説明

電気泳動ディスプレーのための着色粒子

本発明は、電気泳動表示粒子としての機能化粒子の使用を開示し、ここで、機能化粒子は、表面の酸素原子に共有結合している、式(1):〔式中、RおよびRは、互いに独立して、水素、粒子表面−O−または置換基であり、nは、1、2、3、4、5、6、7または8であり、Bは、直接結合または架橋員であり、そしてDは、有機発色団の残基である〕で示されるラジカルを含む、SiO、AlまたはSiOとAlの混合粒子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動表示粒子としての特定の機能化粒子の使用、機能化粒子を含む電気泳動分散体、機能化粒子を含む電気泳動ディスプレー、並びに新規機能化粒子に関する。
【0002】
電気泳動ディスプレーは、一般に、固体(荷電粒子)と液体(分散媒質)の界面に生成される電気二重層を含み、荷電粒子は、電場により生じる力を機動力として使用して、荷電粒子が有する電荷と反対の極性を有する電極へ移動する。
【0003】
電気泳動ディスプレー、特に電子ペーパーにとって、一旦、ある内容が表示されると、表示を、電圧が付加されなくなっても長時間保持できることが重要である。
【0004】
本発明は、そのようなディスプレーに使用することができ、フルカラーの範囲を網羅することができる荷電粒子を提供する。
【0005】
電子ペーパーに関する現在の技術の状態は、既に現存する、電子インクを使用するディスプレーとしての白黒電子ペーパーである。電子インクは、電子ディスプレーに組み込むためにフィルムに加工される物質である。電子インクの主要な構成要素は、およそヒトの毛髪の直径を持つ数百万の微細のマイクロカプセルである。一つの実施態様において、各マイクロカプセルは、明澄な流体に懸濁した正荷電白色粒子および負荷電黒色粒子を含有する。負電圧(場)が上側電極に付加されると、白色粒子はマイクロカプセルの最上部に移動し、そこでユーザーに見えるようになる。このことによって、そのスポットにおいて表面を白く見せる。同時に、反対の正電圧が黒色の負荷電粒子をマイクロカプセルの底部へ引っ張り、そこに隠す。この過程を逆転すると、黒色粒子がカプセルの最上部に現れ、今回は、このスポットにおいて表面を暗く見せる。この手法によって、像またはテキストをディスプレーの表面に可視化することができる。
欠点は、現在の技術では主に白黒のディスプレーしか製造できないことである。
【0006】
カラー電子ペーパーディスプレーを作り出すには、陽および陰極の間に挟まれると、上記に記載された黒色および白色の粒子のような、電気泳動運動により導くことができる、適切な大きさおよび均一分散性のある着色粒子(緑色、青色、赤色またはマゼンタ、黄色、シアン)を有することが必要である。
【0007】
本発明の主題は、化学的に結合したアニオン性またはカチオン性基を追加的に必要とする場合は、および有機溶媒に適合させる必要がある場合は、少なくとも化学的に結合した染料により相溶化剤基を改質した、シリカまたはアルミナのナノ、サブマイクロまたはマイクロ粒子表面を使用する考えに基づいている。この手法を用い、異なる着色染料を使用することによって、必要な任意の色を有し、広範囲のゼータ電位を有し、そして分散の際に安定している、ある程度均一に分散した粒子を合成することが可能である。粒径を狭い粒径分布に合わせることが容易であるので、透明、並びに不透明な着色粒子を製造することが可能である。このことは、透明または不透明な着色粒子が必要となる可能性のある、異なるディスプレーの取り組みのためには重要である。
【0008】
したがって、本発明は、電気泳動表示粒子としての機能化粒子の使用に関し、ここで、
機能化粒子は、表面の酸素原子に共有結合している、式(1):
【0009】
【化7】

【0010】
〔式中、
およびRは、互いに独立して、水素、粒子表面−O−または置換基であり、
nは、1、2、3、4、5、6、7または8であり、
Bは、直接結合または架橋員であり、そして
Dは、有機発色団の残基である〕
で示されるラジカルを含む、SiO、AlまたはSiOとAlの混合粒子である。
【0011】
式(1)の共有結合ラジカルを含む機能化粒子は、正または負電荷を持つべきである。粒子は、カチオン性アンモニウム若しくはホスホニウム基またはアニオン性カルボキシ、スルファト、スルホナト若しくはホスファト基を含むことが好ましい。
【0012】
カチオン性アンモニウム基の例は、式:−N(Rのものであり、ここで3つのラジカルRは、同一または異なる意味を有することができ、そしてRは、水素;−O−により中断されていることができ、ヒドロキシル若しくはフェニルにより置換されていることができ、フェニルラジカルがC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ若しくはハロゲンにより更に置換されていることができる、C〜C12アルキル;またはC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ若しくはハロゲンにより置換されていることができるフェニルである。Rは、水素またはC〜C12アルキル、特にC〜C12アルキルであることが好ましい。
【0013】
カチオン性ホスホニウム基の例は、式:−P(Rのものであり、ここで3つのラジカルRは、同一または異なる意味を有することができ、上記に定義されたとおりである。
【0014】
好ましいアニオン性基は、カルボキシ、スルファトまたはスルホナト、特にカルボキシまたはスルホナトである。
【0015】
本発明の文脈において、カチオン性およびアニオン性基は、対応する対イオンを含むこともできることが理解される。
【0016】
例えば、カチオン性基は、対応するアニオン性対イオンを含んでもよい。アニオン性対イオンは、例えば、ハロゲン化物、好ましくは塩化物およびフッ化物、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、六フッ化リン、四フッ化ホウ素、ボロンテトラフェニル、炭酸塩、重炭酸塩、シュウ酸塩またはC〜C硫酸アルキル、特に硫酸メチルまたは硫酸エチルのような有機または無機アニオンを意味し、アニオン性対イオンは、乳酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩または塩化亜鉛複塩のような錯体アニオンも意味する。アニオン性対イオンは、特にハロゲン化物、好ましくは塩化物またはフッ化物、硫酸塩、硫酸水素塩、硫酸メチル、硫酸エチル、リン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩または乳酸塩である。アニオン性対イオンは、より好ましくはフッ化物、塩化物、硫酸メチル、硫酸エチル、ギ酸塩または酢酸塩である。
【0017】
更に、アニオン性基は、式:N(R、P(Rのものまたはアルカリ金属イオンのようなカチオン性対イオンを含んでもよく、ここで、4つのラジカルR、並びに4つのラジカルRは、同一または異なる意味を有することができる。RおよびRには、Rについて上記に提示された定義および選択肢が適用される。アルカリ金属イオンの例は、リチウム、ナトリウム、カリウムおよびセシウムである。
【0018】
およびRは、例えば、互いに独立して、水素;−O−若しくは−S−により中断されていてもよいC〜C25アルキル;C〜C24アルケニル;フェニル;C〜Cフェニルアルキル;−OR;下記式:
【0019】
【化8】

【0020】
であり、
は、水素;−O−若しくは−S−により中断されていてもよいC〜C25アルキル;C〜C24アルケニル;フェニル;C〜Cフェニルアルキル;下記式:
【0021】
【化9】

【0022】
または粒子表面であり、
およびRは、互いに独立して、水素;−O−若しくは−S−により中断されていてもよいC〜C25アルキル;C〜C24アルケニル;フェニル;C〜Cフェニルアルキル;または−ORであり、そして
、RおよびR10は、互いに独立して、水素;−O−若しくは−S−により中断されていてもよいC〜C25アルキル;C〜C24アルケニル;フェニルまたはC〜Cフェニルアルキルである。
【0023】
〜C25アルキルとしてのR、R、R、R、R、R、RおよびR10は、分岐鎖または非分岐鎖のラジカルであってもよく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、イコシルまたはドコシルである。アルキルラジカルは、非中断であってもよいか、または−O−若しくは−S−により中断されていてもよい。C〜C25アルキルのようなアルキルラジカル、特に、−O−または−S−により中断されているC〜C25アルキルは、例えば、CH−O−CHCH−、CH−S−CHCH−、CH−O−CHCH−O−CHCH−、CH−O−CHCH−O−CHCH−、CH−(O−CHCH−)O−CHCH−、CH−(O−CHCH−)O−CHCH−またはCH−(O−CHCH−)O−CHCH−である。
好ましいものは、C〜C12アルキル、特にC〜Cアルキルであり、アルキルラジカルは、非中断であってもよいか、または−O−により中断されていてもよい。
【0024】
2〜24個の炭素原子を有するアルケニルとしてのR、R、R、R、R、R、RおよびR10は、分岐または非分岐鎖のラジカルであってもよく、例えば、ビニル、プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−2,4−ペンタジエニル、3−メチル−2−ブテニル、n−2−オクテニル、n−2−ドデセニル、イソ−ドデセニル、オレイル、n−2−オクタデセニルまたはn−4−オクタデセニルである。好ましいものは、3〜18個、特に3〜12個、例えば3〜6個、特に3〜4個の炭素原子を有するアルケニルである。
【0025】
〜CフェニルアルキルとしてのR、R、R、R、R、R、RおよびR10は、例えば、ベンジル、α−メチルベンジル、α,α−ジメチルベンジルまたは2−フェニルエチルである。好ましいものはベンジルである。
【0026】
は、好ましくは水素、C〜Cアルキルまたは粒子表面、特に、Al表面またはSiO表面のような粒子表面である。Rにとって極めて好ましい意味はSiO表面である。
【0027】
、R、R、RおよびR10は、好ましくはC〜Cアルキル、特にメチルである。
【0028】
好ましくは、RおよびRは−OR;下記式:
【0029】
【化10】

