電気掃除機
【課題】浮遊塵埃が高濃度になる掃除機使用者の周囲に塵埃、ウィルス、雑菌、アレル物質などが浮遊しないようにする電気掃除機を得る。
【解決手段】吸引風を発生させる電動送風機及びホースユニット112を介して吸引された吸引物を捕集する集塵室を有する掃除機本体101と、白金粒子を有し、負に帯電させた白金ミスト111を発生させ、電気掃除機の使用に係る空間に放出するミスト発生部110を、例えばハンドル部106、電気掃除機本体101、パイプ108等に備え、空気清浄を行い、衛生性を高めるものである。
【解決手段】吸引風を発生させる電動送風機及びホースユニット112を介して吸引された吸引物を捕集する集塵室を有する掃除機本体101と、白金粒子を有し、負に帯電させた白金ミスト111を発生させ、電気掃除機の使用に係る空間に放出するミスト発生部110を、例えばハンドル部106、電気掃除機本体101、パイプ108等に備え、空気清浄を行い、衛生性を高めるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気掃除機に関するものである。特に浮遊塵埃の除去に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、花粉やハウスダストなどのアレルギー症状を患う患者数が著しく増加しており、室内の空気質に対する関心は急激に高まっている傾向にある。このような状況において、室内空気を清浄化する機能を有したエアコン、空気清浄機などの家電製品については普及が進んでいる。一方で、電気掃除機(以下、掃除機という)については、使用することで床の塵埃を舞い上げてしまう、掃除機本体の排気が微細塵を含んで放出してしまうなど、室内の空気質を悪化させる原因となっていた。
【0003】
掃除機の使用によって床面から舞上る塵埃は、通常のハウスダスト以外に、人が家中に持ち込んで落下したウィルスや、様々な雑菌、花粉やダニなどのアレルギーとなる物質(アレルゲン)が含まれており、掃除機使用者の健康被害を引き起こす可能性がある。
【0004】
最近の掃除機では、排気風が床面に直接当たって塵埃を舞い上げないように、上方に向けて排気する等の配慮に基づく設計がなされてきている。さらには、掃除機本体の排気に含まれる塵埃を低減するため、本体の排気出口に高性能塵埃除去フィルタを搭載するなど、排気クリーン化のための機能付与が施されている。
【0005】
また、舞い上がった塵埃は室内空間を浮遊すると即時に落下することなく、およそ10分以上も浮遊を続け、掃除が終了した頃に床面に落下する。そこで、浮遊する塵埃(浮遊塵埃)を除去することを目的に、上面に浮遊塵吸引口を備える床ブラシヘッドが製品化されている。
【0006】
さらには、塵埃を効率良く吸込むことを目的として、床ブラシヘッドの絨毯等の清掃面の静電気を除電して、掃除性能を高めた掃除機用床ノズルを提供する構成が提案されている(例えば特許文献1参照)。例えば、本体(床ブラシヘッド)内にミスト発生器を設け、清掃面の電位を検出する電位測定装置からの信号を受けて、清掃面にミストを噴出する。
【0007】
また、ヘッド内部に設置したスプレーノズルと貯水タンク、送液ポンプとから構成され、スプレーノズルから微粒子が噴射して、床面から塵埃を剥がしやすく、かつ大気中や床面の細塵を凝集して舞上りにくくしてヘッドからの集塵性能を向上させる構成が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−148091号公報
【特許文献2】特開2007−54352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1においては、床ブラシヘッドの内部(床ブラシヘッドが覆う床面部分のみ)にミストを噴出する構成であるため、本来、床面にこびり付いたひどい汚れを落とすことに効果があり、上述した掃除動作に伴う床面の塵埃の舞い上がりを抑制する効果は有していない。また、特許文献2においては、室内環境を劣悪な状態にする浮遊塵埃の舞い上がりに対する低減効果はあるものの、その効果は床ブラシヘッド前方方向ないし床ブラシヘッド内部に対する部分的な効果にすぎなかった。また、広い空間に浮遊する塵埃に単なる水滴が偶然接触できる確率は低く、大きな効果は得られていなかった。
【0010】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、特に掃除機使用者の周囲に塵埃、ウィルス、雑菌、アレル物質などが浮遊しないようにすることができる電気掃除機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る電気掃除機は、上記課題を解決するため、吸引風を発生させる電動送風機及びホースユニットを介して吸引された吸引物を捕集する集塵室を有する電気掃除機本体と、白金粒子を有し、負に帯電させた水滴を発生させ、掃除機の使用に係る空間に放出するミスト発生部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る掃除機は、掃除機で掃除する際の浮遊塵埃、浮遊ウィルス、浮遊菌、浮遊アレル物質を空間、特に浮遊塵埃が高濃度になる掃除機使用者の周囲に対して、白金粒子を有する水滴を放出することにより除去するようにしたので、空気清浄を行い、衛生性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1に係る掃除機の全体構成の一例を説明するための概略図である。
【図2】実施の形態1の白金ミスト111と掃除機使用者との位置関係の図である。
【図3】浮遊する塵埃の平均濃度の比較を示す図である。
【図4】浮遊する塵埃増加量と床上高さの関係の測定を説明するための概略図である。
【図5】掃除機使用時の塵埃増加量と床上高さの関係の測定結果を示すグラフである。
【図6】白金ミスト111の帯電状態を説明するためのグラフである。
【図7】白金ミスト111の粒子径分布を表す図である。
【図8】白金ミスト111の帯電状態を説明するためのグラフを表す図である。
【図9】本発明の浮遊塵埃の凝集効果を説明するグラフを表す図である。
【図10】白金ミスト111の浮遊する寿命を説明するためのグラフを表す図である。
【図11】白金ミスト111における抗菌効果を説明するための図である。
【図12】実施の形態2の白金ミスト111と掃除機使用者との位置関係の図である。
【図13】本実施の形態の白金ミスト発生部110の位置を表す図である。
【図14】浮遊塵埃吸引口401を設けた掃除機本体101を表す図である。
【図15】実施の形態2における白金ミスト111放出の有無等を表す図である。
【図16】実施の形態3に係る掃除機の一例を説明するための概略図である。
【図17】実施の形態3に係る掃除機の一例を説明するための概略図である。
【図18】実施の形態4に係る白金ミスト発生部110の構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を記述する。
【0015】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る掃除機の一例を説明するための概略図である。図1において、掃除機本体101は、本体上部蓋102、ホース差込口103及び本体排気口104を少なくとも有している。そして、本体内に設けられた電動送風機(図示せず)を駆動させて吸引風を発生させ、ホースユニット112を介して塵埃等を吸引し、塵埃除去フィルタ等を有する集塵室(図示せず)等に捕集する。本体上部蓋102は、掃除機本体101が吸引し、集塵室等に捕集した塵埃等を取り出すための蓋である。ホース差込口103は、ホース105を介した吸引を行うために、ホース105を差し込むための開口部分である。本体排気口104は、掃除機本体101が塵埃等と共に吸引した空気を排出する開口部分である。ここで、直接床面に空気を排出しないようにするため、本体排気口104は床面に対向しない向きに開口させている。
【0016】
本実施の形態のホースユニット112は、ホース105、ハンドル部106、操作スイッチ107、パイプ108、床面ブラシヘッド109及び白金ミスト発生部110を有している。蛇腹状のホース105は曲げることができる延長管である。ホース105の一端はホース差込口103に差し込まれ、他端にはハンドル部106が設けられている。
【0017】
ハンドル部106は例えば掃除機使用者が掃除を行う場合などに把持する持ち手である。操作スイッチ107は、ハンドル部106に設けられており、例えば掃除機使用者が、掃除機本体101内の制御装置(図示せず)に運転の可否、吸引力等の指示を入力するためのスイッチである。ここで、特に限定するものではないが、例えば操作スイッチ107の近傍に表示手段(図示せず)を備えるようにし、運転状況等を表示するようにしてもよい。
【0018】
パイプ108は、例えば円筒状の延長管である。また、パイプ108と着脱自在に接続可能な床面ブラシヘッド109は、ブラシを有し、例えば床面と接触し、場合によっては床面から塵埃をかきだして掃除機本体101に吸引させるための吸引具である。ここでは床面ブラシヘッド109としているが、他の吸引具(アタッチメント)でもよい。
【0019】
白金ミスト発生部110は、掃除機の運転時等において、ナノメートルオーダーの径(サイズ)の白金粒子を内包等により有するナノメートルオーダーサイズのミスト(水滴。以下、白金ミストという)111を外部の空間(掃除を行っている空間)に放出する発生装置を有している。白金ミスト発生部110は、掃除機使用者の周囲に塵埃等が浮遊しないように白金ミスト111を放出する。
【0020】
図2は本実施の形態の掃除機における白金ミスト111を放出した空間と掃除機使用者との位置関係を示す概略図である。本実施の形態では、ハンドル部106(持ち手となる部分、操作スイッチ107近傍)に白金ミスト発生部110を設ける。このとき、白金ミスト111がハンドル部106よりも上方に放出されるような位置に設けるようにすることが望ましい。このように、白金ミスト発生部110をハンドル部106に設けることで、本体排気口104の排気によって白金ミスト111が拡散することがない。また、濃度の高い白金ミスト111を掃除機使用者の上半身(特に顔部分)周囲の空間に放出することができる。
【0021】
図3は床上150cmまでの高さに浮遊する塵埃の平均濃度の比較を示す図である。図3では、室内において、掃除機の動作無し(掃除していない状態)並びに掃除機を動作させて掃除している際の床面ブラシヘッド109周囲、掃除機使用者の周囲及び掃除機本体101周囲で測定したものを示している。動作無しの場合と比較し、掃除機を使用した掃除中には、いずれも塵埃濃度が上昇しており、中でも掃除機使用者の周囲が最も高く、次いで床面ブラシヘッド109周囲、掃除機本体101周囲の順となっている。
【0022】
図4は、掃除機を使用した際における、浮遊する塵埃増加量と床上高さとの関係を測定した様子を説明するための概略図である。本測定は、掃除範囲およそ2メートル角の床面積エリアを掃除機を運転しながら数分間移動し、床上の空間の粉塵増加量をパーティクルカウンタで測定したものである。測定点は、床上高さ30cm、60cm、120cm及び150cmとした。
【0023】
図5は掃除機使用時の塵埃増加量と床上高さとの関係の測定結果を示すグラフである。横軸は床上高さ、縦軸は塵埃増加率であり、測定対象の浮遊塵埃の粒子径を、それぞれ0.3μm、0.5μm、1μm、2μmとした。縦軸は掃除前(平常時)の浮遊塵量で規格化している(掃除前100%)。いずれの粒子径においても平常時の量を上回ることがわかる。特に1μmと2μmの浮遊塵埃の増加量が多く、特に2μmにおいては床上高さ150cmにおいても平常時の2倍相当の浮遊量が存在していることがわかる。床上高さ150cmの位置は、掃除機使用者が姿勢をかがむ動作を頻繁に繰り返すため、掃除動作中の顔付近の位置になる可能性が高い。この結果から、掃除機を使用する際の掃除機使用者は、浮遊する塵埃を呼吸吸入してしまう可能性が高いといえる。このため、前述したように白金ミスト111を掃除機使用者の上半身周囲の空間に放出するようにした。
【0024】
図6は白金ミスト発生部110の概略図である。本実施の形態の白金ミスト発生部110は、電源601並びに負電極602及び接地電極603の電極対で構成する。電源601は、例えば掃除機本体101からの電力供給に基づいて電極対の間に、例えば4kVなどの高電圧を印加して高電界にする(電場の静電力を高くする)。接地電極603は負電極602が放出する白金ミスト111を通過させて外部空間に放出するため、一部を開口させている。
【0025】
接地電極603に対して負電位となる負電極602は、接地電極603との対向側に鋭角の突起部を有する金属発泡体(多孔質構造体)によって形成されている。本実施の形態において、負電極602は、孔内に酸化ケイ素(SiO2)を主成分とした粒子を担持しており、この粒子に直径数ナノメートルの白金粒子が添着されている。そして、負電極602の孔内に水が入り込むと、親水性の高い白金粒子は、酸化ケイ素粒子から脱離して水中に遊離する。毛細管現象によって白金粒子を含む水604が突起部に搬送されて先端部分に溜まる。電源601が負電極602と接地電極603との間に高電圧を印加することで発生した高電場の静電力により、突起部の先端に溜まった白金粒子を含んだ水604は破砕してナノメートルオーダーの粒子径(サイズ)を有するミスト(水滴)となる。ミストは負に帯電して粒子径を維持して接地電極603側に引き寄せられ、接地電極603の開口部分を通過して外部空間を浮遊する。
