説明

電気転てつ機の補助制御装置および該補助制御装置を備えた電気転てつ機

【課題】通常の負荷および過負荷にかかわらず最適に動作制御することが可能な電気転てつ機の補助制御装置の提供。
【解決手段】電気転てつ機10の補助制御装置20は、電気転てつ機10にかかる過負荷を検出する過負荷検出部210と、該過負荷検出部210が過負荷を検出したときに、交流モータMへ連続供給していた交流電源1の供給を該交流電源1の供給と供給停止を繰り返す間欠供給に切り替える電源供給制御部220とを備え、交流電源1の供給と供給停止を1回行う間欠供給周期の時間が少なくとも交流電源1の周波数の2周期分であり、間欠供給周期中の交流電源1の供給停止時間は、少なくとも交流電源1の周波数の1周期分を継続して、交流電源1の間欠供給中に前記交流モータMが発生する平均トルクを交流電源1の連続供給中に交流モータMが発生する定格トルクよりも小さくした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流モータの駆動力によってトングレールの位置を転換して線路の分岐転換を行う電気転てつ機の動作制御を補助する、電気転てつ機の補助制御装置および該補助制御装置を備えた電気転てつ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電気転てつ機は、分岐器の転換中に過負荷状態が起こると、転換不能となって動作かんが停止してしまうことが有った。このような過負荷状態のままで転換を継続しようとするとモータ電流が増加する。このモータ電流の増加した状態が長時間継続するとモータが焼損してしまう。また、分岐器に異物が介在するなどして分岐器が急停止した場合には、モータの慣性のために電気転てつ機はすぐには停止せず動作かんと分岐器間とを接続しているロッド類やクランク類に過大な衝撃力が加わり、それらに変形を起こすおそれがある。
【0003】
これらの不都合の発生を防止するために、電気転てつ機にはモータと減速歯車との間にクラッチを取り付けてトルク制限を行っている。このようなクラッチには複数の摩擦板を内蔵して、それら摩擦板間の摩擦力でトルクを伝動する摩擦継手タイプ(以下、「摩擦クラッチ」という)、および永久磁石と渦電流とで磁力を発生させて磁気力でトルクを伝達する磁気継手タイプ(いわゆるマグネットクラッチ)が実用化されている。これら2つのタイプのクラッチは、何れも伝達トルクがモータの最大トルクよりも小さく、かつ、電気転てつ機にかかる通常の負荷に対して余裕をもって転換できる大きさに設定されて出荷されている。
【0004】
摩擦クラッチは、摩擦板間の摩擦力を得るためにばね力によって摩擦板同士を当接させている。このため、摩擦クラッチの伝達トルクは周囲温度や摩擦板の磨耗状態等によって変動するので、周囲温度の変化が大きい春から夏や秋から冬にかけての季節の移行時期には伝達トルクの再調整が必要であった。このトルク調整は、摩擦クラッチ内部のナットの締め付け度合いを調整することによってばね力を調整して摩擦板同士の摩擦力を調整する。ところが、このナットの締め付け度合いの調整には特別な金具が必要であるうえに、締め付けの度合いは微妙であるので、実際に締めたり緩めたりの試行錯誤をして決定しなければならず、調整に時間がかかるという問題点があった。
【0005】
一方、マグネットクラッチは、磁気結合を利用しているのでトルクの伝動系に磨耗が起こらず、通常は周囲温度の変化に対しても転換時の伝達トルクが安定している(特許文献1)。
しかし、構造上、伝達可能な制限トルクが設計段階で決まってしまい、後に伝達トルクの可変設定をすることができない。このため、分岐器毎の負荷に応じた最適なトルク設定をすることができないという問題点があった。このことは、例えば、ポイント転換力の小さな軽負荷のものに用いるとトルクが大き過ぎて、転換終了時にトングレールが基本レールに衝突し、その衝撃によって反対方向に転換してしまう量が多くなる場合も有るという問題があった。
【0006】
また、過負荷になるほどマグネットクラッチの渦電流が増加して制限トルク以上のトルクが出てしまい、鎖錠かんによる異物の介在検知性能が低下するおそれがあるとともに渦電流の増加による加熱で長時間の妨害状態に耐えられないという問題があった。
【0007】
そこで、クラッチの機能をクラッチ以外の手段で実現した電気転てつ機の提案がなされている。例えば、動力源に3相ブラシレスモータを用いて、該3相ブラシレスモータのトルクをパルス幅変調方式によって制限するものである(特許文献2)。
【特許文献1】実開平2−5401号公報
【特許文献2】特開平3−295901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、3相ブラシレスモータをパルス幅変調によってトルク制限するためには、従来のモータを回転位置検知センサ付きの3相ブラシレスモータに変更する必要が有る。ところが、従来の電気転てつ機は動力源に単相交流モータを使用するものが最も多い。このため、交流モータを3相ブラシレスモータに変更するに際しては、新たにAC−DCコンバータを設けるか、直流電源を設ける必要があり、さらに、パルス幅変調をするためのモータドライバーも必要になる。また、転換歯車に緩衝機構を内蔵させなければならないので、従来の電気転てつ機には適用が困難であり、電気転てつ機を新規に設計することとなる。
