電源回路遮断装置
【課題】開口からの着脱作業性を維持しつつ、ケース外で発生した電磁波が開口からケース内に侵入して電源回路に影響を及ぼすことを防止するとともに、電源回路から発生した電磁波が開口からケース外に漏洩することを防止する電源回路遮断装置を提供する。
【解決手段】絶縁性のハウジング9が、ボックス6の開口6aより大きく開口6aを覆うようにボックス6外に取り付けられる第1ハウジング部9aと、第1ハウジング部9aのバッテリケース3側の面から突出して設けられた可溶体及び一対の端子金具を保持してボックス6内に収容される第2ハウジング部9bと、を有し、開口6aを覆いボックス6に電気的に接続される導電性のシールド板11が、第2ハウジング部9bに保持されている。
【解決手段】絶縁性のハウジング9が、ボックス6の開口6aより大きく開口6aを覆うようにボックス6外に取り付けられる第1ハウジング部9aと、第1ハウジング部9aのバッテリケース3側の面から突出して設けられた可溶体及び一対の端子金具を保持してボックス6内に収容される第2ハウジング部9bと、を有し、開口6aを覆いボックス6に電気的に接続される導電性のシールド板11が、第2ハウジング部9bに保持されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源回路遮断装置に係り、特に、電源回路を開き電流を遮断する電源回路遮断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、エンジンと電動モータとを併用して走行するハイブリッド自動車が普及してきている。また、電動モータのみを駆動源として走行する電気自動車も普及しつつある。これらハイブリッド自動車及び電気自動車には、上記電動モータ駆動用のバッテリユニットが搭載されている。このバッテリユニットは、高圧バッテリを含んだ電源回路をバッテリケースに収容したものである。
【0003】
上記高圧バッテリは、ニッケル−水素電池やリチウム電池といった二次電池をバッテリモジュールとして、このバッテリモジュールを複数直列接続して高電圧を得ている。また、上記電源回路は、これらバッテリモジュールを直列接続する電池接続体などの周辺回路が含まれている。
【0004】
上記バッテリユニット内の電源回路は、電磁波を発生することが知られている。発生した電磁波は、車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit)などの他の電気部品に影響を与える恐れがある。また人体への影響も懸念されている。
【0005】
また、上記ハイブリッド自動車及び電気自動車においては、モータやECUなどからも電磁波が発生することが知られている。これら電磁波は、上記バッテリユニット内の電源回路に影響を与える恐れがある。
【0006】
そこで、従来より、バッテリケースを金属製にして、電磁シールドすることが考えられている(特許文献1)。これにより、バッテリケース内の電源回路がモータやECUから発生する電磁波の影響を受けることを防止できる。また、バッテリケース内の電源回路から発生する電磁波がECUなどに影響を及ぼすことも防止できる。
【0007】
ところで、上述したハイブリッド自動車や電気自動車では、高圧バッテリである電源の容量が通常のガソリンエンジン車等に比べて大容量であるため、電気系統などをメンテナンスするような場合には、電源回路遮断装置(サービスプラグ)によって電源回路を開いて作業安全性を確保する。上記サービスプラグは、バッテリケースに設けた開口からバッテリケース内外に着脱することによって電源回路を開閉することができる。
【0008】
詳しくは、サービスプラグをバッテリケースの開口からバッテリケース内に収容すると電源回路が閉じ、サービスプラグをバッテリケースの開口からバッテリケース外に取り外すと電源回路が開く。このように、バッテリケースには、サービスプラグを着脱するための開口が設けられており、その開口から電磁波が漏洩する、という問題が生じていた。
【0009】
そこで、この問題を解決するために、バッテリケースの開口からサービスプラグをバッテリケース内に収容した後に、バッテリケースの開口を覆うシールド部材を設けることが考えられる。しかしながら、この場合、メンテナンス時にサービスプラグの着脱に加えて、シールド部材の着脱を行う必要があり、メンテナンス作業性が悪い、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−83599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、開口からの着脱作業性を維持しつつ、ケース外で発生した電磁波が開口からケース内に侵入して電源回路に影響を及ぼすことを防止するとともに、電源回路から発生した電磁波が開口からケース外に漏洩することを防止する電源回路遮断装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するための請求項1記載の発明は、過電流が流れると溶断する可溶体と、前記可溶体の両端の各々に接続された一対の端子金具と、を備え、電源回路を収容する導電性のケースに設けた開口から前記ケース内外に着脱することによって前記電源回路を開閉させる電源回路遮断装置において、前記開口より大きく前記開口を覆うように前記ケース外に取り付けられる第1ハウジング部と、前記第1ハウジング部の前記ケース側の面から突出して設けられた前記可溶体及び前記一対の端子金具を保持して前記ケース内に収容される第2ハウジング部と、を有する絶縁性のハウジングと、前記開口を覆い前記ケースに電気的に接続される導電性のシールド部材と、を備え、前記シールド部材が、前記第2ハウジング部に保持されたことを特徴とする電源回路遮断装置に存する。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記シールド部材が、シールド部材本体と、前記シールド部材本体から前記ケースに向けて突出する突起部と、を有し、前記第1ハウジング部には、前記ケースの開口の周縁部に対向して設けられた前記突起部を当該第1ハウジング部外に露出する露出孔が設けられ、前記露出孔から露出した前記突起部が前記ケースの開口の周縁部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電源回路遮断装置に存する。
【0014】
請求項3記載の発明は、前記突起部が、着脱方向に弾性変形可能に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の電源回路遮断装置に存する。
【0015】
請求項4記載の発明は、前記第1ハウジング部には、前記ケースの開口の周縁部に対向して設けられた前記シールド部材を露出する露出孔が設けられ、前記シールド部材の前記露出孔から露出した部分と前記ケースの開口の周縁部との間に挟まれ、前記シールド部材及び前記ケースを接続する導電性のリング部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の電源回路遮断装置に存する。
【0016】
