説明

電気掃除機

【課題】集塵性能が向上しメンテナンスの軽減が図れる電気掃除機を提供すること。
【解決手段】塵埃を含む空気を旋回させ塵埃分離する略円筒状の1次旋回室24と、1次旋回室24に連通した2次旋回室29と、1次旋回室24の下方に位置し塵埃を溜める集塵室25と、塵埃を圧縮する圧縮板32と、塵埃が流入する流入口30を有し、圧縮板32の底面の一部に突出部33を流入口30から見て集塵室25の奥側に配設する構成としたことより、集塵室25内に入った塵埃は、圧縮板32の突出部33に引っかかり動きが止められ、流れに乗って2次旋回室29や1次旋回室24側に戻ることが無いため集塵性能が向上し、排気筒26の詰まり防止によるメンテナンスの軽減を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイクロン式電気掃除機の集塵室に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、吸引した空気に旋回成分を持たせ、遠心力により気流から塵埃を分離除去するタイプの電気掃除機、いわゆるサイクロン式の電気掃除機が注目を浴びている。この種の電気掃除機において、図9および図10に示すように、塵埃と空気を旋回させる円筒形状の旋回室1と、旋回室1の中央部分に設けられたメッシュ状のフィルター2を装着した排気筒3と、旋回室1の接線方向に形成された吸気口4と、旋回室1の天面中央部分に設けられた、塵埃が除去された空気を、排気筒を介して旋回室から排出する排気口5と、旋回室1の下側に隣接して設けられた集塵室6と、集塵室6の下部から複数の遮蔽板7を中心から内周壁に向かって放射状に突出し、また、遮蔽板7の側縁部に旋回気流の風上方向に向かって突出するリブ8を形成したものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−143052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の集塵室6では、旋回室1から集塵室6に移り旋回する塵埃は、遮蔽板7やリブ8に当たることにより失速することで気流から分離され集塵室6の下部に落下する。しかしながら、失速した塵埃は固定されているわけではないので、気流にのって再び舞い上がり旋回室1に戻ってしまう。この結果、旋回室1に戻った細塵は、排気筒3を通過して排気口5から排出されるので、この分集塵性能が悪いという課題があった。
【0005】
特に、集塵室6に大量の塵埃が溜まると、集塵室6の上方にたまっている塵埃が旋回室1に接近するため、旋回室1の旋回気流に乗って再び舞い上がり旋回室1に戻り、前記課題と同様に集塵性能がさらに悪くなり、かつ粗塵は排気筒3のメッシュ状のフィルター2に付着して、吸引能力を低下させるので、排気筒3のメンテナンスが頻繁に必要になるという課題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、集塵性能の向上や排気筒のメンテナンスを軽減できる集塵ケースを具備する電気掃除機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の電気掃除機は、吸引力を発生させる電動送風機と、前記電動送風機の上流側に設置され前記電動送風機により吸引した塵埃を含む空気を旋回させ塵埃分離する略円筒状の1次旋回室と、
前記1次旋回室に連通した一部分に円弧形状を有する2次旋回室と、
前記2次旋回室と連通し、前記2次旋回室からの塵埃を溜める集塵室と、
前記集塵室にたまった塵埃を圧縮するための、前記集塵室の軸方向に昇降可能な圧縮板と、からなるサイクロン式の電気掃除機において、
前記1次旋回室の外郭周方向には、塵埃を含む空気を吸引するための吸気口と、前記1次旋回室の中心付近には、通気部を備え塵埃分離した空気を排出するための排気筒とを構成し、
前記集塵室の中央部が、前記2次旋回室の軸中心より水平方向にずらして配置されることによって、前記2次旋回室の円周の内側に、前記2次旋回室と前記集塵室を隔てる壁部が形成され、前記壁部には、2次旋回室で旋回する塵埃が前記集塵室に流入する流入口を有し、
前記圧縮板の底面の一部に下向きの単一または複数の突出部を前記流入口から見て前記集塵室の奥側に配設する構成としたものである。
