説明

電気泳動装置

【課題】 粒子を繊維シートに均一に付着させることができる、簡単な構成で作業性及び安全性に優れた電気泳動装置を提供することを目的としている。
【解決手段】 導電性の繊維シート8に粒子を付着させるための電気泳動装置であって、帯電した触媒粒子を分散させた懸濁液7を入れる容器1と、容器1内に水平に配置される第1及び第2の平板電極2及び3と、第1平板電極2と第2平板電極3との間に水平に配置され、繊維シート8を両面から支持する第1及び第2金網電極4及び5とを備え、二つの平板電極2及び3と、二つの金網電極4及び5との間に電源6によって電圧が印加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動装置に関し、特に、繊維シートに帯電粒子を付着させるための電気泳動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディーゼル車両の排気ガスから煤煙を除去するディーゼルパティキュレートフィルタが普及している。ディーゼルパティキュレートフィルタには、通常、炭化ケイ素繊維フェルト等の繊維シートが使用され、繊維シートには、煤煙の除去性能を高めるために触媒粒子を付着させている。
【0003】
繊維シートに触媒粒子を付着させるには、例えば、触媒粒子を分散させた懸濁液に、繊維シートを浸漬する方法が考えられる。しかし、単に繊維シートを懸濁液に浸漬しただけでは、触媒粒子を繊維シートに効率よく付着させることは困難である。そこで、本出願に係る発明者は、炭化ケイ素繊維が導電性を有すること、及び、酸化物の触媒粒子が懸濁液中でプラスに帯電する性質に着目して、電気泳動により触媒粒子を繊維シートに付着させることを考えた。
【0004】
一方、導電性材料を電気泳動の電極として、その導電性材料に粒子を付着させる技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
【非特許文献1】Fanglin Chen et al. "Preparation of yttria-stabilized zirconia (YSZ) films on Lao0.85Sr0.15Mn03 (LSM) and LSM-YSZ substrates using an electrophoretic deposition (EPD) process" Journal of the European Ceramic Society 21 (2001) 127-134
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電気泳動の電極には、通常、導電性の高い、固い材料が使用される。これに対し、炭化ケイ素繊維フェルト等の繊維シートを電極として、電気泳動を行おうとすると、以下のように、種々の問題が生じる。
【0007】
すなわち、懸濁液に浸漬した繊維シートには、通常の固体電極と異なり、懸濁液が染み込む。このため、電気泳動後に、懸濁液を吸って重くなった繊維シートを懸濁液から取り出さなければならない。特に、繊維シートの面積が広い程、懸濁液を吸ったときの質量も大きくなる。
【0008】
そして、懸濁液から繊維シートを吊り上げて取り出すには、繊維シートを高く吊り上げなければならない。例えば、1m×1mの正方形の繊維シートを取り出す場合、懸濁液の容器の底部から繊維シートの上縁までの高さは、2mを越える。そして、繊維シートが大きくなるほど、吊り上げる高さを高くしなければならない。このため、作業性が悪い上に、重くなった繊維シートを高く吊り上げるために、強固な大掛かりな装置構成が必要となる。
【0009】
さらに、繊維シートの引っ張り高度は、通常の固体電極材料に比べて、遙かに低い。このため、懸濁液を吸って重くなった繊維シートの上部をクリップ等で挟んで吊り下げると、繊維シート自体が自重に耐えられず、裂けてしまうおそれがある。
【0010】
その上、高く吊り上げられた繊維シートからは、染み込んでいた懸濁液が滴り落ちる。懸濁液には、通常、アセトン等の引火性の有機分散媒が使用される。したがって、引火性の溶媒の飛沫が周囲に飛び散ることとなり、危険である。
