説明

電池ケースの洗浄方法および電池

【課題】電池ケース内の異物の残留を抑制する電池ケースの洗浄方法および電池を提供すること。
【解決手段】電池は,電池ケース1の底部12に,排水孔14を有している。そして,この電池ケース1の内側の洗浄の際に,電池ケース1の開口部11と排水孔14とを開放状態とし,洗浄液を開口部11から導入する。洗浄液は,電池ケース1の側面あるいは底面を流れ,排水孔14から排出される。つまり,洗浄液は,開口部11から導入されつつ,排水孔14から排出され,電池ケース1内を貫通する。そのため,電池ケース1の洗浄中は,電池ケース1内に洗浄液の流れが生じ,金属異物等の付着物9が洗浄液とともに電池ケース1の外側へ排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,電池の発電要素を収容する電池ケースの洗浄方法および電池ケースを備えた電池に関する。さらに詳細には,当該電池ケースの内側表面の洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から,電池の発電要素を収容する有底缶状の電池ケースは,プレス加工等によって成形される。この電池ケースの成形の際,ケース表面には,油分や塵のほか,金属異物が付着する。この電池ケースの内側表面に付着した金属異物は,発電要素の電極に触れただけでも,短絡等の品質不良の原因となり得る。そのため,このような異物が電池ケースの内側に残留しないように,発電要素を収容する前に電池ケースの内側を洗浄している。
【0003】
有底缶状の電池ケースでは,例えば,電池ケースの開口部から洗浄液を流し込むことによってその内側表面の洗浄が行われる。すなわち,開口部が上側を向くように電池ケースを配置し,その開口部から洗浄液を導入する。そして,洗浄液が電池ケース内部を満たした後は,開口部が下側を向くように電池ケースを反転し,洗浄液を排出する。この他,電池ケースの洗浄に関する技術としては,例えば特許文献1に開示された電池用金属缶の洗浄装置がある。
【特許文献1】特開2005−100784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,前記した従来の技術には,次のような問題があった。すなわち,金属異物の多くは,電池ケース内部が洗浄液で満たされた際に,電池ケースの底面に滞留する。従来の洗浄方法では,洗浄液を導入時と同じ開口部から排出することになるが,この洗浄液の排出の際に,底面に滞留した金属異物が電池ケースの表面に再付着することがある。そのため,金属異物を除去しきれない。
【0005】
本発明は,前記した従来の電池ケースが有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,電池ケース内の異物の残留を抑制する電池ケースの洗浄方法および電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の解決を目的としてなされた電池ケースの洗浄方法は,開口部を有する有底缶状の電池ケースの洗浄方法であって,その電池ケースには,開口部と対向する底部に,その底部を貫通する孔である排水孔が設けられ,その電池ケースの内側表面の洗浄の際に,開口部から洗浄液を導入しつつ,その洗浄液を排水孔から排出することを特徴としている。また,本発明は,発電要素と,発電要素を収容し,開口部を有する有底缶状の電池ケースと,電池ケースの開口部を封止する封口蓋と,電池ケースの開口部と対向する底部に位置し,その底部を貫通する孔である排水孔と,排水孔を封止する封止部材とを備えることを特徴とする電池を含んでいる。
【0007】
本発明の電池の電池ケースは,その底部に排水孔を有している。そして,電池ケースの内側表面の洗浄の際に,電池ケースの開口部と排水孔とを開放状態とし,洗浄液を開口部から導入する。洗浄液は,電池ケースの側面あるいは底面を流れ,排水孔から排出される。すなわち,本発明では,洗浄液の導入口(開口部)と排出口(排水孔)とが別であり,洗浄液が開口部から排水孔に向かって電池ケース内を貫通する。そのため,電池ケースの洗浄中は,電池ケース内に洗浄液が貯留せず,金属異物等の付着物が洗浄液とともに排出される。これにより,電池ケースの内側での付着物の滞留を低減できる。また,付着物の滞留を低減できることから,この電池ケースを利用した電池は信頼性が高い。
【0008】
また,本発明の電池ケースの底部は,排水孔を頂部とし,その頂部に向かうほど開口部からの深さが深くなるようなテーパ面をなしているとよりよい。すなわち,底部をテーパ面とすることで,排水孔に向かう水流が底部に形成される。つまり,底部のテーパ面が洗浄液を排水孔に向けてガイドする。これにより,より効率的に洗浄液を排出することができる。
