電気掃除機用ホース
【課題】 可撓性に優れ、通気抵抗の低い電気掃除機用ホースを提供する。
【解決手段】 その断面において略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する側縁部を重ね合わせて接合一体化して凹凸波型状の管壁を構成すると共に、条帯の内周部204と外向き側縁部205の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部206が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースにおいて、外向き側縁部205および内向き側縁部201によって外周部202と内周部204とが接続されるホース壁部分(角度α)が、立上り部203(角度β)よりも、ホース半径方向となす角度が大きく(α>β)なるように形成されるようにする。
【解決手段】 その断面において略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する側縁部を重ね合わせて接合一体化して凹凸波型状の管壁を構成すると共に、条帯の内周部204と外向き側縁部205の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部206が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースにおいて、外向き側縁部205および内向き側縁部201によって外周部202と内周部204とが接続されるホース壁部分(角度α)が、立上り部203(角度β)よりも、ホース半径方向となす角度が大きく(α>β)なるように形成されるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性に優れた合成樹脂製の可撓性ホース、特に電気掃除機に使用される電気掃除機用ホースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機本体と手元操作部との間に接続される掃除機用ホース(いわゆるクリーナホース)としては、ホースの可撓性や耐つぶれ性、通気抵抗などを考慮したものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、一端側が手元操作部に、他端側が掃除機本体側に連結される吸込用ホース(クリーナホース)を、一側縁に下向き側縁部991、他側縁に上向き側縁部992を有する断面略S字形に構成した軟質材の帯状体を隣接する側縁部同士を重合させながら螺旋状に捲回しかつ両側縁部同士を接合して管壁を凹凸波形状に形成するとともに、前記上向き側縁部の底部からホースの軸線方向に沿って突設した延長部993を遊端状態に突出させて内周面を略平滑に構成すること(図10参照)が開示され、そうしたクリーナホースによれば、軟質合成樹脂自体でホースを保形しており、誤って足で踏み付けても一時的な変形ですみ、元の形状に復元するのでその後の使用に何等支障をきたさない利点があるほか、吸込用ホースの内壁面がほぼ平滑な状態に維持されるので、通気抵抗が小さく、ごみや塵が詰まるようなことが予防されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−43102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたようなホース内周面に延長部を有するクリーナホースにおいてもなお、ホースの可撓性と通気抵抗を両立させて良くしていくことは困難であることが判明した。
【0006】
即ち、可撓性に関して言えば、ホースの管壁が伸縮する際に、条帯の略S字断面部の内周部994が、延長部993に乗り上げるように移動する必要があるため、延長部のないホースに比べてホースの可撓性が損なわれやすいことが判明した。
【0007】
また、延長部を設けるホースにおいては、図11に示したように、延長部993がホース内周面の凹溝を完全に覆うのではなく、延長部993先端部と内周部994の間に空隙(ギャップ)が存在するようにされたホースも知られているが、このようなホースにおいては、ホース収縮変形時に、延長部993が内周部994に接触してしまって、延長部がつっかい棒のようになってしまい、ホースの収縮変形が阻害されて、ホースの可撓性が損なわれやすい。
【0008】
このように、延長部が存在することによって、ホースの可撓性、特にホース壁が収縮する変形の可撓性が損なわれやすい。これを回避するために、延長部をホース内側にあらかじめ張り出させるように形成しておくことも考えられるが、そのようにしたのでは、ホース内部の断面積が実質的に減少してしまうことになり、通気抵抗を効果的に低減できなくなってしまう。
【0009】
さらに、通気抵抗に関して言えば、図10に示したホースにおいて、ホース管壁が屈曲する際、特にホース屈曲内側のホース壁部分で、条帯の略S字断面部の内周部994が、延長部993に乗り上げるように移動して、延長部993をホース内側に向かって押し込むために、延長部993がホース内部にはみ出すようになって、ホースの通気抵抗を悪化させるおそれもあることが判明した(図12)。
【0010】
このように、特許文献1に開示されたようなホース内周面を略平滑化するような延長部993を設けたクリーナホースであっても、その可撓性および通気抵抗の両性能を同時に良くしていくことはなおも困難なことであって、これら性能をバランス良く改善することができる電気掃除機用ホースが希求されている。
【0011】
したがって、本発明の目的は、可撓性に優れ、通気抵抗の低い電気掃除機用ホースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明者は、鋭意検討の結果、ホース壁の立上り部がホース半径方向となす角と、外向き側縁部や内向き側縁部がホース半径方向となす角が異なるようにすると、より具体的には、延長部が内周部に接続される側で内周部に接続する立上り部や側縁部の角度が、延長部がない側で内周部に接続する立上り部や側縁部の角度よりも大きくなるように、ホース壁の断面形状を設けると、ホース管壁の変形形態が変わって、延長部とホース壁内周面の干渉が緩和あるいは防止されて、上記課題が解決されることを知見し、本発明を完成させた。
【0013】
本発明は、その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、内周部と外向き側縁部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、外向き側縁部および内向き側縁部によって前記外周部と内周部との間を接続するホース壁部分が、前記立上り部よりも、ホース半径方向となす角度が大きくなるように形成されたことを特徴とする電気掃除機用ホースである(請求項1)。
【0014】
また、本発明は、その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、内周部と立上り部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、外向き側縁部および内向き側縁部によって前記外周部と内周部との間を接続するホース壁部分が、前記立上り部よりも、ホース半径方向となす角度が小さくなるように形成されたことを特徴とする電気掃除機用ホースである(請求項2)。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、外向き側縁部および内向き側縁部によって前記外周部と内周部とが接続されるホース壁部分が、前記立上り部よりも、ホース半径方向となす角度が大きくなるように形成されているので、ホース内周部と立上り部が接続される部位がホース収縮変形時にホース外側に向けて変位するようになり、ホース壁内周部と延長部の干渉が緩和あるいは防止されて、ホースの可撓性が阻害されなくなる。
