説明

電磁界パターン測定装置

【課題】 被試験アンテナの高さに高低差がある場合であっても、各被試験アンテナ毎に電磁界パターンを適切に測定することのできる電磁界パターン測定装置を提供する。
【解決手段】 試験用アンテナ3の移動方向を円弧に沿って規制する試験用アンテナガイド手段4の上下位置を調整するオフセット量調整手段6を設けて試験用アンテナガイド手段4の上下位置を調整し、被試験アンテナ13を実装した装置12の大小やアンテナ取り付け位置の相違等によって被試験アンテナ13の高さに高低差が生じた場合であっても、試験用アンテナ3が移動する円弧の曲率の中心を被試験アンテナ13の高さに合わせて被試験アンテナ13と試験用アンテナ3との離間距離である測定距離を一定とした状態で被試験アンテナ13の受信レベル(ダウンリンク通信時)や試験用アンテナ3の受信レベル(アップリンク通信時)を的確に測定できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験用アンテナを被試験アンテナの周囲で移動させ、試験用アンテナの各位置毎に被試験アンテナの受信レベルもしくは試験用アンテナの受信レベルを測定する電磁界パターン測定装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電磁界パターン測定装置としては、例えば、特許文献1に開示されるようなアンテナ測定器、特許文献2に開示されるような電波伝搬特性測定装置、あるいは、特許文献3に開示されるような指向特性測定装置が公知である。
【0003】
特許文献1に開示されたアンテナ測定器は、被試験アンテナをステージに載せて360°回転させ、ステージの各回転位置において、試験用アンテナを取り付けたアームをステージの回転軸と直交する軸を中心として円弧状に360°回転させて電波の伝搬特性を測定するものである。
【0004】
電波の伝搬特性を適切に把握するためには、実際に被試験アンテナが使用される条件下で伝搬特性を測定する必要があり、また、サンプリングされたデータから伝搬特性を的確に理解するためには、伝搬特性の測定データと測定位置との関係を明確に関連付ける必要がある。伝搬特性は、被試験アンテナの位置を中心とする球面に沿って試験用アンテナを移動させながら測定するのが普通であり、この伝搬特性を表すデータは、最終的に、特許文献3に示されるが如く、測定位置を特定する極座標系に受信感度をプロットして作成されるのが一般的である。
【0005】
アンテナを実装した装置としては各種の通信機や車両および飛行機等が考えられるが、特に、車両および飛行機等の場合には其の大きさが様々であり、また、アンテナの取り付け位置も様々であるため、これらのものを同じ条件でステージ上に載置しても、ステージを基準とするアンテナの高さには相当の高低差が生じてしまう。
【0006】
この結果、特許文献1に開示されるようなアンテナ測定器を利用し、試験用アンテナを取り付けたアームを常に同一位置を中心に回転させて測定を行うと、試験用アンテナは被試験アンテナから偏心した位置に曲率の中心を有する円弧に沿って移動することになり、被試験アンテナと試験用アンテナとの間の離間距離つまり測定距離を一定とした伝搬特性のサンプリングができなくなる不都合を生じる。
【0007】
被試験アンテナと試験用アンテナとの間の離間距離を調整するための手段としては、特許文献2に開示されるように、アーム上に設けた昇降機構によって試験用アンテナの高さ調整を行うものが公知であるが、このものは、試験用アンテナをアーム上でアームに沿って上下方向に移動させるものに過ぎない。従って、仮に、このアームを基部を中心として回転させながら伝搬特性のサンプリングを行わせるように構成したとしても、試験用アンテナの移動軌跡となる円弧の曲率の大小が変化するのみであり、その曲率中心の上下位置自体の調整は不可能であるから、被試験アンテナの高さに相違があれば、前記と同様に、測定距離を一定として伝搬特性のサンプリングを行うことはできない。
【0008】
これに対し、特許文献3に開示された指向特性測定装置は、多関節型のロボットを利用して試験用アンテナの姿勢を保持しつつ所定の円弧に沿って試験用アンテナを移動させるものであるから、理論上は、被試験アンテナの取り付け位置や高さに応じてプレイバック用のプログラムを変更することで、アンテナの取り付け位置や高さの相違に対処することが可能である。
【0009】
しかしながら、複雑な教示操作やプログラム編集作業が必要となる欠点があり、また、実際問題として、実用化されている多関節型のロボットの大きさでは大型の車両や飛行機等に設置されたアンテナに対処することはできず、また、仮に技術的には可能であったとしても其の設備を実現するために膨大なコストが必要となる問題がある。
【0010】
【特許文献1】特開2001−133495号公報
【特許文献2】特開平9−319901号公報
【特許文献3】特開平5−26931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明の課題は、前記従来技術の不都合を改善し、複雑な教示操作やプログラム編集作業を必要とせず、ステージを基準とする被試験アンテナの高さに高低差がある場合であっても、各被試験アンテナ毎に電磁界パターンを適切に測定することのできる電磁界パターン測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、被試験アンテナに対して電波の送信もしくは受信を行う試験用アンテナを前記被試験アンテナの周囲で移動させ、試験用アンテナの各位置毎に被試験アンテナの受信レベルもしくは試験用アンテナの受信レベルを測定する電磁界パターン測定装置であり、前記課題を達成するため、特に、
