にあたっては、ホース壁を構成する樹脂材料を押出し機に供給して、押出し機から半溶融状態で押出しして条帯Tを作成する。押出しされた条帯Tはその後冷却されて、その断面形状が固定された後、図示しないホース製造装置のガイドシャフトの周囲に螺旋状に捲回される。条帯Tは、内向き側縁部201が先行して捲回された条帯の凹部207に位置するように捲回され、互いに隣接し重ね合わせられる内向き側縁部201と外向き側縁部205の間に接着剤30を充填し接着することにより、接合一体化されて、凹凸波型状の管壁を有する可撓性ホースAに製造される。
【0023】
接着剤30は、前記条帯Tと同じくポリオレフィン系樹脂からなるホットメルト型接着剤であって、その硬度が条帯Tよりも高いものを使用するのが望ましい。条帯Tと接着剤30の材料は同じであっても良いが、望ましくは、例えば、条帯Tの構成材料がショア硬度A70のEVAであるとき、接着剤30としてはショア硬度A80ないしそれに近い値の硬度を有する高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)が使用される。
【0024】
ホースAの管壁及び条帯Tの断面形状について、より詳細に説明する。図4に示すように、条帯Tはその断面において略S字状をなす部分(以下略S字状部分と称する)を有する。略S字状部分の両端部には、条帯Tが螺旋状に捲回された際に互いに重なり合い、接着剤30によって接着一体化される内向き側縁部201と外向き側縁部205が設けられている(図3及び図4においては、図の上側がホースの外側に対応し、図の下側がホースの内側に対応している。図5ないし図14においても同様である)。略S字状部分の両端に設けられた内向き側縁部201と外向き側縁部205の間には、捲回された際にホース内周面側を構成する部分(以下内周部)204と、捲回された際にホース外周面側を構成する部分(以下外周部)202と、内周部204と外周部202の間の立上がり部203が設けられている。内周部204と外周部202の断面は、ホースの中心軸線に対し略平行に設けられており、内周部204の方が外周部202よりもホース中心軸の近くに配置されて捲回される。内向き側縁部201と外向き側縁部205及び立上り部203とは、その断面がホース中心軸線に対して、所定の角度(望ましくは45度から90度の角度)をなすように設けられている。即ち、本実施形態においては、条帯Tの略S字状部分は、内向き側縁部201、外周部202、立上り部203、内周部204、外向き側縁部205が連設されて構成され、略S字状部分によって、ホースの内部空間を外部空間とを画成する凹凸波型状のホース管壁が構成されている。
【0025】
さらに、条帯Tには、延長部206が設けられている。延長部206は、内周部204と外向き側縁部205が接続される接続部204aから、内周部204を延長するように、ホース軸線方向に沿って突設された部分であり、略S字状部分と延長部206は一体に形成されて条帯Tを構成している。条帯Tの延長部206もまた前述した樹脂材料によって構成されている。延長部206がホース内周面側に配置されることによって、条帯の略S字状部分で構成される凹凸波型状のホース管壁のホース内周面側の凹溝部分(即ち、ホース内側から見て隣接する内周部204、204の間に生ずる螺旋状の空間)A1が塞がれた状態となり、ホース内周面が略平滑に構成される。ここで、条帯Tの内周部204の内周面が、先行して捲回された条帯の延長部206の外周面と軽く接触するようにされて、延長部206の先端部が内周部204から大きく浮き上がることなく、ホースAの内周面がほぼ平滑とされている。また、延長部206と、隣接する条帯の内周部204とは、互いに非接着状態で、互いにスライド可能とされ、延長部206が凹凸波型状のホース管壁の伸縮を妨げないようにされている。
【0026】
延長部206の長さは、ホース管壁がホース軸方向に引き伸ばされた際にも、延長部206の先端部が内周部204から外れない程度の長さとすることが好ましい。一方、後述するように、延長部の長さを短くして、ホースが伸縮していない状態(以下ホースの標準状態とも言う)において、延長部先端と内周部204との間に隙間がありつつも、ホースA内周面がほぼ平滑とされるような形態とすることも可能である。
【0027】
延長部206はホース全長に亘って一定の方向(図3においては右側)に向かって突設されるが、電気掃除機に接続する際には、ホース内を流れる空気流の上流側から下流側に向かう方向に延長部206が突設される(即ち図3において左側から右側に向かって空気が流れる)ように接続して使用することが、通気抵抗低減の観点から好ましい。
【0028】
さらに、ホースAおよび条帯Tには、支持部208が設けられている。支持部208は、外向き側縁部205の中間部から、ホース軸方向に沿って延長部206と同じ方向に突出するように設けられており、ホースに成形された際に、支持部208が延長部206よりもホース外周側となる位置に配置されるとともに、支持部208の先端部208aが隣接して捲回された条帯の立上り部203に対向し、ホースが収縮方向に変形する際には、支持部の先端部208aが立上り部203の内周面に当接するように形成されている。
