電気機器収容装置
【課題】電気機器を収容する収容空間の内部を遮蔽して保護できる、電気機器の収容装置を提供する。
【解決手段】電気機器収容装置は、筐体と、遮蔽部材50と、固定部60とを備える。筐体には、電気機器20を取り外し可能に収容する中空の収容空間15が内部に形成され、収容空間15へ電気機器20を出し入れするための開口部が形成されている。遮蔽部材50は、収容空間15のうち開口部に対し奥側の収容空間17を露出する第一位置と奥側部分を遮蔽する第二位置との間を移動可能に設けられている。固定部60は、遮蔽部材50を第二位置に固定する。電気機器20は、収容空間15内へ移動するとき遮蔽部材50を第二位置から第一位置へ移動させ、収容空間15外へ移動するとき遮蔽部材50を第一位置から第二位置へ移動させる。
【解決手段】電気機器収容装置は、筐体と、遮蔽部材50と、固定部60とを備える。筐体には、電気機器20を取り外し可能に収容する中空の収容空間15が内部に形成され、収容空間15へ電気機器20を出し入れするための開口部が形成されている。遮蔽部材50は、収容空間15のうち開口部に対し奥側の収容空間17を露出する第一位置と奥側部分を遮蔽する第二位置との間を移動可能に設けられている。固定部60は、遮蔽部材50を第二位置に固定する。電気機器20は、収容空間15内へ移動するとき遮蔽部材50を第二位置から第一位置へ移動させ、収容空間15外へ移動するとき遮蔽部材50を第一位置から第二位置へ移動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器収容装置に関し、特に、筐体内の空間に電気機器を取り外し可能に収容する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラック型の筐体に複数のモジュール式の電気機器を搭載して、複数の機器を同一の筐体内に配置し同時に使用することが行なわれている。たとえば、複数のスロットの設けられたケースと、スロットに挿脱自在な電子機器ユニットと、を備え、電子機器ユニットのスロット挿入完了時にスロットに自動的にロックすることにより、電磁機器ユニットの迅速な脱着と不意の落下が防止できる装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−197536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置では、電子機器ユニットをケースから抜いた状態で、スロットの最深部に配置されたケース側コネクタが外部に露出した状態とされており、コネクタに異物が接触する可能性がある。装置全体に電源を投入したまま電子機器ユニットを脱着するホットスワップを行なう場合に、コネクタへの異物の接触が発生すると、短絡などの装置への不具合が発生する可能性がある。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、ホットスワップ時に、電気機器を収容するための収容空間の内部を遮蔽して保護することのできる、電気機器の収容装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電気機器収容装置は、筐体と、遮蔽部材と、固定部とを備える。筐体には、電気機器を取り外し可能に収容する中空の収容空間が内部に形成され、収容空間へ電気機器を出し入れするための開口部が形成されている。遮蔽部材は、収容空間のうち開口部に対し奥側の奥側部分を露出する第一位置と奥側部分を遮蔽する第二位置との間を移動可能に設けられている。固定部は、遮蔽部材を第二位置に固定する。電気機器は、収容空間内へ移動するとき遮蔽部材を第二位置から第一位置へ移動させ、収容空間外へ移動するとき遮蔽部材を第一位置から第二位置へ移動させる。
【0007】
上記電気機器収容装置において好ましくは、遮蔽部材は、第一位置から第二位置へ自重で移動し、第二位置から第一位置へ電気機器により押し上げられる。
【0008】
上記電気機器収容装置において好ましくは、位置決め部を備える。位置決め部は、遮蔽部材が第一位置から第二位置へ移動するとき、遮蔽部材の第二位置への位置決めを行なう。好ましくは、位置決め部は、磁石を含み、遮蔽部材は、磁性材料により形成されており、遮蔽部材は、磁石に磁着することにより第二位置に位置決めされる。
【0009】
上記電気機器収容装置において好ましくは、電気機器は、固定部による遮蔽部材の第二位置での固定を解除する解除部を含む。
【0010】
上記電気機器収容装置において好ましくは、奥側部分には、箱側端子が配置されており、電気機器は、機器側端子を有し、電気機器の収容空間内への移動により、機器側端子が箱側端子に接続され、電気機器に通電する。
【0011】
上記電気機器収容装置において好ましくは、筐体は、複数の電気機器を収容可能に設けられており、第一の電気機器への通電中に、第二の電気機器の収容空間への出し入れが可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電気機器収容装置によると、ホットスワップ時に、電気機器を収容するための収容空間の内部を遮蔽して保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施の形態の電気機器収容装置1の外観を示す斜視図である。
【図2】モジュールの斜視図である。
【図3】モジュールの側面付近を拡大して示す部分斜視図である。
【図4】筐体に形成された収容空間を開口部側から見た模式図である。
【図5】固定部付近を拡大して示す部分斜視図である。
【図6】固定部を形成する掛け金の構成を示す模式図である。
【図7】位置決め部付近を拡大して示す部分斜視図である。
【図8】位置決め部の構成を示す分解斜視図である。
【図9】位置決め部が一体に組み付けられた状態の側面図である。
【図10】仕切板の構成を示す斜視図である。
【図11】モジュールが筐体の内部に収容された状態を示す模式図である。
【図12】モジュールの筐体からの取り外し中の状態を示す第一の図である。
【図13】モジュールの筐体からの取り外し中の状態を示す第二の図である。
【図14】図13に示す状態での固定部付近を拡大して示す模式図である。
【図15】モジュールの筐体からの取り外し中の状態を示す第三の図である。
【図16】図15に示す状態での固定部付近を拡大して示す模式図である。
【図17】モジュールの筐体からの取り外し中の状態を示す第四の図である。
【図18】固定部の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0015】
図1は、本実施の形態の電気機器収容装置1の外観を示す斜視図である。図1に示すように、電気機器収容装置1は、筐体10を備える。筐体10は、直方体の箱型の外形を有し、底面の四箇所にキャスタ12が設けられ平坦な床面上を移動可能に設けられている。筐体10の移動が不要であれば、キャスタ12の無い構成としてもよい。筐体10は、ラック型の形状を有する。筐体10には、モジュール20,31〜36を例とする複数の電気機器をそれぞれ別々に収容可能な、空間が形成されている。筐体10の側壁のうちの一つに、モジュール20,31〜36を挿入するための、開口部が形成されている。
【0016】
モジュール20,31〜36の各々は、筐体10から取り外し可能とされている。図1中の両矢印に示すように、モジュール20は、筐体10の内部から引き出すことが可能であり、または、筐体10内へ押込んで筐体10の内部へ収納することが可能である。モジュール20は、筐体10の内部に形成された中空の空間内に、取り外し可能に収容されている。モジュール31〜36もまた、モジュール20と同様に、筐体10に取り外し可能に収容されている。図1において、モジュール31〜36は筐体10に完全に収容されており、モジュール20は筐体10への収容または筐体1からの抜き出しのための移動途中である。そのため、図1では、移動途中のモジュール20の前面21側の一部が、筐体10の外部に配置されている。
【0017】
モジュール20,31〜36は、それぞれ別々の種類の電気機器であってもよい。または、モジュール20,31〜36の一部または全部は、同じ種類の電気機器であってもよい。たとえば、モジュール31は入出力モジュール、モジュール32は切換モジュール、モジュール33は制御モジュール、モジュール34,20はバッテリモジュール、モジュール35,36はパワーモジュールであってもよい。モジュールの種類、各種のモジュール毎の個数および配置は、任意に決定されてもよい。
