説明

電気掃除機用吸込口体

【課題】手間がかからず塵埃を回転清掃体から容易に除去できる電気掃除機用吸込口体を提供すること。
【解決手段】電気掃除機用吸込口体は、吸込室15が設けられ且つ前記吸込室15の吸込開口15aが底面に開口する吸込口本体10aと、前記吸込開口15aに沿って配設された回転清掃体18と、前記回転清掃体18を回転駆動する駆動モータ21を備えている。しかも、前記回転清掃体18は、前記吸込口本体10aに回転自在に取り付けられ且つ前記駆動モータ21に連動する回転軸18aと、前記回転軸18aに沿って半径方向に突出するように取り付けられた塵埃掻き上げ部材(ブラシ毛帯18b)を有する。さらに、電気掃除機用吸込口体は、前記回転清掃体18を逆回転させたときに前記塵埃掻き上げ部材(ブラシ毛帯18b)に付着する塵埃を掻落可能な塵埃掻落蓋25が前記吸込室15の上壁(前上ケース14)に設けられていると共に、前記回転清掃体18を前進方向とは反対方向に逆回転させる操作手段(メンテナンス用スイッチ29)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、駆動モータにより回転駆動される回転清掃体が設けられた電気掃除機用吸込口体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電気掃除機の吸込口体としては、吸込口本体内に左右に延びる吸込室を設け、この吸込室の吸込開口を吸込口本体の底面に開口させ、この吸込開口に沿って吸込室に配設した回転清掃体の左右両端部を吸込口本体に回転自在に取り付けると共に、この回転清掃体を回転駆動する駆動モータを設けた構成のものが知られている。
【0003】
このような吸込口体は、吸込口本体に回転自在に取り付けられ且つ駆動モータに連動する回転軸と、回転軸に沿って螺旋状に取り付けられた可撓性ブレードや毛ブラシ等の塵埃掻き上げ部材と、を備えているのが普通である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような吸込口体としては、清掃面の塵埃を掻き上げる回転清掃体の回転が吸込口体の前進方向に推進力を与えるように、回転清掃体を駆動モータで正回転方向に回転駆動するようになっているものも知られている。
【特許文献1】特開2004−147691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような吸込口体では、回転清掃体に糸くずや髪の毛等の塵埃が巻き付いたり、毛ブラシの場合には糸くずや髪の毛等とこれ以外の細かい塵埃も付着したまま残ってしまうこともある。この場合には、回転清掃体による塵埃の掻き上げ効率が低下するために、回転清掃体に付着した塵埃を取り除く必要がある。
【0006】
しかしながら、この塵埃を回転清掃体から除去するには回転清掃体を吸込口本体から取り外す必要があり、塵埃の除去に手間がかかるものであった。
【0007】
そこで、この発明は、手間がかからず塵埃を回転清掃体から容易に除去できる電気掃除機用吸込口体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するため、この発明は、吸込室が設けられ且つ前記吸込室の吸込開口が底面に開口する吸込口本体と、前記吸込開口に沿って配設された回転清掃体と、前記回転清掃体を回転駆動する駆動モータを備え、前記回転清掃体は、前記吸込口本体に回転自在に取り付けられ且つ前記駆動モータに連動する回転軸と、前記回転軸に沿って半径方向に突出するように取り付けられた塵埃掻き上げ部材を有する電気掃除機用吸込口体において、前記回転清掃体を逆回転させたときに前記塵埃掻き上げ部材に付着する塵埃を掻落可能な塵埃掻落部材が前記吸込室の上壁に設けられていると共に、前記回転清掃体を前進方向とは反対方向に逆回転させる操作手段が設けられている電気掃除機用吸込口体としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この構成によれば、操作手段を操作して回転清掃体を逆回転させることにより、前記塵埃掻き上げ部材が塵埃掻落部材に接触して、前記塵埃掻き上げ部材に付着した塵埃を塵埃掻落部材により掻き落とすことができるので、手間がかからず塵埃を回転清掃体から容易に除去できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[構成]