請求項5記載の発明は、前記第1ハウジング部の側面には、前記シールド部材を前記第1ハウジング部内外に挿入出するための挿入出口が設けられていることを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載の電源回路遮断装置に存する。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、絶縁性のハウジングが、開口より大きく開口を覆うようにケース外に取り付けられる第1ハウジング部と、第1ハウジング部のケース側の面から突出して設けられた可溶体及び一対の端子金具を保持してケース内に収容される第2ハウジング部と、を有し、開口を覆いケースに電気的に接続される導電性のシールド部材が、第2ハウジング部に保持されている。従って、ハウジングを開口からケース内に装着するとハウジングに保持されたシールド部材によりケース開口を塞ぐことができる。これにより、電源回路遮断装置とシールド部材とを別々にケースに着脱する必要がなく、開口からの着脱作業性を維持しつつ、ケース外で発生した電磁波が開口からケース内に侵入して電源回路に影響を及ぼすことを防止するとともに、電源回路から発生した電磁波が開口からケース外に漏洩することを防止する。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、第1ハウジングに設けた露出孔から露出したシールド部材の突起部がケースの開口の周縁部に接続されているので、開口をシールド部材によって隙間なく塞ぐことができる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、突起部が、着脱方向に弾性変形可能に設けられているので、突起部と開口の周縁部とが密に接し、より確実に、開口をシールド部材によって隙間なく塞ぐことができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、導電性のリング部材が、シールド部材の露出孔から露出した部分とケース外表面の前記開口の周縁部との間に挟まれ、シールド部材およびケースを接続するので、開口をシールド部材及びリング部材によって隙間なく塞ぐことができる。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、第1ハウジング部の側面には、シールド部材を第1ハウジング部内外に挿入出するための挿入出口が設けられているので、可溶体が溶断された際にはシールド部材を第2ハウジング部から取り外して、可溶体を交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の電源回路遮断装置としてのサービスプラグと、このサービスプラグが着脱可能に取り付けられるバッテリユニットと、を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態における図1に示すサービスプラグの側面図である。
【図3】(A)は図1に示すサービスプラグの分解斜視図であり、(B)は図1に示すサービスプラグの斜視図である。
【図4】図3に示すシールド板の正面図である。
【図5】(A)〜(C)は、図1に示すサービスプラグを構成する第2ハウジング内にシールド板を収容する工程を説明するための説明図である。
【図6】(A)〜(C)は、バッテリユニットにサービスプラグを装着する工程を説明するための説明図である。
【図7】図6(A)の部分拡大断面図である。
【図8】図6(C)の部分拡大断面図である。
【図9】銅(厚さ:10μm)、アルミニウム(厚さ:12μm)のシールド板を用いた図1に示すサービスプラグの電界シールド効果を示すグラフである。
【図10】銅(厚さ:10μm)、アルミニウム(厚さ:12μm)のシールド板を用いた図1に示すサービスプラグの磁界シールド効果を示すグラフである。
【図11】第2実施形態における図1に示すサービスプラグの側面図である。
【図12】図11に示すサービスプラグをバッテリユニットに取り付けたときの断面図である。
【図13】他の実施形態における本発明の電源回路遮断装置としてのサービスプラグと、このサービスプラグが着脱可能に取り付けられるバッテリユニットと、を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
第1実施形態
以下、第1実施形態における本発明の電源回路遮断装置としてのサービスプラグを図1〜図9に基づいて説明する。図1は、本発明の電源回路遮断装置としてのサービスプラグと、このサービスプラグが着脱可能に取り付けられるバッテリユニットと、を示す斜視図である。図2は、図1に示すサービスプラグの側面図である。図3(A)は図1に示すサービスプラグの分解斜視図であり、図3(B)は図1に示すサービスプラグの斜視図である。図4は、図3に示すシールド板の正面図である。図5は、図1に示すサービスプラグを構成する第2ハウジング部内にシールド板を収容する工程を説明するための説明図である。なお、図3においては、説明を簡単にするためにレバー12の連結部12bについては省略してある。
【0024】
本実施形態のサービスプラグ1は、バッテリユニット2に着脱可能に取り付けられる。図1に示すように、上記バッテリユニット2は、電気自動車に搭載された高圧バッテリから負荷への電源供給を行うための電源回路(図示せず)と、この電源回路を収容する金属製のバッテリケース3と、を備えている。
【0025】
上記図示しない電源回路は、高圧バッテリを構成する複数のバッテリモジュール、これら複数のバッテリモジュールを互いに直列接続するための電池接続体や、電流センサ、温度センサ(何れも図示せず)などから構成されている。また、開いた電源回路の両端には、図1に示すように、コネクタ4が設けられている。コネクタ4は、開いた電源回路の両端に各々接続された図示しない一対の回路端子と、これら一対の回路端子を収容する絶縁性のコネクタハウジング5と、から構成されている。
【0026】
バッテリケース3は、図1に示すように、金属板をプレス加工して形成して複数のパネルと、上述したコネクタ4を収容する筒状の金属製のボックス6と、から構成されている。複数のパネルは、例えばネジなどにより組み立てられ、図示しない電源回路全体を覆う。ボックス6は、両端に開口が設けられた略四角筒状に形成されていて、一方の開口がパネルに設けられた開口に連結している。また、このボックス6の他方の開口6aから上記コネクタ4が露出するようになっている。また、ボックス6には、後述するレバー12の第2カム溝12dが挿入される一対のカムピン6bが突設されている。
【0027】
上記サービスプラグ1は、バッテリケース3内外に着脱することによって上述した図示しない電源回路を開閉させる装置である。このサービスプラグ1は、図2及び図3に示すように、過電流が流れると溶断する可溶体7と、この可溶体7の両端に各々接続された一対の端子金具8と、これら可溶体7及び一対の端子金具8を収容するハウジング9と、ハウジング9の開口を覆うカバー10と、ハウジング9内に収容されるシールド部材としてのシールド板11と、このハウジング9に回転自在に取り付けられたレバー12と、を備えている。
【0028】
上記ハウジング9は、絶縁性の合成樹脂から形成されている。上記ハウジング9は、ボックス6の開口6aより大きく、開口6aを覆うようにボックス6外に取り付けられる第1ハウジング部9aと、この第1ハウジング部9aの後述する底壁部9a−1のボックス6側の面から突出して設けられた可溶体7及び一対の端子金具8を保持してボックス6内に収容される第2ハウジング部9bと、を備えている。
【0029】
上記第1ハウジング部9aは、底壁部9a−1と、ボックス6から離れる方向に向かって底壁部9a−1の縁部から立設した互いに連結する複数の周壁部9a−2〜9a−5(図2、3、7、8などに示す)と、が設けられ、ボックス6から離れた側が開口となる立方体状の箱型に形成されている。上記底壁部9a−1には、その中央に図示しない矩形状の開口が設けられ、この開口の縁部から後述する第2ハウジング部9bの周壁部9b−1が立設している。
【0030】