【0026】
ここで、本実施の形態では、負電極602が担持した酸化ケイ素が、空気中の水分を吸着することで、ミストとなる水604を負電極602に確保する。このため、電気掃除機がおかれる環境の温湿度(空気中の水分量)によって白金ミスト発生部110における白金ミスト111の放出量は変化するが、例えば、0.01〜0.1cc/hrを放出することができる。
【0027】
図7は白金ミスト111の粒子径分布(測定結果)を表す図である。図7に示すように、白金ミスト発生部110において生成される白金ミスト111の粒子径は10〜30nmの領域にピークを有し、最大径が100nmとなっている。本測定(印加電圧4kV)において、ピークの粒子径におけるミスト数は空気1cm3あたり数10万個のオーダーであり、非常に高濃度のミスト発生能を有している。
【0028】
次に、白金ミスト111が浮遊塵埃に対して凝集効果が高い理由について説明する。白金ミスト111は負に帯電させて放出することで、プラスに帯電する傾向がある浮遊塵埃と静電気的な作用で効率良く接触し、さらにミストが架橋的に作用して浮遊塵埃を多数引き付けて凝集させることができる。
【0029】
図8はミストのみと白金ミストとの帯電量の測定結果を示すグラフであり、ミストのみと比較して、白金ミストは約2倍の帯電量を有することがわかる。
【0030】
図9は、本発明の浮遊塵埃の凝集効果を説明するグラフを表す図である。密閉した1m3の箱内に大気塵(大気浮遊塵)レベルの浮遊塵埃が存在する安定な平衡状態を作り、何もしない場合と白金ミスト111を放出させた場合とにおける浮遊塵濃度(浮遊塵埃の残存率)を経時的に測定したものである。ここで、本測定は、掃除機使用者の周囲を直接的に模擬できる局所的な効果を示すものではなく、1m3の箱内を平均的に処理させるのに有した時間とその効果の関係を示したものとなっている。従って、白金ミストの局所的な浮遊塵埃の除去の効果は接触までの時間で決定されるものである。
【0031】
本測定では、温度条件を21〜23℃、湿度条件を45%RH(相対湿度)とし、箱内の浮遊塵埃をパーティクルカウンタで測定した。何もしない場合には残存率の経時変化がほとんど無いのに対して、白金ミストは時間が経つと濃度が大きく低下しているのがわかる。これは前述したように、帯電した白金ミストが浮遊塵埃を凝集させて落下させるという効果によるものである。ここで、前述した白金ミスト発生部110の白金ミスト111の発生能は凝集効果を生じさせ、浮遊塵埃の残存率低下をはかるのに十分な量であると考えられる。
【0032】
次に、白金ミスト111が、マイナスに大きく帯電する理由および白金粒子を有しないミストのみに比べて帯電量が大きい理由を以下に説明する。負電極602の先端に保持された白金粒子を有した水604と接地電極603との間に高電圧(高電界)が印加されることで静電力が発生する。このとき、水604の表面が局所的に盛り上がってテイラーコーンを生成する。水604はマイナス(負)に帯電した状態となり、静電力が水604の表面表力を超えると、負電極602を離れると共に水604が分裂していき、数nmの白金粒子を有してマイナスに帯電した微粒子水が空気中に放出される。
【0033】
また、白金粒子自身がマイナスに帯電する材料特性を有しており、そのゼータ電位は約−40mVであることが知られている。以上より、白金ミスト111は電子供給と白金粒子自身の持つゼータ電位によってマイナスの大きな帯電量を有する状態になる。
【0034】
図10は白金ミスト発生部110が発生する白金ミスト111の空間に浮遊する寿命を説明するためのグラフを表す図である。図10は、白金ミスト111と、超音波(50MHz)によって発生させたミストの飛距離(デバイスの発生場所から0.5mおよび1m離れた場所で測定)によるミスト粒子径分布を比較している。測定には、SMPS(Scanning Mobility Particle Sizer)を用いた。
【0035】
白金ミスト111は帯電状態になっているため、ミスト間で静電反発が生じることによってミスト同士の凝集が発生しにくくなり、経時的な粒子径のピーク変動は見られない。一方、超音波により発生させたミストは、帯電していない状態であるため、ミスト間の凝集が経時的に発生し、粒子径のピークが大きくなっていることがわかる。このため、本測定は、白金ミスト111は帯電状態になっていることで、飛距離が長い分、粒子径が小さな粒子として比較的長い時間、安定に存在できることを示している。
【0036】
図11は白金ミスト111における抗菌効果を説明するための図である。図11は放出する水の量を0.05cc/hrとした場合、0.5cc/hrとした場合、およびこれに白金含有有無での大腸菌の抗菌活性値を示す。抗菌活性値が高いほど抗菌効果が高いことを示している。白金を含有していない水の場合、抗菌効果は見られないが、白金を含有した水の場合には抗菌効果が現れる。さらに放出する水の量を多くすることで放出される白金量も増加するため、抗菌効果が増加する。
【0037】
以上のように、実施の形態1の電気掃除機においては、白金ミスト発生部110を、ハンドル部106に設け、ナノメートルサイズのオーダーの水滴である白金ミスト111を放出し、掃除機を使用している空間に浮遊する浮遊塵埃、ウィルス、雑菌、アレル物質等に付着させて除去するようにしたので、空気清浄をはかることができる。このとき、水滴及び白金が負電荷を有し、帯電量が大きい白金ミスト111により浮遊塵埃等を強く引きつけ、帯電凝集させ、落下させる効果を有する。このため、従来技術のように、帯電していないミストを放出する場合に比べて、より速く、多く浮遊塵埃等を除去することができる。特に、本実施の形態では、掃除機使用者の上半身(特に顔)の周囲に白金ミスト111を放出するようにしたので、掃除機使用者が浮遊塵埃を呼吸吸入してしまうことを防ぐことができる。
【0038】
負電極602を鋭角の突起部を有する多孔質構造体の金属発泡体とするようにしたので、複数の孔による毛細管現象により、突起部の先端に水分を集めることができる。そして、接地電極603と負電極との間に高電圧を印加することで、集めた水分を破砕等させながらナノサイズの微小な水滴にして放出させることができる。
【0039】
また、白金粒子を酸化ケイ素を主成分とする粒子に添着させて、負電極602に担持させるようにしたので、酸化ケイ素を主成分とする粒子が吸収した空気中の水分を白金ミスト111を放出するための水分として用いることができる。
【0040】
実施の形態2.