【0011】
また、フェルト等の不織布からは繊維が抜け落ちやすい。抜け落ちた繊維は、懸濁液中を浮遊し、電極間を短絡させるおそれがある。懸濁液に引火性の有機分散媒を使用している場合に、かかる短絡が生じると、発火の原因となり、危険である。
【0012】
さらに、炭化ケイ素繊維フェルト等の繊維シートの導電率は、一般に、通常の電極の導電率よりも低い。このため、繊維シートを電極として電気泳動を行う場合、繊維シート全体を等電位に保つことが困難である。例えば、繊維シートを金属クリップで挟んで電圧を印加すると、金属クリップの周囲に電界が集中してしまう。このため、繊維シートを電極として用いた場合、触媒粒子を均一に付着させることは困難である。
【0013】
そこで、本発明は、粒子を繊維シートに均一に付着させることができる、簡単な構成で作業性及び安全性に優れた電気泳動装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため、本発明の電気泳動装置は、導電性の繊維シートに粒子を付着させるための電気泳動装置であって、粒子を分散させた懸濁液を入れる容器と、容器内に水平に配置される二つの平板電極と、二つの平板電極間に水平に配置され、繊維シートを両面から支持する金網電極とを備え、二つの平板電極と、金網電極との間に電圧が印加されることを特徴としている。
【0015】
このように構成された本発明の電気泳動装置によれば、水平に配置された金網電極によって、繊維シートを支持する。このため、電気泳動後、繊維シートを支金網電極ごと懸濁液から水平に取り出せば、繊維シートを縦にして高く吊り上げる必要がない。したがって、作業性が良く、高く吊り上げるための大掛かりな装置構成を必要としない。
【0016】
また、繊維シートは、金網電極で支持されているので、懸濁液を吸って重くなっても、自重で裂けるおそれがない。さらに、懸濁液を吸った繊維シートを高く吊り上げる必要がないので、懸濁液を高い位置から滴り落とさずに済む。このため、懸濁液の飛散を防ぎ安全性の向上を図ることができる。
【0017】
また、繊維シートを両面から金網電極で支持しているので、繊維シートからの繊維の抜けを防止することができる。その結果、短絡による発火を防いで安全性の向上を図ることができる。さらに、繊維シートを金網電極で支持しているので、繊維シートを等電位に保つことができ、粒子を繊維シートに均一に付着させることができる。
【0018】
また、二つの平板電極間で繊維シートの両面から金網電極で支持しているので、繊維シートの両面から同時に粒子を付着させることができる。
【0019】
また、本発明において、好ましくは、金網電極の網目の大きさは、支持する繊維シートの繊維の長さより小さい。
これにより、繊維シートからの繊維の抜け落ちをより確実に防止することができる。その結果、抜け落ちた繊維による電極間の短絡の発生を一層防止して、安全性の向上を図ることができる。
【0020】
また、本発明において、好ましくは、金網電極は、繊維シートを支持したまま、懸濁液の液面上に移動可能である。これにより、作業性の一層の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、粒子を繊維シートに均一に付着させることができる、簡単な構成で作業性及び安全性に優れた電気泳動装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して、本発明の電気泳動装置の実施形態を説明する。
まず、図1を参照して、実施形態の電気泳動装置の構成について説明する。図1は、実施形態の電気泳動装置の断面模式図である。
【0023】
実施形態の電気泳動装置は、粒子を分散させた懸濁液7を入れる容器1と、容器1内に水平に配置される第1及び第2平板電極2及び3と、第1平板電極2と第2平板電極3との間に水平に配置され、繊維シート8を両面から支持する第1及び第2金網電極4及び5とを備えている。
【0024】
さらに、上記の構成に加えて、容器1内に、懸濁液7を分散させるためのホモジナイザ(図示せず)や、循環させるためのポンプ(図示せず)を設けてもよい。