図1において、1は電気掃除機の掃除機本体、2は掃除機本体1の本体ケース、3は本体ケース2の前部に設けられた集塵室、4は集塵室3内に装着された紙パックフィルタ(集塵フィルタ)、5は本体ケース2の後部内に配設され且つ集塵室3に吸込負圧を作用させる電動送風機である。
【0011】
この本体ケース2の前端部には、紙パックフィルタ4の図示しない口枠の接続口に連通するホース接続口6が形成されている。このホース接続口6には集塵ホース7の一端部に取り付けた接続筒7aが着脱可能に嵌着されている。しかも、接続筒7aは紙パックフィルタ4の図示しない接続口に接続されている。
【0012】
また、集塵ホース7の他端部には手元操作パイプ8が取り付けられ、手元操作パイプ8には延長管(延長パイプ)9を介して吸込口体10が接続されている。
【0013】
尚、図1において、8aは手元操作パイプ8に設けられた操作パネルである。この操作パネル8aには、「弱/中」吸込風量切り替え用のスイッチS1と、「強」吸込風量用のスイッチS2と、「切り」用のスイッチS3等が設けられている。
(吸込口体10)
この吸込口体10は、図1,図2,図2Aに示したように、左右に延びる吸込口本体10aを有する。この吸込口本体10aは、左右に延びる下ケース11と、下ケース11上に取り付けられた上ケース12を有する。この下ケース11は、図3に示したように、左右方向の両端部に前側に突出する軸受支持部11a,11bを有する。
【0014】
また、上ケース12は、下ケース11の後側に着脱可能に取り付けられた後上ケース13と、下ケース11の軸受支持部11a,11b間の上部を覆うように軸受支持部11a,11b及び後上ケース13の前部上に着脱可能に取り付けられた前上ケース(カバー)14を有する。この前上ケースの14の下方には、図4,図5に示したように、左右に細長く延びる吸込室15が形成されている。この吸込室15の左右に延びる吸込開口15aは下ケース11の底面(下面)に開口している。しかも後上ケース13の左右方向中央部には、図3に示したように吸込室15に開口する吸込風路16が形成されている
また、吸込口体10は、図1〜図3に示したように、後上ケース13の左右方向の中央部の後部側に任意の方向に傾動可能に取り付けられた接続パイプ17を有する。この接続パイプ17は、図3の吸込風路16を介して吸込室15に連通していると共に、延長管9に着脱可能に嵌合接続されている。
【0015】
更に、吸込口体10は、図3に示したように吸込開口15aに沿って吸込室15内に配設されたメイン回転清掃体18を有する。このメイン回転清掃体18は、左右に延びる回転軸18aと、回転軸18aに螺旋帯状に保持された複数本のブラシ毛帯(塵埃掻き上げ部材)18bと、回転軸18aの両端部を回転自在に保持する方形状の軸受18c,18dを有する。
【0016】
この軸受18c,18dは、軸受支持部11a,11bの上下に延びる係合溝11a1,11b1に上方から挿入係合させて、前上ケース14の両端部で押さえ付けることで、前上ケース14の両端部と軸受支持部11a,11bとの間に保持されている。これにより、回転軸18aは軸線回りに回転するように、軸受18c,18dを介して吸込口本体10aに保持されている。尚、この保持の状態の図示は省略してある。
【0017】
そして、ブラシ毛帯18bは、メイン回転清掃体18の回転に伴い吸込開口15aから下方に突出して、清掃面(床面)Sの塵埃を掻き上げるようになっている。尚、下ケース11の軸受支持部11a,11bには図3に示したように前輪19,19が取り付けられ、下ケース11の後部には図4に示したように後輪20が取り付けられていて、この前輪19と後輪20は図4のように下ケース11を清掃面Sから僅かに浮かせている。
【0018】
また、吸込口体10は、図3に示したように後上ケース13と下ケース11との間に配設され、下ケース11に取り付けられた駆動モータ(駆動手段)21と、駆動モータ21の回転をメイン回転清掃体18に伝達する動力伝達手段22を有する。この動力伝達手段22は、回転軸18aの軸受18d側の端部近傍に固定されたタイミングプーリ18eと、駆動モータ21の出力軸21aに取り付けられたタイミングプーリ21bと、タイミングプーリ18e,21bに掛け渡されたタイミングベルト23を有する。