【0009】
したがって、クラッチを廃止することはできても、クラッチに代わる機能を実現するために新規に設計し、新たな装置を設備し、取替え工事を伴うと、効果以上に多くの費用がかかってしまう。
【0010】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、従来の交流モータを動力源とした電気転てつ機の配線に付加装置を追加することで通常の負荷および過負荷のいずれかにかかわらず最適に動作制御することが可能な電気転てつ機の補助制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1] 交流モータ(M)の駆動力によってトングレール(T)を転換して線路の分岐転換を行う電気転てつ機(10)の動作制御を補助する、電気転てつ機(10)の補助制御装置(20,20A)において、
前記電気転てつ機(10)にかかる過負荷を検出する過負荷検出部(210,210A)と、該過負荷検出部(210,210A)が前記過負荷を検出したときに、前記交流モータ(M)へ連続供給していた交流電源(1)の供給を該交流電源(1)の供給と供給停止を繰り返す間欠供給に切り替える電源供給制御部(220)とを備え、
前記交流電源(1)の供給と供給停止を1回行う間欠供給周期の時間が少なくとも前記交流電源(1)の周波数の2周期分であり、
前記間欠供給周期中の交流電源(1)の供給停止時間は、少なくとも前記交流電源(1)の周波数の1周期分を継続して、前記交流電源(1)の間欠供給中に前記交流モータ(M)が発生する平均トルクを前記交流電源(1)の連続供給中に前記交流モータ(M)が発生する定格トルクよりも小さくしたことを特徴とする電気転てつ機(10)の補助制御装置(20,20A)。
【0012】
[2] 前記電源供給制御部(220)は、前記交流電源(1)に接続されて電源供給をON/OFFする間欠電力供給手段(222)と、該間欠電力供給手段(222)を動作させる制御信号を出力する間欠信号発生手段(221)とを備え、
前記間欠信号発生手段(221)は、前記制御信号の出力タイミングの設定を変更して、前記間欠供給周期および前記交流電源(1)の供給停止時間を変更可能であることを特徴とする項[1]に記載の電気転てつ機(10)の補助制御装置(20,20A)。
【0013】
[3] 前記電源供給制御部(220)は、前記交流電源(1)の電源波形におけるゼロクロス点を含む所定範囲内で前記間欠電力供給手段(222)のON/OFFを行って、電磁ノイズの放出を低減したことを特徴とする項[2]に記載の電気転てつ機(10)の補助制御装置(20,20A)。
【0014】
[4] 前記過負荷検出部(210,210A)は、前記電気転てつ機(10)にかかる過負荷の有無を所定のしきい値に基づいて判断することを特徴とする項[1],[2]または[3]に記載の電気転てつ機(10)の補助制御装置(20,20A)。
【0015】
[5] 前記過負荷検出部(210,210A)は、前記交流モータ(M)に流れるモータ電流を検出して、該検出したモータ電流が所定のしきい値以上である場合に過負荷と判断することを特徴とする項[1],[2]または[3]に記載の電気転てつ機(1)の補助制御装置(20,20A)。
【0016】
[6] 前記過負荷検出部(210,210A)は、動作かん(11)の変位から速度を検出して、該動作かん(11)の速度の低下を所定のしきい値と比較して過負荷の有無を判断することを特徴とする項[1],[2]または[3]に記載の電気転てつ機(10)の補助制御装置(20,20A)。
【0017】
[7] 前記過負荷検出部(210,210A)は、動作かん(11)の加速度を検出して、該動作かん(11)の加速度変化を所定のしきい値と比較して過負荷の有無を判断することを特徴とする項[1],[2]または[3]に記載の電気転てつ機(10)の補助制御装置(20,20A)。
【0018】
[8] 前記過負荷検出部(210A)は、前記トングレール(T)の転換方向別に過負荷の有無を判断するものであり、過負荷の有無を判断するための前記所定のしきい値を転換方向別に設定し、前記交流電源(1)の連続供給を間欠供給に切り替える基準となる過負荷の大きさを前記転換方向別に定めて、前記交流電源(1)の供給を前記転換方向別に連続供給から間欠供給に変更可能にしたことを特徴とする項[4],[5],[6]または[7]に記載の電気転てつ機(10)の補助制御装置(20A)。
【0019】
[9] 前記過負荷検出部(210,210A)が過負荷検出の判断基準にする前記所定のしきい値は、設定変更が可能であることを特徴とする項[4],[5],[6],[7]または[8]に記載の電気転てつ機(10)の補助制御装置(20,20A)。
【0020】
[10] 項[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7],[8]または[9]に記載の補助制御装置(20,20A)を備えた電気転てつ機(10)。