【0030】
であり、特に式:−ORのラジカルであり、ここでR、RおよびRには、上記の意味および選択肢が適用される。
【0031】
より好ましくは、RおよびRは、式:−ORのラジカルあり、ここでRは、Al表面またはSiO表面、特にSiO表面のような粒子表面である。
【0032】
nは、好ましくは2、3または4、特に3である。
【0033】
Bは、例えば、直接結合、−NH−SO−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−CO−またはC〜C25アルキレンであり、アルキレンは、−O−、−S−、−N(R)−、−N(R−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R)−CO−、−CO−N(R)−およびフェニレンからなる群より選択される少なくとも1つのラジカルによって結合および/または中断されていてもよく、ここでRは、水素または場合により置換されているC〜C12アルキルである。C〜C25アルキレンラジカルは、非置換であってもよいか、または例えば上記されたカチオン性若しくはアニオン性基により、若しくはヒドロキシにより、好ましくはヒドロキシにより置換されていてもよい。上記されたフェニレンラジカルは、非置換であってもよいか、または例えばヒドロキシル、ハロゲン、カルボキシ、スルホナト、アミノ、アセチルアミノまたはモノ−若しくはジ(C〜Cアルキル)アミノにより置換されていてもよい。
アルキルラジカルとしてのRは、上記されたカチオン性またはアニオン性基、特にカチオン性アンモニウム基により、またはアニオン性カルボキシ、スルファト若しくはスルホナト基により置換されていてもよい。
【0034】
好ましくは、Rは、水素またはC〜C12アルキル、特に水素またはC〜Cアルキルである。Rにとって極めて好ましい意味は水素である。
【0035】
好ましくは、Bは、直接結合または式:−A−C〜C25アルキレン−A−、−A−C〜C25アルキレン−フェニレン−A−若しくは−A−フェニレン−C〜C25アルキレン−A−の架橋員であり、ここで、
〜C25アルキレンは、非中断であることができるかまたは上記に提示されているように中断されていることができ、そしてAおよびAは、直接結合または上記に提示されているようなラジカルである。AおよびAの好ましい意味は、直接結合、−O−、−S−、−N(R)−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R)−CO−、−CO−N(R)−、特に−N(R)−、−O−、−S−であり、ここでRは、上記に定義されたとおりである。AおよびAにとって極めて好ましい意味は、直接結合または−N(R)−、特に直接結合または−NH−である。C〜C25アルキレンとしては、非中断であるか、または−O−、−N(R)−、−N(R−、−CO−、−CO−O−、−CO−N(R)−およびフェニレン、特に−O−、−NH−、−CO−O−、−CO−NH−およびフェニレン、より好ましくは−CO−O−、−CO−NH−およびフェニレンからなる群より選択される少なくとも1つのラジカルにより中断されていることが好ましい。C〜C25アルキレンおよびフェニレンは、上記に提示されたように置換されていてもよいか、または好ましくは非置換であってもよい。一般に、C〜C25アルキレンラジカルとしてC〜C25アルキレン、特にC〜C16アルキレンが好ましい。
【0036】
より好ましくは、Bは、直接結合または式:−A−C〜C25アルキレン−A−、−A−C〜C25アルキレン−フェニレン−A−若しくは−A−フェニレン−C〜C25アルキレン−A−の架橋員であり、ここで、
およびAは、直接結合、−O−、−S−、−N(R)−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R)−CO−または−CO−N(R)−であり、
〜C25アルキレンラジカルは、非中断であるか、または−O−、−S−、−N(R)−、−N(R−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R)−CO−、−CO−N(R)−およびフェニレンからなる群より選択される少なくとも1つのラジカルにより中断されており、そして
は上記に定義されたとおりである。
【0037】
Bにとって重要な意味は、直接結合または式:−A−C〜C25アルキレン−A−、−A−C〜C25アルキレン−フェニレン−A−若しくは−A−フェニレン−C〜C25アルキレン−A−の架橋員であり、ここで、
およびAは、直接結合、−N(R)−、−O−または−S−であり、ここでRは、上記に定義されたとおりであり、そして
〜C25アルキレンラジカルは、非中断であるか、または−O−、−S−、−NH−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−NH−CO−、−CO−NH−およびフェニレンからなる群より選択される少なくとも1つのラジカルにより中断されている。
【0038】
Bにとって極めて重要な意味は、直接結合または式:−NH−C〜C25アルキレン−A−若しくは−NH−C〜C25アルキレン−フェニレン−A−の架橋員であり、ここで、
は、直接結合または−NH−であり、そして
〜C25アルキレンラジカルは、非中断であるか、または−CO−O−、−CO−NH−およびフェニレンからなる群より選択される少なくとも1つのラジカルにより中断されている。
〜C25アルキレンおよびフェニレンは、上記に提示されたように置換されていてもよく、または好ましくは非置換であってもよい。
【0039】
Dは、好ましくは、アクリジン、アントラキノン、アザメチン、モノアゾ、ジアゾ、ポリアゾ、ベンゾジフラノン、クマリン、ジケトピロロピロール、ジオキサジン、ジフェニルメタン、ホルマザン、インジゴイド、メチン、ポリメチン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロアリール、オキサジン、ペリノン、ペリレン、フェナジン、フタロシアニン、ピレンキノン、キナクリドン、キノンイミン、キノフタロン、スチルベン、スチリル、チアジン、チオキサンテン、トリアリールメタン、キサンテンまたは金属錯体染料のラジカル、より好ましくは、モノアゾ、ジアゾ、ポリアゾ、アントラキノン、フタロシアニン、ホルマザン、ジオキサジンまたは金属錯体染料のラジカルである。
【0040】
ラジカルDは、本明細書の前記に提示されたようなカチオン性またはアニオン性電荷を有する基を持ってもよい。好ましい実施態様によると、ラジカルDは、そのような基(例えば、カチオン性アンモニウム若しくはホスホニウム基、またはアニオン性カルボキシ、スルファト、スルホナト若しくはホスファト基)を含まない。
【0041】
モノアゾ染料の好ましいラジカルDは、以下の式:
【0042】
【化11】

【0043】
〔式中、
およびBは、互いに独立して、フェニル、ナフチルまたは複素環基であり、それぞれ非置換であることができるかまたは置換されていることができる〕で示される。そのような置換基の例は、C〜Cアルキル;ヒドロキシル−、スルホナト−若しくはスルファト置換C〜Cアルキル;C〜Cアルコキシ;ヒドロキシル−、スルホナト−若しくはスルファト置換C〜Cアルコキシ;トリフルオロメチル;ヒドロキシ;ハロゲン;カルボキシ;スルホナト;スルファト;シアノ;ニトロ;ウレイド;カルバモイル;アミノ;アセチルアミノ;モノ−若しくはジ(C〜Cアルキル)アミノ;上記されたようなカチオン性アンモニウム基;またはそれぞれ非置換であることができるかまたは上記に提示された置換基の少なくとも1つにより、特にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン若しくはスルホナトによりフェニル環で置換されていることができるフェニル若しくはベンゾイルである。好ましい複素環基は、イミダゾール、ピリダジン、ピラゾロンおよび6−ヒドロキシピリド−2−オン基である。
【0044】
ジアゾ染料の好ましいラジカルDは、式(3):
【0045】
【化12】

【0046】
〔式中、BおよびBは、式(2a)および(2b)において上記に定義されたとおりであり、そして
は、フェニレンまたはナフチレンであり、それぞれ式(2a)および(2b)においてBおよびBについて上記に提示されたように置換されていることができる〕
で示されるものである。
【0047】
フタロシアニン染料の好ましいラジカルDは、式(4):
【0048】
【化13】

【0049】
〔式中、
MePhCは、金属フタロシアニンのラジカルであり、
は、直接結合、−O−、−S−または−N(R101)−であり、ここでR101は、水素またはC〜C12アルキルであり、
100は、水素、C〜C25アルキル若しくはヒドロキシル置換C〜C25アルキル;C〜C25アルコキシ若しくはヒドロキシル置換C〜C25アルコキシ;ハロゲン;カルボキシ;スルホナト;アミノ;アセチルアミノ;モノ−若しくはジ(C〜Cアルキル)アミノ;シアノまたはヒドロキシであり、そして
xは、1、2、3、4、5、6、7または8である〕
で示されるものである。
【0050】
Meは、好ましくは、銅、ニッケルまたはコバルトから選択される金属であり、特に銅である。
【0051】
アントラキノン染料の好ましいラジカルDは、以下の式:
【0052】
【化14】

【0053】
〔式中、
102、R105およびR108は、水素;C〜C12アルキルまたはヒドロキシル置換C〜C12アルキルであり、
103、R104、R106およびR107は、水素;C〜C12アルキル若しくはヒドロキシル置換C〜C12アルキル;C〜C12アルコキシ若しくはヒドロキシル置換C〜C12アルコキシ;ハロゲン;カルボキシ;スルホナト;アミノ;ウレイド;カルバモイル;アセチルアミノ;モノ−若しくはジ(C〜Cアルキル)アミノ;シアノ;ニトロまたはヒドロキシであり、そして
109は、水素;C〜C12アルキル若しくはヒドロキシル置換C〜C12アルキル;または非置換であるかまたはR103、R104、R106およびR107において上記に提示された基の少なくとも1つにより、特にC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン若しくはスルホナトにより置換されているフェニルである〕
で示されるものである。
102、R105、並びにR108およびR109のうちの少なくとも1つは、水素であることが好ましい。
【0054】
金属錯体染料の好ましいラジカルDは、テルピリジンリガンドを含むものである。好ましい金属は、鉄、特にFe2+である。
【0055】
好ましいテルピリジンリガンドは、式(6):
【0056】
【化15】

【0057】
〔式中、
110は、水素またはC〜C12アルキルであり;
111、R112およびR113は、互いに独立して、水素;C〜C12アルキル;C〜C12アルコキシ;ヒドロキシ;非置換であるかまたはC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル若しくはヒドロキシにより置換されているフェニル;ヒドラジノ;アミノ;非置換であるかまたはアルキル部分においてヒドロキシにより置換されているN−モノ−若しくはN,N−ジ−C〜Cアルキルアミノ;あるいは非置換のまたはC〜Cアルキル置換のピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン若しくはアゼパン環である〕
で示されるものである。
【0058】
110は、好ましくはC〜C12アルキル、より好ましくはC〜Cアルキルである。R111、R112およびR113は、好ましくは水素である。
【0059】
機能化粒子は、好ましくは緑色、青色、赤色、マゼンタ、黄色またはシアン成分として使用される。
【0060】
より好ましくは、機能化粒子の組み合わせが使用され、機能化粒子は、緑色、青色および赤色成分として使用されるか、または機能化粒子は、マゼンタ、黄色およびシアン成分として使用される。
【0061】
極めて好ましいことは、緑色成分としての機能化粒子の使用であり、ここでDは、フタロシアニン染料のラジカルであるか、または
機能化粒子は青色成分として使用され、Dは、金属錯体染料若しくは1,4−ジアミノアントラキノン染料のラジカルであるか、または
機能化粒子は赤色成分として使用され、Dは1−アミノアントラキノン染料のラジカルである。
【0062】
本発明の更なる実施態様によると、機能化粒子は、式(1)のラジカルに加えて、表面の酸素原子に共有結合している、式(7):
【0063】
【化16】

【0064】
〔式中、
12およびR13は、R1およびRについて式(1)において上記に提示されている意味を有し、
11は、それぞれ非置換であるかまたはアミノ、メルカプト、フェニル若しくはヒドロキシルにより置換されており、非中断であるかまたは−O−、−S−、−N(R14)−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R14)−CO−、−CO−N(R14)−若しくはフェニレンにより中断されている、C〜C25アルキルまたはC〜C24アルケニル;C〜C12シクロアルキル;C〜C12シクロアルケニル;またはそれぞれ架橋員を介して結合してもよい重合性基若しくはポリマーであり、そして
14は、水素、または非置換若しくは置換C〜C12アルキル、特に水素、C〜C12アルキルまたはヒドロキシル置換C〜C12アルキル、より好ましくは水素またはC〜Cアルキルである〕
で示されるラジカルを含むことができる。
【0065】
式(7)のラジカルを、粒子が分散媒質と相溶化するために、粒子に導入してもよい。したがって、そのような場合には、別個に分散剤または界面活性剤を使用することなく、分散体を調製することが可能である。
【0066】
12およびR13には、RおよびRについて本明細書の上記に提示された定義および選択肢が適用される。
【0067】
14は、好ましくは水素またはメチル、特に水素である。
【0068】
〜C25アルキルおよびC〜C24アルケニルの意味におけるR11には、R、R、R、R、R、R、RおよびR10について上記に提示された定義および選択肢が適用される。R11の好ましい定義は、C〜C12アルキル、特にC〜Cアルキルである。
【0069】
ヒドロキシル置換C〜C25アルキルとしてのR11は、好ましくは1〜3つ、特に1または2つのヒドロキシル基を含む分岐鎖または非分岐鎖のラジカルであり、例えば、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、4−ヒドロキシペンチル、3−ヒドロキシペンチル、2−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、5−ヒドロキシヘキシル、4−ヒドロキシヘキシル、3−ヒドロキシヘキシル、2−ヒドロキシヘキシル、7−ヒドロキシヘプチル、6−ヒドロキシヘプチル、5−ヒドロキシヘプチル、4−ヒドロキシヘプチル、3−ヒドロキシヘプチル、2−ヒドロキシヘプチル、8−ヒドロキシオクチル、7−ヒドロキシオクチル、6−ヒドロキシオクチル、5−ヒドロキシオクチル、4−ヒドロキシオクチル、3−ヒドロキシオクチル、2−ヒドロキシオクチル、9−ヒドロキシノニル、10−ヒドロキシデシル、11−ヒドロキシウンデシル、12−ヒドロキシドデシル、13−ヒドロキシトリデシル、14−ヒドロキシテトラデシル、15−ヒドロキシペンタデシル、16−ヒドロキシヘキサデシル、17−ヒドロキシヘプタデシル、18−ヒドロキシオクタデシル、20−ヒドロキシエイコシルまたは22−ヒドロキシドコシルである。R11の好ましい定義は、ヒドロキシル置換C〜C12アルキル、特にヒドロキシル置換C〜Cアルキルである。
【0070】
−O−、−S−、−N(R14)−、−CO−、−O−CO−または−CO−O−により中断されているアルキルとしてのR11は、対応するC〜C25アルキルラジカルであり、例えば、
CH−O−CHCH−、CH−NH−CHCH−、CH−N(CH)−CHCH−、CH−S−CHCH−、CH−O−CHCH−O−CHCH−、CH−O−CHCH−O−CHCH−、CH−(O−CHCH−)O−CHCH−、CH−(O−CHCH−)O−CHCH−、CH−(O−CHCH−)O−CHCH−、CH−(O−CHCH−)O−CHCH−O(CO)−CHCH−、CHCH−(O−CHCH−)O−CHCH−O(CO)−CHCH−またはCH−(CH11−O(CO)−CHCH−である。
【0071】
ヒドロキシルで置換され、−O−、−S−、−N(R14)−、−CO−、−O−CO−または−CO−O−により中断されているアルキルとしてのR11は、対応するC〜C25アルキルラジカルであり、例えば、
−CH−CH(OH)−CH−O−CH、−CH−CH(OH)−CH−O−CHCH、−CH−CH(OH)−CH−O−CH(CHまたは−CHCH−CO−O−CHCH−O−CO−(CH−O−CO−(CH−OHである。
【0072】
アミノ−、メルカプト−またはヒドロキシルで置換され、−O−、−S−、−N(R14)−、−CO−、−O−CO−または−CO−O−により中断されているアルキルとしてのR11は、対応するC〜C25アルキルラジカルであり、例えば、
HO−CHCH−O−CHCH−、HNCHCH−NH−CHCH−、HOCHCH−NH(CH)−CHCH−、HOCHCH−S−CHCH−、HNCHCH−O−CHCH−O−CHCH−、HOCHCH−O−CHCH−O−CHCH−、HSCHCH−(O−CHCH−)O−CHCH−、HNCHCH−(O−CHCH−)O−CHCH−、HNCHCH−(O−CHCH−)O−CHCH−、HSCHCH−(O−CHCH−)O−CHCH−O(CO)−CHCH−またはHOCHCHCHCH−(O−CHCH−)O−CHCH−O(CO)−CHCH−である。
【0073】
〜C12シクロアルキルとしてのR11は、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシルまたはシクロドデシルである。好ましいものはシクロヘキシルである。
【0074】
〜C12シクロアルケニルとしてのR11は、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロノネニル、シクロデセニル、シクロウンデセニルまたはシクロドデセニルである。好ましいものはシクロヘキセニルである。
【0075】
重合性基としてのR11は、例えば、下記:
【0076】
【化17】

