説明

電気機械的自動切り換えスイッチのための電圧低減解決法

【課題】 電気機械的自動切り換えスイッチ(ATS)のドロップアウト電圧を電圧低減電圧範囲内まで動的に上昇させるための回路を提供する。
【解決手段】 この自動切り換えスイッチは、第1の入力と、第1の入力に接続された第1のコイルと、第1のコイルと磁気的に連通している第1の常時開補助接点と、を含む。回路は、第1の常時開補助接点と接続するように適合された第1の抵抗器と、第1の抵抗器に接続された一次巻線と第1のコイルに接続するように適合された二次巻線とを有する第1の変圧器と、を含む。第1の常時開補助接点が閉じた場合に、第1のコイルの両端の動作電圧が、二次巻線の両端の二次電圧によって比例量だけ低下する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電子デバイスに電力を供給するための機構に関し、更に具体的には、限定ではないが、電圧低減(brownout)状況に対処するための機構を有する完全電気機械的自動切り換えスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
切り換えスイッチは、一次電源から二次または三次電源への切り換えを可能とするもので、一部の電力分配システムにおいて用いられる。切り換えスイッチは、公共のソースからのバックアップ電力を提供するために非常用発電機を用いる場合に見られる。切り換えスイッチは、公共の電力から非常用発電機電力への切り換えを可能とする。このスイッチは、手動スイッチ、自動スイッチ、またはそれら双方の組み合わせである。停電の間、切り換えスイッチは、公共の線から非常用回路を分離して、公共電力会社に逆給電することなく、発電機の効率的な動作を可能とする。自動切り換えスイッチ(ATS)は、2つの交流(AC)線ソースの1つ、通常は2つのソースのうち良い方を、自動的に電気的負荷に接続する切り換えスイッチのタイプである。
【0003】
実質的に全ての電力環境において、「電圧低減」、すなわち通常よりも低い電圧が負荷に供給されるという状況が生じる場合がある。ATSデバイスは通常、この状況に対処するために、マイクロコントローラ・ベースの「スマートな」電子制御回路を用いる。しかしながら、マイクロコントローラのサポートには、電圧センサ、信号処理機器、電力供給、コイル駆動回路、および制御ファームウェアが必要である。こういった追加の要求によって、システム・コストおよび複雑さが増し、いくつかの潜在的な故障点が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のことに鑑み、電圧低減状況に対処し、適正に機能し続け、更にシステム・コスト、複雑さ、および故障点を低減する自動切り換えスイッチ(ATS)設計に対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、一実施形態において、一例としてのみ、電気機械的自動切り換えスイッチ(ATS)のドロップアウト電圧を電圧低減電圧範囲内まで動的に上昇させるための回路を提供する。この自動切り換えスイッチは、第1の入力と、第1の入力に接続された第1のコイルと、第1のコイルと磁気的に連通している第1の常時開補助接点と、を含む。回路は、第1の常時開補助接点と接続するように適合された第1の抵抗器と、第1の抵抗器に接続された一次巻線と第1のコイルに接続するように適合された二次巻線とを有する第1の変圧器と、を含む。第1の常時開補助接点が閉じた場合に、第1のコイルの両端の動作電圧が、二次巻線の両端の二次電圧によって比例量だけ低下する。
【0006】
更に別の実施形態において、一例としてのみ、ドロップアウト電圧を電圧低減電圧範囲内まで動的に上昇させるための回路を有する電気機械的自動切り換えスイッチ(ATS)を提供する。このATSは第1の入力を含む。第1の入力に第1のコイルが接続されている。第1の常時開補助接点が第1のコイルと磁気的に連通している。第1の常時開補助接点に第1の抵抗器が接続されている。第1の変圧器は、第1の抵抗器に接続された一次巻線と、第1のコイルに接続された二次巻線と、を有する。第1の常時開補助接点が閉じた場合に、第1のコイルの両端の動作電圧が比例量だけ低下する。
【0007】
更に別の実施形態において、一例としてのみ、電気機械的自動切り換えスイッチ(ATS)のドロップアウト電圧を電圧低減電圧範囲内まで動的に上昇させるための回路を製造する方法を提供する。この自動切り換えスイッチは、第1の入力と、第1の入力に接続された第1のコイルと、第1のコイルと磁気的に連通している第1の常時開補助接点と、を含む。この回路製造方法は、第1の常時開補助接点と接続するように適合された第1の抵抗器を用意することと、第1の抵抗器に接続された一次巻線と第1のコイルに接続するように適合された二次巻線とを有する第1の変圧器を用意することと、を含む。第1の常時開補助接点が閉じた場合に、第1のコイルの両端の動作電圧が、二次巻線の両端の二次電圧によって比例量だけ低下する。
