説明

電波解析システム、電波測定用チップ、情報端末装置およびサーバ装置

【課題】 専門的知識や経験の無い作業者による電波特性の測定を容易にする電波解析システム、電波測定用チップ、情報端末装置およびサーバ装置を提供する。
【解決手段】 電波特性に関する情報を収集する収集部および入出力インタフェースを少なくとも備え、情報端末装置または電波の線路設備内に付設される測定装置と、測定装置から電波特性に関する情報を入力する端末用入出力インタフェース、通信ネットワークを介して情報を送受信する端末用送受信部、を備える通信端末装置と、通信ネットワークを介して情報を送受信するサーバ用送受信部、通信ネットワークを介して受信した電波特性に関する情報を解析する解析部、および解析結果を画像情報に加工する加工部を備え、通信端末装置からの送信要求に応じて加工された画像情報を通信端末装置へ送信するサーバ装置と、から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送波(地上デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送、デジタルCATV放送等)および、その他通信に用いられるデジタル変調波全般、ならびに放送・通信に用いられるアナログ変調波全般における高周波キャリア・RF波の電波解析システム、電波測定用チップ、情報端末装置およびサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、テレビ放送、ラジオ放送または通信の各種サービスの分野では、受信装置側の受信状態が悪い場合に、検査のためサービス提供者が高周波キャリア・RF波の電波特性を測定している。そのような電波特性の測定を必要とする場合には、観測・数値検出、収集、解析、出力といった電波測定に必要な全ての機能を有する測定機器を測定地点へ運び入れて測定する方法が採られている。たとえば、全ての機能を一つの装置内に有する測定機器には、スペクトラムアナライザがある。また、主に観測・数値検出の機能のみを有する測定機器を測定地点へ運び入れ、パーソナルコンピュータ(PC)に直接接続してデータの解析、出力を行なう方法が採られることもある。
【0003】
一方、従来から、プラント設備の保守・点検に通信ネットワークを用いて、遠隔地で解析や管理を行なうシステムが知られている。たとえば、特許文献1には、遠隔地のセンターコンピュータの支援のもとに行なわれる検査システムが記載されている。その検査システムでは、作業員がセンサ、コントローラおよびPHS端末を携帯し、センサを被検査物に装着して、被検査物の振動、音響、圧力または温度等の物理量を測定する。そして、コントローラおよび通信端末により通信回線を介して遠隔地の検査支援システムと双方向情報伝達を行い、検査支援システムが測定結果の正常または異常の判定を行なっている。コントローラには、判定結果がリアルタイムで表示される。
【0004】
また、特許文献2には、通信手段を用いて遠隔計測を行なう計測サービスシステムが記載されている。その計測サービスシステムでは、理化学装置のデータ等を検出する検出装置と、検出装置に接続されインターネット等の回線を用いて検出信号をサーバに送信する一方、測定結果を受信、表示するクライアント装置と、スペクトラムアナライザ等の測定手段を有するサーバ装置とを備えている。
【特許文献1】特開平10−144790号公報
【特許文献2】再表01/067419号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、今日のデジタル放送が一般化されつつある放送・通信等の分野では、提供するサービス品質の確保のため、伝送路上ならびにテレビ受信機等の情報端末機器へ到達する高周波キャリア・RF波を確立し、日常的に維持するとともに、それらの高周波キャリア・RF波に何らかの問題が生じた場合は、適切な処理を速やかにしなければならず、これら一連の活動には、高周波キャリア・RF波の状況を測定する様々な測定機器を用いて、電波特性を測定することが必須となる。このような機器の設置、設定または操作を含めた取扱いは、一般ユーザーまたは不慣れな技術者にとっては困難である。したがって、電波特性の測定の際には、装置の操作方法を熟知した技術者が観測・測定地点に測定機器を持ち込み、その場で直接測定をしなければならなかった。
【0006】
また、測定後に測定機器より出力される値の評価・分析作業についても、同様に知識や経験が必要である。さらに、測定の結果、受信状態の異常が確認された場合には、原因究明と修復作業を行なう必要がある。この段階においても、経験や知識の無い者には、原因を究明し、適切な修復作業を行なうのは困難である。したがって、原因究明や修復作業を行なう際にも、専門知識を有する技術者が立ち会わねばならず、作業が効率的ではなかった。
【0007】
上記課題の対策として、測定機器本体、または測定機器に接続した外部の記録媒体やPCにデータ値や出力波形の記録を残し、測定作業後、記録を持ち帰り、評価・分析作業を行なう方法がある。しかし、その評価・分析にあたっては、専門知識を有する技術者により、それら作業を行わなければならないことには変わりはない。また、測定機器本体の移動、設置、設定等の困難性や煩雑さについても、抜本的な解決がなされていない。
【0008】
また、汎用の携帯端末とは異なり、種々の解析機能を有する測定機器は高価であり、使用頻度が少ないため、保有数が限られている。したがって、すべての測定機器が持ち出されている場合には、電波特性を測定すべき地点に測定機器を持ち込むことができない。
【0009】
一方で、デジタル技術を基本とした各種サービスの拡大に伴い、その測定項目および内容が拡大する。そこで、測定、評価および分析の作業を行なう技術者には、より高い知識やスキルを伴うサービスを提供することが求められている。
【0010】
また、他の分野では、通信ネットワークを用いて、測定現場で得た測定値を遠隔地で解析するシステムが提案されているが、いずれも上記の課題を解決するのは困難である。たとえば、特許文献1に記載される検査システムでは、測定信号が入力される検出部(コントローラ)とPHS端末とがセットにされて、保守点検作業員に携帯されるものであり、測定時における作業員による検出部の接続および設定が容易であることが前提とされている。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、専門的知識や経験の無い作業者による電波特性の測定を容易にする電波解析システム、電波測定用チップ、情報端末装置およびサーバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)上記の目的を達成するため、本発明の電波解析システムは、電波特性に関する情報を収集する収集部、および前記収集した情報を出力する入出力インタフェースを少なくとも備え、情報端末装置または電波の線路設備内に付設される測定装置と、前記測定装置から電波特性に関する情報を入力する端末用入出力インタフェース、通信ネットワークを介して情報を送受信する端末用送受信部、を少なくとも備える通信端末装置と、前記通信ネットワークを介して情報を送受信するサーバ用送受信部、前記通信ネットワークを介して受信した前記電波特性に関する情報を解析する解析部、および前記解析結果を画像情報に加工する加工部を少なくとも備え、前記通信端末装置からの送信要求に応じて前記加工された画像情報を前記通信端末装置へ送信するサーバ装置と、から構成され、前記測定装置および前記通信端末装置の少なくとも一方は、測定に必要な情報を表示する表示部を更に備えることを特徴としている。
