説明

電気機器

【課題】電気機器を小型化する。
【解決手段】二枚の回路基板140は、互いに向かい合って配置されている。回路基板140は、電気回路を実装している。電池収納部171は、二枚の回路基板140の間に位置する。電池300(を収納した電池ケース120)は、電池収納部171に収納される。これにより、本体部100の高さを、電池300の高さとほぼ同じ程度にまで低くすることができるので、電気機器の大きさを小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明器具など、建造物に取り付けて使用する電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
建造物に取り付けて使用する電気機器には、天井などの取付け面に穴を開けて埋め込む形態のものと、取付け面の外側に露出する形態のものとがある。
いずれの形態においても、製造コスト、取り付けの作業性、見栄えなどの観点から、電気機器を小型化したいという要請が強い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−100106号公報
【特許文献2】特開2004−185842号公報
【特許文献3】特開2001−104244号公報
【特許文献4】特開2007−028094号公報
【特許文献5】特開2007−214037号公報
【特許文献6】特開2003−272410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気機器の大きさを決定する要因には様々なものがあるが、電池や電気部品を実装した回路基板などの大きさがボトルネックとなる場合がある。近年、電池の小型化や、効率の向上による電池本数の削減などにより、電池が電気機器の大きさに占める割合は、減少する傾向にある。
この発明は、例えば、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電気機器を小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る電気機器は、略板状で、電子部品を実装した実装面と、上記電子部品を接続する配線が印刷された半田面とを有し、上記半田面が所定の間隔で互いに向かい合った状態で、略平行に配置された二枚の回路基板と、略中空円筒状で、上記二枚の回路基板を内蔵し、一方の底面に開口した底面開口部を有する機器本体と、上記二枚の回路基板に挟まれた間に位置し、上記底面開口部から電池を挿入可能であり、挿入した電池を着脱自在に保持する電池収納部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明にかかる電気機器によれば、二枚の回路基板の間に電池収納部を有するので、回路基板一枚の大きさを小さくすることができ、機器本体の高さを低くすることができるので、電気機器を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1における照明器具800の外観を示す斜視図。
【図2】実施の形態1における本体部100及び枠部200を更に分解したところを示す斜視図。
【図3】実施の形態1における本体部100の内部空間が回路基板ケース130によって分割される様子を示す平面視端面図。
【図4】実施の形態1における機器本体110を示す平面図及びA−A端面図(一部)である。
【図5】実施の形態1における本体取り付けバネ180を示す正視図。
【図6】実施の形態1における機器本体110を示す正面図及びB−B端面図(一部)及び破断背面図。
【図7】実施の形態1における電池ケース120を示す正視図及び回路基板ケース130を示す底面図。
【図8】実施の形態2における照明器具800を示す斜視図。
【図9】実施の形態2における照明器具800の内部を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図7を用いて説明する。
【0009】
図1は、この実施の形態における照明器具800の外観を示す斜視図である。