【0008】
このような発明によって、2次旋回室を旋回する空気は、流入口に対する僅かな動圧、空気への遠心力、2次旋回室と集塵室との圧力差等により流入口の一部分から集塵室へ少量流入するので、空気は減速して集塵室内をゆっくり旋回する。そして、集塵室に流入した塵埃は再び空気により流入口から2次旋回室へ戻ることもなく、自重により空気から分離して集塵室に溜まる。
【0009】
そのとき、集塵室内に入った塵埃は、圧縮板の突出部に引っかかり動きを止める。そしてそれを核にして塵埃が溜まっていく。その突出部は、集塵室の奥にあるので、集塵室の奥のほうから塵埃が堆積して行き、その後奥から流入口に向けて順に堆積していくため、集塵室に隙間なく塵埃が堆積する。
【0010】
そしてその後、塵埃を分離した旋回する空気は2次旋回室の中央から1次旋回室へ戻り、通気部から外部へ排気される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電気掃除機は、集塵室の塵埃が2次旋回室や1次旋回室側に戻ることが無いため集塵性能が向上し、排気筒の詰まり防止によるメンテナンスの軽減を図ることができる。また、集塵室に隙間無く塵埃をためることができるため、集塵室容量を無駄にすることなく所定量の塵埃をためることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における電気掃除機の外観図
【図2】同、電気掃除機の掃除中の側方断面図
【図3】同、電気掃除機の掃除中の要部構成を示す斜視断面図
【図4】同、電気掃除機の集塵室と圧縮板を下方から見た斜視図
【図5】(a)同、電気掃除機の突出部が突出している状態の要部断面図,(b)同、電気掃除機の突出部が収容されている状態の要部断面図
【図6】同、電気掃除機の掃除中での2次旋回室と集塵室の平面断面図
【図7】同、電気掃除機の集塵ケースを集塵室側から見た側方断面図
【図8】同、電気掃除機の掃除終了後の側方断面図
【図9】従来の電気掃除機のサイクロン集塵装置の側方断面図
【図10】同、電気掃除機のサイクロン集塵装置の平面断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明は、吸引力を発生させる電動送風機と、前記電動送風機の上流側に設置され前記電動送風機により吸引した塵埃を含む空気を旋回させ塵埃分離する略円筒状の1次旋回室と、
前記1次旋回室に連通した一部分に円弧形状を有する2次旋回室と、
前記2次旋回室と連通し、前記2次旋回室からの塵埃を溜める集塵室と、
前記集塵室にたまった塵埃を圧縮するための、前記集塵室の軸方向に昇降可能な圧縮板と、からなるサイクロン式の電気掃除機において、
前記1次旋回室の外郭周方向には、塵埃を含む空気を吸引するための吸気口と、前記1次旋回室の中心付近には、通気部を備え塵埃分離した空気を排出するための排気筒とを構成
し、
前記集塵室の中央部が、前記2次旋回室の軸中心より水平方向にずらして配置されることによって、前記2次旋回室の円周の内側に、前記2次旋回室と前記集塵室を隔てる壁部が形成され、前記壁部には、2次旋回室で旋回する塵埃が前記集塵室に流入する流入口を有し、
前記圧縮板の底面の一部に下向きの単一または複数の突出部を前記流入口から見て前記集塵室の奥側に配設する構成としたものである。
【0014】
これにより、集塵室内に入った塵埃は、圧縮板の突出部に引っかかり動きを止める。そしてそれを核にして塵埃が溜まっていく。その突出部は、集塵室の奥にあるので、集塵室の奥から流入口に向けて順に堆積していくため、集塵室に隙間なく塵埃が堆積する。
【0015】
また、塵埃を分離した旋回する空気は2次旋回室の中央から1次旋回室へ戻り、通気部から外部へ排気されるが、引っかかっている集塵室の塵埃はこの流れに乗って2次旋回室や1次旋回室側に戻ることが無いため集塵性能が向上し、排気筒の詰まり防止によるメンテナンスの軽減を図ることができる。
【0016】
また、集塵室に隙間無く塵埃をためることができるため、集塵室容量を無駄にすることなく所定量の塵埃をためることができる。
【0017】
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記突出部は、前記圧縮板の内部に収容可能な構成としたものである。
