説明

電線圧接装置及び電線圧接方法

【課題】 電線の切断、折り曲げ加工及び圧接接続作業を一工程で連続的に行うことが可能で、圧接コネクタの製造能率を向上させ、製造コストを低減させる電線圧接装置及び電線圧接方法を提供する。
【解決手段】 圧接コネクタ20のコネクタハウジング22を保持するコネクタホルダ24と、そのホルダ24に対して昇降可能に設けられ、そのコネクタ20の圧接端子26に電線21を圧接接続する圧接ブレード30とを備えた電線圧接装置において、前記コネクタホルダ24の一方側に、電線を支持する下型と電線を切断、折り曲げ加工する上型とを備えた電線切断曲げ型34が配設され、その下型36が電線21を切断加工する受刃44、45を有し、上型38が電線21を切断加工する切刃48、49とコネクタホルダ24側の電線端部を折り曲げ加工する曲げ加工部50とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に用いられるワイヤーハーネスにおける電線を被覆のまま圧接端子に圧接接続して圧接コネクタを製造するために用いる電線圧接装置及び電線圧接方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の圧接コネクタの製造に用いる電線圧接装置として、図17に示す構成のものが提案されている。この圧接装置は、圧接コネクタ1のコネクタハウジング2を保持するコネクタホルダ3と、コネクタホルダ3に対して昇降可能に設けられ、前記コネクタハウジング2に装着された圧接端子4の切込みスロット(図示せず)に電線5を押し込んで圧接接続する圧接ブレード6と、電線5を位置決め把持する電線把持部7と、圧接ブレード6のエッジに形成された切刃9及び電線把持部7の下部に形成された受刃10を有する電線切断部8とを備える。なお、11は電線圧接時に電線5の引けを防止する電線押圧シリンダである。
【0003】
この圧接装置を用いて圧接コネクタ1を製造する場合には、電線圧接装置のコネクタホルダ3に圧接コネクタ1のコネクタハウジング2を保持し、コネクタハウジング2に装着された圧接端子4の上方に電線5を載置して電線把持部7で把持し、電線押圧シリンダ11で電線5を押圧して電線5の引けを防止すると共に、圧接ブレード6の下降動作で電線切断部8により電線5を切断しつつ、圧接ブレード6で圧接端子4の切込みスロットに電線5を押し込んで圧接接続することにより行う(特許文献1参照)。
【0004】
また、別の電線圧接装置として、図20に示すように、圧接端子14に電線5を圧接接続する際、圧接端子14近傍の電線5を折り曲げ加工して電線曲がり部5aを形成し、製造された圧接コネクタ12(図21参照)の電線5に引き抜き方向の引張力(引抜力)が矢印方向に作用したとき、圧接端子14の電線圧接部分を引抜力から保護し得るようにしたものが提案されている。
【0005】
この圧接装置の詳細は、図18乃至図20に示すように、圧接コネクタ12のコネクタハウジング13を保持するコネクタホルダ(図示せず)に対して昇降可能に設けられる圧接ヘッド(図示せず)に装着され、圧接ヘッドの昇降動作に伴って昇降する基体17と、基体17の下部の内側寄りの部位に突設され、前記コネクタハウジング13に装着された圧接端子14の切込みスロット15に電線5を押し込んで圧接接続する一対の圧接ブレード18と、基体17の下部の外側寄りの部位に圧接ブレード18に対して所定間隔を隔てて平行に突設され、電線5を折り曲げ加工しながらコネクタハウジング13の電線保持部16に保持する一対の電線折り曲げ保持片19とを備え、その折り曲げ保持片19は、その下端が圧接ブレード18の下端よりも電線曲がり部5aの高さ分だけ下方に延出するように長く形成される構成になっている。
【0006】
この圧接装置を用いて圧接コネクタ12を製造する場合には、電線圧接装置の図示しないコネクタホルダに圧接コネクタ12のコネクタハウジング13を保持し、コネクタハウジング13に装着された圧接端子14の上方に予め設定された長さに切断された4本の電線5を載置する。次に、基体17を下降させ、これに伴う圧接ブレード18の下降動作で、これに当接する圧接端子14、電線保持部16間の電線5を下方に押圧し、圧接端子14の切込みスロット15への電線5の押し込みを開始する。一方、電線保持部16の外側に位置する電線折り曲げ保持片19の下降動作で、これに当接する電線5を下方に折り曲げ加工しながら押圧し、電線保持部16への電線5の押し込みを開始する。更に、基体17の下降動作を続行し、圧接ブレード18と電線折り曲げ保持片19による電線5の押圧動作を終了し、電線5の圧接端子14への圧接接続、電線保持部16へ保持、及び電線曲がり部5aの形成を終了する(特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平10−154567号公報
