説明

電波強度表示システム、電波強度表示方法、プログラム

【課題】ワイヤレス充電器に正しい電波強度を表示させることができる電波強度表示システムを提供する。
【解決手段】ワイヤレス充電器と、携帯端末とからなる電波強度表示システムであって、ワイヤレス充電器は、携帯端末の充電開始時より所定時間前の電波の強度を示す情報(電波強度情報)を受信する一次コイルと、一次コイルへの送電を制御する充電電力制御部と、受信した電波強度情報を記憶する充電器メモリ部と、記憶された電波強度情報を表示する電波強度表示部とを備え、携帯端末は、電波強度情報を送信する二次コイルと、電波を受信する電波受信部と、一定時刻おきに電波強度を測定する電波強度測定部と、測定された電波強度に基づいて電波強度情報を生成する電波強度情報生成部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動体通信に用いられる周波数帯の電波強度を表示する電波強度表示システム、電波強度表示方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ワイヤレス充電の国際標準仕様(非特許文献1)が策定され、本仕様において電磁誘導方式での非接触充電時の充電器と被充電機器(電池パック、携帯電話、カメラ、ゲーム機、その他の小型のポータブルデバイス)間での充電開始前の認証や充電時の電力制御方法、充電器と被充電機器間の通信、及び充電器や被充電機器のデザイン等が規定されている。ワイヤレス充電器は本仕様に基づき商品化される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】System Description Wireless Power Transfer Volume I:Low Power Part1:Interface Definition Version 1.0.1.[online].Retrieved from the Internet:<URL: http://www.rrc-wireless-power.de/fileadmin/website_wireless_power/Dokumente/News/WirelessPowerSpecificationPart1.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電磁誘導現象、電磁界の共鳴現象などを利用するワイヤレス充電器の性質上、ワイヤレス充電器によって充電されている最中の携帯端末は、充電により発生する電磁波の影響を受ける。このため、充電中の携帯端末では端末近傍の電波強度を正しく表示することが出来ない。携帯端末のユーザはワイヤレス充電器で充電をしている最中の携帯端末の画面に表示された電波強度の表示を見て、端末近傍の電波強度を誤認してしまうという問題があった。例えば、ワイヤレス充電器がユーザの私物であり、携帯端末の充電がユーザの自宅で行われている場合、ユーザは普段の自宅内の電波強度を知っている可能性が高いため、充電中の携帯端末に表示された電波強度が正しくないことを比較的容易に気づくと考えられる。しかしながら、今後の普及によりワイヤレス充電器が公共の場所(例えば、携帯事業者の店舗、飲食店など)に多く設置されるようになった場合、ユーザは公共の場所に設置されたワイヤレス充電器の近傍の電波強度を誤認する蓋然性が高くなるため、ユーザにとって不便である。そこで本発明では、ワイヤレス充電器に正しい電波強度を表示させることができる電波強度表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電波強度表示システムは、ワイヤレス充電器と、携帯端末とからなる。ワイヤレス充電器は、一次コイルと、充電電力制御部と、充電器メモリ部と、電波強度表示部とを備える。携帯端末は、二次コイルと、電波受信部と、電波強度測定部と、電波強度情報生成部とを備える。
【0006】
一次コイルは、携帯端末の充電開始時より所定時間前の電波の強度を示す情報(以下、電波強度情報という)を受信する。充電電力制御部は、一次コイルへの送電を制御する。充電器メモリ部は、受信した電波強度情報を記憶する。電波強度表示部は、記憶された電波強度情報を表示する。
【0007】
二次コイルは、電波強度情報を送信する。電波受信部は、電波を受信する。電波強度測定部は、一定時刻おきに電波強度を測定する。電波強度情報生成部は、測定された電波強度に基づいて電波強度情報を生成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電波強度表示システムによれば、ワイヤレス充電器に正しい電波強度を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1に係る電波強度表示システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例1に係る電波強度表示システムの動作を示すフローチャート。