被試験アンテナを実装した装置を載置するためのステージと、
被試験アンテナに対する試験用アンテナの姿勢を略一定に保持し、且つ、ステージよりも上方の空間において前記試験用アンテナの移動方向を下に凹の円弧に沿って規制する試験用アンテナガイド手段と、
前記試験用アンテナガイド手段によって規制された方向に沿って前記試験用アンテナを移動させる試験用アンテナ駆動手段と、
前記試験用アンテナガイド手段の上下位置を調整するオフセット量調整手段とを備えたことを特徴とする構成を有する。
【0013】
試験用アンテナガイド手段が、被試験アンテナに対する試験用アンテナの姿勢を略一定の状態に保持し、ステージよりも上方の空間において試験用アンテナの移動方向を下に凹の円弧に沿って規制する。
試験用アンテナ駆動手段は、試験用アンテナガイド手段によって規制された方向つまり下に凹の円弧に沿って試験用アンテナを移動させる。
試験用アンテナガイド手段の上下位置はオフセット量調整手段によって調整できるので、ステージを基準とする被試験アンテナの高さに高低差がある場合であっても、試験用アンテナが移動する円弧の曲率の中心を常に被試験アンテナの高さに合わせた状態、つまり、被試験アンテナと試験用アンテナとの離間距離である測定距離を一定とした状態で、被試験アンテナの受信レベルや試験用アンテナの受信レベルを測定することができる。
【0014】
より具体的には、例えば、試験用アンテナガイド手段は、一端を回転中心として垂直面内で回転可能とされ該回転中心に向かう指向性を有する試験用アンテナを他端に取り付けたアームによって構成され、
前記試験用アンテナ駆動手段は、前記回転中心の周りに前記アームを回転させる回転駆動手段によって構成され、
前記オフセット量調整手段は、前記アームの回転中心の位置を上下に調整する昇降機構によって構成され得る。
【0015】
このような構成を適用した場合、試験用アンテナ駆動手段を作動させると、試験用アンテナを取り付けたアームが其の一端を回転中心として垂直面内で回転する。試験用アンテナはアームの他端に取り付けられているので、アームの他端の移動軌跡である円弧に沿って移動し、また、試験用アンテナの姿勢は、格別な姿勢制御を要することなく、常に、その指向性がアームの回転中心、つまり、試験用アンテナが存在すべきところに向かうように保持される。
前記と同様、試験用アンテナガイド手段となるアームの上下位置はオフセット量調整手段によって調整できるので、ステージを基準とする被試験アンテナの高さに高低差がある場合であっても、試験用アンテナが移動する円弧の曲率の中心つまりアームの回転中心を常に被試験アンテナの高さに合わせ、被試験アンテナと試験用アンテナとの離間距離である測定距離を一定とした状態で被試験アンテナの受信レベルや試験用アンテナの受信レベルを測定することができ、特に、構造が簡便な点で有益である。
【0016】
更に、前記昇降機構を前記ステージよりも下方位置に配備し、前記ステージの周辺に、前記アームを略水平状態に寝かせて格納するアーム格納用溝部を形成することができる。
【0017】
このような構成を適用した場合、アームをアーム格納用溝部に格納した状態で保存することができるので、大型の車両や飛行機等に設置された被試験アンテナに対処するためにアームの構造が大型化した場合であっても、非測定時における床面スペースを有効活用することができる。
【0018】
また、試験用アンテナガイド手段は、電磁波の反射率および比重が金属材料よりも小さな素材で形成することが望ましい。
【0019】
電磁波の反射率が小さな素材で試験用アンテナガイド手段を形成することにより、試験用アンテナの移動方向を規制する試験用アンテナガイド手段からの反射波の強度を軽減することができ、被試験アンテナの受信レベルや試験用アンテナの受信レベルの測定精度が向上する。
また、比重の小さな素材で試験用アンテナガイド手段を形成することで、特に、試験用アンテナガイド手段をアームによって構成した場合における回転駆動手段の負荷が軽減され、回転駆動手段が小型,軽量,低強度のもので済むため、装置の製造コストの低減化が実現される。
また、アームの軽量化に伴って、アームの姿勢保持に必要とされるカウンターウエイトが不要化もしくは小型化されるので、力ウンターウエイトの回転を許容するための床面の掘り込みが不要となる。このため、アームの設置に必要とされるコストが軽減され、しかも、従来困難であった既存設備へのアームの追加設置も可能となる。
【0020】
試験用アンテナガイド手段を形成するための素材としては、特に、ファイバー・レインフォースド・プラスチック(以下、FRPと称する)が好適である。
【0021】
FRPを使用した場合、試験用アンテナガイド手段からの反射波の強度は、鉄等の金属材料を使用した場合と比べて数%程度であり、反射波の強度の大幅な軽減が可能となる。これにより、被試験アンテナの受信レベルや試験用アンテナの受信レベルの測定精度が著しく向上する。
また、FRPからなる試験用アンテナガイド手段の表面に電波吸収体を貼り付けることで更なる性能改善が可能であり、FRPからの僅かな反射波の影響が問題となるような高精度の測定にも対処することが可能となる。