照明器具800(電気機器)は、天井(建造物)などの取付け面に穴を空けて埋め込んだ状態で使用する。照明器具800は、商用電源などの交流電源から電力を入力し、入力した電力により、LEDなどの光源を点灯するとともに、内蔵した電池を充電する。停電時などにおいて、照明器具800は、内蔵した電池に充電された電力で、光源を点灯する。
【0010】
照明器具800は、本体部100、枠部200を有する。
本体部100は、取付け面に埋め込まれる部分であり、概ね円柱状の形状である。
枠部200は、取付け面から外側に露出する部分であり、概ね円盤状の形状である。
枠部200は、二つの枠取付けバネ210により、本体部100に取り付けられる。枠部200は、枠部200全体を掴んで下に引っ張り、枠取付けバネ210を変形することにより、容易に本体部100から取り外すことができる。
本体部100は、機器本体110、電池ケース120、回路基板ケース130、二つの回路基板140(図2参照)、二つの本体取り付けバネ180、端子台190を有する。
機器本体110は、回路基板140などを囲うケースであり、中空の概ね円筒状の形状であり、下側の底面が開口している(底面開口部)。
電池ケース120は、電池300を収納するケースであり、嵌合部121を回路基板ケース130に噛み合わせることにより、機器本体110に取り付けられている。電池ケース120は、機器本体110から取り外すことができる。
回路基板ケース130は、概ね几字状に曲がった板であり、回路基板140が露出しないように覆っている。
回路基板140は、電池300を充電する充電回路や、光源を点灯する点灯回路などの電気回路が実装されたプリント配線板である。
本体取り付けバネ180(取付部)は、機器本体110を取付け面に固定するための部分である。二つの本体取り付けバネ180は、機器本体110の外側の互いに対称な位置に取り付けられる。
端子台190(電源端子台)は、交流電源から電力を入力するための配線を接続する部分であり、端子台取付け金具195(端子台保持部)により、機器本体110の外側に保持されている。
【0011】
図2は、この実施の形態における本体部100及び枠部200を更に分解したところを示す斜視図である。
機器本体110(周枠部)は、四つの枠取付け開口部111、四つの枠取付け凸部112、二つの本体取付け開口部113、二つの取り付けバネ当接部114、鍔部115、二つの基板ケース係止爪部116、配線開口部117、引っ掛け溝部118(図4参照)を有する。
なお、この図において、機器本体110の中心軸から見て、本体取付け開口部113の一つがある方向をX方向、配線開口部117がある方向をY方向、機器本体110の高さ方向をZ方向と呼ぶ。
【0012】
枠取付け開口部111(枠取付受部)は、枠取付けバネ210を通すための穴であり、概ね長方形の形状であって、長方形の長辺方向がZ方向と一致している。枠取付け開口部111から枠取付けバネ210の先を機器本体110の外に出すことにより、機器本体110を小さくすることができる。
枠取付け凸部112(凸部)は、枠取付け開口部111の下側の辺から、機器本体110の内側に向かって、XY平面とほぼ平行な方向に折れ曲がった板状の部分である。枠取付け凸部112は、X方向とほぼ一致する辺と、Y方向とほぼ一致する辺とを有し、概ね三角形もしくは台形の形状である。枠取付け凸部112は、X方向と平行な辺が枠取付けバネ210と当接し、向かい合った二つの枠取付け凸部112が左右から枠取付けバネ210を挟む形となる。このように、枠取付けバネ210と枠取付け凸部112とが嵌合することにより、機器本体110に枠部200を固定する。
本体取付け開口部113(側面開口部)は、本体取り付けバネ180を取り付けるために、二つの枠取付け開口部111に挟まれた間の位置に設けられた穴であり、略T字状の形状である。本体取付け開口部113は、Z方向に細長く、一番上の端の部分が、幅が広くなっていて、ここから本体取り付けバネ180を挿入することにより、本体取り付けバネ180を取り付ける。
取り付けバネ当接部114は、機器本体110の円筒状側面の一部を潰して平らにしたような形状であり、本体取付け開口部113の周囲の本体取り付けバネ180と当接する部分に設けられている。
鍔部115は、機器本体110の円筒の下端を外側に折り曲げたような形状で、底面開口部の周囲に設けられたドーナツ板状の部分である。鍔部115は、本体部100を取付け面に取り付けたとき、ストッパーの役割を果たす。