【0021】
[11] 項[1],[2],[3],[4],[5],[6]または[7]に記載の補助制御装置(20)を前記トングレール(T)の転換方向別に別個に備え、過負荷の有無を判断するための前記所定のしきい値を転換方向別に設定し、前記交流電源(1)の連続供給を間欠供給に切り替える基準となる過負荷の大きさを前記転換方向別に定めて、前記交流電源(1)の間欠供給の間欠供給周期と供給停止時間を変更可能にしたことを特徴とする電気転てつ機(10)。
【0022】
[12] 前記補助制御装置(20)は、前記所定のしきい値の設定変更が可能であることを特徴とする項[11]に記載の電気転てつ機(10)。
【0023】
電気転てつ機の制御回路に前記本発明の装置を接続すると前記本発明は次のように作用する。
補助制御装置(20,20A)は、電気転てつ機(10)に備えられており、電気転てつ機(10)の動力源である交流モータ(M)への交流電源(1)の供給を制御して交流モータ(M)が発生するトルクを制御するものである。
【0024】
トルクの制御は電気転てつ機(10)にかかる過負荷の有無に基づいて、交流モータ(M)に供給する交流電源(1)の供給態様を変更することで行われる。電気転てつ機(10)にかかる過負荷は、補助制御装置(20,20A)が備える過負荷検出部(210,210A)によって検出することができ、過負荷が検出されたときは電源供給制御部(220)が電源の供給態様を変更する。
【0025】
電源供給制御部(220)は、電気転てつ機(10)に過負荷のかかっていない状態では、交流電源(1)を連続して交流モータ(M)に供給する(連続供給)が、過負荷がかかると、連続供給を交流電源(1)の供給と供給停止を繰り返す間欠供給に切り替える。間欠供給の場合に交流電源(1)の供給と供給停止を1回行う間欠供給周期の時間は、少なくとも供給する交流電源(1)の周波数の2周期分であり、この間欠供給周期中に交流電源(1)の供給が停止されている時間(供給停止時間)は、少なくとも前記交流電源(1)の周波数の1周期分である。この供給停止時間中の交流モータ(M)は慣性によって回転することになる。これにより、交流電源(1)の間欠供給中に交流モータ(M)が発生する平均トルクは、交流電源(1)の連続供給中に交流モータ(M)が発生する定格トルクよりも小さくなる。したがって、電気転てつ機(10)に過負荷がかかる状況下では、交流モータ(M)の発生するトルクを低下させることができるので電気転てつ機(10)および関連部材にかかる過負荷の影響を低減できる。さらに、交流電源(1)を間欠的に供給することによって過負荷のかかった状態が長く続いても交流モータ(M)自身が焼損しにくくなる。
【0026】
電源供給制御部(220)による交流電源(1)の供給態様の切り替えは、電源供給制御部(220)を構成する間欠電力供給手段(222)とこの間欠電力供給手段(222)を動作させる間欠信号発生手段(221)とによってなされる。間欠電力供給手段(222)は交流電源(1)に接続されており、間欠信号発生手段(221)が出力する制御信号に応じて電源供給をON/OFFする。間欠信号発生手段(221)は、制御信号の出力タイミングの設定を変更することができるので、間欠供給周期および交流電源(1)の供給停止時間を変更することができる。
【0027】
間欠電力供給手段(222)のON/OFFのタイミングを交流電源(1)の電源波形におけるゼロクロス点を含む所定範囲内とすることにより、最小電流の近傍で切り替え、電磁ノイズの放出を低減することができる。
【0028】
電気転てつ機(10)にかかる過負荷の判断は、例えば、過負荷検出部(210,210A)は、交流モータ(M)に流れるモータ電流を検出するものとして、検出したモータ電流が所定のしきい値以上である場合に過負荷と判断するようにできる。
【0029】
また、別の例としては、過負荷検出部(210,210A)を動作かん(11)の変位から速度を検出するものとして、検出した動作かん(11)の速度を所定のしきい値と比較して過負荷の有無を判断するようにしてもよい。
【0030】
さらに、他の例として、過負荷検出部(210,210A)を動作かん(11)の加速度を検出するものとして、検出した動作かん(11)の加速度変化を所定のしきい値と比較して過負荷の有無を判断するようにしてもよい。
【0031】
このような過負荷検出部(210A)は、トングレール(T)の転換方向別に過負荷を検出するための手段をトングレール(T)の転換方向別にセンサ部(211A)に設けるとともに過負荷の有無を判断するための所定のしきい値を転換方向別に設定できるようにしておくことにより、分岐器(P)の状態に合った適切なトルク制御ができる。
また、補助制御装置(20)をトングレール(T)の転換方向別に別個に設けることによっても、分岐器(P)の状態に合った適切なトルク制御ができる。この場合、間欠信号発生手段(221)による制御信号の出力タイミングの設定を変更することによって、交流電源(1)の間欠供給における間欠供給周期および供給停止時間を転換方向別に設定できる。したがって、分岐器(P)の設置環境等に合わせた一層に適切なトルク制御ができる。
