説明

電気機器の連結構造

【課題】複数の電気機器の連結及び分離を容易に行うことができ、2個の電気機器の機械的な連結と同時に電気的な接続を行うことができるようにする。
【解決手段】本体11の第1の側面11Aに断面形状が矢印Y方向に一定のアリ溝9を形成し、本体11の第2の側面11B及び第3の側面11Cに凹部3A及び凹部3Bを形成し、基板の接続端子51を開口部11Dに露出させた。連結部材4の矢印X方向に対向する2個所に突起部6を形成し、上下の端部に凸部7A,7Bを形成し、導体20を弾性変形自在に備えた。2個の表示灯10の間に連結部材4を挿入すると、アリ溝9が突起部6に嵌合し、凸部7A,7Bが凹部3A,3Bに係合し、導体20が接続端子51に当接する。2個の表示灯10が機械的に連結されると同時に電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、制御盤等に取り付けられる表示灯等の電気機器を少なくもと一方向に複数連結して配置するための電気機器の連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
表示灯等の電気機器は、制御盤等に少なくとも一方向に複数連結して配置される場合がある。制御盤の取付用パネルには、複数個の電気機器を連結した状態の外形に対応した孔部が形成され、複数個の電気機器は取付用パネルに対する着脱に際して一体的に取り扱われる。
【0003】
このため、複数個の電気機器を連結した状態で保持するための連結構造が必要になる。電気機器の連結構造として、複数個の電気機器を収納するケースを用いると、連結のために大型の部品を備えなければならず、コストの上昇を招く。
【0004】
そこで、従来の電気機器の連結構造として、各電気機器に側面及び背面に開放した溝部を形成し、隣接する2個の電気機器の溝部に単一の楔部材を背面側から嵌合させるようにしたものがある。
【0005】
また、電気機器である端子台の連結構造として、各端子台に側面に開口した凹部を形成し、隣接する2個の端子台の凹部に単一の接続導体を嵌入するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。凹部内には電気的な接続部材が露出しており、接続部材には導電体が設けられている。隣接する2個の端子台は、接続導体によって電気的に接続される。
【特許文献1】特開平01−267975号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
少なくとも2個の電気機器の連結状態を確実に維持するためには、互いに異なる3方向について一方の電気機器に対する他方の電気機器の移動を規制する必要がある。互いに異なる3方向とは、電気機器の連結方向、隣接する電気機器の互いに対向する側面に平行な方向、及び、これら2方向に直交する方向(電気機器の前後方向)である。
【0007】
しかしながら、隣接する2個の電気機器の溝部に背面側から楔部材を嵌入させるのみでは、電気機器の連結方向及び隣接する電気機器の互いに対向する側面に平行な方向の移動を規制することはできるが、これら2方向に直交する方向(電気機器の前後方向)の移動を規制することはできない。そこで、楔部材を用いた連結構造では、楔部材が僅かに変形して溝部の内壁に圧着することで電気機器が前後方向に移動しないようにしている。このため、電気機器の修理や交換に際して2個の電気機器の連結状態を解除する際に、溝部から楔部材を容易に抜き取ることができず、作業が煩雑になるだけでなく楔部材又は電気機器の破損を招く問題がある。
【0008】
また、上記引用文献1の構成では、単一の接続導体によって2個の端子台を機械的に連結すると同時に電気的に接続することができ、隣接する端子台の互いに対向する側面に平行な方向の移動及び端子台の前後方向の移動を規制することはできるが、端子台の連結方向の移動を規制することはできない。単一の接続導体によって端子台の連結方向の移動を確実に規制するためには、楔部材を用いた構成と同様の問題を生じる。
【0009】
