説明

電球形LED光源

【課題】効率を落とすことなく、且つ外管グローブ上の輝度均整度が改善される、つまり光むらを少なくすることができる電球形LED光源を提供する。
【解決手段】この発明に係る電球形LED光源は、LED素子が少なくともn(4以上の自然数)個の素子を外管グローブ内に略平面状に配置され、各々のLED素子は少なくとも60°以上120°以下の配光角を有し、各々のLED素子が外管グローブ内面に光を照射する配光角の内側の配光エリアが重なるようにするとともに、重なりはn重の配光エリアを一部に有し、且つn重の配光エリアが外管グローブ内面の10%以上80%以下であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電球形LED光源に関する。
【背景技術】
【0002】
電球形の光源において、外管グローブは本来透過率を下げるため、発光効率の観点から考えれば逆効果なものだが、一般照明用として用いるときは、LED(発光ダイオード)の輝度が高いためまぶしく、これを抑制するためには乳白色の光拡散効果のある外管グローブをLED光源の前面に配置することが公知である。
【0003】
例えば、図7は従来のLED電球200を示す断面図である。LED電球200は、簡単な構成で輝度が均一で照射範囲の広い白色光が得ることができ、また、配光パターンが簡単に変えられ、一般の商用電源に直接接続でき、一般に広く使用されている白熱電球との互換性があるLED電球を提供することを目的とする。
【0004】
このLED電球200は、一端に口金201が設けられ、他端の開口部に向けてラッパ状に拡がるカバー202と、このカバー202の開口部に取付けられ内面に光拡散層206を有する外管グローブ205と、カバー202と外管グローブ205により形成された略球体207の内部に設けられた基板203と、この基板203の外管グローブ205に対向する外面に実装されたLED素子204と、を備える。また、外管グローブ205は、光拡散効果のある均一な材質(アクリル等)の場合もある。
【0005】
また、基板203をカバー202の開口部外面に平行な板状にしたものである。即ち、平面状の基板203に複数個のLED素子204が配置されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−243807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このようなLED電球200では、LED素子204から放射された光が外管グローブ205に照射され、部分的には複数個のLED素子204から放射された光が重なるエリアが発生したり、照射エリアから外れたりする。即ち、輝度むらが発生するという課題があった。
【0008】
また、LED素子204が同一基板203上に同一照射方向に向けて設置されているため、電球や電球形蛍光ランプと異なり、商品形状としてはあたかも電球状になっているが、配光特性は全く異なり、スポットライトの様に一方向かつ基板203面に垂直な方向のみに集中的に照射される。従来、白熱電球を光源としていた照明器具の光源として置換えた場合、部屋全体の照度分布が大きく変化し、一般に天井や壁が交換以前に比べ甚だしく暗くなってしまうという不具合もあった。
【0009】
またダウンライトの光源として用いられた場合、壁面への配光はあまり重要視されないため、むしろ直下照度が白熱電球と同等となる様、軸線上に配光を集中させる傾向があった。この場合、外管グローブ205で損失となりやすい中心軸に垂直成分の拡散しやすい配光が相対的に減少するので、発光効率は高まるが、発光面は中央のみが高輝度となり、外管面上の輝度均整度は低下し、むらが出る不具合があり、また壁が暗くなるという課題が大きく浮き彫りになる。
【0010】
また、n数(LED素子204の数、nは自然数)を極めて大きくすれば上記課題は解決するように見える。しかし、実際は有限の面積を持つ基板203面上に多くのLED素子204は配置できず、コスト的にも商品性を落し、かつ温度が高くなりすぎLED素子204の寿命が短くなり、LEDの特徴とされる長寿命特性を大きく犠牲にすることとなってしまう。
【0011】
外管グローブ205の透過率を下げ、拡散性を高くすれば輝度均整度は良好になるが、これではランプそのものの発光効率が低下してしまう。
【0012】
発光効率を左右する要因として、照射する光軸に垂直な拡散用フィルター(外管グローブ205)へは凡そほとんどがフィルター媒体に進入し、減衰しながら通過する。これを直線透過率と呼ぶ。しかし、光軸がフィルターに対しある角度を持って斜めから進入すると、光の一部はフィルター媒体に進入せず、反射してしまう。LED電球200の場合、外管グローブ205内で反射した光は更に多重反射し、外管グローブ205外へ照射されるものと外管グローブ205内でロスとなるものに分かれる。つまり光軸に垂直でない部分を持つ外管グローブ205では、入射角が薄い部分が多いほど内部ロスが増加し、全体の発光効率は減少する。従って平面状に配光角の狭い複数のLEDを配置し、全てのLED光軸に垂直となる平面状の拡散板を設置すれば上記ロスは減少するが、白熱電球代替としてのパフォーマンスが落ちる。
【0013】
今後LED電球200が普及し、多くの配光パターンを持った製品が展開されれば、ユーザーも用途に合わせた製品選択が可能となる。しかし、当面販売数量とコストや実売価格の制限により、現実的には製品に多くの配光パターンは無く、主に直下照度を既存の白熱電球と同程度とすることが設計の方針となっている。我々はこの“直下照度”と“壁への配分”と“光源自体の輝度均整度(輝度むらの少なさ)”を実使用状態に最適なバランスとすることを検討した。従って本来LED素子204の持つ効率を上げたり、直下照度を維持しつつ壁への配光を追加したりするものではなく、現在ある総光量の配分方法を最適化し、その用途を広げることを目的とした。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、効率を落とすことなく、且つ白熱電球様の外管グローブ上の輝度均整度が改善される、つまり光むらを少なくすることができる電球形LED光源を提供する。
【0015】
また、複数個用いられるLED素子の配光角を、各々適宜変更する設計手段が考えられるが、この手法を用いることは工業的に煩雑な工程を生み、総使用LED素子数は同じでも、複数の種類に分かれてしまうため、量産性が落ちコストは上昇し、部材準備のリードタイムが延びるため、この手法は用いないことを前提とした。
【0016】
また更に、配光角を変えずに、各LED素子の光軸を変化させることも手法として考えられ、弊社ではPARATHOM CLASSIC Aとして商品化しているが、一枚の基板面に直接LEDを設置できないというやはり工業的観点からは課題のある手法であったため、検討からは外した。
【0017】
従って、本課題を解決する際、用いる設計手法はLED素子の配光角は全て同一とし煩雑な識別や使い分けが不要、かつLED素子は基板上に同一照射方向に設置され、光軸は全て基板面に垂直な方向のみである設計に限定した。
【0018】
ここで設計は望ましくは下半球に一様な配光を持ち、更には上半球にも同様な配光をもつべきだが、現実的にはまだこのような要望を満足できるLED素子が無く、我々は下半球にできるだけ一様な配光かつ、やはり直下照度にもある程度配分を持った設計をすることとした。
【0019】
また外管グローブの直線透過率は約90%のものとした。しかしこの透過率は本発明とは本質的に独立な事象であり、90%に本発明の効果が限定されるものではない。
【0020】
LED素子の配光角とは、図8に示した様に、中心軸の光量を100%としたとき、中心軸からある角度を持ってLED発光中心を見込んだ際、光量が中心軸線上に比べ50%まで低下するまでの中心軸からの2次元的角度である。即ち、中心軸を中心に両側に各々50%まで低下する中心軸を中心とする角度である。従って、実際はこのエリアの外側にも少ないながら光は照射されているが、設計検証を明確にするためここではLED素子の配光角の内側のエリアを配光エリアと定義することとした。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この発明に係る電球形LED光源は、LED(発光ダイオード)素子を光源とし、電球形状の外観を有し、且つ電球のように広い配光分布を持たず、凡そ2πSt(ステラジアン)の範囲に投光する商用電源で点灯可能な点灯回路内蔵型の光源であって、E或いはB口金を有する白熱電球代替の光源であり、更にはLED光源の前面に白熱電球を模した外管グローブを有する電球形LED光源において、
LED素子が少なくともn(4以上の自然数)個の素子を外管グローブ内に略平面状の基板同一面に配置され、
各々のLED素子は少なくとも60°以上120°以下の配光角を有し、かつ配光角の中心軸は略平面状の基板面に垂直とし、
各々のLED素子が外管グローブ内面に光を照射する配光角の内側の配光エリアが重なるようにするとともに、
重なりはn重の配光エリアをランプ中心軸上にある外管バルブ内面上を含む一部に有し、且つn重の配光エリアが外管グローブ内面の10%以上80%以下であることを特徴とする電球形LED光源。
【0022】
この発明に係る電球形LED光源は、何れのLED素子の配光エリアからも外れるエリアが、外管グローブ内面の30%未満であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
この発明に係る電球形LED光源は、上記構成により、効率を落とすことなく、且つ外管グローブ上の輝度均整度が改善される、つまり光むらを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施の形態1を示す図で、電球形LED光源100の側面図(a)と正面図(b)。
【図2】実施の形態1を示す図で、電球形LED光源の配光特性を示す図。
【図3】実施の形態1を示す図で、LED素子数n=3の場合のときの外管グローブにおける配光エリアを示す略図。
【図4】実施の形態1を示す図で、LED素子数n=4の場合のときの外管グローブにおける配光エリアを示す略図。
【図5】実施の形態1を示す図で、LED素子数n=5の場合のときの外管グローブにおける配光エリアを示す略図。
【図6】比較例1〜7、及び実施例1〜4の設計パラメータと評価結果を示す図。
【図7】従来のLED電球200を示す断面図。
【図8】LED素子の配光角を定義する図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施の形態1.
図1乃至図6は実施の形態1を示す図で、図1は電球形LED光源100の側面図(a)と正面図(b)、図2は電球形LED光源の配光特性を示す図、図3はLED素子数n=3の場合のときの外管グローブにおける配光エリアを示す略図、図4はLED素子数n=4の場合のときの外管グローブにおける配光エリアを示す略図、図5はLED素子数n=5の場合のときの外管グローブにおける配光エリアを示す略図、図6は比較例1〜7、及び実施例1〜4の設計パラメータと評価結果を示す図である。
【0026】
図1に示すように、電球形LED光源100は、一端に口金1が設けられ、他端の開口部に向けてラッパ状に拡がる金属性の放熱部品2が設けられている。放熱部品2と、この放熱部品2の開口部に取付けられ内面に光拡散層6を有する外管グローブ5と、放熱部品2と外管グローブ5により形成された略球体7の内部に設けられた基板3と、この基板3の外管グローブ5に対向する外面に実装されたLED素子4と、を備える。
【0027】
本実施の形態における電球形LED光源100は、以下に示す特徴を有する。
(1)LED素子4(発光ダイオード)を光源とする。
(2)電球形状の外観を有する(図1参照)。
(3)電球のように広い配光分布を持たず、凡そ2πStRad(ステラジアン)の範囲に投光する商用電源で点灯可能な点灯回路内蔵型の光源である。
(4)JIS C7709−1に規定されたE26口金、もしくはE17口金などのE口金、もしくはB口金を有する白熱電球代替の光源であり、更にはLED光源の前面に白熱電球を模した外管グローブ5を有する電球形LED光源100である。
(5)LED素子4が、少なくともn(4以上の自然数)個外管グローブ5内の基板3に平面状に配置される。
(6)各々のLED素子4は少なくとも60°以上120°以下の配光特性(配光角)を有する(配光角については、図2、図8を参照)。尚、120°以上のLED素子4は配光角が広く、外管グローブ5を用いる光源としては照射角が広すぎ、そもそも輝度むらが発生するという課題が重要とはならない反面、外管グローブ5でのロスが大きく、光源としての効率が低く、直下照度も高くしづらい。
(7)各々のLED素子4が外管グローブ5内面に配光する配光エリアが重なるようにする。
(8)重なりはn重の配光エリアを一部に有し、且つn重に重なる配光エリアが外管グローブ5内面の10%以上である。
(9)いずれのLED素子4の配光エリアからも外れる(以下0重という)エリアが外管グローブ5内面の30%未満である。
【0028】
従来のLED電球200において、外管グローブ205に輝度むらが発生する原因を調査すると、以下の二つの理由で輝度むらが発生していることが判明した。
(1)ある固有のLED素子204から放射された光が固有の配光角をもって照射されるが、各LED素子204から照射範囲内にある外管グローブ205内面までの距離が異なる。
(2)複数個のLED素子204から照射された光が重畳するエリアと重畳しないエリアが存在する。
【0029】
発明者等の一連の調査の結果、前者(1)は、後者(2)に比べ光むらに対する影響が比較的小さいことが判明した。
【0030】
また一連の検討により、配光の重なりが点対称になるとむらは比較的気にならないことが判明した。
【0031】
発明者等は、外管グローブ5の輝度均整度を改善するため、後者(2)の検討を行った。その結果を図6に示す。尚、図6における比較例1(1)〜比較例6(6)、実施例(7)〜(9)は、図3〜図4の(1)〜(9)、実施例(11)は、図5の(11)に対応している。図6の比較例7(10)については、対応する外管グローブ5における配光エリアを示す略図は省略している。図4における(6)の、比較例6(6)の配光エリアを示す略図では、同心円の位置に配置されるLED素子4を中心に寄せている。
【0032】
n個のLED素子4から放射された光は、最大n重の配光エリアを生む。これにはLED素子4の配置及び配光角の選定によっては最大でもn重未満の重複しか発生しない場合も存在する。ここでは、LED素子4と外管グローブ5内面までの距離は、極めて限られた範囲しかとれず、大きな差を生む要因にはなり得ないため、LED素子4から照射される外管グローブ5内面までの距離の差よりも、何重の配光エリアにあるかで輝度は支配される傾向にあった。
【0033】
また外管グローブ5の中心から徐々に周辺部に向かって輝度が低下してゆく場合は輝度むらとして認識されにくく、つまり輝度のグラディエーションの割には不快さは感じられなかった。そこで調査において輝度均整度に関しては、一つの光源の外管グローブ5上の輝度を多数測定し、そのバラツキを数値的に把握するのではなく、実際光源を見た際に感じる輝度むらに関する官能評価とし、被験者が不快と感じる場合を×、若干不快を感じる場合を△、問題が無い場合を○として評価し。○の領域を市場満足レベルとして設計基準とした。
【0034】
従って、輝度均整度を上げるためには、LED素子4の配光角の大きいものを選定し、LED素子4の数nを多くし、基板3上に基板3の中心及び/または中心に対し同心円上に配置し、0重のエリアを狭めることが重要である。一方直下照度を上げるにはn重となる配光エリアをランプ(電球形LED光源100)軸線上に設けることが重要となる。ランプ全体の発光効率を上げるためにはLED素子4の配光角をできるだけ狭いものを使うことが重要である。
【0035】
このお互い矛盾する命題をバランスさせて顧客満足を実現するには、LED素子4の数n(nは自然数)は少なくとも4以上が望ましい。図3に示すように、LED素子4の数nが3では、極めて配光角の広いLED素子4が必要となり、外管グローブ5内のロスが増えランプ(電球形LED光源100)全体の発光効率が満足できない。
【0036】
また、LED素子4の数n=3の場合、輝度均整度と点対称を設計に盛込むと図3の様な配置となり、中央部の重複が困難で、直下照度が高くできないことが判明した。従ってnは4以上が望ましい。比較例で上げたn=3の90°の例は中央にn=3重の配光エリアが発生するが、輝度均整度と満足のいく直下照度の両立ができなかった。
【0037】
照射角が広いとn重の配光エリアは作りやすくなるが、反面外管グローブ5外に照射するロスが増加するため、配光角(図2のθ)は120°以下が望ましい。また照射角が狭すぎるとn重のエリアが発生しにくくなるため、配光角は60°以上が望ましい。
【0038】
直下照度を上げることも重要な設計要因であり、少なくともランプ(電球形LED光源100)中心線上の外管グローブ5にはn重の配光エリアが存在すべきである。
【0039】
また、外管グローブ5上のn重の配光エリアは、全体の10%以上を占めなければ実質的に満足な直下照度は得られない。一方同心円の位置にLED素子4を配置すれば目視したところ輝度むらは感じづらくなる。
【0040】
LED素子4は、全て1素子当り1W定格消費電力で100lmを出力する、青色LEDに黄色発光蛍光体を組合せた一般的な白色LED素子を用いた。そして、配光角のみ30°、60°、90°、120°、150°と5種類の配光角が異なるタイプを準備し、図1に示す直径55mmのプリント基板3上に中央に1素子、かつ場合によってはその周囲に点対称となる位置に、基板3中央から同心円状に複数個のLED素子4を配置し、E26口金タイプの電球形LEDランプ(電球形LED光源100)を試作し、比較評価を行った。
【0041】
特に説明はしていないが、基板3の温度が上昇するため、基板3より口金1側に十分な放熱媒体が設けてある。また試作ランプには、全て図1に示した外管グローブ5の内面にシリカ微粉末をコーティングした直線透過率が90%の直径60mmのガラス製白色の外管グローブ5を全てに用いた。
【0042】
0重エリアをパラメータとして比較するため、前記同心円の半径で0重エリアの割合を変化させ、試作品を作成した。LED素子4の素子数nが異なるが、全て定格点灯させた。また当然LED素子4の素子数nが多ければ、完成ランプ自体の全光束は大きくなる。しかし、本実験では全光束を統一するのではなく、LED素子4の素子数nで規格化(つまりWで割戻し相対評価)した。従って1素子の場合は1W(但し電源ロスは計算から外した)、5素子の場合は5Wの電力がLED素子4に入力されている。
【0043】
効率を比較するため、用いたLED素子4の素子数をnとし、外管透過率0.9のときの理論効率(単位lm/W):定格出力100(lm/素子)×n(素子)/n(W)×0.9(外管透過率)を100%とし、試作ランプの全光束値を積分球にて測定し相対値で示した。
【0044】
効率は当然高い方が望ましく、我々は90%以上を良好と考えた。また外管グローブ5上の輝度のむらを輝度均整度と呼ぶが、これは輝度がいたるところで均一な方が望ましいが、蛍光ランプを光源に持つ電球形蛍光ランプとは異なり、高輝度な極小光源でかつ配光角があるため、現実的には外管グローブ5上で均一な輝度にはなり得ない。これをいかに均整にするかでユーザーの満足感が変る。
【0045】
また、直下照度に関しては試作ランプをベースアップで点灯し、ランプ直下1mの照度を照度計で測定し、各々測定照度をランプ総ワット数で割った値とした。つまり、4個のLED素子4を使用した4Wの直下照度が52lxであれば、直下照度=52/4=13(lx/W)とした。直下照度は10(lx/W)以上が一般に満足できる値である。これは当然同じ設計であればランプの総消費電力に概ね比例して大きくなり、必要な直下照度をユーザーが得るためには電球形LEDランプ(電球形LED光源100)のワット数を調整するか、或いは使用灯数を調整するかになる。
【0046】
実施例は、基板5の中央に1粒のLED素子4を配置したが、これは必ずしも中央に配置する必要は無い。また外管グローブ5の透過率は90%に限られないし、材質もガラス製以外の樹脂製であってもかまわない。LED素子4の配置は、比較を主旨としたため同心円状とした。
【符号の説明】
【0047】
1 口金、2 カバー、3 基板、4 LED素子、5 外管グローブ、6 光拡散層、7 略球体、100 電球形LED光源、200 電球形LED光源、201 口金、202 カバー、203 基板、204 LED素子、205 外管グローブ、206 光拡散層、207 略球体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED(発光ダイオード)素子を光源とし、電球形状の外観を有し、且つ電球のように広い配光分布を持たず、凡そ2πSt(ステラジアン)の範囲に投光する商用電源で点灯可能な点灯回路内蔵型の光源であって、E或いはB口金を有する白熱電球代替の光源であり、更にはLED光源の前面に白熱電球を模した外管グローブを有する電球形LED光源において、
前記LED素子が少なくともn(4以上の自然数)個の素子を前記外管グローブ内に略平面状の基板同一面に配置され、
各々のLED素子は少なくとも60°以上120°以下の配光角を有し、かつ前記配光角の中心軸は前記略平面状の基板面に垂直とし、
各々のLED素子が前記外管グローブ内面に光を照射する前記配光角の内側の配光エリアが重なるようにするとともに、
前記重なりはn重の前記配光エリアをランプ中心軸上にある前記外管バルブ内面上を含む一部に有し、且つn重の前記配光エリアが前記外管グローブ内面の10%以上80%以下であることを特徴とする電球形LED光源。
【請求項2】
何れの前記LED素子の配光エリアからも外れる前記エリアが、前記外管グローブ内面の30%未満であることを特徴とする請求項1記載の電球形LED光源。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−124124(P2012−124124A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276083(P2010−276083)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(591015625)オスラム・メルコ株式会社 (123)
【Fターム(参考)】