説明

電気掃除機

【課題】50μm以下の浮遊塵の凝集効果が高い省電力型の電気掃除機を得る。
【解決手段】白金ミスト発生装置560は、集塵室511の上部に設けられ、白金ナノ粒子とナノミストとを混合した白金ミストを発生する。白金ミストを蓄積するタンク部561から毛管現象により白金ミストを電極5606の先端部へ移動させ、この電極5606と対向する位置に配置された電極5603よりも、この電極5606に低い電位を電源5605によって与える。制御部は、送風機を駆動する時と、送風機の駆動を停止した後、所定時間経過するまで、電源部5605と電極5606及び電極5603とを接続するように電源スイッチ5606を制御する。電源5605は、接続状態のとき、電極5606の先端部に現れた水滴の表面張力よりも大きい力を発生する高電圧を電極5603に加えることで前記水滴からナノサイズの白金ミストを発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気掃除機に関するものであり、特にナノメーターサイズの微細塵の捕捉能力を高めた電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、杉花粉やハウスダストなどのアレルギー症状を患う患者数が著しく増加しており、室内の空気質に対する関心が高まる傾向にある。このような状況において、室内空気を清浄化する機能を有するエアコンや空気清浄機などの家電製品の普及が高まる一方で、電気掃除機は掃除中に床の塵埃を舞い上げたり、ゴミパックやサイクロン方式の集塵室に溜まったゴミを捨てる動作時に、微細な埃を室内に舞い上げたりして空気質を悪化させる欠点があった。これは電気掃除機使用者にとって常に上位の不満点になっており、最近、掃除機メーカーでは創意工夫によって様々な方法が開発され提案され製品化されてきたが、この不満点を解消する方式は未だ見出されていない。
舞い上がる粉塵の大きさは幅広く、数ミリから1μm以下の範囲で分布しており、1μm以上の大きさであれば数分で床に落下するが、それ以下の微細な粉塵は、落下するまでに長時間を有するため、そのまま浮遊塵として室内空間を漂うことになり、人への影響度は高まる。
【0003】
電気掃除機として、サイクロン式を採用したものが用いられる傾向にあり、サイクロン集塵室に微小な水滴を供給する水滴供給部と、水滴供給部から供給される微小水滴を帯電させる放電部とを備えるものが知られている。この水滴供給部は、水を溜めた受け皿に超音波(ネブライザー)を照射して霧化させ、発生した水滴に対してコロナ放電で発生させた電荷を付与させて帯電作用を与えるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
また、別の電気掃除機として、水を霧状にして、サイクロン集塵部が配置される位置よりも上流側の流通路に、平均粒子径が50μm以下の水粒子を供給する水分供給部を備えているものが提案されている。このサイクロン式電気掃除機において、噴霧水は無給水方式であり、ユーザーの使い勝手を軽減するための工夫が施されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−29769号公報(第3頁、第5頁〜第6頁、図1、図2)
【特許文献2】特開2009−39253号公報(第8頁〜第10頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で示される従来技術においては、モーターの駆動時にのみ帯電作用するが、吸い込み気流によって作られた水滴のほとんどは十分帯電する前にモーター側に吸い込まれてしまうため、十分な帯電作用は得られず、集塵室内の空間に大量に漂う微細塵を高効率に帯電させて凝集させることが困難であるという問題があった。
また、同文献1に記載の技術では、超音波によって霧化され形成された水滴は、粒度分布として直径が数100μmオーダーのものを大量に含むため、水滴同士の凝集を生じることや、また水滴が大量に発生するため、交換可能な通水フィルターを設けて水分を吸収するように構成しているが、通水フィルターの吸水性能にも限度があり、また、通水フィルターの交換時期を判断する手段がないため、通水フィルターを交換せずに放っておきがちになる。通水フィルターを交換せずに放っておくと、吸水性能を超える水分が発生する場合がある。このような場合には、集塵室内が過剰に濡れてしまうことで、ゴミが壁面にこびりつく、などの問題があった。
さらに、多量の水蒸気がモーターへ流れ込むことで、モーター寿命の短縮化を招くという問題もある。
また、超音波式の霧化の場合、大量の水供給が必要となるため、頻繁な水補給や大型の水タンクを配置しなければならず使用者への負担を増大させることや、水道水を供給した場合、Ca成分などの析出による本体内へのこびり付きがあり、使用上あるいは製品寸法・重量上の問題があった。また、超音波素子の場合、長期使用する場合には寿命の課題があり、信頼性が懸念される。
