説明

電球用ガラスバルブの製造方法

【課題】圧潰封止用ガラスバルブは、圧潰形状を一定とし確実に封止が行われる条件として、封止部ガラス肉厚の高い均一度が要求される。本発明は、ガラスバルブ封止部分の肉厚を均一とし、封止部品質の安定した圧潰封止電球の製造が可能となる、電球用ガラスバルブの製造方法を提供する。
【解決手段】圧潰用ガラスバルブ材料として管材料を使用し、封止される部分は材料素材形状をそのまま残すようにバルブを成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電球用ガラスバルブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電球用ガラスバルブの成形は、溶融ガラスを材料として、リボンマシンと呼ばれるブロ−成形機により成形する方法が、一般的に採用されている。
【特許文献1】特開2004−288407号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の電球の製造工程に於いては、発光させるフィラメントや放電させる電極を有するステムとガラスバルブとの封止をドロップシ−ル方式と呼ばれる方法で行っていた。リボンマシンにより成形されたガラスバルブはこの封止方法に適している。
【0004】
ところが、近年の環境問題に対応すべく特開2004−288407号公報に見られるように圧潰封止による電球製造方法が考案されている。この封止方法は、ガラスを余すことなく使用する方法であるため、圧潰形状を一定とし確実に封止が行われる条件として、封止部ガラス肉厚の高い均一度が要求される。この肉厚の均一度は、リボンマシンによる従来の製造方法では到底成し得ることは出来なかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
蛍光ランプ・自動車用電球等の材料として使用されている管材料は、高い肉厚の均一度を有しており、この材料を使用し、封止される部分は材料素材形状をそのまま残すようにバルブを成形すれば、圧潰封止に適した電球用ガラスバルブが得られる。
【発明の効果】
【0006】
本発明による成形方法で製造した電球用バルブを使用することにより、封止部品質の安定した圧潰封止電球の製造が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図示の一実施例を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0008】
図1は素材ガラス管材料を2分割し、片端閉塞管を製造する工程図である。図1(a)は素材ガラス管1を示す。素材ガラス管1は図1(b)に示すように、中央部をカットバ−ナ−2で加熱しながら、両管端方向に引張り力を作用させることにより、2分割に焼き切られる。
【0009】
こうして片端が閉塞したガラス管4が得られる。2分割された管は図1(c)に示すように、閉塞部を更に肉溜バ−ナ−3で加熱し、球形に成形する際に肉薄とならないように管端にガラスを溜める。この工程を終えると図1(d)に示す、片端閉塞ガラス管5が完成する。
【0010】
図2は片端閉塞ガラス管を使用してブロ−成形を行う工程図である。図2(a)に示すように、片端閉塞ガラス管5は、ガラス管チャック6により把持され、回転しながら加熱バ−ナ−7により、球形成形部が軟化するまで加熱される。
【0011】
球形成形部が軟化したガラス管は、図2(b)に示すように金型8中に入れられ、開放端側よりエアブロ−ノズル9を挿入し、エアブロ−することにより球形に成形される。
【0012】
そこで、球形成形部温度が軟化点以下まで下がった段階で、図2(c)に示すように金型を開く。図2(d)は完成したガラスバルブ10を示す。
【0013】
本発明の製造方法は金型形状を変えることにより、球形以外のバルブ形状にも対応することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】素材ガラス管材料を2分割し、片端閉塞管を製造する工程図。
【図2】片端閉塞管をブロ−成形する工程図。
【符号の説明】
【0015】
1 素材ガラス管
2 カットバ−ナ−
3 肉溜バ−ナ−
4 2分割されたガラス管
5 片端閉塞ガラス管
6 ガラス管チャック
7 加熱バ−ナ−
8 成形金型
9 エアブロ−ノズル
10 完成ガラスバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電球用ガラスバルブを成形するに当たり、管材料を使用し、前記管材料の管状部分を残してバルブ球部を成形することを特徴とする電球用ガラスバルブの製造方法。
【請求項2】
請求項1の電球用ガラスバルブ材料として、管材料から製造した片端閉塞管を使用することを特徴とする電球用ガラスバルブの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−77931(P2008−77931A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−254532(P2006−254532)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(390033293)株式会社大井川電機製作所 (3)
【Fターム(参考)】