【0013】
このように、本発明の電波解析システムは、データの解析をサーバ装置で行なう。その一方で、測定地点で使用される測定装置は、主に測定した数値の検出または収集の機能のみを有している。これにより、測定機器が必要なくなり、操作、測定結果の評価・分析、および原因究明や修復の作業を著しく容易にすることができる。そして、専門知識や経験等のスキルがない作業者による、測定および対処を容易にすることができる。その結果、工事・保守作業の作業効率、正確性、および経済性を著しく向上させることができる。
【0014】
また、測定にスペクトラムアナライザ等の高価で重量の大きい測定機器が必要なくなる。したがって、測定機器が不足して作業を進められないという事態を解消することができる。また、測定機器を持ち運ぶ必要がなくなり、作業者への負担を軽減することができる。
【0015】
また、スペクトラムアナライザ等の個々の測定機器を買い換えずに、サーバ装置の更新のみで解析機能のバージョンアップを可能にし、バージョンアップを容易にすることができる。特に、デジタル技術を基本とした各種サービスの拡大に伴い、その測定項目および内容が拡大している近年の状況に対応することができる。
【0016】
また、法律の改正や技術基準の改正等により、規定値に変更が生じた場合においても同様である。すなわち、測定値が規定範囲内に入っていないときに提供する処置に変更や追加が生じた場合に、サーバ装置でデータベースの更新や設定変更を行なうことにより、一括して更新することができ、常に最新のサービスを利用者に提供することができる。
【0017】
(2)また、本発明の電波解析システムは、前記測定装置、前記通信端末装置および前記サーバ装置の少なくとも一つは、前記収集部が収集した情報を蓄積する蓄積部をさらに備えることを特徴としている。
【0018】
これにより、一定時間の測定の履歴を蓄積しておき、後で必要な時間帯のデータを取り出して利用することが可能になる。特に測定装置に収集部を設けた場合には、一日のうちのある時間帯のみ信号強度が低下するような場合に、その時間帯に作業者が現場にいなくても、蓄積された情報により電波特性の測定を行なうことができる。
【0019】
(3)また、本発明の電波解析システムは、前記測定装置、前記通信端末装置および前記サーバ装置の少なくとも一つは、前記収集部が情報を収集する測定項目および測定範囲を自動的に選択する選択部をさらに備え、前記収集部は、選択された前記測定項目および前記測定範囲に基づいて、電波特性に関する情報を収集することを特徴としている。
【0020】
これにより、保守作業員が測定地にいない場合でも、電波解析システムは適切な測定項目や測定範囲について、自動で測定し情報を収集することが可能となる。その結果、保守作業員による操作を待たずに、ユーザーが簡易な操作により電波特性の測定および解析を行なうことを可能とする。
【0021】
(4)また、本発明の電波解析システムは、前記測定装置は、
前記入出力インタフェースを介して前記通信端末装置から測定項目および測定範囲を特定する信号を入力し、または測定項目および測定範囲を特定する信号の入力を受け付ける操作部を備え、前記収集部は、前記入出力インタフェースからの入力、または前記操作部からの入力により特定された前記測定項目および前記測定範囲に基づいて、電波特性に関する情報を収集することを特徴としている。
【0022】
これにより、測定項目および測定範囲を作業者が決定することができ、柔軟に電波特性の測定を可能にする。たとえば、経験や専門的知識を有する保守作業員が、自己の判断に基づいて、必要と考えられる項目や範囲について測定を行なうことができる。その結果、作業効率が向上する。
【0023】
(5)また、本発明の電波解析システムは、電波特性に関する情報を収集する収集部、前記収集した情報を、通信ネットワークを介して送受信するチップ用送受信部、測定に必要な情報を表示する表示部を少なくとも備え、チップとして情報端末装置または電波の線路設備内に付設される測定装置と、
前記通信ネットワークを介して情報を送受信するサーバ用送受信部、前記通信ネットワークを介して受信した前記電波特性に関する情報を解析する解析部、および前記解析結果を画像情報に加工する加工部を少なくとも備え、前記通信端末装置からの送信要求に応じて前記加工された画像情報を前記通信端末装置へ送信するサーバ装置と、から構成されることを特徴としている。
【0024】
このように、本発明の電波解析システムは、データの解析をサーバ装置で行なう。その一方で、測定地点で使用される測定装置は、主に測定した数値の検出または収集の機能のみを有している。これにより、測定機器が必要なくなり、操作、測定結果の評価・分析、および原因究明や修復の作業を著しく容易にすることができる。そして、専門知識や経験等のスキルがない作業者による、測定および対処を容易にすることができる。その結果、工事・保守作業の作業効率、正確性、および経済性を著しく向上させることができる。
【0025】
また、測定にスペクトラムアナライザ等の高価で重量の大きい測定機器が必要なくなる。したがって、測定機器が不足して作業を進められないという事態を解消することができる。また、測定機器を持ち運ぶ必要がなくなり、作業者への負担を軽減することができる。
【0026】
また、スペクトラムアナライザ等の個々の測定機器を買い換えずに、サーバ装置の更新のみで解析機能のバージョンアップを可能にし、バージョンアップを容易にすることができる。特に、デジタル技術を基本とした各種サービスの拡大に伴い、その測定項目および内容が拡大している近年の状況に対応することができる。
【0027】
また、法律の改正や技術基準の改正等により、規定値に変更が生じた場合においても同様である。すなわち、測定値が規定範囲内に入っていないときに提供する処置に変更や追加が生じた場合に、サーバ装置でデータベースの更新や設定変更を行なうことにより、一括して更新することができ、常に最新のサービスを利用者に提供することができる。
【0028】
(6)また、本発明の電波解析システムは、前記測定装置および前記サーバ装置の少なくとも一方は、前記収集部が収集した情報を蓄積する蓄積部を更に備えることを特徴としている。
【0029】
これにより、一定時間の測定の履歴を蓄積しておき、後で必要な時間帯のデータを取り出して利用することが可能になる。特に測定装置に収集部を設けた場合には、一日のうちのある時間帯のみ信号強度が低下するような場合に、その時間帯に作業者が現場にいなくても、電波特性の測定を行なうことができる。
【0030】
(7)また、本発明の電波解析システムは、前記測定装置および前記サーバ装置の少なくとも一方は、前記収集部が情報を収集する測定項目および測定範囲を自動的に選択する選択部を更に備え、前記収集部は、選択された前記測定項目および前記測定範囲に基づいて、電波特性に関する情報を収集することを特徴としている。
【0031】
これにより、保守作業員が測定地にいない場合でも、電波解析システムは適切な測定項目や測定範囲について、自動で測定し情報を収集することが可能となる。その結果、作業員による操作を待たずに、ユーザーは、簡易な操作により電波特性の問題に対処することができる。
【0032】
(8)また、本発明の電波解析システムは、前記測定装置は、測定項目および測定範囲を特定する信号の入力を受け付ける操作部を備え、前記収集部は、特定された前記測定項目および前記測定範囲に基づいて、電波特性に関する情報を収集することを特徴としている。
【0033】