この発明の目的は、2個の電気機器に着脱自在な単一の部材により、互いに異なる3方向についての電気機器の移動を確実に規制することができるようにし、複数の電気機器の連結及び分離を容易に行うことができ、しかも、2個の電気機器に着脱自在な単一の部材により、2個の電気機器の機械的な連結と同時に電気的な接続を機械的な負担がかからないように行うことができる電気機器の連結構造を提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の電気機器の連結構造は、機器側係合部、連結部材、接続端子を備えている。機器側係合部は、電気機器の側面に形成されている。連結部材は、部材側係合部及び導体を備えている。部材側係合部は、隣り合う2個の電気機器の機器側係合部に同時に係合して、隣り合う2個の電気機器を互いに異なる3方向への移動を規制した状態で連結する。接続端子は、電気機器の側面に露出して備えられている。導体は、連結部材に備えられ、接続端子に当接する。
【0011】
2個の電気機器のそれぞれの機器側係合部に単一の連結部材の部材側係合部が同時に係合することで、互いに異なる3方向について2個の電気機器の移動が確実に規制される。2個の電気機器に収納される接続端子は、連結部材が備える部材側係合部とは別の導体によって電気的に接続される。2個の電気機器の機械的な連結が機器側係合部と部材側係合部との係合によって行われ、2個の電気機器の電気的な接続が機械的な連結に寄与しない接続端子と導体との当接によって行われる。
【0012】
機器側係合部は、第1〜第3の機器側係合部で構成することができる。第1の機器側係合部は、電気機器の側面のうち、隣り合う別の電気機器の側面が対向する第1の側面に形成されている。第2の機器側係合部及び第3の機器側係合部は、第1の側面に直交する互いに平行な第2の側面及び第3の側面のそれぞれに形成されている。連結部材は、隣接する2個の電気機器の間に電気機器の前後方向に挿脱自在にすることができる。部材側係合部は、第1〜第3の部材側係合部で構成することができる。
【0013】
第1の機器側係合部及び第1の部材側係合部は、一方が他方に対して電気機器の前後方向を除く方向に拘束された溝部及び突起部である。溝部は例えばアリ溝であって、突起部は電気機器の前後方向に沿って溝部に嵌合する。
【0014】
第2の機器側係合部及び第2の部材側係合部は、一方が他方に対して前後方向と連結方向とに直交する方向に嵌合する凹部及び凸部である。第2の部材側係合部は、隣り合う2個の電気機器の第2の機器側係合部に同時に係合する。
【0015】
第3の機器側係合部及び第3の部材側係合部は、一方が他方に対して前後方向と連結方向とに直交する方向に嵌合する凹部及び凸部である。第3の部材側係合部は、隣り合う2個の電気機器の第3の機器側係合部に同時に係合する。
【0016】
電気機器の第1の側面に接続端子が露出し、接続端子に当接する導体が連結部材に備えられている。
【0017】
所定の連結方向に並べた2個の電気機器の間に連結部材を電気機器の前後方向に挿入するすると、連結部材の2個所に設けた第1の部材側係合部のそれぞれが、2個の電気機器のそれぞれの第1の機器側係合部に、一方が他方に対して電気機器の前後方向を除く方向に拘束された状態で嵌合する。また、連結部材の第2の部材側係合部が2個の電気機器のそれぞれの第2の機器側係合部に同時に凹部と凸部との関係を持って係合し、連結部材の第3の部材側係合部が2個の電気機器のそれぞれの第3の機器側係合部に同時に凹部と凸部との関係を持って係合する。
【0018】
2個所の第1の部材側係合部のそれぞれが2個の電気機器のそれぞれの第1の機器側係合部に一方が他方に対して電気機器の前後方向を除く方向に拘束された状態で嵌合することで、連結方向と連結方向及び前後方向に直交する方向とについて2個の電気機器の移動が規制される。また、第2及び第3の部材側係合部が2個の電気機器のそれぞれの第2及び第3の機器側係合部にそれぞれ同時に凹部と凸部との関係を持って係合することで、前後方向について2個の電気機器の移動が規制される。
【0019】
したがって、所定の連結方向に並べた2個の電気機器の間に連結部材を前後方向に挿入することで、2個の電気機器は互いに異なる3方向について移動を規制される。この規制は、第2及び第3の部材側係合部のそれぞれを第2及び第3の機器側係合部から外して2個の電気機器の間から連結部材を前後方向に引き抜くことで解除される。