【特許文献2】特開平7−249438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前者の電線圧接装置を用いて圧接コネクタ1を製造する場合には、圧接ブレード6の下降動作で電線切断部8により電線5を切断しつつ、圧接ブレード6で圧接端子4の切込みスロットに電線5を押し込んで圧接接続するので、電線5の切断加工作業と圧接接続作業は一工程で連続的に行うことができるが、電線5の折り曲げ加工作業を行うときには、電線5の切断、圧接接続作業終了後、別工程で行う必要がある。また、後者の電線圧接装置を用いて圧接コネクタ12を製造する場合には、圧接ブレード18の下降動作で圧接端子14の切込みスロット15に電線5を押し込みながら折り曲げ加工するので、電線5の折り曲げ加工作業と圧接接続作業を一工程で連続的に行うことができるが、電線5の切断加工作業は、電線5の折り曲げ加工、圧接接続作業の開始前、又はこれら作業終了後、別工程で行う必要がある。このため、これら従来の電線圧接装置では、電線5の切断、折り曲げ加工及び圧接接続作業を一工程で連続的に行うことができず、圧接コネクタ1、12の製造能率が低下し、製造コストが高くなるという問題がある。
【0009】
本発明は上記の状況に鑑みてなされたもので、電線の切断、折り曲げ加工及び圧接接続作業を一工程で連続的に行うことが可能で、圧接コネクタの製造能率を向上させ、製造コストを低減させる電線圧接装置及び電線圧接方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載された発明は、圧接コネクタのコネクタハウジングを保持するコネクタホルダと、コネクタホルダに対して昇降可能に設けられ、前記コネクタハウジングに装着された圧接端子に電線を圧接接続する圧接ブレードとを備えた電線圧接装置において、前記コネクタホルダに対して電線の長手方向の一方側に、電線を支持する下型と電線を切断、折り曲げ加工する上型とを備えた電線切断曲げ型が配設され、その下型が電線を切断加工する受刃を有し、上型が電線を切断加工する切刃とコネクタホルダ側の電線端部を折り曲げ加工する曲げ加工部とを有することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項2に記載された発明は、請求項1記載の電線圧接装置において、前記電線切断曲げ型の上型における切刃の先端が曲げ加工部の下端よりも少なくとも電線の外径分下方に突出していることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項3に記載された発明は、請求項1又は2記載の電線圧接装置において、前記電線切断曲げ型の下型の受刃がコネクタホルダ側に突設され、前記コネクタホルダに保持される圧接コネクタのコネクタハウジングに下型の受刃が挿入される受刃挿入溝が形成され、下型が受刃挿入溝に受刃が挿入、離脱し得るように進退可能に設けられることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項4に記載された発明は、請求項1、2又は3記載の電線圧接装置において、前記電線切断曲げ型の下型の受刃が複数形成され、少なくとも一つの受刃が他の受刃よりも後方に凹んで配置され、上型の切刃が複数形成され、前記後方に配置された受刃と摺り合わされる切刃が、他の切刃よりも前方に突出して配置されることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項5記載の電線圧接装置は、請求項1記載の電線圧接装置において、電線を圧接コネクタに圧接接続する際、少なくとも電線把持部をコネクタホルダに対して進退移動させる電線把持部移動手段を備えることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項6に記載された発明は、コネクタホルダに圧接コネクタのコネクタハウジングを保持し、コネクタハウジングに装着された圧接端子の上方に電線を載置して把持し、圧接ブレードの下降動作で圧接端子に電線を圧接接続する電線圧接方法において、圧接ブレードの下降動作に伴って、請求項1記載の電線切断曲げ型の上型を下降させ、下型の受刃と上型の切刃間で電線を切断加工し、上型の曲げ加工部でコネクタホルダ側の電線を折り曲げ加工し、圧接ブレードで圧接端子に電線を圧接接続することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載された電線圧接装置によると、前記コネクタホルダに対して電線の長手方向の一方側に、電線を支持する下型と電線を切断、折り曲げ加工する上型とを備えた電線切断曲げ型が配設されるので、圧接コネクタを製造する際、電線の切断、折り曲げ加工及び圧接接続作業を一工程で連続的に行うことが可能になり、圧接コネクタの製造能率を向上させ、製造コストを低減させることができる。
【0017】
本発明の請求項2記載の電線圧接装置によると、電線切断曲げ型の上型による電線の切断加工中に、曲げ加工部による電線の折り曲げ加工が開始されることがなく、電線の切断加工の終了と同時又は終了後に、電線の折り曲げ加工が開始されることになる。従って、電線の切断加工中に電線に引張力が作用して電線が引きちぎられたり、上型の切刃に過度の応力が作用して、切刃が変形、破損したりするような不具合を防止することができる。
【0018】
本発明の請求項3記載の電線圧接装置によると、電線の切断、折り曲げ加工及び圧接接続作業を行う際、電線切断曲げ型の下型をコネクタホルダ側に前進させて、下型の受刃を圧接コネクタのコネクタハウジングに形成された受刃挿入溝に挿入し得る構成になっている。従って、そのコネクタハウジング内で電線の切断、折り曲げ加工を行うことが可能になり、製造された圧接コネクタの外面から電線の切断部分が露出し、その切断部分の導体が隣接する導電性金属物に触れて短絡事故を起こすような不具合を防止することができる。