【0008】
更に別の実施形態において、一例としてのみ、ドロップアウト電圧を電圧低減電圧範囲内まで動的に上昇させるための回路を有する電気機械的自動切り換えスイッチ(ATS)を製造する方法を提供する。この方法は、第1の入力を用意することと、第1の入力に接続された第1のコイルを用意することと、第1のコイルと磁気的に連通している第1の常時開補助接点を用意することと、第1の常時開補助接点に接続された第1の抵抗器を用意することと、第1の抵抗器に接続された一次巻線と第1のコイルに接続された二次巻線とを有する第1の変圧器を用意することと、を含む。第1の常時開補助接点が閉じた場合に、第1のコイルの両端の動作電圧が比例量だけ低下する。
【0009】
本発明の利点を容易に理解するために、添付図面に示す特定の実施形態を参照して、先に簡単に述べた本発明の更に詳細な説明を行う。これらの図面は本発明の典型的な実施形態を示すだけであり、従ってその範囲を限定するとは考えられないことを理解した上で、添付図面を用いて更に具体的かつ詳細に本発明について記載し説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】電圧低減状況に対処するための変圧器回路を有する自動切り換えスイッチ(ATS)の典型的な部分の概略図である。
【図2】定格電圧のパーセンテージ対電圧低減範囲の入力電圧を比較する例示的なグラフである。
【図3】ATSの追加の典型的な部分の概略図であり、2つの交差接続された入力、2つのリレー、および2つの接続された変圧器回路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
前述のように、自動切り換えスイッチ(ATS)は、2つの交流(AC)線ソースの1つ、通常は2つのソースのうち良い方を、負荷に接続するデバイスである。電気機械的ATSは一般的に2つの接触器から成り、各々はコイルによって作動される。接触器は、高電力ACまたはDC電流を切り換えるように定められたタイプのリレーである。
【0012】
前述のように、電圧低減は、地域の公共電力会社または発電機器によって正常よりも低い電力線電圧が供給されている状況である。この状況は、短期間(数分から数時間)または長期間(半日もしくはそれ以上)となる場合がある。一般的に、電力線電圧低下が正常の10%よりも大きいと、電圧低減と考えられる。多くの場合、電圧低減状況の間は、電子機器は機能することが期待できない。
【0013】
接触器が電気回路を閉じるまたは生成することを保証するためには、接触器コイル電圧は、典型的に定格電圧の85%まで上昇しなければならない。これは、接触器仕様において「ピックアップ(上昇)電圧(pickup voltage)」と称される。接触器に通電した後、接触器が電気回路を開くまたは切断することを保証するためには、電圧は典型的に定格電圧の60%まで降下しなければならない。これは、接触器仕様において「ドロップアウト(下降)電圧(drop-out voltage)」と称される。
【0014】
電圧低減の間、電圧は許容範囲外に下がるが、接触器コイルのドロップアウト閾値に達するほどの低さではない。電圧低減のままである限り、接触器はドロップアウトしない。ATSにおいては、たとえ他のAC線ソースが許容範囲内にあるとしても、接触器はこのソースへの切り換えを行わない。この問題に対する従来の解決策は、前述のように、電圧低減電圧範囲において切り換えを電子的に制御することであった。これには、接触器コイルを駆動するためのスマートな電子制御回路が必要である。これは、いかなる線電圧でも反復可能な動作を提供するが、より複雑な解決策である。最も一般的な解決策は、低電圧DCコイルを駆動するためのマイクロコントローラ・ベースのまたは他のスマートな電子制御回路を用いることである。マイクロコントローラのサポートには、電圧センサ、信号処理、電力供給、コイル駆動トランジスタ、および制御ファームウェアが必要である。この解決策は、実施が非常に複雑である。この複雑さのためにコストが増し、信頼性が低下する。
【0015】
従来の解決策とは異なり、例示する実施形態は、あらゆる標準的な接触器のドロップアウト電圧を電圧低減範囲まで動的かつ自動的に上昇させて、ATSが他のAC線に接続を切り換えることを可能とする。以下に例示する実施形態は、電圧低減状況に対処するための統合機能を有する完全電子機械的自動切り換えスイッチ(ATS)を実施する。この機能は、以下で述べるように、常時開(N.O)補助接点および接触器コイル端子に接続された絶縁形トランス(isolation transformer)または単巻変圧器回路によって提供される。変圧器回路は、比例量だけ変圧器の二次巻線の両端の電圧によって接触器コイルの両端の動作電圧を低下させるように動作する。これによって、接触器のドロップアウト電圧を電圧低減範囲内まで有効に上昇させる。例示する実施形態は、コストが低く故障点が少ない簡単な完全電子機械的解決策を提供し、このため信頼性および反復性が増す。