【0018】
これにより、塵埃の量が小量で、圧縮したときの厚みが突出部の突出長さに満たないなどの場合でも、集塵室の底面等につかえることなく圧縮することができる。
また、塵埃の圧縮によって、塵埃が固形化したときも、つかえることなく圧縮することができる。
【0019】
第3の発明は、特に、第1または第2に記載の発明において、前記突出部は、弾性部材の付勢により前記圧縮板より突出する構成としたものである。
【0020】
これにより、弾性部材により決まる所定以上の力を受けたときには突出しないため、塵埃の量が小量で、圧縮したときの厚みが突出部の突出長さに満たないなどの場合に、圧縮板が押し下げられた時に、集塵室の底面等つかえることなく圧縮することができる。
そして、圧縮板が引き上げられたときには弾性部材の弾性により突出部が元のように突出する。
【0021】
(実施の形態1)
図1〜図8を用いて、本発明の実施の形態1における電気掃除機について説明する。
図1は本発明の実施の形態1を示す電気掃除機の外観図、図2は同電気掃除機の掃除中の側方断面図、図3は同電気掃除機の掃除中の要部構成を示す斜視断面図、図4は同電気掃除機の集塵室と圧縮板を下方から見た斜視図、図5(a)は同電気掃除機の突出部が突出している状態の要部断面図、図5(b)は同電気掃除機の突出部が収容されている状態の要部断面図、図6は同電気掃除機の掃除中での2次旋回室と集塵室の平面断面図、図7は同電気掃除機の集塵ケースを集塵室側から見た側方断面図、図8は同電気掃除機の掃除終了後の側方断面図を示すものである。
【0022】
図1に示すように、掃除機本体11の外部には、車輪12およびキャスター13が取り付けられており、掃除機本体11は床面を自在に移動できる。集塵ケース14設置部の下方に設けられた吸引口15には、吸引ホース16、ハンドル17を形成した延長管18が
順次接続されており、延長管18の先端に吸込具19を取り付けられている。
【0023】
図1と図2に示すように、集塵ケース14が電動送風機20を内蔵した掃除機本体11に対して着脱自在に、かつ水平に対して角度約45°の傾斜で設置され、掃除機本体11に装着した状態で集塵ケース14入口側の吸気口21は吸引口15を開口した吸引路22に連通し、他方、集塵ケース14出口側の通気口23は電動送風機20に連通している。
【0024】
集塵ケース14は図3に示すように、塵埃を含む空気を取り入れ旋回気流を発生させる円筒状の1次旋回室24、1次旋回室24に連通し、その下方に位置する一部分が円弧形状の2次旋回室29、そして2次旋回室29に連通し塵埃を溜める直方体状の集塵室25から構成している。1次旋回室24には、円筒形状の外郭内周面に対して接線方向となるように開口した吸気口21と、中心には通気口23に連通する円筒状の排気筒26を配している。この排気筒26の外周側壁にはメッシュフィルターやエッチングフィルター等の濾過フィルターによる通気部27を構成しており、粗塵が排気筒26を通り抜けないようにしている。加えて、排気筒26と通気口23との間には、第2の塵埃分離手段28として不織布フィルターをプリーツ状に折ったものを配置している。
【0025】
集塵室25は、1次旋回室24の下方にそれぞれの中心軸を水平方向に平行にずらした位置で配置されている。集塵室25への塵埃の流入口30は、2次旋回室29と集塵室25を隔てる壁部29aの旋回気流の上流側に形成されており、2次旋回室29の円弧状壁部の一部分において、2次旋回室29の円弧の接線方向に伸長されて導入側壁部29bを形成し、流入口30の開口範囲を、前記導入側壁部29bまで拡張させて流入経路を構成している。
【0026】
圧縮手段31は集塵室25内を上下に移動し、手動により下降し、バネ(図示せず)により上昇する平板状の圧縮板32を設けている。圧縮板32は、集塵室25に擦らず、他方圧縮の際に溜まった塵埃が逃げない集塵室25との間隙を設定(例えば1〜3mm)している。
【0027】
また、図4ならびに図5(a)示すように、この圧縮板32の集塵室25の流入口30から見て奥側には、下向きに2つの突出部33が集塵室25内に飛び出している。突出長さは、数mmから十数mm程度、直径は数mm程度としている。また、突出部33は圧縮板32の内部に配置されているバネ34により付勢されている。
【0028】