これにより、測定項目および測定範囲を作業者が決定することができ、柔軟に電波特性の測定を行なうことができる。たとえば、経験や専門的知識を有する保守作業員が、自己の判断に基づいて、必要と考えられる項目や範囲について測定を行なうことができる。その結果、作業効率が向上する。
【0034】
(9)また、本発明の電波解析システムは、前記サーバ装置は、規定値および測定対象機器の対処方法に関する情報を蓄積したデータベースと、前記データベースから規定値または前記解析結果に応じた対処方法に関する情報を抽出する抽出部と、を更に備え、前記加工部は、前記抽出された対処方法に関する情報を前記解析結果と共に前記画像情報に加工することを特徴としている。
【0035】
これにより、測定作業のみならず、原因究明および修復の作業をも容易にすることができる。したがって、たとえば電波特性上の問題が生じたときに、専門的知識や経験のないユーザー等の作業者であっても、簡易に原因を究明し、修復方法を知ることができる。また、修復方法が簡易であれば、修復までの作業をすべてユーザー等が行なうことを可能にする。また、対処方法が変更されたときには、サーバ装置を更新することにより、容易に更新を行なうことができる。
【0036】
(10)また、本発明の電波解析システムは、前記サーバ装置における加工部は、前記解析結果または前記対処方法に関する情報をWEB形式の画像情報に加工し、前記サーバ装置は、前記加工部で加工された前記画像情報を蓄積する画像情報蓄積部を更に備え、前記サーバ用送受信部は、送信要求に応じて前記画像情報を前記画像情報蓄積部から読み出し、通信ネットワークを介して送信することを特徴としている。
【0037】
このように、本発明の電波解析システムは、最終出力をサーバ装置にアップロードし、WEBブラウザで閲覧できるようにする。これにより、インターネットに接続可能な環境があれば場所を問わず、電波測定の結果を知ることができる。特に、通信端末装置で結果を閲覧する場合には、インターネット接続が可能なものであれば、PCのみならず現在、広く活用されている携帯電話機、PDA端末等を使用することができる。この結果、簡易に測定、処置、または確認等を行なうことができる。
【0038】
(11)また、本発明の電波測定用チップは、電波特性に関する情報を収集する収集部と、前記収集した情報を、通信ネットワークに接続し得る通信端末装置に出力する入出力インタフェースと、を少なくとも備えることを特徴としている。
【0039】
これにより、電波特性のデータの解析を行なうサーバ装置を設ければ、通信端末装置さえあれば測定機器が必要なくなり、操作、測定結果の評価・分析、および原因究明や修復の作業を著しく容易にすることができる。そして、専門知識や経験等のスキルがない作業者による、測定および対処を容易にすることができる。その結果、工事・保守作業の作業効率、正確性、および経済性を著しく向上させることができる。
【0040】
また、測定にスペクトラムアナライザ等の高価で重量の大きい測定機器が必要なくなる。したがって、測定機器が不足して作業を進められないという事態を解消することができる。また、測定機器を持ち運ぶ必要がなくなり、作業者への負担を軽減することができる。また、測定装置をチップ化しているため、テレビ等の情報端末装置に容易に組み込むことができ、幅広い利用を可能にする。
【0041】
(12)また、本発明の電波測定用チップは、電波特性に関する情報を収集する収集部と、前記収集した情報を、通信ネットワークを介して送受信するチップ用送受信部と、前記通信ネットワークを介して受信した情報を表示する表示部と、を少なくとも備えることを特徴としている。
【0042】
これにより、電波特性のデータの解析を行なうサーバ装置を設ければ、測定機器が必要なくなり、操作、測定結果の評価・分析、および原因究明や修復の作業を著しく容易にすることができる。そして、専門知識や経験等のスキルがない作業者による、測定および対処を容易にすることができる。その結果、工事・保守作業の作業効率、正確性、および経済性を著しく向上させることができる。
【0043】
また、測定にスペクトラムアナライザ等の高価で重量の大きい測定機器が必要なくなる。したがって、測定機器が不足して作業を進められないという事態を解消することができる。また、測定機器を持ち運ぶ必要がなくなり、作業者への負担を軽減することができる。また、測定装置をチップ化しているため、テレビ等の情報端末装置に容易に組み込むことができ、幅広い利用を可能にする。
【0044】
(13)また、本発明の情報端末装置は、上記の電波測定用チップを備えることを特徴としている。これにより、検出部分の接続や設定の手間を省くことができ、そのまま情報端末装置に関する電波特性を測定することを可能にする。
【0045】
(14)また、本発明のサーバ装置は、電波特性を測定する測定装置または前記測定装置に接続可能な通信端末装置との間で通信ネットワークを介して情報を送受信するサーバ用送受信部と、前記通信ネットワークを介して受信した電波特性に関する情報を解析する解析部と、前記解析結果を画像情報に加工する加工部と、を少なくとも備え、前記測定装置または前記通信端末装置からの送信要求に応じて前記加工された画像情報を送信することを特徴としている。
【0046】
これにより、電波特性の測定と測定値の送信を行なう装置があれば、測定機器が必要なくなり、操作、測定結果の評価・分析、および原因究明や修復の作業を著しく容易にすることができる。そして、専門知識や経験等のスキルがない作業者による、測定および対処を容易にすることができる。その結果、工事・保守作業の作業効率、正確性、および経済性を著しく向上させることができる。
【0047】
また、測定にスペクトラムアナライザ等の高価で重量の大きい測定機器が必要なくなる。したがって、測定機器が不足して作業を進められないという事態を解消することができる。また、測定機器を持ち運ぶ必要がなくなり、作業者への負担を軽減することができる。
【0048】
また、スペクトラムアナライザ等の個々の測定機器を買い換えずに、サーバ装置の更新のみで解析機能のバージョンアップを可能にし、バージョンアップを容易にすることができる。特に、デジタル技術を基本とした各種サービスの拡大に伴い、その測定項目および内容が拡大している近年の状況に対応することができる。
【0049】
また、法律の改正や技術基準の改正等により、規定値に変更が生じた場合においても同様である。すなわち、測定値が規定範囲内に入っていないときに提供する処置に変更や追加が生じた場合に、サーバ装置でデータベースの更新や設定変更を行なうことにより、一括して更新することができ、常に最新のサービスを利用者に提供することができる。
【0050】
(15)また、本発明の電波解析システムは、電波特性に関する情報を収集する収集部、および前記収集した情報を出力する入出力インタフェースを少なくとも備え、専用端末装置に付設される測定装置と、前記測定装置から電波特性に関する情報を入力する端末用入出力インタフェース、通信ネットワークを介して情報を送受信する端末用送受信部、を少なくとも備える通信端末装置と、前記通信ネットワークを介して情報を送受信するサーバ用送受信部、前記通信ネットワークを介して受信した前記電波特性に関する情報を解析する解析部、および前記解析結果を画像情報に加工する加工部を少なくとも備え、前記通信端末装置からの送信要求に応じて前記加工された画像情報を前記通信端末装置へ送信するサーバ装置と、から構成され、前記測定装置および前記通信端末装置の少なくとも一方は、測定に必要な情報を表示する表示部を更に備えることを特徴としている。
【0051】