【0077】
である。
【0078】
ポリマーとしてのR11は、例えば上記に概説された重合性基が重合される場合、重合生成物である。加えて、ポリマーポリオルガノシロキサンとしてのR11では、ポリジメチルシロキサンのようなポリオルガノシロキサンが考慮される。下記式:
【0079】
【化18】

【0080】
〔式中、nは1〜100、特に10〜80、より好ましくは40〜70の数である〕で示されるポリジメチルシロキサンが好ましい。
【0081】
ポリマーR11は、架橋基を介して結合してもよい。この架橋基には、Bについて上記に提示された定義および選択肢が適用される。
【0082】
11は、好ましくは、非置換であるかまたはヒドロキシルにより置換され、非中断であるか、または−O−、−S−、−N(R14)、−CO−、−O−CO−若しくは−CO−O−により、特に−N(R14)−、−CO−、−O−CO−若しくは−CO−O−により中断されている、C〜C25アルキルであるか、或いは
11は、C〜C25アルキレンを介して結合し、次に−O−、−S−、−N(R14)、−CO−、−O−CO−または−CO−O−、特に−NH−、−CO−、−O−CO−または−CO−O−からなる群より選択される少なくとも1つのラジカルにより結合および/または中断されていてもよい、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール若しくはポリアクリレート基またはポリシロキサンである。
【0083】
より好ましくは、R11は、C〜C12アルキル;ヒドロキシにより置換されているC〜C12アルキル;上記に提示されているような重合性基により置換されているC〜C25アルキル;−NH−、−CO−、−O−CO−若しくは−CO−O−により中断され、場合によりヒドロキシで置換されているC〜C25アルキル;またはC〜C25アルキレンを介して結合し、次に−NH−、−CO−、−O−CO−若しくは−CO−O−からなる群より選択される少なくとも1つのラジカルにより結合および/若しくは中断されていてもよい、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール若しくはポリアクリレート基、またはポリシロキサンである。ポリマーは、−O−CO−または−CO−O−を介してアルキレン基に結合していることが好ましい。アルキレンとしては、式(7)で示されているSi原子に直接結合していることが好ましい。更に、アルキレンは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−O−CO−または−CO−O−、特に−NH−、−CO−、−O−CO−または−CO−O−、より好ましくは−NH−、−O−CO−または−CO−O−の少なくとも1つにより中断されていることが好ましい。
【0084】
本発明の更なる実施態様によると、機能化粒子は、式(1)のラジカルに加えて、または式(1)および(7)のラジカルに加えて、表面の酸素原子に共有結合している、式(8):
【0085】
【化19】

【0086】
〔式中、
16およびR17は、R1およびRについて式(1)において上記に提示された意味を有し、
15は、それぞれ非置換であるかまたはアミノ、メルカプト、フェニル若しくはヒドロキシルにより置換されており、非中断であるかまたは−O−、−S−、−N(R18)−、−N(R18−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R18)−CO−、−CO−N(R18)−若しくはフェニレンにより中断されている、C〜C25アルキルまたはC〜C24アルケニル;C〜C12シクロアルキル;C〜C12シクロアルケニル;またはそれぞれ架橋員を介して結合してもよい重合性基若しくはポリマーであり、
18は、水素または非置換若しくは置換C〜C12アルキルであり、そして、
15またはR18は、上記されたカチオン性またはアニオン性基、特にカチオン性アンモニウム若しくはホスホニウム基、またはアニオン性カルボキシ、スルファト、スルホナト若しくはホスホナト基を追加的に含む〕
で示されるラジカルを含むことができる。
【0087】
式(8)のラジカルを、所望の電荷を有する粒子を提供するために、粒子に導入してもよい。ラジカルDのような電荷を提供するラジカルが既に存在する場合、式(8)のラジカルを、電荷を所望のレベルに調整するために導入してもよい。
【0088】
アニオン性およびカチオン性基には、本明細書の上記に提示された定義および選択肢が適用される。
【0089】
16およびR17には、RおよびRについて本明細書の上記に提示された定義および選択肢が適用される。
【0090】
アルキルラジカルとしてのR18は、式(8)において上記に記述されたカチオン性またはアニオン性基、特にカチオン性アンモニウム基により、またはアニオン性カルボキシ、スルファト若しくはスルホナト基により置換されていてもよい。好ましくは、R18は、水素またはC〜C12アルキル、特に水素またはC〜Cアルキルである。R18にとって極めて好ましい意味は水素である。
【0091】
15には、R11について本明細書の上記に提示された定義および選択肢が適用される。R15を、式(8)において上記に記述されたカチオン性またはアニオン性基により置換することができる。R15は、カチオン性アンモニウム若しくはホスホニウム基またはアニオン性カルボキシ、スルファト、スルホナト若しくはホスファト基を追加的に含むことが好ましい。
【0092】
好ましいアニオン性基は、カルボキシ、スルファトまたはスルホナト、特にカルボキシまたはスルホナトである。
【0093】
本発明の機能化粒子は、好ましくは球状を有する。
【0094】
好ましくは、機能化粒子は、1〜1000nm、特に1〜600nm、より好ましくは1〜400nmの平均粒径を有する。1〜300nm、特に1〜200nmの平均粒径が好ましい。極めて重要なものは、1〜100nmの平均粒径を有する粒子である。平均粒径の下限としては、10nm、特に20nmが好ましい。粒径は、例えば、電子鏡検法により決定してもよい。
【0095】
本発明の粒子の有機物含有量は、粒子の総重量に基づいて、例えば、5〜90重量%、特に20〜90重量%、より好ましくは40〜90重量%である。
【0096】
粒子は、典型的には、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、それらの不均質混合物、または混合酸化物としての酸化アルミニウムケイ素である。本発明の酸化アルミニウムケイ素粒子は、金属原子1〜99%のケイ素含有量を示すことができる。
【0097】
機能化粒子は、シリカ(SiO)またはアルミナ(Al)粒子、特にシリカ粒子であることが好ましい。
【0098】
未改質粒子、特にそのようなナノ粒子は、Degussa、Hanse Chemie、Nissan Chemicals、Clariant, H. C. Starck、NanoproductsまたはNyacol Nano Technologiesのような異なる供給者から粉末または分散体として市販されている。市販されているシリカナノ粒子の例は、DegussaからのAerosil(登録商標)、DuPontからのLudox(登録商標)、Nissan ChemicalからのSnowtex(登録商標)、BayerからのLevasil(登録商標)またはFuji Silysia ChemicalからのSylysia(登録商標)である。市販のAlナノ粒子の例は、Nyacol Nano Technologies Inc.からのNyacol(登録商標)製品またはSasolからのDisperal(登録商標)製品である。当業者は、異なる大きさ、異なる物理的特性および異なる組成の粒子を得るために十分に確立された異なる方法を認識しており、例えば、火炎加水分解法(アエロジルプロセス)、プラズマプロセス、アークプロセス、気相または固相反応のための高温壁反応器プロセス、またはイオン交換プロセス、および溶液系反応のための沈殿プロセスである。詳細なプロセスを記載する幾つかの参考文献が参照され、例えば、EP−A−1 236 765、US−B−5,851,507、US−B−6,719,821、US−A−2004−178530またはUS−B−2,244,325、WO−A−05/026068、EP−A−1 048 617である。
【0099】
少なくとも式(1)のラジカルを表面に含む機能化粒子の調製は、好ましくは、対応する粒子(例えば、非機能化シリカまたはアルミナ粒子)と、式(1a):
【0100】
【化20】

【0101】
〔式中、
Xは、酸素、硫黄、または下記:
【0102】
【化21】

【0103】
のような基であり、
は、C〜C25アルキルであり、
R′は、水素であり、
R′およびR′は、互いに独立して、水素、C〜C25アルキル、酸素若しくは硫黄により中断されているC〜C24アルキル;C〜C24アルケニル、フェニル、C〜Cフェニルアルキルまたは−OR′であり、
R′は、水素、C〜C25アルキルまたは酸素若しくは硫黄により中断されているC〜C24アルキルであり、
R′は、水素またはC〜C25アルキルであり、そして
nは、1、2、3、4、5、6、7または8である〕
で示される化合物との反応によって実施される。
【0104】
式(1a)の化合物と粒子との反応は、既知の方法と同様に実施することができる。反応は、例えば、有機媒質または好ましくは水と有機媒質との混合物で実施することができる。アルコールのような有機媒質溶媒としては、特にメタノールまたはエタノールを使用することができる。20〜90℃、特に40〜60℃のような温度で反応を実施することが好ましい。式(1a)の化合物としては、R、R′およびR′のうちの少なくとも1つがメトキシまたはエトキシであるもの、特にR、R′およびR′がメトキシまたはエトキシであるものを使用することが好ましい。R、R′およびR′がメトキシであることが極めて好ましい。望ましい場合、得られる生成物をエタノール、トルエンまたはキシロールのような適切な媒質に再分散することができる。
【0105】
更なる工程において、粒子と式(1a)の化合物との反応生成物を、例えばエステル化、アミド化、マイケル付加またはエポキシドの開口のような既知の方法により容易に誘導体化して、式(1)のラジカルを含む粒子を得ることができる。
【0106】
以下に、そのような反応の幾つかの例を一般用語により提示する:
a)−SHまたは−NHのような活性な結合基を示す粒子を、例えばエステル−、エポキシ−、カルボキシ−、カルボニル−、アクリル−、メタクリル−、アルキルハロゲン化物−、硫酸アルキル−、無水物−、末端二重結合−、ニトリル−および例えばα,β−不飽和カルボニル−基を持つ抽出物により容易に表面改質することができる。これらの物質の化学および分子有機合成(例えば、求核置換、求核付加、マイケル付加、開環反応、ラジカル付加など)は、周知であり、固相有機化学に容易に適合することができる。
b)エステル−、エポキシ−、カルボキシ−、カルボニル−、アクリル−、メタクリル−、アルキルハロゲン化物−、硫酸アルキル−、無水物−、末端二重結合−、ニトリル−および例えばα,β−不飽和カルボニル−基のような官能基を表面に示す粒子を、a)において上記した化学反応によって、−SH、−RNH(R=有機基)または−NH基を持つ抽出物と容易に更に反応させることができる。
c)−OH、−RNH(R=有機基)または−NH基を示す抽出物を、塩基性条件下で塩化アクリロイルを使用して活性化して、抽出物アクリレートを生成することができ(アシル化)、それを、−SHまたは−NH基を持つ粒子とマイケル付加の使用によって容易に反応させることができる。a)およびb)に記述されている官能基をもたらす他の合成は、よく知られている。
d)抽出物を、官能基を示す反応性アルコキシシラン、およびa)、b)またはc)に記述された機構を使用し、次に最新のシラン化反応の状態を使用して粒子表面にグラフトすることによって機能化することができる。
【0107】
式(1)のラジカルを含む機能化粒子の調製の代替的方法によると、市販のシリカまたはAl粒子のような対応する非機能化粒子を、式(1b):
【0108】
【化22】