図12は本実施の形態の掃除機における白金ミスト111を発生した空間と掃除機使用者との位置関係を示す概略図である。本実施の形態では、図12に示すように白金ミスト発生部110を掃除機本体101に設け、白金ミスト111を掃除機使用者の足元〜膝〜腰周囲に行き渡るようにする。
【0041】
図13は本実施の形態の白金ミスト発生部110の位置を表す図である。白金ミスト発生部110は、掃除機本体101において、掃除機本体101からの排気風の影響がほとんどない位置に設ける。本実施の形態では、掃除機使用者の周囲に放出できるホース差込口103付近又は掃除機本体101の上部の略前(ホース差込口103)側方向に白金ミスト111を放出できる位置に設ける。このため、本体排気口104からの排気風によって白金ミスト111を拡散させてしまうことがなく、濃度の高い白金ミスト111を掃除機使用者の周囲に放出させることが可能となっている。そして、床の塵埃1301から舞い上がった浮遊塵埃1302に白金ミスト111が凝集する。凝集に係る浮遊塵埃1303は落下するため、掃除機使用者の周囲における浮遊塵埃は除去される。
【0042】
図14は浮遊塵埃吸引口1401を設けた掃除機本体101を表す図である。図14の掃除機本体101においては、周辺および凝集に係る浮遊塵埃1303を吸引するための浮遊塵埃吸引口1401を有している。吸引を行うことで、白金ミスト111による凝集落下効果との組み合わせでより高い空間からの浮遊塵埃除去を得ることができる。
【0043】
図15は実施の形態2における白金ミスト発生部110の位置からの白金ミスト111放出の有無等のグラフを表す図である。図15のグラフは、次のような測定等を行って得られた結果を表したものである。アクリル樹脂板で全面を囲った1m3の箱を用い、床面ブラシヘッド109を前後方向に動かして床面を擦る動作を連続して行った。このとき、床面から舞い上がる浮遊塵埃量を測定し、白金ミスト111の有無で比較することにより検証を行った。
【0044】
まず、1m3の箱に、任意の箇所に片腕が入れられる程度の小面積の開口部を設けた。そして、この開口部から片腕を入れて掃除機のノズル部を握って、通常の掃除動作と同様に前後方向に移動させることができる、箱内部の位置に掃除機を配置する。
【0045】
また、箱内で雑巾を叩いて塵埃を発生させ、擬似的に床面に塵埃を落下堆積させた。さらに開口部を閉じて30分間以上放置し、浮遊塵埃を箱内の床面に落下させた。この際、箱内部における浮遊塵埃濃度を測定し、室内空気(箱外部の空気)とほぼ同値になったことを確認した。
【0046】
次に、掃除機を動作させて、床面ブラシヘッド109を床面に接触させて前後方向に5回往復で動かして、その際の床面ブラシヘッド109の上方空間の浮遊塵埃量の経時変化を測定した。このとき、測定位置は箱内の床面から上方30cmの位置とし、浮遊塵埃量をパーティクルカウンタによって測定した。ここで、本測定対象は、花粉、ダニ、粉塵等を含むハウスダストであることから、粒子径を1μm以上のものとした。また、白金ミスト111は、床面ブラシヘッド109を前方へ押し出すタイミングで放出させ、このとき、放出させる回数を3回とした。
【0047】
図15のグラフにおいて、横軸は経過時間(分)、縦軸は空気1リットル中に含まれる浮遊塵埃の粒子個数を表す粒子個数濃度(個/L)である。図15において、白丸は掃除動作を行う前の初期状態(バッググランド)、黒丸は白金ミスト111を放出させずに掃除動作をした場合、白四角は白金ミスト111を放出させて掃除動作をした場合における結果をそれぞれプロットしたものである。
【0048】
グラフに示すように、初期状態(バッググランド)に対して、白金ミスト111を放出させずに掃除動作をした場合は、最大で30倍近い浮遊塵埃濃度になり、その状態は開始10分以降も持続される結果となった。
【0049】
一方、白金ミスト111を放出させて掃除動作をした場合、初期状態(バッググランド)に対して、白金ミスト111を放出させて掃除動作をした場合は、浮遊塵埃を抑えることができ、時間経過と共に、初期状態(バッググランド)と同等レベルの状態まで浮遊塵埃濃度が低下する結果となった。
【0050】
以上のように、実施の形態2によれば、掃除機本体101の上面の前側に白金ミスト発生部110を設けるようにしたので、特に掃除機使用者の足元〜膝〜腰周囲に行き渡るように白金ミスト111を放出することができる。このため、上方に舞い上がろうとする浮遊塵埃を除去することができ、掃除機使用者の周囲における浮遊塵埃濃度を低減することができる。
【0051】
また、浮遊塵埃吸引口1401を掃除機本体101に設けるようにしたので、さらに浮遊塵埃を効率的に除去することができる。ミストを放出しない状態で掃除動作をした場合との比較において、実験によれば、浮遊塵埃の量を最大発生量時で1/5まで低減することができ、初期の室内環境の塵埃濃度レベルまで低下させる所要時間も約25%時短することができた。
【0052】
実施の形態3.
図16及び図17は実施の形態3に係る掃除機の一例を説明するための概略図である。図16の掃除機は、白金ミスト発生部110を床面ブラシヘッド109に設けたものである。また、図17の掃除機は、ホースアタッチメントのパイプ108の任意の位置に取り付けたものである。
【0053】
以上のように、実施の形態3の掃除機によれば、床面ブラシヘッド109、パイプ108に白金ミスト発生部110を設けるようにしたので、実施の形態2と同様に、掃除機使用者の足元〜膝〜腰周囲に行き渡るように白金ミスト111を放出することができる。
【0054】
実施の形態4.
図18は実施の形態4を説明するための白金ミスト発生部110の構成を表す図である。図18において、凝縮部となるペルチェ素子1801は、空気中の水分を凝縮させて集め、負電極602に滴下する。
【0055】
例えば、実施の形態1では、負電極602が担持した酸化ケイ素が、空気中の水分を吸着することで負電極602の水を確保していた。本実施の形態では、ペルチェ素子1801に通電し、ペルチェ素子1801の周囲の空気を冷却することで、相対湿度を高めて水分を集める。このため、効率よく水分を集めることができる。
【0056】
実施の形態5.
前述の実施の形態では、それぞれ電気掃除機の1箇所に白金ミスト発生部110を設けるようにしたが、例えばハンドル部106と電気掃除機本体101等、複数箇所に設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0057】
101 掃除機本体、102 本体上部蓋、103 ホース差込口、104 本体排気口、105 ホース、106 ハンドル部、107 操作スイッチ、108 パイプ、109 床面ブラシヘッド、110 白金ミスト発生部、111 白金ミスト、112 ホースユニット、601 電源、602 負電極、603 接地電極、604 水、1301 床の塵埃、1302 浮遊塵埃、1303 凝集に係る浮遊塵埃、1401 浮遊塵埃吸引口、1801 ペルチェ素子。
【技術分野】
【0001】
本発明は電気掃除機に関するものである。特に浮遊塵埃の除去に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、花粉やハウスダストなどのアレルギー症状を患う患者数が著しく増加しており、室内の空気質に対する関心は急激に高まっている傾向にある。このような状況において、室内空気を清浄化する機能を有したエアコン、空気清浄機などの家電製品については普及が進んでいる。一方で、電気掃除機(以下、掃除機という)については、使用することで床の塵埃を舞い上げてしまう、掃除機本体の排気が微細塵を含んで放出してしまうなど、室内の空気質を悪化させる原因となっていた。
【0003】