FRPを使用して試験用アンテナガイド手段となるアームを構成した場合、アームの重量は鉄等の金属材料を使用した場合と比べて1/3程度に軽量化することが可能であり、回転駆動手段の負荷が大幅に軽減される。
【発明の効果】
【0022】
本発明の電磁界パターン測定装置は、試験用アンテナの移動方向を円弧に沿って規制する試験用アンテナガイド手段の上下位置を調整するオフセット量調整手段を設け、試験用アンテナガイド手段の上下位置を調整できるようにしたので、被試験アンテナを実装した装置の大小やアンテナ取り付け位置の相違によってステージを基準とする被試験アンテナの高さに高低差が生じた場合であっても、試験用アンテナが移動する円弧の曲率の中心を被試験アンテナの高さに合わせた状態、即ち、被試験アンテナと試験用アンテナとの離間距離である測定距離を一定とした状態で被試験アンテナの受信レベルや試験用アンテナの受信レベルを的確に測定することができる。
【0023】
特に、一端を回転中心として垂直面内で回転可能とされ其の回転中心に向かう指向性を有する試験用アンテナを他端に取り付けたアームによって試験用アンテナガイド手段を構成することで、複雑な教示操作やプログラム編集作業および格別な姿勢制御を要することなく被試験アンテナに対する試験用アンテナの姿勢を略一定に保持することが可能となり、装置の構造の簡便化と製造コストの軽減化が達成される。
【0024】
更に、オフセット量調整手段となる昇降機構をステージよりも下方位置に配備し且つアームを略水平状態に寝かせて格納するアーム格納用溝部をステージの周辺に形成することによってアームの格納が可能となり、大型の車両や飛行機等に対処するためにアームの構造が大型化したような場合であっても、非測定時における床面スペースの有効活用が可能となった。
【0025】
また、試験用アンテナガイド手段は電磁波の反射率および比重が金属材料よりも小さな素材で形成されているので、反射波の強度を軽減して被試験アンテナの受信レベルや試験用アンテナの受信レベルの測定精度を向上させることができ、特に、試験用アンテナガイド手段をアームによって構成した場合において回転駆動手段の負荷が軽減されるため、回転駆動手段が小型,軽量,低強度のもので済むようになり、装置の製造コストの軽減化が実現される。
また、アームの軽量化に伴ってアームの姿勢保持に必要とされるカウンターウエイトも不要化もしくは小型化されるので、カウンターーウエイトの回転を許容するための床面の掘り込みが不要となってアームの設置に必要とされるコストが軽減され、更には、従来困難であった既存設備へのアームの追加設置も可能となった。
【0026】
特に、試験用アンテナガイド手段を形成するための素材としてファイバー・レインフォースド・プラスチックを使用した場合では、試験用アンテナガイド手段からの反射波の強度は鉄等の金属材料を使用した場合に比べて数%程度であり、反射波の強度の大幅な軽減が可能となって被試験アンテナの受信レベルや試験用アンテナの受信レベルの測定精度が著しく向上し、また、試験用アンテナガイド手段となるアームの重量も鉄等の金属材料を使用した場合と比べて1/3程度に軽量化することが可能であるため、回転駆動手段の負荷が大幅に軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明を適用した一実施形態の電磁界パターン測定装置の構成の概略について示した斜視図である。
【0028】
この電磁界パターン測定装置1は、被試験アンテナ13を実装した車両等の装置12を載置するためのステージ2と、装置12に実装された被試験アンテナ13に対する試験用アンテナ3の姿勢を略一定に保持し、且つ、ステージ2よりも上方の空間において試験用アンテナ3の移動方向を下に凹の円弧に沿って規制する試験用アンテナガイド手段4と、試験用アンテナガイド手段4によって規制された方向に沿って試験用アンテナ3を移動させるための試験用アンテナ駆動手段5,5と、試験用アンテナガイド手段4の上下位置を調整するオフセット量調整手段6,6とを備える。
【0029】
このうち、試験用アンテナガイド手段4は、両側の支柱7,7と該支柱7,7の先端を接続する梁状部材8とからなるアーム9によって構成される。アーム9は、その一端である下端部を回転中心Cとして垂直面内で回転可能とされ、その他端に位置する梁状部材8には、回転中心Cに向かう指向性を有する試験用アンテナ3が取り付けられている。
【0030】
試験用アンテナ3は、装置12に実装された被試験アンテナ13が送信用のものであれば受信用アンテナとして構成され、また、装置12に実装された被試験アンテナ13が受信用のものであれば送信用アンテナとして構成され、更に、装置12に実装された被試験アンテナ13が送受信用のものであれば送受信用アンテナとして構成される。
【0031】
アーム9を構成するパイプ構造の支柱7,7と梁状部材8は共にFRPによって形成されており、試験用アンテナガイド手段4として機能するアーム9からの反射波の強度は、鉄等の金属材料を使用した場合に比べて数%程度となり、その重量は鉄等の金属材料を使用した場合と比べて1/3程度に軽量化されている。
【0032】