さらに、帯電手段が放電式であるため、オゾンなどの酸化性の強い物質を集塵室に放出する問題があり、例えば掃除機本体の運転終了直後に使用者が集塵室を開放した場合、高濃度の酸化性物質を気中に暴露する危険性がある。さらに、オゾンと水滴との共存下では酸化性が極めて高いOHラジカルを生成する可能性が高い。集塵室の開口部は一般に、使用者が容易に人体を近づけることが出来、たとえば、幼児が集塵室の空気を吸った場合には、最悪の場合、高濃度の酸化性物質の吸引によって健康被害に至る可能性は否定できない。
【0006】
また、特許文献2で示される従来技術においては、電気掃除機が動作する時間内では、空気を回収する水量が少なく、実質的に凝集効果が得られないという問題がある。
また、同文献2の文中には平均粒子径10μm以下の水を噴霧するための方法として、遠心式加湿、ブロア2流体ノズル方式、圧搾空気汎用2流体方式、圧搾空気ドライフォグ用2流体方式などの霧化能力が2000ミリリットル/時間程度の市販用の水噴霧装置を採用する様に記載されており、その水分を空気回収する方法は、ペルチェ素子を用いた凝縮水回収である。しかしながら、本技術の水粒子の生成手段によれば、例えば、圧搾式のように圧力を加える方式は連続的に水粒子を生成させるためには比較的多くの水量が必要となり、大面積のペルチェ素子が必要となるため、高コストとなり、さらに消費電力が増加するので電気代の増加によるユーザーへの経済的な負担が増すことになる。
また、水粒子は平均粒子径10〜50μmであるが、水粒子同士は空間で近接すると分子間力(ファンデルワールス力)により凝集する傾向があり、また本技術で生成する水粒子は帯電していないため、水粒子間に斥力が働かない。従って、凝集する傾向はさらに強まるので、期待する程の凝集作用が得られない可能性がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するために為されたものであり、50μm以下の浮遊塵の凝集効果が高い省電力型の電気掃除機を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る電気掃除機は、送風機と、送風機の吸引力により外部から含塵空気を吸引する吸込ヘッドと、一端が吸込ヘッドに接続された吸引用ホースと、吸引用ホースの他端が接続され、含塵空気から塵埃を分離して収集する集塵室と、一端が集塵室に接続され、他端が微細塵フィルターを介して送風機に連通する風路と、微細塵フィルターより上流に設けられ、ナノサイズの白金ナノ粒子を内包または接触する状態のナノサイズのミスト(以下、白金ミストと呼ぶ)を発生する白金ミスト発生手段と、制御部と、を備え、白金ミスト発生手段は、白金ミストを蓄積するタンク部と、タンク部から毛管現象により白金ミストを先端部へ移動させる第1の電極と、第1の電極と対向する位置に配置された第2の電極と、第1の電極に第2の電極よりも低い電位を与える電源部と、電源部と第1の電極及び第2の電極との接続を切換えるスイッチと、を備え、制御部は、送風機を駆動する時と、送風機の駆動を停止した後、所定時間経過するまで、電源部と第1の電極及び第2の電極とを接続するようにスイッチを制御し、電源部は、接続状態のとき、第1の電極の先端部に現れた水滴の表面張力よりも大きい力を発生する高い電圧を第2の電極に加えることで水滴からナノサイズの白金ミストを発生させるものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、50μm以下の浮遊塵の凝集効果が高く、省電力を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る電気掃除機の概略的な構成を示す図である。
【図2】図1に示す電気掃除機がサイクロン式電気掃除機である場合の本体部の構成を模式的に示す図である。
【図3】本発明に係る電気掃除機の集塵部550の一例を示す構造断面図である。
【図4】本発明に係る電気掃除機の白金ミスト発生装置560を説明するための概略構成図である。
【図5】本発明に係る電気掃除機のサイクロン旋回部5511に白金ミスト発生装置560を設置する一例を示した概略構成図である。
【図6】本発明に係る電気掃除機の実施の形態1における制御系の構成図である。
【図7】本発明に係る電気掃除機の白金ミスト発生装置560から発生したミストの粒子径分布(測定結果)を示す図である。
【図8】本発明の電気掃除機における白金ミスト発生装置560を設置する別の部位の例を示した概略構成図である。
【図9】本発明に係る電気掃除機の実施の形態2におけるサイクロン旋回部を含む空間564に白金ミスト発生装置560を設置する一例を示した概略構成図である。
【図10】本発明に係る電気掃除機の実施の形態3におけるサイクロン旋回部を含む空間564に白金ミスト発生装置560を設置する別の一例を示した概略構成図である。
【図11】本発明に係る電気掃除機の実施の形態4におけるサイクロン旋回部を含む空間564に白金ミスト発生装置560を設置する概略構成図である。
【図12】本発明に係る電気掃除機の実施の形態4におけるサイクロン旋回部を含む空間564に白金ミスト発生装置560を設置する別の概略構成図である。