【0019】
本発明の請求項4記載の電線圧接装置によると、電線切断曲げ型の下型における複数の受刃と上型における複数の切刃のうち、少なくとも一対の摺り合される受刃と切刃の位置が他の摺り合される受刃と切刃の位置よりも前後方向に変位してずれるので、切断された複数の電線端部(切口)に長手方向の段差が形成され、この状態で複数の電線が圧接接続されることになる。その結果、圧接接続後における複数の電線端部の導体同士が変形、結露等により接触して短絡するような不具合を防止することができる。
【0020】
本発明の請求項5記載の電線圧接装置によると、電線を圧接コネクタに圧接接続する際、少なくとも電線把持部をコネクタホルダに対して進退移動させる電線把持部移動手段を備えているので、電線切断曲げ型の上型の曲げ加工部を電線に押し付けて電線曲がり部を形成する際、電線に過大張力が作用せず、電線が引き伸ばされて損傷を生じるのを確実に防止することができる。また、電線を電線把持部により所定の張力で引張った状態で把持することが可能になるので、電線をコネクタホルダに保持された圧接端子の切込みスロットの上方に正確に位置決めして載置することができる。従って、電線を圧接ブレードで圧接コネクタの圧接端子の切込みスロットに精度よく押し込んで確実に圧接接続することができる。
【0021】
本発明の請求項6記載の電線圧接方法によると、請求項1記載の電線切断曲げ型を用いて、電線の切断、折り曲げ加工を行うようにしたので、電線の切断、折り曲げ加工及び圧接接続作業を一工程で連続的に行うことが可能になり、圧接コネクタの製造能率を向上させ、製造コストを低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の実施形態を図面により詳細に説明する。図1は本発明に係る電線圧接装置の一実施形態を示す正面図、図2は一部拡大部分(圧接端子)を有する図1のX−X矢視拡大平面図であり、この電線圧接装置は、例えば、車両のルームランプユニットの電線を接続する圧接コネクタを製造するのに用いられる。
【0023】
本実施形態の電線圧接装置は、図1、2に示すように、圧接コネクタ20のコネクタハウジング22を保持するコネクタホルダ24と、コネクタホルダ24に対して昇降可能に設けられ、前記コネクタハウジング22に装着された圧接端子26のU、V形状の切込みスロット28に、例えば、3本の絶縁被覆された電線21を押し込んで圧接接続する圧接ブレード30と、圧接コネクタ20の圧接端子26に圧接接続される電線21を把持する電線把持部32と、電線21を切断、折り曲げ加工する電線切断曲げ型34とを備えて構成される。
【0024】
コネクタホルダ24は矩形状ブロックからなり、基台(図示せず)上に固定設置されている。圧接ブレード30はフレーム(図示せず)に昇降可能に設置された圧接ブレードホルダ52に保持され、コネクタホルダ24に対して昇降可能に設けられる。電線把持部32はくし歯状の固定把持体と、これにかみ合うように開閉駆動されるくし歯状の可動把持体とからなり、電線21を両把持体に挟んで把持する開閉チャック機構を備え、コネクタホルダ24と電線切断曲げ型34の下型36(後記)とを間にして、圧接接続すべき複数(図示例は3本)の電線21の長手方向の両側に所定間隔をおいて配設される。
【0025】
電線切断曲げ型34は前記コネクタホルダ24に対して電線21の長手方向の一方側(図示例は左側)にそのコネクタホルダ24に隣接(近接)して配設される。電線切断曲げ型34は電線21を支持する下型36と、これに対向するように昇降可能に配置され、電線21を切断、折り曲げ加工する上型38とを備える。上型38は昇降可能な圧接ブレードホルダ52の一方側(図示例は左側)の下部に圧接ブレード30と並列して配設される。上型38が圧接ブレード30の下降動作に伴って下降することにより、電線21が切断され、下方に垂直に折り曲げ加工され、電線21端部に電線曲がり部21a(図9、10参照)が形成される。
【0026】
更に詳細に説明すると、下型36は、図1、3、4に示すように、矩形ブロック状の下型基体40の上部に電線21を案内支持する、例えば、3個の電線ガイド溝42が形成され、下型基体40のコネクタホルダ24側の上側部に、そのホルダ24に向けて電線21を切断加工する、例えば、3個の受刃44、45が突設される。中央の受刃44は両側の2個の受刃45よりも、例えば、3mmほど後方(図1、4の左方)に凹んで配置される。下型36は、下型基体40の下部が固定架台54上に搭載された移動テーブル56に固定されて、コネクタホルダ24に対して進退可能に配設され、受刃44、45が圧接コネクタ20のコネクタハウジング22に形成された受刃挿入溝23に対して挿入、離脱し得るように構成されている。
【0027】
上型38は、図1、5に示すように、矩形ブロック状の上型基体46の下部に前記の受刃44、45と摺り合わされて電線21を切断加工する、例えば、3個の切刃48、49と、これら切刃48、49のコネクタホルダ24側に隣接(近接)して、切刃48、49で切断されるコネクタホルダ24側の電線21端部を折り曲げ加工する曲げ加工部50とが形成される。中央の切刃48は両側の2個の切刃49よりも、前記の受刃44が後方に凹んだ距離、即ち、3mm分だけ前方(図1、5(c)の左方)に突出して配置されるようになっている。また曲げ加工部50は外側に凸状にわん曲するR型に形成されている。更に、切刃48、49の先端が曲げ加工部50の下端よりも、少なくとも電線21の外径分、例えば、電線21の外径が1.4mmの場合には、下方(下型36側)に1.4mm以上突出するように形成されている。