【0016】
そして、本発明によれば、延長部によってホース内周面を略平滑に構成できると共に、ホースの屈曲時に延長部がホース内側に押し込まれることも防止されて、ホースの通気抵抗が高まることが予防ないしは防止される。
従って、本発明によれば、電気掃除機用ホースとして好適な、その可撓性を高めながら、通気抵抗も低くできるような可撓性ホースが得られる。
【0017】
また、請求項2の発明によれば、外向き側縁部および内向き側縁部によって前記外周部と内周部とが接続されるホース壁部分が、前記立上り部よりも、ホース半径方向となす角度が小さくなるように形成されているので、ホース内周部と外向き側縁部が接続される部位がホース収縮変形時にホース外側に向けて変位するようになり、ホース壁内周部と延長部の干渉が緩和あるいは防止されるようになって、ホースの可撓性が阻害されなくなる。そして、請求項1の発明と同様に、電気掃除機用ホースとして好適な、その可撓性を高めながら、通気抵抗も低くできるような可撓性ホースが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】電気掃除機の構成を示す図である。
【図2】本発明の電気掃除機用ホースの第1実施形態を示す部分断面図である。
【図3】本発明第1実施形態のホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図4】本発明第1実施形態のホースを形成するための条帯の断面形状を示す図である。
【図5】本発明第1実施形態のホースの収縮時の変形形態を示す図である。
【図6】ホース壁の部分の角度変化に伴う寸法変化の説明図である。
【図7】本発明第2実施形態のホースを形成するための条帯の断面形状を示す図である。
【図8】本発明第2実施形態のホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図9】本発明第3実施形態のホースを形成する条帯の断面形状を示す図である。
【図10】従来の電気掃除機用ホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図11】他の従来の電気掃除機用ホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図12】従来の電気掃除機用ホースの屈曲時の変形状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明の電気掃除機用ホースの実施形態を説明する。図1は電気掃除機の全体の外観を示し、図2は本発明の実施形態の可撓性ホースの部分断面図、図3は図2に示すホースのホース壁部分の拡大断面図である。
【0020】
図1において、電気掃除機用ホースAは合成樹脂材料製の可撓性ホースであり、掃除機本体10に設けられた吸気口に接続パイプ11を介してホースAの一端が接続され、ホースAの他端は手元操作部12に接続され、手元操作部12に連続して延長管13、続いて床用ノズル14が接続されて電気掃除機が構成されている。
【0021】
図2は、第1の実施形態である電気掃除機用ホース(以下、単にホースと略称する)Aの外観および断面構造を示し、ホースAは、図4に示す断面を有する合成樹脂製の条帯Tを螺旋状に捲回して形成したものである。条帯Tは、図3に示すように、その両側縁部が重ね合わせられるように螺旋状に捲回一体化されてホースAを構成する。
【0022】
条帯Tは、例えばポリオレフィン系樹脂などの比較的軟質な合成樹脂材料を材料として図4に示す断面を有するように押出成形によって製作される。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)などが例示される。本実施形態においては、条帯Tは全体が同じ樹脂材料により構成されている。条帯Tを構成する樹脂材料として好ましい硬度は、70〜95(JIS ショアA)である。また、条帯Tは、その一部分(例えば延長部206など)を他の部分と比べて軟質な樹脂材料で構成し、硬軟異材料によって一体に形成された複合材料条帯とすることもできる。
【0023】
本発明の電気掃除機用ホースの製造にあたっては、ホース壁を構成する樹脂材料を押出し機に供給して、押出し機から半溶融状態で押出しして条帯Tを作成する。押出しされた条帯Tはその後冷却されて、その断面形状が固定された後、図示しないホース製造装置のガイドシャフトの周囲に螺旋状に捲回される。条帯Tは、内向き側縁部201が先行して捲回された条帯の凹部207に位置するように捲回され、互いに隣接し重ね合わせられる内向き側縁部201と外向き側縁部205の間に接着剤30を充填し接着することにより、接合一体化されて、凹凸波型状の管壁を有する可撓性ホースAに製造される。
【0024】
接着剤30は、前記条帯Tと同じくポリオレフィン系樹脂からなるホットメルト型接着剤であって、その硬度が条帯Tよりも高いものを使用するのが望ましい。条帯Tと接着剤30の材料は同じであっても良いが、望ましくは、例えば、条帯Tの構成材料がショア硬度A70のEVAであるとき、接着剤30としてはショア硬度A80ないしそれに近い値の硬度を有する高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)が使用される。
【0025】
ホースAの管壁及び条帯Tの断面形状について、より詳細に説明する。図4に示すように、条帯Tはその断面において略S字状をなす部分(以下略S字状部分と称する)を有する。略S字状部分の両端部には、条帯Tが螺旋状に捲回された際に互いに重なり合い、接着剤30によって接着一体化される内向き側縁部201と外向き側縁部205が設けられている(図3及び図4においては、図の上側がホースの外側に対応し、図の下側がホースの内側に対応している。図5ないし図12においても同様である)。略S字状部分の両端に設けられた内向き側縁部201と外向き側縁部205の間には、捲回された際にホース内周面側を構成する部分(以下内周部)204と、捲回された際にホース外周面側を構成する部分(以下外周部)202と、内周部204と外周部202の間の立上がり部203が設けられている。内周部204と外周部202の断面は、ホースの中心軸線に対し略平行に設けられており、内周部204の方が外周部202よりもホース中心軸の近くに配置されて捲回される。内向き側縁部201と外向き側縁部205及び立上り部203とは、その断面がホース中心軸線に対して、所定の角度(望ましくは45度から90度の角度)をなすように設けられている。即ち、本実施形態においては、条帯Tの略S字状部分は、内向き側縁部201、外周部202、立上り部203、内周部204、外向き側縁部205が連設されて構成され、略S字状部分によって、ホースの内部空間を外部空間とを画成する凹凸波型状のホース管壁が構成されている。
【0026】