【0025】
本実施形態の電気泳動装置は、導電性の繊維シートに粒子を付着させるためのものであるが、粒子としては、懸濁液中で帯電して電気泳動可能なものであれば、任意好適なものを用いることができる。例えば、ペロブスカイトの触媒粒子や、スピネルの触媒粒子等を付着させることができる。また、粒径は、懸濁系の分散性、繊維上の堆積の観点から、例えば、1nm〜5μmの範囲内のものが好ましい。
【0026】
また、懸濁液の分散媒としては、粒子の電気泳動可能なものであれば、任意好適なものを用いることができる。例えば、アセトンやエタノールが挙げられる。
【0027】
また、粒子を付着させる繊維シートとしては、導電性を有するものであれば、任意好適な不織布や織布を用いることができる。そのような繊維シートとしては、例えば、炭化ケイ素繊維フェルト、炭素繊維フェルト及び金属繊維フェルトが挙げられる。また、繊維シートの面積や厚さは特に制限されないが、懸濁液を染み込ませる観点から、厚さは、例えば、1〜10mmの範囲のものが好ましい。また、繊維シートの繊維の長さや太さも特に制限されないが、フェルトの加工性の観点から、長さは、例えば、10〜100mmの範囲内のものが好ましく、太さは、例えば、5〜30mmの範囲内のものが好ましい。
【0028】
以下、電気泳動装置の各構成要素について更に説明する。
容器1は、懸濁液に対して耐性を有する材料で作られている。また、容器1の材質は、感電事故の発生を防止するため、絶縁性であることが好ましい。そのような材料として、例えば、ガラスが挙げられる。
なお、容器1は、二つの平板電極及び二つの金網電極を収容できれば、特にその形状は問わない。
【0029】
第1及び第2平板電極2及び3には、導電性を有し、かつ、懸濁液に耐性を有するものならば、任意好適な材料を使用することができる。さらに、二つの平板電極2及び3が、陽極として使用される場合には、平板電極2及び3に、アノード溶解を起こさない炭素系材料を用いるとよい。そのような材料として、例えば、C/C(カーボンコンポジット)や炭化ケイ素が挙げられる。
【0030】
第1及び第2金網電極4及び5には、導電性を有し、かつ、懸濁液に耐性を有するものならば、任意好適な材料を使用することができる。ただし、繊維シート8を支持するのに十分な強度を有することを要する。そのような材料として、例えば、ステンレス、黄銅、アルミニウム等の一般的な金属材料が挙げられる。また、金網電極4及び5の寸法は、繊維シート8の全面を覆うように、繊維シート8の寸法より大きいことが望ましい。
【0031】
金網電極4及び5の網目の大きさ(目開き)は、繊維シート8から抜けた繊維が通過しない程度に小さいことが望ましい。例えば、繊維長40mmの場合、目開きを10〜25mmとするとよい。なお、繊維長にばらつきがある場合には、少なくとも繊維長の平均長より目開きが小さいことが望ましい。
【0032】
金網電極4及び5は、繊維シート8を両面から支持しているが、繊維シート8を強く挟み込む必要はない。むしろ、繊維シート8内に染み込んだ懸濁液を押し出さないために、強く挟み込まないことが好ましい。また、金網電極4及び5で繊維シート8を両面から支持しているので、電気泳動中に、繊維シート8が発生した泡によって浮上したり、移動して平板電極と短絡したりすることを防止することができる。
【0033】
なお、本実施形態では、二枚の金網電極で繊維シート8を両面から支持した例について説明するが、本発明では、金網電極の形態はこれに限定されず、金網電極は種々の形態を採ることが可能である。例えば、一枚の金網電極を折り返して、繊維シート8を間に挟むようにしてもよいし、金網電極を薄い箱形の形状として、箱形の中に繊維シート8を入れるようにしてもよい。
【0034】
そして、二つの平板電極2及び3と二つの金網電極4及び5は、いずれも水平に配置されているので、互いに平行である。これにより、平板電極2及び3と金網電極4及び5との間の電界強度を均一にすることができる。その結果、繊維シート8に、触媒粒子等の粒子を均一に付着させることができる。
【0035】