以上のように構成された電気掃除機の動作について説明する。
まず、図1に示すように、電動送風機20が発生させた吸引作用により、家屋の床面上の塵埃が吸込具19から吸引され、集塵ケース14は吸引ホース16、延長管18を通過した塵埃を含む空気を導入し、塵埃を遠心分離し、かつ微細な塵埃を濾過して溜める。そして、濾過した空気は電動送風機20下流の排気出口(図示せず)から排気するようにしている。
【0029】
次に、図2および図3により集塵ケース14の動作を説明する。先ずは、圧縮手段31のバネが圧縮板32を上昇させて集塵室25の上部に収納する。このときに突出部33は集塵室25内部に向かって突出している。そして電動送風機20の吸引作用により吸気口21から流入した塵埃を含む空気は、吸気口21から1次旋回室24へ接線方向に噴出し排気筒26の周囲を少し旋回し、直ちに1次旋回室24の下方に位置する2次旋回室29に流入する。その後、2次旋回室29に流入した空気は2次旋回室29、1次旋回室24の各略中央を通り通気部27へ流れる。
【0030】
特に、図6に示すように2次旋回室29と集塵室25とは平行にずらした状態であるが
、2次旋回室29では、旋回する空気が壁部29aの上流端部に達すると、壁部29aに沿って急激に向きを変えるので、空気に含まれている塵埃は、向きを変える空気について行けず、塵埃自身の慣性力により流入口30に飛び込んで行く、その際、旋回する空気は2次旋回室29の外周側壁に沿って流れるが、流入口30に対する僅かな動圧や空気への遠心力等により量は少ないが、旋回する空気の一部が流入口30の一部から集塵室25へ流入する。
【0031】
集塵室25では、空気は直ちに減速して集塵室25内をゆっくり旋回し、流入口30の別の一部から2次旋回室29に戻る。そして、集塵室25に流入した塵埃は、再びゆっくり旋回する空気により流入口30から2次旋回室29へ戻らず、自重により空気から分離して集塵室25の底面に通常下から細塵(土、砂など)、粗塵(綿ごみなど)の順に溜まる。
【0032】
このとき図7のように、集塵室25内に入った塵埃のうち粗塵の一部が、圧縮板32の突出部33に引っかかり動きを止める。そしてそれを核にしてその他の粗塵が絡まり、さらに粗塵の繊維に細塵が絡み溜まって動きを止めるため流入口30を逆流し通気部27へ流出する塵埃を極少なくできる。また、突出部33は、集塵室25の奥にあるので、集塵室25の奥のほうから塵埃が堆積して、奥から流入口30に向けて順に堆積するため、集塵室25に隙間なく塵埃が堆積し、集塵性能が向上する。
【0033】
この結果、当然、通気部27を通過して第2の塵埃分離手段28に付着する細塵が少なくなるため、第2の塵埃分離手段28のメンテンナンス回数が削減できる。その後、塵埃を分離した空気は2次旋回室29の中央から1次旋回室24へ戻り、通気部27から外部へ排気される。
【0034】
他方、集塵室25へ飛び込まなかった塵埃は、通気部27に遮られ、再び遠心旋回空気に巻き込まれ、結局、流入口30から集塵室25へ飛び込み、集塵室25に溜まる。また、空気は集塵室25内をゆっくり旋回するので、従来のように集塵室25を大きくして空気の速度を落とす必要はなく、集塵室25の小型化が図れる。
【0035】
また、集塵ケース14を水平に対して角度約45°の傾斜で設置したので、流入口30から集塵室25の底面の奥25aまでの水平距離が短くなり、かつ集塵室25の奥の側面15Bが流入口に向かって下方へ傾斜しているので、流入口30から集塵室25に飛び込んだ塵埃は集塵室25の底面の奥25aに向かって集まり、効率よく、隙間なく溜まり、集塵室25の容積を十分に有効に使える。
【0036】
なお、リント等の微細塵を含んだ空気は通気部27を通過するが、微細塵は第2の塵埃分離手段28に濾過され、きれいになった空気が第2の塵埃分離手段28を通過して、電動送風機20へと導かれる。
【0037】
そして、掃除が終われば、電動送風機20が停止すると共に、図8に示すように、手動により圧縮手段31が圧縮板32を手動により降下させて集塵室25に溜まった塵埃を圧縮してコンパクトにする。
【0038】