【0018】
以下、モジュール20を例として、本実施の形態の電気機器収容装置1に収容される電気機器の構成、ならびに、電気機器の筐体10からの取り出しおよび筐体10への収容について、説明する。
【0019】
図2は、モジュール20の斜視図である。モジュール20は、略矩形箱状の外形に形成されており、前面21と、背面22と、側面23とを有する。モジュール20が筐体10に収容された状態において、前面21が手前側に、背面22が奥側に配置される。背面22には、モジュール20と他の電気装置とを電気的に接続する機器側端子としての端子28が取り付けられている。側面23には、レール40が取付けられている。
【0020】
図3は、モジュール20の側面23付近を拡大して示す部分斜視図である。図3に示すように、レール40は、アングル材形状に形成されており、L字状の断面を有する。レール40は、モジュール20の前面21および背面22に対して直交する方向に沿って延在している。レール40は、筐体10への出し入れのためのモジュール20の移動方向に沿って延在している。レール40は、側面23に固定された板状部42と、側面23に対して直交して側面23から突出する板状部41と、を有する。板状部41,42は、細長く延びる平板の形状を有する。レール40は、板状部41,42の長辺同士が接合された形状を有する。板状部41は、レール40のL字状の一辺を形成し、板状部42は、レール40のL字状の他辺を形成する。
【0021】
図4は、筐体10に形成された収容空間を開口部側から見た模式図である。図4には、モジュール20が筐体10から完全に抜き取られた状態の、中空の状態の収容空間が図示されている。筐体10の側壁の内側の相対向する二面には、モジュール20を支持するための一対の支持梁13,14が固定されている。モジュール20は、支持梁13,14に沿って、収容空間内をスライド移動可能に形成されている。収容空間の内部には、仕切板50が設けられている。仕切板50は、収容空間を、開口部に近い手前側と開口部から離れる奥側とに仕切り、収容空間を二分割する。仕切板50は、詳細を後述するように、移動可能に設けられている。
【0022】
支持梁13が固定される側の、筐体10の側壁の内面には、仕切板50を固定するための固定部60が設けられている。仕切板50には、仕切板50を厚み方向に貫通する貫通孔51が形成されている。固定部60は、貫通孔51を貫通して仕切板50の両面側に亘って配置されることにより、仕切板50を固定する。支持梁14が固定される側の、筐体10の側壁の内面には、固定部60により仕切板50が固定されるべき位置に仕切板50を一時的に位置決めするための、位置決め部70が設けられている。
【0023】
図5は、固定部60付近を拡大して示す部分斜視図である。図6は、固定部60を形成する掛け金の構成を示す模式図である。固定部60は、先端側の鉤部61と、根元側の根元部62とを有する。鉤部61と根元部62との間には、固定部60の一部が除去された切欠き部63が形成されている。根元部62には、固定部60を厚み方向に貫通する貫通孔64が形成されている。貫通孔64には、図5に示すピン66が挿通される。このピン66が筐体10の側壁の内面に固定されることにより、固定部60はピン66を回動軸として、筐体10に対して回動自在に取付けられる。
【0024】
図4および図5に示す、固定部60によって仕切板50が固定されている状態では、固定部60の鉤部61が仕切板50に対し奥側にあり、根元部62は仕切板50に対し手前側にある。固定部60が自重によってピン66を中心として回転移動して、鉤部61が下方へ移動することにより、切欠き部63が仕切板50に係合する。このとき、掛け金状の固定部60により、仕切板50がロックされる。
【0025】
掛け金状の固定部60の移動によって仕切板50が固定され、仕切板50の固定のために固定部60が変形することがないため、仕切板50の固定および固定の解除を多数回繰り返した後でも、確実に仕切板50を固定できる。掛け金状の固定部60は、小さい外形で確実に仕切板50を固定できるので、装置の省スペース化を達成できる。
【0026】
図7は、位置決め部70付近を拡大して示す部分斜視図である。図8は、位置決め部70の構成を示す分解斜視図である。図9は、位置決め部70が一体に組み付けられた状態の側面図である。位置決め部70は、永久磁石であるマグネット71と、マグネット71を収納するマグネットキャッチ74と、位置決め部70を筐体10の側壁の内面に固定する固定板75とを含む。固定板75には、平板状の固定板75を厚み方向に貫通する貫通孔76が形成されている。
【0027】
図9に示す位置決め部70が組み付けられた状態で、マグネット71は、固定板75に形成された貫通孔76を貫通してマグネットキャッチ74内に収納され、固定板75の表面77側と裏面78側とに亘って配置されている。図7に示す、位置決め部70が筐体10に固定されたとき、モジュール20を収容するための収容空間の手前側のマグネット71はマグネットキャッチ74により覆われ、収容空間の奥側のマグネット71は露出している。
【0028】
仕切板50は、たとえば鋼などの磁性材料により形成されている。仕切板50が収容空間内を移動して、仕切板50の表面の一部がマグネット71に接触すると、仕切板50はマグネット71に磁着する。これにより、固定部60により固定されていない状態の仕切板50が、固定部60により固定されるべき位置において、位置決めされる。
【0029】
図10は、仕切板50の構成を示す斜視図である。図10に示すように、仕切板50は、平板状の本体部52と、本体部52に対して折り曲げられた形状の一対の折り曲げ部53,55と、を有する。折り曲げ部53,55は、平板状に形成され、それぞれ本体部52に対して直交する方向に延在し、互いに平行に設けられている。
【0030】
仕切板50の本体部52の、折り曲げ部53側の縁部には、固定部60を受け容れるための貫通孔51が形成されている。折り曲げ部53には、折り曲げ部53を厚み方向に貫通する貫通孔54が形成されている。折り曲げ部55には、折り曲げ部55を厚み方向に貫通する貫通孔56が形成されている。貫通孔54,56は、平行に設けられた折り曲げ部53,55に直交する同一直線上に形成されている。貫通孔54,56にピンが挿通され、当該ピンが筐体10に固定されることにより、仕切板50は筐体10に取り付けられる。仕切板50は、貫通孔54,56に挿通されたピンを回動軸として、回動可能に筐体10に取付けられる。
【0031】
図11は、モジュール20が筐体10の内部に収容された状態を示す模式図である。図11および後述する図12,13および15において、モジュール20と、モジュール20に対し下側のモジュール34および上側のモジュール35(図1を併せて参照)と、が図示されている。図11では、モジュール34,20および35が、筐体10の内部の上下方向に隣接する収容空間内に、それぞれ収容されている。
【0032】
モジュール34の前面側にはカバー84が設けられ、モジュール35の前面側にはカバー85が設けられている。モジュール20の前面21側からは、モジュール20を覆うカバーが取り外されており、そのためモジュール20が外部に露出している。モジュール20は、筐体10の側壁の一方に形成された開口部19を介して、前面21側が外部に露出している。図ではモジュール20の前面21は平坦な形状であるが、モジュール20の筐体10への収納または筐体10からの抜き出し時に作業員がモジュール20を容易に移動できるように、前面21に持ち手が取り付けられてもよい。
【0033】
モジュール20は、支持梁13,14上に載置され、支持梁13,14によって支持されている。モジュール20の背面22に取付けられた端子28は、筐体10に取付けられた箱側端子としての端子18と接続している。端子18,28の接続により、モジュール20が外部と電気的に接続される。モジュール20がバッテリモジュールの場合、端子18は充電部であり、端子18,28の接続によりバッテリモジュールの充電が行なわれる。
【0034】
固定部60は、上述した通りピン66により根元部62が筐体10に取付けられている。固定部60は、モジュール20に固定されたレール40の板状部41の上面によって支持されている。モジュール20の移動に伴って、固定部60は、レール40に対して相対的にスライド移動する。
【0035】