【0028】
更に、図1に示すように、前記圧接ブレードホルダ52の他方側(図示例は右側)の下部には、圧接ブレード30と並列して、圧接コネクタ20の圧接端子26に圧接接続される電線21の後部(図1の右側)を下方に折り曲げ加工する電線曲げ型58が配設され、これに対応する圧接コネクタ20のコネクタハウジング22の上方後部には、電線曲げ型58の先端(下端)が挿入される凹溝60が形成される。そして、電線曲げ型58が圧接ブレード30の下降動作に伴って下降することにより、圧接端子26よりも後部に位置する電線21部分が凹溝60の開口内縁部で垂直に折り曲げ加工され、クランク状の電線曲がり部21b(図9参照)が形成される。
【0029】
本実施形態の電線圧接装置は上記構成になっている。この圧接装置を用いて圧接コネクタ20を製造する方法を以下説明する。先ず、図1に示すように、コネクタホルダ24に圧接コネクタ20のコネクタハウジング22を位置決めして保持し、コネクタハウジング22に装着された圧接端子26の切込みスロット28の上方に3本の絶縁被覆された電線21を、例えば、図1の矢印方向(左方向)に走行させて載置し、電線把持部32、32で把持固定する。なお、電線21は前記と逆方向、即ち、図1の左方向から右方向に走行させるようにしてもよい。
【0030】
次に、図6に示すように、移動テーブル56を矢印方向(右方向)に移動させて、電線切断曲げ型34の下型36を前進させ、圧接コネクタ20のコネクタハウジング22に形成された受刃挿入溝23に下型36の受刃44、45を挿入する。
【0031】
次に、図7に示すように、圧接ブレードホルダ52を下方に移動させて、圧接ブレード30と電線切断曲げ型34の上型38とを下降(図7の矢印方向)させ、電線21の上面に上型38の切刃48、49を当接させる。
【0032】
次に、図8に示すように、更に圧接ブレード30と上型38の下降動作を続行し、下型36の3個の受刃44、45と上型38の3個の切刃48、49間で3本の電線21を切断加工する。本実施形態の圧接装置は、前記したように、中央の受刃44は両側の受刃45よりも3mmほど後方に凹んで配置され、中央の切刃48は両側の切刃49よりも受刃44が後方に3mm凹んだ分だけ前方に突出して配置されている。従って、切断されたコネクタホルダ24側の3本の電線21端部(切口)は、図11、12に示すように、電線21の長手方向に3mm分の段差が形成される。
【0033】
このように、電線切断曲げ型34の下型36における複数の受刃44、45と上型38における複数の切刃48、49のうち、少なくとも一対の摺り合される受刃44と切刃48の位置が他の摺り合される受刃45と切刃49の位置よりも前後方向に変位してずれていると、切断された複数の電線21端部(切口)に長手方向の段差が形成され、この状態で複数の電線21が圧接接続されることになる。その結果、圧接接続後における複数の電線21端部の導体同士が変形、結露等により接触して短絡するような不具合を防止することができるので好ましい。
【0034】
次に、図9に示すように、更に圧接ブレード30と上型38の下降動作を続行し、電線21の切断加工の終了と同時又は終了後に、上型38の曲げ加工部50で電線21を下方に押し付け、コネクタホルダ24側の3本の電線21端部をほぼ垂直下方に折り曲げ加工して電線曲がり部21aを形成する。また、この作業と同時に、電線曲げ型58の下降動作で、この先端を圧接端子26よりも後部(図9の右側)に位置する3本の電線21を下方に押し付け、ほぼ垂直下方に折り曲げ加工してクランク状の電線曲がり部21bを形成する。更に、電線21の折り曲げ加工終了と同時に、圧接ブレード30の下降動作で、そのブレード30を電線21に当接させて押圧し、電線21を圧接端子26の切込みスロット28へ押し込む作業を開始する。
【0035】
なお、本実施形態の圧接装置は、前記したように、上型38の切刃48、49の先端が曲げ加工部50の下端よりも、少なくとも電線21の外径分下方に突出するように形成されている。そうすると、電線切断曲げ型34の上型38による電線21の切断加工中に、曲げ加工部50による電線21の折り曲げ加工が開始されることがなく、電線21の切断加工の終了と同時又は終了後に、電線21の折り曲げ加工が開始されることになる。従って、電線21の切断加工中に電線21に引張力が作用して電線21が引きちぎられたり、上型38の切刃48、49に過度の応力が作用して、切刃48、49が変形、破損したりするような不具合を防止することができるので好ましい。
【0036】
次に、図10に示すように、圧接ブレード30の更なる下降動作を続行し、圧接ブレード30で電線21を圧接端子26の切込みスロット28に押し込むことにより、電線21の被覆を切り裂き、圧接ブレード30を下死点まで下降動作させて電線21の導体を圧接端子26に圧接接続し、図11に示すような圧接コネクタ20を製造する。次いで、圧接ブレードホルダ52の移動を反転させ、圧接ブレード30、電線切断曲げ型34の上型38及び電線曲げ型58を上昇させて退出させ、電線把持部32、32を開いて電線21の把持を解放する。こうして、一工程による電線21の切断、折り曲げ加工及び圧接接続作業を終了し、次の圧接コネクタ20の製造に備える。