そして、条帯Tの断面において、内向き側縁部201や外向き側縁部205がホース半径方向(図4の上下方向)となす角度は、立上り部203がホース半径方向となす角度に比べて、大きな角度となるように、条帯Tが形成されている。また、ホースAにおいては、内向き側縁部201や外向き側縁部205が重ね合わせられ、接着一体化されて、内周部204と外周部202との間を接続しているホース壁の部分が、ホース半径方向となす角度をα、立上り部がホース半径方向となす角度をβとした場合に、角度αが角度βよりも大きくなる、即ちα>βであって、内向き側縁部201や外向き側縁部205が接着一体化されて内周部204と外周部202との間を接続しているホース壁の部分が、立上り部203よりも寝た角度で設けられている。
【0027】
さらに、条帯Tには、延長部206が設けられている。延長部206は、内周部204と外向き側縁部205が接続される接続部204aから、内周部204を延長するように、ホース軸線方向に沿って突設された部分であり、略S字状部分と延長部206は一体に形成されて条帯Tを構成している。条帯Tの延長部206もまた前述した樹脂材料によって構成されている。延長部206がホース内周面側に配置されることによって、条帯の略S字状部分で構成される凹凸波型状のホース管壁のホース内周面側の凹溝部分(即ち、ホース内側から見て隣接する内周部204、204の間に生ずる螺旋状の空間)A1が塞がれた状態となり、ホース内周面が略平滑に構成される。ここで、条帯Tの内周部204の内周面が、先行して捲回された条帯の延長部206の外周面と軽く接触するようにされて、延長部206の先端部が内周部204から大きく浮き上がることなく、ホースAの内周面がほぼ平滑とされている。また、延長部206と、隣接する条帯の内周部204とは、互いに非接着状態で、互いにスライド可能とされ、延長部206が凹凸波型状のホース管壁の伸縮を妨げないようにされている。
【0028】
延長部206の長さは、ホース管壁がホース軸方向に引き伸ばされた際にも、延長部206の先端部が内周部204から外れない程度の長さとすることが好ましい。一方、後述するように、延長部の長さを短くして、ホースが伸縮していない状態(以下ホースの標準状態とも言う)において、延長部先端と内周部204との間に隙間がありつつも、ホースA内周面がほぼ平滑とされるような形態とすることも可能である。
【0029】
延長部206はホース全長に亘って一定の方向(図3においては右側)に向かって突設されるが、電気掃除機に接続する際には、ホース内を流れる空気流の上流側から下流側に向かう方向に延長部206が突設される(即ち図3において左側から右側に向かって空気が流れる)ように接続して使用することが、通気抵抗低減の観点から好ましい。
【0030】
本発明の作用効果を説明する。
上記実施形態の電気掃除機用ホースAによれば、延長部206がホース内周面側にホース軸線に沿って配置されることによって、条帯の略S字状部分で構成される凹凸波型状のホース管壁のホース内周面側の凹溝部分A1が塞がれた状態となって、ホース内周面が略平滑な構成となり、ホースの通気抵抗が効果的に低減される。
【0031】
また、上記実施形態によれば、角度αが角度βよりも大きくなるように構成したことにより、ホース収縮変形時に、内周部204がホース内側に変位することを予防でき、内周部204と延長部206が干渉してホース収縮変形を妨げることが緩和されて、ホースの可撓性が高められる。以下、図5により、ホース収縮時のホース壁変形形態を説明する。図5においては図の上側がホース外側で、図の下側がホース内側であって、図の水平方向がホース軸方向、図の上下方向がホース半径方向に対応している。
【0032】
本実施形態においては、ホース壁が収縮変形すると、図5に示すように、内周部204,204や外周部202,202はそれぞれの間隔が狭められるように変位する必要があるので、立上り部203や内向き側縁部201、外向き側縁部205は、その断面がホース半径方向となす角度α’、β’がホース標準状態の時の角度α、βに対して小さくなるように変形することになる。即ち、α>α’、β>β’となり、立上り部203や内向き側縁部201、外向き側縁部205は、ホース半径方向により近い角度に変化する。
【0033】
この角度変化に伴って生ずるホース半径方向の寸法変化を、図6により説明する。図6はホース壁の内向き側縁部201、外向き側縁部205や立上り部203の変位状態を模式的に示す図であり、図中では収縮変形前の状態を破線で示している。内向き側縁部201と外向き側縁部205が接着一体化されて内周部と外周部を接続している区間(図中の202aと204aの間の区間)のホース半径方向の長さは、角度がαからα’に変化するのに伴って、L0からL1に増加する方向に変化し(図6(a))、同じく、立上り部203が内周部と外周部を接続している区間(図中の202bと204bの間の区間)のホース半径方向の長さも、その角度がβからβ’に変化するのに伴って、M0からM1に増加する方向に変化する(図6(b))。そして、角度αの方が角度βよりも大きくされているため、前者の長さ変化X(即ちX=L1−L0)の方が、後者の長さ変化Y(即ちY=M1−M0)よりも大きくなる。
【0034】
すると、こうしたホース半径方向の長さ変化がバランスするようにホース壁全体が変形する。その結果、内周部と外向き側縁部が接続される部位204aを基準として、内向き側縁部と外周部とが接続される部位202aはホース外側に変位するようになる。そして、外周部202は標準状態と比べて立上り部203側がホース内側にやや入るように角度変化すると共に、外周部と立上り部が接続される部位202bは、ホース外側に変位しながらも、前記部位202aよりは半径方向でホース内側になるように変位する。そして、立上り部と内周部とが接続される部位204bは、内周部と外向き側縁部が接続される部位204aを基準として、半径方向ホース外側に変位し、内周部204は標準状態と比べて立上り部203側がホース外側にやや出るように角度変化する。
【0035】
この変形形態において、部位202aと部位202bの間のホース半径方向の変位量の差をd1とし、部位204aと部位204bの間のホース半径方向の変位量の差をd2とすれば、X−Yとd1+d2とがほぼ匹敵するような大きさとなって、ホース半径方向の長さ変化がバランスするようにホース壁全体の変形形態が決定する。従って、ホース壁の角度αとβの差を大きくすると、X−Yが大きくなって、その結果d2を大きくできて、立上り部203と内周部204が接続される部位204bが、内周部と外向き側縁部が接続される部位204aよりもホース外側に向かって変位するようにできる。
【0036】
本実施形態において、延長部206は内周部と外向き側縁部が接続される部位204aからホース軸方向と略平行に突設されるものであるので、立上り部203と内周部204が接続される部位204bが部位204aよりもホース外側に変位するのであれば、ホース内周部204と延長部206との干渉が回避あるいは軽減される。
【0037】
従って、本実施形態によれば、内向き側縁部や外向き側縁部がホース半径方向となす角αと、立上り部がホース半径方向となす角βとを、α>βとなるように設けるように構成したので、ホース収縮時の変形において、特に、立上り部と内周部の接続部204bがホース半径方向外側に変位することを促して、可撓性を悪化させる要因である延長部206と内周部204との干渉の程度を低減することができ、ホースの可撓性を良好に維持しながら通気抵抗を高めることができる。
【0038】
また、ホースが伸縮あるいは屈曲した際にも、特にホース管壁が縮む変形をする部分において立上り部と内周部の接続部204bが延長部206をホース内側に向かって押し込もうとする量が低減されるので、ホース屈曲時に延長部206の先端部がホース内側にはみ出すことが抑制・予防される。したがって、本実施形態によれば、ホースを屈曲させた状態においても、延長部206がホース内部にはみ出して流路を狭くすることが予防されて、通気抵抗を低く維持することができる。