【0109】
〔式中、R、R′およびR′は、式(1a)において上記に定義されたとおりであり、そしてn、BおよびDは、式(1)において上記に定義されたとおりである〕で示される化合物と反応させることができる。この経路によって、式(1)のラジカルを含む粒子を、更に誘導体化することなく、直接得ることができる。反応条件は、非機能化粒子と式(1a)の化合物との反応において上記に提示されているとおりに選択することができる。反応は、例えば、WO−A−03/002652に記載された調製方法と同様に実施することができる。
【0110】
式(7)および(8)のラジカルを、上記の調製方法と同様に導入することができる。これらの反応は、式(1)のラジカルの導入と同時にまたは段階的に実施することができる。
【0111】
上記に概説した調製方法において、非機能化粒子(例えば、シリカまたはアルミナ粒子)は表面に遊離ヒドロキシル基を含むことが留意されるべきである。
【0112】
これらの基を、本発明によって使用される機能化粒子を得るために反応させ、これは以下の式:
【0113】
【化23】

【0114】
〔式中、Zは、式(1)のラジカルであり、そして垂直線は、粒子表面に相当する〕により記載することもできる。加えて、式(7)および/または(8)のラジカルを、Zについて上記に提示したものと同じ方法でヒドロキシル基に結合してもよい。
【0115】
本発明の更なる目的は、表面の酸素原子に共有結合している、式(1′):
【0116】
【化24】

【0117】
〔式中、
およびRは、互いに独立して、水素、粒子表面−O−または置換基であり、
nは、1、2、3、4、5、6、7または8であり、
Bは、直接結合または架橋員であり、そして
Dは、非荷電モノアゾ、ジアゾ、ポリアゾ、アントラキノン、ホルマザン、ジオキサジン又金属錯体染料のラジカルであるが、但し、フタロシアニン染料は除外される〕で示されるラジカルを含む、新規機能化SiO、AlまたはSiOとAlの混合粒子である。機能化粒子には、本明細書の上記に提示された定義および選択肢が適用される。
【0118】
本発明の別の目的は、液体分散媒質と、式(1)のラジカルを含む機能化粒子とを含む電気泳動分散体である。機能化粒子には、本明細書の上記に提示された定義および選択肢が適用される。
【0119】
そのような電気泳動分散体では、粒子の沈殿が生じないことが重要である。したがって、機能化粒子は、式(1)のラジカルに加えて、粒子を分散媒質と相溶化させるために使用できる式(7)のラジカルを含むことが好ましい。したがって、そのような場合では、別個に分散剤または界面活性剤を使用することなく、分散体を調製することが可能である。
【0120】
液体分散媒質には、高絶縁性有機溶媒が好ましい。これらの溶媒には、トルエン、キシレンおよびアルキルベンゼンのような芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカンまたはドデカンのような脂肪族炭化水素;シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサンのような脂環式炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素;シリコーン油およびフルオロカーボン油のような鉱油;オリーブ油のような植物油;並びに長鎖脂肪剤エステルが含まれる。これらの溶媒は、単独でまたは組み合わせて使用することができる。脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素が好ましい。
【0121】
液体分散媒質は、本発明の機能化粒子を、0.01〜25重量%、特に0.1〜10重量%の量で含んでもよい。
【0122】
更に、本発明は、電気泳動ディスプレー、好ましくは電子ペーパーのための、本発明の機能化粒子の使用を対象とする。機能化粒子には、上記に提示された定義および選択肢が適用される。
【0123】
本発明の更なる目的は、本発明の機能化粒子を電気泳動表示粒子として含む電気泳動ディスプレー、特に電子ペーパーである。機能化粒子には、上記に提示された定義および選択肢が適用される。
【0124】
電気泳動デバイスを含む電気泳動ディスプレーシステムは既知である(例えば、US−B−5,914,806、US−A−2004/0094422、WO−A−02/079869を参照すること)。電気泳動ディスプレーシステムは、通常、複数のそのような電気泳動デバイスを含む。
【0125】
電気泳動ディスプレーシステムは、それぞれ、1対の基板と、基板の間に配置された電気泳動分散体とを含む電気泳動デバイスを含み、ここで、基板のうちの少なくとも1方は、透明な物質を含み、基板は、その間に所定の間隔を有し、電気泳動分散体は、少なくとも液体分散媒質と、表面電荷を有する電気泳動粒子とを含む。基板の間に電圧が付加されると、電気泳動粒子は、表面電荷および電場の方向に応じて電気泳動的に移動し、それによって、電気泳動粒子の分布を変える。したがって、電気泳動デバイスの色は、透明基板の側から見ると変わっている。すなわち、荷電粒子が、ディスプレー表面の役割をする一方の基板へ動くと、荷電粒子が有する色が認識される。したがって、付加する電圧を制御することによって、所望の像を表示することができる。
【0126】
幾つかの表示デバイスが赤色粒子を含み、幾つかの表示デバイスが緑色粒子を含み、そして幾つかの表示デバイスが青色粒子を含むことが好ましい。別の実施態様によると、幾つかの表示デバイスがシアン粒子を含み、幾つかの表示デバイスがマゼンタ粒子を含み、そして幾つかの表示デバイスが黄色粒子を含むことが好ましい。表示デバイスを個別にアドレスすることによって、ディスプレーは、選択した色に対応する外観を選択した輝度レベルで現すことができる。
【0127】
興味深い種類の電気泳動ディスプレーは、いわゆるマイクロセル電気泳動ディスプレーである。マイクロセル電気泳動ディスプレーにおいて、分散媒質を含む粒子は、担体媒質内に形成された複数の空洞に保持される(例えば、WO−A−02/01281を参照すること)。
【0128】
好ましい電気泳動ディスプレーは、電子ペーパーである。これは、典型的には、シート状表示機能層を含むシート状のディスプレーである。
【0129】
以下の実施例は本発明をより詳細に説明する。部または百分率は重量に基づく。
【0130】
実施例1:
a)式(101)の化合物の合成
【0131】
【化25】

【0132】
式(101)の化合物は、既知の1−フルオロ−アントラキノン(D. J. Milner Synth. Commun. 1992, 22(1), 72)から収率95%で得た。1−フルオロ−アントラキノン7.5g、市販の炭酸カリウム4.5gおよびアリルアミン25mlを、ジオキサン150ml中、出発フッ化物が全て消費されるまで40℃で24時間撹拌した。反応混合物を濾過し、ジオキサンを蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチルに取り、次に過剰アリルアミンを除去するために、0.1N塩化水素、飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインにより連続して洗浄した。溶媒の蒸発によって、式(101)の赤色化合物8.3gが残った。
【表1】

【0133】
b)式(102)の化合物の合成
【0134】
【化26】

【0135】
式(101)の化合物を、Speier触媒−ヘキサクロロ白金酸(Riedel-de-Haen)−(J. W. Ryan et al. J. Org Chem 1966, 31, 2698)の存在下で市販のトリメトキシシランによりヒドロシリル化して、式(102)の化合物を得た。乾燥アルゴンの環境下、式(101)の化合物6.0g、トリメトキシシラン(FLUKA)3.9mlおよびテトラヒドロフラン(THF)中のヘキサクロロ白金酸の1%(w/v)溶液の触媒量0.5mlを、乾燥トルエン150mlに溶解し、約70℃で24時間、出発物質が消費されるまで加熱した。溶媒の蒸発によって、式(102)の目的の赤色化合物(8.7g)が残った。
【表2】

【0136】
実施例2:
a)式(103)の化合物の合成
【0137】
【化27】

【0138】
式(103)の化合物を、1−フルオロ−アントラキノン1.50gおよびエタノールアミン1.00mlから実施例1のa)と同様にして得た。収量は、式(103)の赤色化合物1.30gであった。
【表3】

【0139】
b)式(104)の化合物の合成
【0140】
【化28】

【0141】
式(104)の化合物を、式(103)の化合物0.25gおよびアクリル酸メチルエステル1.00mlから実施例5のb)と同様にして得た。式(104)の赤色化合物の収量は、0.24gであった。
【表4】

【0142】
実施例3:式(105)の化合物の合成
【0143】
【化29】

【0144】
式(105)の化合物を、メタクリル酸メチルエステルを使用し、実施例2のb)と同様にして得た。
【表5】

【0145】
実施例4:式(106)の化合物の合成
【0146】
【化30】

【0147】
式(106)の化合物を、実施例2のb)と同様にして得た。
【表6】

【0148】
実施例5:
a)式(107)の化合物の合成
【0149】
【化31】

【0150】
1−フルオロ−アントラキノン6.0g、ヘキサノールアミン(FLUKA)3.4gおよび炭酸カリウム4.0gの混合物を、撹拌しながら、出発フッ化物が消費されるまで95℃で25時間加熱した。次に反応混合物を濾過し、ジオキサンを蒸発させた。赤色残渣を酢酸エチルに取り、1N塩化水素(3回)、飽和塩化水素ナトリウム溶液およびブラインにより連続して抽出した。溶媒の蒸発によって赤色残渣が残り、それを、短シリカゲルカラム(230〜400メッシュ、FLUKA)および溶離剤(ヘキサン−酢酸エチル10:2(v/v))により精製して、式(107)の目的の赤色化合物6.3gを得た。
【表7】

【0151】
b)式(108)の化合物の合成
【0152】
【化32】

【0153】
式(107)の化合物を、生体触媒NOVO 435(Novozymes, Denmark)の存在下でエステル化した。50℃および約450mbarの真空下で、式(107)の化合物10.0g、アクリル酸メチルエステル22.2mlおよび生体触媒5.0gを、トルエン75ml中、式(107)の出発化合物が全て消費されるまで24時間反応させた。次に混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、溶媒を蒸発させた。真空乾燥した後、式(108)の目的の赤色アクリル酸エステル11.5gを得た。
【表8】

【0154】
実施例6:式(109)の化合物の合成
【0155】
【化33】

【0156】
実施例5のb)と同様にして、式(109)のエステル10.5gを、トルエン60ml中の式(107)のアルコール10.0gおよび生体触媒8.0gから得た。
【表9】

【0157】
実施例7:式(110)の化合物の合成
【0158】
【化34】

【0159】
式(110)の化合物を、実施例5のb)と同様にして得た。
【表10】

【0160】
実施例8:
a)式(111)の化合物の合成
【0161】
【化35】

【0162】
N−Boc−1,6−ジアミノヘキサン(ALFA AESAR)6.75g、炭酸カリウム3.60gおよび1−フルオロ−アントラキノン5.80gの混合物を、ジオキサン70ml中、出発1−フルオロ−アントラキノンが消費されるまで、75℃で23時間撹拌した。次に反応混合物を濾過し、残渣を酢酸エチルに取り、1N塩化水素(3回)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインにより連続して洗浄した。溶媒の蒸発によって、式(111)の赤色化合物10.2gが残った。
【表11】

