説明

電池収納部のシール装置

【課題】本発明は、電池蓋が取り付けられる電子機器側にパッキンを取り付ける構成とし
、パッキンの取り付け時に、捩れなどによって正規の位置からずれる状態とならないため
の技術を提供する。
【解決手段】電子機器の本体側と電池蓋との間が円形状のパッキンによってシールされる
電池収納部のシール装置において、パッキンは弾力性を有し、円形状のシール部とシール
部から下方へ延びた複数の取り付け脚部が形成され、電池収納部の周縁部には、シール部
が配置される円形状の配置部、及び電池収納部から配置部へ連通するよう取り付け脚部の
挿入溝が形成され、取り付け脚部は非円形形状をなし、挿入溝の溝幅が取り付け脚部の非
円形形状部と嵌り合う寸法をなすこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボタン型電池を使用する電子機器における電池収納部のシール装置に関する

【背景技術】
【0002】
電子機器にボタン型電池を使用する際、この電池は、電子機器に形成した電池収納部に
収納された状態で、電子機器に電池蓋が取り付けられるが、この場合、電子機器と電池蓋
との間がパッキンによって水密的に保たれることにより、電池収納部が防水構造となるも
のがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−273648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そもそも、このような電子機器と電池蓋との間に用いられるパッキンは、この部分で電
子機器全体の厚さが増すことがないように、パッキンの厚さが制限される。特許文献1の
ものは、電池蓋の裏側周縁に形成した外向きの溝に、パッキンの基部が挿入された状態で
、電池蓋の裏側周縁に亘って取り付けられた状態であるため、パッキンをかなり引っ張り
ながら、電池蓋の外向きの溝にパッキンの基部を挿入した後、電池蓋の裏側周縁に接着す
ることとなろうから、パッキンが十分な伸張性と復元性を有するものでなければならない
。その場合、上記のように、パッキンの厚さが制限されることから、その材質が特定され
ると共に、取り付け作業の面倒さが伴う。
【0005】
このような点に鑑み、本発明は、電池蓋が取り付けられる電子機器側にパッキンを取り
付ける構成とすることにより、特許文献1のような課題を解決する。そして、パッキンを
接着によらない取り付けとし、その場合、パッキンの取り付け時に、正規の位置からずれ
る状態とならないための技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明は、電源として用いられるボタン型電池が収納される電池収納部が電子機器の
本体側に形成され、前記電池収納部に着脱自在に取り付けられる電池蓋を備え、前記電子
機器の本体側と前記電池蓋との間が円形状のパッキンによってシールされる電池収納部の
シール装置において、
前記パッキンは、柔軟性と弾力性を有し、円形状のシール部と前記シール部から下方へ
延びた複数の取り付け脚部が間隔を存して形成され、
前記電池収納部の周縁部には、前記シール部が配置される円形状の配置部、及び前記電
池収納部から前記配置部へ連通するよう前記取り付け脚部の挿入溝が形成され、
前記取り付け脚部は、非円形形状をなし、
前記挿入溝の溝幅が、前記取り付け脚部の前記非円形形状部と嵌り合う寸法をなす
ことを特徴とする。
【0007】
第2発明は、電源として用いられるボタン型電池が収納される電池収納部が電子機器の
本体側に形成され、前記電池収納部に着脱自在に取り付けられる電池蓋を備え、前記電子
機器の本体側と前記電池蓋との間が円形状のパッキンによってシールされる電池収納部の
シール装置において、
前記パッキンは、柔軟性と弾力性を有し、円形状のシール部と前記シール部から下方へ
延びた複数の取り付け脚部が間隔を存して形成され、
前記電池蓋と前記電池収納部の周縁部には、前記電池蓋の正方向回動に伴って相互に係
止し逆方向回動に伴って離脱するよう複数の蓋側係止突起と本体側係止突起が間隔を存し
て形成され、
前記電池収納部の周縁部には、前記シール部の下部が収容される円形状溝をなす配置部
、及び前記本体側係止突起間に前記電池収納部から前記配置部へ連通するよう前記取り付
け脚部の挿入溝が形成され、
前記取り付け脚部は、非円形形状をなし、
前記挿入溝の溝幅が、前記取り付け脚部の前記非円形形状部と嵌り合う寸法をなす
ことを特徴とする。
【0008】
第3発明は、第1発明または第2発明において、前記パッキンは、柔軟性と弾力性を有
するシリコンゴム等の製品であって、前記シール部は前記電池蓋に向かって尖った円周面
を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
パッキンを接着によらない取り付けとする場合、もし、取り付け脚部の横断面形状が円
形の場合は、各取り付け脚部を順々に挿入溝に嵌め込んでいく場合に捩れが生じ、取り付
け脚部間の円形状のシール部の一部に弛みや引っ張りが生じて、このシール部の一部が配
置部の正規位置に配置されない状態となる。
しかし、本発明のパッキンは、円形状のシール部とこのシール部から下方へ延びた複数
の取り付け脚部を有し、この取り付け脚部が非円形形状であり、この取り付け脚部が挿入
される挿入溝の溝幅が、取り付け脚部の非円形形状部と嵌り合う寸法をなす。
このため、本発明では、各取り付け脚部は、対応する挿入溝に嵌め込まれる方向が定ま
るため、このような捩れが生じず、パッキンの取り付け時に、円形状のシール部が配置部
の正規位置からずれる状態とならず、電池蓋と電池収納部との間の防水効果が良好となる

【0010】
第2発明の構成では、電池収納部の周縁部に、本体側係止突起、及びシール部の下部が
収容される円形状溝をなす配置部が形成され、更に、本体側係止突起間に電池収納部から
配置部へ連通するよう取り付け脚部の挿入溝が形成されている。これにより、パッキンの
取り付け及び配置が的確となり、電池蓋と電池収納部との間の防水効果が良好となる。
【0011】
また、パッキン10は、柔軟性と弾力性を有するシリコンゴム等の製品であって、シー
ル部は電池蓋に向かって尖った円周面を形成しているため、電池蓋との当接が線接触状態
となり、電池蓋と電池収納部との間の防水効果が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る電気機器の裏側斜視図である。
【図2】本発明に係る電気機器の電池収納部を説明する断面図である。
【図3】本発明に係る電気機器の電池収納部の表側から見た分解斜視図である。
【図4】本発明に係る電気機器の電池収納部の裏側から見た斜視図である。
【図5】本発明に係るパッキンの斜視図である。
【図6】本発明に係るパッキンの取り付け脚部と挿入溝部分の斜視図である。
【図7】本発明に係るパッキンの取り付け状態を示す斜視図である。
【図8】本発明に係るパッキンの取り付け状態を示す取り付け脚部の部分の断面図である。
【図9】本発明に係るパッキンの取り付け状態を示すシール部の部分の断面図である。
【図10】本発明に係る第2形態のパッキンの取り付け脚部の部分を拡大して示す平面図である。
【図11】本発明に係る第2形態のパッキンの取り付け脚部が嵌り合う挿入溝部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、電源として用いられるボタン型電池が収納される電池収納部が電子機器1の
本体側2に形成され、前記電池収納部に着脱自在に取り付けられる電池蓋を備え、前記電
子機器の本体側と前記電池蓋との間が円形状のパッキンによってシールされる電池収納部
のシール装置において、
前記パッキンは、柔軟性と弾力性を有し、円形状のシール部と前記シール部から下方へ
延びた複数の取り付け脚部が間隔を存して形成され、
前記電池収納部の周縁部には、前記シール部が配置される円形状の配置部、及び前記電
池収納部から前記配置部へ連通するよう前記取り付け脚部の挿入溝が形成され、
前記取り付け脚部は、非円形形状をなし、
前記挿入溝の溝幅が、前記取り付け脚部の前記非円形形状部と嵌り合う寸法をなす
ものである。
【実施例1】
【0014】
先ず、本発明に係る電子機器1を図に基づき説明する。電子機器1は、非接触ICカー
ド等のようなカード形態であったり、他の機器と無線によって情報交換する携帯端末機器
であったり、種々のタイプがある。カードのような薄い電子機器1において本発明の効果
が十分発揮できることを説明するために、図に示す実施例の電子機器1は、非接触ICカ
ード等のようなカード形態である場合について記載する。
【0015】
電子機器1は、変形し難い矩形状形態をなすように合成樹脂成形された本体側2を構成
する外装ケース2に、電子部品が取り付けられ所定の電気配線が形成されたプリント配線
基板3と、外装ケース2の裏側からプリント配線基板3に向かって電池収納部4が貫通形
成され、この電池収納部4に電子機器1の電源用である円板状のボタン型の電池6等が収
容され、外装ケース2の裏側から電池収納部4に着脱自在に合成樹脂成形された電池蓋5
が取り付けられている。
【0016】
プリント配線基板3は、周縁部が外装ケース2の段差部に接着され、表側が外装ケース
2の段差部に接着されたカバー7によって覆われる。電池6とプリント配線基板3との電
気的接続は、電池6が電池収納部4に収容された状態で、電池6のプラス電極側はプリン
ト配線基板3の取り付けた導電性の板バネ8と接触し、電池6のマイナス電極側は、電池
6とプリント配線基板3との間に介在した導電性の板バネ9と接触することによって達成
される。
【0017】
電子機器1の本体側2である外装ケース2と電池蓋5との間の隙間は、円形状のパッキ
ン10によってシールされ、この部分が防水構造となっている。パッキン10は、柔軟性
と弾力性を有するシリコンゴム等の製品であり、円形状のシール部11と、シール部11
から下方へ延びた複数の取り付け脚部12が間隔を存して形成されている。
【0018】
電池収納部4の周縁部には全周にわたってフランジ13が形成され、このフランジ13
の上面(外装ケース2の裏側面)が、パッキン10の配置部14をなしており、配置部1
4には、シール部11が配置される。配置部14は、シール部11の下部が収容されるた
めの円形状の溝14Aによって形成されている。
【0019】
パッキン10は、そのシール部11が、電池蓋5との接触面が電池蓋5に向かって尖っ
た円周面11Aを形成すると共に、取り付け脚部12は、シール部11から下方へ延び、
その先端には抜け止め用の鍔部12Aが形成されている。また、フランジ13には、電池
収納部4から配置部14の溝14Aへ連通する方向へ長く、取り付け脚部12が挿入され
る挿入溝15が形成されている。
【0020】
本発明では、取り付け脚部12は非円形形状をなし、挿入溝15の溝幅が、取り付け脚
部12の非円形形状部と嵌り合う寸法をなす構成である。
【0021】
また、取り付け脚部12が非円形形状をなす第1の形態として、取り付け脚部12は、
図7に示すように、上下2段に形成され、シール部11に近い側がシール部11の半径方
向Yに交差するようにシール部11の内側に沿って長い横長形状脚部12Xをなし、鍔部
12Aに近い側が円形状脚部12Yをなす。そして、挿入溝15の形状も、この取り付け
脚部12に合わせるように上下2段に形成され、横長形状脚部12Xの長辺が嵌り合う幅
T1に形成した1段目の溝15Aと、円形状脚部12Yが嵌り合う幅に形成した2段目の
溝15Bとを形成している。
【0022】
この取り付け脚部12が非円形形状をなす第1の形態では、パッキン10は、後述の取
り付けによって、図7に示すように、シール部11が円形状の溝14Aに嵌り合い、取り
付け脚部12は、横長形状脚部12Xの長辺が1段目の溝15Aに嵌り合い、且つ円形状
脚部12Yが2段目の溝15Bに嵌り合う状態に、フランジ13に取り付けられる。
【0023】
また、取り付け脚部12が非円形形状をなす第2の形態として、取り付け脚部12は、
図10及び図11に示すように、横断面形状がシール部11の半径方向Yに長い長円形状
または矩形状をなし、図11に示す挿入溝15の溝幅T2が、取り付け脚部12の長円形
状の短径または矩形状の短辺12Pと嵌り合う寸法をなす構成とする。この場合、取り付
け脚部12の長円形状の長径または矩形状の長辺12Qが、挿入溝15の溝幅T2よりも
十分大きい寸法とすることによって、長径または長辺12Qが挿入溝15に嵌ることがな
く、取り付け脚部12の短径または短辺12Pが正確に挿入溝15に嵌り合う状態となる

【0024】
電池蓋5を電池収納部4に着脱自在に取り付ける構成は種々あるが、本発明では、電池
蓋5が電池収納部4にしっかりと固定されるようにするために、電池蓋5と電池収納部4
の周縁部には、電池蓋5の正方向回動に伴って相互に係止し逆方向回動に伴って離脱する
よう、複数の蓋側係止突起16と本体側係止突起17が、それぞれ間隔を存して形成され
ている。電池蓋5が外装ケース2へ安定的に取り付けられるようにするために、図示のも
のは、蓋側係止突起16が、電池蓋5の裏側に直径D1で形成した円周凸部5Pから半径
方向に延出形成され、本体側係止突起17は、外装ケース2の電池収納部4の周縁のフラ
ンジ13に形成され、各蓋側係止突起16と各本体側係止突起17は、それぞれ120度
間隔を存して形成されている。
【0025】
このため、電池蓋5に120度ピッチで形成した蓋側係止突起16を、電池収納部4の
周縁部に120度ピッチに形成した案内切り欠き18に一致させ、その状態から電池蓋5
の表面に形成した弧状溝5Aにコインをあてがって、電池蓋5を正方向へ回動させること
により、蓋側係止突起16が本体側係止突起17に係止して、電池蓋5が外装ケース2に
取り付けられる。また、この状態から、電池蓋5を逆方向へ回動させて、蓋側係止突起1
6が本体側係止突起17から外れた状態で、電池蓋5を外装ケース2から取り外すことが
できる。
【0026】
このような構成において、外装ケース2にプリント配線基板3が取り付けられた状態で
、パッキン10を配置部14に取り付ける。この取り付けは、取り付け脚部12の一つを
挿入溝15の一つに挿入しつつ、その近辺のシール部11の部分を円形状の溝14Aに収
納する関係でもって、順次残りの取り付け脚部12を挿入溝15に挿入すると共に、その
近辺のシール部11の部分を円形状の溝14Aに収納することにより、すべての取り付け
脚部12が挿入溝15に挿入され、シール部11全体が円形状の溝14Aに収納され、パ
ッキン10の取り付けが終了する。
【0027】
この取り付け作業において、上記のように、取り付け脚部12は非円形形状をなし、挿
入溝15の溝幅T1が、取り付け脚部12の非円形形状部と嵌り合う寸法をなす構成であ
るため、上記第1の形態では、パッキン10は、図7に示すように、シール部11が円形
状の溝14Aに嵌り合い、取り付け脚部12は、横長形状脚部12Xの長辺が1段目の溝
15Aの溝幅T1に嵌り合い、且つ円形状脚部12Yが2段目の溝15Bに嵌り合う状態
に、フランジ13に取り付けられる。これによって、取り付け脚部12が挿入溝15に捩
れた状態で挿入されることがなく、取り付け脚部12相互間において、シール部11が伸
張しり、シール部11が捩れたりすることがなく、シール部11が正規の状態で円形状の
溝14Aに収納されることとなる。
【0028】
また、上記第2の形態では、取り付け脚部12の長円形状の短径または矩形状の短辺1
2Pが、挿入溝15の溝幅T2と嵌り合う方向に挿入されるため、取り付け脚部12が挿
入溝15に捩れた状態で挿入されることがなく、取り付け脚部12相互間において、シー
ル部11が伸張しり、シール部11が捩れたりすることがなく、シール部11が正規の状
態で円形状の溝14Aに収納されることとなる。
【0029】
このような取り付けによって、シール部11は、尖った円周面11Aが円形状の溝14
Aから露出した状態に、その下部が円形状の溝14Aに収容された状態となる。そして、
鍔部12Aがフランジ13の下面に当接して抜け止め状態となり、シール部11を円形状
の溝14Aに安定的に保持した状態となる。
【0030】
このようにパッキン10を取り付けた状態で、板バネ8と板バネ9に接触する状態に電
池6を電池収納部4に収容する。そして、電池蓋5の蓋側係止突起16を、電池収納部4
の案内切り欠き18に一致させる状態に、電池蓋5を電池収納部4に臨ませる。このとき
、電池蓋5の裏側に形成した円周凸部5Pで囲まれた直径D1の凹部は、電池6の最大直
径D2の部分が収容される状態となる。その状態から電池蓋5の表面に形成した弧状溝5
Aにコインをあてがって、電池蓋5を正方向へ回動させることにより、電池蓋5がシール
部11の尖った円周面11Aに当接しつつ、蓋側係止突起16が本体側係止突起17に係
止して、電池蓋5の裏面にシール部11が全周で密着し、電池蓋5が外装ケース2に保持
される。
【0031】
図示のものは、電池6の厚さが略1.6mm、電池蓋5は厚さt2が略0.5mmであ
り、電池蓋5の裏側に形成した直径D1の凹部周囲の円周凸部5Pを含む厚さが略1.8
mmである。また、パッキン10のシール部11の厚さが略1mmであり、溝14Aの深
さが略0.6mmであり、シール部11の尖った円周面11Aを含む略半分の部分が溝1
4Aから露出した状態で、シール部11が溝14Aに収納された状態である。
【0032】
また、電池6の交換などの際は、この状態から、電池蓋5を逆方向へ回動させて、蓋側
係止突起16が本体側係止突起17から外れた状態で、電池蓋5を外装ケース2から取り
外し、電池6を電池収納部4から取り出すことができる。
【0033】
本発明に係る電池収納部のシール装置は、上記のように、パッキンを接着によらない取
り付けとすることにより、パッキンの配置部14への接着剤の塗布が不要となり、且つ、
組み立て時に接着剤の乾燥時間を確保するための工程も不要となる。
【0034】
また、もし、取り付け脚部12の横断面形状が円形の場合は、各取り付け脚部12を順
々に挿入溝15に嵌め込む過程で、取り付け脚部12が挿入溝15で擦れた時に捩れが生
じ、取り付け脚部12相互間の円形状のシール部11の一部に弛みや引っ張りが生じて、
このシール部11の一部が円形状の溝14Aの正規位置に配置されない状態となる。しか
し、本発明では、取り付け脚部12は非円形形状をなし、挿入溝15の溝幅T2が、取り
付け脚部12の非円形形状部と嵌り合う寸法をなす構成であるため、挿入溝15に対する
取り付け脚部12への挿入方向が定まり、このような捩れはなく、シール部11が円形状
の溝14Aの正規位置に配置される状態となる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る電池収納部のシール装置は、上記実施例に示した構成に限定されず、種々
の形態のものに適用できるものであり、本発明の技術範囲において種々の形態を包含する
ものである。
【符号の説明】
【0036】
1・・・・・電子機器
2・・・・・本体側である外装ケース
3・・・・・プリント配線基板
4・・・・・電池収納部
5・・・・・電池蓋
6・・・・・電池
7・・・・・カバー
8・・・・・プラス側板バネ
9・・・・・マイナス側板バネ
10・・・・パッキン
11・・・・シール部
11A・・・尖った円周面
12・・・・取り付け脚部
12A・・・鍔部
13・・・・フランジ
14・・・・配置部
14A・・・円形状の溝
15・・・・挿入溝
16・・・・蓋側係止突起
17・・・・本体側係止突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源として用いられるボタン型電池が収納される電池収納部が電子機器の本体側に形成
され、前記電池収納部に着脱自在に取り付けられる電池蓋を備え、前記電子機器の本体側
と前記電池蓋との間が円形状のパッキンによってシールされる電池収納部のシール装置に
おいて、
前記パッキンは、弾力性を有し、円形状のシール部と前記シール部から下方へ延びた複
数の取り付け脚部が間隔を存して形成され、
前記電池収納部の周縁部には、前記シール部が配置される円形状の配置部、及び前記電
池収納部から前記配置部へ連通するよう前記取り付け脚部の挿入溝が形成され、
前記取り付け脚部は、非円形形状をなし、
前記挿入溝の溝幅が、前記取り付け脚部の前記非円形形状部と嵌り合う寸法をなす
ことを特徴とする電池収納部のシール装置。
【請求項2】
電源として用いられるボタン型電池が収納される電池収納部が電子機器の本体側に形成
され、前記電池収納部に着脱自在に取り付けられる電池蓋を備え、前記電子機器の本体側
と前記電池蓋との間が円形状のパッキンによってシールされる電池収納部のシール装置に
おいて、
前記パッキンは、弾力性を有し、円形状のシール部と前記シール部から下方へ延びた複
数の取り付け脚部が間隔を存して形成され、
前記電池蓋と前記電池収納部の周縁部には、前記電池蓋の正方向回動に伴って相互に係
止し逆方向回動に伴って離脱するよう複数の蓋側係止突起と本体側係止突起が間隔を存し
て形成され、
前記電池収納部の周縁部には、前記シール部の下部が収容される円形状溝をなす配置部
、及び前記本体側係止突起間に前記電池収納部から前記配置部へ連通するよう前記取り付
け脚部の挿入溝が形成され、
前記取り付け脚部は、非円形形状をなし、
前記挿入溝の溝幅が、前記取り付け脚部の前記非円形形状部と嵌り合う寸法をなす
ことを特徴とする電池収納部のシール装置。
【請求項3】
前記パッキンは、弾力性を有するシリコンゴム等の製品であって、前記シール部は前記
電池蓋に向かって尖った円周面を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の電
池収納部のシール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−154877(P2011−154877A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15501(P2010−15501)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302071092)テガ三洋工業株式会社 (244)
【Fターム(参考)】