このとき、圧縮板32と共に突出部33も降下するが、突出部33の近傍の圧縮された塵埃の硬さが柔らかい場合は、突出部33は突出した状態で塵埃は圧縮される。ただ、図5(b)のように、何度も圧縮を繰り返し、塵埃の硬さが増してきた場合には、バネ34が縮み突出部33が圧縮板32内部へ収容される。さらに、塵埃がごく少ない場合には、圧縮板を下げると突出部33が集塵室25底面に当たるが、そのときもバネ34が縮むことで突出部33が圧縮板32内部へ収容されるため、圧縮の妨げになることは無い。
【0039】
以上説明してきたように、突出部33により、塵埃が突出部33を核にして集塵室25の奥のほうから流入口30に向けて順に堆積していくため、集塵室25に隙間なく塵埃が堆積する。
【0040】
そして、集塵室の塵埃が2次旋回室や1次旋回室側に戻ることが無いため集塵性能が向上し、排気筒の詰まり防止によるメンテナンスの軽減を図ることができる。
また、塵埃の圧縮によって、塵埃が固形化したときも、つかえることなく圧縮することができる。
【0041】
なお、バネ34は、本実施の形態のようなコイルバネに限定されるものではなく板バネを用いてもかまわないし、ゴムやスポンジのような弾性体でもかまわない。また、空気などの流体を封入したゴムの袋状の部材を用いてもかまわない。
また、突出部は2つと説明したがこれに限られることは無く、配置個数と位置は適宜最適な位置に設計できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、本発明にかかる電気掃除機は、1次旋回室の下部に連通し一部分に円弧形状を有する2次旋回室と、2次旋回室と連通し2次旋回室からの塵埃を溜める集塵室と、集塵室にたまった塵埃を圧縮するための集塵室の軸方向に昇降可能な圧縮板と、集塵室の中央部が、2次旋回室の軸中心より水平方向にずらして配置されることによって、2次旋回室の円周の内側に、2次旋回室と集塵室を隔てる壁部が形成され、壁部には、2次旋回室で旋回する塵埃が集塵室に流入する流入口を有し、圧縮板の底面の一部に下向きの単一または複数の突出部を流入口から見て集塵室の奥側に配設する構成とした。
これにより、集塵室内に入った塵埃は、圧縮板の突出部に引っかかり動きが止められ、流れに乗って2次旋回室や1次旋回室側に戻ることが無いため集塵性能が向上し、排気筒の詰まり防止によるメンテナンスの軽減を図ることができるため、吸引した空気に旋回成分を持たせ、遠心力により気流から塵埃を分離除去するタイプの集塵部を有した電気掃除機に適用可能である。
【符号の説明】
【0043】
20 電動送風機
21 吸気口
24 1次旋回室
25 集塵室
26 排気筒
27 通気部
29 2次旋回室
29a 壁部(2次旋回室と集塵室を隔てる壁部)
30 流入口
32 圧縮板
33 突出部
34 弾性部材(バネ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引力を発生させる電動送風機と、前記電動送風機の上流側に設置され前記電動送風機により吸引した塵埃を含む空気を旋回させ塵埃分離する略円筒状の1次旋回室と、
前記1次旋回室に連通した一部分に円弧形状を有する2次旋回室と、
前記2次旋回室と連通し、前記2次旋回室からの塵埃を溜める集塵室と、
前記集塵室にたまった塵埃を圧縮するための、前記集塵室の軸方向に昇降可能な圧縮板と、からなるサイクロン式の電気掃除機において、
前記1次旋回室の外郭周方向には、塵埃を含む空気を吸引するための吸気口と、前記1次旋回室の中心付近には、通気部を備え塵埃分離した空気を排出するための排気筒とを構成し、
前記集塵室の中央部が、前記2次旋回室の軸中心より水平方向にずらして配置されることによって、前記2次旋回室の円周の内側に、前記2次旋回室と前記集塵室を隔てる壁部が形成され、前記壁部には、2次旋回室で旋回する塵埃が前記集塵室に流入する流入口を有し、
前記圧縮板の底面の一部に下向きの単一または複数の突出部を前記流入口から見て前記集塵室の奥側に配設する構成とした電気掃除機。
【請求項2】
前記突出部は、前記圧縮板の内部に収容可能な構成とした請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記突出部は、弾性部材の付勢により前記圧縮板より突出する構成とした請求項1または2に記載の電気掃除機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図4】
image rotate