説明

電気用ペネトレーション及びその製造方法

【課題】長寿命でしかも事故発生の場合の安全性の向上を図ることができる電気用ペネトレーションを提供する。
【解決手段】電気用ペネトレーションは、円筒容器1と、円筒容器1内に配設され電気線を接続する複数本の導体2と、円筒容器1内に挿入され導体2が貫通しガラス繊維強化樹脂から作製される絶縁板6と、円筒容器1内部の表面の一部又は全部に塗布された接着剤4と、円筒容器1の両端部に設けられ挿入された絶縁板6を固定する固定手段(例えば、固定リング8)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉格納容器からの電気配線を貫通させ保持するための電気用ペネトレーションを長寿命化する電気用ペネトレーション及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子炉格納容器内から電気線を引き出すに際しては、原子炉格納容器の内外をガス等が流通しないように隔絶する必要がある。このために、電気用ペネトレーションというシール部を介して、原子炉格納容器内の電気線を外部に引き出していることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この電気用ペネトレーションの構成を図4を用いて説明する。この電気用ペネトレーションは、円筒容器21に電気線を接続する導体22を必要数配置して構成されている。この導体22と円筒容器21との間に絶縁樹脂31を注入して加熱し硬化する。この絶縁樹脂31の加熱硬化により、上記円筒容器21と導体22を絶縁すると共に、円筒容器21の両端部からのガス等の流通を遮断する構造になっている。
【0004】
また、樹脂31を注入して円筒容器21で保持する必要があるために、円筒容器21内部にはこの容器21の開口部よりも径の狭い部分を作って段差部23が設けられている。この段差部23の両側には、上記の円筒容器21の内径より小さい外形を持つ絶縁性のある絶縁性板32が配置されている。この絶縁性板32には、上記の導体22の断面形状より若干大きい貫通孔25が複数個設けられている。この貫通孔25に導体22を挿入して起立することにより、樹脂31を注入して電気用ペネトレーションを作製している。
【特許文献1】実公平2−42013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した電気用ペネトレーションにおいて、最近特に、構成部品の長寿命化を図りしかも事故発生の場合の安全性向上が求められるようになってきた。これは、原子炉用の長寿命化を図るためには、絶縁物の耐放射線性や耐熱性向上を図る必要が生じたからである。電気用ペネトレーションで使用されている樹脂31は、一般的に流動性のよい液状エポキシ等の樹脂が使用されている。一方、耐放射線や耐熱性のよい樹脂としては、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン等の四官能エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂等がある。
【0006】
しかし、上記テトラグリシジルアミノジフェニルメタン等の四官能エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂等樹脂は粘度が高いため、円筒容器21と導体22との間にこの絶縁樹脂31を注入することが困難である、という課題があった。
【0007】
また、安全性の向上という観点から、絶縁樹脂31には耐燃性が必要とされる。この難燃性を付与するためには難燃剤の添加が必要とされる。
【0008】
しかしながら、難燃剤を使用すると耐熱性が低下したり又は添加した難燃剤が樹脂表面にしみ出してしまう、という課題があった。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、長寿命でしかも事故発生の場合の安全性向上を図ることができる電気用ペネトレーション及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の電気用ペネトレーションにおいては、筒状容器と、前記筒状容器内に配設され電気線を接続する導体と、前記筒状容器内に挿入され前記導体が貫通しガラス繊維強化樹脂から作製される絶縁板と、前記筒状容器内部の表面の一部又は全部に塗布された接着剤と、前記筒状容器の両端部に設けられ前記挿入された絶縁板を固定する固定手段と、を有することを特徴とするものである。