【0020】
また、連結方向に並べた2個の電気機器の間に連結部材を前後方向に挿入することで、2個の連結部材が機械的に連結されるとともに、導体に接続端子が当接することで導体及び接続端子に機械的な負担がかかることなく電気的に接続される。
【0021】
第2及び第3の部材側係合部のそれぞれに第2及び第3の機器側係合部に嵌合する方向の付勢力を与える弾性部材を連結部材に備えると、第2及び第3の部材側係合部が2個の電気機器のそれぞれの第2及び第3の機器側係合部にそれぞれに弾性的に係合する。2個の電気機器の間に連結部材が容易に挿脱される。
【0022】
電気機器が取付用パネルの孔部に該パネルの前面側から挿入され、第2及び第3の部材側係合部が第2及び第3の機器側係合部に嵌合した状態で取付用パネルの孔部の内側面に当接するものとすると、連結した状態の2個の電気機器を取付用パネルの孔部に挿入した際に第2及び第3の部材側係合部が孔部の内側面に当接する。第2及び第3の部材側係合部が第2及び第3の機器側係合部から外れる方向への移動が規制され、2個の電気機器の間から連結部材を引き抜くことができず、2個の電気機器の連結状態が確実に維持される。
【発明の効果】
【0023】
この発明の電気機器の連結構造によれば、2個の連結部材の電気的な接続を、機械的な連結に寄与しない接続端子と導体との当接によって行うことができるため、接続端子及び導体に機械的な負担がかからず、電気的な接続状態の信頼性を向上することができる。
【0024】
また、所定の連結方向に並べた2個の電気機器の間に連結部材を前後方向に挿入することで、互いに異なる3方向について2個の電気機器の移動を規制することができる。この規制は、第2及び第3の部材側係合部のそれぞれを第2及び第3の機器側係合部から外して2個の電気機器の間から連結部材を前後方向に引き抜くことで解除することができる。これによって、複数の電気機器の連結及び分離を容易に行うことができる。
【0025】
また、電気機器の第1の側面に接続端子を露出させ、接続端子に当接する導体を連結部材における連結方向に対向する2個所に露出して備えることで、連結方向に並べた2個の電気機器の間に連結部材を前後方向に挿入した際に、2個の連結部材を機械的に連結できるとともに電気的にも接続することができる。2個の電気機器に着脱自在な単一の部材により、2個の電気機器の機械的な連結と同時に電気的な接続を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、この発明の実施形態に係る連結構造を適用した電気機器の一例である表示灯を背面側から見た分解斜視図である。表示灯10は、複数個を左右方向の連結方向(矢印X方向)に沿って連結した状態で、制御盤等の取付用パネルに取り付けられる。表示灯10は、本体11とフランジ部12とを備えている。本体11は略直方体形状を呈した筐体を有し、取付用パネルの孔部に前面側から挿入される。フランジ部12は、本体11の前面で少なくもと上下方向に延出した平板状を呈しており、取付用パネルの孔部の前面側の周縁部に当接する。本体11は、光源及び外部から入力される信号に基づいて光源に電源を供給するための回路を構成する部品を収納する。
【0027】
本体11の側面のうち、隣り合う別の表示灯10の本体11の側面が対向する第1の側面11Aには、突起2A,2Bが形成されている。突起2A,2Bは、矢印X方向に直交する前後方向(矢印Y方向)に一定の断面形状を呈しており、互いに対向する面が傾斜面で構成されている。この傾斜面により、突起2Aと突起2Bとの間にこの発明の第1の機器側係合部の一例であるアリ溝9が形成されている。
【0028】
表示灯10は、矢印X方向の両側に別の表示灯10を連結できるようにされている。このため、表示灯10の矢印X方向の両側に別の表示灯10が隣り合う可能性があり、本体11は一対の第1の側面11Aを備えており、各側面11Aに突起2A,2Bが形成されている。
【0029】