【0039】
以上のように、上記実施形態によれば、電気掃除機用ホースとして好適な可撓性と通気抵抗を備えるホースが提供できる。
【0040】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分については同じ番号を図面に付すとともに、その説明を省略する。
【0041】
本発明の第2実施形態として、図7には条帯の変更例T2を、図8には条帯T2により形成されたホースのホース壁断面を示す。図7に示した条帯T2の例においては、延長部209は、立上り部203が内周部204に接続される部位204bから、内向き側縁部201に向かう方向にホース軸方向に沿って突設されると共に、その長さは第1実施形態の延長部206と比べて短くされており、図8に示すように、成形されたホースの伸縮していない標準状態において、隣接する内周部204,204の間の凹溝は延長部209で完全には覆われずに、延長部209の先端209aと隣接する内周部204との間には隙間gが設けられつつ、ホース内周面が略平滑に構成されている。そして、延長部209の先端209aは、テーパー状の傾斜面を有するように形成されている。
【0042】
そして、本実施形態においては、内向き側縁部201と外向き側縁部205とが互いに重ね合わせられて接着一体化されて、内周部204と外周部202の間を接続しているホース壁部分がホース半径方向となす角をαとして、立上り部203がホース半径方向となす角をβとした際に、α<β、即ち、立上り部の方がホース半径方向となす角度が大きいように設けられている。
【0043】
本実施形態においても第1実施形態と同じく、角度αと角度βの差異によってホース半径方向の長さ変化に差が生ずる結果、本実施形態においては、外向き側縁部205と内周部が接続される部位204aが、立上り部と内周部及び延長部が接続される部位204bよりもホース外側に変形するようなホース変形形態となる。その結果、本実施形態でも、内周部と外向き側縁部の接続部のホース内側への変位が抑制でき、延長部206との干渉を低減できて、第1実施形態と同じく、電気掃除機用ホースの可撓性と通気抵抗をバランスよく改善できる。
【0044】
これら実施形態をより包括的に捉えると、略S字上断面を有する条帯で構成された凹凸波型状のホース壁とホース内周面を略平滑に形成する延長部と有する電気掃除機用ホースにおいて、延長部が内周部に接続される側で内周部に接続する立上り部又は内向き側縁部もしくは外向き側縁部がホース半径方向となす角度が、延長部がない側で内周部に接続する内向き側縁部もしくは外向き側縁部または立上り部がホース半径方向となす角度よりも大きくなるように、ホース壁の断面形状を設ければ、上記効果が得られることが理解される。
【0045】
また、本実施形態のように、ホース標準状態で延長部先端209aと内周部204との間に隙間gがある場合には、特に本発明が効果的に作用する。即ち、延長部先端209aと対向する内周部端縁204aの部分が、本発明の効果により、ホース外側に変位することが促されるために延長部209の外側に乗り上げるようになって、延長部209が内周部204,204の間でつっかい棒のようになってしまうことが予防あるいは防止される。
【0046】
また、本実施形態のように、ホース標準状態で延長部先端209aと内周部204との間に隙間gがある場合には、延長部先端209aをテーパー状の傾斜面を有するように形成しておくことが特に好ましく、そのようにすると、傾斜部によって内周部204が延長部209に乗り上げやすくなるため、延長部209が内周部204,204の間でつっかい棒のようになってしまうことがより確実に防止されて、ホースの可撓性が高められる。
【0047】
なお、第2実施形態においては、内向き側縁部201と外向き側縁部205とは、内向き側縁部201がホース内部空間側となるように重ね合わせて接着一体化されているが、この点は、本発明の作用効果とは本質的な関係を有しない変更であって、どちらをホース内側としてホースを形成するかは、条帯やホースの製造の容易さなどの観点から適宜決定すればよい。
【0048】
本発明の第3実施形態として、図9には条帯の変更例T3をを示す。図9に示した条帯T3の例においては、第1実施形態と比べ、外周部202や内周部204が略円弧状の断面を有する点が異なり、他の点では同様の構成である。本実施形態の条帯T3によっても第1実施形態と同様なホースが形成でき、同様な効果が発揮されることは明らかである。即ち、本発明のホースにおいて、ホースの内周部や外周部は、第1実施形態に示したような直線状の断面を有するものには限定されず、円弧状やその他の形状のものであっても同様に、ホース内周部と延長部の干渉を低減して、ホースの可撓性を高めながら通気抵抗を低減できる。
【0049】
また、本発明に対しては、略S字状断面部分を有する条帯を捲回してホースを成形する際に適用可能な公知の技術を適用可能である。
例えば、螺旋状に捲回した条帯Tの隣接する側縁部を接合し、管壁として一体化する形態については、上記実施形態で説明したように、内向き側縁部201と外向き側縁部205とを接着剤30で接着して接合することが好ましいが、熱融着などの方法によることもできる。また、接着剤としては、条帯を構成する樹脂材料に対応して、上述したようなホットメルト系接着剤のほか、溶剤系の接着剤を使用することもでき、あるいは、条帯を構成する樹脂材料と同種の材料を溶融させて接着剤として使用することもできる。接着剤を使用する場合には、固化する前の接着剤を所定の接着領域内にとどまらせておくために、内向き側縁部201や外向き側縁部205の表面に堰となる突条を設けることが好ましい。また、内周部204や外周部202は、必ずしもホース軸方向に沿って平行に設けられた直線状の断面を有するものには限定されず、ホース軸方向に対し多少傾いて設けられるものであってもよい。
【0050】
また、接着剤30の硬度を条帯Tを構成する合成樹脂材料の硬度よりも高くすることが好ましく、そうすることにより、比較的硬度の高い接着剤30が比較的硬度の低い樹脂材料からなる条帯Tの補強体として機能し、ホースA自体の可撓性を損なうことなくホースのつぶれを抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の電気掃除機用ホースは、その可撓性と通気性能を生かして家庭用や業務用の電気掃除機に好適に使用することができ、産業上の利用価値が高い。
【符号の説明】
【0052】
A 電気掃除機用ホース
T,T2,T3 合成樹脂製条帯
201 内向き側縁部
202 外周部
203 立上り部
204 内周部
205 外向き側縁部
206 延長部
209 延長部
30 接着剤