【0016】
例示する実施形態は、駆動コイルの指定されたドロップアウト閾値よりも高いAC線電圧でATS接触器の切り換えを可能とする。ドロップアウト電圧は上昇するが、同時にピックアップ電圧は不変であり、上昇ピックアップ電圧と下降ドロップアウト電圧との間のヒステリシスは維持される。
【0017】
図1に移ると、ATSの典型的な部分10が図示されている。部分10は、リレー14に入力電圧を供給するAC入力12を含む。リレー14は、全波または半波整流(整流器)等の整流を表すダイオード16を含む。また、リレー14は、常時開補助(AUX)接点(スイッチ)20と磁気的に連通している接触器コイル18を含む。当業者には認められるように、接触器コイル18に通電すると常時開接点20は閉じる。図示のように、AC入力12は、ダイオード16および接点20の端子の双方に接続されている。
【0018】
変圧器回路は、接触器コイル18および接点20に接続するように図示されている。図示する実施形態において、変圧器回路は、2つの抵抗器22および32ならびに変圧器24(ここでは理想的な変圧器として表す)を含む。一次側には、変圧器24の一次巻線26と接点20の端子との間に抵抗器22が接続されている。また、一次巻線26は接地30に接続されている。二次側には、抵抗器32と並列に二次巻線28が結合されている。接触器コイル18の負側は、ノード34において抵抗器32および二次巻線28に接続されている。また、抵抗器32は図示のように接地30に接続されている。これらの抵抗器は、変圧器巻線の物理的なコンポーネントまたは固有の抵抗とすることができる。
【0019】
接触器コイル18の電気が切られた場合、常時開補助接点20は開き、変圧器24の一次側に電流は流れない。完全AC入力電圧が接触器コイル18に印加され、変圧器24の二次側に小さいIR(電圧)降下がマイナスされる。コイルに通電し、接触器がピックアップした後、常時開補助接点20は閉じる。ここで、コイルの電圧は変圧器誘導二次電圧だけ低下する。これによって、接触器は電圧低減電圧範囲にドロップアウトすることができ、ATSは他の入力線に切り換わることができる。
【0020】
当業者には認められるように、変圧器二次電圧は選択的に変動させることができ、これによってコイルの電圧低下量を変動させる。例えば、一次巻線または二次巻線あるいはその両方の数を変動させて降圧比を変えることができる。
【0021】
以下の例を考える。4:1の比を有する降圧変圧器24を実施する。この場合、入力12におけるAC入力が定格電圧の79.9%に落ちただけである場合に、コイル18の両端の電圧は60%保証ドロップアウト電圧に達する。図2は、図示する電圧低減範囲において、かかる結果をグラフで示す。Y軸に沿って定格電圧のパーセンテージを示し、X軸に沿って経過時間を示す。線52はAC入力電圧を表し、時間が経つにつれて定格電圧の100%から低下する。点線50は定格電圧の79.9%を表し、点線54は前述の定格電圧閾値の60%を表す。点線54と点線50との間の領域は、典型的な電圧低減電圧範囲を表す。時間t1(点線53によって表す)で、AC入力電圧52は、定格電圧の約80%で電圧低減範囲に入った。しかしながら、その間にコイルの両端の電圧は約19.86%低下しているので、時間が更に少し経過すると、接触器のドロップアウト電圧に達し、結果として接触器がドロップアウトする。
【0022】
ここで図3に移ると、2つの接触器および2つのAC線ソースを用いることによって、ATS回路において図1に示したATSの部分10が実施されている。ここで、前述のように、第1のリレーはコイル18および常時開補助接点20を含み、変圧器回路は抵抗器22、32、および変圧器24を含み、図1において前述したように相互接続されている。しかしながら、更に、第2のリレー62が第2のAC入力60に接続するように図示されている。リレー62は、追加のコイル66を有する追加の接触器、および常時開補助接点68、更に整流64を含む。追加の変圧器回路は、抵抗器70および80、変圧器72(一次巻線74および二次巻線76を含む)、更に接地78を含む。追加のリレー62および変圧器のコンポーネントは、リレー14および第1の変圧器回路と同様に相互接続されている。
【0023】
図示する実施形態において、AC入力12および60は、反対側の線の接触器の常時開補助接点に交差接続されている。AC入力12はワイヤ84を介して接点68の端子に接続され、AC入力60は線86を介して接点20に接続されている。交差接続されたAC入力12および60は、変更されたドロップアウト電圧閾値に対して追加の反復性を加える。2つの入力線ソースは独立しており、許容範囲内にあると想定される。入力線が電圧低減範囲に入った場合、他方のAC線ソースは引き続き許容範囲内にある。他方のAC線電圧を用いて、接触器のドロップアウト電圧をシフトさせる。降下している電圧低減電圧でなく、許容範囲内のソースによってこのシフトを発生する。他方の電圧がゼロである場合、ドロップアウト電圧はシフトせず、線は指定されたドロップアウト電圧に接続されたままである。