本体11の第1の側面に11Aに直交する互いに平行な第2の側面(上面)11B及び第3の側面(底面)11Cには、それぞれ第2の機器側係合部である凹部3A及び凹部3B(凹部3Bは図に現れない。)が形成されている。
【0030】
隣り合う2個の表示灯10の間に、本体11の背面側から連結部材4が矢印Y方向に挿脱自在にされている。2個の表示灯10を矢印X方向に密着させた状態で、両者の側面11Aの間に生じる空間に連結部材4が挿入される。
【0031】
図2は、連結部材を前面側から見た斜視図である。連結部材4は、略薄板状を呈している。連結部材4は、矢印X方向に対向する2個所に、溝部5A,5Bを上下一対ずつ備えている。溝部5A及び溝部5Bは、矢印Y方向に突起2A及び突起2Bと同一である一定の断面形状を呈している。これによって、溝部5Aと溝部5Bとの間に、アリ溝9に矢印Y方向に嵌合するこの発明の第1の部材側係合部である突起部6が形成されている。突起部6は、連結部材4内の矢印X方向に対向する2個所に形成される。突起部6の上下の端部は楔形状を呈している。
【0032】
突起部6は、アリ溝9に対して、電気機器の前後方向を除く方向に拘束された状態で、電気機器の前後方向に嵌合する。
【0033】
連結部材4の上下の端部からは、矢印Y方向にこの発明の弾性部材である延出部8A,8Bが前面側に向かって延出している。延出部8A,8Bのそれぞれの前面側の端部には、矢印X方向の両側に突出する凸部7A,7Bが形成されている。凸部7A及び凸部7Bは、この発明の第2及び第3の部材側係合部である。凸部7Aは、矢印X方向の両側に突出した部分のそれぞれで凹部3Aに係合する。凸部7Bは、矢印X方向の両側に突出した部分のそれぞれで凹部3Bに係合する。
【0034】
連結部材4は全体を樹脂材料によって形成されており、延出部8A,8Bは上下に薄い。このため、凸部7A及び凸部7Bは、上下方向(矢印Z方向)の所定範囲内で弾性的に変位する。また、凸部7A及び凸部7Bは、上下方向の厚さが前面側ほど薄い楔状を呈している。
【0035】
隣り合う2個の表示灯10の間に、本体11の背面側から連結部材4を矢印Y方向に挿入すると、連結部材4の2個所の突起部6のそれぞれが、2個の表示灯10の本体11で互いに隣り合う側面11Aに形成された2つのアリ溝9のそれぞれに嵌合する。突起部6の上下の端部が楔形状を呈しているため、アリ溝9に対する突起部6の嵌合により、2個の表示灯10は矢印X方向及び矢印Z方向の移動を規制される。
【0036】
また、連結部材4の上側の凸部7Aが隣り合う2個の表示灯10のそれぞれの凹部3Aに同時に上方から係合し、連結部材4の下側の凸部7Bが隣り合う2個の表示灯10のそれぞれの凹部3Bに同時に下方から係合する。凸部7A及び凸部7Bが凹部3A及び凸部3Bにそれぞれ矢印Z方向に係合することにより、2個の表示灯10は矢印Y方向の移動を規制される。
【0037】
隣り合う2個の表示灯10の間に本体11の背面側から単一の連結部材4を矢印Y方向に挿入することで、2個の表示灯10は互いに直交する矢印X,Y,Z方向の3方向の移動が規制され、2個の表示灯10が確実に連結される。
【0038】
凸部7A及び凸部7Bは、楔状を呈するとともに矢印Z方向に弾性的に変位するため、連結部材4を2個の表示灯10の間に背面側から挿入することで、凹部3A及び凹部3Bに容易に係合する。
【0039】
また、2個の表示灯10の矢印Z方向の移動がアリ溝9に対する突起部6の嵌合によって規制されているため、凸部7A及び凸部7Bと凹部3A及び凹部3Bとの係合によって2個の表示灯10の矢印Z方向の移動を規制する必要がない。凸部7A及び凸部7Bを凹部3A及び凹部3Bに対して矢印Z方向に大きな力で押圧する必要はなく、延出部8A,8Bは、矢印Z方向に容易に変形するものとすることができる。凸部7A及び凸部7Bを凹部3A及び凹部3Bから容易に外すことができる。
【0040】
このため、凸部7A及び凸部7Bを凹部3A及び凹部3Bから外した状態で連結部材4を2個の表示灯10の間から引き抜き、2個の表示灯10の連結状態を解除する作業を容易にできる。表示灯10の修理や交換等の作業が容易になる。
【0041】