【図13】本発明に係る電気掃除機の実施の形態4におけるサイクロン旋回部を含む空間564に白金ミスト発生装置560を設置する別の概略構成図である。
【図14】本発明に係る電気掃除機の実施の形態4におけるサイクロン旋回部を含む空間564に白金ミスト発生装置560を設置する別の概略構成図である。
【図15】本発明に係る電気掃除機の実施の形態4におけるサイクロン旋回部を含む空間564に白金ミスト発生装置560を設置する別の概略構成図である。
【図16】本発明に係る電気掃除機の実施の形態4におけるサイクロン旋回部を含む空間564に白金ミスト発生装置560を設置する別の概略構成図である。
【図17】本発明の技術によって発生させた白金ミストと、超音波(50MHz)によって発生させたミストの飛距離(デバイスの発生場所から0.5mおよび1m離れた場所で測定)によるミスト粒子径分布を比較させたグラフである。
【図18】ミストのみと白金ミスト(白金ナノ粒子を含むミスト)の帯電量の測定結果を示すグラフである。
【図19】本発明の浮遊塵の凝集効果を説明するグラフである。
【図20】酸素中心ラジカルの測定試薬としてDEPMPOをスピンとラップ剤に用いた測定結果を示す図である。
【図21】本発明の全ての実施の形態における静電霧化装置から放出される帯電微粒子水による大腸菌の抗菌活性値を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電気掃除機の概略的な構成を示す図である。
図1に示すように、電気掃除機100は、吸込ヘッド1と、吸引パイプ2と、接続パイプ3と、サクションホース4と、掃除機本体5とから構成されている。吸込ヘッド1は床面F上の塵埃及び含塵空気を吸い込む。吸込ヘッド1の出口側には真直な円筒状の吸引パイプ2の一端が接続されている。吸引パイプ2の他端には、取手が設けられており、中途にて若干折れ曲がった接続パイプ3の一端が接続されている。接続パイプ3の他端には、折り曲げ自在のサクションホース4の一端が接続されている。さらに、サクションホース4の他端には、本体5が接続されている。
【0012】
本体5は、筐体510と、筐体510の側面に回転自在に設けられ、筐体510を床面F上にて移動自在に支持する車輪520を備えており、筐体510内には後述の集塵部、吸引用送風機、電気集塵機、コードリール、吸引用送風機の通電を制御する制御回路等が収容されている。
【0013】
なお、図1においては、含塵空気の流れが矢印で示されている。矢印Pで示すように吸込ヘッド1から流入した含塵空気は、吸引パイプ2を通じて、矢印Qで示すように接続パイプ3、サクションホース4の順に吸引経路を流れた後、矢印Rで示すように本体部5内に吸引されて塵埃を除去され、モーターを冷却した後に矢印Sで示すように本体部5の外部へ排気される。吸込ヘッド1、吸引パイプ2、接続パイプ3およびサクションホース4は、含塵空気を本体5の外から内部に流入させるための流通路の一部を構成する。
【0014】
集塵部としては、集塵袋方式とサイクロン方式が知られている。
集塵部としてサイクロン集塵部を備えた電気掃除機においては、掃除機本体内のサイクロン集塵部による遠心分離によって塵埃を分離捕集し、塵埃が捕集され、清浄になった空気を本体5の外部へ排気する。また、サイクロン集塵部は、外径が数μm未満の塵埃に対しては原理的に集塵効率が低下するため、微細な塵埃は捕集されずに排出される。そのため、吸引用送風機の一例であるブラシモーターに塵埃が入り込むのを防止するための高性能集塵フィルターをブラシモーターの上流に配置している。
【0015】
図2は、図1に示す電気掃除機がサイクロン式電気掃除機である場合の本体部の構成を模式的に示す図である。
図2に示すように、電気掃除機の本体5は、筐体510と筐体510内に収容された各種機器類と、これらを支持する車輪520とから構成されている。筐体510内には、送風機530と、送風機530の上流側に配置されたHEPAフィルター540と、集塵部の一例であるサイクロン集塵部550と、白金ミスト発生装置560とが配置されている。送風機530は、流通路の一部を構成するサクションホース4に連通するように接続され、筐体510内に配置されて、サクションホース4を通じる流通路に吸気を発生させる。サイクロン集塵部550は、流通路に配置され、送風機530によって発生した吸気から塵埃を分離して捕集する。
なお、白金ミスト発生装置は白金ミスト発生手段を構成する。
【0016】
サイクロン集塵部550は、サイクロンユニット551と、サイクロンユニット551の下流側に接続された風路552とから構成されている。吸引経路としての流通路の一部を構成するサクションホース4の一端はサイクロンユニット551に接続されている。また、風路552の一端はサイクロンユニット551の内部の空間に連通し、風路552の他端は、HEPAフィルター540を介して送風機530に接続されている。