また、試験用アンテナガイド手段4によって規制された方向に沿って試験用アンテナ3を移動させるための試験用アンテナ駆動手段5,5は、回転中心Cの位置でアーム9と接続し、この回転中心Cの周りにアーム9を回転させる回転駆動手段10,10によって構成される。回転駆動手段10,10は同期回転するサーボモータもしくはステッピングモータ、あるいは、これらを駆動源とするギァドモータ等によって構成することができる。この実施形態では、前述したアーム9の軽量化によりサーボモータやステッピングモータ等も小型,低トルク型のもので済み、アーム9の姿勢保持に必要とされるカウンターウエイトをアーム9の下端部に延出して設ける必要もない。従って、力ウンターウエイトの回転を許容するための床面の掘り込みも不要であってアーム9の設置に必要とされるコストが軽減され、しかも、従来困難であった既存設備へのアーム9の追加設置も可能である。
【0033】
試験用アンテナガイド手段4を構成するアーム9の回転中心Cの位置を上下に調整するためのオフセット量調整手段6,6は、アーム9の回転中心Cに接続した回転駆動手段10,10を上下移動させる昇降機構11,11によって構成される。昇降機構11,11は同期回転するサーボモータもしくはステッピングモータ等で駆動されるボールナット&スクリュー等を備えたネジジャッキ式のもの、あるいは、油圧回路を利用した油圧ジャッキ等によって構成することができる。
【0034】
以上の構成において、試験用アンテナ駆動手段5,5を構成する回転駆動手段10,10を同期して作動させると、試験用アンテナ3を取り付けたアーム9が其の一端を回転中心Cとして垂直面内で回転する。試験用アンテナ3はアーム9の他端に位置する梁状部材8に取り付けられているので、アーム9の回転運動で規制された方向、つまり、アーム9の他端の移動軌跡である下に凹の円弧に沿って移動し、また、試験用アンテナ3の姿勢は、格別な姿勢制御を要することなく、常に、その指向性がアーム9の回転中心、つまり、試験用アンテナ13が存在すべきところに向かうように保持される。
【0035】
試験用アンテナガイド手段4を構成するアーム9の上下位置つまり回転中心Cの上下位置は、アーム9の回転中心Cと接続した回転駆動手段10,10を据え付けた昇降機構11,11を同期して昇降させることによって容易に調整されるので、車両等の装置12の大きさ或いは装置12に対する被試験アンテナ13の取り付け位置の相違等に起因してステージ2を基準とする被試験アンテナ13の高さに高低差が生じた場合であっても、試験用アンテナ3が移動する円弧の曲率の中心を被試験アンテナ13の位置に合わせて被試験アンテナ13から試験用アンテナ3に至る離間距離つまり測定距離を一定とした状態で、被試験アンテナ13の受信レベルや試験用アンテナ3の受信レベルを的確に測定することができる。
【0036】
昇降機構11,11でアーム9の上下位置を調整する代わりにステージ2を上下動させてアーム9の回転中心Cの高さを被試験アンテナ13の位置に合わせることも考えられるが、ステージ2に載置される装置12としては車両等を始めとして重量が大きなものが多いので、ステージ2を上下動させるよりも重量の軽いアーム9の上下位置を調整した方が所要トルクの面で有利である。また、ステージ2を上下動させると被試験アンテナ13を設置した車両等の装置12と周囲の床面(路面)との間に相対位置の変化が生じ、実際の使用状態で被試験アンテナ13の特性を測定することが難しくなるが、アーム9の上下位置を調整した場合には被試験アンテナ13を設置した車両等の装置12と周囲の床面との間に相対位置の変化は生じないので、より実際の使用状態に近い状況で被試験アンテナ13の特性を測定することができ、測定精度の面でも有利である。
【0037】
また、アーム9をFRPで形成して反射波の強度を軽減することにより、被試験アンテナ13の受信レベルや試験用アンテナ3の受信レベルの測定精度が向上している。
【0038】
しかも、FRPからなるアーム9の表面に電波吸収体を貼り付けることで外乱に対する更なる性能改善が可能であり、FRPからの僅かな反射波の影響が問題となるような高精度の測定にも対処することができる。
【0039】
ここでは、一端を回転中心Cとして垂直面内で回転するアーム9を試験用アンテナガイド手段4の一例として示したが、この他にも、例えば、下に凹の形状で屈曲されたラック状の経路規制手段を試験用アンテナガイド手段として利用し、サーボモータ等で駆動されるピニオンを前述のラックに噛合させたスライダ(走行子)を経路規制手段の曲率の内側に移動可能に装着し、このスライダに試験用アンテナ3を取り付けるようにしてもよい。
試験用アンテナ3が試験用アンテナガイド手段に沿って円弧状に移動する点、および、この円弧の曲率中心に対する試験用アンテナ3の姿勢が一定となる点では前述の実施形態と同様である。
但し、この場合は、試験用アンテナ駆動手段はスライダ内のサーボモータによって構成され、オフセット量調整手段は、スライダを取り付けたラック状の経路規制手段を上下移動させる昇降機構によって構成する必要がある。
【実施例1】
【0040】
図2は他の一実施例の電磁界パターン測定装置14の構成の概略について示した斜視図である。
【0041】
アーム9の梁状部材15をFRP製のL型アングル捧もしくは細い角柱の組合せにより構成することで、充分な剛性を保ちながらアーム9の更なる軽量化が達成される。また、ここでは特に図示しないが、アーム9の支柱7,7を図2の梁状部材15のようにL型アングル捧もしくは細い角桂の組合せにて構成するようにしてもよい。
【実施例2】
【0042】
図3は更に他の一実施例の電磁界パターン測定装置16の構成の概略について示した斜視図である。
【0043】
この実施例では、試験用アンテナガイド手段4を構成するアーム9の下端部の回転中心Cを軸支板17,17で回転自在に保持し、この軸支板17,17をオフセット量調整手段6,6となる昇降機構11,11で上下に移動させてアーム9の回転中心Cの高さを調整するようにしている。
【0044】
アーム9によって規制された運動方向に沿って試験用アンテナ3を移動させるための試験用アンテナ駆動手段5は、アーム9の梁状部材8に接続された牽引ロープ18と、この牽引ロープ18の巻き取り/巻き戻しを行うための電動ウインチ19、および、アーム9に対する牽引ロープ18の牽引方向を適正化するために建屋天上に設置された滑車20とによって構成され、電動ウインチ19を利用した牽引ロープ18の巻き取り/巻き戻し操作により、アーム9を略水平に寝かせた状態から直立するまでの範囲でアーム9の回転動作が実現されるようになっている。
【0045】
この実施例では、牽引ロープ18の巻き取り/巻き戻し量が一定であってもアーム9の姿勢に応じてアーム9の回転量が変化し、また、昇降機構11,11の上下移動によってもアーム9の回転角度が微妙に変動するので、電動ウインチ19の回転量をオープンループで制御してもアーム9の姿勢を適切に特定することは困難である。このため、軸支板17にはアーム9の回転角度を検出するためのロータリーエンコーダ等の回転角度検出手段が配備され、図示しない制御装置からの指令に基くアーム9の回転角度の制御は、この回転角度検出手段からの帰還信号を参照して行われるようになっている。
【0046】
この実施例では、アーム9の基部にモータやギア等の金属部品を配備する必要がないので、図1および図2に示した構造のものと比ベ、電磁波の反射や輻射による外乱の軽減効果が更に向上し、測定精度が向上するメリットがある。
【実施例3】
【0047】
図4は更に別の一実施例の電磁界パターン測定装置21の構成の概略について示した側面図、図5は同実施例の電磁界パターン測定装置21の構成の概略について示した平面図である。
【0048】
支柱7,7と梁状部材8とからなるアーム9の構成、試験用アンテナ駆動手段5として機能する回転駆動手段10の構成、オフセット量調整手段6として機能する昇降機構11の構成、および、梁状部材8に対する試験用アンテナ3の取り付け構造に関しては、図1に示した電磁界パターン測定装置1の場合と同様であるので、図4および図5中で同様の符号を付すにとどめ、詳細な説明は省略する。
【0049】
この実施例のステージ22は、図5に示されるように、回転式のターンテーブルによって構成されている。また、ステージ22の両側に位置する昇降機構11,11は、図4に示されるように、試験場の床面を掘り込んで形成された空間内に設置され、ステージ22よりも下方に位置する。更に、ステージ22の周辺には、アーム9を略水平状態に寝かせて格納するためのアーム格納用溝部23が形成されている。
【0050】
図6では昇降機構11,11を完全に下降させてアーム9を略水平に寝かせたときの状態を示しており、この状態で、回転駆動手段10,10と昇降機構11,11が床面下に格納されると共にアーム9がアーム格納用溝部23に格納される。なお、符号24は測定に悪影響を及ぼす外乱を排除するための電波暗室である。
【0051】
電磁界パターン測定装置21の全体を制御するためのコントローラ25の構成の概略を図7に示す。
【0052】
コントローラ25の主要部は、演算処理用のCPU26と、CPU26の制御プログラムを格納したROM27と、演算データの一時記憶等に利用されるRAM28、および、受信レベルの測定データを記憶するためのハードディスク等の記憶装置29によって構成される。
【0053】
コントローラ25の入出力回路30には、回転駆動手段10,10の駆動源となるサーボモータM1,M2が同期回路31および軸制御回路32,33を介して接続され、CPU26から出力される移動指令パルスとサーボモータM1のロータリーエンコーダP1からの帰還パルスとに基いて、同期回路31が軸制御回路32,33を介してサーボモータM1,M2を同期制御するようになっている。これと同様、ボールナット&スクリュー等を備えたネジジャッキ式の昇降機構11,11の駆動源として機能するサーボモータM3,M4が同期回路34および軸制御回路35,36を介して接続され、CPU26から出力される移動指令パルスとサーボモータM3のロータリーエンコーダP3からの帰還パルスとに基いて、同期回路34が軸制御回路35,36を介してサーボモータM3,M4を同期制御するようになっている。ステージ22を回転させるためのサーボモータM5は、CPU26から出力される移動指令パルスとサーボモータM5のロータリーエンコーダP5からの帰還パルスとに基いて、軸制御回路37によって駆動制御される。
【0054】
また、コントローラ25のインターフェイス38には表示装置付手動データ入力装置39が接続され、更に、このインターフェイス38に、試験用アンテナ3と接続した試験用アンテナ側制御装置40、ならびに、被試験アンテナ13と接続した被試験アンテナ側制御装置41が接続されるようになっている。
【0055】
被試験アンテナ13が送信用のものであれば被試験アンテナ側制御装置41は送信器、また、試験用アンテナ側制御装置40は受信器を含む構成であり、この受信器で受信される電波の受信レベルが試験用アンテナ側制御装置40からコントローラ25のインターフェイス38に受信レベルのデータとして入力される。一方、被試験アンテナ13が受信用のものであれば試験用アンテナ側制御装置40は送信器、また、被試験アンテナ側制御装置41は受信器を含む構成であり、この受信器で受信される電波の受信レベルが被試験アンテナ側制御装置41からコントローラ25のインターフェイス38に受信レベルのデータとして入力される。更に、被試験アンテナ13が送受信用のものであれば試験用アンテナ側制御装置40および被試験アンテナ側制御装置41は共に送受信器を含む構成であり、これらの送受信器で受信される電波の受信レベルが試験用アンテナ側制御装置40(アップリンク通信時)および被試験アンテナ側制御装置41(ダウンリンク通信時)の各々からコントローラ25のインターフェイス38に受信レベルのデータとして入力される。
【0056】
図8はコントローラ25のCPU26が実行する処理の概略について示したフローチャートである。
【0057】
次に、図8を参照して本実施例における電磁界パターン測定装置21の全体的な動作について簡単に説明する。但し、この段階ではアーム9および昇降機構11,11が図6に示されるような格納位置に退避しており、被試験アンテナ13を実装した車両等の装置12が既にステージ22上に載置され、試験用アンテナ側制御装置40および被試験アンテナ側制御装置41とインターフェイス38との接続が行われているものとする。
【0058】
そこで、オペレータが表示装置付手動データ入力装置39を操作してコントローラ25に起動指令を入力すると、CPU26は、ステップS1の処理で起動指令の入力を検出し、まず、サーボモータM3,M4を駆動して昇降機構11,11を図6の位置から図4に示されるような初期位置にまで上昇させた後(ステップS2)、オフセット量の入力操作を促すメッセージを表示装置付手動データ入力装置39のモニタに表示して(ステップS3)、オペレータによるオフセット量の入力操作(ステップS4)、もしくは、オペレータによる測定実行指令の入力操作(ステップS6)を待つ待機状態に入る。この初期位置は昇降機構11,11の上端部がステージ22の面と同一高さとなる位置であり、図6の格納位置から図4の初期位置にまで昇降機構11,11を上昇させるために必要とされる移動指令パルスの値は予めパラメータとしてROM27に記憶されており、CPU26がステップS5の処理で当該移動指令パルス(移動指令値)を読み出し、これを分割して単位時間当たりの移動指令パルス(速度指令値)として前記単位時間に相当する所定周期毎に同期回路31に出力し、同期回路31が移動指令パルスの積算値からロータリーエンコーダP1からの帰還信号を減じてエラー値を求め、このエラー値(トルク指令値)が零となるようにサーボモータM3,M4を駆動制御する。
【0059】
ここで、オペレータがオフセット量の入力操作を実行した場合には、CPU26がステップS4の処理でオフセット量の入力を検出し、サーボモータM3,M4を再び駆動して昇降機構11,11をオフセット量に相当する分だけ上昇あるいは下降させる(ステップS5)。昇降機構11,11を上昇させるために必要とされる移動指令パルスに相当するオフセット量の値が外部から入力される点を別にすればサーボモータM3,M4の駆動制御の内容は前記と同様である。
【0060】
入力するオフセット量の値を調整することで、車両等の装置12の高さや装置12に対する被試験アンテナ13の取り付け位置等の違いに関わりなく、アーム9の回転中心Cの位置を被試験アンテナ13の高さに合わせることができる。
【0061】
次いで、オペレータが表示装置付手動データ入力装置39を操作して測定実行指令を入力すると、CPU26は、ステップS6の処理で測定実行指令の入力を検出し、アーム9の回転位置を記憶する回転位置記憶レジスタD1およびステージ22の回転位置を記憶する回転位置記憶レジスタD2の各々に初期値0をセットして(ステップS7,ステップS8)、まず、この状態で受信レベルについての第1回目の測定を実行し(ステップS9)、試験用アンテナ側制御装置40あるいは被試験アンテナ側制御装置41からインターフェイス38を介して入力される受信レベルのデータを、アーム9の回転角度D1=〔0〕°およびステージ22の回転角度D2=〔0〕°に対応させて記憶装置29に記憶させる(ステップS10)。但し、D1=〔0〕°は図4の二点鎖線に示されるようにしてアーム9が水平となった状態、また、D2=〔0〕°は図5に示されるようにして車両等の装置12が梁状部材8に直交した状態である。
【0062】
次いで、CPU26は、サーボモータM5を駆動してステージ22を微小回転量〔ΔD2〕°だけ回転させ(ステップS11)、回転位置記憶レジスタD2の値をΔD2だけインクリメントしてステージ22の現在の回転位置を更新して記憶した後(ステップS12)、ステージ22の現在の回転位置が〔360〕°に達しているか否かを判定する(ステップS13)。ステージ22の微小回転量ΔD2は、例えば、〔0.5〕°あるいは〔1〕°等といった値であり、受信レベルの測定データのマッピング精度等の要求に応じて適宜に決められる値であるが、この値は〔360/ΔD2〕が整数値となるように設定されることが望ましい。ΔD2の値は予めパラメータとしてROM27に記憶されている。サーボモータM5の駆動制御についてはサーボモータM3,M4の駆動制御の場合と同様である。
【0063】