仕切板50は、モジュール20の上側のモジュール35を収容する筐体10の側壁に取付けられている。仕切板50は、モジュール20の上面によって、モジュール35側へ押し上げられている。仕切板50を構成する本体部52、折り曲げ部53,55は、水平方向に延在している。仕切板50は、本体部52がモジュール20の上面に載り、折り曲げ部53,55がモジュール35の収容空間内に配置され、仕切板50の全体がモジュール20の移動の妨げとならないように配置されている。図11に示す仕切板50の配置において、仮想的にモジュール20が筐体10内にない場合を考えると、収容空間のうち開口部19に対し奥側の部分と、当該部分内にある端子18とは、開口部19に対して露出している。図11に示す仕切板50の配置を、第一位置と称する。
【0036】
図12は、モジュール20の筐体10からの取り外し中の状態を示す第一の図である。モジュール20は、図12中の矢印方向に移動して、筐体10に形成された開口部19を経由して、筐体10から引き出される。このモジュール20の移動に伴って、仕切板50は、モジュール20を収容するための収容空間15側へ降下する。収容空間15は、筐体10の内部に形成された、モジュール20を収容するための中空の空間である。開口部19は、収容空間15へモジュール20を出し入れするために形成されている。
【0037】
モジュール20の移動に従って、仕切板50は、モジュール20により支持されながら、自重により貫通孔54,56の位置を軸として回転移動する。モジュール20は、収容空間15から抜き出され収容空間15外へ移動するとき、仕切板50の支持を維持しながら仕切板50を移動させる。モジュール20は、仕切板50の自重により仕切板50に作用する重力と、モジュール20が仕切板50に及ぼす仕切板50を下方から支える力と、の力の釣り合いを保ちながら、仕切板50を移動させる。モジュール20の移動に伴って、仕切板50は下方へ移動する。仕切板50の自重による移動によって、収容空間15は徐々に、仕切板50によって収容空間15が仕切られた閉状態へと近づく。
【0038】
図13は、モジュール20の筐体10からの取り外し中の状態を示す第二の図である。図12に示す位置からモジュール20がさらに引き出されることにより、仕切板50はさらに回転移動する。仕切板50は、仕切板50を構成する本体部52、折り曲げ部53,55が各々鉛直方向に延在する垂直状態になるまで、貫通孔54,56回りに回転移動する。図13に示す仕切板50の配置を、第二位置と称する。モジュール20は、仕切板50を第一位置から第二位置へ移動させる。仕切板50は、モジュール20の移動に伴って第一位置から第二位置まで移動する。第二位置において、仕切板50はモジュール20によって支持されなくなる。
【0039】
第一位置から移動して第二位置にまで到達すると、仕切板50は、位置決め部70のマグネット71に磁力により固定される。仕切板50のマグネット71との磁着によって、仕切板50は第二位置に位置決めされる。マグネット71は、第二位置に移動してきた仕切板50を確実に位置決めできるとともに、後述するようにモジュール20によって仕切板50が押されると簡単に仕切板50との磁着が外れる程度の磁力を有するように、規定される。
【0040】
このとき、仕切板50に形成された貫通孔51に、掛け金状の固定部60が挿通される。図14は、図13に示す状態での固定部60付近を拡大して示す模式図である。図14に示すように、固定部60の鉤部61が貫通孔51に挿通され、固定部60は仕切板50の本体部52の厚み方向の両側に亘って配置されている。図14の配置では、固定部60の根元部62は依然としてレール40によって支持されており、固定部60と筐体10との相対位置は変化しておらず、固定部60は貫通孔64回りに回転していない。そのため、鉤部61が貫通孔51に挿通されるものの、固定部60は仕切板50に係合していない状態である。
【0041】
図15は、モジュール20の筐体10からの取り外し中の状態を示す第三の図である。図16は、図15に示す状態での固定部60付近を拡大して示す模式図である。図13に示す位置からモジュール20がさらに引き出されることにより、固定部60はレール40に対し相対的にスライド移動する。レール40がモジュール20と共に移動することにより、レール40による固定部60の根元部62の支持が小さくなり、遂には固定部60がレール40により支持されなくなる。
【0042】
レール40による固定部60の支持が外れると、固定部60は、固定部60の自重により、貫通孔64に挿通されたピン66を軸として、回転移動する。固定部60の回転移動により、鉤部61は下方へ移動する。図14に示した、仕切板50の貫通孔51に鉤部61が挿通され、貫通孔51を経由して切欠き部63が本体部52の厚み方向の両側に亘って配置された状態から、鉤部61が仕切板50に当接するまで固定部60は貫通孔64を中心に回転移動する。これにより、仕切板50の一部が切欠き部63の内部に配置され、固定部60が仕切板50と係合するので、仕切板50が上述した第二位置に固定される。
【0043】
図17は、モジュール20の筐体10からの取り外し中の状態を示す第四の図である。図17には、図15に示す位置からモジュール20がさらに引き出された状態を平面視した図が示される。仕切板50により、モジュール20を収容するための収容空間15は、開口部19側の第一の収容空間16と、奥側の第二の収容空間17と、に仕切られる。第二位置にある仕切板50によって仕切られた収容空間16は、収容空間15のうちの、開口部19側の手前側部分を形成する。第二位置にある仕切板50によって仕切られた収容空間17は、収容空間15のうちの、開口部19に対し奥側の奥側部分を形成する。
【0044】
可動式の仕切板50が第二位置にロックされることにより、開口部19に対し収容空間17が遮蔽され、収容空間17への開口部19側からのアクセスが禁止される。収容空間17内に配置された端子18は、開口部19に対し、仕切板50によって遮蔽される。仕切板50は、第一位置と第二位置との間を移動可能に設けられ、第二位置に配置されることにより収容空間17を遮蔽する、遮蔽部材としての機能を有する。
【0045】
モジュール20が収容空間15内に収容された状態で、仕切板50は第一位置に配置され、仕切板50はモジュール20の上面に当接しモジュール20によって支持される。モジュール20の収容空間15外への抜き出しに伴って仕切板50が自重で下方へ移動し、第一位置から第二位置へ移動する。その後モジュール20をさらに抜き出すと、固定部60が自重で移動し、固定部60によって仕切板50が第二位置に固定される。モジュール20を筐体10から完全に抜き出したとき、仕切板50によって収容空間15が手前側と奥側とに仕切られ、奥側の収容空間17は遮蔽される。よって、収容空間17の内部にある端子18を保護することができるので、端子18への異物の接触および短絡などの不具合の発生を回避することができる。
【0046】
仕切板50および固定部60は、モジュール20の移動に従って自重で移動して、第二位置に仕切板50を固定する。仕切板50および固定部60の移動のための追加的な構成および動力は必要なく、また仕切板50の固定のための追加的な手順を必要としない。そのため、簡単な構成で仕切板50を固定でき、仕切板50および固定部60の移動のための動力費の増加を回避でき、モジュール20を筐体10から取り外したとき確実に端子18が遮蔽され保護された状態にすることができる。
【0047】
仕切板50が第一位置から第二位置へ自重で移動するとき、位置決め部70によって、仕切板50は第二位置に位置決めされる。そのため、確実に固定部60を仕切板50に係合させて、仕切板50を固定させることができる。仕切板50が位置決めされなければ、第二位置への移動時に仕切板50がはね返り、仕切板50が第二位置の近傍で揺動すると考えられる。仕切板50が第二位置に配置されなければ、レール40による支持がなくなり固定部60が移動するとき、固定部60が仕切板50に係合できない可能性がある。位置決め部70を利用して仕切板50を位置決めすることで、確実に仕切板50を第二位置に固定することができる。位置決め部70がマグネット71を含み、マグネット71と仕切板50との磁着によって仕切板50を位置決めすることで、より単純な構成で仕切板50を位置決めすることができる。
【0048】