【0032】
過負荷検出部(210,210A)の過負荷検出に用いる所定の基準値は、その設定変更ができることが好ましく、これにより、電気転てつ機(10)を設置する環境や条件等により良く適用することができる。
【0033】
従来から電気転てつ機(10)は、交流モータ(M)のトルクの伝達を制限するクラッチを備えているが、上記のように交流電源(1)の制御をすることがクラッチ機能のような効果を発揮するので、本発明の補助制御装置(20,20A)を付加する場合は、既存のクラッチが制限するトルクの値を交流電源(1)の連続供給中に交流モータ(M)が発生するトルクの値よりも大きく設定しておくことが好ましく、摩擦クラッチの場合は、例えばクラッチトルクを十分高めに設定し、マグネットクラッチの場合は、現状のトルクのまま使う。これにより転換不能時の衝撃が電気転てつ機(10)や関連部材にかかるような場合に、その衝撃を逃がすことができる。
【0034】
以上のような補助制御装置(20,20A)を備えた電気転てつ機(10)は、通常の負荷および過負荷にかかわらず最適に動作することができ、過負荷がかかった場合にも交流モータ(M)その他の部材が損傷を受けることを防止できる。
【発明の効果】
【0035】
本発明にかかる[1]に記載の電気転てつ機の補助制御装置によれば、過負荷検出部が電気転てつ機にかかる過負荷を検出すると、電源供給制御部が交流モータに連続供給していた交流電源を供給と供給停止とを繰り返す間欠供給に切り替え、間欠供給周期の時間を少なくとも交流電源の周波数の2周期分とし、間欠供給周期中の交流電源の供給停止時間は、少なくとも交流電源の周波数の1周期分を継続するので、交流電源の間欠供給中に交流モータが発生する平均トルクを交流電源の連続供給中に交流モータが発生する定格トルクよりも小さくすることができ、これにより、電気転てつ機に過負荷がかかる状況下では交流モータへの交流電源の供給を間欠的に行ってトルクを低下させることができるので、電気転てつ機および関連部材にかかる負荷を低減して損傷を防止でき、さらに、交流電源の間欠供給によって交流モータ自身を焼損しにくくすることができ、もって、電気転てつ機を通常の負荷および過負荷にかかわらず最適に動作制御することができる。
【0036】
[2]の電気転てつ機の補助制御装置によれば、[1]の電気転てつ機の補助制御装置において、電源供給制御部は、交流電源に接続されて電源供給をON/OFFする間欠電力供給手段と、この間欠電力供給手段を動作させる制御信号を出力する間欠信号発生手段とからなり、構成が簡易であるとともに間欠信号発生手段で制御信号の出力タイミングの設定を変更して、間欠供給周期および交流電源の供給停止時間を変更可能としたので、交流電源を間欠供給している間の交流モータの平均トルクを調整することができ、想定される過負荷が生じる状況に応じてより適切にトルクの設定をすることができる。
【0037】
[3]の電気転てつ機の補助制御装置によれば、[2]の電気転てつ機の補助制御装置において、間欠電力供給手段のON/OFFを交流電源の電源波形におけるゼロクロス点を含む所定範囲内で行って、最小電流の近傍で切り替え、電磁ノイズの放出を低減することができる。
【0038】
[4]の電気転てつ機の補助制御装置によれば、電気転てつ機にかかる過負荷の有無を所定のしきい値に基づいて判断するので、そのしきい値を電気転てつ機が使用される環境等に合わせて設定することにより、電気転てつ機を使用環境等に良好に適用させることができる。
【0039】
[8]の電気転てつ機の補助制御装置によれば、交流モータによって方向を転換するトングレールの転換方向別に過負荷検出部が過負荷を検出し、過負荷の有無を判断する所定のしきい値は転換方向別に設定したので、交流電源の連続供給を間欠供給に切り替えるときの過負荷の大きさを転換方向別に異なるようにでき、もって、より適切なトルク制御ができる。
【0040】
[9]の電気転てつ機の補助制御装置によれば、過負荷検出部による過負荷の有無を判断するための所定のしきい値は、その設定を変更できるので、電気転てつ機の使用環境等が変化してもその変化により良く適用させることができる。
【0041】
[10]および[11]の電気転てつ機によれば、補助制御装置によって動力源である交流モータを負荷に応じて制御するので、電気転てつ機にかかる負荷が通常の負荷であるか過負荷であるかにかかわらず最適に動作することができ、過負荷がかかった場合にも損傷の発生を防ぐことができる。さらに、[11]の電気転てつ機は、間欠信号発生手段による制御信号の出力タイミングの設定を変更することによって、交流電源の間欠供給における間欠供給周期および供給停止時間を転換方向別に設定できるので、分岐器の設置環境等に合わせた一層に適切なトルク制御ができる。
【0042】
[12]の電気転てつ機によれば、転換方向別の補助制御装置ごとに過負荷検出部による過負荷の有無を判断するための所定のしきい値の設定を変更できるので、電気転てつ機の使用環境等が変化してもその変化により良く適用させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施の形態を説明する。