ここで、ステップS13の判定結果が真となった場合、つまり、ステージ22の積算回転量が現段階で〔360〕°に達していないことが明らかとなった場合には、CPU26は、再びステップS9の処理に復帰し、前記と同様にしてステップS9〜ステップS13の処理を繰り返し実行する。
【0064】
この結果、(D1,D2)=(0,0)から(D1,D2)=(0,360−ΔD2)の各々、つまり、アーム9を水平に保持した状態でステージ22を〔0〕°の位置から〔360−ΔD2〕°の位置まで〔ΔD2〕°の刻みで回転させた際の各位置での受信レベルのデータが記憶装置29に記憶されることになる。
【0065】
このような処理を繰り返し実行する間にステップS13の判定結果が偽となり、ステージ22の現在の回転位置が〔360〕°に達したことが確認されると、CPU26は、回転位置記憶レジスタD1の値をΔD1だけインクリメントし、アーム9の次の目標回転位置を回転位置記憶レジスタD1に更新して記憶した後(ステップS14)、アーム9の次の目標回転位置が〔90〕°を超えるか否かを判定する(ステップS15)。アーム9の回転量〔ΔD1〕°は、例えば、〔0.5〕°あるいは〔1〕°等といった値であり、受信レベルの測定データのマッピング精度等の要求に応じて適宜に決められる値であるが、この値は〔360/ΔD1〕が整数値となるように設定されることが望ましい。ΔD1の値は予めパラメータとしてROM27に記憶されている。
【0066】
ここで、ステップS15の判定結果が真となった場合、つまり、アーム9を更に〔ΔD1〕°だけ回転させても其の積算回転量が〔90〕°を超えないことが明らかとなった場合には、CPU26はサーボモータM1,M2を駆動してアーム9を微小回転量〔ΔD1〕°だけ回転させ(ステップS16)、再びステップS8の処理に復帰して、ステップS9〜ステップS13の繰り返し処理を入れ子状に含むステップS8〜ステップS16の処理を前記と同様にして繰り返し実行する。サーボモータM1,M2の駆動制御についてはサーボモータM3,M4の駆動制御の場合と同様である。
【0067】
この結果、まず、(D1,D2)=(ΔD1,0)から(D1,D2)=(ΔD1,360−ΔD2)の各々、つまり、アーム9を水平状態から〔ΔD1〕°だけ起こして保持した状態でステージ22を〔0〕°の位置から〔360−ΔD2〕°の位置まで〔ΔD2〕°の刻みで回転させた際の各位置における受信レベルのデータが記憶装置29に記憶される(ステップS9〜ステップS13の繰り返し処理)。
【0068】
以下、これと同様にして、アーム9を水平状態から〔2・ΔD1〕°だけ起こして保持した状態でステージ22を〔0〕°の位置から〔360−ΔD2〕°の位置まで〔ΔD2〕°の刻みで回転させて各位置における受信レベルのデータを記憶装置29に記憶させるための処理、アーム9を水平状態から〔3・ΔD1〕°だけ起こして保持した状態でステージ22を〔0〕°の位置から〔360−ΔD2〕°の位置まで〔ΔD2〕°の刻みで回転させて各位置における受信レベルのデータを記憶装置29に記憶させるための処理、・・・が繰り返し実行される。
【0069】
そして、最後に行われるステップS9〜ステップS13の繰り返し処理では、アーム9を水平状態から〔90〕°だけ起こして保持した状態でステージ22を〔0〕°の位置から〔360−ΔD2〕°の位置まで〔ΔD2〕°の刻みで回転させて各位置における受信レベルのデータを記憶装置29に記憶させる処理が実行される。
【0070】
このようにして、最後に行われるステップS9〜ステップS13の繰り返し処理でステップS13の判定結果が偽となった時点では回転位置記憶レジスタD1の値が既に〔90〕°に達しているので、改めてステップS14の処理を実行して回転位置記憶レジスタD1の値をΔD1だけインクリメントするとステップS15の判定結果が偽となり、アーム9を水平状態の〔0〕°の位置から〔ΔD1〕°ずつ〔90〕°の位置まで回転させ、各回転位置でステージ22を〔0〕°の位置から〔ΔD2〕°ずつ〔360−ΔD2〕°の位置まで回転させて各位置毎に受信レベルのデータを記憶装置29に記憶させる処理が全て完了する。
【0071】
これにより被試験アンテナ13の位置を中心とする上側半分の半球面における受信レベルのデータが緯度方向に〔ΔD1〕°かつ経度方向に〔ΔD2〕°のピッチでサンプリングされ、其の測定位置を示す値D1,D2と共に記憶装置29に記憶されることになる。
【0072】
最終的に、オペレータが表示装置付手動データ入力装置39を操作してコントローラ25に測定終了指令を入力すると、CPU26は、ステップS17の処理で測定終了指令の入力を検出し、回転駆動手段10,10の駆動源として機能するサーボモータM1,M2を駆動してアーム9を逆方向に〔90〕°回転させて水平状態に戻し(ステップS18)、更に、昇降機構11,11の駆動源として機能するサーボモータM3,M4を駆動して昇降機構11,11を図4の初期位置から図6に示されるような格納位置まで下降させ、昇降機構11,11を試験場の床面の掘り込みに収納すると共にアーム9をアーム格納用溝部23に格納する(ステップS19)。
【0073】
このように、アーム9をアーム格納用溝部23に格納した状態で保存することができるので、大型の車両や飛行機等の装置12に取り付けられた被試験アンテナ13に対処するためにアーム9の構造が大型化したような場合であっても、非測定時における試験場の床面スペースを有効活用することができる。
【0074】