【0163】
b)式(112)の化合物の合成
【0164】
【化36】

【0165】
室温で、式(111)のBoc保護化合物10.2gをジオキサン50mlに溶解した。次にこの混合物に、ジオキサン中の4N塩化水素50mlの溶液を、式(111)の出発化合物が消費されるまで、激しく撹拌しながら少量ずつ加えた。塩化水素塩として式(112)の化合物を濾取し、ジオキサン、ヘキサンおよびジクロロメタンにより連続して洗浄し、最後に高真空下で乾燥して、赤色粉末8.4gを得た。
【表12】

【0166】
c)式(113)の化合物の合成
【0167】
【化37】

【0168】
式(112)の化合物(6.50g)を、トリエチルアミン10.1mlと一緒に、乾燥ジクロロメタン120mlに室温で完全に溶解し(約1時間)、次に−40℃〜−50℃に冷却した。この温度で、ジクロロメタン50mlに溶解したアクリル酸塩化物1.80mlを、45分以内に加えた。追加のジクロロメタン(100ml)を反応混合物に加えた。次に有機相を、1N塩化水素(3回)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインにより連続して抽出した。有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて、式(113)の目的のアシルアミド6.7gを得た。
【表13】

【0169】
実施例9:式(114)の化合物の合成
【0170】
【化38】

【0171】
実施例8のc)と同様にして、式(112)のアミン5.20gを、メタクリル酸塩化物2.10mlにより式(114)のアミド1.7gに変換した。式(114)の化合物を、ヘキサン−酢酸エチル1:1(v/v)を用いる短シリカゲル(230〜400メッシュ、FLUKA)カラムにより精製した。
【表14】

【0172】
実施例10:
a)式(115)の化合物の合成
【0173】
【化39】

【0174】
式(115)の化合物を、K. S. Chamberlain, Synth. Commun. 1995, 25, 2731に従って合成された1−N−メチル−4−ブロモアントラキノンから得た。1−N−メチル−4−ブロモアントラキノン20.0g、水酸化カリウムで新たに蒸留されたアリルアミン(FLUKA)50.0ml、炭酸カリウム16.8gおよび銅粉末0.5gを、ジオキサン50mlの中に入れ、激しく撹拌しながら55℃に温めた。26時間後、反応混合物を冷却し、濾過した。有機相を、ジクロロメタンで希釈し、1N塩化水素、飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインにより連続して抽出した。溶媒の蒸発によって、式(115)の目的のアリル化合物16.6gが残った。
【表15】

【0175】
b)式(116)の化合物の合成
【0176】
【化40】

【0177】
式(115)の化合物(6.0g)を、実施例1のb)と同様にヒドロシリル化して、式(116)のシリル化合物8.3gを得た。
【表16】

【0178】
実施例11:
a)式(117)の化合物の合成
【0179】
【化41】

【0180】
1−N−メチル−4−ブロモアントラキノン(5.0g)、エタノールアミン(FLUKA)2.0ml、銅粉末0.1gおよび酢酸ナトリウム1.8gを、トルエン15mlの中に入れ、激しく撹拌しながら80℃に加熱した。3時間後、混合物をシリカゲル(230〜400メッシュ、FLUKA)カラムに適用し、ジクロロメタン−メタノール10:1(v/v)で溶離して、式(117)の目的アルコール1.7gを得た。
【表17】

【0181】
b)式(118)の化合物の合成
【0182】
【化42】

【0183】
実施例5のb)と同様にして、式(117)の化合物0.25gを、トルエン5ml中のメタクリル酸メチルエステル1.00mlおよび生体触媒0.5gにより60℃でエステル化し、酢酸エチルの溶離剤を用いるシリカゲルカラム(230〜400メッシュ、FLUKA)の後で、式(118)の青色のエステル0.25g得た。
【表18】

【0184】
実施例12:
a)式(119)の化合物の合成
【0185】
【化43】

【0186】
実施例11のa)と同様にして、1−N−メチル−4−ブロモアントラキノン1.0g、6−アミノヘキサノール(FLUKA)1.0g、炭酸カリウム0.6gおよび銅粉末0.2gを、トルエン5ml中、100℃で26時間加熱した。反応混合物を濾過し、アセトンで洗浄し、残渣をジクロロメタンに溶解した。青色溶液をシリカゲル(230〜400メッシュ、FLUKA)カラムに適用し、ジクロロメタン−メタノール10:2(v/v)で溶離して、式(119)の目的の青色アルコール0.5gを得た。
【表19】

【0187】
b)式(120)の化合物の合成
【0188】
【化44】

【0189】
実施例5のb)と同様にして、式(119)のアルコール5.0gを、生体触媒4.0gの存在下で式(120)のエステルに変換した。触媒を濾取し、生体触媒をジクロロメタンで洗浄した後、式(120)のエステルを5.8gで得た。
【表20】

【0190】
実施例13:式(121)の化合物の合成
【0191】
【化45】

【0192】
実施例5のb)と同様にして、式(119)のアルコール1.7gを、生体触媒2.5gの存在下で式(121)のエステルに変換した。触媒を濾取し、成体触媒をジクロロメタンで洗浄し、シリカゲル(230〜400メッシュ、FLUKA)カラム(溶離剤:ヘキサン−酢酸エチル10:3(v/v))による最終精製の後、式(121)のエステルを1.8gで得た。
【表21】

【0193】
実施例14:
a)式(122)の化合物の合成
【0194】
【化46】

【0195】
1−N−メチル−4−ブロモアントラキノン(11.0g)、炭酸カリウム4.8g、銅粉末0.5gおよびN−Boc−1,6−ジアミノヘキサン(ALFA AESAR)8.3gを、トルエン70mlの中に入れ、激しく撹拌しながら75℃に加熱した。2.5日後、別の保護ジアミン0.8gを加えた。3.5日後、更なるバッチの保護ジアミン1.0gを加え、撹拌を更に24時間続けた。混合物を濾過し、有機相を、2N塩化水素(2回)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインにより連続して洗浄した。溶媒の蒸発によって、式(122)の保護アミン11.5gが残り、それを、更に精製することなく処理した。
【表22】

【0196】
b)式(123)の化合物の合成
【0197】
【化47】

【0198】
室温で、式(122)のBoc保護化合物2.2gをジオキサン5mlに溶解した。次にこの混合物に、ジオキサン中の4N塩化水素10mlの溶液を、式(122)の出発化合物が消費されるまで、激しく撹拌しながら少量ずつ加えた。次に混合物を蒸発させ、得られた残渣を水に溶解した。水相をジクロロメタンで抽出し、次に4N水酸化ナトリウム溶液でpH=10にし、ジクロロメタンで再び抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥して、目的の青色のアミンを回収した。溶媒の蒸発によって、式(123)の化合物1.3gが残った。
【表23】

【0199】
c)式(124)の化合物の合成
【0200】
【化48】

【0201】
式(123)の化合物(3.20g)を、トリエチルアミン2.8mlと一緒に、乾燥ジクロロメタン45mlに室温で溶解し、次に−40℃〜−50℃に冷却した。この温度で、ジクロロメタン5mlに溶解したアクリル酸塩化物0.88mlを、この混合物に滴下した。式(123)の出発アミンが全て消費された後、有機相を、1N塩化水素(3回)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインにより連続して抽出した。有機相の蒸発によって、青色の残渣が残り、それを、ジクロロメタン−メタノール8:2(v/v)の溶離剤を用いるシリカゲル(230〜400メッシュ、FLUKA)カラムにより精製して、式(124)のアミド1.7gを得た。
【表24】

【0202】
実施例15:式(125)の化合物の合成
【0203】
【化49】

【0204】
実施例8のc)と同様にして、式(123)のアミン3.50gを、メタクリル酸塩化物1.7mlおよびトリエチルアミン5.5mlにより式(125)のアミドに変換した。室温まで温めた後、有機相を、1N塩化水素(3回)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインにより連続して抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、青色の残渣を得て、それを、酢酸エチルの溶離剤を用いるシリカゲル(230〜400メッシュ、FLUKA)カラムにより精製して、式(125)の青色アミド2.3gを得た。
【表25】

【0205】
実施例16:式(126)の化合物の合成
【0206】
【化50】

【0207】
式(126)の化合物は、対応する前駆体アルコール(2.5g)(WO−A−02/088289を参照すること)を、トルエン70ml中のメタクリル酸メチルエステル14mlと、生体触媒NOVO 435(Novozymes, Denmark)3.5gにより、60℃および450mbarで24時間アシル化することによって得た。固体を濾取し、トルエンで洗浄した。次に有機相を蒸発させ、残渣をイソプロパノールに取った。ジクロロメタンを加えて明澄な溶液を得て、塩基性イオン交換樹脂(Ambersep 900 OH(FLUKA))20.0gを加えた。室温で30分間撹拌した後、樹脂を濾取し、有機相を蒸発させて、式(126)のエステル3.0gを得た。
【表26】

【0208】
実施例17:式(127)の化合物の合成
【0209】
【化51】

【0210】
式(128):
【0211】
【化52】

【0212】
で示される化合物〔WO−A−02/083796を参照すること〕7.0gの異性体混合物を、ジクロロメタン70mlに0℃で溶解し、アクリル酸塩化物1.0ml、ジイソプロピルエチルアミン(FLUKA)2.3mlおよびジメチルアミノピリジン(FLUKA)50mgで処理した。混合物を撹拌し、24時間かけて室温まで温めた。反応混合物を、ジクロロメタンで希釈し、1N塩化水素、飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインにより連続して抽出した。溶液を蒸発させ、緑色の残渣を、酢酸エチル−ヘキサン2:10(v/v)の溶離剤を用いるシリカゲル(230〜400メッシュ、FLUKA)カラムにより精製して、式(127)の化合物4.5gを得た。
IR: 2959; 2925; 2872; 1740 (C=O); 1586 (C=N); 1499 (C=C); 1256; 1177; 1088; 799; 745.
【0213】
実施例18:3−アミノプロピルシラン改質アルミナナノ粒子
【0214】
【化53】

【0215】
アルミナナノ粒子(Nyacol Corp., Nyacol Al20 DW、水中22%ナノアルミナ分散体)150gをエタノール(EtOH)250mlと混合した。3−アミノプロピルトリメトキシシラン(Fluka purum)27gを、この均質混合物に滴加した。添加の後、混合物を50℃で15時間加熱した。次にこの混合物の容量を、ロータリーエバポレーターでEtOH/HOを蒸発させることにより約1リットルに低減した。得られた固体をEtOHに再分散して、11.4重量%の不透明な分散体にした。
【0216】
分析:
サーモグラフィー分析(TGA;加熱速度:50℃から800℃まで10℃/分):減量:有機物質の27.9重量%に相当する。
元素分析:実測値:N:4.16重量%:有機物含有量の17.3重量%に相当する。 TGAとEAの結果の差は、熱処理中の無機マトリックスからの水の損失および表面の縮合過程での水の発生に起因する。
透過型電子顕微鏡法(TEM):平均直径50〜60nmを、個別の一次ナノ粒子で得た。
動的光散乱(DLS):平均直径d=164nm。
【0217】
実施例19:3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子
【0218】
【化54】

【0219】
Ludox TMA(Helm AG、水中34%ナノシリカ分散体)510gをエタノール2490gと混合した。3−アミノプロピル−トリメトキシシラン(Fluka purum)345gを、この均質混合物に滴加した。添加の後、混合物を50℃で18時間加熱した。次にこの混合物の容量を、ロータリーエバポレーターでEtOH/HOを蒸発させることにより約1リットルに低減した。合計4リットルのヘキサンを加え、混合物を激しく振とうし、2相を分離漏斗で分離して、未反応アミノシランを除去した。水性/エタノール性下側相を、真空下、ロータリーエバポレーターで湿潤ペーストに濃縮し、次にEtOH 1リットルに再懸濁した。合計1199gの溶液を得て、固形分は27.3重量%であった。
【0220】
分析:
サーモグラフィー分析(TGA;加熱速度:50℃から600℃まで10℃/分):減量:有機物質の25.2%に相当する。
元素分析:実測値:C:17.68%、H:4.65%、N:6.73%:有機物含有量の28.1%に相当し、TGA値と比較的良好に一致した。
透過型電子顕微鏡法(TEM):平均直径35〜40nmを、個別のナノ粒子で得た。
動的光散乱(DLS):平均直径d=90〜110nm。
【0221】
実施例20:3−メルカプトプロピルシラン改質シリカナノ粒子
【0222】
【化55】