また、上記底壁部9a−1には、後述するシールド板11のフィンガ11bを第1ハウジング部9a外に露出する4つの露出孔9a−6が設けられている。この露出孔9a−6は、後述する第2ハウジング部9bを囲むように設けられ、サービスプラグ1をバッテリケース3に取り付けたとき、ボックス6の開口6aの周縁部に対向するように設けられている。
【0031】
また、上記複数の周壁部9a−2〜9a−5のうち互いに対向する一対の周壁部9a−2、9a−4には、後述するレバー12の回動中心となる一対のカムピン9a−7と、後述するカバー10が係止される係止凸部9a−8と、がそれぞれ設けられている。また、周壁部9a−3の底壁部9a−1側には、後述するシールド板11を第1ハウジング部9a内外にスライド挿入出するための挿入出口9a−9が設けられている。
【0032】
上記第2ハウジング部9bは、互いに連なる複数の周壁部9b−1からなる筒状に設けられ、その内部に可溶体7及び一対の端子金具8が収容されている。第2ハウジング部9bの周壁9b−1は、第1ハウジング部9aの底壁部9a−1中央に設けた図示しない開口の縁部からボックス6側に向かって立設されている。
【0033】
上記カバー10は、上述した第1ハウジング部9aのボックス6から離れた側の開口を覆う天井壁部10aと、この天井壁部10aの縁部から立設し第1ハウジング部9aの周壁部9a−2、9a−4の外側に重ねられる周壁部10bと、が設けられている。上記周壁部10bには、周壁部9a−2、9a−4に設けられた係止凸部9a−8に係止される係止孔10cが設けられている。
【0034】
上記シールド板11は、図4に示すように、金属板で形成されたシールド板本体11aと、このシールド板本体11aからボックス6に向かって突出するフィンガ11bと、を備えている。フィンガ11bは、凸状に折り曲げた複数の板バネから構成されていて、着脱方向に弾性変形可能である。また、フィンガ11bは、シールド板本体11aの周縁に沿って設けられている。
【0035】
また、上記シールド板11は、図5に示すように、挿入出口9a−9から第1ハウジング部9a内にスライド挿入すると、シールド板本体11aが第1ハウジング部9aの底壁部9a−1のボックス6から離れた側の面に重ねられ、フィンガ11bが露出孔9a−6から第1ハウジング部9a外に突出する。
【0036】
従って、サービスプラグ1をバッテリケース3に取り付けると、この露出孔9a−6から突出したシールド板11のフィンガ11bが、ボックス6の開口6aの周縁部に対向して接触する。これにより、シールド板11とボックス6とが電気的に接続されると共に、シールド板11によってボックス6の開口6aが隙間なく塞がれる。
【0037】
上記レバー12は、上述した第1ハウジング部9aの周壁部9a−2、9a−4の外側に重ねられ、カムピン9a−7を中心に回転する一対のレバー部12aと、この一対のレバー部12aのカムピン9a−7から離れた端部同士を連結する連結部12bと、から構成されている。
【0038】
上記一対のレバー部12aには、上記ハウジング9に設けた一対のカムピン9a−7が挿入される第1カム溝12cと、ボックス6に設けた一対のカムピン6bが挿入される第2カム溝12dと、が設けられている。
【0039】
上記第1カム溝12cは、一対のカムピン9a−7から連結部12bに向かう直線状の長孔である。上記第2カム溝12dは、上記第1カム溝12cとほぼ平行に設けた直線部と、直線部の連結部12bから離れた側に設けられ、連結部12bから離れる従って第1カム溝12cに近づくように曲がる曲線部と、から構成された長孔である。
【0040】
次に、上述した構成のサービスプラグ1の取り付け手順について図6〜図8を参照して説明する。図6は、バッテリユニット2にサービスプラグ1を装着する工程を説明するための説明図である。図7は、図6(A)の部分拡大断面図である。図8は、図6(b)の部分拡大断面図である。なお、図6においては、説明を簡単にするためにレバー12の連結部12bについては省略してある。
【0041】
図6(A)に示すように、サービスプラグ1をバッテリユニット2から取り外した状態では、コネクタ4内の一対の回路端子同士が短絡しておらず、バッテリユニット2内の電源回路は開いた状態である。このため、高圧バッテリから負荷への電流は遮断された状態となっている。
【0042】
先ず、図6(A)及び図7に示すように、レバー12を回転開始位置にして、サービスプラグ1をボックス6に近づける。回転開始位置においては、レバー12の第1カム溝12cが装着方向Y1と平行となり、第1カム溝12cのボックス6側の端部にカムピン9a−7が挿入されている。また、第2カム溝12dの曲線部が、第1ハウジング部9aよりもボックス6側に位置する。
【0043】
そして、図6(B)に示すように、サービスプラグ1の第2ハウジング部9bをボックス6内に挿入すると共に、一対のレバー部12aのボックス6側をボックス6の外側に重ねて、第2カム溝12dにボックス6に設けたカムピン6bを挿入する。このとき第2カム溝12dの曲線部において直線部から離れた端部にカムピン6bが挿入される。なお、この状態では、端子金具8はコネクタ4内の一対の回路端子と接続されていない。
【0044】
次に、レバー12を図6(B)に示す時計回り方向Y2に回転させると、レバー12がカムピン9a−7を中心として回転し、図6(B)に示す回転開始位置から図6(C)の点線で示す回転完了位置まで回転される。このとき、レバー12の第2カム溝12dの曲線部をボックス6に設けたカムピン6bが移動することによって第2ハウジング部9bがボックス6内に収容されたコネクタ4に近づいて、第2ハウジング部9b内に保持された一対の端子金具8がコネクタ4内の図示しない一対の回路端子に嵌合して、電源回路が開状態となる。これにより、高圧バッテリから負荷への電源供給が可能となる。
【0045】
また、このとき図8に示すように、第1ハウジング部9aに保持されたシールド板11のフィンガ11bがボックス6の開口6aの周縁部に接触して、ボックス6とシールド板11とが電気的に接続されると共に、シールド板11によりボックス6の開口6aが覆われる。このときフィンガ11bは弾性変形してボックス6の開口6aの周縁部と密に接触する。
【0046】
その後、レバー12を図6(C)に示すスライド方向Y3にスライドさせると、レバー12の第1カム溝12c、第2カム溝12d内をカムピン9a−7、カムピン6bがスライドしてレバー12がロック位置に移動する。このロック位置では、レバー12を回転させることができない。
【0047】
上述したサービスプラグ1の取り外し手順は、取り付け手順を逆に、図6(C)に示すロック位置にあるレバー12を、スライド方向Y3とは反対方向にスライドさせて回転完了位置に戻す。その後、レバー12を反時計回りに回転させて図6(B)に示す回転開始位置に戻す。これにより、一対の端子金具8が一対の回路端子から離されて、電源回路が開状態となる。
【0048】
なお、電源回路に過電流が流れて可溶体7が溶断した場合は、サービスプラグ1からカバー10を取り外すと共にシールド板11を挿入出口9a−9から第1ハウジング部9a外に取り出せば、第1ハウジング部9aの開口から可溶体7を取り出して交換することができる。
【0049】
次に、本発明者は、銅(Cu、厚さ:10μm)、アルミニウム(Al、厚さ:12μm)のシールド板11を用いた図1〜図8に示すサービスプラグ1の電界シールド効果、磁界シールド効果をシュミレーションした。結果を図9及び図10に示す。同図からも明らかなように、電界、磁界ともにシールド効果が得られることが分かった。
【0050】