この実施例ではアーム9の姿勢を維持した状態でステージ22を〔360〕°回転させて各位置毎に受信レベルの測定を行ったが、ステージ22の回転位置維持した状態でアーム9を〔90〕°回転させて各位置毎に受信レベルの測定を行うようにしてもよく、得られるデータの意味合いは技術的に同一である。
【0075】
サンプリングされた受信レベルのデータは、(D1,D2,受信レベルのデータ)の配列で記憶装置29に保存されているので、これを読み出して表示装置付手動データ入力装置39のモニタあるいはX−Yプロッタ等を利用して極座標系上に受信レベルをプロットすれば、電波の伝搬特性を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明を適用した一実施形態の電磁界パターン測定装置の構成の概略について示した斜視図である。
【図2】他の一実施例の電磁界パターン測定装置の構成の概略について示した斜視図である。(実施例1)
【図3】更に他の一実施例の電磁界パターン測定装置の構成の概略について示した斜視図である。(実施例2)
【図4】更に別の一実施例の電磁界パターン測定装置の構成の概略について示した側面図である。(実施例3)
【図5】同実施例の電磁界パターン測定装置の構成の概略について示した平面図である。
【図6】同実施例の電磁界パターン測定装置の格納状態について示した側面図である。(実施例3)
【図7】同実施例の電磁界パターン測定装置を制御するコントローラの構成の概略について示した機能ブロック図である。(実施例3)
【図8】コントローラのCPUが実行する処理の概略について示したフローチャートである。(実施例3)
【符号の説明】
【0077】
1 電磁界パターン測定装置
2 ステージ
3 試験用アンテナ
4 試験用アンテナガイド手段
5 試験用アンテナ駆動手段
6 オフセット量調整手段
7 支柱
8 梁状部材
9 アーム
10 回転駆動手段
11 昇降機構
12 車両等の装置
13 被試験アンテナ
14 電磁界パターン測定装置
15 梁状部材
16 電磁界パターン測定装置
17 軸支板
18 牽引ロープ
19 電動ウインチ
20 滑車
21 電磁界パターン測定装置
22 ステージ
23 アーム格納用溝部
24 電波暗室
25 コントローラ
26 CPU
27 ROM
28 RAM
29 記憶装置
30 入出力回路
31 同期回路
32,33 軸制御回路
34 同期回路
35,36,37 軸制御回路
38 インターフェイス
39 表示装置付手動データ入力装置
40 試験用アンテナ側制御装置
41 被試験アンテナ側制御装置
C アームの回転中心
M1,M2,M3,M4,M5 サーボモータ
P1,P3,P5 ロータリーエンコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験アンテナに対して電波の送信もしくは受信を行う試験用アンテナを前記被試験アンテナの周囲で移動させ、前記試験用アンテナの各位置毎に被試験アンテナの受信レベルもしくは試験用アンテナの受信レベルを測定する電磁界パターン測定装置であって、
前記被試験アンテナを実装した装置を載置するためのステージと、
前記被試験アンテナに対する前記試験用アンテナの姿勢を略一定に保持し、且つ、前記ステージよりも上方の空間において前記試験用アンテナの移動方向を下に凹の円弧に沿って規制する試験用アンテナガイド手段と、
前記試験用アンテナガイド手段によって規制された方向に沿って前記試験用アンテナを移動させる試験用アンテナ駆動手段と、
前記試験用アンテナガイド手段の上下位置を調整するオフセット量調整手段とを備えたことを特徴とする電磁界パターン測定装置。
【請求項2】
前記試験用アンテナガイド手段は、一端を回転中心として垂直面内で回転可能とされ該回転中心に向かう指向性を有する前記試験用アンテナを他端に取り付けたアームによって構成され、
前記試験用アンテナ駆動手段は、前記回転中心の周りに前記アームを回転させる回転駆動手段によって構成され、
前記オフセット量調整手段は、前記アームの回転中心の位置を上下に調整する昇降機構によって構成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁界パターン測定装置。
【請求項3】
前記昇降機構が前記ステージよりも下方位置に配備され、前記ステージの周辺には、前記アームを略水平状態に寝かせて格納するアーム格納用溝部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の電磁界パターン測定装置。
【請求項4】
前記試験用アンテナガイド手段は、電磁波の反射率および比重が金属材料よりも小さな素材で形成されていることを特徴とする請求項1,請求項2または請求項3記載の電磁界パターン測定装置。
【請求項5】
前記試験用アンテナガイド手段は、ファイバー・レインフォースド・プラスチックで形成されていることを特徴とする請求項1,請求項2または請求項3記載の電磁界パターン測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−53010(P2006−53010A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−234140(P2004−234140)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【出願人】(000003388)株式会社トキメック (103)