基板ケース係止爪部116は、機器本体110の円筒状側面の内側に設けられた突起である。基板ケース係止爪部116は、機器本体110の下端に近い位置、Y方向及びその反対方向に、それぞれ設けられている。基板ケース係止爪部116は、回路基板ケース130を引っ掛けて止める役割を果たす。
配線開口部117は、端子台190からの配線を、機器本体110の内部で引き込むため、機器本体110の円筒上端と上底面との境付近に設けられた穴である。
引っ掛け溝部118(本体嵌合部)は、端子台取付け金具195を取り付けるため、機器本体110の上底面(天面)に設けられた穴である。
【0013】
回路基板ケース130は、一枚の板を折り曲げた形状であり、頂部131、二つの側部132、四つの側縁曲部133、二つの底部134を有する。
頂部131は、概ね長方形の形状で、XY平面とほぼ平行であり、長辺がX方向とほぼ一致し、機器本体110の内径とほぼ等しい長さを有する。
側部132は、頂部131の長辺から先をほぼ直角に下方向に向かって折り曲げた概ね長方形の形状であり、XZ平面とほぼ平行である。
側縁曲部133は、側部132のZ方向とほぼ一致する辺から先をほぼ直角に外側に向かって折り曲げた形状であり、YZ平面とほぼ平行である。
底部134は、側部132の下側の辺から先をほぼ直角に外側に折り曲げた形状であり、二つの底部134が全体として、概ね円状をなし、その径は、機器本体110の内径とほぼ一致する。二つの底部134は、それぞれ嵌合穴135を有する。嵌合穴135は、電池ケース120の嵌合部121と噛み合わされる部分である。
なお、回路基板ケース130は、回路基板140それぞれを覆う部分ごとに分割された、二枚の板からなる構成であってもよい。その場合、分割されたそれぞれの回路基板ケース130は、例えば、断面L字状の形状となる。
【0014】
回路基板140は、電子部品を実装する実装面と、実装面に実装された電子部品間を接続する配線などが印刷された半田面とを有する。二枚の回路基板140は、半田面の側を内側に向け、互いに向かい合った状態となり、ほぼ垂直になるよう配置される。これにより、回路基板140の実装面の側には、機器本体110に囲まれた蒲鉾状の空間があるので、高さが比較的高い電子部品を実装する空間が確保できる。また、二枚の回路基板140に電気回路を分散し、例えば、充放電回路と、点灯回路とを分けることにより、一枚の回路基板140を小さくできるので、照明器具800全体の大きさを小型化することができる。
回路基板140には、電子部品のほか、例えば、点検スイッチ141なども実装される。点検スイッチ141は、停電時などに照明器具800が正しく点灯することを確認するため、平常時に点灯試験を行うためのスイッチである。
【0015】
端子台取付け金具195(電源端子台取付部)は、一枚の板をL字状に折り曲げた形状であり、引っ掛け部196、二つのスリット部197、固定部198を有する。
固定部198(端子台固定部、取付面)は、端子台取付け金具195の主たる部分であり、少し細長い概ね長方形の板状の形状である。固定部198は、一方の端近くに、端子台190を取り付ける。例えば、端子台190の取付爪を、固定部198に設けた取付穴に挿入して、固定部198に端子台190を固定する。
引っ掛け部196(保持嵌合部)は、固定部198の他方の端から先をほぼ直角に、端子台190を取り付ける側の方向に折り曲げた概ね長方形の形状である。スリット部197は、引っ掛け部196と固定部198とが接合する折り曲げ部分の両側に位置するスリットである。端子台取付け金具195は、スリット部197により、折り曲げ部分の幅が他の部分よりも狭くなっている。
【0016】
枠部200は、二つの枠取付けバネ210、枠220、カバー230、カバーパッキン240、二つの補助反射板250、反射体260、光源基板270を有する。
光源基板270は、複数(この例では四つ)の光源271(例えばLED)や、光源271を点灯するための回路を実装した回路基板であり、概ね円盤状である。光源271は、例えば、光源基板270の中心からほぼ等距離の位置にほぼ等間隔に配置されている。光源基板270は、金属基板など放熱性のよい基板であることが好ましい。光源271で発生した熱は、光源基板270を介して、枠220に伝導し、照明器具800の外部に放射される。