【0019】
更に、前上ケース14には図1,図2,図2Aに示したように、回転清掃体18のブラシ毛帯18bを設けた部分に沿って左右に延びる開口24が形成されている。この前上ケース14には、開口24内に配設した塵埃掻落蓋(塵埃掻落部材)25の後縁両側部が左右に延びる支持軸26を中心に回動可能に取り付けられている。
【0020】
また、前上ケース14の内面には図4,図5に示したように支持突部14aが設けられ、支持突部14aにはソレノイド27が取り付けられている。このソレノイド27は、塵埃掻落部蓋25を回転清掃体18側に僅かに開閉回動させるようになっている。そして、図5の如く塵埃掻落部蓋25がソレノイド27で回転清掃体18側に開かれたときに、塵埃掻落部蓋25の先端がブラシ毛帯18bに当たる位置まで移動すると共に、塵埃掻落部蓋25の先端と開口24の前縁との間に左右にスリット状に延びる空気導入口28が形成されるようになっている(図2A参照)。尚、後上ケース13にはメンテナンス用スイッチ29が設けられている。また、塵埃掻落部蓋25は図示を省略したネジリコイルバネで開口24を閉成する方向に回動付勢されている。このネジリコイルバネは支持軸26に捲回した状態で塵埃掻落部蓋25と前上ケース14との間に介装することができる。
【0021】
また、操作パネル8aからの操作信号は、図6に示した演算制御回路(制御手段)30に入力されるようになっている。この演算制御回路30は、操作パネル8aからの操作信号を受けて電動送風機5及び駆動モータ21を回転制御するようになっている。尚、演算制御回路30は、通常の操作パネル8aからの操作信号を受けたとき、回転清掃体18が吸込口体10の前進方向に回転するように、駆動モータ21を回転制御させるようになっている。
【0022】
更に、演算制御回路30は、メンテナンス用スイッチ29からのON信号を受けると、駆動モータ21を逆転させると共に、ソレノイド27を作動させて、塵埃掻落部蓋25をこれの先端にブラシ毛帯18bが当たるまでソレノイド27により回転清掃体18側に回動させるようになっている。
【0023】
次に、このような構成の電気掃除機の作用を説明する。
(1)通常の清掃面Sの清掃
手元操作パイプ8に設けた「弱/中」吸込風量切り替え用のスイッチS1又は「強」吸込風量用のスイッチS2をオン操作すると、演算制御回路30が電動送風機5を作動させ、電動送風機5の吸込負圧を集塵室3に作用させる。
【0024】
この集塵室3に作用する吸込負圧は、図1の状態で紙パックフィルタ4,集塵ホース7,手元操作パイプ8,延長管9,接続パイプ17を介して吸込口本体10aの吸込室15に作用する。
【0025】
一方、演算制御回路30は、スイッチS1,S2のON操作により駆動モータ21を作動制御して、駆動モータ21の回転を動力伝達手段22のタイミングプーリ21b,18e及びタイミングベルト23を介してメイン回転清掃体18に伝達させ、メイン回転清掃体18を図4の矢印A1で示したように時計回り方向(吸込口体10に前進方向への回転力を与える回転方向)に回転させる。
【0026】
これにより、メイン回転清掃体18は、回転しながらブラシ毛帯18bの一部を吸込開口15aから下方に突出して、ブラシ毛帯18bにより清掃面Sの塵埃を後方に掻き上げさせる。
【0027】
そして、吸込室15に作用する吸込負圧は、清掃面Sの塵埃の一部を直接空気(エア)と共に吸込室15内に吸い込む一方、メイン回転清掃体18で掻き上げられた清掃面Sの塵埃を空気と共に吸込室15内に吸い込むことになる。
そして、吸込室15内に吸い込まれた塵埃を含む空気は、接続パイプ17,延長管9,手元操作パイプ8及び集塵ホース7を介して紙パックフィルタ4内に吸い込まれて、紙パックフィルタ4を透過する。
【0028】
この際、エアと共に吸い込まれる塵埃が紙パックフィルタ4に捕捉され、紙パックフィルタ4を透過する空気が清浄される。この清浄された空気は、電動送風機5に吸い込まれて内部を冷却した後、最終的に外部に排気される。
【0029】
従って、吸込口体10の吸込口本体10aを清掃面Sに沿って前進移動させることにより、通常の状態での清掃を行うことができる。
(2)回転清掃体18のメンテナンス