【0024】
前述の実施形態の利点は、それらの簡単さによって与えられる。例示した実施形態は、もっと少ないコンポーネントで実施することも可能である。更に、コンポーネントは全て受動かつ電磁気的なものである。例示した実施形態は、平均故障間隔(MTBF:mean time between failures)が大きい、必然的に信頼性の高い設計である。また、簡単な回路の結果として、低コスト化および高効率化が達成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械的自動切り換えスイッチ(ATS)のドロップアウト電圧を電圧低減電圧範囲内まで動的に上昇させるための回路であって、
前記自動切り換えスイッチが、第1の入力と、前記第1の入力に接続された第1のコイルと、前記第1のコイルと磁気的に連通している第1の常時開補助接点とを含み、
前記回路が、
前記第1の常時開補助接点と接続するように適合された第1の抵抗器と、
前記第1の抵抗器に接続された一次巻線と、前記第1のコイルに接続するように適合された二次巻線とを有する第1の変圧器と、
を含み、前記第1の常時開補助接点が閉じた場合に、前記第1のコイルの両端の動作電圧が、前記二次巻線の両端の二次電圧によって比例量だけ低下する、
前記回路。
【請求項2】
前記二次巻線に接続された第2の抵抗器を更に含む、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記第1の変圧器の巻線比を変動させることによって、前記比例量を選択的に調節可能である、請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記ATSが、更に、第2の入力と、前記第2の入力に接続された第2のコイルと、前記第2のコイルと磁気的に連通している第2の常時開補助接点とを含み、更に、
前記第2の常時開補助接点と接続するように適合された第2の抵抗器と、
前記第2の抵抗器に接続された一次巻線と、前記第2のコイルに接続するように適合された二次巻線とを有する第2の変圧器と、
を含み、前記第2の常時開補助接点が閉じた場合に、前記第2のコイルの両端の追加の動作電圧が、前記二次巻線の両端の追加の二次電圧によって追加の比例量だけ低下する、請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記第1の変圧器の前記二次巻線に接続された第3の抵抗器と、前記第2の変圧器の前記二次巻線に接続された第4の抵抗器とを更に含む、請求項4に記載の回路。
【請求項6】
前記第1の常時開補助接点が前記第2の入力に接続され、前記第2の常時開補助接点が前記第1の入力に接続されている、請求項4に記載の回路。
【請求項7】
ドロップアウト電圧を電圧低減電圧範囲内まで動的に上昇させるための回路を有する電気機械的自動切り換えスイッチ(ATS)であって、
第1の入力と、
前記第1の入力に接続された第1のコイルと、
前記第1のコイルと磁気的に連通している第1の常時開補助接点と、
前記第1の常時開補助接点に接続された第1の抵抗器と、
前記第1の抵抗器に接続された一次巻線と、前記第1のコイルに接続された二次巻線とを有する第1の変圧器と、
を含み、前記第1の常時開補助接点が閉じた場合に、前記第1のコイルの両端の動作電圧が比例量だけ低下する、
前記ATS。
【請求項8】
前記第1のコイルと前記第1の入力との間に接続された整流器を更に含む、請求項7に記載のATS。
【請求項9】
前記第1の変圧器の巻線比を変動させることによって、前記比例量を選択的に調節可能である、請求項7に記載のATS。
【請求項10】
第2の入力と、
前記第2の入力に接続された第2のコイルと、
前記第2のコイルと磁気的に連通している第2の常時開補助接点と、
前記第2の常時開補助接点に接続された第2の抵抗器と、
前記第2の抵抗器に接続された一次巻線と、前記第2のコイルに接続された二次巻線とを有する第2の変圧器と、
を含み、前記第2の常時開補助接点が閉じた場合に、前記第2のコイルの両端の追加の動作電圧が、前記二次巻線の両端の追加の二次電圧によって追加の比例量だけ低下する、請求項7に記載のATS。
【請求項11】
前記第1の変圧器の前記二次巻線に接続された第3の抵抗器と、前記第2の変圧器の前記二次巻線に接続された第4の抵抗器とを更に含む、請求項10に記載のATS。
【請求項12】
前記第1の常時開補助接点が前記第2の入力に接続され、前記第2の常時開補助接点が前記第1の入力に接続されている、請求項10に記載のATS。
【請求項13】