【図3】本発明の実施例1に係る電波強度表示システムの動作を示すシーケンス図。
【図4】本発明の実施例2に係る電波強度表示システムの構成を示すブロック図。
【図5】本発明の実施例2に係る電波強度表示システムの動作を示すフローチャート。
【図6】本発明の実施例2に係る電波強度表示システムの動作を示すシーケンス図。
【図7】本発明の実施例3に係る電波強度表示システムの構成を示すブロック図。
【図8】本発明の実施例3に係る電波強度表示システムの動作を示すシーケンス図。
【図9】本発明の実施例1において端末メモリ部に記憶される電波強度を例示する図。
【図10】本発明の実施例2または3において生成される電波強度情報を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0011】
以下、本発明の最も基本的な構成例である実施例1に係る電波強度表示システムについて、図1、図2、図3、図9を参照して詳細に説明する。図1は本実施例に係る電波強度表示システム100の構成を示すブロック図である。図2は本実施例に係る電波強度表示システム100の動作を示すフローチャートである。図3は本実施例に係る電波強度表示システム100の動作を示すシーケンス図である。図9は本実施例において端末メモリ部27に記憶される電波強度を例示する図である。本実施例の電波強度表示システム100は、ワイヤレス充電器10と、携帯端末20とからなる。本実施例のワイヤレス充電器10は、位置検出部11と、初期位置調整部12と、一次コイル13と、認証部14と、充電電力制御部15と、電源部16と、充電器メモリ部17と、電波強度表示部18とを備える。本実施例の携帯端末20は、二次コイル23と、認証部24と、電波受信部25と、電波強度測定部26と、端末メモリ部27と、電波強度情報生成部28とを備える。ワイヤレス充電器10が備える一次コイル13は、二次コイル23と電磁誘導で結合され、二次コイル23に誘導電流を送信することができる。
【0012】
以下、携帯端末20の待ち受け状態における動作について説明する。携帯端末20の電波受信部25は、移動体通信に用いられる周波数帯の電波を受信する(S25)。電波強度測定部26は、予め定めた所定の時間経過ごとに電波強度を測定する(S26)。端末メモリ部27は、測定された電波強度を記憶する(S27)。以上のステップS25〜S27は、携帯端末20の待ち受け状態において、予め定めた所定の時間経過ごとに実行される。ステップS25〜S27は携帯端末20がワイヤレス充電器10により充電されている場合には、実行されない。電波強度測定部26により測定された電波強度は、例えば図9に示すように、5分おきに、取得時刻、事業者、通信方式、周波数帯と対応付けられて端末メモリ部27に記憶される。
【0013】
以下、携帯端末20がワイヤレス充電器10の被充電機器配置面に配置された後の動作について説明する。本発明のワイヤレス充電器10ではムービングコイル方式を採用しているものとする。ムービングコイル方式とは、ワイヤレス充電器に内蔵された検出コイルによって、二次コイルのおおよその位置を検出し、その位置にワイヤレス充電器のムービングコイル(一次コイル)を移動させることでコイル同士の位置関係を調整する方式のことである。ワイヤレス充電器10の位置検出部11は、二次コイル23の位置を検出する(S11)。位置検出部11は、前述したように検出コイルによって実現可能である。この場合、検出コイルがワイヤレス充電器10の筐体内部の可動範囲を走査して、二次コイル23の大まかな位置を検出する。初期位置調整部12は、位置検出部11が検出した二次コイル23の大まかな位置に基づいて、一次コイル13を移動させ、試験的に電力伝送を開始して、充電効率が最大となる最適な位置(一次コイル13の軸心と、二次コイル23の軸心とが一致する位置、以下、初期位置という)に一次コイル13の位置を調整する(S12)。ワイヤレス充電器10の認証部14は、一次コイル13を通じて携帯端末20に認証要求を送信する(S14a)。
【0014】
携帯端末20の二次コイル23は、ワイヤレス充電器10から認証要求を受信する。携帯端末20の認証部24は、二次コイル23から認証要求を取得して、二次コイル23を通じてワイヤレス充電器10に認証情報を送信する(S24)。携帯端末20の電波強度情報生成部28は、認証要求の受信をトリガとして、電波強度測定部26により測定され端末メモリ部27に記憶された電波強度に基づいて、携帯端末20の充電開始時(この場合は、認証要求時刻から逆算した充電開始時刻を指す)より所定時間前の電波の強度を示す情報(以下、電波強度情報という)を生成する(S28a)。二次コイル23は、当該生成された電波強度情報をワイヤレス充電器10に送信する(S23a)。
【0015】