【0009】
また,本発明の電池ケースの底部は,電池ケースの胴体部との間で構成される内側角部の角度が鈍角となるようなテーパ面をなしているとよりよい。すなわち,電池ケース内部の角部が鈍角であることから,電池ケース内部の角付近の洗浄液の流れがスムーズになる。よって,より効率的に洗浄液を排出することができる。
【0010】
また,本発明の電池ケースの排水孔は,電池ケースの内側に導入される電解液の注入口を兼ねるとよりよい。すなわち,排水孔が電解液の注入口の機能を兼ねることで,電池ケースに開ける孔の数を増やすことなく,付着物の残留を低減できる。
【0011】
また,本発明の電池ケースの底部には,排水孔が複数設けられているとよりよい。すなわち,排水孔が複数あることで,洗浄液をより早期に排出することができる。あるいは,同じ洗浄時間であっても水量を多くし,洗浄効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば,電池ケース内の異物の残留を抑制する電池ケースの洗浄方法および電池が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は,発電要素が有底缶状の電池ケースに収納されたリチウムイオン蓄電池に本発明を適用したものである。図1は,本形態のリチウムイオン蓄電池100の外観を示しており,図2は,図1に示したリチウムイオン蓄電池100の図中奥行き方向に直交する断面の様子を示している。
【0014】
[電池の構成]
本形態のリチウムイオン蓄電池100は,発電要素60と,発電要素60を収容し,リチウムイオン蓄電池100の外殻を形成する外装部50とを有している。外装部50の内側全面には,不図示の絶縁フィルムが貼付されている。
【0015】
また,外装部50は,容器となる電池ケース1と,電池ケース1の開口部を封止する封口蓋2とを有している。電池ケース1は,アルミニウム,アルミニウム合金等の金属材からなり,封口蓋2は,アルミニウム,めっき鋼板,ステンレス鋼板等の金属材からなる。電池ケース1や封口蓋2に利用する金属材は,成形が容易であって,剛性があるものであればよい。
【0016】
電池ケース1は,図3に示すように,有底矩形の箱体,すなわち上面が開口した直方体をなしている。本形態では,開口している部分を開口部11とし,開口部11と対向する底面部分を底部12とし,底部12の縁辺と連続する胴体部分を胴部13とする。電池ケース1は,図1に示したように,発電要素60を収納しており,矩形板状の封口蓋2で開口部11を塞ぐことによって発電要素60を密封をしている。具体的に,外装部50は,電池ケース1と封口蓋2とがレーザ溶接によって一体となっている。
【0017】
また,電池ケース1の底部12には,底部12を貫通する孔である排水孔14が設けられている。排水孔14の直径は,電池ケース1内に導入された洗浄液を円滑に排水可能なサイズであればよく,電池ケース1のサイズや洗浄液の導入量によって適宜設計される。
【0018】
さらに,外装部50は,図2に示したように,排水孔14と嵌合する排水栓15を備え,電池ケース1内部の洗浄後であって発電要素60を収容した状態では,排水孔14は排水栓15によって封止される。なお,排水孔14を封止する部材は,排水孔14と嵌合可能な栓材に限らず,例えば板状のシール材を排水孔14のいずれか一方の開口部上に貼付するように構成してもよい。
【0019】
また,底部12の内側底面は,底部12の縁辺から排水孔14に向かって開口部11からの深さDが深くなるようにテーパ面をなしている。具体的に本形態では,電池ケース1の底部12の板厚が,底部12の縁辺から排水孔14に向かって薄くなっている。すなわち,底部12の板厚は,縁辺が最も厚く,排水孔14の縁が最も薄い。また,底部12の縁辺からテーパ形状をなすことから,電池ケース1の内側の底部12と胴部13との間でなす角部の角度θが鈍角になる。このテーパ面の角度は,電池ケース1のサイズや底部12の強度によって適宜設計される。なお,電池ケース1の外観は直方体であり,底部12の外側底面は平面である。
【0020】
封口蓋2には,封口蓋2を貫通し,封口蓋2から外装部50の外側に向けて突出する正極端子部31及び負極端子部32が取り付けられている。正極端子部31の封口蓋2への取り付け箇所には,樹脂製の絶縁部材33が介在し,正極端子部31と封口蓋2とを絶縁している。同様に,負極端子部32の封口蓋2への取り付け箇所には,樹脂製の絶縁部材34が介在し,負極端子部32と封口蓋2とを絶縁している。また,封口蓋2には,矩形板状の安全弁23も溶接されている。安全弁23は,封口蓋2を貫通する注液孔24を封止しており,その注液孔24から電解液が注入される。