上述したサービスプラグ1によれば、絶縁性のハウジング9が、ボックス6の開口6aより大きく開口6aを覆うようにボックス6外に取り付けられる第1ハウジング部9aと、第1ハウジング部9aのボックス6側の面から突出して設けられた可溶体7及び一対の端子金具8を保持してボックス6内に収容される第2ハウジング部9bと、を有し、開口6aを覆いボックス6に電気的に接続される導電性のシールド板11が、第1ハウジング部9aに保持されている。従って、ハウジング9を開口6aからボックス6内に装着するとハウジング9に保持されたシールド板11によりケース6の開口6aを塞ぐことができる。これにより、開口6aからの着脱作業性を維持しつつバッテリケース3外で発生した電磁波が開口6aからバッテリケース3内に侵入して電源回路に影響を及ぼすことを防止するとともに、電源回路から発生した電磁波が開口6aからバッテリケース3外に漏洩することを防止する。
【0051】
また、上述したサービスプラグ1によれば、第1ハウジング部9aに設けた露出孔9a−6から露出したシールド板11のフィンガ11bがボックス6外表面の開口6aの周縁部に接続されているので、開口6aをシールド板11によって隙間なく塞ぐことができる。
【0052】
また、上述したサービスプラグ1によれば、フィンガ11bが、着脱方向に弾性変形可能に設けられているので、フィンガ11bと開口6aの周縁部とが密に接し、より確実に、開口6aをシールド板11によって隙間なく塞ぐことができる。
【0053】
また、上述したサービスプラグ1によれば、第1ハウジング部9aの側面には、シールド板11を第1ハウジング部9a内外に挿入出するための挿入出口9a−9が設けられているので、可溶体7が溶断された際にはシールド板11を第2ハウジング部9bから取り外して、可溶体7を交換することができる。
【0054】
なお、上述した第1実施形態によれば、シールド板11には、着脱方向に弾性変形可能なフィンガ11bを突起部として突出させていたが、本発明はこれに限ったものではない。突起部としては、単にシールド板11から突起するものであればよく、弾性変形しないものであってもよい。
【0055】
第2実施形態
次に、第2実施形態における本発明の電源回路遮断装置としてのサービスプラグ1を図11及び図12に基づいて説明する。なお、同図において、図1〜図9について上述した第1実施形態で既に説明した部分と同等の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0056】
第2実施形態と第1実施形態とで異なる点は、シールド板11の形状と、第1ハウジング部9aの形状である。第1実施形態では、シールド板11にはフィンガ11bを設けていたが、第2実施形態ではフィンガ11bを設けずに単なる平板に形成している。また、第1ハウジング部9aの底壁部9a−1には、ボックス6外表面の開口6aの周縁部に対向して設けられたシールド板11を露出する露出孔9a−10が設けられている。この露出孔9a−10は、第2ハウジング部9bを囲むように四角リング状に設けられている。
【0057】
さらに、第2実施形態において、サービスプラグ1は、四角形状の導電性のリング部材であるガスケット13を備えている。このガスケット13は、図11に示すように、シールド板11の露出孔9a−10から露出した部分とボックス6の開口6aの周縁部との間に挟まれ、シールド板11及びボックス6を互いに電気的に接続する。
【0058】
上述した第2実施形態のサービスプラグ1によれば、ガスケット13が、シールド板11の露出孔9a−10から露出した部分とボックス6の開口6aの周縁部との間に挟まれ、シールド板11及びボックス6を電気的に接続するので、開口6aをシールド板11及びガスケット13によって隙間なく塞ぐことができる。
【0059】
なお、上述した第1及び第2実施形態では、第1ハウジング部9a内にシールド板11を収容して、サービスプラグ1をボックス6に取り付けたときに、ボックス6の開口6aをシールド板11によって塞いでいたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、第1ハウジング部9aの底壁部9a−1、周壁部9a−2〜9a−5の外側、カバー10の天井壁部10a、周壁部10bの外側にシールド部材を塗布することにより、サービスプラグ1をボックス6に取り付けたときに、ボックス6の開口6aを塗布されたシールド部材によって塞ぐようにしてもよい。
【0060】
また、上述した第1及び第2実施形態では、サービスプラグ1にはレバー12が設けられていたが、本発明はこれに限ったものではない。レバー12は設ける必要がない。
【0061】
また、上述した第1及び第2実施形態では、ボックス6として金属製のものを用い、複数のパネルにより形成されたバッテリケース3の本体外側に配置されていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、ボックス6としては、樹脂などの絶縁性の部材でコネクタハウジング5と一体成形するものを用い、図13に示すように、ボックス6がバッテリケース3内に収容されて覆われていてもよい。
【0062】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 サービスプラグ(電源回路遮断装置)
3 バッテリケース(ケース)
6 ボックス(ケース)
6a 開口
7 可溶体
8 一対の端子金具
9 ハウジング
9a 第1ハウジング部
9a−6 露出孔
9a−9 挿入出口
9a−10 露出孔
9b 第2ハウジング部
11 シールド板(シールド部材)
11b フィンガ(突起部)
13 ガスケット
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源回路遮断装置に係り、特に、電源回路を開き電流を遮断する電源回路遮断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、エンジンと電動モータとを併用して走行するハイブリッド自動車が普及してきている。また、電動モータのみを駆動源として走行する電気自動車も普及しつつある。これらハイブリッド自動車及び電気自動車には、上記電動モータ駆動用のバッテリユニットが搭載されている。このバッテリユニットは、高圧バッテリを含んだ電源回路をバッテリケースに収容したものである。
【0003】
上記高圧バッテリは、ニッケル−水素電池やリチウム電池といった二次電池をバッテリモジュールとして、このバッテリモジュールを複数直列接続して高電圧を得ている。また、上記電源回路は、これらバッテリモジュールを直列接続する電池接続体などの周辺回路が含まれている。
【0004】
上記バッテリユニット内の電源回路は、電磁波を発生することが知られている。発生した電磁波は、車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit)などの他の電気部品に影響を与える恐れがある。また人体への影響も懸念されている。
【0005】
また、上記ハイブリッド自動車及び電気自動車においては、モータやECUなどからも電磁波が発生することが知られている。これら電磁波は、上記バッテリユニット内の電源回路に影響を与える恐れがある。
【0006】
そこで、従来より、バッテリケースを金属製にして、電磁シールドすることが考えられている(特許文献1)。これにより、バッテリケース内の電源回路がモータやECUから発生する電磁波の影響を受けることを防止できる。また、バッテリケース内の電源回路から発生する電磁波がECUなどに影響を及ぼすことも防止できる。
【0007】
ところで、上述したハイブリッド自動車や電気自動車では、高圧バッテリである電源の容量が通常のガソリンエンジン車等に比べて大容量であるため、電気系統などをメンテナンスするような場合には、電源回路遮断装置(サービスプラグ)によって電源回路を開いて作業安全性を確保する。上記サービスプラグは、バッテリケースに設けた開口からバッテリケース内外に着脱することによって電源回路を開閉することができる。
【0008】
詳しくは、サービスプラグをバッテリケースの開口からバッテリケース内に収容すると電源回路が閉じ、サービスプラグをバッテリケースの開口からバッテリケース外に取り外すと電源回路が開く。このように、バッテリケースには、サービスプラグを着脱するための開口が設けられており、その開口から電磁波が漏洩する、という問題が生じていた。
【0009】
そこで、この問題を解決するために、バッテリケースの開口からサービスプラグをバッテリケース内に収容した後に、バッテリケースの開口を覆うシールド部材を設けることが考えられる。しかしながら、この場合、メンテナンス時にサービスプラグの着脱に加えて、シールド部材の着脱を行う必要があり、メンテナンス作業性が悪い、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−83599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、開口からの着脱作業性を維持しつつ、ケース外で発生した電磁波が開口からケース内に侵入して電源回路に影響を及ぼすことを防止するとともに、電源回路から発生した電磁波が開口からケース外に漏洩することを防止する電源回路遮断装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するための請求項1記載の発明は、過電流が流れると溶断する可溶体と、前記可溶体の両端の各々に接続された一対の端子金具と、を備え、電源回路を収容する導電性のケースに設けた開口から前記ケース内外に着脱することによって前記電源回路を開閉させる電源回路遮断装置において、前記開口より大きく前記開口を覆うように前記ケース外に取り付けられる第1ハウジング部と、前記第1ハウジング部の前記ケース側の面から突出して設けられた前記可溶体及び前記一対の端子金具を保持して前記ケース内に収容される第2ハウジング部と、を有する絶縁性のハウジングと、前記開口を覆い前記ケースに電気的に接続される導電性のシールド部材と、を備え、前記シールド部材が、前記第2ハウジング部に保持されたことを特徴とする電源回路遮断装置に存する。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記シールド部材が、シールド部材本体と、前記シールド部材本体から前記ケースに向けて突出する突起部と、を有し、前記第1ハウジング部には、前記ケースの開口の周縁部に対向して設けられた前記突起部を当該第1ハウジング部外に露出する露出孔が設けられ、前記露出孔から露出した前記突起部が前記ケースの開口の周縁部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電源回路遮断装置に存する。
【0014】
請求項3記載の発明は、前記突起部が、着脱方向に弾性変形可能に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の電源回路遮断装置に存する。
【0015】
請求項4記載の発明は、前記第1ハウジング部には、前記ケースの開口の周縁部に対向して設けられた前記シールド部材を露出する露出孔が設けられ、前記シールド部材の前記露出孔から露出した部分と前記ケースの開口の周縁部との間に挟まれ、前記シールド部材及び前記ケースを接続する導電性のリング部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の電源回路遮断装置に存する。
【0016】
請求項5記載の発明は、前記第1ハウジング部の側面には、前記シールド部材を前記第1ハウジング部内外に挿入出するための挿入出口が設けられていることを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載の電源回路遮断装置に存する。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、絶縁性のハウジングが、開口より大きく開口を覆うようにケース外に取り付けられる第1ハウジング部と、第1ハウジング部のケース側の面から突出して設けられた可溶体及び一対の端子金具を保持してケース内に収容される第2ハウジング部と、を有し、開口を覆いケースに電気的に接続される導電性のシールド部材が、第2ハウジング部に保持されている。従って、ハウジングを開口からケース内に装着するとハウジングに保持されたシールド部材によりケース開口を塞ぐことができる。これにより、電源回路遮断装置とシールド部材とを別々にケースに着脱する必要がなく、開口からの着脱作業性を維持しつつ、ケース外で発生した電磁波が開口からケース内に侵入して電源回路に影響を及ぼすことを防止するとともに、電源回路から発生した電磁波が開口からケース外に漏洩することを防止する。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、第1ハウジングに設けた露出孔から露出したシールド部材の突起部がケースの開口の周縁部に接続されているので、開口をシールド部材によって隙間なく塞ぐことができる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、突起部が、着脱方向に弾性変形可能に設けられているので、突起部と開口の周縁部とが密に接し、より確実に、開口をシールド部材によって隙間なく塞ぐことができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、導電性のリング部材が、シールド部材の露出孔から露出した部分とケース外表面の前記開口の周縁部との間に挟まれ、シールド部材およびケースを接続するので、開口をシールド部材及びリング部材によって隙間なく塞ぐことができる。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、第1ハウジング部の側面には、シールド部材を第1ハウジング部内外に挿入出するための挿入出口が設けられているので、可溶体が溶断された際にはシールド部材を第2ハウジング部から取り外して、可溶体を交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の電源回路遮断装置としてのサービスプラグと、このサービスプラグが着脱可能に取り付けられるバッテリユニットと、を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態における図1に示すサービスプラグの側面図である。
【図3】(A)は図1に示すサービスプラグの分解斜視図であり、(B)は図1に示すサービスプラグの斜視図である。
【図4】図3に示すシールド板の正面図である。
【図5】(A)〜(C)は、図1に示すサービスプラグを構成する第2ハウジング内にシールド板を収容する工程を説明するための説明図である。
【図6】(A)〜(C)は、バッテリユニットにサービスプラグを装着する工程を説明するための説明図である。
【図7】図6(A)の部分拡大断面図である。
【図8】図6(C)の部分拡大断面図である。
【図9】銅(厚さ:10μm)、アルミニウム(厚さ:12μm)のシールド板を用いた図1に示すサービスプラグの電界シールド効果を示すグラフである。
【図10】銅(厚さ:10μm)、アルミニウム(厚さ:12μm)のシールド板を用いた図1に示すサービスプラグの磁界シールド効果を示すグラフである。
【図11】第2実施形態における図1に示すサービスプラグの側面図である。
【図12】図11に示すサービスプラグをバッテリユニットに取り付けたときの断面図である。
【図13】他の実施形態における本発明の電源回路遮断装置としてのサービスプラグと、このサービスプラグが着脱可能に取り付けられるバッテリユニットと、を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
第1実施形態
以下、第1実施形態における本発明の電源回路遮断装置としてのサービスプラグを図1〜図9に基づいて説明する。図1は、本発明の電源回路遮断装置としてのサービスプラグと、このサービスプラグが着脱可能に取り付けられるバッテリユニットと、を示す斜視図である。図2は、図1に示すサービスプラグの側面図である。図3(A)は図1に示すサービスプラグの分解斜視図であり、図3(B)は図1に示すサービスプラグの斜視図である。図4は、図3に示すシールド板の正面図である。図5は、図1に示すサービスプラグを構成する第2ハウジング部内にシールド板を収容する工程を説明するための説明図である。なお、図3においては、説明を簡単にするためにレバー12の連結部12bについては省略してある。
【0024】
本実施形態のサービスプラグ1は、バッテリユニット2に着脱可能に取り付けられる。図1に示すように、上記バッテリユニット2は、電気自動車に搭載された高圧バッテリから負荷への電源供給を行うための電源回路(図示せず)と、この電源回路を収容する金属製のバッテリケース3と、を備えている。
【0025】
上記図示しない電源回路は、高圧バッテリを構成する複数のバッテリモジュール、これら複数のバッテリモジュールを互いに直列接続するための電池接続体や、電流センサ、温度センサ(何れも図示せず)などから構成されている。また、開いた電源回路の両端には、図1に示すように、コネクタ4が設けられている。コネクタ4は、開いた電源回路の両端に各々接続された図示しない一対の回路端子と、これら一対の回路端子を収容する絶縁性のコネクタハウジング5と、から構成されている。
【0026】
バッテリケース3は、図1に示すように、金属板をプレス加工して形成して複数のパネルと、上述したコネクタ4を収容する筒状の金属製のボックス6と、から構成されている。複数のパネルは、例えばネジなどにより組み立てられ、図示しない電源回路全体を覆う。ボックス6は、両端に開口が設けられた略四角筒状に形成されていて、一方の開口がパネルに設けられた開口に連結している。また、このボックス6の他方の開口6aから上記コネクタ4が露出するようになっている。また、ボックス6には、後述するレバー12の第2カム溝12dが挿入される一対のカムピン6bが突設されている。
【0027】
上記サービスプラグ1は、バッテリケース3内外に着脱することによって上述した図示しない電源回路を開閉させる装置である。このサービスプラグ1は、図2及び図3に示すように、過電流が流れると溶断する可溶体7と、この可溶体7の両端に各々接続された一対の端子金具8と、これら可溶体7及び一対の端子金具8を収容するハウジング9と、ハウジング9の開口を覆うカバー10と、ハウジング9内に収容されるシールド部材としてのシールド板11と、このハウジング9に回転自在に取り付けられたレバー12と、を備えている。
【0028】
上記ハウジング9は、絶縁性の合成樹脂から形成されている。上記ハウジング9は、ボックス6の開口6aより大きく、開口6aを覆うようにボックス6外に取り付けられる第1ハウジング部9aと、この第1ハウジング部9aの後述する底壁部9a−1のボックス6側の面から突出して設けられた可溶体7及び一対の端子金具8を保持してボックス6内に収容される第2ハウジング部9bと、を備えている。
【0029】
上記第1ハウジング部9aは、底壁部9a−1と、ボックス6から離れる方向に向かって底壁部9a−1の縁部から立設した互いに連結する複数の周壁部9a−2〜9a−5(図2、3、7、8などに示す)と、が設けられ、ボックス6から離れた側が開口となる立方体状の箱型に形成されている。上記底壁部9a−1には、その中央に図示しない矩形状の開口が設けられ、この開口の縁部から後述する第2ハウジング部9bの周壁部9b−1が立設している。
【0030】
また、上記底壁部9a−1には、後述するシールド板11のフィンガ11bを第1ハウジング部9a外に露出する4つの露出孔9a−6が設けられている。この露出孔9a−6は、後述する第2ハウジング部9bを囲むように設けられ、サービスプラグ1をバッテリケース3に取り付けたとき、ボックス6の開口6aの周縁部に対向するように設けられている。
【0031】
また、上記複数の周壁部9a−2〜9a−5のうち互いに対向する一対の周壁部9a−2、9a−4には、後述するレバー12の回動中心となる一対のカムピン9a−7と、後述するカバー10が係止される係止凸部9a−8と、がそれぞれ設けられている。また、周壁部9a−3の底壁部9a−1側には、後述するシールド板11を第1ハウジング部9a内外にスライド挿入出するための挿入出口9a−9が設けられている。
【0032】
上記第2ハウジング部9bは、互いに連なる複数の周壁部9b−1からなる筒状に設けられ、その内部に可溶体7及び一対の端子金具8が収容されている。第2ハウジング部9bの周壁9b−1は、第1ハウジング部9aの底壁部9a−1中央に設けた図示しない開口の縁部からボックス6側に向かって立設されている。
【0033】
上記カバー10は、上述した第1ハウジング部9aのボックス6から離れた側の開口を覆う天井壁部10aと、この天井壁部10aの縁部から立設し第1ハウジング部9aの周壁部9a−2、9a−4の外側に重ねられる周壁部10bと、が設けられている。上記周壁部10bには、周壁部9a−2、9a−4に設けられた係止凸部9a−8に係止される係止孔10cが設けられている。
【0034】
上記シールド板11は、図4に示すように、金属板で形成されたシールド板本体11aと、このシールド板本体11aからボックス6に向かって突出するフィンガ11bと、を備えている。フィンガ11bは、凸状に折り曲げた複数の板バネから構成されていて、着脱方向に弾性変形可能である。また、フィンガ11bは、シールド板本体11aの周縁に沿って設けられている。
【0035】
また、上記シールド板11は、図5に示すように、挿入出口9a−9から第1ハウジング部9a内にスライド挿入すると、シールド板本体11aが第1ハウジング部9aの底壁部9a−1のボックス6から離れた側の面に重ねられ、フィンガ11bが露出孔9a−6から第1ハウジング部9a外に突出する。
【0036】
従って、サービスプラグ1をバッテリケース3に取り付けると、この露出孔9a−6から突出したシールド板11のフィンガ11bが、ボックス6の開口6aの周縁部に対向して接触する。これにより、シールド板11とボックス6とが電気的に接続されると共に、シールド板11によってボックス6の開口6aが隙間なく塞がれる。
【0037】
上記レバー12は、上述した第1ハウジング部9aの周壁部9a−2、9a−4の外側に重ねられ、カムピン9a−7を中心に回転する一対のレバー部12aと、この一対のレバー部12aのカムピン9a−7から離れた端部同士を連結する連結部12bと、から構成されている。
【0038】
上記一対のレバー部12aには、上記ハウジング9に設けた一対のカムピン9a−7が挿入される第1カム溝12cと、ボックス6に設けた一対のカムピン6bが挿入される第2カム溝12dと、が設けられている。
【0039】
上記第1カム溝12cは、一対のカムピン9a−7から連結部12bに向かう直線状の長孔である。上記第2カム溝12dは、上記第1カム溝12cとほぼ平行に設けた直線部と、直線部の連結部12bから離れた側に設けられ、連結部12bから離れる従って第1カム溝12cに近づくように曲がる曲線部と、から構成された長孔である。
【0040】
次に、上述した構成のサービスプラグ1の取り付け手順について図6〜図8を参照して説明する。図6は、バッテリユニット2にサービスプラグ1を装着する工程を説明するための説明図である。図7は、図6(A)の部分拡大断面図である。図8は、図6(b)の部分拡大断面図である。なお、図6においては、説明を簡単にするためにレバー12の連結部12bについては省略してある。
【0041】
図6(A)に示すように、サービスプラグ1をバッテリユニット2から取り外した状態では、コネクタ4内の一対の回路端子同士が短絡しておらず、バッテリユニット2内の電源回路は開いた状態である。このため、高圧バッテリから負荷への電流は遮断された状態となっている。
【0042】
先ず、図6(A)及び図7に示すように、レバー12を回転開始位置にして、サービスプラグ1をボックス6に近づける。回転開始位置においては、レバー12の第1カム溝12cが装着方向Y1と平行となり、第1カム溝12cのボックス6側の端部にカムピン9a−7が挿入されている。また、第2カム溝12dの曲線部が、第1ハウジング部9aよりもボックス6側に位置する。
【0043】
そして、図6(B)に示すように、サービスプラグ1の第2ハウジング部9bをボックス6内に挿入すると共に、一対のレバー部12aのボックス6側をボックス6の外側に重ねて、第2カム溝12dにボックス6に設けたカムピン6bを挿入する。このとき第2カム溝12dの曲線部において直線部から離れた端部にカムピン6bが挿入される。なお、この状態では、端子金具8はコネクタ4内の一対の回路端子と接続されていない。
【0044】
次に、レバー12を図6(B)に示す時計回り方向Y2に回転させると、レバー12がカムピン9a−7を中心として回転し、図6(B)に示す回転開始位置から図6(C)の点線で示す回転完了位置まで回転される。このとき、レバー12の第2カム溝12dの曲線部をボックス6に設けたカムピン6bが移動することによって第2ハウジング部9bがボックス6内に収容されたコネクタ4に近づいて、第2ハウジング部9b内に保持された一対の端子金具8がコネクタ4内の図示しない一対の回路端子に嵌合して、電源回路が開状態となる。これにより、高圧バッテリから負荷への電源供給が可能となる。
【0045】
また、このとき図8に示すように、第1ハウジング部9aに保持されたシールド板11のフィンガ11bがボックス6の開口6aの周縁部に接触して、ボックス6とシールド板11とが電気的に接続されると共に、シールド板11によりボックス6の開口6aが覆われる。このときフィンガ11bは弾性変形してボックス6の開口6aの周縁部と密に接触する。
【0046】
その後、レバー12を図6(C)に示すスライド方向Y3にスライドさせると、レバー12の第1カム溝12c、第2カム溝12d内をカムピン9a−7、カムピン6bがスライドしてレバー12がロック位置に移動する。このロック位置では、レバー12を回転させることができない。
【0047】
上述したサービスプラグ1の取り外し手順は、取り付け手順を逆に、図6(C)に示すロック位置にあるレバー12を、スライド方向Y3とは反対方向にスライドさせて回転完了位置に戻す。その後、レバー12を反時計回りに回転させて図6(B)に示す回転開始位置に戻す。これにより、一対の端子金具8が一対の回路端子から離されて、電源回路が開状態となる。
【0048】
なお、電源回路に過電流が流れて可溶体7が溶断した場合は、サービスプラグ1からカバー10を取り外すと共にシールド板11を挿入出口9a−9から第1ハウジング部9a外に取り出せば、第1ハウジング部9aの開口から可溶体7を取り出して交換することができる。
【0049】
次に、本発明者は、銅(Cu、厚さ:10μm)、アルミニウム(Al、厚さ:12μm)のシールド板11を用いた図1〜図8に示すサービスプラグ1の電界シールド効果、磁界シールド効果をシュミレーションした。結果を図9及び図10に示す。同図からも明らかなように、電界、磁界ともにシールド効果が得られることが分かった。
【0050】
上述したサービスプラグ1によれば、絶縁性のハウジング9が、ボックス6の開口6aより大きく開口6aを覆うようにボックス6外に取り付けられる第1ハウジング部9aと、第1ハウジング部9aのボックス6側の面から突出して設けられた可溶体7及び一対の端子金具8を保持してボックス6内に収容される第2ハウジング部9bと、を有し、開口6aを覆いボックス6に電気的に接続される導電性のシールド板11が、第1ハウジング部9aに保持されている。従って、ハウジング9を開口6aからボックス6内に装着するとハウジング9に保持されたシールド板11によりケース6の開口6aを塞ぐことができる。これにより、開口6aからの着脱作業性を維持しつつバッテリケース3外で発生した電磁波が開口6aからバッテリケース3内に侵入して電源回路に影響を及ぼすことを防止するとともに、電源回路から発生した電磁波が開口6aからバッテリケース3外に漏洩することを防止する。
【0051】
また、上述したサービスプラグ1によれば、第1ハウジング部9aに設けた露出孔9a−6から露出したシールド板11のフィンガ11bがボックス6外表面の開口6aの周縁部に接続されているので、開口6aをシールド板11によって隙間なく塞ぐことができる。
【0052】
また、上述したサービスプラグ1によれば、フィンガ11bが、着脱方向に弾性変形可能に設けられているので、フィンガ11bと開口6aの周縁部とが密に接し、より確実に、開口6aをシールド板11によって隙間なく塞ぐことができる。
【0053】
また、上述したサービスプラグ1によれば、第1ハウジング部9aの側面には、シールド板11を第1ハウジング部9a内外に挿入出するための挿入出口9a−9が設けられているので、可溶体7が溶断された際にはシールド板11を第2ハウジング部9bから取り外して、可溶体7を交換することができる。
【0054】
なお、上述した第1実施形態によれば、シールド板11には、着脱方向に弾性変形可能なフィンガ11bを突起部として突出させていたが、本発明はこれに限ったものではない。突起部としては、単にシールド板11から突起するものであればよく、弾性変形しないものであってもよい。
【0055】
第2実施形態
次に、第2実施形態における本発明の電源回路遮断装置としてのサービスプラグ1を図11及び図12に基づいて説明する。なお、同図において、図1〜図9について上述した第1実施形態で既に説明した部分と同等の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0056】
第2実施形態と第1実施形態とで異なる点は、シールド板11の形状と、第1ハウジング部9aの形状である。第1実施形態では、シールド板11にはフィンガ11bを設けていたが、第2実施形態ではフィンガ11bを設けずに単なる平板に形成している。また、第1ハウジング部9aの底壁部9a−1には、ボックス6外表面の開口6aの周縁部に対向して設けられたシールド板11を露出する露出孔9a−10が設けられている。この露出孔9a−10は、第2ハウジング部9bを囲むように四角リング状に設けられている。
【0057】
さらに、第2実施形態において、サービスプラグ1は、四角形状の導電性のリング部材であるガスケット13を備えている。このガスケット13は、図11に示すように、シールド板11の露出孔9a−10から露出した部分とボックス6の開口6aの周縁部との間に挟まれ、シールド板11及びボックス6を互いに電気的に接続する。
【0058】
上述した第2実施形態のサービスプラグ1によれば、ガスケット13が、シールド板11の露出孔9a−10から露出した部分とボックス6の開口6aの周縁部との間に挟まれ、シールド板11及びボックス6を電気的に接続するので、開口6aをシールド板11及びガスケット13によって隙間なく塞ぐことができる。
【0059】
なお、上述した第1及び第2実施形態では、第1ハウジング部9a内にシールド板11を収容して、サービスプラグ1をボックス6に取り付けたときに、ボックス6の開口6aをシールド板11によって塞いでいたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、第1ハウジング部9aの底壁部9a−1、周壁部9a−2〜9a−5の外側、カバー10の天井壁部10a、周壁部10bの外側にシールド部材を塗布することにより、サービスプラグ1をボックス6に取り付けたときに、ボックス6の開口6aを塗布されたシールド部材によって塞ぐようにしてもよい。
【0060】
また、上述した第1及び第2実施形態では、サービスプラグ1にはレバー12が設けられていたが、本発明はこれに限ったものではない。レバー12は設ける必要がない。
【0061】
また、上述した第1及び第2実施形態では、ボックス6として金属製のものを用い、複数のパネルにより形成されたバッテリケース3の本体外側に配置されていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、ボックス6としては、樹脂などの絶縁性の部材でコネクタハウジング5と一体成形するものを用い、図13に示すように、ボックス6がバッテリケース3内に収容されて覆われていてもよい。
【0062】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 サービスプラグ(電源回路遮断装置)
3 バッテリケース(ケース)
6 ボックス(ケース)
6a 開口
7 可溶体
8 一対の端子金具
9 ハウジング
9a 第1ハウジング部
9a−6 露出孔
9a−9 挿入出口
9a−10 露出孔
9b 第2ハウジング部
11 シールド板(シールド部材)
11b フィンガ(突起部)
13 ガスケット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過電流が流れると溶断する可溶体と、前記可溶体の両端の各々に接続された一対の端子金具と、を備え、電源回路を収容する導電性のケースに設けた開口から前記ケース内外に着脱することによって前記電源回路を開閉させる電源回路遮断装置において、
前記開口より大きく前記開口を覆うように前記ケース外に取り付けられる第1ハウジング部と、前記第1ハウジング部の前記ケース側の面から突出して設けられた前記可溶体及び前記一対の端子金具を保持して前記ケース内に収容される第2ハウジング部と、を有する絶縁性のハウジングと、
前記開口を覆い前記ケースに電気的に接続される導電性のシールド部材と、を備え、
前記シールド部材が、前記第2ハウジング部に保持された
ことを特徴とする電源回路遮断装置。
【請求項2】
前記シールド部材が、シールド部材本体と、前記シールド部材本体から前記ケースに向けて突出する突起部と、を有し、
前記第1ハウジング部には、前記ケースの開口の周縁部に対向して設けられた前記突起部を当該第1ハウジング部外に露出する露出孔が設けられ、
前記露出孔から露出した前記突起部が前記ケースの開口の周縁部に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路遮断装置。
【請求項3】
前記突起部が、着脱方向に弾性変形可能に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の電源回路遮断装置。
【請求項4】
前記第1ハウジング部には、前記ケースの開口の周縁部に対向して設けられた前記シールド部材を露出する露出孔が設けられ、
前記シールド部材の前記露出孔から露出した部分と前記ケースの開口の周縁部との間に挟まれ、前記シールド部材及び前記ケースを接続する導電性のリング部材をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路遮断装置。
【請求項5】
前記第1ハウジング部の側面には、前記シールド部材を前記第1ハウジング部内外に挿入出するための挿入出口が設けられている
ことを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載の電源回路遮断装置。
【請求項1】
過電流が流れると溶断する可溶体と、前記可溶体の両端の各々に接続された一対の端子金具と、を備え、電源回路を収容する導電性のケースに設けた開口から前記ケース内外に着脱することによって前記電源回路を開閉させる電源回路遮断装置において、
前記開口より大きく前記開口を覆うように前記ケース外に取り付けられる第1ハウジング部と、前記第1ハウジング部の前記ケース側の面から突出して設けられた前記可溶体及び前記一対の端子金具を保持して前記ケース内に収容される第2ハウジング部と、を有する絶縁性のハウジングと、
前記開口を覆い前記ケースに電気的に接続される導電性のシールド部材と、を備え、
前記シールド部材が、前記第2ハウジング部に保持された
ことを特徴とする電源回路遮断装置。
【請求項2】
前記シールド部材が、シールド部材本体と、前記シールド部材本体から前記ケースに向けて突出する突起部と、を有し、
前記第1ハウジング部には、前記ケースの開口の周縁部に対向して設けられた前記突起部を当該第1ハウジング部外に露出する露出孔が設けられ、
前記露出孔から露出した前記突起部が前記ケースの開口の周縁部に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路遮断装置。
【請求項3】
前記突起部が、着脱方向に弾性変形可能に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の電源回路遮断装置。
【請求項4】
前記第1ハウジング部には、前記ケースの開口の周縁部に対向して設けられた前記シールド部材を露出する露出孔が設けられ、
前記シールド部材の前記露出孔から露出した部分と前記ケースの開口の周縁部との間に挟まれ、前記シールド部材及び前記ケースを接続する導電性のリング部材をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路遮断装置。
【請求項5】
前記第1ハウジング部の側面には、前記シールド部材を前記第1ハウジング部内外に挿入出するための挿入出口が設けられている
ことを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載の電源回路遮断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−124004(P2012−124004A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273467(P2010−273467)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
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