図11〜17を参照した上記の説明と逆の手順を経ることにより、モジュール20を筐体10に収容することができる。図16に示す固定部60がレール40から外れた状態から、モジュール20の移動に伴ってレール40を図16中の左方向へ移動させることにより、レール40の板状部41の上面が固定部60の根元部62の下端部に当接する。その後レール40をさらに左方向へ移動させると、レール40の板状部41によって固定部60が持ち上げられ、固定部60は貫通孔64回りに回転移動する。固定部60の根元部62がレール40によって支持されるまで固定部60が持ち上げられると、固定部60と仕切板50との係合が外れ、図14に示すように、固定部60が貫通孔51に挿通されているものの固定部60と仕切板50とが係合していない状態になる。
【0049】
図16に示す固定部60と仕切板50とが係合する状態で、根元部62の下端部は、レール40の板状部41の延在方向に対して傾斜する方向に延びる。図16に示す状態で、根元部62の下端部の、切欠き部63と反対側の端部は、板状部41の上面よりも上方に配置される。このように固定部60を配置すれば、固定部60がレール40の移動を妨げることを回避できる。モジュール20の収容空間15への押込みに伴うレール40の移動に従って、レール40を利用して固定部60が押し上げられ、仕切板50が固定部60によって固定されていない状態にする。レール40は、固定部60による仕切板50の第二位置での固定を解除する解除部としての機能を有する。
【0050】
続いて、モジュール20を収容空間15内にさらに押込むと、モジュール20と仕切板50とが当接する。さらにモジュール20を押込むと、仕切板50がモジュール20によって押し上げられる。モジュール20から力を受けた仕切板50が、貫通孔54,56回りに回転移動して、収容空間15から上方へ移動し、モジュール35の収容された空間側へ移動する。仕切板50は最終的に、上述した第一位置に配置され、モジュール20の移動を妨げなくなる。
【0051】
その後さらに、収容空間15内に完全に収容されるまでモジュール20を移動させると、モジュール20に設けられた端子28が、開口部19に対して奥側の収容空間17内に設けられた端子18に接続される。端子18,28の電気的な接続により、モジュール20への通電が行なわれるようになる。筐体10に対して着脱可能に設けられたモジュール20を収容空間15内に収容することにより、端子28が端子18に装着され、モジュール20が外部の電気装置と電気的に接続されるようになる。
【0052】
モジュール20の収容空間15内への移動に従って、レール40が固定部60を押すことを利用して、固定部60を移動させる。固定部60が移動すると、固定部60による仕切板50の固定が解除される。さらにモジュール20が仕切板50を押すことによって、仕切板50を移動させる。モジュール20により仕切板50が押し上げられて、仕切板50は第二位置から第一位置へ移動する。仕切板50および固定部60の移動のための追加的な構成および動力は必要ない。そのため、簡単な構成で仕切板50の固定を解除すると共に固定部60および仕切板50を移動でき、固定部60および仕切板50の移動のための動力費の増加を回避できる。
【0053】
図18は、固定部の変形例を示す斜視図である。上述した掛け金状の固定部60を利用して仕切板50を第二位置に固定する構成に限られず、たとえば図18に示す変形例の固定部160を使用してもよい。図18に示す固定部160は、根元部162に形成された貫通孔164にピンが挿通されて筐体10の側壁の内面に固定され、筐体10の側壁に沿って配置される。突起部163は、筐体10の内部の収容空間15へ向かって突起する。仕切板50には、本体部52に形成された貫通孔51に替えて、折り曲げ部53に貫通孔が形成される。折り曲げ部53に形成された貫通孔に鉤部161が係合して、仕切板50は固定部160によって固定される。
【0054】
モジュール20が開口部19を経由して収容空間15内に挿入されるとき、突起部163がモジュール20に当接して、鉤部161が図18に示すDR1方向に移動するように固定部160は弾性変形する。これにより、鉤部161が筐体10の側壁に近接する側に移動するので、鉤部161と仕切板50との係合が外れ、仕切板50が固定されていない状態になる。その後仕切板50がモジュール20に当接して、モジュール20が仕切板50を押し上げることにより、モジュール20は収容空間15に収容される。
【0055】
モジュール20を収容空間15から抜き出すとき、突起部163がモジュール20の側面23に接触しなくなるまでモジュール20が移動すると、モジュール20による固定部160の押圧が解除されるので、鉤部161が図18に示すDR2方向に移動するように固定部160は変形する。これにより、鉤部161が筐体10の側壁から離れる側に移動し、仕切板50の折り曲げ部53に形成された貫通孔に鉤部161が係合することにより、仕切板50が固定される。したがって、モジュール20を筐体10から完全に抜き出したとき、仕切板50よりも奥側にある端子18を遮蔽して保護することができる。
【0056】
以上説明した電気機器収容装置1では、装置全体に電源を投入し筐体10に収容された複数のモジュール20,31〜36に通電した状態で、一部のモジュールの収容空間への出し入れを行なう、ホットスワップが可能である。たとえば、モジュール31〜36の運転中に、モジュール20を収容空間15から抜き出して交換することができる。モジュール20を抜き出したとき、筐体10側の端子18は通電中の状態である。ホットスワップ時に、仕切板50を用いて開口部19に対して収容空間17を遮蔽して端子18を保護することにより、通電中の端子18への外部からのアクセスを禁止することができる。したがって、通電中にモジュール20を交換するときの、端子18への異物の接触および短絡などの不具合の発生を、確実に防止することができる。
【0057】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の電気機器収容装置は、複数のバッテリモジュールを備えバッテリモジュールのホットスワップを可能とする無停電電源装置に、特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0059】
1 電気機器収容装置、10 筐体、13,14 支持梁、15,16,17 収容空間、18,28 端子、19 開口部、20,31〜36 モジュール、21 前面、22 背面、23 側面、40 レール、41,42 板状部、50 仕切板、51,54,56 貫通孔、52 本体部、53,55 折り曲げ部,60 固定部、61 鉤部、62 根元部、63 切欠き部、64 貫通孔、66 ピン、70 位置決め部、71 マグネット、74 マグネットキャッチ、75 固定板、84,85 カバー。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器収容装置に関し、特に、筐体内の空間に電気機器を取り外し可能に収容する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラック型の筐体に複数のモジュール式の電気機器を搭載して、複数の機器を同一の筐体内に配置し同時に使用することが行なわれている。たとえば、複数のスロットの設けられたケースと、スロットに挿脱自在な電子機器ユニットと、を備え、電子機器ユニットのスロット挿入完了時にスロットに自動的にロックすることにより、電磁機器ユニットの迅速な脱着と不意の落下が防止できる装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−197536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置では、電子機器ユニットをケースから抜いた状態で、スロットの最深部に配置されたケース側コネクタが外部に露出した状態とされており、コネクタに異物が接触する可能性がある。装置全体に電源を投入したまま電子機器ユニットを脱着するホットスワップを行なう場合に、コネクタへの異物の接触が発生すると、短絡などの装置への不具合が発生する可能性がある。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、ホットスワップ時に、電気機器を収容するための収容空間の内部を遮蔽して保護することのできる、電気機器の収容装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電気機器収容装置は、筐体と、遮蔽部材と、固定部とを備える。筐体には、電気機器を取り外し可能に収容する中空の収容空間が内部に形成され、収容空間へ電気機器を出し入れするための開口部が形成されている。遮蔽部材は、収容空間のうち開口部に対し奥側の奥側部分を露出する第一位置と奥側部分を遮蔽する第二位置との間を移動可能に設けられている。固定部は、遮蔽部材を第二位置に固定する。電気機器は、収容空間内へ移動するとき遮蔽部材を第二位置から第一位置へ移動させ、収容空間外へ移動するとき遮蔽部材を第一位置から第二位置へ移動させる。
