説明

電線差込コネクタ

【課題】 電線ケーブルの太さに左右されることなく、確実に大容量の通電を行わせることができる電線差込コネクタを提供する。
【解決手段】 合成樹脂製のハウジング本体1と、同一傾斜方向に傾斜させた電線押圧用の第1爪21と第2爪22とを備えた電線押圧バネ2と、ハウジング本体1の内部空所12に挿入される通電フレーム3と、ハウジング本体1の周壁13に嵌合される合成樹脂製のハウジング蓋体4とからなり、通電フレーム3が、上壁31と左右側壁32,33と下壁34とを備え、左右側壁32,33の前後幅方向中間部35と該中間部35に連なる上壁31の前後幅方向中間部36とが一連に切り込まれて切り込み基部31aから下壁34方向に屈折されて支柱壁37とされ、その先端部371が下壁34に形成された係止孔38に固定され、該支柱壁37によって複数の電線挿入室3a,3bが区画形成されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近年、炎を伴うガス調理器に代わる調理器であって、高齢者でも安全な調理機器類として多用化傾向にある各種の電化調理機器類、例えばガスコンロに代わる電磁コンロのように、オール電化の波にも乗って炎を伴わない電磁調理器類の需要が増加しつつあり、これらの各種電化機器類への高容量電気の通電に適した電線差込式のコネクタの必要性が高まっている。
【背景技術】
【0002】
従来から、一般家庭用や小規模商店等で使用されるこの種の電線差込式コネクタは、通信ケーブル接続用の微弱電流通電用コネクタに多用されており、電子レンジや、焼肉用鉄板鍋、電磁コンロのような、比較的高容量の電気を必要とする電気器具類用の電線接続には、電線差込式ではなく、電線ネジ止め式のコネクタが多用されている。本発明は、後者の高容量の電気を必要とする電気器具類への通電に適したコネクタであって、電線どうしの通電接続が容易で迅速にできる電線差込式のコネクタに関するものである。
【0003】
従来の電線ケーブルとしては、例えば、家屋や共同住宅建物等における建屋内の天井裏や壁内配線に用いられる直径1〜2mm程度の比較的太い銅単線を導体とした単線ケーブル用の電線差込式コネクタは既に存在し公知になっている。このような電線差込式コネクタは、接続する電線をコネクタ本体の内奥部に向けて挿入するだけのワンタッチ操作によって複数本の電線ケーブルどうしの電気的接続を完了できるようにしたものである。このような電線差込式のコネクタは、例えば、後記特許文献1にみられるように、電線を2本だけ接続する2本接続用のものや、3本接続用のもの(同公報の図11)、4本接続用のもの(同公報の図12)等、必要に応じて所要複数本の電線どうしを接続することができる構造としてある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3435569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の電線差込式コネクタにあっては、前記のように直径1〜2mm程度の比較的太い銅単線を導体として使用しているものであるため、構造が複雑で部品点数も多くならざるを得ないものとなっていた。また、前記のように電磁器具等に対応させるための更に大容量の電力供給用ケーブルにも対応させることは、異常発熱を発生させる危険性を伴うものとなっていた。
【0006】
そこで、本発明は、このような先行技術が有する課題を解決し、従来から使用されている直径1〜2mm程度の屋内配線用単線ケーブルにも対応できるものでありながら、即ち本発明の図16に示したように、直径1.6、2.0mm等の単線ケーブルC,Cに対応できるのみならず、直径2.6mmのような太い単線ケーブルCや、直径1.0mmの導線を中心部に1本、その周りに6本、合計7本を集束した直径約3mmの集束ケーブルC等にも対応し、安全に使用できるものでありながら、構造が複雑でなく、組立も容易にできる構造とした電線差込コネクタをここに提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
該目的を達成するために講じた本発明にいう電線差込コネクタの請求項1に記載の構成を説明すると、所定太さの電線を複数本同一方向から挿入して互いに電気的接続を行う電線差込コネクタであって、合成樹脂素材で形成された有底角筒状のハウジング本体1と、同一傾斜方向に向けて傾斜させた電線押圧用の第1爪21と第2爪22とを備えた硬質金属製の複数体の電線押圧バネ2と、前記ハウジング本体1における内部空所12内に挿入される良導体金属板製の通電フレーム3と、前面に複数の電線案内孔4a,4bを備え、前記ハウジング本体1における周壁13に嵌合固定される合成樹脂製のハウジング蓋体4とからなり、前記通電フレーム3が、一枚の金属板で上壁31と左右側壁32,33と下壁34とを備えていて、左右側壁32,33の少なくとも片方の側壁32または33の前後幅方向中間部35の所要幅と該中間部35に連なる上壁31の前後幅方向中間部36の所要幅とが一連に切り込まれ、当該所要幅部分が切り込み基部31aから下壁34方向に向かって屈折された支柱壁37に形成され、その先端部371が下壁34に形成された係止孔38に固定され、該支柱壁37によって複数の電線挿入室3a,3bが区画形成されている構成としたものである。