【0037】
次に、図12に示すように、圧接コネクタ20の圧接端子26における上部凸型のコ字型電線圧接接続部分に、上部凸型の保護カバー62を挿着し、圧接コネクタ20の製造を終了する。なお、電線圧接接続部分が前記したように予めコ字型に屈曲形成されていると、保護カバー62の挿着時に電線21に無理な曲げ力を加えてコ字型に屈曲形成する必要がなく、圧接コネクタ20の製造が容易になるほか、電線21を無理に折り曲げて損傷することがなく品質が向上するので好ましい。
【0038】
本発明の電線圧接装置及び電線圧接方法によると、上記実施形態のように、前記コネクタホルダ24に対して電線21の長手方向の一方側に、電線21を支持する下型36と電線21を切断、折り曲げ加工する上型38とを備えた電線切断曲げ型34が配設され、その切断曲げ型34を用いて、電線21を圧接接続するようにしたので、圧接コネクタ20を製造する際、電線21の切断、折り曲げ加工及び圧接接続作業を一工程で連続的に行うことが可能になり、圧接コネクタ20の製造能率を向上させ、製造コストを低減させることができる。
【0039】
また、本実施形態の電線圧接装置は、電線21の切断、折り曲げ加工及び圧接接続作業を行う際、電線切断曲げ型34の下型36をコネクタホルダ24側に前進させて、下型36の受刃44を圧接コネクタ20のコネクタハウジング22に形成された受刃挿入溝23に挿入し得るような構成になっている。そうすると、そのコネクタハウジング22内で電線21の切断、折り曲げ加工を行うことが可能になり、製造された圧接コネクタ20の外面から電線21の切断部分が露出し、その切断部分の導体が隣接する導電性金属物に触れて短絡事故を起こすような不具合を防止することができるので好ましい。
【0040】
なお、上記実施形態における電線切断曲げ型34の上型38は、共通の上型基体46に切刃48、49と曲げ加工部50が形成されているが、各独立した上型基体に切刃48、49と曲げ加工部50が形成されるようにしてもよい。また、上型38は昇降可能な圧接ブレードホルダ52に圧接ブレード30と並列させて配設され、圧接ブレード30と共動して昇降し得るように構成されているが、圧接ブレードホルダ52とは別の昇降可能なホルダに配設されるようにしてもよい。更に、圧接コネクタ20はランプユニットの電線接続用に限定されるものではなく、他の種々の電線接続に適用可能である。更に、電線21は3本以外の複数本又は1本の場合でも適用可能であり、1本の電線21の被覆体に複数の導体が並列配置された構成のものでもよい。
【0041】
図13は本発明の前記実施形態とは更に異なる電線圧接装置Aを示す正面図(圧接ブレード30及び電線切断曲げ型34は図示せず)、図14は同平面図である。この電線圧接装置Aは、前記実施形態の装置のコネクタホルダ24をその両側に配設された電線把持部32、32と共に電線21の長手方向に同一方向に同一速度で往復移動させるコネクタホルダ移動手段64と、電線把持部32、32をコネクタホルダ移動手段64とは独立して駆動されると共に、電線把持部32、32毎に設けられ、個々にコネクタホルダ24に対して進退移動させる電線把持部移動手段66、66とを備える。
【0042】
コネクタホルダ移動手段64は、コネクタホルダ24及び電線把持部32、32を支持する矩形板状の移動ベース68と、その移動ベース68を電線21の長手方向に往復移動させる直線駆動源70とを有する。直線駆動源70は、例えば、LMガイドアクチュエータ、即ち、架台72に電線21の長手方向に沿って配設されたLMガイド74と、LMガイド74上にスライド可能に設けられ、移動ベース68の下部に固定される2個のスライドブロック76と、スライドブロック76をボールねじ(図示せず)により電線21の長手方向に往復移動(駆動)させるサーボモータ(図示せず)で構成される。
【0043】
コネクタホルダ移動手段64の移動ベース68は、架台72の長手方向の両側に立設されたブラケット78に、移動ベース68を間にして対向するように螺着されたボルトからなる2個のストッパ80により、移動ベース68の移動距離が調節、規制される。この電線圧接装置Aでは、圧接ブレード30で圧接コネクタ20の圧接端子26に電線21を圧接接続する際、電線21に形成される電線曲がり部21aの折り曲げ高さが、例えば、2.7mmの場合、前側(図13の左側)のストッパ78と移動ベース68との間に2.7mmの隙間が形成され、移動ベース68が前方(図13の左方)に2.7mm移動できるように、前側、後側又は両側のストッパ78の位置が調整されている。
【0044】
電線把持部移動手段66、66は移動ベース68に受け台82、82を介して搭載された直線駆動源84、84からなる。各直線駆動源84は、例えば、LMガイドアクチュエータ、即ち、受け台82に電線21の長手方向に沿って配設されたLMガイド86と、LMガイド86上にスライド可能に設けられ、電線把持部32のハウジング下部に固定されるスライドブロック88と、スライドブロック88をボールねじ(図示せず)により電線21の長手方向に往復移動(駆動)させるサーボモータ(図示せず)で構成される。その他の構成は前記実施形態(図1乃至図10参照)の電線圧接装置と実質同一である。
【0045】
図15は本発明の前記各実施形態とは更に異なる電線圧接装置Bを示す正面図(圧接ブレード30及び電線切断曲げ型34は図示せず)である。この電線圧接装置Bは電線曲げ型58(図1等参照)を備えておらず、コネクタホルダ24の後側(図15の左側)に電線把持部32が配設されていないほかは、電線圧接装置Aと構成が実質上同一である。この電線圧接装置Bは、電線圧接装置Aに対して、例えば、図16に示すような配置関係(レイアウト)、即ち、電線圧接装置Aの後方に直列に、且つ、2個の電線ガイドロール90、90を介して180度方向変換した位置に配設される。
【0046】
この電線圧接装置Bでは、圧接ブレード30で圧接コネクタ20の圧接端子26に電線21を圧接接続する際、電線21に形成される電線曲がり部21aの折り曲げ高さが、例えば、2.7mmの場合、前側(図15、図16の右側)のストッパ78と移動ベース68との間に、2.7×3=8.1mmの隙間が形成され、移動ベース68が前方(図15、図16の右方)に8.1mm移動できるように、前側、後側又は両側のストッパ78の位置が調整されている。なお、電線圧接装置A、Bにおけるコネクタホルダ移動手段64の直線駆動源70及び電線把持部移動手段66の直線駆動源84は、LMガイドアクチュエータ以外に、空気、油圧シリンダ、マグネット、ねじ及びモータを組合せたもの等でもよい。
【0047】
次に、図16に示すような配置関係(レイアウト)に配設された電線圧接装置Aで圧接コネクタ20を、電線圧接装置Bで電線曲がり部21bを有しない圧接コネクタ92を製造する場合には、先ず、図16に示すように、送出装置(図示せず)から送り出された複数本(本例は3本)の絶縁被覆された電線21を電線圧接装置B内に同図の左方から右方に通し、2個の電線ガイドロール90、90で反時計方向に180度方向変換させて、電線圧接装置A内に右方から左方に通して走行させる。
【0048】
次に、3本の電線21の先端をクランプ、引掛け具等の引留具94で把持し、これら電線21を所定の張力で引張った状態で、電線圧接装置Aのコネクタホルダ24に保持された圧接コネクタ20のコネクタハウジング22に装着されている圧接端子26と、電線圧接装置Bのコネクタホルダ24にに保持された圧接コネクタ92に装着されている圧接端子26の各切込みスロット28の上方に載置する。
【0049】
次に、電線21をこのように引張った状態で、電線圧接装置Aのコネクタホルダ24及び電線圧接装置Bのコネクタホルダ24の各両側に配設された電線把持部32、32により把持固定する。
【0050】
次に、電線圧接装置A及び電線圧接装置Bの各コネクタホルダ移動手段64における直線駆動源70を同時に駆動させて、電線圧接装置A側のコネクタホルダ移動手段64の移動ベース68を前方(図16の左方)へ2.7mm移動させて、引留具94と電線圧接装置A間の電線21に2.7mmの余長弛み分を形成すると共に、電線圧接装置B側のコネクタホルダ移動手段64の移動ベース68を前方(図16の右方)へ8.1mm移動させて、電線圧接装置Aと電線圧接装置B間の電線21に2.7mm×2=5.4mmの余長弛み分、即ち、電線圧接装置Aの後方(図16の右方)と電線圧接装置Bの前方(図16の右方)にそれぞれ2.7mmの余長弛み分を形成する。
【0051】
次に、電線圧接装置Aの圧接ブレード30と電線切断曲げ型34の上型38と電線曲げ型58を下降させ、下型36の受刃44、45と上型38の切刃48、49間で3本の電線21を切断加工する。その切断加工終了と同時又は終了後に、上型38の曲げ加工部50及び電線曲げ型58で電線21を下方に押し付ける際、電線把持部移動手段66、66の直線駆動源84、84を駆動させ、コネクタホルダ24の両側に配設された電線把持部32、32をこれに電線21を把持した状態でコネクタホルダ24側に2.7mm進出させて寄せる。
【0052】
これにより、電線圧接装置Aの前方(図16の左方)及び後方(図16の右方)に形成された余長弛み分(2.7mm)を吸収しながら、コネクタホルダ24と両電線把持部32、32間の電線21に前記張力を超える過大張力が作用しないようにして、その電線21が引き伸ばされて損傷を生じるのを防止する。そして、曲げ加工部50及び電線曲げ型58の下方の押し付けにより、コネクタホルダ24側の3本の電線21に電線曲がり部21a、21bを形成する。更に、電線21の前記折り曲げ加工終了と同時に、圧接ブレード30の下降動作で、電線21を圧接端子26の切込みスロット28に押し込み、電線21の導体を圧接コネクタ20の圧接端子26に圧接接続して、圧接コネクタ20を製造する。
【0053】
前記電線圧接装置Aによる電線21の圧接コネクタ20への圧接接続作業と並行して、電線圧接装置Bによる電線21の圧接コネクタ92への圧接接続作業を行う。即ち、電線圧接装置Bの圧接ブレード30と電線切断曲げ型34の上型38を下降させ、下型36の受刃44、45と上型38の切刃48、49間で3本の電線21を切断加工する。その切断加工終了と同時又は終了後に、上型38の曲げ加工部50で電線21を下方に押し付ける際、電線把持部移動手段66の直線駆動源84を駆動させ、コネクタホルダ24の前側(図16の右側)に配設された電線把持部32を電線21を把持した状態でコネクタホルダ24側に2.7mm進出させて寄せる。
【0054】
これにより、電線圧接装置Bの前方(図16の右方)に形成された余長弛み分(2.7mm)を吸収しながら、コネクタホルダ24と両電線把持部32、32間の電線21に前記張力を超える過大張力が作用しないようにして、その電線21が引き伸ばされて損傷を生じるのを防止する。そして、曲げ加工部50の下方の押し付けにより、コネクタホルダ24側の3本の電線21に電線曲がり部21aを形成する。更に、電線21の前記折り曲げ加工終了と同時に、圧接ブレード30の下降動作で、電線21を圧接端子26の切込みスロット28に押し込み、電線21の導体を圧接コネクタ92の圧接端子26に圧接接続して、圧接コネクタ92を製造する。
【0055】
圧接コネクタ20を製造後、電線圧接装置Aの圧接ブレードホルダ52の移動を反転させ、圧接ブレード30、電線切断曲げ型34の上型38及び電線曲げ型58を上昇させて退出させ、電線把持部32、32を開いて電線21の把持を解放する。また、コネクタホルダ移動手段64の移動ベース68を直線駆動源70により後方(図16の右方)へ2.7mm移動させると共に、電線把持部移動手段66、66の直線駆動源84、84により電線把持部32、32をコネクタホルダから離れるように2.7mm退出させてそれぞれ元の位置に復帰させる。こうして、一工程による電線21の切断、折り曲げ加工及び圧接接続作業を終了し、次の圧接コネクタ20の製造に備える。
【0056】
電線圧接装置Aの上記復帰動作と並行して、電線圧接装置Aの圧接ブレードホルダ52の移動を反転させ、圧接ブレード30、電線切断曲げ型34の上型38及び電線曲げ型58を上昇させて退出させ、電線把持部32、32を開いて電線21の把持を解放する。また、コネクタホルダ移動手段64の移動ベース68を直線駆動源70により後方(図16の右方)へ2.7mm移動させると共に、電線把持部移動手段66、66の直線駆動源84、84により電線把持部32、32をコネクタホルダから離れるように2.7mm退出させてそれぞれ元の位置に復帰させる。こうして、一工程による電線21の切断、折り曲げ加工及び圧接接続作業を終了し、次の圧接コネクタ92の製造に備える。
【0057】
なお、例えば、電線圧接装置Aだけを用いて圧接コネクタ20を製造するような場合、電線21を所定の張力で引張った状態で、電線圧接装置Aのコネクタホルダ24のコネクタホルダ24の各両側に配設された電線把持部32、32により把持固定した後、電線把持部32、32の電線長手方向の外側に位置する電線21に付与されている張力を解放して電線21がその長手方向に移動し得るようにしてもよい。そうすると、前記電線把持部32、32の外側に位置する電線21に余長弛み分を予め形成しなくても、電線21を圧接コネクタ20に圧接接続する際、電線把持部32、32をこれに電線21を把持した状態で、コネクタホルダ24側に無理なく進出させて寄せることが可能である。そこで、電線把持部32、32の外側に位置する電線21に予め余長弛み分を形成するコネクタホルダ移動手段64は必ずしも必要ではない。
【0058】
前記電線圧接装置A、Bも、前記コネクタホルダ24に対して電線21の長手方向の一方側に、電線21を支持する下型36と電線21を切断、折り曲げ加工する上型38とを備えた電線切断曲げ型34が配設され、その切断曲げ型34を用いて、電線21を圧接接続するようにしたので、圧接コネクタ20、92を製造する際、電線21の切断、折り曲げ加工及び圧接接続作業を一工程で連続的に行うことが可能になり、圧接コネクタ20、92の製造能率を向上させ、製造コストを低減させることができる。
【0059】
更に、電線圧接装置A、Bのように、電線21を圧接コネクタ20、92に圧接接続する際、少なくとも電線把持部32をコネクタホルダ24に対して進退移動させる電線把持部移動手段66を備えていると、電線切断曲げ型34の上型38の曲げ加工部50を電線21に押し付けて電線曲がり部21aを形成する際、電線21に過大張力が作用せず、電線21が引き伸ばされて損傷を生じるのを確実に防止することができる。また、電線21を電線把持部32、32により所定の張力で引張った状態で把持することが可能になるので、電線21をコネクタホルダ24に保持された圧接端子26の切込みスロット28の上方に正確に位置決めして載置することができる。従って、電線21を圧接ブレード30で圧接コネクタ20、92の圧接端子26の切込みスロット28に精度よく押し込んで確実に圧接接続することができるので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る電線圧接装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1の一部拡大部分(圧接端子)を有するX−X矢視拡大平面図である。
【図3】図1における電線切断曲げ型の下型を示す斜視図である。
【図4】図3の下型の一部拡大部分(受刃)を有する平面図である。
【図5】図1における電線切断曲げ型の上型を示すもので、(a)はその斜視図、(b)は左側面図、(c)は一部拡大部分(切刃及び曲げ加工部)を有する正面図である。
【図6】図1の圧接装置において、電線切断曲げ型の下型を前進させて、圧接コネクタの受刃挿入溝に下型の受刃を挿入した状態を示す正面図である。
【図7】図1の圧接装置において、電線切断曲げ型の上型の切刃を電線に当接するまで下降させて電線の切断加工を開始する状態を示す一部拡大部分(電線切断曲げ型)を有する正面図である。
【図8】図1の圧接装置において、上型の切刃で電線を切断加工している状態を示す一部拡大部分(電線切断曲げ型)を有する正面図である。