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性に優れた合成樹脂製の可撓性ホース、特に電気掃除機に使用される電気掃除機用ホースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機本体と手元操作部との間に接続される掃除機用ホース(いわゆるクリーナホース)としては、ホースの可撓性や耐つぶれ性、通気抵抗などを考慮したものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、一端側が手元操作部に、他端側が掃除機本体側に連結される吸込用ホース(クリーナホース)を、一側縁に下向き側縁部991、他側縁に上向き側縁部992を有する断面略S字形に構成した軟質材の帯状体を隣接する側縁部同士を重合させながら螺旋状に捲回しかつ両側縁部同士を接合して管壁を凹凸波形状に形成するとともに、前記上向き側縁部の底部からホースの軸線方向に沿って突設した延長部993を遊端状態に突出させて内周面を略平滑に構成すること(図10参照)が開示され、そうしたクリーナホースによれば、軟質合成樹脂自体でホースを保形しており、誤って足で踏み付けても一時的な変形ですみ、元の形状に復元するのでその後の使用に何等支障をきたさない利点があるほか、吸込用ホースの内壁面がほぼ平滑な状態に維持されるので、通気抵抗が小さく、ごみや塵が詰まるようなことが予防されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−43102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたようなホース内周面に延長部を有するクリーナホースにおいてもなお、ホースの可撓性と通気抵抗を両立させて良くしていくことは困難であることが判明した。
【0006】
即ち、可撓性に関して言えば、ホースの管壁が伸縮する際に、条帯の略S字断面部の内周部994が、延長部993に乗り上げるように移動する必要があるため、延長部のないホースに比べてホースの可撓性が損なわれやすいことが判明した。
【0007】
また、延長部を設けるホースにおいては、図11に示したように、延長部993がホース内周面の凹溝を完全に覆うのではなく、延長部993先端部と内周部994の間に空隙(ギャップ)が存在するようにされたホースも知られているが、このようなホースにおいては、ホース収縮変形時に、延長部993が内周部994に接触してしまって、延長部がつっかい棒のようになってしまい、ホースの収縮変形が阻害されて、ホースの可撓性が損なわれやすい。
【0008】
このように、延長部が存在することによって、ホースの可撓性、特にホース壁が収縮する変形の可撓性が損なわれやすい。これを回避するために、延長部をホース内側にあらかじめ張り出させるように形成しておくことも考えられるが、そのようにしたのでは、ホース内部の断面積が実質的に減少してしまうことになり、通気抵抗を効果的に低減できなくなってしまう。
【0009】
さらに、通気抵抗に関して言えば、図10に示したホースにおいて、ホース管壁が屈曲する際、特にホース屈曲内側のホース壁部分で、条帯の略S字断面部の内周部994が、延長部993に乗り上げるように移動して、延長部993をホース内側に向かって押し込むために、延長部993がホース内部にはみ出すようになって、ホースの通気抵抗を悪化させるおそれもあることが判明した(図12)。
【0010】
このように、特許文献1に開示されたようなホース内周面を略平滑化するような延長部993を設けたクリーナホースであっても、その可撓性および通気抵抗の両性能を同時に良くしていくことはなおも困難なことであって、これら性能をバランス良く改善することができる電気掃除機用ホースが希求されている。
【0011】
したがって、本発明の目的は、可撓性に優れ、通気抵抗の低い電気掃除機用ホースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明者は、鋭意検討の結果、ホース壁の立上り部がホース半径方向となす角と、外向き側縁部や内向き側縁部がホース半径方向となす角が異なるようにすると、より具体的には、延長部が内周部に接続される側で内周部に接続する立上り部や側縁部の角度が、延長部がない側で内周部に接続する立上り部や側縁部の角度よりも大きくなるように、ホース壁の断面形状を設けると、ホース管壁の変形形態が変わって、延長部とホース壁内周面の干渉が緩和あるいは防止されて、上記課題が解決されることを知見し、本発明を完成させた。
【0013】
本発明は、その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、内周部と外向き側縁部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、外向き側縁部および内向き側縁部によって前記外周部と内周部との間を接続するホース壁部分が、前記立上り部よりも、ホース半径方向となす角度が大きくなるように形成されたことを特徴とする電気掃除機用ホースである(請求項1)。
【0014】
また、本発明は、その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、内周部と立上り部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、外向き側縁部および内向き側縁部によって前記外周部と内周部との間を接続するホース壁部分が、前記立上り部よりも、ホース半径方向となす角度が小さくなるように形成されたことを特徴とする電気掃除機用ホースである(請求項2)。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、外向き側縁部および内向き側縁部によって前記外周部と内周部とが接続されるホース壁部分が、前記立上り部よりも、ホース半径方向となす角度が大きくなるように形成されているので、ホース内周部と立上り部が接続される部位がホース収縮変形時にホース外側に向けて変位するようになり、ホース壁内周部と延長部の干渉が緩和あるいは防止されて、ホースの可撓性が阻害されなくなる。
【0016】
そして、本発明によれば、延長部によってホース内周面を略平滑に構成できると共に、ホースの屈曲時に延長部がホース内側に押し込まれることも防止されて、ホースの通気抵抗が高まることが予防ないしは防止される。
従って、本発明によれば、電気掃除機用ホースとして好適な、その可撓性を高めながら、通気抵抗も低くできるような可撓性ホースが得られる。
【0017】
また、請求項2の発明によれば、外向き側縁部および内向き側縁部によって前記外周部と内周部とが接続されるホース壁部分が、前記立上り部よりも、ホース半径方向となす角度が小さくなるように形成されているので、ホース内周部と外向き側縁部が接続される部位がホース収縮変形時にホース外側に向けて変位するようになり、ホース壁内周部と延長部の干渉が緩和あるいは防止されるようになって、ホースの可撓性が阻害されなくなる。そして、請求項1の発明と同様に、電気掃除機用ホースとして好適な、その可撓性を高めながら、通気抵抗も低くできるような可撓性ホースが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】電気掃除機の構成を示す図である。
【図2】本発明の電気掃除機用ホースの第1実施形態を示す部分断面図である。
【図3】本発明第1実施形態のホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図4】本発明第1実施形態のホースを形成するための条帯の断面形状を示す図である。
【図5】本発明第1実施形態のホースの収縮時の変形形態を示す図である。
【図6】ホース壁の部分の角度変化に伴う寸法変化の説明図である。
【図7】本発明第2実施形態のホースを形成するための条帯の断面形状を示す図である。
【図8】本発明第2実施形態のホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図9】本発明第3実施形態のホースを形成する条帯の断面形状を示す図である。
【図10】従来の電気掃除機用ホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図11】他の従来の電気掃除機用ホースのホース壁構造を示す断面図である。
【図12】従来の電気掃除機用ホースの屈曲時の変形状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明の電気掃除機用ホースの実施形態を説明する。図1は電気掃除機の全体の外観を示し、図2は本発明の実施形態の可撓性ホースの部分断面図、図3は図2に示すホースのホース壁部分の拡大断面図である。
【0020】
図1において、電気掃除機用ホースAは合成樹脂材料製の可撓性ホースであり、掃除機本体10に設けられた吸気口に接続パイプ11を介してホースAの一端が接続され、ホースAの他端は手元操作部12に接続され、手元操作部12に連続して延長管13、続いて床用ノズル14が接続されて電気掃除機が構成されている。
【0021】
図2は、第1の実施形態である電気掃除機用ホース(以下、単にホースと略称する)Aの外観および断面構造を示し、ホースAは、図4に示す断面を有する合成樹脂製の条帯Tを螺旋状に捲回して形成したものである。条帯Tは、図3に示すように、その両側縁部が重ね合わせられるように螺旋状に捲回一体化されてホースAを構成する。
【0022】
条帯Tは、例えばポリオレフィン系樹脂などの比較的軟質な合成樹脂材料を材料として図4に示す断面を有するように押出成形によって製作される。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)などが例示される。本実施形態においては、条帯Tは全体が同じ樹脂材料により構成されている。条帯Tを構成する樹脂材料として好ましい硬度は、70〜95(JIS ショアA)である。また、条帯Tは、その一部分(例えば延長部206など)を他の部分と比べて軟質な樹脂材料で構成し、硬軟異材料によって一体に形成された複合材料条帯とすることもできる。
【0023】
本発明の電気掃除機用ホースの製造にあたっては、ホース壁を構成する樹脂材料を押出し機に供給して、押出し機から半溶融状態で押出しして条帯Tを作成する。押出しされた条帯Tはその後冷却されて、その断面形状が固定された後、図示しないホース製造装置のガイドシャフトの周囲に螺旋状に捲回される。条帯Tは、内向き側縁部201が先行して捲回された条帯の凹部207に位置するように捲回され、互いに隣接し重ね合わせられる内向き側縁部201と外向き側縁部205の間に接着剤30を充填し接着することにより、接合一体化されて、凹凸波型状の管壁を有する可撓性ホースAに製造される。
【0024】
接着剤30は、前記条帯Tと同じくポリオレフィン系樹脂からなるホットメルト型接着剤であって、その硬度が条帯Tよりも高いものを使用するのが望ましい。条帯Tと接着剤30の材料は同じであっても良いが、望ましくは、例えば、条帯Tの構成材料がショア硬度A70のEVAであるとき、接着剤30としてはショア硬度A80ないしそれに近い値の硬度を有する高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)が使用される。
【0025】
ホースAの管壁及び条帯Tの断面形状について、より詳細に説明する。図4に示すように、条帯Tはその断面において略S字状をなす部分(以下略S字状部分と称する)を有する。略S字状部分の両端部には、条帯Tが螺旋状に捲回された際に互いに重なり合い、接着剤30によって接着一体化される内向き側縁部201と外向き側縁部205が設けられている(図3及び図4においては、図の上側がホースの外側に対応し、図の下側がホースの内側に対応している。図5ないし図12においても同様である)。略S字状部分の両端に設けられた内向き側縁部201と外向き側縁部205の間には、捲回された際にホース内周面側を構成する部分(以下内周部)204と、捲回された際にホース外周面側を構成する部分(以下外周部)202と、内周部204と外周部202の間の立上がり部203が設けられている。内周部204と外周部202の断面は、ホースの中心軸線に対し略平行に設けられており、内周部204の方が外周部202よりもホース中心軸の近くに配置されて捲回される。内向き側縁部201と外向き側縁部205及び立上り部203とは、その断面がホース中心軸線に対して、所定の角度(望ましくは45度から90度の角度)をなすように設けられている。即ち、本実施形態においては、条帯Tの略S字状部分は、内向き側縁部201、外周部202、立上り部203、内周部204、外向き側縁部205が連設されて構成され、略S字状部分によって、ホースの内部空間を外部空間とを画成する凹凸波型状のホース管壁が構成されている。
【0026】
そして、条帯Tの断面において、内向き側縁部201や外向き側縁部205がホース半径方向(図4の上下方向)となす角度は、立上り部203がホース半径方向となす角度に比べて、大きな角度となるように、条帯Tが形成されている。また、ホースAにおいては、内向き側縁部201や外向き側縁部205が重ね合わせられ、接着一体化されて、内周部204と外周部202との間を接続しているホース壁の部分が、ホース半径方向となす角度をα、立上り部がホース半径方向となす角度をβとした場合に、角度αが角度βよりも大きくなる、即ちα>βであって、内向き側縁部201や外向き側縁部205が接着一体化されて内周部204と外周部202との間を接続しているホース壁の部分が、立上り部203よりも寝た角度で設けられている。
【0027】
さらに、条帯Tには、延長部206が設けられている。延長部206は、内周部204と外向き側縁部205が接続される接続部204aから、内周部204を延長するように、ホース軸線方向に沿って突設された部分であり、略S字状部分と延長部206は一体に形成されて条帯Tを構成している。条帯Tの延長部206もまた前述した樹脂材料によって構成されている。延長部206がホース内周面側に配置されることによって、条帯の略S字状部分で構成される凹凸波型状のホース管壁のホース内周面側の凹溝部分(即ち、ホース内側から見て隣接する内周部204、204の間に生ずる螺旋状の空間)A1が塞がれた状態となり、ホース内周面が略平滑に構成される。ここで、条帯Tの内周部204の内周面が、先行して捲回された条帯の延長部206の外周面と軽く接触するようにされて、延長部206の先端部が内周部204から大きく浮き上がることなく、ホースAの内周面がほぼ平滑とされている。また、延長部206と、隣接する条帯の内周部204とは、互いに非接着状態で、互いにスライド可能とされ、延長部206が凹凸波型状のホース管壁の伸縮を妨げないようにされている。
【0028】
延長部206の長さは、ホース管壁がホース軸方向に引き伸ばされた際にも、延長部206の先端部が内周部204から外れない程度の長さとすることが好ましい。一方、後述するように、延長部の長さを短くして、ホースが伸縮していない状態(以下ホースの標準状態とも言う)において、延長部先端と内周部204との間に隙間がありつつも、ホースA内周面がほぼ平滑とされるような形態とすることも可能である。
【0029】
延長部206はホース全長に亘って一定の方向(図3においては右側)に向かって突設されるが、電気掃除機に接続する際には、ホース内を流れる空気流の上流側から下流側に向かう方向に延長部206が突設される(即ち図3において左側から右側に向かって空気が流れる)ように接続して使用することが、通気抵抗低減の観点から好ましい。
【0030】