掃除機の使用によって床面から舞上る塵埃は、通常のハウスダスト以外に、人が家中に持ち込んで落下したウィルスや、様々な雑菌、花粉やダニなどのアレルギーとなる物質(アレルゲン)が含まれており、掃除機使用者の健康被害を引き起こす可能性がある。
【0004】
最近の掃除機では、排気風が床面に直接当たって塵埃を舞い上げないように、上方に向けて排気する等の配慮に基づく設計がなされてきている。さらには、掃除機本体の排気に含まれる塵埃を低減するため、本体の排気出口に高性能塵埃除去フィルタを搭載するなど、排気クリーン化のための機能付与が施されている。
【0005】
また、舞い上がった塵埃は室内空間を浮遊すると即時に落下することなく、およそ10分以上も浮遊を続け、掃除が終了した頃に床面に落下する。そこで、浮遊する塵埃(浮遊塵埃)を除去することを目的に、上面に浮遊塵吸引口を備える床ブラシヘッドが製品化されている。
【0006】
さらには、塵埃を効率良く吸込むことを目的として、床ブラシヘッドの絨毯等の清掃面の静電気を除電して、掃除性能を高めた掃除機用床ノズルを提供する構成が提案されている(例えば特許文献1参照)。例えば、本体(床ブラシヘッド)内にミスト発生器を設け、清掃面の電位を検出する電位測定装置からの信号を受けて、清掃面にミストを噴出する。
【0007】
また、ヘッド内部に設置したスプレーノズルと貯水タンク、送液ポンプとから構成され、スプレーノズルから微粒子が噴射して、床面から塵埃を剥がしやすく、かつ大気中や床面の細塵を凝集して舞上りにくくしてヘッドからの集塵性能を向上させる構成が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−148091号公報
【特許文献2】特開2007−54352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1においては、床ブラシヘッドの内部(床ブラシヘッドが覆う床面部分のみ)にミストを噴出する構成であるため、本来、床面にこびり付いたひどい汚れを落とすことに効果があり、上述した掃除動作に伴う床面の塵埃の舞い上がりを抑制する効果は有していない。また、特許文献2においては、室内環境を劣悪な状態にする浮遊塵埃の舞い上がりに対する低減効果はあるものの、その効果は床ブラシヘッド前方方向ないし床ブラシヘッド内部に対する部分的な効果にすぎなかった。また、広い空間に浮遊する塵埃に単なる水滴が偶然接触できる確率は低く、大きな効果は得られていなかった。
【0010】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、特に掃除機使用者の周囲に塵埃、ウィルス、雑菌、アレル物質などが浮遊しないようにすることができる電気掃除機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る電気掃除機は、上記課題を解決するため、吸引風を発生させる電動送風機及びホースユニットを介して吸引された吸引物を捕集する集塵室を有する電気掃除機本体と、白金粒子を有し、負に帯電させた水滴を発生させ、掃除機の使用に係る空間に放出するミスト発生部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る掃除機は、掃除機で掃除する際の浮遊塵埃、浮遊ウィルス、浮遊菌、浮遊アレル物質を空間、特に浮遊塵埃が高濃度になる掃除機使用者の周囲に対して、白金粒子を有する水滴を放出することにより除去するようにしたので、空気清浄を行い、衛生性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1に係る掃除機の全体構成の一例を説明するための概略図である。
【図2】実施の形態1の白金ミスト111と掃除機使用者との位置関係の図である。
【図3】浮遊する塵埃の平均濃度の比較を示す図である。
【図4】浮遊する塵埃増加量と床上高さの関係の測定を説明するための概略図である。
【図5】掃除機使用時の塵埃増加量と床上高さの関係の測定結果を示すグラフである。
【図6】白金ミスト111の帯電状態を説明するためのグラフである。
【図7】白金ミスト111の粒子径分布を表す図である。
【図8】白金ミスト111の帯電状態を説明するためのグラフを表す図である。
【図9】本発明の浮遊塵埃の凝集効果を説明するグラフを表す図である。
【図10】白金ミスト111の浮遊する寿命を説明するためのグラフを表す図である。
【図11】白金ミスト111における抗菌効果を説明するための図である。
【図12】実施の形態2の白金ミスト111と掃除機使用者との位置関係の図である。
【図13】本実施の形態の白金ミスト発生部110の位置を表す図である。
【図14】浮遊塵埃吸引口401を設けた掃除機本体101を表す図である。
【図15】実施の形態2における白金ミスト111放出の有無等を表す図である。
【図16】実施の形態3に係る掃除機の一例を説明するための概略図である。
【図17】実施の形態3に係る掃除機の一例を説明するための概略図である。
【図18】実施の形態4に係る白金ミスト発生部110の構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を記述する。
【0015】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る掃除機の一例を説明するための概略図である。図1において、掃除機本体101は、本体上部蓋102、ホース差込口103及び本体排気口104を少なくとも有している。そして、本体内に設けられた電動送風機(図示せず)を駆動させて吸引風を発生させ、ホースユニット112を介して塵埃等を吸引し、塵埃除去フィルタ等を有する集塵室(図示せず)等に捕集する。本体上部蓋102は、掃除機本体101が吸引し、集塵室等に捕集した塵埃等を取り出すための蓋である。ホース差込口103は、ホース105を介した吸引を行うために、ホース105を差し込むための開口部分である。本体排気口104は、掃除機本体101が塵埃等と共に吸引した空気を排出する開口部分である。ここで、直接床面に空気を排出しないようにするため、本体排気口104は床面に対向しない向きに開口させている。
【0016】
本実施の形態のホースユニット112は、ホース105、ハンドル部106、操作スイッチ107、パイプ108、床面ブラシヘッド109及び白金ミスト発生部110を有している。蛇腹状のホース105は曲げることができる延長管である。ホース105の一端はホース差込口103に差し込まれ、他端にはハンドル部106が設けられている。
【0017】
ハンドル部106は例えば掃除機使用者が掃除を行う場合などに把持する持ち手である。操作スイッチ107は、ハンドル部106に設けられており、例えば掃除機使用者が、掃除機本体101内の制御装置(図示せず)に運転の可否、吸引力等の指示を入力するためのスイッチである。ここで、特に限定するものではないが、例えば操作スイッチ107の近傍に表示手段(図示せず)を備えるようにし、運転状況等を表示するようにしてもよい。
【0018】
パイプ108は、例えば円筒状の延長管である。また、パイプ108と着脱自在に接続可能な床面ブラシヘッド109は、ブラシを有し、例えば床面と接触し、場合によっては床面から塵埃をかきだして掃除機本体101に吸引させるための吸引具である。ここでは床面ブラシヘッド109としているが、他の吸引具(アタッチメント)でもよい。
【0019】
白金ミスト発生部110は、掃除機の運転時等において、ナノメートルオーダーの径(サイズ)の白金粒子を内包等により有するナノメートルオーダーサイズのミスト(水滴。以下、白金ミストという)111を外部の空間(掃除を行っている空間)に放出する発生装置を有している。白金ミスト発生部110は、掃除機使用者の周囲に塵埃等が浮遊しないように白金ミスト111を放出する。