【0007】
上記電気機器収容装置において好ましくは、遮蔽部材は、第一位置から第二位置へ自重で移動し、第二位置から第一位置へ電気機器により押し上げられる。
【0008】
上記電気機器収容装置において好ましくは、位置決め部を備える。位置決め部は、遮蔽部材が第一位置から第二位置へ移動するとき、遮蔽部材の第二位置への位置決めを行なう。好ましくは、位置決め部は、磁石を含み、遮蔽部材は、磁性材料により形成されており、遮蔽部材は、磁石に磁着することにより第二位置に位置決めされる。
【0009】
上記電気機器収容装置において好ましくは、電気機器は、固定部による遮蔽部材の第二位置での固定を解除する解除部を含む。
【0010】
上記電気機器収容装置において好ましくは、奥側部分には、箱側端子が配置されており、電気機器は、機器側端子を有し、電気機器の収容空間内への移動により、機器側端子が箱側端子に接続され、電気機器に通電する。
【0011】
上記電気機器収容装置において好ましくは、筐体は、複数の電気機器を収容可能に設けられており、第一の電気機器への通電中に、第二の電気機器の収容空間への出し入れが可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電気機器収容装置によると、ホットスワップ時に、電気機器を収容するための収容空間の内部を遮蔽して保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施の形態の電気機器収容装置1の外観を示す斜視図である。
【図2】モジュールの斜視図である。
【図3】モジュールの側面付近を拡大して示す部分斜視図である。
【図4】筐体に形成された収容空間を開口部側から見た模式図である。
【図5】固定部付近を拡大して示す部分斜視図である。
【図6】固定部を形成する掛け金の構成を示す模式図である。
【図7】位置決め部付近を拡大して示す部分斜視図である。
【図8】位置決め部の構成を示す分解斜視図である。
【図9】位置決め部が一体に組み付けられた状態の側面図である。
【図10】仕切板の構成を示す斜視図である。
【図11】モジュールが筐体の内部に収容された状態を示す模式図である。
【図12】モジュールの筐体からの取り外し中の状態を示す第一の図である。
【図13】モジュールの筐体からの取り外し中の状態を示す第二の図である。
【図14】図13に示す状態での固定部付近を拡大して示す模式図である。
【図15】モジュールの筐体からの取り外し中の状態を示す第三の図である。
【図16】図15に示す状態での固定部付近を拡大して示す模式図である。
【図17】モジュールの筐体からの取り外し中の状態を示す第四の図である。
【図18】固定部の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0015】
図1は、本実施の形態の電気機器収容装置1の外観を示す斜視図である。図1に示すように、電気機器収容装置1は、筐体10を備える。筐体10は、直方体の箱型の外形を有し、底面の四箇所にキャスタ12が設けられ平坦な床面上を移動可能に設けられている。筐体10の移動が不要であれば、キャスタ12の無い構成としてもよい。筐体10は、ラック型の形状を有する。筐体10には、モジュール20,31〜36を例とする複数の電気機器をそれぞれ別々に収容可能な、空間が形成されている。筐体10の側壁のうちの一つに、モジュール20,31〜36を挿入するための、開口部が形成されている。
【0016】
モジュール20,31〜36の各々は、筐体10から取り外し可能とされている。図1中の両矢印に示すように、モジュール20は、筐体10の内部から引き出すことが可能であり、または、筐体10内へ押込んで筐体10の内部へ収納することが可能である。モジュール20は、筐体10の内部に形成された中空の空間内に、取り外し可能に収容されている。モジュール31〜36もまた、モジュール20と同様に、筐体10に取り外し可能に収容されている。図1において、モジュール31〜36は筐体10に完全に収容されており、モジュール20は筐体10への収容または筐体1からの抜き出しのための移動途中である。そのため、図1では、移動途中のモジュール20の前面21側の一部が、筐体10の外部に配置されている。
【0017】
モジュール20,31〜36は、それぞれ別々の種類の電気機器であってもよい。または、モジュール20,31〜36の一部または全部は、同じ種類の電気機器であってもよい。たとえば、モジュール31は入出力モジュール、モジュール32は切換モジュール、モジュール33は制御モジュール、モジュール34,20はバッテリモジュール、モジュール35,36はパワーモジュールであってもよい。モジュールの種類、各種のモジュール毎の個数および配置は、任意に決定されてもよい。
【0018】
以下、モジュール20を例として、本実施の形態の電気機器収容装置1に収容される電気機器の構成、ならびに、電気機器の筐体10からの取り出しおよび筐体10への収容について、説明する。
【0019】
図2は、モジュール20の斜視図である。モジュール20は、略矩形箱状の外形に形成されており、前面21と、背面22と、側面23とを有する。モジュール20が筐体10に収容された状態において、前面21が手前側に、背面22が奥側に配置される。背面22には、モジュール20と他の電気装置とを電気的に接続する機器側端子としての端子28が取り付けられている。側面23には、レール40が取付けられている。
【0020】
図3は、モジュール20の側面23付近を拡大して示す部分斜視図である。図3に示すように、レール40は、アングル材形状に形成されており、L字状の断面を有する。レール40は、モジュール20の前面21および背面22に対して直交する方向に沿って延在している。レール40は、筐体10への出し入れのためのモジュール20の移動方向に沿って延在している。レール40は、側面23に固定された板状部42と、側面23に対して直交して側面23から突出する板状部41と、を有する。板状部41,42は、細長く延びる平板の形状を有する。レール40は、板状部41,42の長辺同士が接合された形状を有する。板状部41は、レール40のL字状の一辺を形成し、板状部42は、レール40のL字状の他辺を形成する。
【0021】
図4は、筐体10に形成された収容空間を開口部側から見た模式図である。図4には、モジュール20が筐体10から完全に抜き取られた状態の、中空の状態の収容空間が図示されている。筐体10の側壁の内側の相対向する二面には、モジュール20を支持するための一対の支持梁13,14が固定されている。モジュール20は、支持梁13,14に沿って、収容空間内をスライド移動可能に形成されている。収容空間の内部には、仕切板50が設けられている。仕切板50は、収容空間を、開口部に近い手前側と開口部から離れる奥側とに仕切り、収容空間を二分割する。仕切板50は、詳細を後述するように、移動可能に設けられている。
【0022】
支持梁13が固定される側の、筐体10の側壁の内面には、仕切板50を固定するための固定部60が設けられている。仕切板50には、仕切板50を厚み方向に貫通する貫通孔51が形成されている。固定部60は、貫通孔51を貫通して仕切板50の両面側に亘って配置されることにより、仕切板50を固定する。支持梁14が固定される側の、筐体10の側壁の内面には、固定部60により仕切板50が固定されるべき位置に仕切板50を一時的に位置決めするための、位置決め部70が設けられている。
【0023】
図5は、固定部60付近を拡大して示す部分斜視図である。図6は、固定部60を形成する掛け金の構成を示す模式図である。固定部60は、先端側の鉤部61と、根元側の根元部62とを有する。鉤部61と根元部62との間には、固定部60の一部が除去された切欠き部63が形成されている。根元部62には、固定部60を厚み方向に貫通する貫通孔64が形成されている。貫通孔64には、図5に示すピン66が挿通される。このピン66が筐体10の側壁の内面に固定されることにより、固定部60はピン66を回動軸として、筐体10に対して回動自在に取付けられる。