本発明の作用効果を説明する。
上記実施形態の電気掃除機用ホースAによれば、延長部206がホース内周面側にホース軸線に沿って配置されることによって、条帯の略S字状部分で構成される凹凸波型状のホース管壁のホース内周面側の凹溝部分A1が塞がれた状態となって、ホース内周面が略平滑な構成となり、ホースの通気抵抗が効果的に低減される。
【0031】
また、上記実施形態によれば、角度αが角度βよりも大きくなるように構成したことにより、ホース収縮変形時に、内周部204がホース内側に変位することを予防でき、内周部204と延長部206が干渉してホース収縮変形を妨げることが緩和されて、ホースの可撓性が高められる。以下、図5により、ホース収縮時のホース壁変形形態を説明する。図5においては図の上側がホース外側で、図の下側がホース内側であって、図の水平方向がホース軸方向、図の上下方向がホース半径方向に対応している。
【0032】
本実施形態においては、ホース壁が収縮変形すると、図5に示すように、内周部204,204や外周部202,202はそれぞれの間隔が狭められるように変位する必要があるので、立上り部203や内向き側縁部201、外向き側縁部205は、その断面がホース半径方向となす角度α’、β’がホース標準状態の時の角度α、βに対して小さくなるように変形することになる。即ち、α>α’、β>β’となり、立上り部203や内向き側縁部201、外向き側縁部205は、ホース半径方向により近い角度に変化する。
【0033】
この角度変化に伴って生ずるホース半径方向の寸法変化を、図6により説明する。図6はホース壁の内向き側縁部201、外向き側縁部205や立上り部203の変位状態を模式的に示す図であり、図中では収縮変形前の状態を破線で示している。内向き側縁部201と外向き側縁部205が接着一体化されて内周部と外周部を接続している区間(図中の202aと204aの間の区間)のホース半径方向の長さは、角度がαからα’に変化するのに伴って、L0からL1に増加する方向に変化し(図6(a))、同じく、立上り部203が内周部と外周部を接続している区間(図中の202bと204bの間の区間)のホース半径方向の長さも、その角度がβからβ’に変化するのに伴って、M0からM1に増加する方向に変化する(図6(b))。そして、角度αの方が角度βよりも大きくされているため、前者の長さ変化X(即ちX=L1−L0)の方が、後者の長さ変化Y(即ちY=M1−M0)よりも大きくなる。
【0034】
すると、こうしたホース半径方向の長さ変化がバランスするようにホース壁全体が変形する。その結果、内周部と外向き側縁部が接続される部位204aを基準として、内向き側縁部と外周部とが接続される部位202aはホース外側に変位するようになる。そして、外周部202は標準状態と比べて立上り部203側がホース内側にやや入るように角度変化すると共に、外周部と立上り部が接続される部位202bは、ホース外側に変位しながらも、前記部位202aよりは半径方向でホース内側になるように変位する。そして、立上り部と内周部とが接続される部位204bは、内周部と外向き側縁部が接続される部位204aを基準として、半径方向ホース外側に変位し、内周部204は標準状態と比べて立上り部203側がホース外側にやや出るように角度変化する。
【0035】
この変形形態において、部位202aと部位202bの間のホース半径方向の変位量の差をd1とし、部位204aと部位204bの間のホース半径方向の変位量の差をd2とすれば、X−Yとd1+d2とがほぼ匹敵するような大きさとなって、ホース半径方向の長さ変化がバランスするようにホース壁全体の変形形態が決定する。従って、ホース壁の角度αとβの差を大きくすると、X−Yが大きくなって、その結果d2を大きくできて、立上り部203と内周部204が接続される部位204bが、内周部と外向き側縁部が接続される部位204aよりもホース外側に向かって変位するようにできる。
【0036】
本実施形態において、延長部206は内周部と外向き側縁部が接続される部位204aからホース軸方向と略平行に突設されるものであるので、立上り部203と内周部204が接続される部位204bが部位204aよりもホース外側に変位するのであれば、ホース内周部204と延長部206との干渉が回避あるいは軽減される。
【0037】
従って、本実施形態によれば、内向き側縁部や外向き側縁部がホース半径方向となす角αと、立上り部がホース半径方向となす角βとを、α>βとなるように設けるように構成したので、ホース収縮時の変形において、特に、立上り部と内周部の接続部204bがホース半径方向外側に変位することを促して、可撓性を悪化させる要因である延長部206と内周部204との干渉の程度を低減することができ、ホースの可撓性を良好に維持しながら通気抵抗を高めることができる。
【0038】
また、ホースが伸縮あるいは屈曲した際にも、特にホース管壁が縮む変形をする部分において立上り部と内周部の接続部204bが延長部206をホース内側に向かって押し込もうとする量が低減されるので、ホース屈曲時に延長部206の先端部がホース内側にはみ出すことが抑制・予防される。したがって、本実施形態によれば、ホースを屈曲させた状態においても、延長部206がホース内部にはみ出して流路を狭くすることが予防されて、通気抵抗を低く維持することができる。
【0039】
以上のように、上記実施形態によれば、電気掃除機用ホースとして好適な可撓性と通気抵抗を備えるホースが提供できる。
【0040】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分については同じ番号を図面に付すとともに、その説明を省略する。
【0041】
本発明の第2実施形態として、図7には条帯の変更例T2を、図8には条帯T2により形成されたホースのホース壁断面を示す。図7に示した条帯T2の例においては、延長部209は、立上り部203が内周部204に接続される部位204bから、内向き側縁部201に向かう方向にホース軸方向に沿って突設されると共に、その長さは第1実施形態の延長部206と比べて短くされており、図8に示すように、成形されたホースの伸縮していない標準状態において、隣接する内周部204,204の間の凹溝は延長部209で完全には覆われずに、延長部209の先端209aと隣接する内周部204との間には隙間gが設けられつつ、ホース内周面が略平滑に構成されている。そして、延長部209の先端209aは、テーパー状の傾斜面を有するように形成されている。
【0042】
そして、本実施形態においては、内向き側縁部201と外向き側縁部205とが互いに重ね合わせられて接着一体化されて、内周部204と外周部202の間を接続しているホース壁部分がホース半径方向となす角をαとして、立上り部203がホース半径方向となす角をβとした際に、α<β、即ち、立上り部の方がホース半径方向となす角度が大きいように設けられている。
【0043】
本実施形態においても第1実施形態と同じく、角度αと角度βの差異によってホース半径方向の長さ変化に差が生ずる結果、本実施形態においては、外向き側縁部205と内周部が接続される部位204aが、立上り部と内周部及び延長部が接続される部位204bよりもホース外側に変形するようなホース変形形態となる。その結果、本実施形態でも、内周部と外向き側縁部の接続部のホース内側への変位が抑制でき、延長部206との干渉を低減できて、第1実施形態と同じく、電気掃除機用ホースの可撓性と通気抵抗をバランスよく改善できる。
【0044】