反射体260は、二つの爪部261、円盤部263を有する。円盤部263は、概ね円盤状の形状である。円盤部263は、光源271の数と同じ数の光源開口部262を有する。光源開口部262は、光源271が中心に位置するように設けられた穴であり、その内壁は、光を反射し、所望の配光が得られるような曲面をなしている。爪部261は、枠部200を本体部100に取り付けたとき、円盤部263に対してX方向及びその反対方向にくる位置に設けられ、下向きに折れ曲がった鉤状(L字状)の形状である。
補助反射板250は、一部の光源271の正面に設けられ、概ね円錐状であり、円錐の頂点が光源271の方向を向いていて、円錐の側面が光を反射する。補助反射板250は、反射体260だけでは得られない配光を得るために設けられるものであり、特に、XY平面に近い方向の配光を強くするためのものである。
カバーパッキン240は、ゴムなどで形成されたリング状のパッキンである。カバー230は、透明あるいは半透明の樹脂やガラスなどで形成された円盤状の透光板であり、光源を覆う。枠220は、枠部200のなかでも一番外側に露出する部分であり、概ねドーナツ板状の形状である。
枠取付けバネ210は、細長い棒状の金属を概ねV字状に折り曲げた形状のバネである。枠取付けバネ210は、輪部211、二つの腕部212、二つの先端部213を有する。輪部211は、所定の径で数回ループした形状であり、枠取付けバネ210の弾性力を発揮する部分である。腕部212は、輪部211から斜め上方向に伸びる部分であり、本体部100に取り付けた際、枠取付け凸部112と当接する部分である。先端部213は、先端を折り曲げて引っ掛かる形状にしたものであり、枠部200を本体部100から外す際、枠取付け凸部112に引っ掛かることにより、枠部200の落下を防ぐ外れ留めの役割を果たす。枠取付けバネ210は、輪部211を爪部261に引っ掛けることにより、枠部200に取り付けられる。
なお、枠取付けバネ210は、板バネにより形成される構成であってもよい。
【0017】
図3は、この実施の形態における本体部100の内部空間が回路基板ケース130によって分割される様子を示す平面視端面図である。
回路基板ケース130により、機器本体110の内部の空間は、電池収納部171と、二つの基板収納部172との合計三つの空間に分割される。電池収納部171は、頂部131及び二つの側部132に囲まれた中央の部分であり、電池300を収納した電池ケース120などを収納する。二つの基板収納部172は、側部132及び二つの側縁曲部133及び底部134に囲まれた左右それぞれの部分であり、回路基板140などを収納する。
本体取り付けバネ180は、一部が電池収納部171に収納され、残りの部分が本体取付け開口部113から機器本体110の外に出る位置に取り付けられる。枠取付けバネ210は、輪部211と腕部212の一部とが電池収納部171に収納され、腕部212の残りと先端部213とが枠取付け開口部111から機器本体110の外に出る位置に取り付けられる。
【0018】
図4は、この実施の形態における機器本体110を示す平面図及びA−A端面図(一部)である。
引っ掛け溝部118は、概ねT字状の形状の穴である。引っ掛け溝部118の幅Wは、端子台取付け金具195のスリット部197により幅が狭くなっている折り曲げ部分が通り、引っ掛け部196は通らない長さである。引っ掛け溝部118の幅Wは、引っ掛け部196が通る長さである。
【0019】
端子台取付け金具195は、以下のようにして、機器本体110に取り付ける。
まず、引っ掛け部196を引っ掛け溝部118の幅Wの部分に差し込み、幅Wの部分に引っ掛ける。次に、機器本体110に回路基板ケース130を取り付ける。これにより、側部132が引っ掛け溝部118の一部を塞ぎ、引っ掛け部196が引っ掛け溝部118から外れるのを防ぐ。この状態において、端子台取付け金具195は、折り曲げ部分を軸(支点)として、上にほぼ90度まで回転することができるので、端子台190に電源からの配線を接続する際の作業性が良い。
また、端子台190が機器本体110の外側に配置されているので、機器本体110を小型化することができる。
【0020】
図5は、この実施の形態における本体取り付けバネ180を示す正視図である。