また、このような清掃作業に伴い、回転清掃体18に糸くずや髪の毛等の塵埃が巻き付いたり、回転清掃体18のブラシ毛帯18bに埃や細かい塵埃が付着して、ブラシ毛帯18bによる塵埃掻き上げ効率が低下する。
【0030】
この場合には、電動送風機5及び駆動モータ21が作動している状態で、メンテナンス用スイッチ29をONさせ、このON信号を演算制御回路30に入力する。これにより演算制御回路30は、駆動モータ21を逆転制御して、回転清掃体18を前進方向とは反対方向、即ち図5の矢印A2で示した反時計回り方向に回転させる。
【0031】
一方、演算制御回路30は、メンテナンス用スイッチ29のON信号を受けて、ソレノイド27を駆動させ、塵埃掻落蓋25の先端に回転清掃体18のブラシ毛帯18bが当たるまでソレノイド27により塵埃掻落蓋25を回転清掃体18側に回動させる。これにより、回転清掃体18に巻き付いた糸くずや髪の毛等の塵埃或いは回転清掃体18のブラシ毛帯18bに付着した埃や細かい塵埃が塵埃掻落蓋25により掻き落とされることになる。
【0032】
また、塵埃掻落蓋25の回転清掃体18側への回動により、塵埃掻落蓋25と開口24の下縁との間に空気導入口28が形成されて、矢印A3で示したように空気が吸込室15の塵埃掻落蓋25と回転清掃体18との間に吸い込まれる。この吸い込まれた空気は、塵埃掻落蓋25により掻き落とされた塵埃と共に吸込室15の後部側に吸い込まれた後、接続パイプ17,延長管9,手元操作パイプ8及び集塵ホース7を介して紙パックフィルタ4内に吸い込まれて、紙パックフィルタ4を透過する。
【0033】
この際、空気と共に吸い込まれる塵埃が紙パックフィルタ4に捕捉され、紙パックフィルタ4を透過するエアが清浄される。この清浄された空気は、電動送風機5に吸い込まれて内部を冷却した後、最終的に外部に排気される。このようにして回転清掃体18に付着した塵埃が除去される。尚、このようなメンテナンスは定期的に行っても良い。
【0034】
尚、ソレノイド27は、吸込室15内に配設しているが、前上ケース14の上面側に設けることもできる。この場合には、ソレノイドが吸込室15内の空気の流れの邪魔になることはない。
(変形例1)
以上説明した例では、前上ケース14に開口24を設けて、この開口24の開閉を行う塵埃掻落蓋25により回転清掃体18に付着した塵埃を除去するようにしたが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。
【0035】
例えば、図7(a)に示したように前上ケース14に回転清掃体18側に向けて開口する空気導入口40を設け、この空気導入口40を塵埃掻落部材41により開閉するようにしても良い。
【0036】
この場合も、空気導入口40は回転清掃体18のブラシ毛帯18bを設けた部分に沿ってスリット状に形成されている。また、塵埃掻落部材41は、図7(a)後縁部が前上ケース14の内面に支持軸42aを介して回動自在に取り付けられた導入口開閉板42と、この導入口開閉板42の先端部に植毛された掻落用ブラシ43を有する[図7(b)参照]。尚、導入口開閉板42は図示を省略したネジリコイルバネで空気導入口40を閉成する方向に回動付勢されている。このネジリコイルバネは支持軸42aに捲回した状態で導入口開閉板42と前上ケース14との間に介装することができる。
【0037】
また、前上ケース14の内面には支持突部44が形成され、この支持突部44にはソレノイド45が取り付けられている。このソレノイド45は、図9に示したメンテナンス用スイッチ29がONさせられたときに演算制御回路30により作動制御されて、作動時に塵埃掻落部材41を図8に示したように回転清掃体18側に回動させるようになっている。
【0038】
尚、この変形例でも演算制御回路30は、通常の清掃時に回転清掃体18を図7(a)に矢印A1で示したように吸込口体10の前進方向に回転させるようにしている。また、通常の清掃時には、塵埃掻落部材41の導入口開閉板42が図示しないネジリコイルバネのバネ力で空気導入口40を閉成するようになっている。
【0039】
このような構成においては、メンテナンス用スイッチ29がONさせられると、このON信号が演算制御回路30に入力される。この演算制御回路30は、メンテナンス用スイッチ29がON信号を受けると、駆動モータ21を逆転させて、回転清掃体18を図8に示したように逆回転させる。