これら実施形態をより包括的に捉えると、略S字上断面を有する条帯で構成された凹凸波型状のホース壁とホース内周面を略平滑に形成する延長部と有する電気掃除機用ホースにおいて、延長部が内周部に接続される側で内周部に接続する立上り部又は内向き側縁部もしくは外向き側縁部がホース半径方向となす角度が、延長部がない側で内周部に接続する内向き側縁部もしくは外向き側縁部または立上り部がホース半径方向となす角度よりも大きくなるように、ホース壁の断面形状を設ければ、上記効果が得られることが理解される。
【0045】
また、本実施形態のように、ホース標準状態で延長部先端209aと内周部204との間に隙間gがある場合には、特に本発明が効果的に作用する。即ち、延長部先端209aと対向する内周部端縁204aの部分が、本発明の効果により、ホース外側に変位することが促されるために延長部209の外側に乗り上げるようになって、延長部209が内周部204,204の間でつっかい棒のようになってしまうことが予防あるいは防止される。
【0046】
また、本実施形態のように、ホース標準状態で延長部先端209aと内周部204との間に隙間gがある場合には、延長部先端209aをテーパー状の傾斜面を有するように形成しておくことが特に好ましく、そのようにすると、傾斜部によって内周部204が延長部209に乗り上げやすくなるため、延長部209が内周部204,204の間でつっかい棒のようになってしまうことがより確実に防止されて、ホースの可撓性が高められる。
【0047】
なお、第2実施形態においては、内向き側縁部201と外向き側縁部205とは、内向き側縁部201がホース内部空間側となるように重ね合わせて接着一体化されているが、この点は、本発明の作用効果とは本質的な関係を有しない変更であって、どちらをホース内側としてホースを形成するかは、条帯やホースの製造の容易さなどの観点から適宜決定すればよい。
【0048】
本発明の第3実施形態として、図9には条帯の変更例T3をを示す。図9に示した条帯T3の例においては、第1実施形態と比べ、外周部202や内周部204が略円弧状の断面を有する点が異なり、他の点では同様の構成である。本実施形態の条帯T3によっても第1実施形態と同様なホースが形成でき、同様な効果が発揮されることは明らかである。即ち、本発明のホースにおいて、ホースの内周部や外周部は、第1実施形態に示したような直線状の断面を有するものには限定されず、円弧状やその他の形状のものであっても同様に、ホース内周部と延長部の干渉を低減して、ホースの可撓性を高めながら通気抵抗を低減できる。
【0049】
また、本発明に対しては、略S字状断面部分を有する条帯を捲回してホースを成形する際に適用可能な公知の技術を適用可能である。
例えば、螺旋状に捲回した条帯Tの隣接する側縁部を接合し、管壁として一体化する形態については、上記実施形態で説明したように、内向き側縁部201と外向き側縁部205とを接着剤30で接着して接合することが好ましいが、熱融着などの方法によることもできる。また、接着剤としては、条帯を構成する樹脂材料に対応して、上述したようなホットメルト系接着剤のほか、溶剤系の接着剤を使用することもでき、あるいは、条帯を構成する樹脂材料と同種の材料を溶融させて接着剤として使用することもできる。接着剤を使用する場合には、固化する前の接着剤を所定の接着領域内にとどまらせておくために、内向き側縁部201や外向き側縁部205の表面に堰となる突条を設けることが好ましい。また、内周部204や外周部202は、必ずしもホース軸方向に沿って平行に設けられた直線状の断面を有するものには限定されず、ホース軸方向に対し多少傾いて設けられるものであってもよい。
【0050】
また、接着剤30の硬度を条帯Tを構成する合成樹脂材料の硬度よりも高くすることが好ましく、そうすることにより、比較的硬度の高い接着剤30が比較的硬度の低い樹脂材料からなる条帯Tの補強体として機能し、ホースA自体の可撓性を損なうことなくホースのつぶれを抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の電気掃除機用ホースは、その可撓性と通気性能を生かして家庭用や業務用の電気掃除機に好適に使用することができ、産業上の利用価値が高い。
【符号の説明】
【0052】
A 電気掃除機用ホース
T,T2,T3 合成樹脂製条帯
201 内向き側縁部
202 外周部
203 立上り部
204 内周部
205 外向き側縁部
206 延長部
209 延長部
30 接着剤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、
内周部と外向き側縁部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、
外向き側縁部および内向き側縁部によって前記外周部と内周部との間を接続するホース壁部分が、前記立上り部よりも、ホース半径方向となす角度が大きくなるように形成されたことを特徴とする電気掃除機用ホース。
【請求項2】
その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、
内周部と立上り部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、
外向き側縁部および内向き側縁部によって前記外周部と内周部との間を接続するホース壁部分が、前記立上り部よりも、ホース半径方向となす角度が小さくなるように形成されたことを特徴とする電気掃除機用ホース。
【請求項1】
その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、
内周部と外向き側縁部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、
外向き側縁部および内向き側縁部によって前記外周部と内周部との間を接続するホース壁部分が、前記立上り部よりも、ホース半径方向となす角度が大きくなるように形成されたことを特徴とする電気掃除機用ホース。
【請求項2】
その断面において内向き側縁部、外周部、立上り部、内周部および外向き側縁部が連設されてなる略S字状部分を有する合成樹脂材料製の条帯を螺旋状に捲回し、条帯の互いに隣接する内向き側縁部と外向き側縁部とを重ね合わせて接合一体化し、凹凸波型状の管壁を構成すると共に、
内周部と立上り部の接続部からは、ホース軸線方向に沿って延長部が突設されてホース内周面が略平滑に構成された電気掃除機用ホースであって、
外向き側縁部および内向き側縁部によって前記外周部と内周部との間を接続するホース壁部分が、前記立上り部よりも、ホース半径方向となす角度が小さくなるように形成されたことを特徴とする電気掃除機用ホース。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−135952(P2011−135952A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296499(P2009−296499)
【出願日】平成21年12月26日(2009.12.26)
【出願人】(000108498)タイガースポリマー株式会社 (187)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月26日(2009.12.26)
【出願人】(000108498)タイガースポリマー株式会社 (187)
【Fターム(参考)】
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