これにより、測定機器が必要なくなり、操作、測定結果の評価・分析、および原因究明や修復の作業を著しく容易にすることができる。そして、専門知識や経験等のスキルがない作業者による、測定および対処を容易にすることができる。その結果、工事・保守作業の作業効率、正確性、および経済性を著しく向上させることができる。
【0052】
また、測定にスペクトラムアナライザ等の高価で重量の大きい測定機器が必要なくなる。したがって、測定機器が不足して作業を進められないという事態を解消することができる。また、測定機器を持ち運ぶ必要がなくなり、作業者への負担を軽減することができる。
【0053】
また、スペクトラムアナライザ等の個々の測定機器を買い換えずに、サーバ装置の更新のみで解析機能のバージョンアップを可能にし、バージョンアップを容易にすることができる。特に、デジタル技術を基本とした各種サービスの拡大に伴い、その測定項目および内容が拡大している近年の状況に対応することができる。
【0054】
また、法律の改正や技術基準の改正等により、規定値に変更が生じた場合においても同様である。すなわち、測定値が規定範囲内に入っていないときに提供する処置に変更や追加が生じた場合に、サーバ装置でデータベースの更新や設定変更を行なうことにより、一括して更新することができ、常に最新のサービスを利用者に提供することができる。
【0055】
(16)また、本発明の電波解析システムは、電波特性に関する情報を収集する収集部、前記収集した情報を、通信ネットワークを介して送受信する測定装置用送受信部、測定に必要な情報を表示する表示部を少なくとも備え、専用端末装置に付設される測定装置と、前記通信ネットワークを介して情報を送受信するサーバ用送受信部、前記通信ネットワークを介して受信した前記電波特性に関する情報を解析する解析部、および前記解析結果を画像情報に加工する加工部を少なくとも備え、前記通信端末装置からの送信要求に応じて前記加工された画像情報を前記通信端末装置へ送信するサーバ装置と、から構成されることを特徴としている。
【0056】
これにより、測定機器が必要なくなり、操作、測定結果の評価・分析、および原因究明や修復の作業を著しく容易にすることができる。そして、専門知識や経験等のスキルがない作業者による、測定および対処を容易にすることができる。その結果、工事・保守作業の作業効率、正確性、および経済性を著しく向上させることができる。
【0057】
また、測定にスペクトラムアナライザ等の高価で重量の大きい測定機器が必要なくなる。したがって、測定機器が不足して作業を進められないという事態を解消することができる。また、測定機器を持ち運ぶ必要がなくなり、作業者への負担を軽減することができる。
【0058】
また、スペクトラムアナライザ等の個々の測定機器を買い換えずに、サーバ装置の更新のみで解析機能のバージョンアップを可能にし、バージョンアップを容易にすることができる。特に、デジタル技術を基本とした各種サービスの拡大に伴い、その測定項目および内容が拡大している近年の状況に対応することができる。
【0059】
また、法律の改正や技術基準の改正等により、規定値に変更が生じた場合においても同様である。すなわち、測定値が規定範囲内に入っていないときに提供する処置に変更や追加が生じた場合に、サーバ装置でデータベースの更新や設定変更を行なうことにより、一括して更新することができ、常に最新のサービスを利用者に提供することができる。
【発明の効果】
【0060】
本発明の電波解析システムによれば、測定機器が必要なくなり、操作、測定結果の評価・分析、および原因究明や修復の作業を著しく容易にすることができる。そして、専門知識や経験等のスキルがない作業者による、測定および対処を容易にすることができる。その結果、工事・保守作業の作業効率、正確性、および経済性を著しく向上させることができる。
【0061】
また、測定にスペクトラムアナライザ等の高価で重量の大きい測定機器が必要なくなる。したがって、測定機器が不足して作業を進められないという事態を解消することができる。また、測定機器を持ち運ぶ必要がなくなり、作業者への負担を軽減することができる。
【0062】
また、スペクトラムアナライザ等の個々の測定機器を買い換えずに、サーバ装置の更新のみで解析機能のバージョンアップを可能にし、バージョンアップを容易にすることができる。特に、デジタル技術を基本とした各種サービスの拡大に伴い、その測定項目および内容が拡大している近年の状況に対応することができる。
【0063】
また、法律の改正や技術基準の改正等により、規定値に変更が生じた場合においても同様である。すなわち、測定値が規定範囲内に入っていないときに提供する処置に変更や追加が生じた場合に、サーバ装置でデータベースの更新や設定変更を行なうことにより、一括して更新することができ、常に最新のサービスを利用者に提供することができる。
【0064】
また、本発明の電波解析システムによれば一定時間の測定の履歴を蓄積しておき、後で必要な時間帯のデータを取り出して利用することが可能になる。特に測定装置に収集部を設けた場合には、一日のうちのある時間帯のみ信号強度が低下するような場合に、その時間帯に作業者が現場にいなくても、蓄積された情報により電波特性の測定を行なうことができる。
【0065】
また、本発明の電波解析システムによれば保守作業員が測定地にいない場合でも、電波解析システムは適切な測定項目や測定範囲について、自動で測定し、情報を収集することが、可能となる。その結果、保守作業員による操作を待たずに、ユーザーが簡易な操作により電波特性の測定および解析を行なうことを可能とする。
【0066】
また、本発明の電波解析システムによれば、測定項目および測定範囲を作業者が決定することができ、柔軟に電波特性の測定を可能にする。たとえば、経験や専門的知識を有する保守作業員が、自己の判断に基づいて、必要と考えられる項目や範囲について測定を行なうことができる。その結果、作業効率が向上する。
【0067】
また、本発明の電波解析システムによれば、測定作業のみならず、原因究明および修復の作業をも容易にすることができる。したがって、たとえば電波特性上の問題が生じたときに、専門的知識や経験のないユーザー等の作業者であっても、簡易に原因を究明し、修復方法を知ることができる。また、修復方法が簡易であれば、修復までの作業をすべてユーザー等が行なうことを可能にする。また、対処方法が変更されたときには、サーバ装置を更新することにより、容易に更新を行なうことができる。
【0068】
また、本発明の電波解析システムによれば、インターネットに接続可能な環境があれば場所を問わず、電波測定の結果を知ることができる。特に、通信端末装置で結果を閲覧する場合には、インターネット接続が可能なものであれば、PCのみならず現在、広く活用されている携帯電話機、PDA端末等を使用することができる。この結果、簡易に測定、処置、または確認等を行なうことができる。
【0069】
また、本発明の電波測定用チップによれば、電波特性のデータの解析を行なうサーバ装置を設ければ、通信端末装置さえあれば測定機器が必要なくなり、操作、測定結果の評価・分析、および原因究明や修復の作業を著しく容易にすることができる。そして、専門知識や経験等のスキルがない作業者による、測定および対処を容易にすることができる。その結果、工事・保守作業の作業効率、正確性、および経済性を著しく向上させることができる。
【0070】
また、測定にスペクトラムアナライザ等の高価で重量の大きい測定機器が必要なくなる。したがって、測定機器が不足して作業を進められないという事態を解消することができる。また、測定機器を持ち運ぶ必要がなくなり、作業者への負担を軽減することができる。また、測定装置をチップ化しているため、テレビ等の情報端末装置に容易に組み込むことができ、幅広い利用を可能にする。