本体取り付けバネ180(取付具)は、一枚の板を折り曲げた形状の板バネであり、中央接続部181、下端舌部182、二つの開口挿入部183、二つの押さえ爪部184、二つの裏面押さえ部185、二つの翼部186、二つの上端舌部187を有する。本体取り付けバネ180は、上端舌部187を除き、左右ほぼ対称な形状である。
中央接続部181は、概ね長方形状である。下端舌部182は、中央接続部181の下側の辺から先を奥の方へ約90度折り曲げた形をしている。開口挿入部183は、中央接続部181の左右の辺から先を下端舌部182と同じ奥の方へ約90度折り曲げた形をしている。二つの開口挿入部183は、互いにほぼ平行である。押さえ爪部184は、開口挿入部183の斜め上側の辺から先を外の方へ約90度折り曲げた形であり、牛の角のような形状である。二つの押さえ爪部184は、ほぼ同じ平面上にある。裏面押さえ部185は、開口挿入部183の奥側の辺から先を外の方へ約90度折り曲げた形をしている。二つの裏面押さえ部185は、ほぼ同じ平面上にある。翼部186は、裏面押さえ部185の外側の辺から先を奥の方へ約90度折り曲げた形をしている。二つの翼部186は、互いにほぼ平行である。上端舌部187は、翼部186の上側の辺から先を内の方へ約90度折り曲げた形をしている。二つの上端舌部187は、互いにほぼ平行であり、先端が重なっている。
【0021】
図6は、この実施の形態における機器本体110を示す正面図及びB−B端面図(一部)及び破断背面図である。
本体取付け開口部113の上端付近の幅Wは、本体取り付けバネ180の二つの翼部186間の長さより長く、本体取り付けバネ180の先端を、機器本体110の外から内へ挿入することができる。本体取付け開口部113の下側の幅Wは、本体取り付けバネ180の中央接続部181の幅よりもわずかに狭く、本体取り付けバネ180の先端を挿入すると、本体取り付けバネ180がわずかに変形し、板バネの応力で本体取り付けバネ180が固定される。
本体取り付けバネ180の開口挿入部183の下端と、機器本体110の鍔部115との間に取付け面を挟み込む位置に、本体取り付けバネ180を固定する。このとき、本体取り付けバネ180の押さえ爪部184と、裏面押さえ部185との間に、機器本体110の取り付けバネ当接部114が挟まれている。機器本体110が下方向に動こうとすると、押さえ爪部184を下に曲げようとする力が働くので、押さえ爪部184と裏面押さえ部185との間隔が狭くなり、取り付けバネ当接部114を強く挟み込み、機器本体110が動くのを防ぐ。
【0022】
本体取り付けバネ180が取り付けられる位置は、枠取付けバネ210の輪部211の上、二つの腕部212の間の位置になる。したがって、本体取り付けバネ180と枠取付けバネ210とは干渉せず、機器本体110内の空間を有効に利用できる。これにより、機器本体110を小型化することができる。
【0023】
図7は、この実施の形態における電池ケース120を示す正視図及び回路基板ケース130を示す底面図である。
電池ケース120の二つの嵌合部121は、それぞれ、上側押さえ部122、突起部123、二つの下側押さえ部124を有する。上側押さえ部122(上側の爪)は上側中央、二つの下側押さえ部124(下側の爪)は下側左右に位置し、段違いになっている間に回路基板ケース130の底部134を挟むことができる。突起部123は、上側押さえ部122の下側から突出した概ね円柱状の突起である。
【0024】
回路基板ケース130の二つの嵌合穴135は、それぞれ、挿入部136、保持部137、突起係合部138を有する。挿入部136(幅広部)は、比較的幅広な概ね長方形状の開口であり、下側から上側押さえ部122を挿入できる。保持部137(幅狭部)は、挿入部136の横に設けられた概ね長方形状の比較的幅狭な開口である。挿入部136から上側押さえ部122を挿入したのち、電池ケース120全体を横にずらすことにより、上側押さえ部122が保持部137に嵌まり、電池ケース120が下方向へ移動するのを防ぐ。突起係合部138(溝)は、保持部137に隣接する概ね半円状の開口であり、突起部123が嵌まり込むことにより、電池ケース120が横方向に移動するのを防ぐ。
これにより、電池ケース120の取り付け取り外しが容易になる。