【0024】
図4および図5に示す、固定部60によって仕切板50が固定されている状態では、固定部60の鉤部61が仕切板50に対し奥側にあり、根元部62は仕切板50に対し手前側にある。固定部60が自重によってピン66を中心として回転移動して、鉤部61が下方へ移動することにより、切欠き部63が仕切板50に係合する。このとき、掛け金状の固定部60により、仕切板50がロックされる。
【0025】
掛け金状の固定部60の移動によって仕切板50が固定され、仕切板50の固定のために固定部60が変形することがないため、仕切板50の固定および固定の解除を多数回繰り返した後でも、確実に仕切板50を固定できる。掛け金状の固定部60は、小さい外形で確実に仕切板50を固定できるので、装置の省スペース化を達成できる。
【0026】
図7は、位置決め部70付近を拡大して示す部分斜視図である。図8は、位置決め部70の構成を示す分解斜視図である。図9は、位置決め部70が一体に組み付けられた状態の側面図である。位置決め部70は、永久磁石であるマグネット71と、マグネット71を収納するマグネットキャッチ74と、位置決め部70を筐体10の側壁の内面に固定する固定板75とを含む。固定板75には、平板状の固定板75を厚み方向に貫通する貫通孔76が形成されている。
【0027】
図9に示す位置決め部70が組み付けられた状態で、マグネット71は、固定板75に形成された貫通孔76を貫通してマグネットキャッチ74内に収納され、固定板75の表面77側と裏面78側とに亘って配置されている。図7に示す、位置決め部70が筐体10に固定されたとき、モジュール20を収容するための収容空間の手前側のマグネット71はマグネットキャッチ74により覆われ、収容空間の奥側のマグネット71は露出している。
【0028】
仕切板50は、たとえば鋼などの磁性材料により形成されている。仕切板50が収容空間内を移動して、仕切板50の表面の一部がマグネット71に接触すると、仕切板50はマグネット71に磁着する。これにより、固定部60により固定されていない状態の仕切板50が、固定部60により固定されるべき位置において、位置決めされる。
【0029】
図10は、仕切板50の構成を示す斜視図である。図10に示すように、仕切板50は、平板状の本体部52と、本体部52に対して折り曲げられた形状の一対の折り曲げ部53,55と、を有する。折り曲げ部53,55は、平板状に形成され、それぞれ本体部52に対して直交する方向に延在し、互いに平行に設けられている。
【0030】
仕切板50の本体部52の、折り曲げ部53側の縁部には、固定部60を受け容れるための貫通孔51が形成されている。折り曲げ部53には、折り曲げ部53を厚み方向に貫通する貫通孔54が形成されている。折り曲げ部55には、折り曲げ部55を厚み方向に貫通する貫通孔56が形成されている。貫通孔54,56は、平行に設けられた折り曲げ部53,55に直交する同一直線上に形成されている。貫通孔54,56にピンが挿通され、当該ピンが筐体10に固定されることにより、仕切板50は筐体10に取り付けられる。仕切板50は、貫通孔54,56に挿通されたピンを回動軸として、回動可能に筐体10に取付けられる。
【0031】
図11は、モジュール20が筐体10の内部に収容された状態を示す模式図である。図11および後述する図12,13および15において、モジュール20と、モジュール20に対し下側のモジュール34および上側のモジュール35(図1を併せて参照)と、が図示されている。図11では、モジュール34,20および35が、筐体10の内部の上下方向に隣接する収容空間内に、それぞれ収容されている。
【0032】
モジュール34の前面側にはカバー84が設けられ、モジュール35の前面側にはカバー85が設けられている。モジュール20の前面21側からは、モジュール20を覆うカバーが取り外されており、そのためモジュール20が外部に露出している。モジュール20は、筐体10の側壁の一方に形成された開口部19を介して、前面21側が外部に露出している。図ではモジュール20の前面21は平坦な形状であるが、モジュール20の筐体10への収納または筐体10からの抜き出し時に作業員がモジュール20を容易に移動できるように、前面21に持ち手が取り付けられてもよい。
【0033】
モジュール20は、支持梁13,14上に載置され、支持梁13,14によって支持されている。モジュール20の背面22に取付けられた端子28は、筐体10に取付けられた箱側端子としての端子18と接続している。端子18,28の接続により、モジュール20が外部と電気的に接続される。モジュール20がバッテリモジュールの場合、端子18は充電部であり、端子18,28の接続によりバッテリモジュールの充電が行なわれる。
【0034】
固定部60は、上述した通りピン66により根元部62が筐体10に取付けられている。固定部60は、モジュール20に固定されたレール40の板状部41の上面によって支持されている。モジュール20の移動に伴って、固定部60は、レール40に対して相対的にスライド移動する。
【0035】
仕切板50は、モジュール20の上側のモジュール35を収容する筐体10の側壁に取付けられている。仕切板50は、モジュール20の上面によって、モジュール35側へ押し上げられている。仕切板50を構成する本体部52、折り曲げ部53,55は、水平方向に延在している。仕切板50は、本体部52がモジュール20の上面に載り、折り曲げ部53,55がモジュール35の収容空間内に配置され、仕切板50の全体がモジュール20の移動の妨げとならないように配置されている。図11に示す仕切板50の配置において、仮想的にモジュール20が筐体10内にない場合を考えると、収容空間のうち開口部19に対し奥側の部分と、当該部分内にある端子18とは、開口部19に対して露出している。図11に示す仕切板50の配置を、第一位置と称する。
【0036】
図12は、モジュール20の筐体10からの取り外し中の状態を示す第一の図である。モジュール20は、図12中の矢印方向に移動して、筐体10に形成された開口部19を経由して、筐体10から引き出される。このモジュール20の移動に伴って、仕切板50は、モジュール20を収容するための収容空間15側へ降下する。収容空間15は、筐体10の内部に形成された、モジュール20を収容するための中空の空間である。開口部19は、収容空間15へモジュール20を出し入れするために形成されている。
【0037】
モジュール20の移動に従って、仕切板50は、モジュール20により支持されながら、自重により貫通孔54,56の位置を軸として回転移動する。モジュール20は、収容空間15から抜き出され収容空間15外へ移動するとき、仕切板50の支持を維持しながら仕切板50を移動させる。モジュール20は、仕切板50の自重により仕切板50に作用する重力と、モジュール20が仕切板50に及ぼす仕切板50を下方から支える力と、の力の釣り合いを保ちながら、仕切板50を移動させる。モジュール20の移動に伴って、仕切板50は下方へ移動する。仕切板50の自重による移動によって、収容空間15は徐々に、仕切板50によって収容空間15が仕切られた閉状態へと近づく。
【0038】
図13は、モジュール20の筐体10からの取り外し中の状態を示す第二の図である。図12に示す位置からモジュール20がさらに引き出されることにより、仕切板50はさらに回転移動する。仕切板50は、仕切板50を構成する本体部52、折り曲げ部53,55が各々鉛直方向に延在する垂直状態になるまで、貫通孔54,56回りに回転移動する。図13に示す仕切板50の配置を、第二位置と称する。モジュール20は、仕切板50を第一位置から第二位置へ移動させる。仕切板50は、モジュール20の移動に伴って第一位置から第二位置まで移動する。第二位置において、仕切板50はモジュール20によって支持されなくなる。
【0039】
第一位置から移動して第二位置にまで到達すると、仕切板50は、位置決め部70のマグネット71に磁力により固定される。仕切板50のマグネット71との磁着によって、仕切板50は第二位置に位置決めされる。マグネット71は、第二位置に移動してきた仕切板50を確実に位置決めできるとともに、後述するようにモジュール20によって仕切板50が押されると簡単に仕切板50との磁着が外れる程度の磁力を有するように、規定される。