【0008】
また、請求項2に記載の構成は、請求項1に従属する構成であって、通電フレーム3の下壁34が、左右側壁32,33の下部を折り重ねて二枚重ねとした二重壁341,342構造に形成させてある構成としたものである。
【0009】
請求項3に記載の構成は、請求項1または2に従属する構成であって、通電フレーム3の下壁34が、二枚重ねの二重壁341,342構造に形成され、その外側壁341または342の先端部343が上壁31方向に屈折され、その遊端部344を側壁32または33の切り込み縁と係止させてある構成としたものである。
【0010】
更に、請求項4に記載の構成は、請求項1乃至3の何れかに従属する構成であって、通電フレーム3の下壁34が、二枚重ねの二重壁341,342構造に形成され、その内側壁342または341の先端部345が、対向側壁32または33に形成された小孔346に挿入固定させてある構成としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明にいうところの電線差込コネクタは、差し込まれた電線ケーブルどうしを通電接続するための通電フレームを、一枚の良導体金属板で上壁と左右側壁と下壁とを備えているものとし、左右何れかの側壁か、左右両方の側壁を、前後幅方向中間部の所要幅と、該中間部に連なる上壁の前後幅方向中間部の所要幅とを一連に切り込ませ、この切り込んだ残余の所要幅部分を切り込み基部から下壁方向に向かって屈折させて支柱壁とし、その先端部即ち下端部を下壁に形成した係止孔に固定させ、該支柱壁によって複数の電線挿入室を区画形成したものとしてあるので、各電線挿入室に差し込まれた通電用の電線ケーブルは、その太さに左右されることなく確実に電線挿入室において通電フレームと接触させることができ、このとき挿入した電線ケーブルの太さが太い場合でも、下壁全体を弧状に変形させて接触不良となることを未然に防止し、確実に大容量の通電を行わせることができるという顕著な効果を有する。
【0012】
更に、構成部材としては、ハウジングの他に、該通電フレームとこの通電フレーム内に配置させて電線を押圧する簡単な構造の電線押圧バネがあればよいので、コネクタ全体として部品点数が少なく、構造が簡単で、組立も容易かつ迅速にでき、量産化に適しているという優れた効果も期待できる。
【0013】
また、請求項2に記載のコネクタは、通電フレームの下壁を、左右の側壁の下部を折り重ね、二枚重ねとした二重壁に形成してあるので、支柱壁との連結がより確実にでき、下壁の弧状変形をより確実に防止できる効果を有する。
【0014】
請求項3に記載のコネクタは、通電フレームの下壁を、二枚重ねの二重壁構造に形成してあって、その外側壁の先端部を上壁方向に屈折させて、更にその遊端部を側壁における切り込み縁と係止させてあるので、下壁を構成する外側壁の先端部側の形態を固定し易く、下壁の形状のみならず、同時に通電フレーム全体の形状を所定の形状に確実に保持させておくことができるという効果を有する。
【0015】
更に、請求項4に記載のコネクタは、通電フレームの下壁を、二枚重ねの二重壁構造に形成してあるものとし、その内側壁の先端部を、該先端部と対向する側壁に形成した小孔に挿入固定させてあるので、下壁を構成する内側壁の先端部の形態を確実に固定でき、下壁の形状のみならず、通電フレーム全体の形状をも所定の形状に確実に保持させておき易いという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施例を示すコネクタの中央縦断側面図。
【図2】図1におけるA−Aに沿った横断平面図。
【図3】コネクタの正面図。
【図4】同背面図。
【図5】ハウジング本体の正面図。
【図6】ハウジング蓋体の背面図。
【図7】コネクタの外観形状を示す前方上方からみた斜視図。
【図8】通電フレームの正面図。
【図9】同平面図。
【図10】同左側面図。
【図11】同右側面図。
【図12】同前方上方からみた斜視図。
【図13】電線押圧バネの側面図。
【図14】同正面図。
【図15】同前方上方からみた斜視図。
【図16】通電フレーム、電線押圧バネと電線との関係を説明する断面図。
【図17】第2実施例を示す図1相当の中央縦断側面図。
【図18】第3実施例を示す通電フレームの前方上方からみた斜視図。
【図19】第4実施例を示す通電フレームの前方上方からみた斜視図。
【図20】第5実施例を示す通電フレームの右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
前記各請求項に記載の上壁や下壁等の上下表現は、構造認識上の容易性を図った表現であり、このことは、下記実施例の説明にあっても同じである。前記ハウジング本体及びハウジング蓋体の成形素材は、特に限定する意図はないが、耐衝撃性や機械的強度に優れている点でポリカーボネート樹脂が好ましく、透明性を備えていて内部状態を透視し易い点でも好ましい。前記電線押圧バネの素材としては、焼鈍処理したステンレス鋼が不銹性に優れている点で好ましく、前記通電フレームの素材としては、銅の錫メッキ板が難銹性と良電導性に優れている点で好ましい。
【実施例】
【0018】
以下本発明の第1実施例について図面に基づいて説明する。図1はコネクタ全体の外形と内部構造を示す中央縦断側面図、図2は図1に示したA−A線に沿って横断したハウジングと通電フレームを示す平面図、図3及び4はコネクタの正面形状と背面形状を示した図である。図5及び6はハウジング本体の正面形状とハウジング蓋体の背面形状を示した図である。図7はコネクタの外観形状を示す斜視図である。図8乃至12は通電フレームの形状を示した正面、平面、左側面、右側面図及び斜視図である。図13乃至15は電線押圧バネの側面形状、正面形状及び斜視図である。図16は通電フレーム、電線及び電線押圧バネと電線との関係を説明する図である。
【0019】
該第1実施例に示したコネクタは、図1,2,7に示したようにハウジング本体1とハウジング蓋体4とによってハウジングが形成され、これらの両部材1,4は共に正面形状を横長の概略角筒形状とし、ポリカーボネート樹脂の透明材で内部透視可能に成形してある。該実施例に示したハウジング1,4は、ハウジング本体1をハウジング蓋体4の開口部41から挿入して、ハウジング本体1の周壁13上にハウジング蓋体4の周壁43を外嵌させる構造としてある。これらは、ハウジング本体1の周壁13に形成した突起、より詳しくは周壁13の上面に1カ所、下面に2カ所形成した嵌合用突起14と、これらの突起14と対応する箇所に、ハウジング蓋体4の周壁43の上面に1カ所、下面に2カ所形成した嵌合用凹部44を嵌合させて抜け止め作用をさせるようにしてある。ハウジング本体1の開口部11からはその内部空所12内に、後記電線押圧バネ2を内挿した通電フレーム3を挿入するようにしてある。また、該実施例に示したハウジング蓋体4は、図3,7に示したように、ハウジング蓋体4の正面に横方向に並列形成させた三つの電線案内孔4a,4b,4cを形成してあり、これらの各案内孔からそれぞれ1本ずつ3本の電線ケーブルを差し込むことによって、電線どうしを相互に電気接続させる構造としたものである。
【0020】
電線押圧バネ2は、所定幅の一枚のSUS板を熱処理したもので、図13乃至図15に示したように、幅方向において左・中央・右と3カ所を均等幅の爪体23,23,23として残し、それぞれの間に切り込み24,24を形成し、側面視形状を図1及び13,15にみられるように、図13における右側部分を「つ」の字形に屈曲させた折り返し部20とし、それぞれの遊端側を前後に変位させて右下方向に向けて反転傾斜させ、第1爪21と第2爪22とを形成し、これらの両爪21,22によって電線に対して前後2カ所で加圧押圧する構造としたものである。前記各爪体23,23,23間に形成してある切り込み24,24は、電線挿入時に隣り合う爪体23,23,23どうしが互いに影響されることなく個々に傾斜姿勢を変化させることができるようにするためのものである。
【0021】
また、通電フレーム3は、一枚の銅板を図8のように、上壁31と左右側壁32,33と下壁34とを備えた横長の長方形状とし、図9乃至図11に示したように、左右の側壁32,33の上下方向約3分の1部分から上の、左右幅方向(図8にあっては前後幅方向)の中間部35の約3分の1幅部分と、該中間部35に連なる上壁31の前後幅方向中間部36の同幅部分とに一連の切り込みを入れて、この切り込み間の壁体部分を図8,12のように、上壁31における切り込み基部31aから垂下させて、下壁34方向に向かって屈折させてある支柱壁37とし、その先端部(図8において下端部)371を下壁34に形成した係止孔38に貫通させ下壁34の下側に突出させた部分をU字形に屈曲または屈折させて加締固定させてある構造としたものである。この左右二つの支柱壁37,37によって、図8において左右幅方向に三つの電線挿入室3a,3b,3cを区画形成させてある。
【0022】