【0223】
Ludox TMA(Helm AG、水中34%ナノシリカ分散体)510gをエタノール2490gと混合した。3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(ABCR Gelest)188gを、この均質混合物に滴加した。添加の後、混合物を50℃で18時間加熱した。次にこの混合物の容量を、ロータリーエバポレーターでエタノールおよび水を蒸発させることにより約1リットルに低減した。合計4リットルのn−ヘキサンを加え、混合物を激しく振とうし、2相を分離漏斗で分離して、未反応メルカプトプロピルメチルシランを除去した。水性/エタノール性下側相を、真空下、ロータリーエバポレーターで湿潤ペーストに濃縮し、次にEtOH 1.5リットルに再懸濁した。合計1508gの溶液を得て、固形分は19.4重量%であった。
【0224】
分析:
サーモグラフィー分析(TGA;加熱速度:50℃から600℃まで10℃/分):減量:有機物質の14.4重量%に相当する。
元素分析:実測値:S:5.04重量%:有機物含有量の14.2重量%に相当し、TGA値と比較的良好に一致した。
透過型電子顕微鏡法(TEM):平均直径35〜40nmを、個別のナノ粒子で得た。
動的光散乱(DLS):平均直径d=38nm。
【0225】
実施例21:着色され、イオン的に荷電されているナノ粒子の調製
(アントラキノン、ドデシルおよびカルボキシレート基が3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子に化学的に結合している)
【0226】
【化56】

【0227】
3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子分散体(固形分26.2重量%)(実施例19に従って得た)6.5gに、ジメチルアセトアミド(DMA)30gを加えた。実施例5のb)に従って得られる式(108)のアントラキノン染料1.55g(4.1mmol)を、DMA 10gに溶解し、室温でナノ粒子分散体に加えた。触媒として、NaOMeを反応に加えた。反応分散体を50℃で15時間撹拌した。その時間の後、残留アクリル二重結合が残っていないことがH−NMRにより確認された。その後、アクリル酸ドデシルエステル(Fluka、Mw=240g/mol)0.54g(2.05mmol)を分散体に加えた。反応分散体を、再び50℃で15時間撹拌した。その時間の後、残留アクリル二重結合が残っていないことがH−NMRにより確認された。反応分散体を冷却した後、無水コハク酸0.2g(2.05mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。最後に、NaHCO 0.18gを分散体に加えて、30分間撹拌した。分散体から固体を濾取した後、溶媒をロータバップ(rotavap)で蒸発させて、赤色の樹脂を得た。樹脂をアセトンに分散し、2000rpmで20分間遠心分離した。得られた固体を、新たなアセトンに再び分散し、遠心分離を使用して再び分離した。この洗浄手順を、アセトン相が無色透明になるまで再実行した。固体を真空下で乾燥し、トルエンに分散し、その間にArquad 18/50(Akzo Nobel)0.3mlを加えて、安定した赤色分散体を得た。
【0228】
分析:
サーモグラフィー分析(TGA;加熱速度:50℃から800℃まで10℃/分):減量:有機物質の82.7重量%に相当する。
動的光散乱(DLS):平均直径d=194nm。
透過型電子顕微鏡(TEM):約30nm。
ゼータ電位:−30.9mV
移動度:0.076×10−8m2/Vs
【0229】
実施例22:着色され、イオン的に荷電されているナノ粒子の調製
(アントラキノン、ドデシルおよびスルホネート基が3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子に化学的に結合している)
【0230】
【化57】

【0231】
3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子分散体(固形分26.2重量%)(実施例19に従って得た)3.1gに、DMA 20gを加えた。実施例5のb)に従って得られる式(108)のアントラキノン染料0.75g(1.97mmol)を、DMA 10gに溶解し、室温でナノ粒子分散体に加えた。NaOMeを触媒として加えた。反応分散体を50℃で15時間撹拌した。その時間の後、残留アクリル二重結合が残っていないことがH−NMRにより確認された。その後、アクリル酸ドデシルエステル(Fluka、Mw=240g/mol)0.47g(1.96mmol)を分散体に加えた。反応分散体を、再び50℃で15時間撹拌した。その時間の後、残留アクリル二重結合が残っていないことがH−NMRにより確認された。反応分散体を冷却した後、1,3−プロパンスルホン0.5g(3.93mmol)を加え、50℃で16時間撹拌した。溶媒をロータバップにより高真空下で蒸発させて、赤色の樹脂を得た。樹脂をアセトンに分散し、2000rpmで20分間遠心分離した。得られた固体を、新たなアセトンに再び分散し、遠心分離を使用して再び分離した。この洗浄手順を、アセトンが無色透明になるまで再実行した。固体を真空下で乾燥し、トルエンに分散し、その間にArquad 18/50(Akzo Nobel)0.3mlを加えて、安定した赤色分散体を得た。
【0232】
分析:
サーモグラフィー分析(TGA;加熱速度:50℃から800℃まで10℃/分):減量:有機物質の76重量%に相当する。
動的光散乱(DLS):平均直径d=81nm。
透過型電子顕微鏡(TEM):d=30nm
ゼータ電位:−7.0mV
移動度:−0.01×10−8m2/Vs
【0233】
実施例21および22の表面改質分散荷電粒子のゼータ電位ζ(mV)は、マルバーン・ゼータサイザー・ナノシリーズ(Malvern Zetasizer Nanoseries)と、スモルコフスキー関係式(ζ=μη/ε、ここで、μは移動度であり、η(cP)は媒質の粘度であり、そしてεは誘電率である)によって計算された電気泳動度μ(cm2/Vs)とを用いて測定された。
実施例21および22で提示されたゼータ電位および移動度は、対応する粒子の電気泳動表示粒子としての適性を示した。
【0234】
実施例21および22と同様にして、対応する粒子を、実施例18の3−アミノプロピルシラン改質アルミナナノ粒子、または実施例20の3−メルカプトプロピルシラン改質シリカナノ粒子を使用して得ることができる。
【0235】
実施例1〜4および6〜17は、機能化シリカまたはアルミナ粒子の調製に使用することができる更なる染料を示した。
【0236】
実施例23:式(129)の化合物の合成
【0237】
【化58】

【0238】
市販(Fluka)の1−アミノ−アントラキノン(8.9g)および炭酸ナトリウム(4.4g)を、オルト−ジクロロベンゼン200mlに溶解し、150℃〜160℃に加熱した。この混合物に、オルト−ジクロロベンゼン20mlに溶解したメタクリル酸塩化物(4.6g)を、激しく撹拌しながら30分以内に加えた。次に反応混合物を、出発物質が全て消費されるまで160℃で更に1時間撹拌し、次に室温に冷却した。混合物を濾過し、濾液をヘキサンで処理して粗生成物を沈殿させ、それを濾過し、メタノールで洗浄した。粗生成物をベンゼンから結晶化して、目的化合物8.8gを得た。
【表27】

【0239】
実施例24:
a)式(130)の化合物の合成
【0240】
【化59】

【0241】
市販(Fluka)のブロモアミン酸(20.0g)、炭酸カリウム(8.6g)、6−アミノヘキサン−1−オール(12.5g)および硫酸銅(0.8g)を脱イオン水100mlに溶解し、出発化合物が消費されるまで80℃で3〜4時間加熱した。次に反応混合物を50℃に冷却し、濾過した。残渣を水(50℃)で洗浄し、合わせた冷水相をジクロロメタンに取った。有機相を廃棄し、水相を塩化ナトリウムで粉砕して目的化合物を沈殿させ、それを濾過し、60℃/0.1Torrで乾燥して、式(130)の純粋な化合物9.0gを得た。
【表28】

【0242】
b)式(131)の化合物の合成
【0243】
【化60】

【0244】
式(130)の化合物(0.5g)、メタクリル酸メチルエステル(1.0ml)およびリパーゼNOVO 435(Novozymes, Denmark)を、第三級ブタノール5mlに加え、450mbarで60℃に加熱した。混合物を、時々溶媒およびメタクリル酸メチルエステルを補充しながら(溶媒5mlおよびエステル1mlを3回)48時間撹拌した。次に混合物を濾過し、メタノールで洗浄し、濾液を蒸発させて粗成生物を得て、それを、シリカゲルカラム(溶離剤:ジクロロメタン−メタノール:10−1)により精製して、式(131)の純粋な化合物0.23gを得た。
【表29】

【0245】
実施例25:
a)式(132)の化合物の合成
【0246】
【化61】

【0247】
式(132)の化合物を、化合物(101)の合成についての実施例1と同様にして得た。1−フルオロアントラキノン(20.0g)、市販(Fluka)のヘキシルアミン(14.0ml)、炭酸カリウム(15.0g)および銅(0.3g)をジオキサン200mlの中に入れ、出発物質が全て消費されるまで20時間還流した。混合物を冷却し、濾過した。次に残渣を酢酸エチルに取り、1N塩化水素、飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインにより連続して洗浄した。溶媒の濾過および蒸発によって、次に続く工程のための式(132)の純粋な化合物26.2gが残った。
【表30】

【0248】
b)式(133)の化合物の合成
【0249】
【化62】

【0250】
式(133)の化合物を、文献のプロトコール(K. S. Chamberlain, Synth. Commun. 1995, 25, 27)に従って得た。式(132)の化合物(15.3g)および48%臭化水素酸(8.5g)を、酢酸85mlおよびプロピオン酸50mlの混合物に−10℃で溶解した。この混合物に、市販(Fluka)の臭素(2.8ml)を1時間かけて加えた。撹拌を、出発物質が消費されるまで更に1時間続けた。次に飽和亜硫酸水素ナトリウム(50ml)の溶液を加えて、粘着性の残渣を得て、それをジクロロメタンに取った。有機相を、飽和炭酸水素ナトリウム、中性になるまで1N水酸化ナトリウム、およびブラインにより連続して洗浄した。通常の処理によって、式(133)の化合物が油状物として残り、それはゆっくりと凝固した(18.1g)。
【表31】

【0251】
c)式(134)の化合物の合成
【0252】
【化63】

【0253】
式(134)の化合物を、式(133)の化合物4.0g、アミノヘキサノール2.4g、炭酸カリウム2.2gおよび銅0.1gから、溶媒なしで、実施例12における化合物(119)について提示されたプロトコールに従って得た。100℃で24時間後、混合物を冷却し、酢酸エチルに溶解し、濾過し、有機相を、1N塩化水素、飽和炭酸ナトリウムおよびブラインにより連続して抽出した。通常の処理によって粗物質を得て、それをシリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン−酢酸エチル:10−3から0−1)により精製して、青色の固体2.7gを得た。
【表32】

【0254】
d)式(135)の化合物の合成
【0255】
【化64】

【0256】
式(135)の化合物を、トルエン20ml中の式(134)の化合物3.4g、メタクリル酸メチルエステル3.0mlおよびNOVO 435 3.0gから、実施例5における化合物(108)について提示されたプロトコールに従って得た。通常の処理およびシリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン−酢酸エチル:10−3)による精製によって、青色のエステル3.5gを得た。
【表33】

【0257】
実施例26:
a)式(136)の化合物の合成
【0258】
【化65】

【0259】
式(136)の化合物を、ヘキサン200ml中の1−フルオロ−アントラキノン15.0g、オクタデシルアミン(Fluka)0.2g、炭酸カリウム10.0gおよび銅0.25gから、実施例25における式(132)の化合物について提示されたプロトコールに従って得た。通常の処理によって、式(136)の赤色のアミン28.5gを得た。
【表34】