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の電気用ペネトレーションの製造方法においては、筒状容器の内側の一部又は全部に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、この接着剤が塗布された筒状容器内にガラス繊維強化樹脂から作製される絶縁板を挿入する絶縁板挿入工程と、この挿入された絶縁板に前記接着剤を塗布し他の絶縁板を積み重ねながら絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、この複数の絶縁板を積み重ねて所定の高さに形成した後で前記円筒容器内の端部に加工されたネジ部を用いて固定リングを締め付ける固定リング締付工程と、前記絶縁板に設けられた貫通孔に接着剤を介して導体を挿入する導体挿入工程と、この導体を挿入した絶縁板、前記筒状容器および接着剤を加熱硬化して一体化する加熱硬化工程と、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電気用ペネトレーション及びその製造方法によれば、ガラス繊維強化樹脂から作製される絶縁板を使用することにより、構成部品の長寿命化を図りしかも事故発生の場合の安全性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る電気用ペネトレーション及びその製造方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態の電気用ペネトレーションの構成を示す断面図である。
【0015】
本図に示すように、電気用ペネトレーションは、筒状容器1を有する。ここでは、この筒状容器として円筒容器1を例示する。この円筒容器1の内部の略中央部には、円筒容器1の開口部の径より小さい部分で形成される段差部3が設けられている。この円筒容器1の内部には、図示しない電気線を接続する複数本の導体2が配設されている。
【0016】
上記段差部3の両側には、円筒容器1の内径より若干小さい外径を持つ絶縁性のある絶縁板6が複数挿入されている。この絶縁板6は、ガラス繊維強化樹脂から作製されている。また、絶縁板6は、上記導体2が貫通する複数の貫通孔5を有する。
【0017】
上記円筒容器1の両端部には、上述の挿入された絶縁板6を固定する固定手段である固定リング8がネジ7によって取り付けられている。この円筒容器1の両端部の内側面には雌ネジ7aが加工されている。この固定リング8の外側面には、上記雌ネジ7aに合わせて雄ネジ7bが加工されている。この円筒容器1の内部や段差部3の表面の一部又は全部には接着剤4が塗布されている。また、上記絶縁板6の貫通孔5の内部にも接着剤4が塗布されている。
【0018】
上記絶縁板6は、ガラス繊維強化樹脂から作製されている。このガラス繊維強化樹脂は、一例として、ポリイミド樹脂をガラス繊維クロスに含浸して作製される。このポリイミド樹脂は、耐熱性が200℃以上でしかも耐放射線性が高い有機物である。このガラス繊維強化樹脂としては、上記ポリイミド樹脂の他に、4官能エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂をガラス繊維クロスに含浸した作製したガラス繊維強化樹脂を使用することもできる。これらの樹脂は耐放射線性や耐熱性は高いが、硬化する前の状態では粘度が高く製造作業性が悪いために、従来の製造方法では導体2の間にこの樹脂を流すことはできなかった。ここでは、これら樹脂をガラス繊維クロスに含浸して加熱硬化して作製したガラス繊維強化樹脂を加工したものを使用する。このような製造方法の場合は、上記樹脂を導体2の間に流し込む必要がないために、作業性を犠牲にせずに、高耐熱、高耐放射線性を維持した電気用ペネトレーションを形成することができる。
【0019】
また、上記ガラス繊維強化樹脂製絶縁板6と円筒容器1や導体2を接着する接着剤4としては、耐熱性や耐放射線性が高い固形エポキシ樹脂、4官能エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂から選択された1種又は複合したものを使用することができる。これらの接着剤4は粘度が高いけれども、導体2やガラス繊維強化樹脂製絶縁板6を挿入し固定リング1でネジ7を用いて締め付ける工程で、この接着剤4を流動させることができるために、接着剤4を全体に行き渡らせ十分な接着性を発揮することができる。
【0020】
また、上述のように接着剤4に無機物微粒子を充填することにより、ガラス繊維強化樹脂製絶縁板6と円筒容器1や導体2との間の線膨張係数差によって生じる応力を緩和し、熱応力に起因するクラックの発生を防止することができる。
【0021】
本実施の形態において、内部中央に段差部3を設けた円筒容器1の内側でこの段差部3を境界として一方の側に接着剤4を塗布する。この接着剤4を塗布した円筒容器1の内部に複数個の貫通孔5を設けたガラス繊維強化ポリイミド樹脂から作製される絶縁板6を挿入して、段差部3に固定する。次に、挿入された絶縁板6に接着剤4を塗布した後で、他の絶縁板6を円筒容器1内で積み重ねながら絶縁層を形成する。複数の絶縁板6を積み重ねて所定の高さに形成した後で、円筒容器1内のネジ7を用いて固定リング8を締め付ける。かくして、複数の絶縁板6を接着剤4だけでなく、固定リング8により機械的にも固定することができる。
【0022】
続いて容器1を反転し、上記に述べたのと同様の手順により、円筒容器1の内側でこの段差部3を境界として他方の側に接着剤4を塗布する。かくして、複数の絶縁板6を積み重ねて、円筒容器1の両端に絶縁層を設けることができる。
【0023】
次に、複数個の貫通孔5に接着剤4を流し込んだ後で、複数本の導体2を挿入して固定する。このとき、接着剤4にポリイミド樹脂に無機物粒子を充填したものを使用することができる。この無機物粒子を充填することにより、接着剤4、繊維強化樹脂製の絶縁板6、円筒容器1および導体2の線膨張差を調整することにより、クラックの発生を防ぐことができる。この円筒容器1に接着剤4、繊維強化樹脂製の絶縁板6および導体2を組み込んだものを、最終的には加熱硬化して一体化する。
【0024】
上述のように、円筒容器1に複数個の貫通孔5を設けたガラス繊維強化樹脂から作製された絶縁板6を挿入し接着剤4で接合する。また、この円筒容器1の両端部内側に加工した雌ネジ7に雄ネジ7を加工した固定リング8をねじ込むことにより、挿入した絶縁板6を固定する。さらに、絶縁板6に設けた複数個の貫通孔5に接着剤4を注入し、導体2を挿入することにより電気用ペネトレーションを作製している。
【0025】
この円筒容器1には、ガラス繊維強化樹脂を挿入することにより絶縁層が形成される。この絶縁層は、複数個の貫通孔5を設けたガラス繊維強化樹脂板から作製された絶縁板6を積み重ねて接着することにより形成してもよい。ガラス繊維強化樹脂板は厚みが厚くなるほど成形が難しく、結果的に電気用ペネトレーションを作製することも難しくなる。上述のように、入手しやすいガラス繊維強化樹脂を用いて作製された円板上の絶縁板6を積み重ねて任意の厚みのガラス繊維強化樹脂層を形成すれば、容易に電気用ペネトレーションを作製することができる。かくして、作業性に拘束されることなく、絶縁物として耐放射線性や耐熱性の高い樹脂を使用できる。
【0026】
この絶縁物については、従来品では絶縁板と導体や円筒容器との間をエポキシ樹脂等の樹脂で埋めて使用していた。このエポキシ樹脂部は圧縮応力に対して弱いために機械的な固定部分を持たない構造であった。本実施の形態においては、絶縁板6に用いられているガラス繊維強化樹脂はガラス繊維の補強効果によって圧縮力に対して強い。このため、絶縁板6を機械的に固定することが可能となり、電気用ペネトレーションの安全性を高めることができる。
【0027】
また、従来品では、圧縮応力に対して弱いエポキシ樹脂部を使用しているので、機械的に締め付ける方法を採用することはできなかった。本実施の形態においては、ガラス繊維強化樹脂製絶縁板6を用いているので、ガラス繊維強化樹脂製絶縁板6をネジ7を用いて締め付ける締結方法を導入することができる。このように、ガラス繊維強化樹脂製絶縁板6を両端部から機械的に締め付けることにより、電気用ペネトレーションの事故発生時の安全性のさらなる向上を図ることができる。すなわち、円筒容器1の両端部から機械的に絶縁板6を押さえつけることにより、電気ペネトレーションに係る事故発生時の安全性向上を図ることができる。
【0028】
また、本実施の形態においては、上記円筒容器1の内側に段差部3を設け、この段差部3の両側に絶縁板6を取り付けている。上述のように、円筒容器1の内部に形成された空間部3aにガスモニター等の計測器を容易に取り付けることも可能である。
【0029】
本実施の形態によれば、ガラス繊維強化樹脂から作製される絶縁板を使用することにより、構成部品の長寿命化を図りしかも事故発生の場合の安全性の向上を図ることができる。また、絶縁板を固定リングで機械的に締め付けることが可能となり、電気ペネトレーションの耐熱性や対候性を向上することができる。
【0030】
さらに、電気ペネトレーションの絶縁物に係る部分の耐熱性が200℃以上でしかも耐放射線性が高い有機物で作製されているので、電気ペネトレーションの構成部品の長寿命化を図り、かつ事故発生のときの安全性の向上を図ることが可能となる。
【0031】
また、絶縁板6にガラス繊維強化樹脂を使用することにより、難燃剤を使用せずに難燃性を付与することができるために、難燃剤の添加が不要であるという効果もある。
【0032】
また、この円筒容器に接着剤、繊維強化樹脂製の絶縁板および導体を組み込んだものを、最終的には加熱硬化して一体化する製造方法を採用している。従来品は、樹脂を注入して加熱硬化した後に反対側にも樹脂を注入するという作業であったが、上述のように、円筒容器2の両端部における絶縁板6に係る作業を完成させた後に加熱硬化しているので、従来よりも作業効率を高めることができる。また、作業性に拘束されることなく、絶縁物に耐放射線性、耐熱性の高い樹脂を使用できる。
【0033】
図2は、本発明の他の実施の形態の電気用ペネトレーションの構成を示す断面図である。本図は、図1の実施の形態にパッキン9を追加して設けたものであり、図1の実施の形態と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0034】
本図に示すように、上記円筒容器1の両端部には、雌ネジ7aが加工されている。この雌ネジ7aに合わせて固定手段である固定リング8の外形には雄ネジ7bが加工されている。この挿入されたガラス繊維強化樹脂から作製された絶縁板6が、固定リング8をねじ込んで機械的に締め付けられている。この固定リング8と絶縁板6とが接触する接触面にはパッキン9が介在している。このパッキン9として、オーリング、ガスケット等のシール材が使用されている。
【0035】
本実施の形態において、固定リング8とガラス繊維強化樹脂製の絶縁板6とが接触する接触面にパッキン9を設置するものである。この接触面にパッキン9を導入することにより、事故時等で円筒容器1とガラス繊維強化樹脂製絶縁板6との間に亀裂が生じた場合でも、気体の流通を遮断することができる。このパッキン9はガラス繊維強化樹脂製絶縁板6の片側だけに設けてもよいが、ガラス繊維強化樹脂製絶縁板6の両側に設ければそれだけ安全性を増加することができる。
【0036】
本実施の形態によれば、円筒容器1および絶縁板6は、接着剤4によるシールだけでなく、パッキン9によるシールを導入することにより、電気用ペネトレーションのシール性および安全性を更に向上することができる。
【0037】
図3は、本発明のさらに他の実施の形態の電気用ペネトレーションの構成を示す断面図である。本図は、図1の実施の形態にシール用樹脂10を追加して設けたものであり、図1の実施の形態と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0038】
本図に示すように、上記円筒容器1の両端部には、雌ネジ7aが加工されている。この雌ネジ7aに合わせて固定手段である固定リング8の外形には雄ネジ7bが加工されている。この挿入されたガラス繊維強化樹脂から作製された絶縁板6が、固定リング8をねじ込んで機械的に締め付けられている。この固定リング8の内側で絶縁板6の外表面にシール用樹脂10が注入されている。このシール用樹脂10に使用される樹脂として、4官能エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の耐放射線性や耐熱性が高い樹脂が使用される。
【0039】
本実施の形態において、この固定リング8の内側で絶縁板6の外表面にシール用樹脂10を注入することにより、導体2とガラス繊維強化樹脂製絶縁板6との間のシール性を高めることができ、安全性の高い電気用ペネトレーションを作製することができる。
【0040】