各図は本発明の一実施の形態を示している。
図1に示した本発明にかかる補助制御装置20は、図6に示した従来の交流モータMを動力源とした電気転てつ機10の動力回路30に接続し、電気転てつ機10の本体に内蔵する。
【0044】
図5には、電気転てつ機10の平面図を示す。電気転てつ機10は、線路の分岐器Pの傍らに配設されている。分岐器Pは、基本レールRにトングレールTを転換可能に設けたものである。
【0045】
電気転てつ機10は、交流モータMによって駆動される動作かん11と鎖錠かん12を備えている。動作かん11および鎖錠かん12は、それぞれの軸心方向に往復動作させることができる。交流モータMと不図示の減速歯車との間には、マグネットクラッチmc等のクラッチが配設されている。
【0046】
動作かん11には、スイッチアジャスタ13の一端部が連結されている。このスイッチアジャスタ13が基本レールRの下の間隙を通して基本レールR間に延びている。この基本レールR間に延びたスイッチアジャスタ13のもう一方の端部は、トングレールTに固定された転てつ棒15に連結されている。これにより、動作かん11の往復動作によってトングレールTを定位と反位との間で転換させることができる。
【0047】
鎖錠かん12には、接続かん14の一端部が連結されている。この接続かん14が基本レールRの下の間隙を通して基本レールR間に延びている。この基本レールR間に延びた接続かん14のもう一方の端部は、トングレールTの先端に接続されたフロントロッド16に連結されている。この鎖錠かん12は、動作かん11によって定位または反位に転換したトングレールTの転換位置を検知している。図6はこの電気転てつ機10に内蔵された動力回路30を示し、交流モータMと転換動作の制御を行う転てつ制御回路2から構成されている。
【0048】
図1に示したように、補助制御装置20は、電気転てつ機10にかかる過負荷を検出するための過負荷検出部210と、該過負荷検出部210が過負荷を検出したときに、交流モータMへの交流電源1の供給態様を切り替えるための電源供給制御部220とを備えている。この補助制御装置20は、電気転てつ機10が所定以上の過負荷を受けたときに、交流電源1の供給を断続することによって交流モータMが発生する平均トルクを通常の状態で発生する定格トルクよりも小さくするように電源供給を制御するものである。
【0049】
過負荷検出部210は、交流モータMに流れるモータ電流を検出するセンサ部211と、該センサ部211が検出したモータ電流に基づいて、電気転てつ機10にかかる過負荷の有無を判断する過負荷検出手段212とを有している。この過負荷検出手段212は、センサ部211が検出したモータ電流の値と予め設定しておいたしきい値(所定のしきい値)とを比較して、モータ電流値がしきい値以上である場合に電気転てつ機10への過負荷が有ると判断する。この判断のためのしきい値は、例えば、妨害電流の80%以上の値である。
【0050】
妨害電流とは、例えばトングレールTの移動領域内に障害物が介在して、電気転てつ機10によるトングレールTの位置転換が不能になったときに交流モータMに流れるモータ電流のことであり、交流モータMが最大トルクを発生するときのモータ電流である。設定するしきい値は、トングレールTを位置転換するときに通常の負荷を受けている状態で流れるモータ電流の値を超えた値であれば電気転てつ機10の設置環境など様々な要件を考慮して定めればよい。80%以上の値を例に挙げたのは、妨害電流の80%程度のモータ電流値は、そのような通常の負荷を受けている状態でのモータ電流の値を超えているからであり、これは例示に過ぎない。過負荷検出手段212に設定されたこのしきい値は、その設定値を変更することができる。これにより、電気転てつ機10を設置する環境や条件等により良く適用することができる。過負荷検出手段212は、電源供給制御部220に接続されており、過負荷を検知したときは過負荷検知信号を電源供給制御部220に出力する。
【0051】
電源供給制御部220は、交流モータMへの交流電源1の供給の仕方を変更するものであり、交流電源1を連続的に供給する連続供給と、交流電源1の供給と供給停止とを繰り返す間欠供給との間で切り替えを行うものである。電源供給制御部220は、過負荷検出手段212から過負荷検知信号を受ける間欠信号発生手段221と、この間欠信号発生手段221に制御される間欠電力供給手段222とを有している。この間欠電力供給手段222は、交流電源1からの電流をON/OFFするためのスイッチを有している。
【0052】
間欠信号発生手段221は、過負荷検出手段212からの信号に基づいて間欠電力供給手段222にON/OFF動作をさせる制御信号を出力するものであり、過負荷検出手段212からの過負荷検知信号を受けると前記した間欠供給をすべく、間欠電力供給手段222を所定の周期でON/OFFさせる制御信号を出力する。間欠電力供給手段222のON/OFFの周期に同期して、交流電源1の交流モータMへの供給および供給停止がなされる。なお、センサ部211、過負荷検出手段212および間欠信号発生手段221は、過負荷検出に用いるセンサをワンチップマイコンに接続して構成することができる。