【0025】
この実施の形態における電気機器(照明器具800)は、複数の回路基板140の間に電池収納部171を有するので、機器本体110の高さを低くすることができ、電気機器を小型化することができる。
また、電池ケース120を取り外すことにより、取付部(本体取り付けバネ180)を電池収納部171の内側から操作することができ、建造物(取付け面)への取付けが容易にできる。
また、電源端子台(端子台190)を端子台保持部(端子台取付け金具195)により、機器本体110の外側に保持するので、機器本体110の高さを低くすることができる。
また、二枚の回路基板140の間に、底面開口部から電池300を挿入可能な電池収納部を有するので、電池300の付け外しが容易にできる。
また、機器本体110の側面に側面開口部(本体取付け開口部113)を設け、取付部(本体取り付けバネ180)を取り付けるので、取付部が操作しやすく、建造物(取付け面)に設けられた埋め込み穴への取付けが容易である。
また、機器本体110の上面に本体嵌合部(引っ掛け溝部118)を有し、端子台保持部(端子台取付け金具195)の保持嵌合部(引っ掛け部196)と嵌合して、端子台190を保持するので、端子台190への配線が容易にできる。
また、電池ケース120を横方向にスライドして回路基板ケース130に固定するので、電池300の重みで電池ケース120が落下するのを防ぐことができ、電池300の交換が容易である。
また、枠取付け凸部112が、枠取付けバネ210を案内するので、枠部200の取付けが容易である。枠取付け凸部112には、枠取付け開口部111から埃が進入するのを防ぐ効果もある。
【0026】
実施の形態2.
実施の形態2について、図8〜図9を用いて説明する。
【0027】
図8は、この実施の形態における照明器具800を示す斜視図である。
照明器具800(電気機器)は、天井(建造物)などの取付け面の表面に直接取り付けた状態で使用する。
【0028】
図9は、この実施の形態における照明器具800の内部を示す分解斜視図である。
照明器具800は、本体部100、枠部200を有する。
本体部100は、機器本体110、二つの回路基板ケース130、二枚の回路基板140(図示せず)、端子台190を有する。
機器本体110は、二つの本体取付け開口部113(一つは電池300に隠れている)を有する。本体取付け開口部113は、鍵穴状の開口であり、取付け面に取り付けられた金具を本体取付け開口部113に引っ掛けることにより、機器本体110を取付け面に取り付ける。
二つの回路基板ケース130は、それぞれ、一枚の板を折り曲げた形状であり、機器本体110に固定されている。
二枚の回路基板140は、それぞれ、回路基板ケース130の中に配置されている。
端子台190は、二つの回路基板ケース130の間の空間(電池収納部)に配置され、機器本体110に固定されている。
電池300は、電池収納部に収納される。この例では、電池300は、機器本体110の電池収納部に直接収納される構成であるが、実施の形態1と同様、電池300を収納した電池ケースが、機器本体110の電池収納部に収納される構成であってもよい。また、この例では、電池300は、電池収納部に横向きに収納である構成であるが、実施の形態1と同様、縦向きに収納される構成であってもよい。照明器具800が取付け面の表面に直接取り付ける構成である場合、電池300を横向きにして、機器本体110の電池収納部に直接収納される構成のほうが、照明器具800の厚さを抑えることができ、好ましい。
【0029】
このような構成の場合も、実施の形態1と同様、回路基板140が二枚に分割され、電池300を収納する電池収納部の左右両側に配置されているので、本体部100を小型化することができる。
また、本体部100を取付け面に取り付ける際は、電池300を外した状態とすれば、電池収納部から本体取付け開口部113が見えるので、取付けが容易である。
【0030】
以上の実施の形態では、
向かい合って配置され、電気回路を実装した複数の回路基板と、
上記複数の回路基板の間に位置し、電池を収納する電池収納部とを有することを特徴とする電気機器を説明した。
【0031】
以上の実施の形態では、
上記電気機器は、更に、