ワイヤレス充電器10の一次コイル13は認証情報、電波強度情報を受信する。ワイヤレス充電器10の認証部14は、一次コイル13から認証情報を取得して、携帯端末20の認証を行う(S14b)。認証成功は、携帯端末20がワイヤレス充電器10において電力供給可能な機器であることを示す。認証失敗は、携帯端末20がワイヤレス充電器10によって電力供給することが出来ない機器であることを示す。充電器メモリ部17は、一次コイル13から電波強度情報を取得して、当該電波強度情報を記憶する(S17a)。充電電力制御部15は、電源部16からの供給電力により一次コイル13への送電を制御し、認証部14による認証が成功した場合に携帯端末20の充電を開始する(S15a)。充電電力制御部15は、携帯端末20の充電開始と同時に充電開始信号を生成する(S15b)。一次コイル13は、生成された充電開始信号を携帯端末20に送信する(S13)。
【0016】
携帯端末20の二次コイル23は、充電開始信号を受信する。電波強度情報生成部28は、二次コイル23から充電開始信号を取得した場合に、電波強度測定部26により測定され端末メモリ部27に記憶された電波強度に基づいて、充電開始時(この場合は、充電開始信号取得時刻から逆算した充電開始時刻を指す)より所定時間前の電波の強度を示す情報(電波強度情報)を生成する(S28b)。二次コイル23は、生成された電波強度情報をワイヤレス充電器10に送信する(S23b)。
【0017】
ワイヤレス充電器10の一次コイル13は、電波強度情報を受信する。充電器メモリ部17は、一次コイル13から電波強度情報を取得して、当該電波強度情報を記憶する(S17b)。電波強度表示部18は、充電器メモリ部17に記憶された電波強度情報を表示する(S18)。
【0018】
ここで、電波強度情報生成部28は、認証要求取得時、充電開始信号取得時の双方をトリガとして、電波強度情報を二回生成することとしているが、本発明の電波強度表示システム100はこれに限られず、例えば電波強度情報生成部28は、認証要求取得時に限り電波強度情報を生成することとしてもよいし、充電開始信号取得時に限り電波強度情報を生成することとしてもよい。電波強度情報生成部28が認証要求取得時に限り電波強度情報を生成することとした場合は、ステップS15b、S13、S28b、S23b、S17bは実行されない。電波強度情報生成部28が充電開始信号取得時に限り電波強度情報を生成することとした場合は、ステップS28a、S23a、S17aは実行されない。
【0019】
本実施例の電波強度表示システム100によれば、携帯端末20の端末メモリ部27に所定時刻毎に電波強度測定部26が測定した電波強度を蓄積しておき、電波強度情報生成部28が充電開始時より所定時間前の電波の強度を示す電波強度情報を生成し、ワイヤレス充電器10の電波強度表示部18が当該生成された電波強度情報を表示するため、ワイヤレス充電器10にワイヤレス充電器10近傍の電波強度を正しく表示させることができる。
【実施例2】
【0020】
次に、実施例1の電波強度表示システムに複数の電波強度を同時に表示させる機能を付加した実施例2に係る電波強度表示システムについて、図4、図5、図6、図9、図10を参照して詳細に説明する。図4は本実施例に係る電波強度表示システム200の構成を示すブロック図である。図5は本実施例に係る電波強度表示システム200の動作を示すフローチャートである。図6は本実施例に係る電波強度表示システム200の動作を示すシーケンス図である。図10は本実施例または実施例3において生成される電波強度情報を例示する図である。本実施例の電波強度表示システム200は、ワイヤレス充電器30と、携帯端末40とからなる。本実施例のワイヤレス充電器30は、位置検出部11と、初期位置調整部12と、一次コイル13と、認証部14と、充電電力制御部15と、電源部16と、充電器メモリ部37と、電波強度表示部38とを備える。本実施例の携帯端末40は、二次コイル23と、認証部24と、電波受信部45と、電波強度測定部46と、端末メモリ部47と、電波強度情報生成部48とを備える。実施例1の電波強度表示システム100と本実施例の電波強度表示システム200の相違点は、実施例1のワイヤレス充電器10の充電器メモリ部17、電波強度表示部18が本実施例のワイヤレス充電器30において充電器メモリ部37、電波強度表示部38に変更されている点、実施例1の携帯端末20の電波受信部25、電波強度測定部26、端末メモリ部27、電波強度情報生成部28が本実施例の携帯端末40において電波受信部45、電波強度測定部46、端末メモリ部47、電波強度情報生成部48に変更されている点である。従って、実施例1の電波強度表示システム100と同一番号を付した本実施例の電波強度表示システム200における各構成部の説明を割愛する。
【0021】
以下、携帯端末40の待ち受け状態における動作について説明する。携帯端末40の電波受信部45は、移動体通信に用いられる周波数帯であって、複数の種類の電波を受信する(S45)。電波強度測定部46は、予め定めた所定の時間経過ごとに複数の種類の電波強度を測定する(S46)。端末メモリ部47は、測定された複数の種類の電波強度を記憶する(S47)。以上のステップS45〜S47は、携帯端末40の待ち受け状態において、予め定めた所定の時間経過ごとに実行される。ステップS45〜S47は携帯端末40がワイヤレス充電器30により充電されている場合には、実行されない。端末メモリ部47は、例えば図9のように所定時間(5分)経過おきに測定される電波強度を、事業者毎、通信方式毎、周波数帯毎に別テーブルに管理して記憶する。図9では、(事業者/通信方式/周波数帯)=(A/W−CDMA/BandI)のテーブルが例示されているが、この他にも(事業者/通信方式/周波数帯)=(A/W−CDMA/BandVI)、(事業者/通信方式/周波数帯)=(B/W−CDMA/BandVI)など、事業者、通信方式、周波数帯の組み合わせに応じて、別テーブルが適宜生成される。実施例1と同様、電波強度情報生成部48は、ワイヤレス充電器30からのトリガ(認証要求、充電開始信号)取得時に、充電開始時より所定時間前の電波の強度を示す電波強度情報を生成する(S48a、S48b)。実施例1の電波強度情報が事業者、通信方式、周波数帯を一つに限り、電波の強度を示すデータであったのに対し、本実施例において生成される電波強度情報は複数の事業者、通信方式、周波数帯の電波強度を同時に、並列に示すデータである点が異なる。本実施例において、ある時刻に生成される電波強度情報は例えば図10のテーブルのようになる。二次コイル23は、このように生成された電波強度情報をワイヤレス充電器30に送信する(S23a、S23b)。
【0022】
ワイヤレス充電器30の一次コイル13は、電波強度情報を受信する。充電器メモリ部37は、一次コイル13から電波強度情報を取得して、当該電波強度情報を記憶する(S37a、S37b)。電波強度表示部38は、充電器メモリ部37に記憶された電波強度情報を表示する(S38)。実施例1において、ワイヤレス充電器10の電波強度表示部18が表示する電波強度が一種類のみであったのに対し、本実施例においては、電波強度表示部38は複数の事業者、通信方式、周波数帯の電波強度を同時に、並列に表示することができる。
【0023】
本実施例の電波強度表示システム200によれば、実施例1の効果に加え、事業者、通信方式、周波数帯の組み合わせ毎に、ワイヤレス充電器30にワイヤレス充電器30近傍の電波強度を正しく表示させることができるため、例えば公共の場所などに本実施例のワイヤレス充電器30を設置して、不特定多数のユーザが電波状況を確認したいときなどに、事業者、通信方式、周波数帯の組み合わせ毎に、電波状況を確認することができるため、ユーザの利便性が高まる。
【実施例3】
【0024】
次に、実施例2の電波強度表示システムに電波強度を重みづけ加算により更新する機能を付加した実施例3に係る電波強度表示システムについて、図7、図8を参照して詳細に説明する。図7は本実施例に係る電波強度表示システム300の構成を示すブロック図である。図8は本実施例に係る電波強度表示システム300の動作を示すシーケンス図である。本実施例の電波強度表示システム300は、ワイヤレス充電器50と、携帯端末40とからなる。本実施例のワイヤレス充電器50は、位置検出部11と、初期位置調整部12と、一次コイル13と、認証部14と、充電電力制御部15と、電源部16と、充電器メモリ部37と、電波強度表示部38と、メモリ更新部51とを備える。本実施例の携帯端末40は実施例2の携帯端末40と全く同じである。実施例2の電波強度表示システム200と本実施例の電波強度表示システム300の相違点は、実施例2のワイヤレス充電器30が備えないメモリ更新部51を本実施例のワイヤレス充電器50が備えている点のみである。従って、実施例2の電波強度表示システム200と同一番号を付した本実施例の電波強度表示システム300における各構成部の説明を割愛する。
【0025】
本実施例のワイヤレス充電器50が備えるメモリ更新部51は、ステップS37a、S37bにおいて新たに受信した電波強度情報を記憶した後、充電器メモリ部37に記憶された新たに受信した電波強度情報に、過去に受信した電波強度情報を重みづけ加算して更新する(S51a、S51b)。充電器メモリ部37に記憶された最新の電波強度をy(0)とし、全N回(Nは2以上の整数)の測定のうち、最新の測定から数えてn回前(nは0≦n≦N−1を充たす整数)に測定され、充電器メモリ部37に記憶されている電波強度をy(n)とし、y(n)に対する重み付け係数をw(n)と表すこととすると、重み付け加算は以下のように表記することができる。
【0026】
【数1】

【0027】
この重み付け加算の演算は、事業者、通信方式、周波数帯の組み合わせ毎に行われ、事業者、通信方式、周波数帯の組み合わせ毎に重み付け加算後の電波強度Yが生成される。過去の測定データである電波強度y(0)、y(1)、…、y(N)は上書きされること無く、充電器メモリ部37に記憶され、最新の電波強度が取得される度に、番号を振り直される。本実施例のワイヤレス充電器50が備える電波強度表示部38は、上述のようにして求めた重み付け加算後の電波強度Yを事業者、通信方式、周波数帯の組み合わせ毎に表示する(S38)。
【0028】
本実施例の電波強度表示システム300によれば、実施例2の効果に加え、ワイヤレス充電器50に重み付け加算後の電波強度Yを表示させることができるため、何らかの要因で、ある時刻の電波強度の測定に大きな誤差が生じた場合であっても、この誤差の影響を少なくして、ワイヤレス充電器50近傍の電波強度を正しく表示させることができる。
【0029】
また、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0030】
また、上述の構成をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0031】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
【0032】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0033】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0034】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス充電器と、携帯端末とからなる電波強度表示システムであって、
前記ワイヤレス充電器は、
前記携帯端末の充電開始時より所定時間前の電波の強度を示す情報(以下、電波強度情報という)を受信する一次コイルと、
前記一次コイルへの送電を制御する充電電力制御部と、
前記受信した電波強度情報を記憶する充電器メモリ部と、
前記記憶された電波強度情報を表示する電波強度表示部と、
を備え、
前記携帯端末は、
前記電波強度情報を送信する二次コイルと、
電波を受信する電波受信部と、
一定時刻おきに電波強度を測定する電波強度測定部と、
前記測定された電波強度に基づいて前記電波強度情報を生成する電波強度情報生成部と、
を備えることを特徴とする電波強度表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電波強度表示システムであって、
前記携帯端末の電波受信部が、
複数の種類の電波を受信し、
前記携帯端末の電波強度測定部が、
一定時刻おきに、前記複数の種類の電波強度を測定し、
前記携帯端末の電波強度情報生成部が、
前記測定された複数の種類の電波強度に基づいて前記電波強度情報を生成すること
を特徴とする電波強度表示システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電波強度表示システムであって、
前記ワイヤレス充電器が、
前記充電器メモリ部に記憶された新たに受信した電波強度情報に、過去に受信した電波強度情報を重みづけ加算して更新するメモリ更新部
をさらに備えることを特徴とする電波強度表示システム。
【請求項4】
ワイヤレス充電器と、携帯端末とを用いる電波強度表示方法であって、
前記ワイヤレス充電器は、
前記携帯端末の充電開始時より所定時間前の電波の強度を示す情報(以下、電波強度情報という)を受信する一次コイルステップと、
前記ワイヤレス充電器が備える一次コイルへの送電を制御する充電電力制御ステップと、
前記受信した電波強度情報を記憶する充電器メモリステップと、
前記記憶された電波強度情報を表示する電波強度表示ステップと、
を実行し、
前記携帯端末は、
前記電波強度情報を送信する二次コイルステップと、
電波を受信する電波受信ステップと、
一定時刻おきに電波強度を測定する電波強度測定ステップと、
前記測定された電波強度に基づいて前記電波強度情報を生成する電波強度情報生成ステップと、
を実行することを特徴とする電波強度表示方法。
【請求項5】
請求項4に記載の電波強度表示方法であって、
前記携帯端末の電波受信ステップが、
複数の種類の電波を受信し、
前記携帯端末の電波強度測定ステップが、
一定時刻おきに、前記複数の種類の電波強度を測定し、
前記携帯端末の電波強度情報生成ステップが、
前記測定された複数の種類の電波強度に基づいて前記電波強度情報を生成すること
を特徴とする電波強度表示方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の電波強度表示方法であって、
前記ワイヤレス充電器が、
前記充電器メモリステップにおいて記憶された新たに受信した電波強度情報に、過去に受信した電波強度情報を重みづけ加算して更新するメモリ更新ステップ
をさらに実行することを特徴とする電波強度表示方法。
【請求項7】
請求項4から6の何れかに記載の電波強度表示方法を実行すべき指令をワイヤレス充電器、および携帯端末に対してするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−110498(P2013−110498A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252430(P2011−252430)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】