【0053】
図2には、間欠信号発生手段221の制御信号と間欠電力供給手段222を介して供給される交流電源1の間欠供給との例が示されている。
この間欠供給において交流電源1の供給と供給停止を1回行う間欠供給周期の時間は、少なくとも交流電源1の周波数の2周期分である。この間欠供給周期中に交流電源1の供給を停止しておく供給停止時間は、少なくとも交流電源1の周波数の1周期分の時間に定められる。すなわち、交流電源1が50Hzの商用電源である場合には、間欠供給周期が少なくとも2Hz分以上であり、供給停止時間が1(s)/50(Hz)=0.02秒以上である。したがって、間欠供給周期の中で少なくとも1Hz分の時間が供給され、少なくとも1Hz分の時間は、交流電源1が供給されないことになる。これらの数値は、間欠信号発生手段221からの制御信号の出力タイミングの設定を変更することによって任意に定めることができる。
【0054】
実際に間欠供給周期と供給停止時間とを設定するには、例えば、分岐器Pを転換させてトングレールTの位置転換を行い、その際、トングレールTが反転しない程度、かつ、異物介在を検知できる程度のトルクであり、さらに、転換不能を起こし難い転換力を生じるようなトルクが発生するように設定するが、この設定は分岐器Pの転換状態を見ながら行えばよい。例えば、交流電源1が50Hzの商用電源である場合には、間欠供給周期を30Hzに、供給停止時間を0.1秒に設定する。
【0055】
電源供給と供給停止のタイミング、すなわち間欠電力供給手段222のON/OFFは、交流電源1の電源波形におけるゼロクロス点若しくはゼロクロス点の近傍(所定範囲内)で行うことが好ましい。この場合、間欠供給周期および供給停止時間を0.5Hz単位で設定することができる。スイッチのON/OFFのタイミングをゼロクロス点若しくはゼロクロス点の近傍とすることにより、最小電流の近傍で切り替え、電磁ノイズの放出を低減することができる。
【0056】
以上のようにして交流電源1を間欠供給することにより、間欠供給中に交流モータMが発生する平均トルクを連続供給中に発生する定格トルクよりも小さく設定することができる。この交流電源1の間欠供給は、一旦開始すると電源が切られるまで継続される。
【0057】
なお、間欠電力供給手段222のスイッチは、万一、間欠信号発生手段221が動作しない場合には、交流モータMの過電流が所定の時間以上継続したときに電源供給を遮断するようにしてもよい。
【0058】
従来、多くの電気転てつ機は、モータと減速歯車との間にクラッチを取り付けて、モータから伝達されるトルクを制限している。本発明では、以上のように交流電源1を間欠供給することによってトルクの制限をしているので、クラッチが制限するトルクの値を交流電源1の連続供給中に交流モータMが発生するトルクの値よりも大きく設定してある。これにより、例えばトングレールTの移動領域内に障害物が侵入したなどして交流モータMの駆動が急激に止められて大きな衝撃が発生するような場合には、クラッチはその衝撃を伝達せずに逃がすことができる。
【0059】
次に作用を説明する。
補助制御装置20を備えた電気転てつ機10は、動力源である交流モータMへの交流電源1の供給が補助制御装置20によって制御され、それにより、交流モータMの発生するトルクが制御される。
【0060】
電気転てつ機10が通常の動作環境の中で動作しているときは、交流モータMに供給される交流電源1は連続供給されている。補助制御装置20は、電気転てつ機10にかかる過負荷を検知すると、交流モータMに供給する交流電源1の供給の仕方を変更して、発生する平均トルクの値が小さくなるように制御する。電源供給制御部220は、電気転てつ機10に過負荷のかかっていない状態では、交流電源1を連続して交流モータMに供給する(連続供給)が、過負荷がかかると、連続供給を交流電源1の供給と供給停止とを繰り返す間欠供給に切り替える。
【0061】
電気転てつ機10に過負荷がかかっているか否かの判断は、一例として交流モータMに流れるモータ電流を検出して行っている。センサ部211がモータ電流を検出し、この検出したモータ電流を過負荷検出手段212が上記の所定のしきい値と比較して過負荷の有無を判断している。
【0062】
過負荷検出手段212が過負荷を有ると判断すると、過負荷検知信号を電源供給制御部220の間欠信号発生手段221に出力する。過負荷検知信号を受けた間欠信号発生手段221は、間欠電力供給手段222をON/OFFさせるための制御信号を出力する。間欠電力供給手段222がON/OFFすると、間欠電力供給手段222に接続された交流電源1は間欠電力供給手段222のON/OFFに同期して供給と供給停止を繰り返す間欠供給が行われる。
【0063】