【0021】
発電要素60は,帯状の正極板61と負極板62とをポリエチレンからなるセパレータを挟んで捲回し,扁平状にしたものである。正極板61は,クランク状に屈曲した板状の正極端子部31と接合され,負極板62は,同じくクランク状に屈曲した板状の負極端子部32と接合されている。
【0022】
正極板61は,帯状のアルミ箔の両面に不図示の正極活物質層を担持している。この正極活物質層には,例えば,正極活物質のニッケル酸リチウム(LiNiO2 ),導電剤のアセチレンブラック,および結着剤のポリテトラフルオロエチレン(PTFE),カルボキシルメチルセルロース(CMC)が含まれる。また,負極板62は,帯状の銅箔の両面に不図示の負極活物質層を担持している。この負極活物質層には,例えば,グラファイトおよび結着剤が含まれる。また,不図示の電解液は,エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを,体積比でEC:EMC=3:7に調整した混合有機溶媒に,溶質として6フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )を添加し,リチウムイオンを1mol/lの濃度とした有機電解液である。正極板61,正極活物質層,負極板62,負極活物質層,電解液に利用される物質は,一例であり,一般的に電池に利用されるものを適宜選択すればよい。
【0023】
[電池ケースの洗浄工程]
続いて,電池ケース1の洗浄方法について,図4の概略図を参照しつつ説明する。本洗浄工程は,封口蓋2や排水栓15の組み付け前であり,電池ケース1の開口部11や排水孔14は開放状態である。
【0024】
図4(A)は,電池ケース1の洗浄前の状態を示している。電池ケース1の内側表面には,油分や塵のほか,多数の金属異物9が付着している。金属異物9は,電池ケース1の底面に限らず,側面にも付着している。
【0025】
図4(B)は,電池ケース1の内側に,洗浄液を導入した状態を示している。図中の細線矢印は洗浄液の流入方向を示している。洗浄液は,電池ケース1の開口部11から電池ケース1の内側側面および底面に向けて導入される。電池ケース1内に導入された洗浄液は,側面および底面を伝い,排水孔14から排出される。すなわち,洗浄液は,電池ケース1の上面の開口部11から導入され,開口部11とは異なる開口箇所である排水孔14から排出される。このとき金属異物9は,洗浄液によって電池ケース1の内側表面から剥離され,洗浄液とともに排水孔14に向かって流される。
【0026】
図4(C)は,電池ケース1の内側に,所定の時間連続して洗浄液を導入した後の状態を示している。金属異物9は,電池ケース1の内側表面から剥離され,洗浄液によって流されることで,洗浄液とともに電池ケース1の外側に排出される。洗浄液による洗浄処理後は,乾燥処理して洗浄工程を終了する。
【0027】
なお,洗浄工程後は,排水孔14を排水栓15によって封止し,電池ケース1内に発電要素60を組み込む。そして,封口蓋2を溶接して外装部50を形成し,発電要素60を外装部50内に封止する。その後,封口蓋2に設けられた注液孔24から電解液を注入する。その後,安全弁23を溶接してリチウムイオン蓄電池100を形成する。
【0028】
[洗浄工程の評価]
続いて,電池ケースの洗浄工程の評価結果について説明する。図5は,本試験の評価結果を示している。本試験では,3種類の電池ケースについて洗浄を行い,乾燥処理後に電池ケースの内側表面に残留する直径50μm以上の異物を数え,5個以上の異物が発見された場合には不良とし,5個よりも少なければ良好と判定した。
【0029】
電池ケースとしては,図5に示した3つのアルミケースについて評価を行った。1つ目の電池ケース(ケース1)は,電池ケースの底部に排水孔がないタイプ(従来の形態)である。2つ目の電池ケース(ケース2)は,電池ケースの底部に排水孔があり,底部内側が平面であるタイプ(本発明の形態1)である。3つ目の電池ケース(ケース3)は,電池ケースの底部に排水孔があり,底部内側がテーパ面である実施例のタイプ(本発明の形態2)である。
【0030】
試験条件は,次の通りである。なお,排水孔は1つであり,底部の長さ方向および幅方向の中央に配置されているものとする。
サイズ:板厚T=1mm(ただし,ケース3についてはテーパ面である底部の最小厚Tmin=1mm,最大厚Tmax=2mm),
長さL(図3のX方向)=150mm,
幅W(図3のY方向)=30mm,
高さH(図3のZ方向)=100mm,
排水孔径φ=5mm
試験数:30個
【0031】
ケース1では,図5に示したように平均15個の異物が確認され,殆どの電池ケースが不良となった。これは,洗浄液を排出する際に,底部に滞留した異物の多くが再付着したものと考えられる。一方,ケース2では,平均2個の異物が確認され,殆どの電池ケースが良好となった。すなわち,殆どの異物が洗浄液とともに排水孔から排出されたものと考えられる。
【0032】
また,ケース3では,殆どの電池ケースで異物が確認されず,平均が0に近い値となった。すなわち,ケース2でも,異物除去の十分な効果は得られるが,電池ケース内部の角部では洗浄液の流れが弱く,異物が残留しがちである。ケース3では,底部がテーパ面であり,角部の角度が鈍角であることから,電池ケース内部の角付近を含めて洗浄液の流れがスムーズである。また,底部に達した洗浄液がテーパ面によって排水孔にガイドされる。そのため,ケース2と比較して,より多くの異物を除去することができたものと考えられる。
【0033】
[第1の応用例]
続いて,実施の形態の応用例について説明する。第1の応用例では,電解液を電池ケース1の排水孔14から注入する。この点,電解液を封口蓋2の注液孔24から注入する実施の形態と異なる。
【0034】
すなわち,洗浄工程後は,電池ケース1内に発電要素60を組み込む。そして,封口蓋2を電池ケース1に溶接して外装部50を形成し,発電要素60を外装部50内に封止する。安全弁23は,あらかじめ封口蓋2に溶接された状態であってもよいし,封口蓋2を電池ケース1に溶接した後に溶接してもよい。その後,排水孔14が上側を向くように配置し,排水孔14から電解液を注入する。電解液の注入後は排水栓15によって排水孔14を封止する。これにより,リチウムイオン蓄電池100を形成する。
【0035】
第1の応用例では,排水孔14が電解液の注液孔としての機能を兼ねる。そのため,封口蓋2に注液孔は不要である。つまり,第1の応用例では,実施の形態と比較して,外装部50に開ける孔の数を少なくすることができ,その構造がシンプルになる。
【0036】
[第2の応用例]
第2の応用例では,電池ケース1の底部12に複数の排水孔を設ける。この点,電池ケース1の底部12に1つの排水孔14が設けられた実施の形態とは異なる。
【0037】
本応用例の電池ケース10は,図6に示すように,底部12に2つの排水孔141,142を設けている。電池ケース10の底部12は,実施の形態と同様に,排水孔141,142を頂部としたテーパ面をなしている。すなわち,開口部11からの深さについて,排水孔141,142部分がその周辺よりも深い。そのため,洗浄液を開口部11から導入すると,排水孔141に向かう流れと排水孔142に向かう流れとが形成される。
【0038】
第2の応用例では,2つの排水孔141,142によって洗浄液を排水する。そのため,実施の形態と比較して,時間当たりの排水量が多く,洗浄時間が短縮される。あるいは,同じ洗浄時間であっても水量を多くし,洗浄効果を高めることができる。また,排水孔141,142が電解液の注液孔を兼ねるならば,早期に電解液を電極に馴染ませることができる。
【0039】
以上詳細に説明したように本形態のリチウムイオン蓄電池100では,電池ケース1の底部12に排水孔14を有している。そして,この電池ケース1の内側表面の洗浄の際に,電池ケース1の開口部11と排水孔14とを開放状態とし,洗浄液を開口部11から導入している。洗浄液は,電池ケース1の側面および底面を流れ,排水孔14から排出される。つまり,洗浄液は,開口部11から排水孔14に向かって電池ケース1内を貫通するため,電池ケース1の洗浄中は,電池ケース1内に洗浄液が貯留しない。そして,金属異物等の付着物9は,洗浄液によって電池ケース1の内側表面から剥離し,洗浄液とともに電池ケース1の外側へ排出される。これにより,電池ケース1の内側での付着物9の滞留を低減できる。また,付着物9の滞留を低減できることから,この電池ケース1を利用した電池は信頼性が高い。
【0040】
また,本形態の電池ケース1の洗浄では,従来と比較して,電池ケース1内を洗浄液で満たす必要がなく,洗浄液は電池ケース1の内側表面を洗い流す分の量でよい。そのため,使用する洗浄液の量を少なくすることができる。
【0041】
また,本形態の電池ケース1の洗浄では,洗浄液を導入しつつ排出している。すなわち,洗浄液が電池ケース1内に貯留しない。そのため,洗浄液を排出するための専用工程を別途設ける必要がない。よって,短時間で洗浄工程を終えることができる。