本実施の形態によれば、絶縁板6の表面にシール用樹脂10を注入することにより、接着剤4によるシールだけでなく、シール用樹脂10によるシールを導入することにより、電気用ペネトレーションのシール性および安全性を更に向上することができる。
【0041】
さらに、本発明は、上述したような各実施の形態に何ら限定されるものではなく、固定リング8と絶縁板6とが接触する接触面に設けられたパッキン9と絶縁板6の外表面に注入したシール用樹脂10とを組み合わせたものを用いてもよく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態の電気用ペネトレーションの構成を示す断面図。
【図2】本発明の他の実施の形態の電気用ペネトレーションの構成を示す断面図。
【図3】本発明のさらに他の実施の形態の電気用ペネトレーションの構成を示す断面図。
【図4】従来の電気用ペネトレーションの構成を示す断面図。
【符号の説明】
【0043】
1…円筒容器、2…導体、3…段差部、4…接着剤、5…貫通孔、6…絶縁板、7…ネジ、7a…雌ネジ、7b…雄ネジ、8…固定リング、9…パッキン、10…シール用樹脂。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状容器と、
前記筒状容器内に配設され電気線を接続する導体と、
前記筒状容器内に挿入され前記導体が貫通しガラス繊維強化樹脂から作製される絶縁板と、
前記筒状容器内部の表面の一部又は全部に塗布された接着剤と、
前記筒状容器の両端部に設けられ前記挿入された絶縁板を固定する固定手段と、
を有することを特徴とする電気用ペネトレーション。
【請求項2】
前記筒状容器の内部の略中央部に設けられこの筒状容器の開口部の径より小さい段差部を具備すること、を特徴とする請求項1記載の電気用ペネトレーション。
【請求項3】
前記固定手段は、前記筒状容器の両端部の内側に形成されたネジ部を用いて前記絶縁板を締め付ける固定リングを具備すること、を特徴とする請求項1記載の電気用ペネトレーション。
【請求項4】
前記絶縁板を複数積み重ね接着することにより構成されていること、を特徴とする請求項1記載の電気用ペネトレーション。
【請求項5】
前記絶縁板は、4官能エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂又はポリイミドアミド樹脂をガラス繊維クロスに含浸して作製されていること、を特徴とする請求項1又は4記載の電気用ペネトレーション。
【請求項6】
前記接着剤は、固形エポキシ樹脂、4官能エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びポリイミドアミド樹脂から選択された1種又は2種以上を混合したものから作製されていること、を特徴とする請求項1記載の電気用ペネトレーション。
【請求項7】
前記接着剤は、無機物微粒子を充填して作製されていること、を特徴とする請求項1又は6記載の電気用ペネトレーション。
【請求項8】
前記固定手段は、前記固定リングと前記絶縁板とが接触する部分に介在するパッキンを具備すること、を特徴とする請求項1、3乃至5のいずれかに記載の電気用ペネトレーション。
【請求項9】
前記固定手段の内側で前記絶縁板の外表面に注入されたシール用樹脂を具備すること、を特徴とする請求項1又は3記載の電気用ペネトレーション。
【請求項10】
筒状容器の内側の一部又は全部に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
この接着剤が塗布された筒状容器内にガラス繊維強化樹脂から作製される絶縁板を挿入する絶縁板挿入工程と、
この挿入された絶縁板に前記接着剤を塗布し他の絶縁板を積み重ねながら絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
この複数の絶縁板を積み重ねて所定の高さに形成した後で前記円筒容器内の端部に加工されたネジ部を用いて固定リングを締め付ける固定リング締付工程と、
前記絶縁板に設けられた貫通孔に接着剤を介して導体を挿入する導体挿入工程と、
この導体を挿入した絶縁板、前記筒状容器および接着剤を加熱硬化して一体化する加熱硬化工程と、
を有することを特徴とする電気用ペネトレーションの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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