【0260】
b)式(137)の化合物の合成
【0261】
【化66】

【0262】
式(137)の化合物を、プロピオン酸60mlおよび酢酸100ml中の式(136)の化合物28.0g、48%臭化水素10.0gおよび臭素3.3mlから、実施例25における式(133)の化合物について提示されたプロトコールに従って得た。同様の処理によって、式(137)の臭化物26.8gを得た。
【表35】

【0263】
c)式(138)の化合物の合成
【0264】
【化67】

【0265】
式(138)の化合物を、式(137)の化合物19.0g、アミノヘキサノール8.6g、銅40mgおよび炭酸カリウム8.0gから、実施例25における式(134)の化合物について提示されたプロトコールに従って得た。カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン−酢酸エチル:10−2から10−6)による粗物質の精製によって、式(138)の化合物6.6gを得た。
【表36】

【0266】
d)式(139)の化合物の合成
【0267】
【化68】

【0268】
式(139)の化合物を、式(138)の化合物6.6g、メタクリル酸メチルエステル5.0mlおよびNOVO 435 5.0gから、実施例25における式(135)の化合物について提示されたプロトコールに従って得た。カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン−酢酸エチル:10−1から1−2)による粗物質の精製によって、式(139)の化合物6.2gを得た。
【表37】

【0269】
実施例27:下記の合成
【0270】
【化69】

【0271】
3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子分散体(固形分26.2重量%)(実施例18に従って得た)23.6gに、水30g、Cu(I)Cl(Fluka puriss.)0.15gおよびLiOH(Fluka puriss.)0.38gを加えた。撹拌しながら、下記式:
【0272】
【化70】

【0273】
で示される化合物11gを反応分散体に加えた。反応を70℃で15時間撹拌した。その後、エタノール50mLを加えて、生成物を沈殿させた。次に混合物を2000rpmで15分間遠心分離し、エタノールに3回再懸濁した。中間体は黄褐色に着色された粉末であり、水に再分散することが可能であった。
【0274】
分析:
サーモグラフィー分析(TGA;加熱速度:50℃から800℃まで10℃/分):減量:有機物質の36.5重量%に相当する。
水中のゼータ電位:−42.3mV
移動度:−3.31×10−8m2/Vs
【0275】
その後、上記中間体粉末の四分の一をエタノールに再懸濁して、均質な懸濁液を得た。これに、ステアリルアクリレート(Aldrich, CAS 4813-57-4)2.4gを加え、触媒として微量のナトリウムメチレート(Fluka, CAS 124-41-4)を加えた。反応を50℃で15時間撹拌した。次に、得られた褐色を帯びた懸濁液を、2000rpmで15分間遠心分離した。残渣をトルエンに再分散し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過し、溶媒を蒸発させ、真空下で乾燥した後、黄褐色の粉末を得た。これをIsopar Gに再分散して、黄色で透明な分散体を重量含有率5重量%で得た。
【0276】
分析:
サーモグラフィー分析(TGA;加熱速度:50℃から800℃まで10℃/分):減量:有機物質の63重量%に相当する。
動的光散乱(DLS):平均直径d=207nm
ゼータ電位:−40mV
移動度:−0.05×10−8m2/Vs
【0277】
実施例28:下記の合成
【0278】
【化71】

【0279】
3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子分散体(固形分26.2重量%)(実施例18に従って得た)5.9gに、DMA 50gを加えた。その後、エタノールをロートバップ(rotovap)で除去して、3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子のDMA分散体を得た。次に、下記式:
【0280】
【化72】

【0281】
で示される化合物1.37gおよび下記式:
【0282】
【化73】

【0283】
で示される化合物2.24gを、LiOH(Fluka puriss.)0.1gおよび水10gと共に、撹拌しながら加えた。反応を105℃で15時間撹拌した。その後、溶媒を、ロートバップを使用して蒸発させた。次に、得られた緑色の粉末を再分散し、2000rpmで15分間、エタノールと共に3回、水と共に2回遠心分離した。溶媒を蒸発させ、緑色の粉末を真空下で乾燥した。緑色の粉末4.6gを得た。
【0284】
分析:
サーモグラフィー分析(TGA;加熱速度:50℃から800℃まで10℃/分):減量:有機物質の51.3重量%に相当する。
【0285】
その後、緑色の中間体0.5gを水30gに再分散し、2−フェノキシエチルアクリレート(Aldrich, CAS 48145-04-6)0.2gを加えた。反応を70℃で15時間撹拌した。過剰量のアクリレートを、ジエチルエーテルの添加により除去し、分液漏斗を使用して2相を分離した。この手順を4回行った。次に、水相を炭酸プロピレン50mLと混合し、ジメチルドデシルエチルアンモニウムヒドロキシド(Fluka, CAS 19184-59-9)0.5mLを加えた。この工程によって、ナノ粒子が有機相に分散し、水が除去された。次に炭酸プロピレン分散体を水で連続して4回洗浄した。炭酸プロピレン分散体を硫酸ナトリウムで乾燥した後、ナノ粒子の緑色で透明な分散体1.5重量%を生じた。
【0286】
分析:
動的光散乱(DLS):平均直径d=147nm
炭酸プロピレン中のゼータ電位:−52.2mV
移動度:−1.2×10−8m2/Vs
【0287】
実施例29:下記の合成
【0288】
【化74】

【0289】
3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子分散体(固形分26.2重量%)(実施例18に従って得た)23gに、DMA 50mLを加えた。その後、エタノールをロートバップで除去して、3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子のDMA分散体を得た。次に、下記式:
【0290】
【化75】

【0291】
で示される化合物11.8gをLiOH(Fluka puriss.)0.38gおよび水10gと共に、撹拌しながら加えた。反応を105℃で15時間撹拌した。その後、反応混合物を、溶媒の四分の三を蒸発させることによって濃縮した。得られた赤色の分散体をエタノール20mLで希釈し、超音波で30分間処理した。その後、混合物を2000rpmで20分間遠心分離した。得られた残渣をエタノールに再分散し、再び遠心分離した。この処理を4回繰り返した。次に溶媒を蒸発させ、赤色の粉末を真空下で乾燥した。赤色の粉末14gを得た。生成物を水に再分散して、透明な赤色分散体にした。
【0292】
分析:
サーモグラフィー分析(TGA;加熱速度:50℃から800℃まで10℃/分):減量:有機物質の51.3重量%に相当する。
動的光散乱(DLS):平均直径d=106nm
ゼータ電位:−48.3mV
移動度:−1.1×10−8m2/Vs
【0293】
次に、赤色の中間体0.5gを水30gに再分散し、2−フェノキシエチルアクリレート(Aldrich, CAS 48145-04-6)0.2gを加えた。反応を70℃で15時間撹拌した。過剰量のアクリレートを、ジエチルエーテルの添加により除去し、分液漏斗を使用して2相を分離した。この手順を4回行った。次に、水相を炭酸プロピレン50mLと混合し、ジメチルドデシルエチルアンモニウムヒドロキシド(Fluka, CAS 19184-59-9)0.5mLを加えた。この工程によって、ナノ粒子が有機相に分散し、水が除去された。次に炭酸プロピレン分散体を水で連続して4回洗浄した。炭酸プロピレン(Aldrich, CAS 108-32-7)分散体を硫酸ナトリウムで乾燥した後、ナノ粒子の透明な分散体1.3重量%を生じ、それは赤色に着色されていた。
【0294】
分析:
サーモグラフィー分析(TGA;加熱速度:50℃から800℃まで10℃/分):減量:有機物質の86重量%に相当する。
動的光散乱(DLS):平均直径d=86nm
炭酸プロピレン中のゼータ電位:−5.23mV
移動度:−1.2×10−8m2/Vs
【0295】
実施例30:下記の合成
【0296】
【化76】

【0297】
3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子分散体(固形分26.2重量%)(実施例18に従って得た)1.5gに、メタノール20gおよびジクロロメタン10gを加えた。分散体を撹拌し、ポリジメチルシロキサンモノアクリレート(M/w約1000g/mol)1.96gを加えた。反応を50℃で15時間撹拌した。反応混合物を冷却した後、溶媒を蒸発させ、無色の樹脂を真空下で乾燥した。次に得られた樹脂をisopar Gに再分散して、透明な分散体15重量%を得た。
【0298】
分析:
動的光散乱(DLS):平均直径d=152nm
【0299】
次に、上記で調製された分散体100mLを、水10g、下記式:
【0300】
【化77】

【0301】
で示される化合物0.4gおよびLiOH(Fluka puriss.)0.013gと混合した。混合物を超音波で均質化して均質エマルションを得て、次にそれを超音波により50℃で4時間処理した。冷却した後、得られた2相を、分液漏斗を使用して互いに分離した。有機相を水で十分に洗浄した。最後に、溶媒を蒸発させ、赤色の残渣を得て、それを真空により乾燥した。最終生成物をデカメチルテトラシロキサン(Aldrich, CAS 142-62-8)に再分散して、赤色で透明な分散体5重量%を得た。
【0302】
分析:
サーモグラフィー分析(TGA;加熱速度:50℃から800℃まで10℃/分):減量:有機物質の86重量%に相当する。
動的光散乱(DLS):平均直径d=82nm
ポリジメチルシロキサン中のゼータ電位:−17.9mV
移動度:−0.007×10−8m2/Vs
【0303】
実施例31:下記の合成
【0304】
【化78】

【0305】
3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子分散体(固形分26.2重量%)(実施例18に従って得た)2gに、メタノール20gおよびジクロロメタン10gを加えた。分散体を撹拌し、ポリジメチルシロキサンモノアクリレート(Mw約5000g/mol)8.2gを加えた。反応を50℃で15時間撹拌した。反応混合物を冷却した後、溶媒を蒸発させ、無色の樹脂を真空下で乾燥した。次に、樹脂4.2gをトルエン30gに分散した。撹拌している間に、対応する染料(上記を参照すること)0.34gを分散体に加えた。次に反応を100℃で4時間撹拌した。冷却した後、得られた分散体を水で十分に洗浄した。最後に、溶媒を蒸発させ、得られた青色の樹脂を真空下で乾燥した。最終生成物をデカメチルテトラシロキサン(Aldrich, CAS 142-62-8)に再分散して、赤色で透明な分散体15重量%を得た。
【0306】
分析:
サーモグラフィー分析(TGA;加熱速度:50℃から800℃まで10℃/分):減量:有機物質の88.6重量%に相当する。
動的光散乱(DLS):平均直径d=97nm
移動度:−0.005×10−8m2/Vs
【0307】
実施例32:下記の合成
【0308】
【化79】

【0309】
3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子分散体(固形分26.2重量%)(実施例18に従って得た)5gに、DMA 80gおよび化合物(135)1.51gを加えた。分散体を50℃で15時間撹拌した。次にステアリルアクリレート(Aldrich, CAS 4813-57-4)0.5gを加えた。反応を50℃で15時間撹拌した。反応混合物を冷却した後、無水コハク酸(Fluka, 108-30-5)0.16gを加えた。反応溶液を3時間撹拌した後、ジメチルドデシルエチルアンモニウムヒドロキシド(Fluka, CAS 19184-59-9)2mLを加えた。その後、溶媒を蒸発させ、得られた青色の粉末を真空下で乾燥した。最終生成物をドデカン(Aldrich, CAS 140-70-3)に再分散して、青色で透明な分散体15重量%を得た。
【0310】
分析:
ドデカン中のゼータ電位:−9mV
移動度:−0.008×10−8m2/Vs
【0311】
実施例33:下記の合成
【0312】
【化80】