間欠供給が開始すると、供給停止時間中の交流モータMは慣性によって回転することになる。これにより、交流電源1の間欠供給中に交流モータMが発生するトルクの平均値は、交流電源1の連続供給中に交流モータMが発生する定格トルクの値よりも小さくなる。したがって、電気転てつ機10に過負荷がかかる状況下では、交流モータMの発生するトルクが小さいので電気転てつ機10および電気転てつ機10に連結された分岐器Pなどの関連部材にかかる過負荷の影響を低減することができ、もってそれらの損傷を防止できる。さらに、交流モータMが間欠的に動作することになるので、電気転てつ機10に過負荷のかかった状態が長く続いても交流モータMが焼損しにくくなる。
【0064】
間欠供給中の平均トルクの値は間欠供給周期および供給停止時間によって異なる。したがって、間欠信号発生手段221で制御信号の出力タイミングの設定を変更することによって間欠供給周期および供給停止時間を変更して、間欠供給中の平均トルクを変更することができる。
【0065】
なお、過負荷検出部210は、電気転てつ機10にかかる過負荷を検出する手段として、センサ部211に動作かん11の変位から速度を検出するためのセンサを備えたものにしてもよい。この場合は、検出した動作かん11の速度を所定のしきい値と比較して、変位速度が所定のしきい値よりも低い場合を過負荷有りと判断する。
【0066】
また、過負荷検出部210は、電気転てつ機10にかかる過負荷を検出する手段として、センサ部211に動作かん11の加速度を検出するためのセンサを備えたものにしてもよい。この場合は、検出した動作かん11の加速度変化を所定のしきい値と比較して、加速度が大きくなった場合に過負荷有りと判断する。
【0067】
さらに、電気転てつ機10にかかる過負荷を検出するために、電気転てつ機10の原動側回転数と従動側回転数、または変位の差あるいは相対差から判断してもよい。また、過負荷判断部は、原動側加速度値と従動側加速度値との差から判断してもよい。さらにまた、過負荷判断部は、原動側加速度の最大値と従動側加速度の最大値の時間差から判断してもよい。
【0068】
なお、通常の転換動作であってもトングレールTの転換方向によっては、すなわち、定位側転換と反位側転換とによっては電気転てつ機10にかかる負荷が異なることがある。これに対応して、例えば、図3に示したように、本実施の形態にかかる補助制御装置20を定位側転換用と反位側転換用に別個に設けるようにしてもよい。この場合、過負荷の有無を判断するための所定のしきい値は、2つの補助制御装置20で異なる値に設定されている。これにより、電気転てつ機10に過負荷がかかったときに交流電源1を連続供給から間欠供給に変更することをトングレールTの転換方向別に行うことができる。また、2つの補助制御装置20の夫々が間欠信号発生手段221で制御信号の出力タイミングの設定を変更できるので、トングレールTの転換方向別に間欠供給周期および供給停止時間を変更して、間欠供給中の平均トルクをトングレールTの転換方向別に異なるようにすることができる。これにより、電気転てつ機1は、様々な条件下で設置して使用することができる。
【0069】
また、トングレールTの転換方向別に交流電源1の供給を連続供給から間欠供給に変更する手段として上記のように補助制御装置20を転換方向別に別個に設けるのではなく、本実施の形態にかかる補助制御装置20の変形例として図4に示した補助制御装置20Aを1つ動力回路30に接続するようにしてもよい。
補助制御装置20Aは、過負荷検出部210Aのセンサ部211Aに転換方向別にモータ電流などを検出して過負荷検出をするための手段を備えている。この場合にも過負荷の有無を判断するための所定のしきい値は転換方向別に設定されている。この補助制御装置20Aを電気転てつ機1の動力回路30に接続することによっても、交流電源1の供給をトングレールTの転換方向別に連続供給から間欠供給に変更することができる。
これらは何れによっても、交流電源1の連続供給を間欠供給に切り替える基準となる過負荷の大きさを転換方向別に異なるようにしたので、転換方向別により的確な転換制御を行うことができる。
【0070】
以上のような補助制御装置20,20Aを備えた電気転てつ機10は、受ける負荷が通常の負荷であるか、過負荷であるかにかかわらず最適に動作することができ、過負荷がかかった場合にも交流モータMが焼損したり、その他の部材が損傷を受けたりすることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施の形態に係る補助制御装置を備えた電気転てつ機の主要部を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る補助制御装置による交流電源の間欠供給を説明する図である。
【図3】電気転てつ機に本発明の一実施の形態に係る補助制御装置をトングレールの転換方向別に設けた例を示すブロック図である。
【図4】図1の補助制御装置の変形例を示すブロック図である。
【図5】従来の交流電気転てつ機の外観と分岐器への取付図である。
【図6】従来の交流電気転てつ機の動力回路を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0072】
M…交流モータ
mc…マグネットクラッチ
P…分岐器
R…基本レール
T…トングレール