【0029】
支持部先端部208aと立上り部203とは、接着されていても良いが、非接着であるほうが、ホースの可撓性(特に伸び方向)及びホース製造の効率性の観点から好ましい。
また、支持部先端部208aと立上り部203とは、ホースが伸縮していない標準状態においては、互いに当接状態であっても良いし、非接触状態であってもよいが、本発明の効果の観点からは、標準状態において互いに当接状態にあるか、あるいは収縮変形の初期に当接するような位置関係に設けられることが好ましい。
【0030】
本発明の作用効果を説明する。
上記実施形態の電気掃除機用ホースAによれば、延長部206がホース内周面側にホース軸線に沿って配置されることによって、条帯の略S字状部分で構成される凹凸波型状のホース管壁のホース内周面側の凹溝部分A1が塞がれた状態となって、ホース内周面が略平滑な構成となり、ホースの通気抵抗が効果的に低減される。
【0031】
また、上記実施形態によれば、支持部208を設けたことにより、ホース収縮変形時に、内周部204がホース内側に変位することを予防でき、内周部204と延長部206が干渉してホース収縮変形を妨げることが緩和されて、ホースの可撓性が高められる。以下、支持部208の作用をより詳細に説明するため、ホース壁が収縮変形する際の変形形態を、支持部208がある場合(本実施形態)とない場合(従来例)とを比較して説明する。図5が、支持部208がない場合のホース壁変形形態を示す図であり、図6が支持部208がある場合のホース壁変形形態を示す図である。両図共に図の上側がホース外側で、図の下側がホース内側であって、説明の便宜上同じである部分には同じ符号をつけて説明する。なお、図中の破線は収縮変形前(ホース標準状態)のホース壁の形状を示している。
【0032】
図5に示すような、支持部208がない場合のホース収縮形態においては、ホース壁内周部204同士が互いに近づこうとすると、内周部204から一番遠い部分、即ち、外周部202の外向き側縁部205先端付近がより多くの曲げ変形をする部分となるため、内周部204は外向き側縁部205先端付近を仮想の回転中心C1とするような変位をすることになる。その結果、ホース壁内周部204同士が互いに近づくにつれて、ホース壁内周部204がホース内側に入ろうとすることになる。従って、支持部208がない場合には、内周部204が延長部206をホース内側に押し付けるように干渉することになって、ホースの収縮変形が阻害されたり、延長部206がホース内側に押し込まれることにより通気抵抗が悪化したりする結果となる。
【0033】
一方、本実施形態においては、図6に示すように、支持部208の作用により、ホース壁の変形形態が変化する。即ち、ホース壁内周部204同士が互いに近づこうとすると、支持部208の先端部208aと、立上り部203の内周面とが互いに当接することにより、内周部204はその当接部を仮想の回転中心C2とするような変位をすることになる。その結果、ホース壁内周部204同士が互いに近づいても、ホース壁内周部204はあまりホース内側に入りこまなくなる。そして、内周部204と延長部206との干渉が抑制あるいは防止されて、ホースの収縮変形が阻害されにくくなる。
【0034】
すなわち、本実施形態によれば、支持部208を、その先端部208aが立上り部203内周面に対向するように設け、ホース収縮時にそれらが当接するように構成したので、ホース壁内周部204が収縮変位する際の仮想の回転中心を支持部208と立上り部203の当接部付近に移動させることができ、内周部204のホース内側への変位を抑制して、可撓性を悪化させる要因である延長部206と内周部204との干渉の程度を低減することができ、ホースの可撓性を良好に維持しながら通気抵抗を高めることができる。
【0035】
また、ホースが伸縮あるいは屈曲した際に、特にホース管壁が縮む変形をする部分において内周部204が延長部206をホース内側に向かって押し込もうとする量が低減されるので、ホース屈曲時に延長部206の先端部がホース内側にはみ出すことが抑制・予防される。したがって、本実施形態によれば、ホースを屈曲させた状態においても、延長部206がホース内部にはみ出して流路を狭くすることが予防されて、通気抵抗を低く維持することができる。
【0036】
こうした効果をより効果的に発揮するためには、図7に示すように、内周部204と立上り部203が接続される部分を干渉部Xとして、支持部208がない場合の仮想回転中心C1と干渉部Xを結ぶ直線をL1、支持部208が当接した際の仮想回転中心C2と干渉部Xを結ぶ直線をL2として、直線L2の方が、直線L1よりもホース半径方向に近い角度となるように設けることが好ましい。
【0037】
以上のように、上記実施形態によれば、電気掃除機用ホースとして好適な可撓性と通気抵抗を備えるホースが提供できる。
【0038】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分については同じ番号を図面に付すとともに、その説明を省略する。
【0039】
本発明の第2実施形態として、図8には条帯の変更例T2を、図9には条帯T2により形成されたホースのホース壁断面を示す。図8に示した条帯T2の例においては、延長部209は、その長さが第1実施形態の延長部206と比べて短くされており、図9に示すように、成形されたホースの伸縮していない標準状態において、隣接する内周部204,204の間の凹溝は延長部209で完全には覆われずに、延長部209の先端209aと隣接する内周部204との間には隙間gが設けられつつ、ホース内周面が略平滑に構成されている。そして、延長部209の先端209aは、テーパー状の傾斜面を有するように形成されている。また、本実施形態においては、支持部208が外周部202とほぼ隣接するような位置で、支持部208の先端部280aが立上り部203とホース標準状態で当接するように設けられている。
【0040】
本実施形態においても、ホースが収縮変形する際の内周部204の変位の仮想回転中心C3は、支持部208の先端部280aと立上り部203との当接部付近となるので、内周部の収縮変位形態が、支持部208がない場合に比べてホース外周側に変位するような変位形態となる。その結果、本実施形態でも、内周部204のホース内側への変位が抑制でき、第1実施形態と同じく、電気掃除機用ホースの可撓性と通気抵抗をバランスよく改善できる。そして、ホースの可撓性を高める観点からは、本実施形態のように、支持部208が外周部202に隣接するような位置に設けられることが好ましく、このようにすると、仮想回転中心C3と内周部204の間の距離を大きく取ることができて、ホース壁そのものの可撓性が向上する。
【0041】
また、本実施形態のように、ホース標準状態で延長部先端209aと内周部204との間に隙間gがある場合には、ホースを収縮させていく際に延長部先端209aと内周部204が接触するのに先行して、支持部先端208aが立上り部203に当接するようにすることが好ましく、ホース標準状態で支持部先端208aが立上り部203と当接するようにすることが特に好ましい。このようにすることで、内周部204の変位形態の調整効果をより確実に発揮することができる。
【0042】
また、本実施形態のように、ホース標準状態で延長部先端209aと内周部204との間に隙間gがある場合には、延長部先端209aをテーパー状の傾斜面を有するように形成しておくことが特に好ましく、そのようにすると、傾斜部によって内周部204が延長部209に乗り上げやすくなるため、延長部209が内周部204,204の間でつっかい棒のようになってしまうことが防止されて、ホースの可撓性が高められる。
【0043】
本発明の第3実施形態として、図10には条帯の変更例T3を、図11には条帯T3により形成されたホースのホース壁断面を示す。図10に示した条帯T3の例においては、第1実施形態と比べ、支持部210の突設形態が異なる。本実施形態においては、支持部210は立上り部203の内周面から内向き側縁部201に向けて、ホース軸と略平行に設けられており、図11に示すように、成形されたホースの伸縮していない標準状態において、支持部210の先端部210aが内向き側縁部201の内周面に対向して、ホースが収縮する際に、支持部210の先端部210aと内向き側縁部201の内周面とが当接するようにされている。また、本実施形態においては、内向き側縁部201と外向き側縁部205とは、内向き側縁部201がホース内部空間側となるように重ね合わせて接着一体化されている。
【0044】
本実施形態においては、ホース収縮時に支持部210が内向き側縁部201と立上り部203との間で挟まれるようになる結果、ホースが収縮変形する際の内周部204の変位の仮想回転中心C4は、立上り部203に支持部210が突設される部分付近となるので、内周部の収縮変位形態が、支持部210がない場合に比べてホース内周側への変位が抑制された変位形態となる。その結果、本実施形態でも、第1実施形態と同じく、電気掃除機用ホースの可撓性と通気抵抗をバランスよく改善できる。
【0045】
また、第3実施形態においては、内向き側縁部201と外向き側縁部205との重ね合わせ状態を逆にして、外向き側縁部205がホース内部空間側となるように重ね合わせることもできるが、その場合には、支持部210の先端部210aが外向き側縁部205の内周面に対向して、ホースが収縮する際に、支持部210の先端部210aと外向き側縁部205の内周面とが当接するように支持部210の形状を決定すれば、同様の効果が得られる。同様に、第1実施形態において、内向き側縁部201と外向き側縁部205との重ね合わせ状態を逆にしても、本発明は実施可能であり、同様の効果が得られる。
【0046】
また、本発明に対しては、略S字状断面部分を有する条帯を捲回してホースを成形する際に適用可能な公知の技術を適用可能である。