【0313】
3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子分散体(固形分26.2重量%)(実施例18に従って得た)2.5gに、DMA 80gおよび化合物(139)1.52gを加えた。分散体を50℃で15時間撹拌した。反応混合物を冷却した後、無水コハク酸(Fluka, 108-30-5)0.16gを加えた。反応溶液を4時間撹拌した後、NaHCO 0.065gを加え、1時間撹拌した。得られた青色の懸濁液を3000rpmで10分間遠心分離した。青色の固体をDMAで洗浄し、次に水に再懸濁した。次に懸濁液を濾過し、青色の濾液を水で洗浄した。固体を真空下で乾燥した。緑色の粉末1.7gを得た。
次に、生成物0.5gを、塩化ベンザルコニウム(CAS 68424-85-1)0.7mLの添加により2−プロパノール40mL中で再分散し、超音波で2時間処理した。懸濁液を濾過し、濾液を、2−プロパノール、エタノールおよび水により連続して洗浄した。粉末を真空下で乾燥した後、ドデカンに再分散して、透明な青色の分散体2.5重量%を得た。
【0314】
分析:
ゼータ電位:−20.5mV
移動度:−0.018×10−8m2/Vs
【0315】
実施例34:下記の合成
【0316】
【化81】

【0317】
3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子分散体(固形分26.2重量%)(実施例18に従って得た)5gに、DMA 80gおよび化合物(129)0.9gを加えた。分散体を50℃で15時間撹拌した。次にステアリルアクリレート(Aldrich, CAS 4813-57-4)0.5gを加えた。反応を50℃で15時間撹拌した。反応混合物を冷却した後、無水コハク酸(Fluka, 108-30-5)0.16gを加えた。反応溶液を3時間撹拌した後、ジメチルドデシルエチルアンモニウムヒドロキシド(Fluka, CAS 19184-59-9)2mLを加えた。その後、溶媒を蒸発させ、得られた黄褐色の粉末を、エタノールおよび水により連続して洗浄した。次に真空下で乾燥した。最終生成物をドデカン(Fluka, CAS 140-70-3)に再分散して、黄色で透明な分散体15重量%を得た。
【0318】
分析:
ゼータ電位:−14mV
移動度:−0.013×10−8m2/Vs
【0319】
実施例35:下記の合成
【0320】
【化82】

【0321】
3−アミノプロピルシラン改質シリカナノ粒子分散体(固形分26.2重量%)(実施例18から得た)5gに、DMA 80gおよび化合物(139)2gを加えた。分散体を50℃で15時間撹拌した。次にステアリルアクリレート(Aldrich, CAS 4813-57-4)0.5gを加えた。反応を50℃で15時間撹拌した。反応混合物を冷却した後、無水コハク酸(Fluka, 108-30-5)0.16gを加えた。反応溶液を3時間撹拌した後、過剰量のエタノールを加えた。次に混合物を遠心分離し、DMAおよびエタノールで4回洗浄した。その後、溶媒を蒸発させ、得られた青色の粉末を真空下で乾燥した。最終生成物をドデカン(Fluka, CAS 140-70-3)に再分散した。次にNaHCOを分散体に加えた。固体を濾過した後、15重量%の生成物を有する青色で透明な分散体を得た。
【0322】
分析:
ドデカン中のゼータ電位:−12mV
移動度:−0.01×10−8m2/Vs
【0323】
記載された生成物のゼータ電位を調節する技術
本発明のナノ粒子分散体の、特に前記の実施例に例示されているもののより良好な電気泳動機能を得るために、これらは、粒子の効果的な電荷分離を確実にし、ゼータ電位および電気泳動度を向上させることができる、ポリマー、または酸および塩基性基を有する小型分子のような異なる添加剤を含むことができる。
【0324】
酸性基を含有する分散ナノ粒子に、電子供与またはプロトン受容化合物を添加することによって、分散体の交換特性を改良することができる。この部類の物質の例は、アミン(第一級、第二級、第三級)を含む小型分子またはポリマー、第二級および第三級モノ−、オリゴ−若しくはポリアミン、飽和、不飽和および芳香族N複素環を有するコポリマー、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、2−、3−若しくは4−ビニルピリジン、4−ジメチルアミノスチレン、N−ビニルイミダゾールまたは有機若しくは無機酸とのそれらの塩のようなアミノ官能化(メタ)アクリレートのようなフェニルおよびナフチル基;ポリエチレンイミンなどである。
【0325】
塩基性基を含有する分散ナノ粒子に、電子受容またはプロトン供与化合物を添加することによって、分散体の交換特性を改良することができる。この部類の物質の例は、アルキル、アリール、アルキルアリルカルボン、スルホン酸のような酸およびこれらの塩を含む小型分子またはポリマーである。サリチル酸、マレイン酸、アクリル酸およびこれらの塩である。第一級および第二級アミド、ポリイミド、ポリスクシンイミドなど、第四級アンモニウム塩などである。
【0326】
分散ナノ粒子に、無機若しくは有機酸をまたは可溶性酸の金属塩若しくは錯体を添加することによって、分散体中の粒子のゼータ電位分布が狭くなり、ゼータ電位値および関連する移動度が高くなる。この部類の物質の例は、Basic Barium、Neutral Barium、Calcium Petronate(登録商標)など(Chemturaから入手可能)のようなアルキル化アリールスルホネートのような適切な電荷制御剤である。電荷制御剤の別の部類には、ChevronのOloa 11000などのようなポリイソブチレンスクシンイミドが含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能化粒子が、表面の酸素原子に共有結合している、式(1):
【化1】


〔式中、
およびRは、互いに独立して、水素、粒子表面−O−または置換基であり、
nは、1、2、3、4、5、6、7または8であり、
Bは、直接結合または架橋員であり、そして
Dは、有機発色団の残基である〕
で示されるラジカルを含む、SiO、AlまたはSiOとAlの混合粒子である、電気泳動表示粒子としての機能化粒子の使用。
【請求項2】
およびRが、互いに独立して、水素;−O−若しくは−S−により中断されていてもよいC〜C25アルキル;C〜C24アルケニル;フェニル;C〜Cフェニルアルキル;−OR;下記式:
【化2】


であり、
が、水素;−O−若しくは−S−により中断されていてもよいC〜C25アルキル;C〜C24アルケニル;フェニル;C〜Cフェニルアルキル;下記式:
【化3】


または粒子表面であり、
およびRが、互いに独立して、水素;−O−若しくは−S−により中断されていてもよいC〜C25アルキル;C〜C24アルケニル;フェニル;C〜Cフェニルアルキル;または−ORであり、そして
、RおよびR10が、互いに独立して、水素;−O−若しくは−S−により中断されていてもよいC〜C25アルキル;C〜C24アルケニル;フェニル;またはC〜Cフェニルアルキルである
請求項1記載の使用。
【請求項3】
nが、2、3または4、好ましくは3である
請求項1または2記載の使用。
【請求項4】
Bが、直接結合または式:−A−C〜C25アルキレン−A−、−A−C〜C25アルキレン−フェニレン−A−若しくは−A−フェニレン−C〜C25アルキレン−A−の架橋員であり、ここで、
およびAが、直接結合、−O−、−S−、−N(R)−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R)−CO−または−CO−N(R)−であり、
〜C25アルキレンラジカルが、非中断であるかまたは−O−、−S−、−N(R)−、−N(R−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R)−CO−、−CO−N(R)−およびフェニレンからなる群より選択される少なくとも1つのラジカルにより中断されており、そして
が、水素、C〜C12アルキルまたはヒドロキシル置換C〜C12アルキルである
請求項1〜3のいずれか1項記載の使用。
【請求項5】
Dが、モノアゾ、ジアゾ、ポリアゾ、アントラキノン、フタロシアニン、ホルマザン、ジオキサジンまたは金属錯体染料のラジカルである、請求項1〜4のいずれか1項記載の使用。
【請求項6】
機能化粒子が、緑色、青色、赤色、マゼンタ、黄色またはシアン成分として使用される、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用。
【請求項7】
機能化粒子の組み合わせが使用され、機能化粒子が、緑色、青色および赤色成分であるか、または機能化粒子が、マゼンタ、黄色およびシアン成分である、請求項1〜6のいずれか1項記載の使用。
【請求項8】
機能化粒子が緑色粒子として使用され、Dがフタロシアニン染料のラジカルであるか、または
機能化粒子が青色粒子として使用され、Dが、金属錯体染料若しくは1,4−ジアミノアントラキノン染料のラジカルであるか、または
機能化粒子が赤色粒子として使用され、Dが1−アミノアントラキノン染料のラジカルである
請求項1〜6のいずれか1項記載の使用。
【請求項9】
機能化粒子が、表面の酸素原子に共有結合している、式(7):
【化4】


〔式中、
12およびR13は、RおよびRについて請求項1に提示されている意味を有し、
11は、それぞれ非置換であるかまたはアミノ、メルカプト、フェニル若しくはヒドロキシルにより置換されており、非中断であるかまたは−O−、−S−、−N(R14)−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R14)−CO−、−CO−N(R14)−若しくはフェニレンにより中断されている、C〜C25アルキルまたはC〜C24アルケニル;C〜C12シクロアルキル;C〜C12シクロアルケニル;またはそれぞれ架橋員を介して結合してもよい重合性基若しくはポリマーであり、そして
14は、水素または非置換若しくは置換C〜C12アルキルである〕
で示されるラジカルを追加的に含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の使用。
【請求項10】
機能化粒子が、表面の酸素原子に共有結合している、式(8):
【化5】


〔式中、
16およびR17は、RおよびRについて請求項1に提示されている意味を有し、
15は、それぞれ非置換であるかまたはアミノ、メルカプト、フェニル若しくはヒドロキシルにより置換されており、非中断であるかまたは−O−、−S−、−N(R18)−、−N(R18−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R18)−CO−、−CO−N(R18)−若しくはフェニレンにより中断されている、C〜C25アルキルまたはC〜C24アルケニル;C〜C12シクロアルキル;C〜C12シクロアルケニル;またはそれぞれ架橋員を介して結合してもよい重合性基若しくはポリマーであり、
18は、水素または非置換若しくは置換C〜C12アルキルであり、そして、
15またはR18は、カチオン性アンモニウム若しくはホスホニウム基またはアニオン性カルボキシ、スルファト、スルホナト若しくはホスファト基を追加的に含む〕
で示されるラジカルを追加的に含む、請求項1〜9のいずれか1項記載の使用。
【請求項11】
機能化粒子が球状を有する、請求項1〜10のいずれか1項記載の使用。
【請求項12】
機能化粒子が、1〜1000nm、好ましくは1〜600nmの平均粒径を有する、請求項1〜11のいずれか1項記載の使用。
【請求項13】
機能化粒子が、1〜200nm、好ましくは1〜100nmの平均粒径を有する、請求項1〜11のいずれか1項記載の使用。
【請求項14】
機能化ナノ粒子がシリカナノ粒子である、請求項1〜13のいずれか1項記載の使用。
【請求項15】
機能化ナノ粒子が、電気泳動ディスプレー、好ましくは電子ペーパーに使用される、請求項1〜14のいずれか1項記載の使用。
【請求項16】
分散媒質と、請求項1〜14のいずれか1項記載の少なくとも1つの機能化粒子とを含む電気泳動分散体。
【請求項17】
電気泳動表示粒子として請求項1〜14のいずれか1項記載の機能化粒子を含む電気泳動ディスプレー。
【請求項18】
電気泳動ディスプレーが電子ペーパーである、請求項17記載の電気泳動ディスプレー。
【請求項19】
表面の酸素原子に共有結合している、式(1′):
【化6】


〔式中、
およびRは、互いに独立して、水素、粒子表面−O−または置換基であり、
nは、1、2、3、4、5、6、7または8であり、
Bは、直接結合または架橋員であり、そして
Dは、非荷電モノアゾ、ジアゾ、ポリアゾ、アントラキノン、ホルマザン、ジオキサジン又金属錯体染料のラジカルであるが、但し、フタロシアニン染料は除外される〕
で示されるラジカルを含む、機能化SiO、AlまたはSiOとAlの混合粒子。

【公表番号】特表2009−514001(P2009−514001A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537051(P2008−537051)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067415
【国際公開番号】WO2007/048721
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(508120547)チバ ホールディング インコーポレーテッド (81)
【氏名又は名称原語表記】CIBA HOLDING INC.