上記電池収納部の内側から操作可能であり、上記電気機器を建造物に着脱自在に取り付ける取付部を有することを特徴とする電気機器を説明した。
【0032】
以上の実施の形態では、
上記電気機器は、更に、
略中空容器状で、上記複数の回路基板と上記電池収納部とを内蔵する機器本体と、
電源からの電力を入力する配線を接続可能な電源端子台と、
上記電源端子台を上記機器本体の外側に保持する端子台保持部とを有することを特徴とする電気機器を説明した。
【符号の説明】
【0033】
100 本体部、110 機器本体、111 枠取付け開口部、112 枠取付け凸部、113 本体取付け開口部、114 取り付けバネ当接部、115 鍔部、116 基板ケース係止爪部、117 配線開口部、118 引っ掛け溝部、120 電池ケース、121 嵌合部、122 上側押さえ部、123 突起部、124 下側押さえ部、130 回路基板ケース、131 頂部、132 側部、133 側縁曲部、134 底部、135 嵌合穴、136 挿入部、137 保持部、138 突起係合部、140 回路基板、141 点検スイッチ、171 電池収納部、172 基板収納部、180 本体取り付けバネ、181 中央接続部、182 下端舌部、183 開口挿入部、184 押さえ爪部、185 裏面押さえ部、186 翼部、187 上端舌部、190 端子台、195 端子台取付け金具、196 引っ掛け部、197 スリット部、198 固定部、200 枠部、210 枠取付けバネ、211 輪部、212 腕部、213 先端部、220 枠、230 カバー、240 カバーパッキン、250 補助反射板、260 反射体、261 爪部、262 光源開口部、263 円盤部、270 光源基板、271 光源、300 電池、800 照明器具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略板状で、電子部品を実装した実装面と、上記電子部品を接続する配線が印刷された半田面とを有し、上記半田面が所定の間隔で互いに向かい合った状態で、略平行に配置された二枚の回路基板と、
略中空円筒状で、上記二枚の回路基板を内蔵し、一方の底面に開口した底面開口部を有する機器本体と、
上記二枚の回路基板に挟まれた間に位置し、上記底面開口部から電池を挿入可能であり、挿入した電池を着脱自在に保持する電池収納部とを有することを特徴とする電気機器。
【請求項2】
上記機器本体は、上記二枚の回路基板の間に相当する側面の互いに向かい合った二つの位置にそれぞれ設けられた二つの側面開口部を有し、
上記電気機器は、更に、
上記二つの側面開口部それぞれに着脱自在に固定され、上記電池収納部の内側から操作可能であり、上記機器本体を建造物に着脱自在に取り付ける二つの取付部を有することを特徴とする請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
上記機器本体は、上記底面開口部を有する底面と向かい合った底面に、所定形状の本体嵌合部を有し、
上記電気機器は、更に、
電源からの電力を入力する配線を接続可能な電源端子台と、
略長尺板状で、一方の端に、上記電源端子台を固定する端子台固定部を有し、他方の端に、上記本体嵌合部に着脱自在に嵌合する形状の保持嵌合部を有する端子台保持部とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気機器。
【請求項4】
上記電気機器は、更に、
上記回路基板と上記電池収納部との間を隔てるとともに、上記保持嵌合部の移動を制限して上記本体嵌合部と上記保持嵌合部との嵌合が解除するのを防ぐ隔壁部を有することを特徴とする請求項3に記載の電気機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−69710(P2013−69710A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−10794(P2013−10794)
【出願日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【分割の表示】特願2009−22286(P2009−22286)の分割
【原出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】