例えば、螺旋状に捲回した条帯Tの隣接する側縁部を接合し、管壁として一体化する形態については、上記実施形態で説明したように、内向き側縁部201と外向き側縁部205とを接着剤30で接着して接合することが好ましいが、熱融着などの方法によることもできる。また、接着剤としては、条帯を構成する樹脂材料に対応して、上述したようなホットメルト系接着剤のほか、溶剤系の接着剤を使用することもでき、あるいは、条帯を構成する樹脂材料と同種の材料を溶融させて接着剤として使用することもできる。接着剤を使用する場合には、固化する前の接着剤を所定の接着領域内にとどまらせておくために、内向き側縁部201や外向き側縁部205の表面に堰となる突条を設けることが好ましい。また、内周部204や外周部202は、必ずしもホース軸方向に沿って設けられた直線状の断面を有するものには限定されず、ホース軸方向に対し多少傾いて設けられていてもよいほか、円弧状等、他の断面形状に設けられるものであってもよい。
【0047】
また、接着剤30の硬度を条帯Tを構成する合成樹脂材料の硬度よりも高くすることが好ましく、そうすることにより、比較的硬度の高い接着剤30が比較的硬度の低い樹脂材料からなる条帯Tの補強体として機能し、ホースA自体の可撓性を損なうことなくホースのつぶれを抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の電気掃除機用ホースは、その可撓性と通気性能を生かして家庭用や業務用の電気掃除機に好適に使用することができ、産業上の利用価値が高い。
【符号の説明】
【0049】
A 電気掃除機用ホース
T,T2,T3 合成樹脂製条帯
201 内向き側縁部
202 外周部
203 立上り部
204 内周部
205 外向き側縁部
206 延長部
208 支持部
209 延長部
210 支持部
30 接着剤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、
内周部と外向き側縁部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、
外向き側縁部または内向き側縁部のホース内周面からは、延長部よりもホース外側となる位置に、ホース軸方向に沿って支持部が突設されると共に、
該支持部の先端は前記立上り部のホース内周面に対向し、管壁が収縮方向に変形する際には支持部先端が立上り部内周面に当接するようにされたことを特徴とする電気掃除機用ホース。
【請求項2】
その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、
内周部と外向き側縁部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、
立上り部のホース内周面からは、延長部よりもホース外側となる位置に、ホース軸方向に沿って支持部が突設されると共に、
該支持部の先端は、内向き側縁部と外向き側縁部とが接合一体化された重ね合わせ部分のホース内周面に対向し、管壁が収縮方向に変形する際には、支持部先端が、前記重ね合わせ部分の内周面に当接するようにされたことを特徴とする電気掃除機用ホース。
【請求項1】
その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、
内周部と外向き側縁部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、
外向き側縁部または内向き側縁部のホース内周面からは、延長部よりもホース外側となる位置に、ホース軸方向に沿って支持部が突設されると共に、
該支持部の先端は前記立上り部のホース内周面に対向し、管壁が収縮方向に変形する際には支持部先端が立上り部内周面に当接するようにされたことを特徴とする電気掃除機用ホース。
【請求項2】
その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、
内周部と外向き側縁部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、
立上り部のホース内周面からは、延長部よりもホース外側となる位置に、ホース軸方向に沿って支持部が突設されると共に、
該支持部の先端は、内向き側縁部と外向き側縁部とが接合一体化された重ね合わせ部分のホース内周面に対向し、管壁が収縮方向に変形する際には、支持部先端が、前記重ね合わせ部分の内周面に当接するようにされたことを特徴とする電気掃除機用ホース。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−125585(P2011−125585A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288697(P2009−288697)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000108498)タイガースポリマー株式会社 (187)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000108498)タイガースポリマー株式会社 (187)
【Fターム(参考)】
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