【0040】
このとき、仕切板50に形成された貫通孔51に、掛け金状の固定部60が挿通される。図14は、図13に示す状態での固定部60付近を拡大して示す模式図である。図14に示すように、固定部60の鉤部61が貫通孔51に挿通され、固定部60は仕切板50の本体部52の厚み方向の両側に亘って配置されている。図14の配置では、固定部60の根元部62は依然としてレール40によって支持されており、固定部60と筐体10との相対位置は変化しておらず、固定部60は貫通孔64回りに回転していない。そのため、鉤部61が貫通孔51に挿通されるものの、固定部60は仕切板50に係合していない状態である。
【0041】
図15は、モジュール20の筐体10からの取り外し中の状態を示す第三の図である。図16は、図15に示す状態での固定部60付近を拡大して示す模式図である。図13に示す位置からモジュール20がさらに引き出されることにより、固定部60はレール40に対し相対的にスライド移動する。レール40がモジュール20と共に移動することにより、レール40による固定部60の根元部62の支持が小さくなり、遂には固定部60がレール40により支持されなくなる。
【0042】
レール40による固定部60の支持が外れると、固定部60は、固定部60の自重により、貫通孔64に挿通されたピン66を軸として、回転移動する。固定部60の回転移動により、鉤部61は下方へ移動する。図14に示した、仕切板50の貫通孔51に鉤部61が挿通され、貫通孔51を経由して切欠き部63が本体部52の厚み方向の両側に亘って配置された状態から、鉤部61が仕切板50に当接するまで固定部60は貫通孔64を中心に回転移動する。これにより、仕切板50の一部が切欠き部63の内部に配置され、固定部60が仕切板50と係合するので、仕切板50が上述した第二位置に固定される。
【0043】
図17は、モジュール20の筐体10からの取り外し中の状態を示す第四の図である。図17には、図15に示す位置からモジュール20がさらに引き出された状態を平面視した図が示される。仕切板50により、モジュール20を収容するための収容空間15は、開口部19側の第一の収容空間16と、奥側の第二の収容空間17と、に仕切られる。第二位置にある仕切板50によって仕切られた収容空間16は、収容空間15のうちの、開口部19側の手前側部分を形成する。第二位置にある仕切板50によって仕切られた収容空間17は、収容空間15のうちの、開口部19に対し奥側の奥側部分を形成する。
【0044】
可動式の仕切板50が第二位置にロックされることにより、開口部19に対し収容空間17が遮蔽され、収容空間17への開口部19側からのアクセスが禁止される。収容空間17内に配置された端子18は、開口部19に対し、仕切板50によって遮蔽される。仕切板50は、第一位置と第二位置との間を移動可能に設けられ、第二位置に配置されることにより収容空間17を遮蔽する、遮蔽部材としての機能を有する。
【0045】
モジュール20が収容空間15内に収容された状態で、仕切板50は第一位置に配置され、仕切板50はモジュール20の上面に当接しモジュール20によって支持される。モジュール20の収容空間15外への抜き出しに伴って仕切板50が自重で下方へ移動し、第一位置から第二位置へ移動する。その後モジュール20をさらに抜き出すと、固定部60が自重で移動し、固定部60によって仕切板50が第二位置に固定される。モジュール20を筐体10から完全に抜き出したとき、仕切板50によって収容空間15が手前側と奥側とに仕切られ、奥側の収容空間17は遮蔽される。よって、収容空間17の内部にある端子18を保護することができるので、端子18への異物の接触および短絡などの不具合の発生を回避することができる。
【0046】
仕切板50および固定部60は、モジュール20の移動に従って自重で移動して、第二位置に仕切板50を固定する。仕切板50および固定部60の移動のための追加的な構成および動力は必要なく、また仕切板50の固定のための追加的な手順を必要としない。そのため、簡単な構成で仕切板50を固定でき、仕切板50および固定部60の移動のための動力費の増加を回避でき、モジュール20を筐体10から取り外したとき確実に端子18が遮蔽され保護された状態にすることができる。
【0047】
仕切板50が第一位置から第二位置へ自重で移動するとき、位置決め部70によって、仕切板50は第二位置に位置決めされる。そのため、確実に固定部60を仕切板50に係合させて、仕切板50を固定させることができる。仕切板50が位置決めされなければ、第二位置への移動時に仕切板50がはね返り、仕切板50が第二位置の近傍で揺動すると考えられる。仕切板50が第二位置に配置されなければ、レール40による支持がなくなり固定部60が移動するとき、固定部60が仕切板50に係合できない可能性がある。位置決め部70を利用して仕切板50を位置決めすることで、確実に仕切板50を第二位置に固定することができる。位置決め部70がマグネット71を含み、マグネット71と仕切板50との磁着によって仕切板50を位置決めすることで、より単純な構成で仕切板50を位置決めすることができる。
【0048】
図11〜17を参照した上記の説明と逆の手順を経ることにより、モジュール20を筐体10に収容することができる。図16に示す固定部60がレール40から外れた状態から、モジュール20の移動に伴ってレール40を図16中の左方向へ移動させることにより、レール40の板状部41の上面が固定部60の根元部62の下端部に当接する。その後レール40をさらに左方向へ移動させると、レール40の板状部41によって固定部60が持ち上げられ、固定部60は貫通孔64回りに回転移動する。固定部60の根元部62がレール40によって支持されるまで固定部60が持ち上げられると、固定部60と仕切板50との係合が外れ、図14に示すように、固定部60が貫通孔51に挿通されているものの固定部60と仕切板50とが係合していない状態になる。
【0049】
図16に示す固定部60と仕切板50とが係合する状態で、根元部62の下端部は、レール40の板状部41の延在方向に対して傾斜する方向に延びる。図16に示す状態で、根元部62の下端部の、切欠き部63と反対側の端部は、板状部41の上面よりも上方に配置される。このように固定部60を配置すれば、固定部60がレール40の移動を妨げることを回避できる。モジュール20の収容空間15への押込みに伴うレール40の移動に従って、レール40を利用して固定部60が押し上げられ、仕切板50が固定部60によって固定されていない状態にする。レール40は、固定部60による仕切板50の第二位置での固定を解除する解除部としての機能を有する。
【0050】
続いて、モジュール20を収容空間15内にさらに押込むと、モジュール20と仕切板50とが当接する。さらにモジュール20を押込むと、仕切板50がモジュール20によって押し上げられる。モジュール20から力を受けた仕切板50が、貫通孔54,56回りに回転移動して、収容空間15から上方へ移動し、モジュール35の収容された空間側へ移動する。仕切板50は最終的に、上述した第一位置に配置され、モジュール20の移動を妨げなくなる。
【0051】
その後さらに、収容空間15内に完全に収容されるまでモジュール20を移動させると、モジュール20に設けられた端子28が、開口部19に対して奥側の収容空間17内に設けられた端子18に接続される。端子18,28の電気的な接続により、モジュール20への通電が行なわれるようになる。筐体10に対して着脱可能に設けられたモジュール20を収容空間15内に収容することにより、端子28が端子18に装着され、モジュール20が外部の電気装置と電気的に接続されるようになる。
【0052】
モジュール20の収容空間15内への移動に従って、レール40が固定部60を押すことを利用して、固定部60を移動させる。固定部60が移動すると、固定部60による仕切板50の固定が解除される。さらにモジュール20が仕切板50を押すことによって、仕切板50を移動させる。モジュール20により仕切板50が押し上げられて、仕切板50は第二位置から第一位置へ移動する。仕切板50および固定部60の移動のための追加的な構成および動力は必要ない。そのため、簡単な構成で仕切板50の固定を解除すると共に固定部60および仕切板50を移動でき、固定部60および仕切板50の移動のための動力費の増加を回避できる。
【0053】