また、繊維シート8の両面に粒子を等しく付着させるため、上側の平板電極2と上側の金網電極4との間の上側電界強度と、下側の平板電極3と上側の金網電極5との間の下側電界強度とは、等しいことが望ましい。そのために、本実施形態では、上側の平板電極2と上側の金網電極4との間の上側距離と、下側の平板電極3と上側の金網電極5との間の下側距離とを等しくしている。また、電極間の距離としては、懸濁液の電気抵抗の観点から、例えば、10〜30mmの範囲内が好ましい。
【0036】
なお、実施形態においては、上側距離と下側距離とを等しくした例について説明するが、本発明では、上側距離と下側距離とは必ずしも等しくなくともよい。例えば、平板電極2及び3どうしの電位が等しくない場合などは、上側距離及び下側距離をそれぞれ調節し、繊維シートの両面で、電極間の電場強度が等しくなるようにするとよい。
【0037】
そして、電気泳動を行うにあたっては、容器に、粒子を分散させた懸濁液を、上側の平板電極2が十分に浸るまで入れてから、二つの平板電極2及び3と、二つの金網電極4及び5との間に、電源6によって電圧を印加する。本実施形態では、粒子が懸濁液中でプラスの帯電するものとして、平板電極2及び3が陽極となり、金網電極4及び5が陰極となるように電圧を印加する。金網電極4及び5は、繊維シート8に電圧を印加するリードの役割を有する。このため、繊維シート8も金網電極4及び5と実質的に同電位となり、金網電極4及び5と共に実質的に陰極として働く。そして、帯電した粒子は、泳動して、金網電極4及び5、並びに繊維シート8に付着する。
【0038】
なお、本実施形態においては、粒子が懸濁液中でプラスに帯電するため、平板電極を陽極とし、金網電極を陰極とした例について説明するが、本発明では、電極の極性はこれに限定されない。例えば、粒子が懸濁液中でマイナスに帯電する場合には、平板電極を陰極とし、金網電極を陽極として電気泳動を行うとよい。
【0039】
また、電極間に印加する電圧の種類は、直流定電圧に限定されず、例えば、電圧を変動させてもよい。
【0040】
次に、粒子を付着させた繊維シート8を、二つの金網電極4及び5によって支持されたまま、懸濁液7の液面上に引き上げる。このとき、繊維シート8は実質的に水平であるので、短い移動距離で、繊維シート8を液面上に引き上げることができる。また、繊維シート8は金網電極4及び5で支持されているので、繊維シートが自重で裂けるおそれもない。そして、繊維シート8を金網電極4及び5ごと僅かに傾けるだけで、繊維シート8に染み込んでいる懸濁液を容易に流し出すことができる。
【0041】
また、繊維シート8及び金網電極4及び5をベルトコンベアのような運搬装置で連続的に、平板電極2及び3間を通過させるようにしてもよい。この場合、粒子が付着した繊維シート8を、例えば、次工程の焼結炉へ連続的に運搬することができる。
【実施例】
【0042】
以下の実施形態においては、本発明を特定の条件で構成した例について説明するが、本発明は種々の変更及び組み合わせを行うことができ、これに限定されるものではない。
【0043】
(実施例1)
次に、本発明の実施例について詳細に説明する。
実施例では、容器1として、内寸の長さL×幅W×高さH=350×250×80mmのパイレックス(登録商標)製のガラス容器を使用した。そして、容器1内に、平板電極2及び3として、300×240×5mmの炭素板2枚を、互いに平行に水平に、互いに40mm離して配置した。また、金網電極4及び5として、目開き20mmのステンレス製金網を用いた。
【0044】
また、繊維シート8として、290×210×4mmの炭化ケイ素繊維フェルトを用いた。炭化ケイ素繊維フェルトの繊維径は、14μm、繊維長は40mm、引張強度は250g/m2である。そして、金網電極4及び5で、この炭化ケイ素繊維フェルト8を両面から挟んで支持し、平行電極2及び3間の中間に配置した。ここでは、炭化ケイ素繊維フェルトの両面で、平行平板電極2及び3と、金網電極4及び5との距離を、等しく15mmとした。
【0045】
そして、容器1内に、アセトン分散媒中に、触媒粒子を十分に分散させた懸濁液を、上側の平行電極2が浸るまで入れる。ここでは、触媒粒子として、ナノサイズのペロブスカイト、具体的には、粒径100nmのLa0.8Sr0.2CoO3の粒子を用いた。次いで、平板電極2及び3を陰極とし、金網電極4及び5を陽極として、電源6によって100Vの直流電圧(電流0.4A)を10分間印加して電気泳動を行った。
【0046】
続いて、触媒粒子を担持した炭化ケイ素繊維フェルトを、800℃で2時間焼結して、触媒担持フェルトを得た。この触媒担持フェルトの触媒粒子の担持量、即ち、触媒粒子を含む触媒担持フェルトの全質量に対する担持された触媒粒子の質量は、平均13%であった。このように、本発明の電気泳動装置を用いれば、ナノサイズの微小粒子であっても、短時間で十分に付着できることが確認された。
【0047】
また、この触媒担持フェルトにより、PM(粒子状物質)とNOXを同時に除去できることが確認された。図2のグラフは、触媒担持フェルトに流入したガス中のNOの分解生成物の発生を示すものである。具体的には、カーボンを5.5wt%含ませた担持フェルト0.25gを直径2cmのカラムに入れ、このカラムに、O2が5%、NOが0.5%のヘリウムで調整したガスを、40mL/分の流量で流通させ、カラムの温度を200℃から700℃まで1℃/分の昇温速度で上昇させて、カラムからの排出ガス中の生成物の濃度等を測定した。流通ガス中のNOは、触媒粒子により、N2Oに、更にはN2に還元され、また、カーボンを酸化してCOを、更にはCO2を生成する。
【0048】
図2のグラフの横軸は温度(℃)を表し、左側の縦軸は、流通ガス中のNOに対する、生成したN2O及びN2の量をモル%で表し、右側の縦軸は、生成したCO及びCO2の濃度をppmで表している。図2にグラフに示すように、300℃台から500℃台の温度範囲で、NOが分解してN2等の生成物が発生していることが分かる。
【0049】
なお、実施例1の装置において電気泳動を繰り返しても、短絡の発生は認められなかった。
【0050】
(比較例1)
比較例では、繊維シート及び電極を垂直に配置して電気泳動を行った。具体的には、内寸250×80×350のパイレックス(登録商標)製の深いガラス容器内に、300×240×5mmの炭素板2枚を垂直に、かつ互いに平行に配置した。そして、この2枚の炭素板の中間に、290×210×4mmの炭化ケイ素繊維フェルトを、その上部をクリップで挟んで吊り下げた。次いで、炭素板を陽極とし、クリップを陰極として、100Vの直流電圧を10分間印加して電気泳動を行った。
【0051】
比較例1では、触媒担持フェルトを懸濁液から取り出す際に、懸濁液を吸って重くなった触媒担持フェルトが自重に耐えきれず引き千切れたり、電気泳動中に、炭化ケイ素繊維フェルトと炭素板とが接触した短絡により火花が発生したり、ほとんどの場合で触媒担持フェルトが得られなかった。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態の電気泳動装置の断面模式図である。
【図2】触媒担持フェルトによるPM及びNOの除去を示すグラフである。
【符号の説明】
【0053】
1 容器
2 第1平板電極
3 第2平板電極
4 第1金網電極
5 第2金網電極
6 電源
7 懸濁液
8 繊維シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の繊維シートに粒子を付着させるための電気泳動装置であって、
粒子を分散させた懸濁液を入れる容器と、
前記容器内に水平に配置される二つの平板電極と、
前記二つの平板電極間に水平に配置され、繊維シートを両面から支持する金網電極とを備え、
前記二つの平板電極と、前記金網電極との間に電圧が印加される
ことを特徴とする電気泳動装置。
【請求項2】
前記金網電極の網目の大きさは、支持する繊維シートの繊維の長さより小さいことを特徴とする請求項1記載の電気泳動装置。
【請求項3】
前記金網電極は、繊維シートを支持したまま、懸濁液の液面上に移動可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の電気泳動装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate