電磁誘導機器
【課題】電磁誘導機器で、磁性体鋼板がステップラップジョイントされて構成された脚鉄心と鉄心ヨークの、接合角部の近傍にある高圧リードとの電界緩和を、少量の部品構成で実現する。また、前記ステップラップジョイントして構成された磁性体鋼板間の確実な接地も実現する。
【解決手段】電磁誘導機器において、磁性体鋼板をステップラップジョイントして構成した脚鉄心及び鉄心ヨークの接合角部で、特に巻線から引き出された高圧リードに近接した接合角部を包絡するように、棒状の電界緩和シールドを前記鉄心に取付けた。また前記電界緩和シールドの径は、前記鉄心接合角部の接合代以上である。
【解決手段】電磁誘導機器において、磁性体鋼板をステップラップジョイントして構成した脚鉄心及び鉄心ヨークの接合角部で、特に巻線から引き出された高圧リードに近接した接合角部を包絡するように、棒状の電界緩和シールドを前記鉄心に取付けた。また前記電界緩和シールドの径は、前記鉄心接合角部の接合代以上である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電磁誘導機器の鉄心の接合角部に装着する電界緩和シールドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電力用の変圧器またはリアクトル等の電磁誘導機器は、脚鉄心、脚鉄心同士を磁気的につなぐ鉄心ヨーク及び巻線が主要素として構成されている。その変圧器に使用される脚鉄心や鉄心ヨークは、表面に電気絶縁皮膜が施された、薄い磁性体鋼板を複数枚積層して構成されているものが多い。
【0003】
普通これらの磁性体鋼板は、けい素鋼板をその長手方向に対して45°に切断して使用する。そして切断した磁性体鋼板を複数枚積層して鉄心を構成し、45°になっている切断面を突合せて接合する鉄心構成法がある。
【0004】
しかしこの方法は、接合部での磁束移行時に、鉄損や励磁電流などが大きくなる欠点がある。よって、この接合部における特性改善を図るために、突合せを交互にずらせて磁性体鋼板を積み重ねて鉄心を接合する、ステップラップジョイントが広く採用されている。
【0005】
例えば、図11および図12にステップラップジョイントした鉄心の一例、およびステップラップジョイントした鉄心を構成するための鉄心層を示した。図11に示されている、脚鉄心100、脚鉄心200および鉄心ヨーク300から構成される内鉄形3相3脚変圧器鉄心は、図12に示した5種類の鉄心層aからeを順次積み重ねて構成される。
【0006】
すなわち鉄心層aからeは両端部が互に45°に切断され、かつ中央部がV字状に切込まれた鉄心ヨーク300(300a〜300e)、両端部が45°に切断された外側の脚鉄心100(100a〜100e)、および両端が山形に切断された中央の脚鉄心200(200a〜200e)から夫々構成されている。
【0007】
この中央脚鉄心200は、両端山形の二辺の長さが異なる4種類の鋼板200a、鋼板200b、鋼板200d、鋼板200eと、両端山形の二辺の長さが等しく切断された鋼板200cとの5種類からなっている。鋼板200aと鋼板200eおよび鋼板200bと鋼板200dは、夫々同一寸法で両端を反転させた構造となっている。
【0008】
なお両端山形が不等辺となっている中央脚鉄心の鋼板200a、鋼板200eと鋼板200b、鋼板200dとの違いは、この不等辺の程度にあり、例えば鉄心層aと鉄心層bとを積層した場合に所定の重なり代が確保できるように、鉄心層aの中央脚鉄心200aの方が、鉄心層bの中央脚鉄心200bに比べて、不平等辺の程度が大きくしてある。
【0009】
すなわち図11に示した5段のステップラップジョイントを有する変圧器鉄心を構成するには、図12の5種の鉄心層aから鉄心層eを図中矢印表示のように、例えば鉄心層a、鉄心層b、鉄心層c、鉄心層d、鉄心層eの順にサイクリックに積層する。
【0010】
しかし、このステップラップジョイント鉄心において、図11のC部すなわち鉄心ヨーク300と脚鉄心100と接合部に、図13、図14に示したような、鋭利な接合角部12が形成される。例えば、図11のように、この接合角部12の近傍に高圧リード7が配置された場合、接合角部12に著しく電界が集中して絶縁耐力が低下し、接合角部12側から絶縁破壊が生じる可能性がある。
【0011】
そこで、電界が集中する箇所の電界緩和には、電界緩和シールドを近傍に取り付けることが有効なので、例えば特許文献1のように、脚鉄心の外周部に対して電界緩和シールドを備えて、電界緩和を図ることがある。また、高圧リードと上記のような接合角部の絶縁距離を離したり、高圧リードの絶縁被覆を厚くしたりする対策が一般的に実施されている。
【0012】
一方、電力用の変圧器またはリアクトル等の電磁誘導機器の絶縁媒体には、一般的に鉱油が用いられるが、防災性や環境性が求められるような場合には、シリコーン液が用いられることがある。しかし、絶縁油の種類によって電界緩和の方法は検討されておらず、現状では上記特許文献のような電界緩和対策が広く実施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平9-74029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、特許文献1に示されたような電界緩和対策シールドでは、脚鉄心部の電界緩和は可能であるが、高圧リード7とステップラップジョイントされた接合角部12との間の電界緩和には適さない。また絶縁耐圧を向上させるために、高圧リード7と接合角部12の絶縁距離を広げたり、高圧リード7の絶縁被覆を厚くしたりすると、機器そのものが大型化し、作業工数も増えコストアップにつながってしまう。
【0015】
図9にJISC2101‐22絶縁破壊電圧試験に準拠した、ジメチルシリコーンオイル中で球体と針を用いた耐圧試験結果を示した。動粘度が5cs、50cs、100csの3種類のシリコーン液で、針側の電極をマイナス、プラスの両極で耐圧試験を実施した。不平等電界場において、シリコーン液は印加される電圧の極性によって絶縁耐力が大きく異なる特性を持っている。
【0016】
例えば動粘性100csの場合を見てみると、針側が正極性で球体側とのギャップが12.7mmの場合、インパルス絶縁破壊電圧は、およそ4kV/mmである。これに対して針側が負極性の場合は、球体側とのギャップが6.1mmと狭くなっているにも係わらず、インパルス絶縁破壊電圧は、15kV/mm以上と、著しく耐圧が上昇する。一方、鉱油については、負極性に対する絶縁耐力は正極性に比べ若干高いものの、上記のような著しい耐圧の差はない。
【0017】
通常、JEC‐2200の雷インパルス耐電圧試験においては、実際に機器に侵入する雷サージを考慮して、負極性の雷インパルスを印加する。このとき、例えば図11では、接合角部12は正極性、対向する高圧リード7は負極性となる。ここで絶縁媒体が鉱油の場合、負極性に対する耐圧が正極性と同程度であるため、正極性側となる接合角部12の電界緩和と共に、負極性となる高圧リード7の絶縁も必要とし、高圧リードの絶縁被覆を厚くしたり、絶縁距離をとったりする必要がある。このため、ある程度までしか縮小化や作業工数低減が図れない。
【0018】
本発明はこのようなことから、電磁誘導機器の特に近傍に高圧リードが設けられた脚鉄心と鉄心ヨークがステップラップジョイントされた接合角部の電界緩和シールドを提供することにある。そしてまた積層された磁性体鋼板間の確実な接地も同時に実現できる、電界緩和シールドの取付け構成も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
磁性体鋼板を積層した脚鉄心及び鉄心ヨークと、前記脚鉄心に巻装した巻線と、前記巻線に接続された高圧リードをタンク内に配置し、前記タンク内を絶縁媒体で満たした電磁誘導機器において、前記脚鉄心及び鉄心ヨークは前記磁性体鋼板をステップラップジョイントして構成し、前記高圧リードに近接した前記脚鉄心と前記鉄心ヨークの接合角部の先端を包絡するように棒状の電界緩和シールドを前記鉄心に取付け、前記電界緩和シールドの径は、前記鉄心の接合角部の接合代以上であることを特徴とする。
【0020】
更に本発明の電界緩和シールドを、磁性体鋼板鉄心の積層方向両端に取付けたことを特徴とする。
【0021】
また更にタンク内の絶縁媒体としてシリコーン液を使用したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
この事により電磁誘導機器の、磁性体鋼板がステップラップジョイントして構成された脚鉄心と鉄心ヨークの接合角部の、特に近傍の高圧リードと対向する接合角部に集中する電界緩和が実現できる。また、高圧リードと接合角部の絶縁距離を短くしたり、高圧リードの絶縁被覆を薄くしたりすることができるので、機器そのものの大型化が避けられる。そして、少量の部品で構成できるので、部品代や作業工数も低減し、コストアップを避けることができる。
【0023】
更に、本発明を適用した電界緩和シールドを磁性体鋼板鉄心の積層方向両端に電気的に接続すると、前記鉄心の明確な接地をとることができる。つまり、磁性体鋼板の積層間に発生する大きな電位差も軽減することができ、磁性体鋼板の相互間で発生する部分放電や絶縁破壊も防ぐことが可能となる。
【0024】
また更に、本発明を絶縁媒体としてシリコーン液を使用した電磁誘導機器に適用すれば、シリコーン液は負極性に対する絶縁耐圧が高いので、高圧リードの被覆を更に薄くしたり、絶縁距離を更に短くしたりすることができるので、機器の更なる小型化、工数低減が実現できる。このことにより、上記効果に加えシリコーン液の本来持っている、防災性、環境性も兼ね備えることも可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を実施した三相三脚鉄心の正面図である。
【図2】図1A部の拡大正面図である。
【図3】図1A部の拡大側面図である。
【図4】図3のB部の拡大図である。
【図5】本発明を適用した電界緩和シールドの素材を示す図である。
【図6】本発明を適用した電界緩和シールドの加工第一段階の図である。
【図7】本発明を適用した電界緩和シールドの加工第二段階の図である。
【図8】本発明を適用した電界緩和シールドの完成図である。
【図9】インパルス絶縁破壊電圧の極性効果を示す図である。
【図10】本発明のシールド効果示す図である。
【図11】ステップラップ積層方式の三相三脚鉄心の正面図である。
【図12】ステップラップ鉄心層の平面図である
【図13】図11のC部の拡大正面図である。
【図14】図11のC部の拡大側面図である。
【実施例】
【0026】
本発明の電界緩和シールド6の材料及び概略寸法を説明する。まず、図5に示したような、アルミ製のパイプ50を準備する。このパイプ50は、外表面に絶縁被膜2としてFBC(エポキシ被膜)処理を施してあり、絶縁被覆2の被膜の厚みは概ね1〜2mm程度である。
【0027】
パイプ50の肉厚は、自重で折れ曲がらない程度の強度があれば十分であって、数ミリで良い。また、この実施例においてパイプ50長さは500mm〜800mmとする。つまり接合角部12に沿ってなだらかに包絡することができる程度の長さがあれば良い。製品によっては接合角部の長さが違うので、この長さは、適宜調節する。
【0028】
またパイプ50の径ΦDは、図13の接合角部12の寸法Lを覆うことができる径があれば良い。例えば、L=10mmであれば、D≧10mmであるが、実用的な範囲は、D=(1〜3倍)x Lである。製品によって接合角部12の寸法Lが変わるため、パイプ50の径は適宜調節する。なお、この寸法Lは、接合角部の最鋭利部間の距離をいうが、名称としては接合代と呼ぶ。
【0029】
次に、具体的な製作方法を説明する。最初にパイプ50を接合角部12に沿ってなだらかに包絡した際、どの部位をどの程度曲げるか決定し、パイプ50を曲げ加工する。図6では2箇所を曲げ加工した例を示したが、接合角部12に沿ってなだらかに包絡することができれば、曲げる箇所は必ずしも2箇所でなくても構わない。
【0030】
次にこのパイプ50の両端の加工を、図7を使って説明する。まず、パイプ50の両端を図7(f)の手順1によって点線部を切断する。切断後、パイプ50の断面は、図7(g)ような形状となる。更にその切断部分を、図7(h)の手順2によって、プレスなどで押しつぶし、平板な板状にする。
【0031】
この板上になった部分は、アルミの導体1の部分とFBCの絶縁被覆2が施された部分の2面があり、絶縁被覆2はこの後の鉄心への取付けの際に不要になるので、図7(i)の手順3のように剥がしておく。なお、絶縁被覆2は少なくとも一端は剥がしておく。より好ましくは、両端とも剥がしておく。
【0032】
次に、磁性体鋼板鉄心への取付け部の加工である。まず、磁性体鋼板鉄心に取付けた際の形状を計算して、図7の(j)の手順4によって、アルミの導体1を曲げ加工する。曲げ終わった状態が、接続部6bである。
【0033】
図7に示した加工作業は、パイプの片側だけであるが、図8に示したように中心線Pに対してほぼ左右対称にパイプを加工する。この様にすると、少量の部材で電界緩和と積層された磁性体鋼板間の接地が同時に実現できるのである。
【0034】
本実施例では、絶縁被覆の施されたアルミ製パイプ部材を使用したが、このパイプに限定されるものではない。棒状のもので、例えば半パイプ形状、円柱形状や半円柱状のようなものでも、接合角部12を磁性体鋼板の積層方向になだらかに包絡することが可能であればそれでも構わない。勿論、絶縁被膜の代わりに絶縁紙を巻いて被覆しても構わない。
【0035】
また、表面に絶縁被覆が施されていなくても、実用上の絶縁耐圧が満足できればそれでもかまわない。なお半パイプ形状や半円柱状のものでも本発明では、径を持つものとして取り扱う。
【0036】
次に図1、図2、図3、図4を使って、本発明品を接合角部12への取付けた例を説明する。この実施例は、三相三脚鉄心の脚鉄心100と鉄心ヨーク300の接合角部に適用した場合である。図1のように三相三脚鉄心は、三つの脚鉄心にそれぞれ巻線400が装着され、三脚の上下端を鉄心ヨークにより磁気的に接続された構造になっている。また脚鉄心、鉄心ヨークと巻線400は、鉄心締付金具4及び巻線押さえ500で押さえつけ、鉄心締め付けロッド5で締め付けられている。
【0037】
ここで、本発明を適用した電界緩和シールド6の配置であるが、図1のように、高圧リード7に対向する接合角部12に配置する。図1のA部拡大正面図を図2に、同じく側面図を図3に示した。図2、図3からわかるように、磁性体鋼板の積層方向に、接合角部12をなだらかに包絡して取付けるのである。取付けの際、この電界緩和シールド6と接合角部12は、接触させても良い。またこの例では、高圧リード7に対向している接合角部は一箇所であるが、もし同様の部位が複数ある場合は、それぞれに配置しても良い。
【0038】
次に電界緩和シールド6の磁性体鋼板鉄心への固定方法を図4で説明する。電界緩和シールド6の製作方法でも記したように、接続部6bはパイプの両端を板状に加工してある。よってこの接続部6bの両端を、鉄心締め付け金具4と磁性体鋼板13との間に挟み、締め付けて固定する。
【0039】
この際、電界緩和シールド6の接続部6bと磁性体鋼板13の電気的接続を確実に行うために、磁性体鋼板13の絶縁皮膜14は少なくとも一端、好ましくは積層された反対側の両端とも、あらかじめ剥がしておく必要がある。接続部6bの絶縁被覆はすでに剥がしてあるので、鉄心締め付け金具4と磁性体鋼板13との間に挟まれて締め付けられることにより、磁性体鋼板13と電界緩和シールド6は電気的に接続し同電位となる。
【0040】
もちろんこれは電気的な接続なので、圧着端子、コネクタ等を用いて構成しても構わない。また電界緩和シールド6の材質や強度により、締付のみで固定不可能の場合は、別途支持絶縁物等を使用してもよい。
【0041】
以上の様な構成にすると電界緩和シールド6は、高圧リード7と対向する側に、接合角部12より大きな曲率を持つことになる。すなわち接合角部12に対してシールド効果が生まれ、接合角部12と高圧リード7との電界を緩和するのである。つまり電界緩和シールド6を、接合角部12になだらかに包括させて配置すると、鋭利な接合角部12があたかも大きな曲率半径を有するようにふるまうのである。
【0042】
そして、絶縁耐圧が向上することで、高圧リード7と接合角部12の絶縁間隔を短くすることが可能となり、また高圧リード7側の絶縁被覆も厚くする必要がなくなる。結果として機器の大型化を回避することが可能となる。
【0043】
図10にその効果を示した。横軸は、電界緩和シールド6の径で、縦軸は接合角部12付近の電界強度である。図からわかるように、実用的範囲では、シールドがない場合に比べて、例えば電界緩和シールド6の径が10mmの時は、約30%、30mmの時は、約40%も電界を緩和できる。また、電界緩和シールドの径が10mm以下の時はシールドの効果があまりなく、また径を30mm以上大きくしても、その効果は飽和してしまい意味を持たない事も分かる。
【0044】
更に、磁性体鋼板13の積層方向両端で電界緩和シールド6の接続部6bと接続した場合、電界緩和シールド6と磁性体鋼板端部間はゼロ電位となり、また積層された磁性体鋼板両端間もゼロ電位となる。もちろん磁性体鋼板で構成された鉄心は、アースに接続されていることが前提である。つまり、巻線400が課電された際、積層された磁性体鋼板間の積層方向両端に発生する電位は下がり、磁性体鋼板間で絶縁破壊や部分放電が発生しにくくなる。つまり、磁性体鋼板鉄心の明確な接地も少量の部品構成で可能となる。
【0045】
そして更に図1に示したように、タンク9に防災性を高めるために絶縁媒体としてシリコーン液8を使用した場合でも、接合角部12の絶縁耐力は、本発明によるシールド効果により向上する。加えて、シリコーン液の持つ極性効果により、負極性側となる高圧リードの被覆を更に薄くしたり、絶縁距離を短くしたりすることができる。すなわちコンパクトでかつ防災性及び環境性を備えた、電磁誘導機器を構成することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 パイプ
2 絶縁被覆(FBC)
3 導体(アルミ)
4 鉄心締め付け金具
5 鉄心締め付けロッド
6 電界緩和シールド
6b 接続部
8 シリコーン液
9 タンク
13 磁性体鋼板
【技術分野】
【0001】
本発明は電磁誘導機器の鉄心の接合角部に装着する電界緩和シールドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電力用の変圧器またはリアクトル等の電磁誘導機器は、脚鉄心、脚鉄心同士を磁気的につなぐ鉄心ヨーク及び巻線が主要素として構成されている。その変圧器に使用される脚鉄心や鉄心ヨークは、表面に電気絶縁皮膜が施された、薄い磁性体鋼板を複数枚積層して構成されているものが多い。
【0003】
普通これらの磁性体鋼板は、けい素鋼板をその長手方向に対して45°に切断して使用する。そして切断した磁性体鋼板を複数枚積層して鉄心を構成し、45°になっている切断面を突合せて接合する鉄心構成法がある。
【0004】
しかしこの方法は、接合部での磁束移行時に、鉄損や励磁電流などが大きくなる欠点がある。よって、この接合部における特性改善を図るために、突合せを交互にずらせて磁性体鋼板を積み重ねて鉄心を接合する、ステップラップジョイントが広く採用されている。
【0005】
例えば、図11および図12にステップラップジョイントした鉄心の一例、およびステップラップジョイントした鉄心を構成するための鉄心層を示した。図11に示されている、脚鉄心100、脚鉄心200および鉄心ヨーク300から構成される内鉄形3相3脚変圧器鉄心は、図12に示した5種類の鉄心層aからeを順次積み重ねて構成される。
【0006】
すなわち鉄心層aからeは両端部が互に45°に切断され、かつ中央部がV字状に切込まれた鉄心ヨーク300(300a〜300e)、両端部が45°に切断された外側の脚鉄心100(100a〜100e)、および両端が山形に切断された中央の脚鉄心200(200a〜200e)から夫々構成されている。
【0007】
この中央脚鉄心200は、両端山形の二辺の長さが異なる4種類の鋼板200a、鋼板200b、鋼板200d、鋼板200eと、両端山形の二辺の長さが等しく切断された鋼板200cとの5種類からなっている。鋼板200aと鋼板200eおよび鋼板200bと鋼板200dは、夫々同一寸法で両端を反転させた構造となっている。
【0008】
なお両端山形が不等辺となっている中央脚鉄心の鋼板200a、鋼板200eと鋼板200b、鋼板200dとの違いは、この不等辺の程度にあり、例えば鉄心層aと鉄心層bとを積層した場合に所定の重なり代が確保できるように、鉄心層aの中央脚鉄心200aの方が、鉄心層bの中央脚鉄心200bに比べて、不平等辺の程度が大きくしてある。
【0009】
すなわち図11に示した5段のステップラップジョイントを有する変圧器鉄心を構成するには、図12の5種の鉄心層aから鉄心層eを図中矢印表示のように、例えば鉄心層a、鉄心層b、鉄心層c、鉄心層d、鉄心層eの順にサイクリックに積層する。
【0010】
しかし、このステップラップジョイント鉄心において、図11のC部すなわち鉄心ヨーク300と脚鉄心100と接合部に、図13、図14に示したような、鋭利な接合角部12が形成される。例えば、図11のように、この接合角部12の近傍に高圧リード7が配置された場合、接合角部12に著しく電界が集中して絶縁耐力が低下し、接合角部12側から絶縁破壊が生じる可能性がある。
【0011】
そこで、電界が集中する箇所の電界緩和には、電界緩和シールドを近傍に取り付けることが有効なので、例えば特許文献1のように、脚鉄心の外周部に対して電界緩和シールドを備えて、電界緩和を図ることがある。また、高圧リードと上記のような接合角部の絶縁距離を離したり、高圧リードの絶縁被覆を厚くしたりする対策が一般的に実施されている。
【0012】
一方、電力用の変圧器またはリアクトル等の電磁誘導機器の絶縁媒体には、一般的に鉱油が用いられるが、防災性や環境性が求められるような場合には、シリコーン液が用いられることがある。しかし、絶縁油の種類によって電界緩和の方法は検討されておらず、現状では上記特許文献のような電界緩和対策が広く実施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平9-74029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、特許文献1に示されたような電界緩和対策シールドでは、脚鉄心部の電界緩和は可能であるが、高圧リード7とステップラップジョイントされた接合角部12との間の電界緩和には適さない。また絶縁耐圧を向上させるために、高圧リード7と接合角部12の絶縁距離を広げたり、高圧リード7の絶縁被覆を厚くしたりすると、機器そのものが大型化し、作業工数も増えコストアップにつながってしまう。
【0015】
図9にJISC2101‐22絶縁破壊電圧試験に準拠した、ジメチルシリコーンオイル中で球体と針を用いた耐圧試験結果を示した。動粘度が5cs、50cs、100csの3種類のシリコーン液で、針側の電極をマイナス、プラスの両極で耐圧試験を実施した。不平等電界場において、シリコーン液は印加される電圧の極性によって絶縁耐力が大きく異なる特性を持っている。
【0016】
例えば動粘性100csの場合を見てみると、針側が正極性で球体側とのギャップが12.7mmの場合、インパルス絶縁破壊電圧は、およそ4kV/mmである。これに対して針側が負極性の場合は、球体側とのギャップが6.1mmと狭くなっているにも係わらず、インパルス絶縁破壊電圧は、15kV/mm以上と、著しく耐圧が上昇する。一方、鉱油については、負極性に対する絶縁耐力は正極性に比べ若干高いものの、上記のような著しい耐圧の差はない。
【0017】
通常、JEC‐2200の雷インパルス耐電圧試験においては、実際に機器に侵入する雷サージを考慮して、負極性の雷インパルスを印加する。このとき、例えば図11では、接合角部12は正極性、対向する高圧リード7は負極性となる。ここで絶縁媒体が鉱油の場合、負極性に対する耐圧が正極性と同程度であるため、正極性側となる接合角部12の電界緩和と共に、負極性となる高圧リード7の絶縁も必要とし、高圧リードの絶縁被覆を厚くしたり、絶縁距離をとったりする必要がある。このため、ある程度までしか縮小化や作業工数低減が図れない。
【0018】
本発明はこのようなことから、電磁誘導機器の特に近傍に高圧リードが設けられた脚鉄心と鉄心ヨークがステップラップジョイントされた接合角部の電界緩和シールドを提供することにある。そしてまた積層された磁性体鋼板間の確実な接地も同時に実現できる、電界緩和シールドの取付け構成も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
磁性体鋼板を積層した脚鉄心及び鉄心ヨークと、前記脚鉄心に巻装した巻線と、前記巻線に接続された高圧リードをタンク内に配置し、前記タンク内を絶縁媒体で満たした電磁誘導機器において、前記脚鉄心及び鉄心ヨークは前記磁性体鋼板をステップラップジョイントして構成し、前記高圧リードに近接した前記脚鉄心と前記鉄心ヨークの接合角部の先端を包絡するように棒状の電界緩和シールドを前記鉄心に取付け、前記電界緩和シールドの径は、前記鉄心の接合角部の接合代以上であることを特徴とする。
【0020】
更に本発明の電界緩和シールドを、磁性体鋼板鉄心の積層方向両端に取付けたことを特徴とする。
【0021】
また更にタンク内の絶縁媒体としてシリコーン液を使用したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
この事により電磁誘導機器の、磁性体鋼板がステップラップジョイントして構成された脚鉄心と鉄心ヨークの接合角部の、特に近傍の高圧リードと対向する接合角部に集中する電界緩和が実現できる。また、高圧リードと接合角部の絶縁距離を短くしたり、高圧リードの絶縁被覆を薄くしたりすることができるので、機器そのものの大型化が避けられる。そして、少量の部品で構成できるので、部品代や作業工数も低減し、コストアップを避けることができる。
【0023】
更に、本発明を適用した電界緩和シールドを磁性体鋼板鉄心の積層方向両端に電気的に接続すると、前記鉄心の明確な接地をとることができる。つまり、磁性体鋼板の積層間に発生する大きな電位差も軽減することができ、磁性体鋼板の相互間で発生する部分放電や絶縁破壊も防ぐことが可能となる。
【0024】
また更に、本発明を絶縁媒体としてシリコーン液を使用した電磁誘導機器に適用すれば、シリコーン液は負極性に対する絶縁耐圧が高いので、高圧リードの被覆を更に薄くしたり、絶縁距離を更に短くしたりすることができるので、機器の更なる小型化、工数低減が実現できる。このことにより、上記効果に加えシリコーン液の本来持っている、防災性、環境性も兼ね備えることも可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を実施した三相三脚鉄心の正面図である。
【図2】図1A部の拡大正面図である。
【図3】図1A部の拡大側面図である。
【図4】図3のB部の拡大図である。
【図5】本発明を適用した電界緩和シールドの素材を示す図である。
【図6】本発明を適用した電界緩和シールドの加工第一段階の図である。
【図7】本発明を適用した電界緩和シールドの加工第二段階の図である。
【図8】本発明を適用した電界緩和シールドの完成図である。
【図9】インパルス絶縁破壊電圧の極性効果を示す図である。
【図10】本発明のシールド効果示す図である。
【図11】ステップラップ積層方式の三相三脚鉄心の正面図である。
【図12】ステップラップ鉄心層の平面図である
【図13】図11のC部の拡大正面図である。
【図14】図11のC部の拡大側面図である。
【実施例】
【0026】
本発明の電界緩和シールド6の材料及び概略寸法を説明する。まず、図5に示したような、アルミ製のパイプ50を準備する。このパイプ50は、外表面に絶縁被膜2としてFBC(エポキシ被膜)処理を施してあり、絶縁被覆2の被膜の厚みは概ね1〜2mm程度である。
【0027】
パイプ50の肉厚は、自重で折れ曲がらない程度の強度があれば十分であって、数ミリで良い。また、この実施例においてパイプ50長さは500mm〜800mmとする。つまり接合角部12に沿ってなだらかに包絡することができる程度の長さがあれば良い。製品によっては接合角部の長さが違うので、この長さは、適宜調節する。
【0028】
またパイプ50の径ΦDは、図13の接合角部12の寸法Lを覆うことができる径があれば良い。例えば、L=10mmであれば、D≧10mmであるが、実用的な範囲は、D=(1〜3倍)x Lである。製品によって接合角部12の寸法Lが変わるため、パイプ50の径は適宜調節する。なお、この寸法Lは、接合角部の最鋭利部間の距離をいうが、名称としては接合代と呼ぶ。
【0029】
次に、具体的な製作方法を説明する。最初にパイプ50を接合角部12に沿ってなだらかに包絡した際、どの部位をどの程度曲げるか決定し、パイプ50を曲げ加工する。図6では2箇所を曲げ加工した例を示したが、接合角部12に沿ってなだらかに包絡することができれば、曲げる箇所は必ずしも2箇所でなくても構わない。
【0030】
次にこのパイプ50の両端の加工を、図7を使って説明する。まず、パイプ50の両端を図7(f)の手順1によって点線部を切断する。切断後、パイプ50の断面は、図7(g)ような形状となる。更にその切断部分を、図7(h)の手順2によって、プレスなどで押しつぶし、平板な板状にする。
【0031】
この板上になった部分は、アルミの導体1の部分とFBCの絶縁被覆2が施された部分の2面があり、絶縁被覆2はこの後の鉄心への取付けの際に不要になるので、図7(i)の手順3のように剥がしておく。なお、絶縁被覆2は少なくとも一端は剥がしておく。より好ましくは、両端とも剥がしておく。
【0032】
次に、磁性体鋼板鉄心への取付け部の加工である。まず、磁性体鋼板鉄心に取付けた際の形状を計算して、図7の(j)の手順4によって、アルミの導体1を曲げ加工する。曲げ終わった状態が、接続部6bである。
【0033】
図7に示した加工作業は、パイプの片側だけであるが、図8に示したように中心線Pに対してほぼ左右対称にパイプを加工する。この様にすると、少量の部材で電界緩和と積層された磁性体鋼板間の接地が同時に実現できるのである。
【0034】
本実施例では、絶縁被覆の施されたアルミ製パイプ部材を使用したが、このパイプに限定されるものではない。棒状のもので、例えば半パイプ形状、円柱形状や半円柱状のようなものでも、接合角部12を磁性体鋼板の積層方向になだらかに包絡することが可能であればそれでも構わない。勿論、絶縁被膜の代わりに絶縁紙を巻いて被覆しても構わない。
【0035】
また、表面に絶縁被覆が施されていなくても、実用上の絶縁耐圧が満足できればそれでもかまわない。なお半パイプ形状や半円柱状のものでも本発明では、径を持つものとして取り扱う。
【0036】
次に図1、図2、図3、図4を使って、本発明品を接合角部12への取付けた例を説明する。この実施例は、三相三脚鉄心の脚鉄心100と鉄心ヨーク300の接合角部に適用した場合である。図1のように三相三脚鉄心は、三つの脚鉄心にそれぞれ巻線400が装着され、三脚の上下端を鉄心ヨークにより磁気的に接続された構造になっている。また脚鉄心、鉄心ヨークと巻線400は、鉄心締付金具4及び巻線押さえ500で押さえつけ、鉄心締め付けロッド5で締め付けられている。
【0037】
ここで、本発明を適用した電界緩和シールド6の配置であるが、図1のように、高圧リード7に対向する接合角部12に配置する。図1のA部拡大正面図を図2に、同じく側面図を図3に示した。図2、図3からわかるように、磁性体鋼板の積層方向に、接合角部12をなだらかに包絡して取付けるのである。取付けの際、この電界緩和シールド6と接合角部12は、接触させても良い。またこの例では、高圧リード7に対向している接合角部は一箇所であるが、もし同様の部位が複数ある場合は、それぞれに配置しても良い。
【0038】
次に電界緩和シールド6の磁性体鋼板鉄心への固定方法を図4で説明する。電界緩和シールド6の製作方法でも記したように、接続部6bはパイプの両端を板状に加工してある。よってこの接続部6bの両端を、鉄心締め付け金具4と磁性体鋼板13との間に挟み、締め付けて固定する。
【0039】
この際、電界緩和シールド6の接続部6bと磁性体鋼板13の電気的接続を確実に行うために、磁性体鋼板13の絶縁皮膜14は少なくとも一端、好ましくは積層された反対側の両端とも、あらかじめ剥がしておく必要がある。接続部6bの絶縁被覆はすでに剥がしてあるので、鉄心締め付け金具4と磁性体鋼板13との間に挟まれて締め付けられることにより、磁性体鋼板13と電界緩和シールド6は電気的に接続し同電位となる。
【0040】
もちろんこれは電気的な接続なので、圧着端子、コネクタ等を用いて構成しても構わない。また電界緩和シールド6の材質や強度により、締付のみで固定不可能の場合は、別途支持絶縁物等を使用してもよい。
【0041】
以上の様な構成にすると電界緩和シールド6は、高圧リード7と対向する側に、接合角部12より大きな曲率を持つことになる。すなわち接合角部12に対してシールド効果が生まれ、接合角部12と高圧リード7との電界を緩和するのである。つまり電界緩和シールド6を、接合角部12になだらかに包括させて配置すると、鋭利な接合角部12があたかも大きな曲率半径を有するようにふるまうのである。
【0042】
そして、絶縁耐圧が向上することで、高圧リード7と接合角部12の絶縁間隔を短くすることが可能となり、また高圧リード7側の絶縁被覆も厚くする必要がなくなる。結果として機器の大型化を回避することが可能となる。
【0043】
図10にその効果を示した。横軸は、電界緩和シールド6の径で、縦軸は接合角部12付近の電界強度である。図からわかるように、実用的範囲では、シールドがない場合に比べて、例えば電界緩和シールド6の径が10mmの時は、約30%、30mmの時は、約40%も電界を緩和できる。また、電界緩和シールドの径が10mm以下の時はシールドの効果があまりなく、また径を30mm以上大きくしても、その効果は飽和してしまい意味を持たない事も分かる。
【0044】
更に、磁性体鋼板13の積層方向両端で電界緩和シールド6の接続部6bと接続した場合、電界緩和シールド6と磁性体鋼板端部間はゼロ電位となり、また積層された磁性体鋼板両端間もゼロ電位となる。もちろん磁性体鋼板で構成された鉄心は、アースに接続されていることが前提である。つまり、巻線400が課電された際、積層された磁性体鋼板間の積層方向両端に発生する電位は下がり、磁性体鋼板間で絶縁破壊や部分放電が発生しにくくなる。つまり、磁性体鋼板鉄心の明確な接地も少量の部品構成で可能となる。
【0045】
そして更に図1に示したように、タンク9に防災性を高めるために絶縁媒体としてシリコーン液8を使用した場合でも、接合角部12の絶縁耐力は、本発明によるシールド効果により向上する。加えて、シリコーン液の持つ極性効果により、負極性側となる高圧リードの被覆を更に薄くしたり、絶縁距離を短くしたりすることができる。すなわちコンパクトでかつ防災性及び環境性を備えた、電磁誘導機器を構成することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 パイプ
2 絶縁被覆(FBC)
3 導体(アルミ)
4 鉄心締め付け金具
5 鉄心締め付けロッド
6 電界緩和シールド
6b 接続部
8 シリコーン液
9 タンク
13 磁性体鋼板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体鋼板を積層した脚鉄心及び鉄心ヨークと、前記脚鉄心に巻装した巻線と、前記巻線に接続された高圧リードをタンク内に配置し、前記タンク内を絶縁媒体で満たした電磁誘導機器において、前記脚鉄心及び鉄心ヨークは前記磁性体鋼板をステップラップジョイントして構成し、前記高圧リードに近接した前記脚鉄心と前記鉄心ヨークの接合角部の先端を包絡するように棒状の電界緩和シールドを前記鉄心に取付け、前記電界緩和シールドの径は、前記鉄心の接合角部の接合代以上である電磁誘導機器。
【請求項2】
請求項1で、電界緩和シールドを鉄心の積層方向両端に電気的に取付けた電磁誘導機器。
【請求項3】
絶縁媒体としてシリコーン液を有した請求項1または請求項2の電磁誘導機器。
【請求項1】
磁性体鋼板を積層した脚鉄心及び鉄心ヨークと、前記脚鉄心に巻装した巻線と、前記巻線に接続された高圧リードをタンク内に配置し、前記タンク内を絶縁媒体で満たした電磁誘導機器において、前記脚鉄心及び鉄心ヨークは前記磁性体鋼板をステップラップジョイントして構成し、前記高圧リードに近接した前記脚鉄心と前記鉄心ヨークの接合角部の先端を包絡するように棒状の電界緩和シールドを前記鉄心に取付け、前記電界緩和シールドの径は、前記鉄心の接合角部の接合代以上である電磁誘導機器。
【請求項2】
請求項1で、電界緩和シールドを鉄心の積層方向両端に電気的に取付けた電磁誘導機器。
【請求項3】
絶縁媒体としてシリコーン液を有した請求項1または請求項2の電磁誘導機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−249373(P2011−249373A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117897(P2010−117897)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(501383635)株式会社日本AEパワーシステムズ (168)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(501383635)株式会社日本AEパワーシステムズ (168)
【Fターム(参考)】
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