説明

電磁リレー

【課題】リレー本体とコネクタとの一体化を図るとともに、バスバーを使用することなく電子部品を接続することができる電磁リレーを提供する。
【解決手段】リレー本体2に一体的にコネクタ20を設けることともに、リレー本体1から突出して電子部品接続用端子30を設ける。これにより、リレー本体2とコネクタ20との一体化を図るとともに、バスバーを使用することなく電子部品を接続することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電磁リレーでは、コネクタや電子部品との接続にバスバーを用いている。図5にその様子を示す。同図に示すように、電磁リレー100とコネクタ101及び電子部品102がバスバー103を介して接続されている。なお、このようなバスバーによるコネクタや電子部品の接続方法を採ったものとして、特許文献1に記載された「リレー装置及びその製造方法」が知られている。この特許文献1には導体板の一端を複数のコネクタ端子、回路素子等の接続端子としている点が記載されている。一方、特許文献2には、リレーのリードをコネクタ端子として形成し、一体化した「リレー内蔵コネクタ」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−077903号公報
【特許文献2】特開平9−219259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図6に示すように、リレー本体とコネクタを一体化すると、バスバーは電子部品を接続するためだけのものとなり、それだけのためにバスバーを使用すると、コスト的に見合わなくなる。しかし、バスバーを使用しないと電子部品を接続することができなくなる。
【0005】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、リレー本体とコネクタとの一体化を図るとともに、バスバーを使用することなく電子部品を接続することができる電磁リレーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電磁リレーは、リレー本体と、前記リレー本体に一体的に設けられるコネクタと、前記リレー本体から突出して設けられる電子部品接続用端子と、を備えた。
【0007】
また、前記電磁リレーにおいて、前記コネクタは、主端子の引き廻しにより前記リレー本体に一体的に最大4個まで設けられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、リレー本体に一体的にコネクタを設けることともに、リレー本体から突出して電子部品接続用端子を設けたので、リレー本体とコネクタとの一体化を図るとともに、バスバーを使用することなく電子部品を接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電磁リレーの外観を示す図であり、(a)は上方から見た図、(b)は横から見た図、(c)は後方から見た図
【図2】図1の電磁リレーのA−A線断面図
【図3】図1の電磁リレーの応用例(1)を示す図
【図4】図1の電磁リレーの応用例(2)を示す図
【図5】従来の電磁リレーとコネクタ及び電子部品との接続を示す図
【図6】従来のコネクタ一体型の電磁リレーの外観を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態に係る電磁リレーの外観を示す図であり、(a)は上方から見た図(平面図)、(b)は横から見た図(側面図)、(c)は後方から見た図(背面図)である。
【0012】
本実施の形態の電磁リレー1は、リレー本体2の上面にコネクタ20を一体的に設けるとともに、リレー本体2の下面から突出させた電子部品接続用端子30を設けたものである。コネクタ20は1つの端子201を有し、この端子201と電子部品接続用端子30がリレー本体2内に設けられた固定端子15に接続されている。電子部品接続用端子30には、電子部品102(図5参照)が接続される。
【0013】
図2は、図1の電磁リレー1のA−A線断面図である。同図において、電磁リレー1は、樹脂等の絶縁性部材にて形成されたベース10に、電磁石部11、接極子12、カード13、可動端子14及び固定端子15が並列に設けられている。
【0014】
電磁石部11は、主にヨーク111と、ヨーク111に固定されたコイル112とから構成される。接極子12は、略く字形状に屈曲形成されており、電磁石部11のヨーク111の上端縁にヒンジバネ(図示略)を介して回動自在に支持される。カード13は、ベース10に接極子12及び可動端子14の方向へ回動自在に支持される。カード13は、接極子12と接触する第1の枝部131と、可動端子14と接触する第2の枝部132とを有している。可動端子14は、カード13と対向して配置され、上端部分でカード13の第2の枝部132と接触する。可動端子14には、カード13の第2の枝部132と接触する位置より下方に可動接点141が設けられている。固定端子15は、可動端子14と対向して配置され、上端部分がL字形状に形成されており。L字形状部分のうち垂直方向に向いた部分がコネクタ20の端子201に相当する。
【0015】
このような構成の電磁リレー1では、電磁石部11に電圧を印加してないときは、ヒンジバネ(図示略)のバネ力で接極子12の下端部121の近傍が押圧されているので、接極子12の上端部122の吸着面が電磁石部11の磁極部113から離間している。また、接極子12の上端部122の吸着面が電磁石部11の磁極部113から離間していることからカード13が静止状態にあり、可動端子14の可動接点141と固定端子15の固定接点151が離間状態にある。この状態から電磁石部11に電圧を印加すると、電磁石部11が励磁状態となって、接極子12の上端部122の吸着面が電磁石部11に吸引される。そして、このときの接極子12の回動によってカード13が可動端子14側に回動し、可動端子14の可動接点141と固定端子15の固定接点151が接触し、可動端子14と固定端子15が通電状態となる。
【0016】
その後、電磁石部11に電圧を印加している状態から電圧の印加を止めると、電磁石部11が消磁状態となって、接極子12の電磁石部11に対する吸引が解かれる。接極子12の吸引が解かれると、ヒンジバネ(図示略)のバネ力によって接極子12の下端部121の近傍が押圧されて、接極子12が電圧印加時と逆方向に回動する。このときの接極子12の回動によってカード13が接極子12側に回動し、可動端子14の可動接点141と固定端子15の固定接点151が離間し、可動端子14と固定端子15が非通電状態となる。
【0017】
このように、本実施の形態の電磁リレー1によれば、リレー本体2に一体的にコネクタ20を設けることともに、リレー本体1から突出して電子部品接続用端子30を設けたので、リレー本体2とコネクタ20との一体化を図るとともに、バスバーを使用することなく電子部品を接続することが可能となる。
【0018】
なお、本実施の形態の電磁リレー1では、コネクタ20を1個設けたものであったが、複数個設けることも可能である。また、複数の固定端子15のそれぞれに対して電子部品接続用端子30を設けることも可能である。また、電子部品接続用端子30も1個に限定されるものではなく、複数個設けることも勿論可能である。図3は、本実施の形態の電磁リレー1の応用例(1)の電磁リレー3を後方から見た図(背面図)であり、2個のコネクタ20を一体化した例である。応用例(1)では、2個のコネクタ20それぞれの端子201が固定端子15に接続されている。図4は、本実施の形態の電磁リレー1の応用例(2)の電磁リレー4を後方から見た図(背面図)であり、2個のコネクタ20を一体化するとともに、2個の電子部品接続用端子30を設けた例である。応用例(2)では、2つの固定端子15のそれぞれに対して、コネクタ20の端子201と電子部品接続用端子30が接続されている。
【符号の説明】
【0019】
1、3、4 電磁リレー
2 リレー本体
10 ベース
11 電磁石部
12 接極子
13 カード
14 可動端子
15 固定端子
20 コネクタ
30 電子部品接続用端子
111 ヨーク
112 コイル
113 磁極部
131 第1の枝部
132 第2の枝部
141 可動接点
151 固定接点
201 端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リレー本体と、
前記リレー本体に一体的に設けられるコネクタと、
前記リレー本体から突出して設けられる電子部品接続用端子と、
を備えた電磁リレー。
【請求項2】
前記コネクタは、主端子の引き廻しにより前記リレー本体に一体的に最大4個まで設けられる請求項1に記載の電磁リレー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−199195(P2012−199195A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63972(P2011−63972)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)