さらに、サイクロンユニット551の上部には本発明に係る白金ミスト発生装置560が設けられている。白金ミスト発生装置560はナノサイズの白金ナノ粒子を内包または接触する状態のナノサイズのミスト(以下、白金ミストと呼ぶ)を発生するものであり、この白金ミストによりサイクロンユニット551内を浮遊する微細塵が凝縮されて捕集される。この白金ミスト発生装置560は電気掃除機を駆動中も動作するが、電気掃除機が停止した後でも所定時間動作し、停止したサイクロンユニット551内を浮遊する微細塵を効率的に捕集する。
【0017】
次に、電気掃除機の動作について図1及び図2を用いて概説する。
ユーザーによる操作部の操作により送風機530に電源が供給されて電気掃除機が駆動を開始すると、送風機の吸引力により、吸込ヘッド1から含塵空気が吸引され、吸引パイプ2を通じて、矢印Qで示すように接続パイプ3、サクションホース4の順に吸引経路を流れた後、サイクロンユニット551へ流入する。サイクロンユニット551へ流入した含塵空気は、円筒形のサイクロンユニット551の側壁に沿ってほぼ水平に流入するため旋回気流となり、中心軸近傍の強制渦領域とその外周側の準自由渦領域とを形成しながら、その経路構造と重力とにより下向きに流れていく。このとき、遠心力が塵埃に作用するため、例えば外径が3μm以上の塵埃はサイクロンユニット551の内壁に押し付けられて吸気から分離され、下降する気流に沿ってサイクロンユニット551の下部に集められる。
また、サイクロン集塵部550の上部に設けられた白金ミスト発生装置560からナノサイズの白金ナノ粒子を内包または接触する状態の白金ミストが発生され、この白金ミストによって、1〜50μm以下の塵埃を凝縮する。凝縮された1〜50μm以下の塵埃は、サイクロンユニット551の内壁に押し付けられて空気から分離され、下降する気流に沿ってサイクロンユニット551の下部に集められる。
【0018】
その後、大部分の塵埃が取除かれた含塵空気の気流は、サイクロンユニット551の円形の低部の中心付近に集まった後、上昇に転じ、円筒の中心軸付近に流路を形成して風路552へ向かって流れる。この後、含塵空気の気流は、風路552を通じて、HEPAフィルター540へ流入し、HEPAフィルター540によってサイクロン集塵部550で捕集できなかった微細な塵埃が捕集される。HEPAフィルター540によって微細塵を除去された空気は、その後送風機530を経由した後、外部へ排気される。
【0019】
また、ユーザーの操作により、電気掃除機が停止されると、送風機530は駆動を停止する。これにより、外部からの含塵空気の吸引が停止する。しかし、サイクロンユニット551内には浮遊塵が残留しており、このまま、ゴミ捨てを行うと、浮遊塵によってユーザーの健康に影響を与える。そこで、電気掃除機が停止した後でも、図示しない制御部が白金ミスト発生装置560を所定時間動作させ、サイクロンユニット551内を浮遊する微細塵を効率的に捕集する。
なお、図1及び図2の構成は一例を示したものに過ぎない。
【0020】
図3は、本発明に係る電気掃除機の集塵部550の一例を示す構造断面図である。図3に示すように、集塵部550は、サイクロンユニット551と風路552と白金ミスト発生装置560から構成されている。
また、サイクロンユニット551は、サイクロン旋回部5511、集塵室5512、及び円錐部5513から構成され、上方には吸込ヘッド1から吸い込まれた空気およびゴミの吹き出し口5514が形成されている。白金ミスト5515が吸着した微細塵5516の凝集体5517を形成して粗塵となる。吹き出し口5514からサイクロンユニット551の旋回部の旋回流は壁面に沿ってほぼ水平方向に流れ、重量の大きな粗塵は円錐部5513に沿って旋回しながら集塵室5512に堆積し、重量の軽い微細塵5516は旋回流に乗って旋回部で旋回するが、集塵室5512には入らずに円錐部5513の下部から発生する旋回上昇流に乗って、風路552に流れていく。
運転停止直後は、微細塵はサイクロン旋回部の内部に大量に浮遊した状態となり、停止直後のゴミ捨て動作を行う場合は、これが微細塵の舞い上がりの大きな要因の一つとなる。
停止から放置状態がしばらく続けば、微細塵は落下してサイクロンユニット551の壁面に付着したり、集塵室5512内の粗塵に混ざって堆積したりする。この状態でゴミ捨て動作を行うと、振動が加わることで壁面に付着していた微細塵が舞い上がり、さらに粗塵の動きに伴い堆積していた微細塵が舞い上がることになる。
【0021】
図4は本発明に係る電気掃除機の白金ミスト発生装置560を説明するための概略構成図である。図4に示すように、白金ミスト発生装置560は、水および白金ナノ粒子を供給するための白金ナノコロイド搬送部5601と、高電界が印加される電極対5602および5603と、高電界を印加する電源5605と、を備え、上記電極対5602、5603のうち、一方の電極5602は、電源5605より負の高電圧が印加され、先へ進むほど幅が狭くなる鋭角の突起部を有する形状の多孔質体の構造物によって形成され、かつ、他方の電極5603は接地するように接続され、電圧が印加される側の電極5602には、水および白金ナノ粒子が上記白金ナノコロイド搬送部5601から供給され、上記突起部に毛細管現象によって水および白金ナノ粒子を搬送して溜めることが可能な構造を備え、上記の電圧が印加される側の電極5602と接地電極5603との間に高電圧が印加されることにより形成される高電場の静電力によって、上記突起部に溜まる白金ナノ粒子を含んだ水を破砕してミストを生成することにより、生成されるミストは帯電して微小粒子径を維持することができ、安定して浮遊塵を帯電させて凝集させる効果が期待できる。
【0022】
図5は本発明に係る電気掃除機のサイクロン旋回部5511に白金ミスト発生装置560を設置する一例を示した概略構成図である。タンク部561は白金ナノコロイドと水を主成分とする溶液562が蓄積されるものであり、内部には白金ナノコロイドと水を主成分とする溶液562が充填されている。白金ナノコロイドは、その粒子径を1〜50nmに保つため、分散材が添加されており、例えばヒドロキシル基とカルボニル基との間をπ電子が伝わることで高い酸性を示すクエン酸やアスコルビン酸で表面を覆われた構造となっており、酸性を示す陰イオンが介在することにより白金ミスト中のマイナス電子を有する白金ナノコロイドの一様な分散が実現されている。
仕切り563は、サイクロン旋回部5511および集塵室5512で構成される空間(以下、サイクロン旋回部を含む空間と呼ぶ)564と、白金ミスト発生装置560の空間を仕切るための役割を果たし、仕切り563にはミストの通過を阻害しない大きさの開口部が設けられている。
【0023】
図6は、本発明に係る電気掃除機の実施の形態1における制御系の構成図である。
図6に示すように、制御系は制御部401とこの制御部401の下で動作する送風機モーター5301と白金ミスト発生装置用電源スイッチ5606を備えている。
また、図7は本発明に係る電気掃除機の白金ミスト発生装置560から発生したミストの粒子径分布(測定結果)を示す図である。粒子径は10〜30nmの領域にピークを有し、最大径100nmの分布である。本測定(印加電圧4kV)において、発生したミスト数は空気1m3あたり数10万個のオーダーであり、非常に高濃度のミスト発生を行うことが可能である。また、溶液562の白金粒子は粒子径ピークが数nmに分布している。
なお、ミストは高濃度であるが、ミストの径は極めて小さいため、乾燥状態が維持されている。
【0024】
図8は、本発明の電気掃除機における白金ミスト発生装置560を設置する別の部位の例を示した概略構成図である。図において、吸い込みホース4は掃除機の吸込ヘッド1および吸い込みホースと,掃除機本体と,を接続するためのものであり、図2及び図3のサイクロンユニット551とは異なるホース部4に白金ミスト発生装置560を配置する形態である。図2及び図3と同様にサイクロン旋回室5511に白金ナノ粒子とナノミスト108を放出して同様の効果を得ることができる。
【0025】
白金ミスト発生装置560の動作は,掃除機本体5の電動送風機の駆動時と,上記電動送風機の動作切換えスイッチで停止した直後の所定時間内に,動作する制御が成されているものである。運転動作中では,吸い込まれたゴミと混ざってサイクロン旋回部内を旋回気流に乗って流れ,この際に粉塵と接触して粉塵の凝集を発生させることができる。これにより,舞い上がり抑制と,空気と粉塵の旋回分離性能が向上させることができる。
また,電動送風機の動作切換えスイッチで停止した直後の所定時間内とは,ハンドル部の電動送風機の動作切換えスイッチで停止し、コンセントプラグを挿した状態を指し,舞い上がりの主要因である粒子径の小さな浮遊塵埃は,この電動送風機の動作切換えスイッチを停止した直後に旋回部および集塵部に高濃度で浮遊している。この浮遊塵埃は粒子径が比較的小さな状態を維持したまま経時的に壁面や大きな埃・ゴミに付着・堆積し,ゴミ捨て動作時の振動で塵埃が再浮遊することで舞い上がりが発生する。したがって,動作切換えスイッチを停止した直後のタイミングで粒子径の小さな浮遊塵埃に対してミストを放出して凝集させることが,舞い上がり抑制において最も効果を得ることができる。また,動作時間は長い方がより高い効果が得られるが,数分間でも効果を得ることができる。
【0026】
実施の形態2.
図9は、本発明に係る電気掃除機の実施の形態2におけるサイクロン旋回部を含む空間564に白金ミスト発生装置560を設置する一例を示した概略構成図である。白金ナノコロイド搬送部5601に代えて、白金ナノコロイドを蓄積した白金ナノコロイド蓄積部5701を備えたこと、白金ナノコロイドを蓄積するタンク部561に代えて、水タンク571を備えたこと以外は図5と同様である。水タンク571は白金ナノコロイド蓄積部5701に水572を供給するものである。
次に、本実施の形態2の動作について実施の形態1lと異なる点を中心に説明する。
水タンク571より白金ナノコロイド蓄積部5701に送水され、白金ナノコロイド蓄積部5701の白金ナノコロイドは毛細管現象によって発泡金属電極5602に移動し、発泡金属電極5602の先端部にティラーコーン状の水5604を形成することができる。
このように給水可能な構造にすることで、水タンク571を最小限に小型化することができ、軽量化のメリットも期待できる。
【0027】
実施の形態3.
電気掃除機の長期使用により仕切り563に塵埃が徐々に付着・堆積して行き、所定量以上堆積すると、ミスト放出量が低減する可能性がある。そこで、本実施の形態3では、この仕切り563への塵埃付着量を少なくする形態について説明する。
この対策として、仕切り563の近傍に、誘電性材料で構成される誘電部601を配置する構造を有する。
図10は本発明に係る電気掃除機の実施の形態3におけるサイクロン旋回部を含む空間564に白金ミスト発生装置560を設置する一例を示した概略構成図である。図において、誘電性材料で構成される誘電部601が仕切り563の近傍に配置されている。
誘電部601は微細塵の持つプラス帯電とは逆符号のマイナスに帯電しやすい特性を持つ材料から構成されている。例えば、塩化ビニル、セロファン、ポリエチレン、アクリル、ポリエステル、ポリポロピレン、ポリスチレン、などのうちのいずれか1種類、あるいは複数の組み合わせから成る。
【0028】
実施の形態4.
電気掃除機をさらに長期使用すると、実施の形態3の構成によっても仕切り563に塵埃が徐々に付着・堆積して行き、所定量以上堆積すると、ミスト放出量が低減する可能性がある。そこで、長期間の使用により仕切り563に塵埃が徐々に付着・堆積して行き、所定量以上堆積すると、ミスト放出量が低減する可能性がある。そこで、また、長期使用により誘電部601に付着した塵埃が蓄積することで、誘電部601の塵埃捕捉性能低下が考えられる。この場合、2次的被害として仕切り563への塵埃付着量が増加し、やがて所定量以上堆積すると、ミスト放出量が低減する可能性がある。そこで、本実施の形態4では、仕切り563と誘電部601を定期的に掃除する形態について説明する。
まず、仕切り563を定期的に掃除する形態について説明する。
図11は本発明に係る電気掃除機の実施の形態4におけるサイクロン旋回部を含む空間564に白金ミスト発生装置560を設置する概略構成図である。
仕切り563は導電体で構成されているとする。図11に示すように仕切り563を接地することにより、仕切り563に付着した塵埃の帯電を地面に逃してやる。これにより、塵埃の帯電量を徐々に減少させることができる。塵埃の帯電量が所定量以上少なくなると、塵埃の重力の方がクーロン力による付着の力より勝るので付着した塵埃は仕切り563から重力によって離脱してサイクロン旋回部を含む空間564の空間内を浮遊した後、ゆっくりと落下する。浮遊した塵埃は送風機の駆動時に旋回流の一部となり、白金ミストにより凝縮して集塵室に捕捉されるため、結果として、仕切り563が掃除される。
誘電部601についても図12に示すように上記と同様の構成であり、上記と同様の効果を奏する。
なお、仕切り563にマイナスの電位を印加することで、付着した塵埃のプラス電位を強制的にゼロになるように構成してもよい。
【0029】
また、図13は、本発明に係る電気掃除機の実施の形態4におけるサイクロン旋回部を含む空間564に白金ミスト発生装置560を設置する別の概略構成図である。図13に示すように仕切り563に一端が接地された電源の他端をスイッチを介して接続する。これにより、電源スイッチ(リレーでも良い)604をONすると、仕切り563は正極となる。結果として、仕切り563には塵埃の極性と同じプラスの高電圧が印加されるため、仕切り563に付着した塵埃はクーロン反発力により仕切り563から離脱してサイクロン旋回部を含む空間564の空間内を浮遊した後、ゆっくりと落下する。浮遊した塵埃は送風機の駆動時に旋回流の一部となり、白金ミストにより凝縮して集塵室に捕捉されるため、結果として、仕切り563が掃除される。
誘電部601についても図14に示すように上記と同様の構成であり、上記と同様の効果を奏する。
【0030】
また、図15は、本発明に係る電気掃除機の実施の形態4におけるサイクロン旋回部を含む空間564に白金ミスト発生装置560を設置する別の概略構成図である。図15に示すように、仕切り563の固有振動周波数を予め調べておき、この固有振動周波数に合った周波数で交流電圧を印加するようにインバーター(図示せず)などを利用して構成しても良い。これにより、仕切り563を効率良く振動させることができるため、仕切り563に付着した塵埃を振動により仕切り563から物理的に振り落とすことができる。仕切り563から脱離した塵埃はサイクロン旋回部を含む空間564の空間内を浮遊した後、ゆっくりと落下する。浮遊した塵埃は送風機の駆動時に旋回流の一部となり、白金ミストにより凝縮して集塵室に捕捉されるため、結果として、仕切り563が掃除される。
誘電部601についても図16に示すように上記と同様の構成であり、上記と同様の効果を奏する。
【0031】
なお、上記の例では、電源スイッチを手動でオンオフするように説明したが、スイッチの代わりにリレーを用い、制御部が予め設定されたスケジュールによりこのリレーを自動オンオフするように構成してもよい。この場合も同様の効果を奏する。
【0032】
次に、本発明による効果についてより詳細に説明する。
一般にサイクロンの旋回部および集塵室の内部を浮遊している微細塵はプラスに帯電する傾向が強い。そこで、本実施の形態1によれば、白金ナノ粒子とミストの混合体である白金ミストをマイナスに帯電させて放出することで、浮遊塵とクーロン力を利用して効率良く接触し、さらにミストが架橋的に作用して浮遊塵を多数引き付けて凝集させることができる。図17は、本発明の技術によって発生させた白金ミストと、超音波(50MHz)によって発生させたミストの飛距離(デバイスの発生場所から0.5mおよび1m離れた場所で測定)によるミスト粒子径分布を比較させたグラフである。測定には、SMPS( Scanning Mobility Particle Sizer )を用いた。
図17(a)は、本発明の技術によって発生させた白金ミストの場合を示し、図17(b)は、超音波によって発生させたミストの場合を示している。
図17(a)では、白金ミストは帯電状態になっているため、ミスト間で静電反発が生じることによってミスト間凝集が発生しにくくなり、経時的な粒子径のピーク変動は見られない。一方、図17(b)では、超音波により発生させたミストは、帯電していない状態であるため、ミスト間の凝集が経時的に発生し、粒子径のピークが大きくなっていることがわかる。
本測定データは、本発明の白金ミストは帯電状態になっていることで、微細なナノ粒子として比較的長い時間、安定に存在できることを示している。
【0033】
図18はミストのみと白金ミスト(白金ナノ粒子を含むミスト)の帯電量の測定結果を示すグラフであり、ミストのみと比較して、白金ミストは約2倍の帯電量を有することがわかる。
マイナスに帯電する理由および白金ミストがミストのみに比べて帯電量が大きい理由を以下に説明する。
放電電極の先端に保持された白金ナノコロイドを粒子として含有した水と対向電極との間に高電圧(高電界)が印加されることでクーロン力が働き、水の表面が局所的に盛り上がってティラーコーンを生成する(図2参照)。ティラーコーンはマイナスの電界が印加されることでマイナスの電荷を帯びた状態となり、クーロン力が水の表面表力を超えると、このティラーコーンが分裂し、数nmの白金ナノコロイドを粒子として含有したマイナスに帯電した微粒子水が空気中に放出される。
また、白金ナノ粒子自身がマイナスに帯電する材料特性を有しており、そのゼータ電位は−40.01mVであることが知られている。
以上より、白金ミストは高電圧印加による電子供給と白金ナノ粒子自身の持つゼータ電位によってマイナスの大きな帯電量を有することができる。
【0034】
図19は、本発明の浮遊塵の凝集効果を説明するグラフである。密閉した1m3箱内に大気塵レベルの浮遊塵が存在する安定な平衡状態を作り、この内部で白金ミストを放出させた際の浮遊塵濃度を経時的に測定したものである。温湿度条件21〜23℃/45%RHとして、箱内の大気塵はパーティクルカウンタで測定した。ブランクは経時変化がほとんど無いのに対して、白金ミストは濃度が大きく低下しているのが分かる。これは前述した様に、帯電した白金ミストが浮遊塵を凝集させて落下させる効果によるものである。ここでは便宜的に1m3箱の実験データを使って説明を行ったが、実際の掃除機のサイクロン旋回室および集塵部の内部空間でも同様の効果を得ることができる。
ミスト発生量は0.05cc/hと少量であるが、粒子個数は空気1cm3中に数10万個オーダーが存在しており、凝集効果を生じさせるのに十分な量となっている。
放出する水分量が多くなると、旋回室や集塵質の内部の壁面が濡れてしまい、塵埃が壁面にこびりついて、外観的、衛生的に問題を生じるが、本発明の白金ミスト量は壁面を濡らすほどの水分量は無いので、上記のような問題は生じない。
【0035】
本発明によるミスト放出手段は放電によるものではなく、電圧印加によってティラーコーンに生じたクーロン力が水の表面張力を超えることによってティラーコーンを分裂破砕してミストを形成するものである。このため、ミスト内部および空気中の活性種(オゾンなどの活性酸素種、ラジカル、窒素酸化物など)を生成することはなく、人体に対して悪影響を及ぼすミストおよび空気中への成分放出はない。
放電の有無は、放電電流波形をモニターすることで確認することができ、本発明のミスト発生技術ではティラーコーンが分裂破砕する際の瞬間的な電流ピークしか観測できず、放電波形は見られない。
また、活性種の発生有無については、電子スピン共鳴:ESR(Electron Spin Resonance)の分析手法によって確認することができる。酸素中心ラジカルの測定試薬としてDEPMPO(5-diethoxyphosphoryl-5-methyl-1-pyrroline-N-oxide)をスピンとラップ剤に用いた測定結果を図20に示す。図示した通り、白金ミストには酸素中心ラジカル特有のピークは見られないことから、活性種の生成は無いと判断することができた。
【0036】
以上の技術により、掃除機本体の運転終了直後に使用者が集塵室を開放した場合でも、高濃度の酸化性物質を気中暴露する危険性はない。さらに、オゾンと水滴との共存下では酸化性が極めて高いOHラジカルを生成する可能性もない。集塵室の開口部は一般に、使用者が容易に人体を近づけることが出来、たとえば、幼児が集塵室の空気を吸った場合でも、健康被害に至る可能性はない。
【0037】
図21は本発明の全ての実施の形態における静電霧化装置から放出される帯電微粒子水による大腸菌の抗菌活性値を示すものである。抗菌活性値が高いほど抗菌効果が高いことを示している。放出する水の量を0.05cc/hとした場合と、0.5cc/hとした場合、およびこれに白金含有有無での効果を示す。白金がない場合、抗菌効果は見られないが、白金を含有した場合、抗菌効果が現れる。さらに放出する水の量を上げることで放出される白金量も増加し、抗菌効果が増加する。
【0038】
図6に示す仕切り563に埃が付着・堆積することで、ミスト放出量が低減する可能性がある。この対策として、仕切り563の近傍に、誘電性材料で構成される誘電部601を配置する構造を有する。誘電部601は微細塵の持つプラス帯電とは逆符号のマイナスに帯電しやすい特性を持つ材料から構成されている。例えば、塩化ビニル、セロファン、ポリエチレン、アクリル、ポリエステル、ポリポロピレン、ポリスチレン、などのうちのいずれか1種類、あるいは複数の組み合わせから成る。