1個の表示灯10の左右両側に別の表示灯10を配置し、中央の表示灯10の左右両側で別の表示灯10との間に連結部材4を挿入することで、3個の表示灯10が一体的に連結される。複数個の連結部材4を用いて任意の数の表示灯10を一体的に連結することができる。
【0042】
図3は、連結部材によって連結された表示灯を取付用パネルに配置した状態を示す断面図である。表示灯10は、制御盤等の取付用パネル30に形成された孔部31に配置される。孔部31は、本体11の外形寸法に略等しくされている。表示灯10は、本体11が孔部31に取付用パネル30の前面側から挿入される。本体11よりも外形寸法の大きい表示灯10のフランジ部12は、孔部31を通過することができず、取付用パネル30の前面の孔部31の周縁部に当接する。
【0043】
2個の表示灯10の間に背面側から挿入された連結部材4の上面及び下面は、それぞれ本体11の上面及び底面に略面一となる。連結部材4の上面及び下面には、孔部31の内周面の上面及び下面が当接する。連結部材4の上面及び下面を構成する弾性部材8A,8Bは、孔部31の内周面との当接によって矢印Z方向の移動を規制される。
【0044】
表示灯10が取付用パネル30に配置されている状態では、凸部7A及び凸部7Bを凹部3A及び凹部3Bから外することができず、連結部材4を2個の表示灯10の間から引き抜くことができない。これによって、取付用パネル30に配置された複数個の表示灯10の連結状態が堅牢に維持される。
【0045】
複数個の表示灯10を取付用パネル30の孔部31から取り外すと、連結部材4の凸部7A,7Bを矢印Z方向に変位させることができ、一部又は全部の表示灯10の修理又は交換に際して複数の表示灯10の連結状態を容易に解除することができる。
【0046】
図1に示すように、表示灯10の本体11の第1の側面11Aには、アリ溝9内に開口部11Dが形成されている。開口部11Dには、本体11の筐体の内部に収納されている基板の接続端子部41が背面側に露出している。接続端子51は、例えば、基板上に構成された電源回路のコモン側に接続されている。
【0047】
図2に示すように、連結部材4には、スリット21Aを有する取付部21が形成されている。取付部21には、導体20が装着されている。導体20は、導電性を有する金属製の線材を折り曲げて形成されている。導体20の両端部は、連結部材4における矢印X方向の両側で前面側に露出しており、矢印Y方向に弾性的に変位自在にされている。
【0048】
2個の表示灯10の間に連結部材4を挿入した際に、導体20の両端部20A,20Bが2個の表示灯10の開口部11Dに嵌入し、接続端子部41に当接する。連結部材4を2個の表示灯10の間に挿入することで、2個の表示灯10が機械的に確実に連結されると同時に、2個の表示灯10の基板に実装された電気部品が導体20を介して電気的に接続される。
【0049】
図4は、この発明の別の実施形態に係る連結部材を前面側から見た斜視図である。この実施形態に係る連結部材41は、図2に示した連結部材4の取付部21に代えてソケット42A,42Bを備えている。連結部材41のその他の構成は、連結部材4と同様である。ソケット42A及びソケット42Bの内部には、ソケット42A及びソケット42Bの間を連通する導体が備えられている。
【0050】
ソケット42A及びソケット42Bには、2個の表示灯10の本体11の開口部11Dに露出させた接続ピンが嵌入する。隣接する複数の表示灯10の間で電源回路のコモン線のみならず、信号線等を含む複数の線を容易に接続することができる。
【0051】
なお、突起部6を表示灯6の本体11に設け、アリ溝9を連結部材4に設けてもよい。突起部6及びアリ溝9の形状は図示した形状に限るものではなく、2個の表示灯10の矢印X方向及び矢印Z方向の移動を確実に規制できることを条件として種々の形状とすることができる。
【0052】
また、凸部7A,7Bを表示灯6の本体11に設け、凹部3A,3Bを連結部材4に設けてもよい。凹部3A,3B及び凸部7A,7Bの形状は、図示した形状に限るものではなく、2個の表示灯10の矢印Y方向の移動を確実に規制できることを条件として種々の形状とすることができる。
【0053】