【0040】
これに伴い演算制御回路30は、ソレノイド45を作動させて、塵埃掻落部材41の掻落用ブラシ43に回転清掃体18のブラシ毛帯18bが当たるまで、ソレノイド45により塵埃掻落部材41を図8に示したように回転清掃体18側に回動させる。そして、回転清掃体18の逆回転により、この回転清掃体18のブラシ毛帯18bの塵埃が掻落用ブラシ43により梳かれて、回転清掃体18のブラシ毛帯18bに付着した塵埃が掻き落とされる。
【0041】
一方、この回動により、空気導入口40が開かれて、空気導入口40から空気が図8の矢印A4で示したように略掻落用ブラシ43とブラシ毛帯18bとの接触する方向に向けて吸い込まれる。この吸い込まれた空気は、掻落用ブラシ43により回転清掃体18のブラシ毛帯18bから掻き落とされた塵埃と共に吸込室15の後部側に流れた後、図1の接続パイプ17,延長管9,手元操作パイプ8及び集塵ホース7を介して紙パックフィルタ4内に吸い込まれて、紙パックフィルタ4を透過する。
【0042】
この際、空気と共に吸い込まれる塵埃が紙パックフィルタ4に捕捉され、紙パックフィルタ4を透過するエアが清浄される。この清浄された空気は、電動送風機5に吸い込まれて内部を冷却した後、最終的に外部に排気される。このようにして回転清掃体18に付着した塵埃が除去される。
【0043】
尚、この変形例でも、図1〜図6に示した構成と同一部分又は類似する部分には図1〜図6に示した符号と同一の符号を付して、その説明を省略した。
(変形例2)
以上説明した例では、塵埃掻落蓋25や塵埃掻落部材41等の可動部材を用いて、メンテナンス時に回転清掃体18に付着した塵埃を掻き落とすようにした例を示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。
【0044】
例えば、図10(a)に示したように、前上ケース14の中間部に前下方に傾斜する傾斜内面14bを設けて、この傾斜内面14bに回転清掃体18側に突出する突部46を設け、この突部46の前端部に掻落用ブラシ47を植毛した構成としても良い。
【0045】
この場合、突部46及び掻落用ブラシ47は回転清掃体18のブラシ毛帯18bに沿って設けられる[図10(b)参照]。しかも、掻落用ブラシ47は、図10(a)の矢印A1で示したように回転清掃体18の前進方向への回転時には、回転清掃体18のブラシ毛帯18bが滑らかに接触でき、回転清掃体18が逆回転させられた時には、先端が回転清掃体18のブラシ毛帯18bを梳くように作用するようになっている。そして、回転清掃体18のブラシ毛帯18bから掻き落とされた塵埃は、空気と共に吸込室15の後部に吸い込まれた後、図1の接続パイプ17,延長管9,手元操作パイプ8及び集塵ホース7を介して紙パックフィルタ4内に吸い込まれて、紙パックフィルタ4を透過する。
【0046】
この際、空気と共に吸い込まれる塵埃が紙パックフィルタ4に捕捉され、紙パックフィルタ4を透過するエアが清浄される。この清浄された空気は、電動送風機5に吸い込まれて内部を冷却した後、最終的に外部に排気される。このようにして回転清掃体18に付着した塵埃が除去される。
【0047】
尚、この変形例でも、図1〜図6に示した構成と同一部分又は類似する部分には図1〜図6に示した符号と同一の符号を付して、その説明を省略した。
(変形例3)
また、変形例2では、塵埃掻落蓋25や塵埃掻落部材41等の可動部材を用いて、メンテナンス時に回転清掃体18に付着した塵埃を掻き落とすようにした例を示したが、前上ケース14の内面に固定した傾斜する掻落用ブラシ47を用いて回転清掃体18に付着した塵埃を掻き落とすようにしたが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。
【0048】
例えば、図11(a)に示したように、前上ケース14の中間部に前斜め下方に傾斜する傾斜内面14bを設けて、この傾斜内面14bに回転清掃体18側に図11(b)に示したような櫛歯48を設けた構成としても良い。
【0049】
この場合、櫛歯48は、後側から前側に向けて回転清掃体18側に傾斜する傾斜ガイド辺(傾斜ガイド部)48aと、傾斜ガイド辺48aの前端から傾斜内面14bに対して略垂直に設けられた塵埃掻落辺(塵埃掻落部)48bを設けた構成としても良い。