1…交流電源
2…転てつ制御回路
10…電気転てつ機
11…動作かん
12…鎖錠かん
13…スイッチアジャスタ
14…接続かん
15…転てつ棒
16…フロントロッド
20…補助制御装置
20A…補助制御装置
30…動力回路
210…過負荷検出部
210A…過負荷検出部
211…センサ部
211A…センサ部
212…過負荷検出手段
220…電源供給制御部
221…間欠信号発生手段
222…間欠電力供給手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流モータの駆動力によってトングレールを転換して線路の分岐転換を行う電気転てつ機の動作制御を補助する、電気転てつ機の補助制御装置において、
前記電気転てつ機にかかる過負荷を検出する過負荷検出部と、該過負荷検出部が前記過負荷を検出したときに、前記交流モータへ連続供給していた交流電源の供給を該交流電源の供給と供給停止を繰り返す間欠供給に切り替える電源供給制御部とを備え、
前記交流電源の供給と供給停止を1回行う間欠供給周期の時間が少なくとも前記交流電源の周波数の2周期分であり、
前記間欠供給周期中の交流電源の供給停止時間は、少なくとも前記交流電源の周波数の1周期分を継続して、前記交流電源の間欠供給中に前記交流モータが発生する平均トルクを前記交流電源の連続供給中に前記交流モータが発生する定格トルクよりも小さくしたことを特徴とする電気転てつ機の補助制御装置。
【請求項2】
前記電源供給制御部は、前記交流電源に接続されて電源供給をON/OFFする間欠電力供給手段と、該間欠電力供給手段を動作させる制御信号を出力する間欠信号発生手段とを備え、
前記間欠信号発生手段は、前記制御信号の出力タイミングの設定を変更して、前記間欠供給周期および前記交流電源の供給停止時間を変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の電気転てつ機の補助制御装置。
【請求項3】
前記電源供給制御部は、前記交流電源の電源波形におけるゼロクロス点を含む所定範囲内で前記間欠電力供給手段のON/OFFを行って、電磁ノイズの放出を低減したことを特徴とする請求項2に記載の電気転てつ機の補助制御装置。
【請求項4】
前記過負荷検出部は、前記電気転てつ機にかかる過負荷の有無を所定のしきい値に基づいて判断することを特徴とする請求項1,2または3に記載の電気転てつ機の補助制御装置。
【請求項5】
前記過負荷検出部は、前記交流モータに流れるモータ電流を検出して、該検出したモータ電流が所定のしきい値以上である場合に過負荷と判断することを特徴とする請求項1,2または3に記載の電気転てつ機の補助制御装置。
【請求項6】
前記過負荷検出部は、動作かんの変位から速度を検出して、該動作かんの速度の低下を所定のしきい値と比較して過負荷の有無を判断することを特徴とする請求項1,2または3に記載の電気転てつ機の補助制御装置。
【請求項7】
前記過負荷検出部は、動作かんの加速度を検出して、該動作かんの加速度変化を所定のしきい値と比較して過負荷の有無を判断することを特徴とする請求項1,2または3に記載の電気転てつ機の補助制御装置。
【請求項8】
前記過負荷検出部は、前記トングレールの転換方向別に過負荷の有無を判断するものであり、過負荷の有無を判断するための前記所定のしきい値を転換方向別に設定し、前記交流電源の連続供給を間欠供給に切り替える基準となる過負荷の大きさを前記転換方向別に定めて、前記交流電源の供給を前記転換方向別に連続供給から間欠供給に変更可能にしたことを特徴とする請求項4,5,6または7に記載の電気転てつ機の補助制御装置。
【請求項9】
前記過負荷検出部が過負荷検出の判断基準にする前記所定のしきい値は、設定変更が可能であることを特徴とする請求項4,5,6,7または8に記載の電気転てつ機の補助制御装置。
【請求項10】
請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9に記載の補助制御装置を備えた電気転てつ機。
【請求項11】
請求項1,2,3,4,5,6または7に記載の補助制御装置を前記トングレールの転換方向別に別個に備え、過負荷の有無を判断するための前記所定のしきい値を転換方向別に設定し、前記交流電源の連続供給を間欠供給に切り替える基準となる過負荷の大きさを前記転換方向別に定めて、前記交流電源の間欠供給の間欠供給周期と供給停止時間を変更可能にしたことを特徴とする電気転てつ機。
【請求項12】
前記補助制御装置は、前記所定のしきい値の設定変更が可能であることを特徴とする請求項11に記載の電気転てつ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−281924(P2006−281924A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−102652(P2005−102652)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000001292)株式会社京三製作所 (324)
【Fターム(参考)】