図18は、固定部の変形例を示す斜視図である。上述した掛け金状の固定部60を利用して仕切板50を第二位置に固定する構成に限られず、たとえば図18に示す変形例の固定部160を使用してもよい。図18に示す固定部160は、根元部162に形成された貫通孔164にピンが挿通されて筐体10の側壁の内面に固定され、筐体10の側壁に沿って配置される。突起部163は、筐体10の内部の収容空間15へ向かって突起する。仕切板50には、本体部52に形成された貫通孔51に替えて、折り曲げ部53に貫通孔が形成される。折り曲げ部53に形成された貫通孔に鉤部161が係合して、仕切板50は固定部160によって固定される。
【0054】
モジュール20が開口部19を経由して収容空間15内に挿入されるとき、突起部163がモジュール20に当接して、鉤部161が図18に示すDR1方向に移動するように固定部160は弾性変形する。これにより、鉤部161が筐体10の側壁に近接する側に移動するので、鉤部161と仕切板50との係合が外れ、仕切板50が固定されていない状態になる。その後仕切板50がモジュール20に当接して、モジュール20が仕切板50を押し上げることにより、モジュール20は収容空間15に収容される。
【0055】
モジュール20を収容空間15から抜き出すとき、突起部163がモジュール20の側面23に接触しなくなるまでモジュール20が移動すると、モジュール20による固定部160の押圧が解除されるので、鉤部161が図18に示すDR2方向に移動するように固定部160は変形する。これにより、鉤部161が筐体10の側壁から離れる側に移動し、仕切板50の折り曲げ部53に形成された貫通孔に鉤部161が係合することにより、仕切板50が固定される。したがって、モジュール20を筐体10から完全に抜き出したとき、仕切板50よりも奥側にある端子18を遮蔽して保護することができる。
【0056】
以上説明した電気機器収容装置1では、装置全体に電源を投入し筐体10に収容された複数のモジュール20,31〜36に通電した状態で、一部のモジュールの収容空間への出し入れを行なう、ホットスワップが可能である。たとえば、モジュール31〜36の運転中に、モジュール20を収容空間15から抜き出して交換することができる。モジュール20を抜き出したとき、筐体10側の端子18は通電中の状態である。ホットスワップ時に、仕切板50を用いて開口部19に対して収容空間17を遮蔽して端子18を保護することにより、通電中の端子18への外部からのアクセスを禁止することができる。したがって、通電中にモジュール20を交換するときの、端子18への異物の接触および短絡などの不具合の発生を、確実に防止することができる。
【0057】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の電気機器収容装置は、複数のバッテリモジュールを備えバッテリモジュールのホットスワップを可能とする無停電電源装置に、特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0059】
1 電気機器収容装置、10 筐体、13,14 支持梁、15,16,17 収容空間、18,28 端子、19 開口部、20,31〜36 モジュール、21 前面、22 背面、23 側面、40 レール、41,42 板状部、50 仕切板、51,54,56 貫通孔、52 本体部、53,55 折り曲げ部,60 固定部、61 鉤部、62 根元部、63 切欠き部、64 貫通孔、66 ピン、70 位置決め部、71 マグネット、74 マグネットキャッチ、75 固定板、84,85 カバー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器を取り外し可能に収容する中空の収容空間が内部に形成され、前記収容空間へ前記電気機器を出し入れするための開口部が形成された、筐体と、
前記収容空間のうち前記開口部に対し奥側の奥側部分を露出する第一位置と前記奥側部分を遮蔽する第二位置との間を移動可能に設けられた、遮蔽部材と、
前記遮蔽部材を前記第二位置に固定する固定部と、を備え、
前記電気機器は、前記収容空間内へ移動するとき前記遮蔽部材を前記第二位置から前記第一位置へ移動させ、前記収容空間外へ移動するとき前記遮蔽部材を前記第一位置から前記第二位置へ移動させる、電気機器収容装置。
【請求項2】
前記遮蔽部材は、前記第一位置から前記第二位置へ自重で移動し、前記第二位置から前記第一位置へ前記電気機器により押し上げられる、請求項1に記載の電気機器収容装置。
【請求項3】
前記遮蔽部材が前記第一位置から前記第二位置へ移動するとき、前記遮蔽部材の前記第二位置への位置決めを行なう、位置決め部を備える、請求項1または請求項2に記載の電気機器収容装置。
【請求項4】
前記位置決め部は、磁石を含み、
前記遮蔽部材は、磁性材料により形成されており、
前記遮蔽部材は、前記磁石に磁着することにより前記第二位置に位置決めされる、請求項3に記載の電気機器収容装置。
【請求項5】
前記電気機器は、前記固定部による前記遮蔽部材の前記第二位置での固定を解除する解除部を含む、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電気機器収容装置。
【請求項6】
前記奥側部分には、箱側端子が配置されており、
前記電気機器は、機器側端子を有し、
前記電気機器の前記収容空間内への移動により、前記機器側端子が前記箱側端子に接続され、前記電気機器に通電する、請求項1から請求項5のいずれかに記載の電気機器収容装置。
【請求項7】
前記筐体は、複数の前記電気機器を収容可能に設けられており、
第一の電気機器への通電中に、第二の電気機器の前記収容空間への出し入れが可能である、請求項1から請求項6のいずれかに記載の電気機器収容装置。
【請求項1】
電気機器を取り外し可能に収容する中空の収容空間が内部に形成され、前記収容空間へ前記電気機器を出し入れするための開口部が形成された、筐体と、
前記収容空間のうち前記開口部に対し奥側の奥側部分を露出する第一位置と前記奥側部分を遮蔽する第二位置との間を移動可能に設けられた、遮蔽部材と、
前記遮蔽部材を前記第二位置に固定する固定部と、を備え、
前記電気機器は、前記収容空間内へ移動するとき前記遮蔽部材を前記第二位置から前記第一位置へ移動させ、前記収容空間外へ移動するとき前記遮蔽部材を前記第一位置から前記第二位置へ移動させる、電気機器収容装置。
【請求項2】
前記遮蔽部材は、前記第一位置から前記第二位置へ自重で移動し、前記第二位置から前記第一位置へ前記電気機器により押し上げられる、請求項1に記載の電気機器収容装置。
【請求項3】
前記遮蔽部材が前記第一位置から前記第二位置へ移動するとき、前記遮蔽部材の前記第二位置への位置決めを行なう、位置決め部を備える、請求項1または請求項2に記載の電気機器収容装置。
【請求項4】
前記位置決め部は、磁石を含み、
前記遮蔽部材は、磁性材料により形成されており、
前記遮蔽部材は、前記磁石に磁着することにより前記第二位置に位置決めされる、請求項3に記載の電気機器収容装置。
【請求項5】
前記電気機器は、前記固定部による前記遮蔽部材の前記第二位置での固定を解除する解除部を含む、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電気機器収容装置。
【請求項6】
前記奥側部分には、箱側端子が配置されており、
前記電気機器は、機器側端子を有し、
前記電気機器の前記収容空間内への移動により、前記機器側端子が前記箱側端子に接続され、前記電気機器に通電する、請求項1から請求項5のいずれかに記載の電気機器収容装置。
【請求項7】
前記筐体は、複数の前記電気機器を収容可能に設けられており、
第一の電気機器への通電中に、第二の電気機器の前記収容空間への出し入れが可能である、請求項1から請求項6のいずれかに記載の電気機器収容装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−65684(P2013−65684A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203214(P2011−203214)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
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