電気機械的自動切り換えスイッチ(ATS)のドロップアウト電圧を電圧低減電圧範囲内まで動的に上昇させるための回路を製造する方法であって、前記自動切り換えスイッチが、第1の入力と、前記第1の入力に接続された第1のコイルと、前記第1のコイルと磁気的に連通している第1の常時開補助接点とを含み、前記回路が、
前記第1の常時開補助接点と接続するように適合された第1の抵抗器を用意することと、
前記第1の抵抗器に接続された一次巻線と、前記第1のコイルに接続するように適合された二次巻線とを有する第1の変圧器を用意することと、
を含み、前記第1の常時開補助接点が閉じた場合に、前記第1のコイルの両端の動作電圧が、前記二次巻線の両端の二次電圧によって比例量だけ低下する、
前記方法。
【請求項14】
前記二次巻線に接続された第2の抵抗器を用意すること更に含む、請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記第1の変圧器の巻線比を選択することによって前記比例量を選択することを更に含む、請求項13に記載の製造方法。
【請求項16】
前記ATSが、更に、第2の入力と、前記第2の入力に接続された第2のコイルと、前記第2のコイルと磁気的に連通している第2の常時開補助接点とを含み、更に、
前記第2の常時開補助接点と接続するように適合された第2の抵抗器を用意することと、
前記第2の抵抗器に接続された一次巻線と、前記第2のコイルに接続するように適合された二次巻線とを有する第2の変圧器を用意することと、
を含み、前記第2の常時開補助接点が閉じた場合に、前記第2のコイルの両端の追加の動作電圧が、前記二次巻線の両端の追加の二次電圧によって追加の比例量だけ低下する、請求項13に記載の製造方法。
【請求項17】
前記第1の変圧器の前記二次巻線に接続された第3の抵抗器を用意することと、前記第2の変圧器の前記二次巻線に接続された第4の抵抗器を用意することとを更に含む、請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
前記第1の常時開補助接点を前記第2の入力に接続することと、前記第2の常時開補助接点を前記第1の入力に接続することとを更に含む、請求項16に記載の製造方法。
【請求項19】
ドロップアウト電圧を電圧低減電圧範囲内まで動的に上昇させるための回路を有する電気機械的自動切り換えスイッチ(ATS)を製造する方法であって、
第1の入力を用意することと、
前記第1の入力に接続された第1のコイルを用意することと、
前記第1のコイルと磁気的に連通している第1の常時開補助接点を用意することと、
前記第1の常時開補助接点に接続された第1の抵抗器を用意することと、
前記第1の抵抗器に接続された一次巻線と、前記第1のコイルに接続された二次巻線とを有する第1の変圧器を用意することと、
を含み、前記第1の常時開補助接点が閉じた場合に、前記第1のコイルの両端の動作電圧が比例量だけ低下する、
前記方法。
【請求項20】
前記第1のコイルと前記第1の入力との間に接続された整流器を用意することを更に含む、請求項19に記載の製造方法。
【請求項21】
前記第1の変圧器の巻線比を選択することによって前記比例量を選択することを更に含む、請求項19に記載の製造方法。
【請求項22】
第2の入力を用意することと、
前記第2の入力に接続された第2のコイルを用意することと、
前記第2のコイルと磁気的に連通している第2の常時開補助接点を用意することと、
前記第2の常時開補助接点に接続された第2の抵抗器を用意することと、
前記第2の抵抗器に接続された一次巻線と、前記第2のコイルに接続された二次巻線とを有する第2の変圧器を用意することと、
を含み、前記第2の常時開補助接点が閉じた場合に、前記第2のコイルの両端の追加の動作電圧が、前記二次巻線の両端の追加の二次電圧によって追加の比例量だけ低下する、請求項19に記載の製造方法。
【請求項23】
前記第1の変圧器の前記二次巻線に接続された第3の抵抗器を用意することと、前記第2の変圧器の前記二次巻線に接続された第4の抵抗器を用意することとを更に含む、請求項22に記載の製造方法。
【請求項24】
前記第1の常時開補助接点を前記第2の入力に接続することと、前記第2の常時開補助接点を前記第1の入力に接続することとを更に含む、請求項22に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−530795(P2011−530795A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522483(P2011−522483)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際出願番号】PCT/EP2009/060252
【国際公開番号】WO2010/018129
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION