説明

電気測定に基づく装置の物理的接続状態の判定

本発明の実施形態は、一般に、電気測定に基づく装置の物理的接続状態の判定に関する。方法の実施形態は、第1の装置と第2の装置の接続を発見するステップと、この第1の装置と第2の装置の間の接続を介して、第1の装置により第2の装置の電気測定を行うステップとを含み、この電気測定を行うステップは、第1の装置により第2の装置の要素を感知するステップを含む。この方法は、第1の装置による感知によって第2の装置の要素が検出されず、電気測定の所定の条件が有効になった場合、第1の装置が、第2の装置との接続が失われたと判定するステップをさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願〕
本出願は、2010年2月10日に出願された米国仮特許出願第61/303,248号に関連するとともにこの優先権を主張するものであり、該出願は引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明の実施形態は、一般に電子装置の分野に関し、より詳細には、電気測定に基づく装置の物理的接続状態の判定に関する。
【背景技術】
【0003】
データ通信を目的として、2又はそれ以上の電子装置が相互接続されることがある。例えば、ケーブル又は同様のインターフェイスを介して、(データを提供するためのソース装置として動作する装置などの)第1の装置に(ソース装置からデータを受け取るためのシンク装置として動作する装置などの)第2の装置を接続することができる。これらの装置は、様々な異なるプロトコルを利用することができる。このようなシステムでは、装置は、接続されている限りデータを交換することができ、これらのデータはケーブルを介して転送される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ケーブルの物理的切断などによって2又はそれ以上の装置が切断されることがある。装置は、最終的には通信プロトコルを介して切断が存在すると判断するが、この結果、1又はそれ以上の装置が、装置のプロトコルを介して切断が特定されるまで他方の装置と通信しようと試み続けて遅延が生じることが多い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
同じ参照数字が同様の要素を示す添付図面の図に、本発明の実施形態を限定ではなく一例として示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】検出装置又は検出処理の実施形態を利用して装置間の切断を検出することを示す図である。
【図2】装置の切断検出の実施形態を示すタイミング図である。
【図3】例示的なシステムにおける装置の切断検出状態を確立する処理の実施形態を示すタイミング図である。
【図4】例示的なシステムにおける装置の切断検出処理の実施形態を示すタイミング図である。
【図5】装置の誤った切断指示に対処する処理の実施形態を示すタイミング図である。
【図6】装置が切断されたという判定後にシステムを回復させる処理の実施形態を示す状態図である。
【図7】装置の切断を検出する処理及び装置の実施形態を示す図である。
【図8】装置間の接続性の喪失を検出する処理の実施形態を示すフロー図である。
【図9】ソース装置がシンク装置との接続性の喪失を検出する実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態は、一般に、電気測定に基づく装置の物理的接続状態の判定に関する。
【0008】
本発明の第1の態様では、方法が、第1の装置と第2の装置の接続を発見するステップと、この第1の装置と第2の装置の間の接続を介して、第1の装置により第2の装置の電気測定を行うステップとを含み、この電気測定を行うステップは、第1の装置により第2の装置の要素を感知するステップを含む。第1の装置による感知によって第2の装置の要素が検出されず、電気測定の所定の条件が有効になった場合、第1の装置は、第2の装置との接続が失われたと判断する。
【0009】
本発明の第2の態様では、装置が、発見した第2の装置と接続するためのインターフェイスと、第2の装置の要素を検出するために第2の装置とのインターフェイスの共通ノード上で電気測定を行うための基準感知要素を備え、この装置は、基準感知要素が第2の装置の要素を検出できなかったときに第2の装置との接続性が失われたと判断する。
【0010】
本発明の実施形態は、一般に、電気測定に基づく装置の物理的接続状態の判定に関する。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の装置から第2の装置が切断されたことを電気測定を使用して検出するための装置、システム、及び処理を提供する。いくつかの実施形態では、第1の装置から複数の装置のいずれかが切断されたことを検出するための装置、システム、及び処理を提供する。実施形態はあらゆる数の装置を含むことができるが、単純にするために、本説明では、互いに接続された第1の装置及び第2の装置を一般的に示す。
【0012】
ソース装置などの第1の装置が、シンク装置などの以前に接続されていた第2の装置から切断されたと判断した場合、この第1の装置は、送信を中止すること、低電力状態に変化すること、又はその他のこのような動作などの適当な措置を講じることができる。しかしながら、一般に、装置の特定のプロトコルを使用して第1の装置が第2の装置から切断されたことを検出すると、この切断に応答して遅延が生じ、第1の装置が切断された装置との通信を試み続けるので、他の影響に加えて第1の装置が不必要な電力を消費する。
【0013】
いくつかの実施形態では、処理、装置又はシステムが、装置の接続及び切断を検出してモニタするために電気測定を利用することができる。いくつかの実施形態では、処理、装置又はシステムが、電気測定のための条件を利用することができる。いくつかの実施形態では、この条件が、電気測定の変化によって物理的接続の喪失が示される1又は複数の期間を示すことができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、装置(「測定装置」)内で基準感知処理(RSEN)を使用して、測定装置(「接続装置」)に接続されていた1又はそれ以上の装置への接続が終了したかどうかを判断するための測定を行う。いくつかの実施形態では、この測定結果を使用して、装置間の物理的接続を判断する。実施形態は、いずれの特定の数の装置にも限定されず、1又は複数の測定装置及び1又は複数の接続装置に適用可能である。
【0015】
いくつかの実施形態では、RSENの有効な使用が条件の状態に制限される。いくつかの実施形態では、この条件が、通信プロトコルにより示される条件である。この条件が存在する(真になる)まで、RSENの状態は無視される。いくつかの実施形態では、この条件の使用が、測定装置に物理的接触が行われた瞬間に(ON又はOFFとなり得る)接続装置の終端制御が存在するかどうかに関する柔軟性を可能にする。さらに、この条件は、様々な異なるプロトコルにおいて実施形態を適用できるようにする。
【0016】
実施形態は、いずれかの特定のプロトコルを使用する接続に限定されるものではない。ある例では、第1の装置及び第2の装置が、デジタルデータを送信するためのオーディオ/ビデオインターフェイスを提供するHDMI(商標)(高品位マルチメディアインターフェイス)プロトコル、又はMHL(商標)(モバイル高品位リンク)プロトコルを利用することができる。HDMIは、2009年5月28日にリリースされた「高品位マルチメディアインターフェイス」バージョン1.4を含むHDMI仕様の規定によって記述することができる。MHLは、2010年6月30日にリリースされた「モバイル高品位リンク」バージョン1.0を含むMHL仕様の規定によって記述することができる。1つの例では、MHL接続の条件を、プルダウン装置又はプルアップ装置である終端要素が制御バス(CBUS)上に設けられている期間とすることができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、条件がアクティブであり、従ってRSEN状態を判定するための有効期間が存在するときに装置間の物理的接続が失われた場合、RSENがこの状態を反映する。いくつかの実施形態では、測定要素が、この事実を装置又はコントローラに伝える。いくつかの実施形態では、この結果、装置が、さらなる方法に依拠することなく切断に対処して物理的状態を判断する。
【0018】
いくつかの実施形態では、共通ノードに接続された複数の終端装置及び測定装置などの、複数の測定装置又は接続装置に処理を適用することができる。この共通ノードは、例えば、ノイズ供給耐性などの、共通モードの耐ノイズ性を高めるための1対の差動ノードとすることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、電気測定が、接続装置における終端抵抗の存在を判定するための測定を含む。しかしながら、この終端抵抗は、発見処理が完了するまで存在しないことがある。いくつかの実施形態では、それぞれのプロトコルに従う終端のための条件が存在する。一例では、装置の発見が完了したときに、MHL CBUSリンクのためのプルアップインピーダンス終端が接続される。いくつかの実施形態では、発見処理が完了した期間中、終端の電気測定がアクティブになり、従って装置間をリンクする終端が存在するはずである。
【0020】
いくつかの実施形態では、終端の存在を測定するために、共通ノードに電圧又は電流を強要する必要がなく、従って受動的電気測定法及び装置を使用することができる。例えば、この受動的電気測定法及び装置を使用して、2つの装置の接続をモニタすることができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、複数の接続装置の存在及び接続装置の数を測定するために、能動装置及び方法を利用することができる。特定の実施形態では、測定装置が、測定のために固定量の電流を共通ノード内に強要することができる。いくつかの実施形態では、この電流を、測定装置が接続装置に接続されたときに同じ共通ノード上の他の測定装置内に接続できる他のデジタル入力バッファのノイズマージンを超えない量の電流とすることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、各電気測定を受動測定によって開始することができる。少なくとも1つの接続装置の存在が検出されると、各測定装置は、別の測定を開始することができる。いくつかの実施形態では、複数の接続装置が終端インピーダンスを低下させるので、通信が存在する場合にも、この通信が受動測定によって影響を受けることはない。
【0023】
いくつかの実施形態では、寄生容量及び漏れ電流に関する最大検出時間を制限するために、受動検出を行う測定装置を含む測定装置に(システム規模の、又は各測定装置に分散された)ブリーダ抵抗器が提供される。
【0024】
いくつかの実施形態では、測定の実行中に通信を開始できるので、測定装置のための仲裁処理を行うことができ、或いは複数の測定装置が重複期間に測定を試みることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、装置検出の検出の実施形態を、以下に限定されるわけではないが、(ディスプレイ装置などの)消費者向け電子機器、(携帯電話機、カメラ、及びカムコーダなどの)モバイル装置、及び(デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットトップ装置、ネットブック、及びタブレットを含む)パーソナルコンピュータ装置を含むあらゆる電子装置間で利用することができる。
【0026】
図1は、検出装置又は検出処理の実施形態を利用して装置間の切断を検出することを示す図である。この図では、第1の装置100を、第2の装置110及び第3の装置130〜第nの装置140などの1又はそれ以上の装置に接続することができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の装置がケーブル120又は要素によって接続される。いくつかの実施形態では、第1の装置100が、電気測定処理160を利用して第2の装置110からの切断150を検出する。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1の装置100が、条件が有効である期間中に第2の装置110の終端を検出することができる。条件が有効であるときに終端が検出されなかった場合、第1の装置100は、第2の装置110との接続が失われたと判定し、妥当な措置を講じることができる。いくつかの実施形態では、第1の装置100と第2の装置110の間の接続が発見された発見処理後に終端が有効になり、発見処理が終了した後に条件が有効になる。
【0028】
図2は、装置の切断検出の実施形態を示すタイミング図である。いくつかの実施形態では、ある時点で(測定装置における制御バスCBUS接続状態205などの)条件が有効になる。このような時点よりも前には、接続装置の終端210は関連しておらず(無関心(Don’t Care))、この時点後に、接続装置が適所に(プルアップ抵抗又はプルダウン抵抗などの)終端要素を有する(終端(Terminated))ようになる。いくつかの実施形態では、終端の有効時点よりも前には測定装置の有効期間215が無効(Not Valid)であり、この有効時点後に有効(Valid)になる。
【0029】
いくつかの実施形態では、最初に物理ケーブル状態220を切断(Disconnected)しておくことができるが、測定装置が無効(Not Valid)な期間中は、測定装置又は要素(基準感知RSEN)225がこれを無視(Ignore)する。この図では、次にケーブル状態220が接続状態(Connected)になり、その後CBUS接続状態205が有効になる。接続装置の終端210が接続(終端(Terminated))され、測定装置期間215が有効(Valid)になり、従って終端の存在を測定するRSEN値225が真(TRUE)になる。
【0030】
しかしながら、その後、測定装置と接続装置の間のケーブルが切断されることがあり、従ってこれは有効(Valid)な測定期間215中に発生する。いくつかの実施形態では、終端が切断されると、測定装置のRSEN値225が偽(FALSE)になり、このようにして接続装置との接続の喪失が検出される。
【0031】
図3は、例示的なシステムにおける装置の切断検出状態を確立する処理の実施形態を示すタイミング図である。この例では、MHL対応装置などのソース装置を別の装置に接続し、この別の装置を、ソース装置からデータを受け取るシンク装置とすることができる。図示のように、最初に物理ケーブル状態305が切断(Disconnected)されており、その後、ソース装置とシンク装置の間のケーブル接続が行われていることを示す接続状態(Connected)になる。この図では、次に、シンク装置がCBUSを利用してシンク装置とソース装置の接続を発見したことを示すCBUSシンク装置発見処理310が完了し、シンクTMDS終端315が有効(Enable)になる(終端装置が有効になる)。図3に示すように、この後、MHLソース装置がシンク装置との接続を発見するCBUSソース発見処理320が完了し、処理320を有効としてこのことを示している。
【0032】
いくつかの実施形態では、ソース発見処理が完了することにより、発見されたシンク装置の終端抵抗の有効性である関連条件が有効になる。いくつかの実施形態では、次にソース終端モニタリング期間325が有効(Valid)になる。図示のように、物理ケーブルが接続され、この結果、無視(Ignored)されていたソースのRSENイベント330が真(True)になる。いくつかの実施形態では、RSENイベントの検出が有効になることにより、システムが、終端抵抗の電気測定に基づいて接続喪失を検出する状態に入る。
【0033】
図4は、例示的なシステムにおける装置の切断検出処理の実施形態を示すタイミング図である。この例では、物理ケーブル状態405によって示すように最初にソースが接続されており、例えば、図3における発見されたシンク装置の終端抵抗が有効になった状態のように、CBUSシンク発見410及びソース発見420が完了している。図4に示すように、シンクの終端は有効であり415、終端モニタリング期間425は有効(Valid)であり、RSENイベントは真であり430、CBUS上のソース固有のプルアップ装置は有効である435。
【0034】
しかしながら、この図では、物理ケーブルが切断されるようになる。いくつかの実施形態では、もはやシンクの終端が検出されないので、この切断によりRSENイベント430が偽(False)になる。いくつかの実施形態では、RSEN状態が偽(False)になると、ソース発見状態が無効になり420、ソースではCBUS上のプルアップ装置が(浮遊状態を含めて)無効になる435。このように、ソースは、切断を迅速に判断してこれに対処できている。その後、もはや接続が行われていないとシンクが判断したときにシンク発見状態410を無効にすることができ、この結果シンクの終端415が無効になる。いくつかの実施形態では、ある期間後に、ソースのプルアップ抵抗を再度有効にして、ソースを、ケーブル接続を発見する条件に置くことができる。
【0035】
図5は、装置の誤った切断指示に対処する処理の実施形態を示すタイミング図である。この図では、ソース装置505とシンク装置の間に物理ケーブルが接続されている。しかしながら、誤作動によって誤った基準感知イベントが発生することがあり550、この場合、実際にはソース装置とシンクの間にケーブルが接続されたままである。この図では、CBUSシンク発見510及びソース発見520が完了し、シンクTMDS終端が有効になっており515、ソース終端モニタリング期間525が有効であり、ソースの終端抵抗(CBUSプルアップ装置)535が有効になっている。
【0036】
しかしながら、この例では、感知動作又は装置動作の誤作動により、ソースのRSENイベント530が真(True)から偽(False)に変化することがある。いくつかの実施形態では、RSENイベント530が偽(False)状態であることに応答して、ソース装置が、接続が失われたと判定し、この結果ソースのプルアップ装置535が無効になり、ソース終端モニタリング期間525が無効になる。いくつかの実施形態では、この発生後に、RSENイベント530が、RSENの状態を問題にしないように無視(Ignore)状態に変化する。ソースのプルアップ装置が無効になったことに応答して、シンク装置の通常動作によってソース510の発見が終了し、シンク終端515が無効になる。いくつかの実施形態では、ある時間の経過後にソースのプルアップ装置535が有効になり、システムを回復させてCBUS発見を再始動するように設定することができる560。
【0037】
図6は、装置が切断されたという判定後にシステムを回復させる処理の実施形態を示す状態図である。この図では、ソース600がシンク650に接続されている。いくつかの実施形態では、切断又は誤作動により、ソース605による感知がデアサートされている。ソース600のRSEN状態がデアサートされると、CBUSが無効(浮遊状態)になる610。いくつかの実施形態では、次にソース600が、関連システム又はスイッチにバス所有権の変化を通知できる615一方で、シンク650は、終端を除去して発見インピーダンスに切り換わる660。次に、ソースは、インピーダンス検出620に進み、シンクは、ソースからのCBUSパルスを待つ状態665に移る。ケーブルが切断され、その状態のままである場合、CBUSインピーダンスが検出されないという理由でソースのケーブル状態は切断(Disconnected)されたままになる625。さらに、シンクは待機状態665のままであり、物理ケーブルは切断されたままになる670。
【0038】
いくつかの実施形態では、(誤作動が発生してケーブルが接続されたままの状況などの)CBUS630のインピーダンスを検出すると、ソースがCBUS発見処理635を再始動する。このソースの発見処理に従って、ソースは、CBUSをパルシングするなどの適当な措置を講じて655、シンクを待機状態からCBUS発見状態680に移行させる。
【0039】
図7は、装置の切断を検出するための処理及び装置の実施形態を示す図である。この特定の例では、ソース装置710が、ケーブル720を介したMHL接続などの接続を介して、データ回線725〜730、クロック回線735〜740、及び制御バス(CBUS)745を含むインターフェイスによってシンク装置715に接続されている。図7には接続の例を示しているが、実施形態は、いずれかの特定の接続又はインターフェイスに限定されるものではない。図7には、クロック信号を含むことを示すためにクロック要素735〜740を示しているが、このような例示は、このようなクロック信号の別個の物理的配線に限定されることを意図するものではなく、回線725〜730上のデータレーンの下に組み込まれる共通モードのクロック信号の送信を含む。いくつかの実施形態では、ソース710が、RSEN要素750を利用するシンク715の要素を検出するための共通ノードとしてCBUS745を利用することができ、この処理は、例えば図2〜図6として示すタイミング図に示すようなものとすることができる。
【0040】
この図では、ソース710及びシンク715が、ケーブル720を介した接続を発見することができる。発見処理が完了すると、シンク715は、CBUS745上の終端抵抗を有効にすることができる。いくつかの実施形態では、ソース710が、シンク715との接続を発見した後に、CBUSを介して終端を感知することができる。いくつかの実施形態では、ケーブル720が切断されると、RSEN750が、もはやシンク715の終端抵抗がCBUSを介して接続されていないことを検出する。いくつかの実施形態では、シンクの終端抵抗がもはや接続されていないという検出を利用して、ソース710とシンク715の間の接続が失われたと判断することができる。
【0041】
図8は、装置間の接続の喪失を検出する処理の実施形態を示すフロー図である。この図では、MHL対応モバイル装置を含むことができるソース装置を有効にすることができる802。ソース装置とシンク装置の間にケーブルが接続される804と、シンクは、ソースとの接続を発見することができ806、この結果シンクが終端抵抗を有効にする808。また、ソースは、シンクとの接続も発見することができる810。
【0042】
いくつかの実施形態では、シンクの終端抵抗を基準感知するためのソース終端モニタリング期間が有効になり812、ソースとシンクが接続されていてシンクの終端抵抗が有効であることにより、ソースのRSEN値が真(True)になる814。ケーブルの切断が存在する場合816、シンクの終端抵抗はもはや感知されず818、RSEN値は偽(False)になる820。いくつかの実施形態では、RSEN値が偽(False)になると、ソースによるシンク装置の発見が無効になり、ソースの終端抵抗(プルアップ装置)が無効又は浮遊状態になる822。いくつかの実施形態では、これにより終端値のモニタリングが無効(Not Valid)になる824。この結果、シンクによるソース装置の発見が無効になり826、その後シンクの終端抵抗が無効になる。
【0043】
図9は、ソース装置がシンク装置との接続性の喪失を検出する実施形態を示す図である。この図では、ケーブル950を介してソース装置905をシンク装置955に接続することができる。ソース装置905は、ソース装置905からシンク装置955へデータを送信するための送信要素910、及びケーブル接続のためのインターフェイス915を含むことができる。さらに、シンク装置955は、ソース装置905からのデータをシンク装置955において受け取るための受信要素960、及びケーブル接続のためのインターフェイス965を含むことができる。ソース装置905は、ケーブル接続950の制御バスに接続できる切り換え可能な終端抵抗(プルアップ又はプルダウン装置)925を含むことができる。さらに、シンク装置955は、ケーブル接続950の制御バスに接続できる切り換え可能な終端抵抗(プルアップ又はプルダウン装置)975を含むことができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、ソース装置905が、電圧又は電流の測定などの電気測定を介してシンクの終端抵抗975を感知するための基準感知(RSEN)要素920をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、RSENが、受動又は能動手段によってシンクの終端抵抗975の存在を検出する構成要素又は装置である。いくつかの実施形態では、ソース装置905が、RSEN要素920によってシンクの終端抵抗が検出されないことに基づいてソース905とシンク955間のケーブル950の切断を判断する。
【0045】
上記の説明では、説明を目的として、本発明を完全に理解できるようにするために数多くの特定の詳細を示している。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細の一部を伴わずに本発明を実施できることが明らかであろう。その他の場合、周知の構造及び装置はブロック図形式で示している。図示の構成要素間には、中間構造が存在してもよい。本明細書で説明又は図示した構成要素は、図示又は説明していない追加の入力部又は出力部を有することができる。また、図示の要素又は構成要素を、いずれかのフィールドの並べ換え又はフィールドサイズの修正を含む異なる配列又は順序で配置することもできる。
【0046】
本発明は、様々な処理を含むことができる。本発明の処理は、ハードウェア構成要素によって実行することも、或いはコンピュータ可読命令の形で具体化し、これを使用して汎用又は専用プロセッサ、又は命令をプログラムした論理回路が処理を実行するようにすることもできる。或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって処理を実行することもできる。
【0047】
本発明の一部を、1又はそれ以上のプロセッサが実行するためのコンピュータプログラム命令を記憶したコンピュータ可読媒体を含むことができるコンピュータプログラム製品として提供し、これを使用して、本発明による処理を実行するようにコンピュータ(又はその他の電子装置)をプログラムすることもできる。コンピュータ可読媒体としては、以下に限定されるわけではないが、フロッピー(登録商標)ディスケット、光学ディスク、CD−ROM(コンパクトディスク読出し専用メモリ)、及び磁気光学ディスク、ROM(読出し専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、EPROM(消去可能プログラム可能読出し専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラム可能読出し専用メモリ)、磁気又は光学カード、フラッシュメモリ、又は電子命令を記憶するのに適したその他の種類の媒体/コンピュータ可読媒体を挙げることができる。さらに、本発明をコンピュータプログラム製品としてダウンロードし、このプログラムをリモートコンピュータから要求側コンピュータへ転送することもできる。
【0048】
方法の多くをその最も基本的な形で説明しているが、本発明の基本的範囲から逸脱することなく、これらの方法のいずれかに対して処理の追加又は削除を行うことができ、また説明したメッセージのいずれかに対して情報の追加又は削除を行うことができる。当業者には、多くのさらなる修正及び適合化を行い得ることが明らかであろう。特定の実施形態は、本発明を限定するためではなく、例示するために提供したものである。
【0049】
要素「A」が要素「B」に又は要素「B」と結合されると言う場合、要素Aを要素Bに直接結合することもでき、又は要素Cなどを介して間接的に結合することもできる。本明細書に、構成要素、特徴、構造、処理、又は特性Aが、構成要素、特徴、構造、処理、又は特性Bを「もたらす(causes)」と記載している場合、これは、「A」が「B」の少なくとも部分的な原因ではあるが、「B」をもたらす上で支援となる少なくとも1つの他の構成要素、特徴、構造、処理、又は特性が存在してもよいことを意味する。本明細書に、構成要素、特徴、構造、処理、又は特性を含めることが「できる(may、might、又はcould)」と示している場合、この特定の構成要素、特徴、構造、処理、又は特性を含める必要性はない。本明細書において、「1つの(英文不定冠詞)」要素について言及している場合、これは、記載する要素が1つしか存在しないことを意味するものではない。
【0050】
実施形態は、本発明の実施構成又は実施例である。本明細書における、「ある実施形態」、「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、又は「他の実施形態」についての言及は、実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、又は特性が少なくともいくつかの実施形態に含まれるが、必ずしも全ての実施形態には含まれるわけではないことを意味する。様々な箇所で出現する「ある実施形態」、「1つの実施形態」、又は「いくつかの実施形態」は、必ずしも全てが同じ実施形態を示すものではない。上述の本発明の例示的な実施形態についての説明では、本開示を簡素化するとともに様々な本発明の態様の1又はそれ以上の理解に役立てる目的で、1つの実施形態、図、又はその説明において本発明の様々な特徴を1つにまとめていることがあると理解されたい。
【符号の説明】
【0051】
405 物理ケーブルの状態
410 CBUSシンクの発見
415 シンクTMDSの終端
420 CBUSソースの発見
425 ソースの終端モニタリング期間
430 ソースのRSENイベント
435 ソースのCBUS 10KΩプルアップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の装置と第2の装置の接続を発見するステップと、
前記第1の装置により、該第1の装置と前記第2の装置の間の前記接続を介して、前記第1の装置によって前記第2の装置の要素を感知することを含む、前記第2の装置の電気測定を行うステップと、
前記第1の装置による感知によって前記第2の装置の要素が検出されず、前記電気測定の所定の条件が有効になった場合、前記第1の装置が、前記第2の装置との接続が失われたと判断するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2の装置の要素が終端抵抗であり、前記電気測定が、前記第2の装置における前記終端抵抗の存在を判定するための測定である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定の条件が、前記第1の装置と前記第2の装置の間に制御バスが接続された状態であり、前記電気測定が、前記制御バスに前記第2の装置の前記終端抵抗が結合されているかどうかを感知することを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記終端抵抗が、前記第2の装置による前記第1の装置と前記第2の装置の前記接続を発見するための処理が完了するまで前記制御バスに結合されない、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の装置がデータソース装置であり、前記第2の装置がデータシンク装置である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記所定の条件が、前記電気測定の変化によって物理的接続の喪失が示される一定期間を含み、前記条件が真になるまで前記電気測定の状態が無視される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