【0050】
このような構成において、図11(a)の矢印A1で示したように回転清掃体18の前進方向への回転時には、回転清掃体18のブラシ毛帯18bが櫛歯48は傾斜ガイド辺48aの作用により櫛歯48に滑らかに接触でき、回転清掃体18が逆回転させられた時には、先端の塵埃掻落辺48bが回転清掃体18のブラシ毛帯18bを梳くように作用するようになっている。
【0051】
そして、回転清掃体18のブラシ毛帯18bから掻き落とされた塵埃は、空気と共に吸込室15の後部に吸い込まれた後、図1の接続パイプ17延長管9,手元操作パイプ8及び集塵ホース7を介して紙パックフィルタ4内に吸い込まれて、紙パックフィルタ4を透過する。
【0052】
この際、空気と共に吸い込まれる塵埃が紙パックフィルタ4に捕捉され、紙パックフィルタ4を透過するエアが清浄される。この清浄された空気は、電動送風機5に吸い込まれて内部を冷却した後、最終的に外部に排気される。このようにして回転清掃体18に付着した塵埃が除去される。
【0053】
尚、この変形例でも、図1〜図6に示した構成と同一部分又は類似する部分には図1〜図6に示した符号と同一の符号を付して、その説明を省略した。
【0054】
以上説明したように、この発明の実施の形態の電気掃除機用吸込口体は、吸込室15が設けられ且つ前記吸込室15の吸込開口15aが底面に開口する吸込口本体10aと、前記吸込開口15aに沿って配設された回転清掃体18と、前記回転清掃体18を回転駆動する駆動モータ21を備えている。しかも、前記回転清掃体18は、前記吸込口本体10aに回転自在に取り付けられ且つ前記駆動モータ21に連動する回転軸18aと、前記回転軸18aに沿って半径方向に突出するように取り付けられた塵埃掻き上げ部材(ブラシ毛帯18b)を有する。さらに、電気掃除機用吸込口体は、前記回転清掃体18を逆回転させたときに前記塵埃掻き上げ部材(ブラシ毛帯18b)に付着する塵埃を掻落可能な塵埃掻落部材(塵埃掻落蓋25,塵埃掻落部材41,掻落用ブラシ47,櫛歯48)が前記吸込室15の上壁(前上ケース14)に設けられていると共に、前記回転清掃体18を前進方向とは反対方向に逆回転させる操作手段(メンテナンス用スイッチ29)が設けられている。
【0055】
この構成によれば、操作手段を操作(メンテナンス用スイッチ29をON)して回転清掃体18を逆回転させることにより、前記塵埃掻き上げ部材(ブラシ毛帯18b)が塵埃掻落部材(25,41,47,48)に接触して、前記塵埃掻き上げ部材(ブラシ毛帯18b)に付着した塵埃を塵埃掻落部材(25,41,47,48)により掻き落とすことができるので、手間がかからず塵埃を回転清掃体18から容易に除去できる。
【0056】
また、この発明の実施の形態の電気掃除機用吸込口体において、前記塵埃掻落部材(塵埃掻落蓋25,塵埃掻落部材41)は前記回転清掃体18に対して進退動可能に前記上壁(前上ケース14)に取り付けられていると共に、前記操作手段(メンテナンス用スイッチ29)が操作されたときに前記塵埃掻落部材(塵埃掻落蓋25,塵埃掻落部材41)を前記回転清掃体18側に進出させる駆動手段(ソレノイド27,45)が設けられている。
【0057】
この構成によれば、通常の清掃時には塵埃掻落部材(塵埃掻落蓋25,塵埃掻落部材41)が回転清掃体18の回転を阻害しないので、回転清掃体18にかかる負荷が増大せず、駆動モータ21にかかる負荷が増大せず、消費電力が増加しない。
【0058】
また、この発明の実施の形態の電気掃除機用吸込口体において、前記塵埃掻落部材(掻落用ブラシ47,櫛歯48)は、前記回転清掃体18の正回転時に前記塵埃掻き上げ部材(ブラシ毛帯18b)に滑らかに接触し、且つ前記回転清掃体18の逆回転時に前記塵埃掻き上げ部材(ブラシ毛帯18b)に付着した塵埃を掻落し可能に設けられている。
【0059】
この構成によれば、簡単な構成で、塵埃掻き上げ部材(ブラシ毛帯18b)に付着した塵埃を掻き落とすことができる。
【0060】
また、この発明の実施の形態の電気掃除機用吸込口体において、前記上壁(前上ケース14)に空気導入口40が形成されていると共に、前記回転清掃体18の正回転時に前記空気導入口40を閉成し且つ前記回転清掃体18の逆回転時に前記空気導入口(28,40)を開く塵埃掻落部材(塵埃掻落蓋25,塵埃掻落部材41)が設けられている。
【0061】
この構成によれば、回転清掃体18から塵埃掻落部材(25,41)により掻き落とされた塵埃を空気導入口(28,40)から吸い込まれた空気により吸込室15の後部に滑らかに移動させて、吸込口体10に接続される掃除機本体1の集塵室3に吸い込ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】この発明に係る吸込口体を備える電気掃除機の概略斜視図である。
【図2】図1に示した吸込口体の斜視図である。
【図2A】図2に示した吸込口体の作用説明図である。
【図3】図2に示した前上ケースを覗いた状態の吸込口体の斜視図である。
【図4】図1,図2に示した吸込口体の概略作用説明図である。
【図5】図4に示した吸込口体の作用説明図である。
【図6】図1に示した電気掃除機の制御回路図である。
【図7】(a)はこの発明の吸込口体の変形例を示す概略説明図、(b)は(a)の塵埃掻落部材の部分平面図である。
【図8】図7の吸込口体の他の状態を示す作用説明図である。
【図9】図7,図8の吸込口体を用いた電気掃除機の制御回路図である。
【図10】(a)はこの発明の吸込口体の他の変形例を示す概略説明図、(b)は(a)の塵埃掻落部材の部分平面図である。
【図11】(a)はこの発明の吸込口体の更に他の変形例を示す概略説明図、(b)は(a)の塵埃掻落部材の部分平面図である。
【符号の説明】
【0063】
10…吸込口体
10a…吸込口本体
14…前上ケース(上壁)
15…吸込室
15a…吸込開口
18…回転清掃体
18a…回転軸
18b…ブラシ毛帯(塵埃掻き上げ部材)
21…駆動モータ
25…塵埃掻落蓋(塵埃掻落部材)
27…ソレノイド(駆動手段)
28…空気導入口
29…メンテナンス用スイッチ
40…空気導入口
41…塵埃掻落部材
45…ソレノイド(駆動手段)
47…掻落用ブラシ(塵埃掻落部材)
48…櫛歯(塵埃掻落部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込室が設けられ且つ前記吸込室の吸込開口が底面に開口する吸込口本体と、前記吸込開口に沿って配設された回転清掃体と、前記回転清掃体を回転駆動する駆動モータを備え、
前記回転清掃体は、前記吸込口本体に回転自在に取り付けられ且つ前記駆動モータに連動する回転軸と、前記回転軸に沿って半径方向に突出するように取り付けられた塵埃掻き上げ部材を有する電気掃除機用吸込口体において、
前記回転清掃体を逆回転させたときに前記塵埃掻き上げ部材に付着する塵埃を掻落可能な塵埃掻落部材が前記吸込室の上壁に設けられていると共に、前記回転清掃体を前進方向とは反対方向に逆回転させる操作手段が設けられていることを特徴とする電気掃除機用吸込口体。
【請求項2】
請求項1に記載の電気掃除機用吸込口体において、前記塵埃掻落部材は前記回転清掃体に対して進退動可能に前記上壁に取り付けられていると共に、前記操作手段操作されたときに前記回転清掃体を逆転させ且つ前記塵埃掻落部材を前記回転清掃体側に進出させる駆動手段が設けられていることを特徴とする電気掃除機用吸込口体。
【請求項3】
請求項1に記載の電気掃除機用吸込口体において、前記塵埃掻落部材は、前記回転清掃体の正回転時に前記塵埃掻き上げ部材に滑らかに接触し、且つ前記回転清掃体の逆回転時に前記塵埃掻き上げ部材に付着した塵埃を掻落し可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機用吸込口体。
【請求項4】
請求項1に記載の電気掃除機用吸込口体において、前記上壁に空気導入口が形成されていると共に、前記回転清掃体の正回転時に前記空気導入口を閉成し且つ前記回転清掃体の逆回転時に前記空気導入口を開く塵埃掻落部材が設けられていることを特徴とする電気掃除機用吸込口体。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−334084(P2006−334084A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−161556(P2005−161556)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】