さらに、連結部材4によって連結する電気機器は表示灯10に限るものではなく、同一品が少なくとも一方向に複数個一体的に連結して用いられる種々の電気機器にこの発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の実施形態に係る連結構造を適用した電気機器の一例である表示灯を背面側から見た分解斜視図である。
【図2】連結部材を前面側から見た斜視図である。
【図3】連結部材によって連結された表示灯を取付用パネルに配置した状態を示す断面図である。
【図4】この発明の別の実施形態に係る連結部材を前面側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
2A,2B 突起
3A,3B 凹部
4 連結部材
5A,5B溝部
6 突起部
7A,7B 凸部
8A,8B 弾性部材
9 アリ溝
10 表示灯
11 本体
11A 第1の側面
11B 第2の側面
12C 第3の側面
12 フランジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体形状の電気機器を、同一形状の別の電気機器に、少なくとも一つの連結方向に連結する電気機器の連結構造であって、
前記電気機器の側面のうち、隣り合う別の電気機器の側面が対向する第1の側面に形成された第1の機器側係合部、並びに、前記第1の側面に直交する互いに平行な第2及び第3の側面のそれぞれに形成された第2及び第3の機器側係合部と、
隣接する2個の電気機器の間に前記電気機器の前後方向に挿脱自在にされた連結部材であって、前記第1の機器側係合部に係合する第1の部材側係合部を前記連結方向に対向する2個所に備えるとともに、隣り合う2個の電気機器の前記第2の機器側係合部に同時に係合する第2の部材側係合部、及び、隣り合う2個の電気機器の前記第3の機器側係合部に同時に係合する第3の部材側係合部を備えた連結部材と、からなり、
前記第1の機器側係合部及び前記第1の部材側係合部は、一方が他方に対して前記前後方向を除く方向に拘束される溝部及び突起部であり、
前記第2の機器側係合部及び前記第2の部材側係合部は、一方が他方に対して前記前後方向と前記連結方向とに直交する方向に嵌合する凹部及び凸部であり、
前記第3の機器側係合部及び前記第3の部材側係合部は、一方が他方に対して前記前後方向と前記連結方向とに直交する方向に嵌合する凹部及び凸部であり、
前記電気機器は接続端子を前記第1の側面に露出して備え、前記連結部材は前記接続端子に当接する導体を備えたことを特徴とする電気機器の連結構造。
【請求項2】
前記連結部材は、前記第2の部材側係合部及び前記第3の部材側係合部のそれぞれを、前記第2の機器側係合部及び前記第3の機器側係合部に嵌合する方向に付勢する弾性部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電気機器の連結構造。
【請求項3】
前記電気機器は取付用パネルの孔部に該パネルの前面側から挿入され、前記第2の部材側係合部及び前記第3の部材側係合部は、前記第2の機器側係合部及び前記第3の機器側係合部に嵌合した状態で前記孔部の内側面に当接することを特徴とする請求項2に記載の電気機器の連結構造。
【請求項4】
直方体形状の電気機器を、同一形状の別の電気機器に、少なくとも一つの連結方向に連結する電気機器の連結構造であって、
前記電気機器の側面に形成された機器側係合部と、
隣り合う2個の電気機器の前記機器側係合部に同時に係合することで、互いに異なる3方向への移動を規制して前記隣り合う2個の電気機器を連結する部材側係合部を備えた連結部材と、からなり、
前記電気機器は接続端子を前記側面に露出して備え、前記連結部材は前記接続端子に当接する導体を備えたことを特徴とする電気機器の連結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−311073(P2007−311073A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−136792(P2006−136792)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)