【符号の説明】
【0039】
1 吸込ヘッド、2 吸引パイプ、3 接続パイプ、4 サクションホース、5 掃除機本体、100 電気掃除機、401 制御部、510 筐体、520 車輪、530 送風機、540 HEPAフィルター、551 サイクロンユニット、552 風路、560 白金ミスト発生装置、561 タンク部、562 溶液、563 仕切り、564 サイクロン旋回部を含む空間、571 水タンク、572 水、601 誘電部、5301 送風機モーター、5511 サイクロン旋回部、5512 集塵室、5513 円錐部、5514 吹き出し口、5515 白金ミスト、5516 重量の軽い微細塵、5517 凝集体、5601 白金ナノコロイド搬送部、5602 電極、5603 電極、5605 電源、5606 白金ミスト発生装置用電源スイッチ、5701 白金ナノコロイド蓄積部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機と、
この送風機の吸引力により外部から含塵空気を吸引する吸込ヘッドと、
一端が前記吸込ヘッドに接続された吸引用ホースと、
この吸引用ホースの他端が接続され、前記含塵空気から塵埃を分離して収集する集塵室と、
一端が前記集塵部に接続され、他端が微細塵フィルターを介して前記送風機に連通する風路と、
前記微細塵フィルターよりも上流に設けられ、ナノサイズの白金ナノ粒子を内包または接触する状態のナノサイズのミスト(以下、白金ミストと呼ぶ)を発生する白金ミスト発生手段と、
制御部と、を備え、
前記白金ミスト発生手段は、前記白金ミストを蓄積するタンク部と、
前記タンク部から毛管現象により前記白金ミストを先端部へ移動させる第1の電極と、
この第1の電極と対向する位置に配置された第2の電極と、
前記第1の電極に前記第2の電極よりも低い電位を与える電源部と、
この電源部と前記第1の電極及び前記第2の電極との接続または切断を切換える切換手段と、を備え、
前記制御部は、前記送風機を駆動する時と、前記送風機の駆動を停止した後、所定時間経過するまで、前記電源部と前記第1の電極及び前記第2の電極とを接続するように前記切換手段を制御し、
前記電源部は、前記切換手段が接続状態のとき、前記第1の電極の先端部に現れた水滴の表面張力よりも大きい力を発生する高電圧を前記第2の電極に加えることで前記水滴を破砕してナノサイズの白金ミストを発生させることを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
前記白金ミスト発生手段に代えて、白金ナノコロイドを蓄積する白金ナノコロイド蓄積部と、この白金ナノコロイド蓄積部に水を供給する水タンクと、を有する白金ミスト発生手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記第1の電極は多孔質構造を有し、前記先端部は先へ進むほど幅が狭くなるような傾斜を有する突起部を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記第2の電極を接地し、前記第1の電極を負極にすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記白金ミスト発生手段の取り付け部は、開口部を有する仕切りを備え、この仕切りは外部からの操作により接地されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記白金ミスト発生手段の取り付け部は、開口部を有する仕切りを備え、この仕切りは外部からの操作により塵埃と同じ極性を有するようにプラスの電位が与えられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記白金ミスト発生手段の取り付け部は、開口部を有する仕切りを備え、この仕切りは外部からの操作によりこの仕切りの固有振動周波数に合った高周波で交流電流を与えるインバーターを備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項8】
前記白金ミスト発生手段の取り付け部は、開口部を有する仕切りを備え、この仕切りの周辺に負の静電気を帯び易い誘電体材料で構成された微細塵吸着部を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項9】
前記微細塵吸着部は、外部からの操作により塵埃と同じ極性を有するようにプラスの電位が与えられることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項10】
前記微細塵吸着部は、外部からの操作によりこの仕切りの固有振動周波数に合った高周波で交流電流を与えるインバーターを備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項11】
白金ミスト発生手段は、前記集塵室の上部に設けられ、前記タンク部は前記第1の電極より上方に位置するように配置されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項12】
前記第1の電極は、その先端部が下方を向いていることを特徴とする請求項11記載の電気掃除機。
【請求項13】
前記白金ミスト発生手段は、前記吸引用ホースに設けられ、前記タンク部は前記第1の電極より上方に位置するように配置されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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