【図9】図1の圧接装置において、上型の曲げ加工部で電線を曲げ加工している状態を示す一部拡大部分(電線切断曲げ型)を有する正面図である。
【図10】図1の圧接装置において、電線の切断、折り曲げ加工及び圧接接続が終了した状態を示す一部拡大部分(電線切断曲げ型)を有する正面図である。
【図11】図10の状態から圧接ブレード等を上昇させて退出させた後の圧接コネクタを示す平面概略図である。
【図12】図11の圧接コネクタにおける圧接端子のコ字型電線圧接接続部分に上部凸型の保護カバーを挿着する状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の前記実施形態とは更に異なる電線圧接装置を示す正面図(圧接ブレード及び電線切断曲げ型は図示せず)である。
【図14】図13の電線圧接装置の平面図である。
【図15】本発明の前記各実施形態とは更に異なる電線圧接装置を示す正面図(圧接ブレード及び電線切断曲げ型は図示せず)である。
【図16】図13の電線圧接装置と図15の電線圧接装置が配設される位置関係を示す図である。
【図17】従来の電線圧接装置を示す概要図である。
【図18】従来の他の電線圧接装置を用いて製造される圧接コネクタを示す分解斜視図である。
【図19】図18の圧接コネクタを製造するために用いる従来の他の電線圧接装置の主要部を示す斜視図である。
【図20】図18の圧接コネクタにおいて、電線が圧接端子に圧接接続され、電線保持部に保持された状態を示す断面図である。
【図21】図19に電線圧接装置で製造された圧接コネクタを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0061】
20 圧接コネクタ
21 電線
21a 電線曲がり部
21b 電線曲がり部
22 コネクタハウジング
23 受刃挿入溝
24 コネクタホルダ
26 圧接端子
28 切込みスロット
30 圧接ブレード
32 電線把持部
34 電線切断曲げ型
36 下型
38 上型
40 下型基体
42 電線ガイド溝
44 受刃
45 受刃
46 上型基体
48 切刃
49 切刃
50 曲げ加工部
52 圧接ブレードホルダ
54 固定架台
56 移動テーブル
58 電線曲げ型
60 凹溝
62 保護カバー
64 コネクタホルダ移動手段
66 電線把持部移動手段
68 移動ベース
70 直線駆動源
72 架台
74 LMガイド
76 スライドブロック
78 ブラケット
80 ストッパ
82 受け台
84 直線駆動源
86 LMガイド
88 スライドブロック
90 電線ガイドロール
92 圧接コネクタ
94 引留具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧接コネクタのコネクタハウジングを保持するコネクタホルダと、コネクタホルダに対して昇降可能に設けられ、前記コネクタハウジングに装着された圧接端子に電線を圧接接続する圧接ブレードとを備えた電線圧接装置において、前記コネクタホルダに対して電線の長手方向の一方側に、電線を支持する下型と電線を切断、折り曲げ加工する上型とを備えた電線切断曲げ型が配設され、その下型が電線を切断加工する受刃を有し、上型が電線を切断加工する切刃とコネクタホルダ側の電線端部を折り曲げ加工する曲げ加工部とを有することを特徴とする電線圧接装置。
【請求項2】
前記電線切断曲げ型の上型における切刃の先端が曲げ加工部の下端よりも少なくとも電線の外径分下方に突出していることを特徴とする請求項1記載の電線圧接装置。
【請求項3】
前記電線切断曲げ型の下型の受刃がコネクタホルダ側に突設され、前記コネクタホルダに保持される圧接コネクタのコネクタハウジングに下型の受刃が挿入される受刃挿入溝が形成され、下型が受刃挿入溝に受刃が挿入、離脱し得るように進退可能に設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の電線圧接装置。
【請求項4】
前記電線切断曲げ型の下型の受刃が複数形成され、少なくとも一つの受刃が他の受刃よりも後方に凹んで配置され、上型の切刃が複数形成され、前記後方に配置された受刃と摺り合わされる切刃が、他の切刃よりも前方に突出して配置されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の電線圧接装置。
【請求項5】
電線を圧接コネクタに圧接接続する際、少なくとも電線把持部をコネクタホルダに対して進退移動させる電線把持部移動手段を備えることを特徴とする請求項1記載の電線圧接装置。
【請求項6】
コネクタホルダに圧接コネクタのコネクタハウジングを保持し、コネクタハウジングに装着された圧接端子の上方に電線を載置して把持し、圧接ブレードの下降動作で圧接端子に電線を圧接接続する電線圧接方法において、圧接ブレードの下降動作に伴って、請求項1記載の電線切断曲げ型の上型を下降させ、下型の受刃と上型の切刃間で電線を切断加工し、上型の曲げ加工部でコネクタホルダ側の電線を折り曲げ加工し、圧接ブレードで圧接端子に電線を圧接接続することを特徴とする電線圧接方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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