【0020】
図2は本実施の形態の掃除機における白金ミスト111を放出した空間と掃除機使用者との位置関係を示す概略図である。本実施の形態では、ハンドル部106(持ち手となる部分、操作スイッチ107近傍)に白金ミスト発生部110を設ける。このとき、白金ミスト111がハンドル部106よりも上方に放出されるような位置に設けるようにすることが望ましい。このように、白金ミスト発生部110をハンドル部106に設けることで、本体排気口104の排気によって白金ミスト111が拡散することがない。また、濃度の高い白金ミスト111を掃除機使用者の上半身(特に顔部分)周囲の空間に放出することができる。
【0021】
図3は床上150cmまでの高さに浮遊する塵埃の平均濃度の比較を示す図である。図3では、室内において、掃除機の動作無し(掃除していない状態)並びに掃除機を動作させて掃除している際の床面ブラシヘッド109周囲、掃除機使用者の周囲及び掃除機本体101周囲で測定したものを示している。動作無しの場合と比較し、掃除機を使用した掃除中には、いずれも塵埃濃度が上昇しており、中でも掃除機使用者の周囲が最も高く、次いで床面ブラシヘッド109周囲、掃除機本体101周囲の順となっている。
【0022】
図4は、掃除機を使用した際における、浮遊する塵埃増加量と床上高さとの関係を測定した様子を説明するための概略図である。本測定は、掃除範囲およそ2メートル角の床面積エリアを掃除機を運転しながら数分間移動し、床上の空間の粉塵増加量をパーティクルカウンタで測定したものである。測定点は、床上高さ30cm、60cm、120cm及び150cmとした。
【0023】
図5は掃除機使用時の塵埃増加量と床上高さとの関係の測定結果を示すグラフである。横軸は床上高さ、縦軸は塵埃増加率であり、測定対象の浮遊塵埃の粒子径を、それぞれ0.3μm、0.5μm、1μm、2μmとした。縦軸は掃除前(平常時)の浮遊塵量で規格化している(掃除前100%)。いずれの粒子径においても平常時の量を上回ることがわかる。特に1μmと2μmの浮遊塵埃の増加量が多く、特に2μmにおいては床上高さ150cmにおいても平常時の2倍相当の浮遊量が存在していることがわかる。床上高さ150cmの位置は、掃除機使用者が姿勢をかがむ動作を頻繁に繰り返すため、掃除動作中の顔付近の位置になる可能性が高い。この結果から、掃除機を使用する際の掃除機使用者は、浮遊する塵埃を呼吸吸入してしまう可能性が高いといえる。このため、前述したように白金ミスト111を掃除機使用者の上半身周囲の空間に放出するようにした。
【0024】
図6は白金ミスト発生部110の概略図である。本実施の形態の白金ミスト発生部110は、電源601並びに負電極602及び接地電極603の電極対で構成する。電源601は、例えば掃除機本体101からの電力供給に基づいて電極対の間に、例えば4kVなどの高電圧を印加して高電界にする(電場の静電力を高くする)。接地電極603は負電極602が放出する白金ミスト111を通過させて外部空間に放出するため、一部を開口させている。
【0025】
接地電極603に対して負電位となる負電極602は、接地電極603との対向側に鋭角の突起部を有する金属発泡体(多孔質構造体)によって形成されている。本実施の形態において、負電極602は、孔内に酸化ケイ素(SiO2)を主成分とした粒子を担持しており、この粒子に直径数ナノメートルの白金粒子が添着されている。そして、負電極602の孔内に水が入り込むと、親水性の高い白金粒子は、酸化ケイ素粒子から脱離して水中に遊離する。毛細管現象によって白金粒子を含む水604が突起部に搬送されて先端部分に溜まる。電源601が負電極602と接地電極603との間に高電圧を印加することで発生した高電場の静電力により、突起部の先端に溜まった白金粒子を含んだ水604は破砕してナノメートルオーダーの粒子径(サイズ)を有するミスト(水滴)となる。ミストは負に帯電して粒子径を維持して接地電極603側に引き寄せられ、接地電極603の開口部分を通過して外部空間を浮遊する。
【0026】
ここで、本実施の形態では、負電極602が担持した酸化ケイ素が、空気中の水分を吸着することで、ミストとなる水604を負電極602に確保する。このため、電気掃除機がおかれる環境の温湿度(空気中の水分量)によって白金ミスト発生部110における白金ミスト111の放出量は変化するが、例えば、0.01〜0.1cc/hrを放出することができる。
【0027】
図7は白金ミスト111の粒子径分布(測定結果)を表す図である。図7に示すように、白金ミスト発生部110において生成される白金ミスト111の粒子径は10〜30nmの領域にピークを有し、最大径が100nmとなっている。本測定(印加電圧4kV)において、ピークの粒子径におけるミスト数は空気1cm3あたり数10万個のオーダーであり、非常に高濃度のミスト発生能を有している。
【0028】
次に、白金ミスト111が浮遊塵埃に対して凝集効果が高い理由について説明する。白金ミスト111は負に帯電させて放出することで、プラスに帯電する傾向がある浮遊塵埃と静電気的な作用で効率良く接触し、さらにミストが架橋的に作用して浮遊塵埃を多数引き付けて凝集させることができる。
【0029】
図8はミストのみと白金ミストとの帯電量の測定結果を示すグラフであり、ミストのみと比較して、白金ミストは約2倍の帯電量を有することがわかる。
【0030】
図9は、本発明の浮遊塵埃の凝集効果を説明するグラフを表す図である。密閉した1m3の箱内に大気塵(大気浮遊塵)レベルの浮遊塵埃が存在する安定な平衡状態を作り、何もしない場合と白金ミスト111を放出させた場合とにおける浮遊塵濃度(浮遊塵埃の残存率)を経時的に測定したものである。ここで、本測定は、掃除機使用者の周囲を直接的に模擬できる局所的な効果を示すものではなく、1m3の箱内を平均的に処理させるのに有した時間とその効果の関係を示したものとなっている。従って、白金ミストの局所的な浮遊塵埃の除去の効果は接触までの時間で決定されるものである。
【0031】
本測定では、温度条件を21〜23℃、湿度条件を45%RH(相対湿度)とし、箱内の浮遊塵埃をパーティクルカウンタで測定した。何もしない場合には残存率の経時変化がほとんど無いのに対して、白金ミストは時間が経つと濃度が大きく低下しているのがわかる。これは前述したように、帯電した白金ミストが浮遊塵埃を凝集させて落下させるという効果によるものである。ここで、前述した白金ミスト発生部110の白金ミスト111の発生能は凝集効果を生じさせ、浮遊塵埃の残存率低下をはかるのに十分な量であると考えられる。
【0032】
次に、白金ミスト111が、マイナスに大きく帯電する理由および白金粒子を有しないミストのみに比べて帯電量が大きい理由を以下に説明する。負電極602の先端に保持された白金粒子を有した水604と接地電極603との間に高電圧(高電界)が印加されることで静電力が発生する。このとき、水604の表面が局所的に盛り上がってテイラーコーンを生成する。水604はマイナス(負)に帯電した状態となり、静電力が水604の表面表力を超えると、負電極602を離れると共に水604が分裂していき、数nmの白金粒子を有してマイナスに帯電した微粒子水が空気中に放出される。
【0033】
また、白金粒子自身がマイナスに帯電する材料特性を有しており、そのゼータ電位は約−40mVであることが知られている。以上より、白金ミスト111は電子供給と白金粒子自身の持つゼータ電位によってマイナスの大きな帯電量を有する状態になる。
【0034】
図10は白金ミスト発生部110が発生する白金ミスト111の空間に浮遊する寿命を説明するためのグラフを表す図である。図10は、白金ミスト111と、超音波(50MHz)によって発生させたミストの飛距離(デバイスの発生場所から0.5mおよび1m離れた場所で測定)によるミスト粒子径分布を比較している。測定には、SMPS(Scanning Mobility Particle Sizer)を用いた。