の装置との前記接続が失われたと判断した後、前記所定の条件を無効状態に変更するステップを含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の装置との前記接続が失われたと判断したことに応答して、前記第1の装置の終端抵抗を共通ノードから切断するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の装置と前記第2の装置の前記接続を発見するステップが、前記接続をインターフェイスプロトコルに従って発見するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記インターフェイスプロトコルが、HDMI(商標)(高品位マルチメディアインターフェイス)プロトコル、又はMHL(商標)(モバイル高品位リンク)プロトコルである、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
装置であって、
前記装置が発見する第2の装置と接続するためのインターフェイスと、
前記第2の装置の要素を検出するために、前記第2の装置との前記インターフェイスの共通ノード上で電気測定を行うための基準感知要素と、
を備え、前記装置が、前記基準感知要素が前記第2の装置の要素を検出できなかったときに前記第2の装置との接続性が失われたと判断するようになっている、
ことを特徴とする装置。
【請求項12】
前記第2の装置の要素が終端抵抗である、
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記共通ノードが制御バスであり、前記電気測定が、前記終端抵抗と前記制御バスの接続を検出する、
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記電気測定が、前記共通ノード上の電圧又は電流の測定である、
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記共通ノードが、1対の差動ノードを含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記装置がソース装置であり、前記第2の装置がシンク装置であり、前記ソース装置が、前記シンク装置にオーディオ/ビデオデータを提供する、
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記装置が、HDMI(商標)(高品位マルチメディアインターフェイス)又はMHL(商標)(モバイル高品位リンク)対応装置である、
ことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記基準感知要素が、前記装置と前記第2の装置の間の共通ノード上に電圧又は電流を強要しない受動測定を行う、
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記基準感知要素が、前記装置と前記第2の装置の間の共通ノード上に固定量の電圧又は電流を強要する能動測定を行う、
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項20】
命令シーケンスを表すデータを記憶するコンピュータ可読媒体であって、前記命令シーケンスが、プロセッサによる実行時に、該プロセッサに、
接続を介してシンク装置にデータを提供するソース装置と前記シンク装置の前記接続を発見するステップと、
前記ソース装置と前記シンク装置の間の接続状態を確立するステップと、
前記ソース装置の感知要素が、前記ソース装置と前記シンク装置の間の共通ノードの電気測定を介して前記シンク装置の終端抵抗の存在を検出できるようにするステップと、
前記共通ノード上で前記終端抵抗を検出できなかった時点で、前記ソース装置が前記シンク装置との接続が失われたと判断し、前記接続状態を無効状態に変更するステップと、
を含む動作を実行させる、
ことを特徴とする媒体。
【請求項21】
前記プロセッサによる実行時に、該プロセッサに、前記ソース装置が前記シンク装置との接続が失われていると判断した時点で、前記共通ノード上の前記ソース装置の終端抵抗を無効にするステップを含む動作を実行させる命令をさらに含む、
ことを特徴とする請求項20に記載の媒体。
【請求項22】
前記ソース装置と前記シンク装置の間の接続の発見が、HDMI(商標)(高品位マルチメディアインターフェイス)プルトコル又はMHL(商標)(モバイル高品位リンク)プロトコルを利用する、
ことを特徴とする請求項20に記載の媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−519946(P2013−519946A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552943(P2012−552943)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2011/024171
【国際公開番号】WO2011/100306
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(504441048)シリコン イメージ,インコーポレイテッド (69)