【0042】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,実施の形態では,リチウムイオン蓄電池に本発明を適用しているが,電池の種類はこれに限るものでもない。すなわち,本発明における電池とは,化学的エネルギーを電気的エネルギーに変換する素子であればよく,ニッケル水素電池,ニッカド電池等にも適用可能であり,さらに蓄電池に限らず,一次電池,燃料電池,電解型コンデンサ等にも適用可能である。
【0043】
また,実施の形態では,電池ケース1の外観形状を矩形としているが,これに限るものではない。すなわち,底部を有する容器であればよく,外観形状は例えば円筒形であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施の形態にかかるリチウムイオン蓄電池の概略構成を示す正面透視図である。
【図2】図1に示したリチウムイオン蓄電池の断面を示す図である。
【図3】リチウムイオン蓄電池の電池ケースの概略外観を示す図である。
【図4】実施の形態にかかるリチウムイオン蓄電池の洗浄工程を示す図である。
【図5】電池ケースの洗浄工程の評価結果を示す図である。
【図6】第2の応用例にかかるリチウムイオン蓄電池の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 電池ケース
11 開口部
12 底部
13 胴部
14 排水孔
15 排水栓
2 封口蓋
23 安全弁
24 注液孔
31 正極端子部
32 負極端子部
50 外装部
60 発電要素
100 リチウムイオン蓄電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する有底缶状の電池ケースの洗浄方法において,
前記電池ケースには,前記開口部と対向する底部に,その底部を貫通する孔である排水孔が設けられ,
前記電池ケースの内側表面の洗浄の際に,前記開口部から洗浄液を導入しつつ,その洗浄液を前記排水孔から排出することを特徴とする電池ケースの洗浄方法。
【請求項2】
請求項1に記載する電池ケースの洗浄方法において,
前記電池ケースの底部は,前記排水孔を頂部とし,その頂部に向かうほど開口部からの深さが深くなるようなテーパ面をなしていることを特徴とする電池ケースの洗浄方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載する電池ケースの洗浄方法において,
前記電池ケースの底部は,前記電池ケースの胴体部との間で構成される内側角部の角度が鈍角となるようなテーパ面をなしていることを特徴とする電池ケースの洗浄方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載する電池ケースの洗浄方法において,
前記洗浄液の排水後,前記排水孔から前記電池ケース内側に電解液を注入することを特徴とする電池ケースの洗浄方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載する電池ケースの洗浄方法において,
前記電池ケースの底部には,前記排水孔が複数設けられていることを特徴とする電池ケースの洗浄方法。
【請求項6】
発電要素と,
前記発電要素を収容し,開口部を有する有底缶状の電池ケースと,
前記電池ケースの開口部を封止する封口蓋と,
前記電池ケースの開口部と対向する底部に位置し,その底部を貫通する孔である排水孔と,
前記排水孔を封止する封止部材とを備えることを特徴とする電池。
【請求項7】
請求項6に記載する電池において,
前記電池ケースの底部は,前記排水孔を頂部とし,その頂部に向かうほど開口部からの深さが深くなるようなテーパ面をなしていることを特徴とする電池。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載する電池において,
前記電池ケースの底部は,前記電池ケースの胴体部との間で構成される内側角部の角度が鈍角となるようなテーパ面をなしていることを特徴とする電池。
【請求項9】
請求項6から請求項8のいずれか1つに記載する電池において,
前記排水孔は,前記電池ケースの内側に導入される電解液の注入口を兼ねることを特徴とする電池。
【請求項10】
請求項6から請求項9のいずれか1つに記載する電池において,
前記電池ケースの底部には,前記排水孔が複数設けられていることを特徴とする電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−135242(P2010−135242A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311831(P2008−311831)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】