【0035】
白金ミスト111は帯電状態になっているため、ミスト間で静電反発が生じることによってミスト同士の凝集が発生しにくくなり、経時的な粒子径のピーク変動は見られない。一方、超音波により発生させたミストは、帯電していない状態であるため、ミスト間の凝集が経時的に発生し、粒子径のピークが大きくなっていることがわかる。このため、本測定は、白金ミスト111は帯電状態になっていることで、飛距離が長い分、粒子径が小さな粒子として比較的長い時間、安定に存在できることを示している。
【0036】
図11は白金ミスト111における抗菌効果を説明するための図である。図11は放出する水の量を0.05cc/hrとした場合、0.5cc/hrとした場合、およびこれに白金含有有無での大腸菌の抗菌活性値を示す。抗菌活性値が高いほど抗菌効果が高いことを示している。白金を含有していない水の場合、抗菌効果は見られないが、白金を含有した水の場合には抗菌効果が現れる。さらに放出する水の量を多くすることで放出される白金量も増加するため、抗菌効果が増加する。
【0037】
以上のように、実施の形態1の電気掃除機においては、白金ミスト発生部110を、ハンドル部106に設け、ナノメートルサイズのオーダーの水滴である白金ミスト111を放出し、掃除機を使用している空間に浮遊する浮遊塵埃、ウィルス、雑菌、アレル物質等に付着させて除去するようにしたので、空気清浄をはかることができる。このとき、水滴及び白金が負電荷を有し、帯電量が大きい白金ミスト111により浮遊塵埃等を強く引きつけ、帯電凝集させ、落下させる効果を有する。このため、従来技術のように、帯電していないミストを放出する場合に比べて、より速く、多く浮遊塵埃等を除去することができる。特に、本実施の形態では、掃除機使用者の上半身(特に顔)の周囲に白金ミスト111を放出するようにしたので、掃除機使用者が浮遊塵埃を呼吸吸入してしまうことを防ぐことができる。
【0038】
負電極602を鋭角の突起部を有する多孔質構造体の金属発泡体とするようにしたので、複数の孔による毛細管現象により、突起部の先端に水分を集めることができる。そして、接地電極603と負電極との間に高電圧を印加することで、集めた水分を破砕等させながらナノサイズの微小な水滴にして放出させることができる。
【0039】
また、白金粒子を酸化ケイ素を主成分とする粒子に添着させて、負電極602に担持させるようにしたので、酸化ケイ素を主成分とする粒子が吸収した空気中の水分を白金ミスト111を放出するための水分として用いることができる。
【0040】
実施の形態2.
図12は本実施の形態の掃除機における白金ミスト111を発生した空間と掃除機使用者との位置関係を示す概略図である。本実施の形態では、図12に示すように白金ミスト発生部110を掃除機本体101に設け、白金ミスト111を掃除機使用者の足元〜膝〜腰周囲に行き渡るようにする。
【0041】
図13は本実施の形態の白金ミスト発生部110の位置を表す図である。白金ミスト発生部110は、掃除機本体101において、掃除機本体101からの排気風の影響がほとんどない位置に設ける。本実施の形態では、掃除機使用者の周囲に放出できるホース差込口103付近又は掃除機本体101の上部の略前(ホース差込口103)側方向に白金ミスト111を放出できる位置に設ける。このため、本体排気口104からの排気風によって白金ミスト111を拡散させてしまうことがなく、濃度の高い白金ミスト111を掃除機使用者の周囲に放出させることが可能となっている。そして、床の塵埃1301から舞い上がった浮遊塵埃1302に白金ミスト111が凝集する。凝集に係る浮遊塵埃1303は落下するため、掃除機使用者の周囲における浮遊塵埃は除去される。
【0042】
図14は浮遊塵埃吸引口1401を設けた掃除機本体101を表す図である。図14の掃除機本体101においては、周辺および凝集に係る浮遊塵埃1303を吸引するための浮遊塵埃吸引口1401を有している。吸引を行うことで、白金ミスト111による凝集落下効果との組み合わせでより高い空間からの浮遊塵埃除去を得ることができる。
【0043】
図15は実施の形態2における白金ミスト発生部110の位置からの白金ミスト111放出の有無等のグラフを表す図である。図15のグラフは、次のような測定等を行って得られた結果を表したものである。アクリル樹脂板で全面を囲った1m3の箱を用い、床面ブラシヘッド109を前後方向に動かして床面を擦る動作を連続して行った。このとき、床面から舞い上がる浮遊塵埃量を測定し、白金ミスト111の有無で比較することにより検証を行った。
【0044】
まず、1m3の箱に、任意の箇所に片腕が入れられる程度の小面積の開口部を設けた。そして、この開口部から片腕を入れて掃除機のノズル部を握って、通常の掃除動作と同様に前後方向に移動させることができる、箱内部の位置に掃除機を配置する。
【0045】
また、箱内で雑巾を叩いて塵埃を発生させ、擬似的に床面に塵埃を落下堆積させた。さらに開口部を閉じて30分間以上放置し、浮遊塵埃を箱内の床面に落下させた。この際、箱内部における浮遊塵埃濃度を測定し、室内空気(箱外部の空気)とほぼ同値になったことを確認した。
【0046】
次に、掃除機を動作させて、床面ブラシヘッド109を床面に接触させて前後方向に5回往復で動かして、その際の床面ブラシヘッド109の上方空間の浮遊塵埃量の経時変化を測定した。このとき、測定位置は箱内の床面から上方30cmの位置とし、浮遊塵埃量をパーティクルカウンタによって測定した。ここで、本測定対象は、花粉、ダニ、粉塵等を含むハウスダストであることから、粒子径を1μm以上のものとした。また、白金ミスト111は、床面ブラシヘッド109を前方へ押し出すタイミングで放出させ、このとき、放出させる回数を3回とした。
【0047】
図15のグラフにおいて、横軸は経過時間(分)、縦軸は空気1リットル中に含まれる浮遊塵埃の粒子個数を表す粒子個数濃度(個/L)である。図15において、白丸は掃除動作を行う前の初期状態(バッググランド)、黒丸は白金ミスト111を放出させずに掃除動作をした場合、白四角は白金ミスト111を放出させて掃除動作をした場合における結果をそれぞれプロットしたものである。
【0048】
グラフに示すように、初期状態(バッググランド)に対して、白金ミスト111を放出させずに掃除動作をした場合は、最大で30倍近い浮遊塵埃濃度になり、その状態は開始10分以降も持続される結果となった。
【0049】
一方、白金ミスト111を放出させて掃除動作をした場合、初期状態(バッググランド)に対して、白金ミスト111を放出させて掃除動作をした場合は、浮遊塵埃を抑えることができ、時間経過と共に、初期状態(バッググランド)と同等レベルの状態まで浮遊塵埃濃度が低下する結果となった。
【0050】
以上のように、実施の形態2によれば、掃除機本体101の上面の前側に白金ミスト発生部110を設けるようにしたので、特に掃除機使用者の足元〜膝〜腰周囲に行き渡るように白金ミスト111を放出することができる。このため、上方に舞い上がろうとする浮遊塵埃を除去することができ、掃除機使用者の周囲における浮遊塵埃濃度を低減することができる。
【0051】
また、浮遊塵埃吸引口1401を掃除機本体101に設けるようにしたので、さらに浮遊塵埃を効率的に除去することができる。ミストを放出しない状態で掃除動作をした場合との比較において、実験によれば、浮遊塵埃の量を最大発生量時で1/5まで低減することができ、初期の室内環境の塵埃濃度レベルまで低下させる所要時間も約25%時短することができた。
【0052】
実施の形態3.