【0071】
また、本発明の電波測定用チップによれば、電波特性のデータの解析を行なうサーバ装置を設ければ、測定機器が必要なくなり、操作、測定結果の評価・分析、および原因究明や修復の作業を著しく容易にすることができる。そして、専門知識や経験等のスキルがない作業者による、測定および対処を容易にすることができる。その結果、工事・保守作業の作業効率、正確性、および経済性を著しく向上させることができる。
【0072】
また、測定にスペクトラムアナライザ等の高価で重量の大きい測定機器が必要なくなる。したがって、測定機器が不足して作業を進められないという事態を解消することができる。また、測定機器を持ち運ぶ必要がなくなり、作業者への負担を軽減することができる。また、測定装置をチップ化しているため、テレビ等の情報端末装置に容易に組み込むことができ、幅広い利用を可能にする。
【0073】
また、本発明の情報端末装置によれば、検出部分の接続や設定の手間を省くことができ、そのまま情報端末装置に関する電波特性を測定することを可能にする。
【0074】
また、本発明のサーバ装置によれば、電波特性の測定と測定値の送信を行なう装置があれば、測定機器が必要なくなり、操作、測定結果の評価・分析、および原因究明や修復の作業を著しく容易にすることができる。そして、専門知識や経験等のスキルがない作業者による、測定および対処を容易にすることができる。その結果、工事・保守作業の作業効率、正確性、および経済性を著しく向上させることができる。
【0075】
また、測定にスペクトラムアナライザ等の高価で重量の大きい測定機器が必要なくなる。したがって、測定機器が不足して作業を進められないという事態を解消することができる。また、測定機器を持ち運ぶ必要がなくなり、作業者への負担を軽減することができる。
【0076】
また、スペクトラムアナライザ等の個々の測定機器を買い換えずに、サーバ装置の更新のみで解析機能のバージョンアップを可能にし、バージョンアップを容易にすることができる。特に、デジタル技術を基本とした各種サービスの拡大に伴い、その測定項目および内容が拡大している近年の状況に対応することができる。
【0077】
また、法律の改正や技術基準の改正等により、規定値に変更が生じた場合においても同様である。すなわち、測定値が規定範囲内に入っていないときに提供する処置に変更や追加が生じた場合に、サーバ装置でデータベースの更新や設定変更を行なうことにより、一括して更新することができ、常に最新のサービスを利用者に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0078】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0079】
(実施形態1)
図1は、電波解析システム1のブロック図である。図1に示すように、電波解析システム1は、測定装置2と、通信端末装置3と、サーバ装置5とから構成されている。
【0080】
測定装置2は、制御部11と、選択部12と、収集部13と、蓄積部17と、入出力インタフェース18と、表示部19とから構成され、チップとして形成されている。たとえば、テレビ受信機等の情報端末装置内に付設されている。情報端末装置には、テレビ受信機以外にもSTB、チューナー、ホームターミナル・コンバータ、IRD等の端末設備が含まれ、VTR,HDDレコーダおよびDVDレコーダ等の記録設備その他音響設備等を含む。また、これ以外にも、電波の線路設備内に設けてもよい。これにより、測定装置2の接続や設定の手間を省くことができ、そのまま情報端末装置等に関する電波特性を測定することを可能にする。また、測定装置2を専用端末装置内に設けてもよい。専用端末装置とは、保守作業員が携帯可能で、電波特性の測定専用に用いる端末装置である。
【0081】
制御部11は、測定装置2で行なわれる処理を管理し、測定装置2全体の制御を行なう。制御部11は、CPUにより構成されている。選択部12は、測定値または測定の履歴から、測定項目および測定範囲を自動的に選択する。
【0082】
これにより、保守作業員が測定地にいない場合でも、適切な測定項目や測定範囲について、自動で測定し情報を収集することが可能となる。その結果、保守作業員による操作を待たずに、ユーザーが簡易な操作により電波特性の測定および解析を行なうことを可能とする。
【0083】
測定項目には、たとえば主信号のレベル、CN比(キャリアノイズ比)、またはBER(ビット誤り率)がある。CN比とは、伝送波電力対ノイズ電力の比をいう。また、BERとは、ある一定時間に受信したビット列の中に誤りビットが含まれている比率をいう。なお、これ以外にも、MER等を項目に加えてもよい。測定範囲とは、周波数の範囲である。たとえば、451MHzから580MHzまでの範囲が選択される。選択部12は、CPUにより構成されている。
【0084】
なお、選択部12において、測定時間や測定条件を自動的に選択する設定としてもよい。測定条件とは、たとえば、一定時間における最大値を測定するという条件、または一定時間における平均値を測定するという条件である。また、同様の機能を有する選択部を通信端末装置3、またはサーバ装置5が有する構成としてもよい。サーバ装置5の制御部が測定項目および測定条件を指定し、測定装置2は選択部12を介して、指定された測定項目および測定条件で測定を行なうこととしてもよい。
【0085】
操作部12aは、測定者が測定したい測定項目、測定範囲、測定時間または測定条件の入力を受け付ける。これにより、測定項目および測定範囲を作業者が決定することができ、柔軟に電波特性の測定を可能にする。たとえば、経験や専門的知識を有する保守作業員が、自己の判断に基づいて、必要と考えられる項目や範囲について測定を行なうことができる。その結果、作業効率が向上する。操作部12aは、たとえばボタンを有するパネルにより構成される。なお、同様の機能を有する操作部を通信端末装置3、またはサーバ装置5が有する構成としてもよい。
【0086】
収集部13は、電波特性に関する情報を収集する機能を有し、入力部14と、検波部15と、A/D変換部16とから構成されている。入力部14は、外部から高周波信号の入力を受ける。入力部14は、たとえばテレビ受信機側のケーブルのコネクタに接続可能に形成される。また、測定装置2全体が情報端末装置や、線路設備機器の内部に収納される場合は、回路に直接接続されるように形成される。なお、上記の接続または配置は、一例であって、本発明を限定するものではない。検波部15は、各周波数における信号強度をそれぞれ検出する。たとえば、ある周波数における主信号の強度とノイズの強度を検出する。A/D変換部16は、検波部15により検出された信号強度を、アナログ量からデジタル量に変換し、数値化を行なう。
【0087】
蓄積部17は、時刻、周波数または信号強度のデータを蓄積する。たとえば、RAM等のメモリにより構成される。これにより、一定時間の測定の履歴を蓄積しておき、後で必要な時間帯のデータを取り出して利用することが可能になる。たとえば、一日のうちのある時間帯のみ信号強度が低下するような場合に、その時間帯に作業者が現場にいなくても、蓄積された情報により電波特性の測定を行なうことができる。また、電波による通信状態の悪い場所で測定を行ない、通信状態のよい場所で測定結果を送信するような短時間のデータの蓄積に、蓄積部17を使用することもできる。
【0088】
入出力インタフェース18は、通信端末装置3へ測定データ等の信号を出力し、一方で、通信端末装置3より送られる測定項目および測定範囲を指定する信号を入力する機能を有する。たとえば、通信端末装置3のコネクタを差し込むことのできるスロットとして形成される。また、表示部19に解析結果を表示する機能を付加し、表示部19に通信端末装置3から送られる解析結果の信号を入力する構成としてもよい。なお、蓄積部17については、同様の機能を有する蓄積部17を通信端末装置3またはサーバ装置5に設ける構成としてもよい。また、蓄積部17を省いた単純な構成としてもよい。
【0089】
表示部19は、測定装置2が測定データを、通信端末装置3を介してサーバ装置5に送信するとき、測定に必要な情報について表示を行なう。測定に必要な情報とは、たとえば図2に示すように、測定項目、測定範囲、測定時間、測定条件、結果の通知を希望するメールアドレスおよび希望する通知内容等をいう。また、測定に必要な情報には、測定データを送信する際に必要な情報も含まれる。表示部19は、LED(発光ダイオード)またはLC(液晶)等のディスプレイとして形成される。なお、表示部19は、さらにサーバによる解析結果を表示することとしてもよい。なお、表示部19については、同様の機能を有する表示部を通信端末装置3に設ける構成としてもよい。
【0090】
通信端末装置3は、制御部21と、入出力インタフェース22と、送受信部23とから構成されている。たとえば、パソコン、携帯電話、またはPDA機器等が、通信端末装置3として利用可能である。メールの送受信が可能なものが好ましい。
【0091】
制御部21は、通信端末装置3で行なわれる処理を管理し、通信端末装置3全体の制御を行なうとともに、FTP等により測定したデータをサーバ装置5へ送信する制御も行なう。制御部21は、CPUにより構成されている。入出力インタフェース22は、測定装置2の入出力インタフェース18から入力される測定データ等の信号を通信端末装置3内へ入力する。入出力インタフェース22は、たとえば測定装置2の入出力インタフェース18であるスロットに差し込むことのできるコネクタおよびケーブルにより構成される。制御部21は、メールの送受信の制御を行なってもよい。メールにより測定データを送信する場合には、制御部21は測定データをカプセリングして送信可能にする処理も行なう。
【0092】
端末用送受信部である送受信部23は、通信ネットワークとしてのインターネット4に接続可能であり、測定装置2から入力された測定データ等の信号を、インターネット4を介してサーバ装置5へ送信する。その一方で、送受信部23は、インターネット4を介してサーバ装置5から解析結果の信号を受信する。これにより、一般的に用いられている携帯電話機等を携帯していれば、特殊な測定機器なしで、電波特性の測定および解析を可能とすることができる。
【0093】
サーバ装置5は、制御部30と、送受信部31と、解析部32と、加工部35と、抽出部33と、データベース34とから構成されている。たとえば、一般的に用いられるサーバマシンを、サーバ装置5として利用することができる。
【0094】
制御部30は、サーバ装置5で行なわれる処理を管理し、サーバ装置5全体の制御を行なうとともに、メールの送受信の処理を行なう。制御部30は、CPUにより構成されている。また、通信端末装置3が、メールにより測定データを送信する場合には、制御部30は、メールを受信しメールから送信データのみを取り出す処理も行なう。
【0095】
サーバ用送受信部である送受信部31は、通信ネットワークとしてのインターネット4に接続可能であり、通信端末装置3から送信された測定データ等の信号を、インターネット4を介して受信する。その一方で、送受信部31は、インターネット4を介して通信端末装置3へ解析結果の信号を送信する。
【0096】
解析部32は、通信端末装置3から受信した測定データを解析する。たとえば、各周波数における主信号の信号強度とノイズの信号強度から、CN比を算出する。さらに、デジタル変調では、BERの算出も行なう。このような機能は、市販のスペクトラムアナライザまたはBER算出用の機器が有する機能と同じであり、同様のアルゴリズムを用いればよい。解析部32は、CPUにより構成されており、アルゴリズムの実行はプログラムにより行なわれる。
【0097】
このように、電波解析システム1は、データの解析をサーバ装置で行なう。その一方で、測定地点で使用される測定装置2は、主に測定した数値の検出または収集の機能のみを有している。これにより、測定機器が必要なくなり、操作、測定結果の評価・分析、および原因究明や修復の作業を著しく容易にすることができる。そして、専門知識や経験等のスキルがない作業者による、測定および対処を容易にすることができる。その結果、工事・保守作業の作業効率、正確性、および経済性を著しく向上させることができる。
【0098】
また、測定にスペクトラムアナライザ等の高価で重量の大きい測定機器が必要なくなる。したがって、測定機器が不足して作業を進められないという事態を解消することができる。また、測定機器を持ち運ぶ必要がなくなり、作業者への負担を軽減することができる。
【0099】
また、スペクトラムアナライザ等の個々の測定機器を買い換えずに、サーバ装置5の更新のみで解析機能のバージョンアップを可能にし、バージョンアップを容易にすることができる。特に、デジタル技術を基本とした各種サービスの拡大に伴い、その測定項目および内容が拡大している近年の状況に対応することができる。
【0100】
また、法律の改正や技術基準の改正等により、規定値に変更が生じた場合においても同様である。すなわち、測定値が規定範囲内に入っていないときに提供する処置に変更や追加が生じた場合に、サーバ装置5でデータベースの更新や設定変更を行なうことにより、一括して更新することができ、常に最新のサービスを利用者に提供することができる。
【0101】
データベース34は、規定値および測定対象機器の対処方法に関する情報を蓄積している。特に対処方法については、解析結果から想定されるあらゆる電波特性に対して、測定対象機器に応じて結果判定のデータおよび対処方法のデータを格納している。結果判定のデータとは、たとえば、信号強度が規定範囲内である場合の「良い」というコメントや信号強度が規定範囲外である場合の「悪い」というコメントのデータである。また、信号強度が規定範囲外である場合にその周波数帯域を指摘するコメントのデータ等も含まれる。また、対処方法のデータとは、たとえば「コネクタ等の接続部での弛み、接線加工不良等、該当箇所調査改修要」といった問題箇所や対策を指摘するコメントのデータである。データベース34は、ROMまたはRAM等のメモリにより構成される。
【0102】
抽出部33は、データベースから規定値に関するデータを抽出する。そして、解析部32により得られた解析結果と読み出した規定値から、電波特性の状態を判断し、判断の結果に応じてデータベース34から、判断結果に対応する対処方法のデータを抽出する。
【0103】
これにより、測定作業のみならず、原因究明および修復の作業をも容易にすることができる。したがって、たとえば電波特性上の問題が生じたときに、専門的知識や経験のないユーザー等の作業者であっても、簡易に原因を究明し、修復方法を知ることができる。また、修復方法が簡易であれば、修復までの作業をすべてユーザー等が行なうことを可能にする。また、対処方法が変更されたときには、サーバ装置5を更新することにより、容易に更新を行なうことができる。判定の基準には、たとえば、関連法規上または運用規範上の規定値を利用する。抽出部33は、CPUにより構成される。
【0104】
加工部35は、解析結果を画像情報に加工し、抽出された対処方法に関する情報を解析結果と共に画像情報に加工する。さらに、解析結果または対処方法に関する情報をWEB形式の画像情報に加工し、インターネット4を介してアクセス可能な状態にアップロードする。
【0105】
たとえば、加工部35は、解析部32が行なった解析をもとに、閲覧者用の画面データを構成する。画面データは、閲覧者が見やすいように数値を配置し、出力用の表または図を作成し、これらに判定や対処方法を組み込んで構成される。さらに、加工部35は、加工された画面データを、WEB化、すなわち画面データをWEB形式に加工し、インターネット4を介してアクセス可能な状態にアップロードする。具体的には、加工された画面データは、画像情報蓄積部36に蓄積され、送受信部31は、送信要求に応じて前記画像情報を画像情報蓄積部36から読み出し、通信ネットワークを介して送信する。WEB化された画面データは、測定データの信号を送受する通信端末装置3とは別の通信端末装置6によっても、閲覧可能な状態に置く。
【0106】
このように、電波解析システム1は、最終出力をサーバ装置5でアップロード(送信可能化)し、WEBブラウザで閲覧できるようにする。これにより、インターネット4に接続可能な環境があれば場所を問わず、電波測定の結果を知ることができる。特に、通信端末装置6で結果を閲覧する場合には、インターネット接続が可能なものであれば、現在、広く活用されている携帯電話機、PDA端末等を使用することができる。この結果、簡易に測定、処置、または確認等を行なうことができる。なお、この際にアクセスが認められた特定の者のみ閲覧できるように制限を設けてもよい。
【0107】
図3は、サーバ装置5によりWEB化された画面の表示例を示す図である。図3に示すように、WEB化された画面には、測定項目、測定範囲、測定時間および条件等を表示すると共に、測定結果、結果判断および問題箇所・対策方法を表示する。測定結果は、周波数に対する主信号のレベルをグラフ、波形映像で表示し、信号強度が規定値より低い部分については○で囲うことにより、強調する。閲覧者によりグラフ上で任意に選択された任意ポイント値として、そのポイントの周波数およびレベルの数値を表示している。なお、○で囲う方法以外にも、線の色を変える方法またはその他の手段を用いてもよい。
【0108】
結果判定の項目では、レベルが規定範囲外である場合には、「悪い」と表示し、その理由のコメントを表示している。問題箇所・対策方法の項目では、問題箇所の指摘と、考えられる対策方法とが、測定対象機器に応じて表示されている。
【0109】
次に、電波解析システム1の動作について説明する。図4は、電波解析システム1の特徴的な動作を示すフローチャートである。
【0110】
まず、測定装置2において、選択部12が測定項目を選択する(ステップS1)。次に、選択部12は周波数または時間等の測定範囲を選択する(ステップS2)。測定項目または測定範囲については、操作部12aから測定者の入力を受け付けてもよい。
【0111】
選択された測定範囲で、入力部14が被測定対象である高周波信号の入力を受け付ける(ステップS3)。入力された高周波信号について検波部15が、検波、すなわち各周波数の信号強度を検出する(ステップS4)。検出された信号強度をA/D変換部16が、アナログ量からデジタル量へ変換する(ステップS5)。変換された信号強度等の測定に関する数値を、蓄積部17が蓄積する(ステップS6)。
【0112】
次に、入出力インタフェース18および入出力インタフェース22を介して、数値データ等を通信端末装置3に入力する(ステップS7)。入力された数値データ等は、通信端末装置3の送受信部23が、サーバ装置5にアクセスし送信する(ステップS8)。
【0113】
次に、送信されたデータは送受信部31を介して、サーバ装置5が受信し、解析部32において解析する(ステップS9)。抽出部33は、データベース34から規定値のデータを読み出し、規定値と解析結果とを比較して判定し、データベース34から対処方法等のデータを抽出する(ステップS10)。対処方法等のデータおよび解析結果のデータは、加工部35が、数値または表図を含む画面データに加工する(ステップS11)。
【0114】
さらに、加工部35は、画像データのWEB化を行なう(ステップS12)。次に、制御部が、処理が終了したことを通知するメールを、インターネット4を介して、通信端末装置3に送信する(ステップS13)。通信端末装置3は、メールを受信する(ステップS14)。測定者は、通信端末装置3または通信端末装置6において受信メールを閲覧し、解析結果を知ることができる。また、受信メールにURL等を表示すれば、解析結果が表示されたWEBサイトへアクセスすることが可能であり、詳細な結果を知ることができる。なお、メールの送受信がなくても、サーバ装置5は通信端末装置の送信要求に応じて加工された画像情報を送信することになっていれば、十分である。
【0115】
(実施形態2)
上記の実施形態1においては、通信端末装置3を用いて、サーバ装置5とデータの送受信を行なっているが、測定装置に送受信部を設けて、通信端末装置なしでサーバ装置とデータの送受信を行なってもよい。その場合には、図1の測定装置2と同様の構成とし、入出力インタフェース18の代わりにインターネットに接続可能な送受信部を設け、測定装置の制御部においてメールの送受信を制御する構成とすればよい。
【0116】
これにより、実施形態1の電波解析システムと同様の効果を得ることができる。通信端末装置すら不要となるため、さらに簡易に測定を行なうことができる。
【0117】
通信端末装置を省いた電波解析システムの動作も、測定装置を用いてデータの送受信を行なう点を除いて、実施形態1の場合の動作と同様である。
【0118】
なお、本発明の電波解析システムは、解析の対象が高周波であることが好ましい。高周波とは、放送通信上用いられる周波数を含み、一般的には300kHz以上を想定する。また、デジタル変調波を対象とすることが好ましい。今日の放送・通信等の分野においては、各種情報の伝送にデジタル変調波を含み高周波が多く使用されており、これらを対象とすることが、今後の放送通信の健全なる発展への貢献に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明に係る電波解析システムの第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】測定装置の表示部の表示例を示す図である。
【図3】サーバ装置によりWEB化された画面の表示例を示す図である。
【図4】本発明に係る電波解析システムの特徴的な動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0120】
1 電波解析システム
2 測定装置
3 通信端末装置
4 インターネット(通信ネットワーク)
5 サーバ装置
6 通信端末装置
11 制御部
12 選択部
12a 操作部
13 収集部
17 蓄積部
18 入出力インタフェース
19 表示部
21 制御部
22 入出力インタフェース
23 送受信部
30 制御部
31 送受信部
32 解析部
33 抽出部
34 データベース
35 加工部
36 画像情報蓄積部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波特性に関する情報を収集する収集部、および前記収集した情報を出力する入出力インタフェースを少なくとも備え、情報端末装置または電波の線路設備内に付設される測定装置と、
前記測定装置から電波特性に関する情報を入力する端末用入出力インタフェース、通信ネットワークを介して情報を送受信する端末用送受信部、を少なくとも備える通信端末装置と、
前記通信ネットワークを介して情報を送受信するサーバ用送受信部、前記通信ネットワークを介して受信した前記電波特性に関する情報を解析する解析部、および前記解析結果を画像情報に加工する加工部を少なくとも備え、前記通信端末装置からの送信要求に応じて前記加工された画像情報を前記通信端末装置へ送信するサーバ装置と、から構成され、
前記測定装置および前記通信端末装置の少なくとも一方は、測定に必要な情報を表示する表示部を更に備えることを特徴とする電波解析システム。
【請求項2】
前記測定装置、前記通信端末装置および前記サーバ装置の少なくとも一つは、前記収集部が収集した情報を蓄積する蓄積部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の電波解析システム。
【請求項3】
前記測定装置、前記通信端末装置および前記サーバ装置の少なくとも一つは、前記収集部が情報を収集する測定項目および測定範囲を自動的に選択する選択部をさらに備え、
前記収集部は、選択された前記測定項目および前記測定範囲に基づいて、電波特性に関する情報を収集することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電波解析システム。
【請求項4】
前記測定装置は、
前記入出力インタフェースを介して前記通信端末装置から測定項目および測定範囲を特定する信号を入力し、または測定項目および測定範囲を特定する信号の入力を受け付ける操作部を備え、
前記収集部は、前記入出力インタフェースからの入力、または前記操作部からの入力により特定された前記測定項目および前記測定範囲に基づいて、電波特性に関する情報を収集することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電波解析システム。
【請求項5】
電波特性に関する情報を収集する収集部、前記収集した情報を、通信ネットワークを介して送受信するチップ用送受信部、測定に必要な情報を表示する表示部を少なくとも備え、チップとして情報端末装置または電波の線路設備内に付設される測定装置と、
前記通信ネットワークを介して情報を送受信するサーバ用送受信部、前記通信ネットワークを介して受信した前記電波特性に関する情報を解析する解析部、および前記解析結果を画像情報に加工する加工部を少なくとも備え、前記通信端末装置からの送信要求に応じて前記加工された画像情報を前記通信端末装置へ送信するサーバ装置と、から構成されることを特徴とする電波解析システム。
【請求項6】
前記測定装置および前記サーバ装置の少なくとも一方は、前記収集部が収集した情報を蓄積する蓄積部を更に備えることを特徴とする請求項5記載の電波解析システム。
【請求項7】
前記測定装置および前記サーバ装置の少なくとも一方は、前記収集部が情報を収集する測定項目および測定範囲を自動的に選択する選択部を更に備え、
前記収集部は、選択された前記測定項目および前記測定範囲に基づいて、電波特性に関する情報を収集することを特徴とする請求項5または請求項6記載の電波解析システム。
【請求項8】
前記測定装置は、
測定項目および測定範囲を特定する信号の入力を受け付ける操作部を備え、
前記収集部は、特定された前記測定項目および前記測定範囲に基づいて、電波特性に関する情報を収集することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の電波解析システム。
【請求項9】
前記サーバ装置は、規定値および測定対象機器の対処方法に関する情報を蓄積したデータベースと、
前記データベースから規定値または前記解析結果に応じた対処方法に関する情報を抽出する抽出部と、を更に備え、
前記加工部は、前記抽出された対処方法に関する情報を前記解析結果と共に前記画像情報に加工することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の電波解析システム。
【請求項10】
前記サーバ装置における加工部は、前記解析結果または前記対処方法に関する情報をWEB形式の画像情報に加工し、
前記サーバ装置は、前記加工部で加工された前記画像情報を蓄積する画像情報蓄積部を更に備え、
前記サーバ用送受信部は、送信要求に応じて前記画像情報を前記画像情報蓄積部から読み出し、通信ネットワークを介して送信することを特徴とする請求項9記載の電波解析システム。
【請求項11】
電波特性に関する情報を収集する収集部と、
前記収集した情報を、通信ネットワークに接続し得る通信端末装置に出力する入出力インタフェースと、を少なくとも備えることを特徴とする電波測定用チップ。
【請求項12】
電波特性に関する情報を収集する収集部と、
前記収集した情報を、通信ネットワークを介して送受信するチップ用送受信部と、
前記通信ネットワークを介して受信した情報を表示する表示部と、を少なくとも備えることを特徴とする電波測定用チップ。
【請求項13】
請求項11または請求項12記載の電波測定用チップを備えることを特徴とする情報端末装置。
【請求項14】
電波特性を測定する測定装置または前記測定装置に接続可能な通信端末装置との間で通信ネットワークを介して情報を送受信するサーバ用送受信部と、
前記通信ネットワークを介して受信した電波特性に関する情報を解析する解析部と、
前記解析結果を画像情報に加工する加工部と、を少なくとも備え、
前記測定装置または前記通信端末装置からの送信要求に応じて前記加工された画像情報を送信することを特徴とするサーバ装置。
【請求項15】
電波特性に関する情報を収集する収集部、および前記収集した情報を出力する入出力インタフェースを少なくとも備え、専用端末装置に付設される測定装置と、
前記測定装置から電波特性に関する情報を入力する端末用入出力インタフェース、通信ネットワークを介して情報を送受信する端末用送受信部、を少なくとも備える通信端末装置と、
前記通信ネットワークを介して情報を送受信するサーバ用送受信部、前記通信ネットワークを介して受信した前記電波特性に関する情報を解析する解析部、および前記解析結果を画像情報に加工する加工部を少なくとも備え、前記通信端末装置からの送信要求に応じて前記加工された画像情報を前記通信端末装置へ送信するサーバ装置と、から構成され、
前記測定装置および前記通信端末装置の少なくとも一方は、測定に必要な情報を表示する表示部を更に備えることを特徴とする電波解析システム。
【請求項16】
電波特性に関する情報を収集する収集部、前記収集した情報を、通信ネットワークを介して送受信する測定装置用送受信部、測定に必要な情報を表示する表示部を少なくとも備え、専用端末装置に付設される測定装置と、
前記通信ネットワークを介して情報を送受信するサーバ用送受信部、前記通信ネットワークを介して受信した前記電波特性に関する情報を解析する解析部、および前記解析結果を画像情報に加工する加工部を少なくとも備え、前記通信端末装置からの送信要求に応じて前記加工された画像情報を前記通信端末装置へ送信するサーバ装置と、から構成されることを特徴とする電波解析システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−101074(P2006−101074A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−283411(P2004−283411)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(399072587)東京ケーブルネットワーク株式会社 (3)
【Fターム(参考)】