図16及び図17は実施の形態3に係る掃除機の一例を説明するための概略図である。図16の掃除機は、白金ミスト発生部110を床面ブラシヘッド109に設けたものである。また、図17の掃除機は、ホースアタッチメントのパイプ108の任意の位置に取り付けたものである。
【0053】
以上のように、実施の形態3の掃除機によれば、床面ブラシヘッド109、パイプ108に白金ミスト発生部110を設けるようにしたので、実施の形態2と同様に、掃除機使用者の足元〜膝〜腰周囲に行き渡るように白金ミスト111を放出することができる。
【0054】
実施の形態4.
図18は実施の形態4を説明するための白金ミスト発生部110の構成を表す図である。図18において、凝縮部となるペルチェ素子1801は、空気中の水分を凝縮させて集め、負電極602に滴下する。
【0055】
例えば、実施の形態1では、負電極602が担持した酸化ケイ素が、空気中の水分を吸着することで負電極602の水を確保していた。本実施の形態では、ペルチェ素子1801に通電し、ペルチェ素子1801の周囲の空気を冷却することで、相対湿度を高めて水分を集める。このため、効率よく水分を集めることができる。
【0056】
実施の形態5.
前述の実施の形態では、それぞれ電気掃除機の1箇所に白金ミスト発生部110を設けるようにしたが、例えばハンドル部106と電気掃除機本体101等、複数箇所に設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0057】
101 掃除機本体、102 本体上部蓋、103 ホース差込口、104 本体排気口、105 ホース、106 ハンドル部、107 操作スイッチ、108 パイプ、109 床面ブラシヘッド、110 白金ミスト発生部、111 白金ミスト、112 ホースユニット、601 電源、602 負電極、603 接地電極、604 水、1301 床の塵埃、1302 浮遊塵埃、1303 凝集に係る浮遊塵埃、1401 浮遊塵埃吸引口、1801 ペルチェ素子。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引風を発生させる電動送風機及びホースユニットを介して吸引された吸引物を捕集する集塵室を有する電気掃除機本体と、
白金粒子を有し、負に帯電させた水滴を発生させ、掃除機の使用に係る空間に放出するミスト発生部と
を備えることを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
前記ミスト発生部は、ナノメートルオーダーの粒子径の前記白金粒子を有するナノメートルオーダーの粒子径の水滴を放出することを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記ミスト発生部をホースユニットにおいて持ち手となるハンドル部に設け、該ハンドル部分より上方に前記水滴を放出させることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記ミスト発生部は前記電気掃除機本体の上面前部に設けられ、前記電気掃除機本体より上方に前記水滴を放出させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記ミスト発生部を、ホースユニットにおいて持ち手となるハンドル部分と吸込具とを接続するパイプに設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記ミスト発生部を、吸込具に設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記ミスト発生部は、接地電極と、電荷供給により該接地電極より低い電位となる負電極とを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項8】
前記負電極は、複数の孔の内部に前記白金粒子を担持し、一部が突起形状になっている金属発泡体を有することを特徴とする請求項7記載の電気掃除機。
【請求項9】
前記突起形状の先端が接地電極と対向するように前記負電極を設置することを特徴とする請求項8記載の電気掃除機。
【請求項10】
前記負電極は、前記白金粒子を酸化ケイ素を主成分とする粒子に添着させて酸化ケイ素を担持することを特徴とする請求項8又は9記載の電気掃除機。
【請求項11】
前記ミスト発生部は、空気中の水分を凝縮して摘出して前記負電極に供給するための凝縮装置をさらに有し、
前記負電極は、該凝縮装置から供給された水分を、前記複数の孔による毛細管現象によって前記突起形状の先端に集めるようにすることを特徴とする請求項8又は9記載の電気掃除機。
【請求項12】
浮遊塵埃を回収するために空気の吸引を行う浮遊塵埃吸引口を電気掃除機本体に設けることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項1】
吸引風を発生させる電動送風機及びホースユニットを介して吸引された吸引物を捕集する集塵室を有する電気掃除機本体と、
白金粒子を有し、負に帯電させた水滴を発生させ、掃除機の使用に係る空間に放出するミスト発生部と
を備えることを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
前記ミスト発生部は、ナノメートルオーダーの粒子径の前記白金粒子を有するナノメートルオーダーの粒子径の水滴を放出することを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記ミスト発生部をホースユニットにおいて持ち手となるハンドル部に設け、該ハンドル部分より上方に前記水滴を放出させることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記ミスト発生部は前記電気掃除機本体の上面前部に設けられ、前記電気掃除機本体より上方に前記水滴を放出させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記ミスト発生部を、ホースユニットにおいて持ち手となるハンドル部分と吸込具とを接続するパイプに設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記ミスト発生部を、吸込具に設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記ミスト発生部は、接地電極と、電荷供給により該接地電極より低い電位となる負電極とを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項8】
前記負電極は、複数の孔の内部に前記白金粒子を担持し、一部が突起形状になっている金属発泡体を有することを特徴とする請求項7記載の電気掃除機。
【請求項9】
前記突起形状の先端が接地電極と対向するように前記負電極を設置することを特徴とする請求項8記載の電気掃除機。
【請求項10】
前記負電極は、前記白金粒子を酸化ケイ素を主成分とする粒子に添着させて酸化ケイ素を担持することを特徴とする請求項8又は9記載の電気掃除機。
【請求項11】
前記ミスト発生部は、空気中の水分を凝縮して摘出して前記負電極に供給するための凝縮装置をさらに有し、
前記負電極は、該凝縮装置から供給された水分を、前記複数の孔による毛細管現象によって前記突起形状の先端に集めるようにすることを特徴とする請求項8又は9記載の電気掃除機。
【請求項12】
浮遊塵埃を回収するために空気の吸引を行う浮遊塵埃吸引口を電気掃除機本体に設けることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電気掃除機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−194147(P2011−194147A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66657(P2010−66657)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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