而して、該第1実施例として示した通電フレーム3は、図面の重複を避けるため図示は省略したが、下壁34の構造は二枚重ね壁とすることなく一枚壁としたものであっても、左右二つの支柱壁37,37によって強化されているので、電線の挿入圧によって容易に変形することのないものとすることができる。
【0023】
しかしながら、該下壁34の構造は、図8に明示したように、左右の側壁32,33の下部を延長させて互いに折り重ねることによって、二枚重ね状の二重壁341,342構造としておくと、より一層強化でき、電線の挿入圧によって容易に変形することのないものとすることができる。
【0024】
更に、該下壁34の構造は、図8,9,11,12に示したように、通電フレーム3における下壁34の二重壁341,342構造における外側壁341の先端部343を下壁34の長さよりも長く延長させて、その先端部343を上壁31方向に向けて屈折させたのち、その遊端部344を当該側壁33における切り込み部33hの下縁と係止させた構造として固定しておくと、下壁34の外側方向への強度をより強固なものとしておくことができる。
【0025】
更にまた、図8,9,10,12に示したように、通電フレーム3における下壁34の構造を二枚重ねの二重壁341,342としてあるものにおいて、その内側壁342の先端部345を、該先端部345が対向する側壁32に予め形成しておいた小孔346に挿入させて固定してある構造としておくと、下壁34の外側方向への強度を強固なものとしておくことができる。このようにしたものにおいて、前記のように、下壁34の外側壁341の先端部343の遊端部344を切り込み部33hの下縁と係止固定させてあるものとしてある場合には、下壁34の強度を最高のものとすることができる。
【0026】
以上の構造としたコネクタに対して挿通使用する電線ケーブルは、通常3本同径のものを使用するものであるが、しかしながら、3本全てが同径のものである必要はなく、例えば図16に示したように、極言すると図における左側に2.6φのケーブルCを、中間部に1φを7本集束した直径3mmのケーブルCを、右側に2φのケーブルC2若しくは1.6φのケーブルCを、それぞれ挿入して通電させることも可能である。
【0027】
図17は、本発明にいうハウジングの別実施例を第2実施例として示したもので、ハウジング本体1とハウジング蓋体4との相対嵌合構造を、ハウジング本体1の周壁13がハウジング蓋体4の周壁43をよりも大きいものとし、ハウジング蓋体4に対してハウジング本体1側を外嵌させる構造としたものである。これら両体1,4の固定構造は前記第1実施例に準じて行えばよい。
【0028】
図18は、本発明にいうところの通電フレームの別実施例を第3実施例として示したものである。前記第1実施例では、通電フレーム3の構造を、左右二つの支柱壁37,37によって区画した左右方向に三つの電線挿入室3a,3b,3cを備えたものを示してあるが、この三つの電線挿入室3a,3b,3cを有する通電フレーム3を備えたコネクタに対し、2本の電線のみを挿通して電線2本用のコネクタとして使用することができる。したがって、第1実施例に示したコネクタは、電線3本用のみならず電線2本用としても使用できるので需要の大きいものである。しかしながら、敢えて示せば図18のように、電線2本用コネクタの通電フレーム3の構造として、二つの電線挿入室3a,3bのみを備えた通電フレーム3を形成してもよい。この通電フレーム3の構造は、前記第1実施例において示した支柱壁37を1本のみとし、左右二つの電線挿入室3a,3bのみを備えたものとすることができる。その他の構造については、前記第1実施例に準じたものとして実施すればよい。
【0029】
図19は、本発明にいう通電フレームの他の別実施例を第4実施例として示したものである。該第4実施例として図19に示した通電フレーム3は、前記第1実施例において示した通電フレーム3と同様に、下壁34の構造を上下二枚重ねの内外二重壁341,342としたものであって、これら内外二重壁341,342のうち、内面側下壁342の、図において手前側の端縁部を手前側に延長させて、その延長部を下向きに屈折させて屈折補強部342aを形成させ、強度の増加を図ったものである。
【0030】
図20は、該通電フレームの更なる別構造を第5実施例として示したものである。該第5実施例に示した通電フレーム3は何れも右側面図を示したもので、(イ)図のものは、図19に示した通電フレーム3における内面側下壁342の屈折補強部342aを、前後方向両側縁部に形成したものであり、(ロ)図のものは、該(イ)図に示した屈折補強部342a,342aを更に下方に向けて、支柱壁37の屈折先端部371の近くにまで延長させて屈折補強部342b,342bとしたものである。また、(ハ)図のものは、該(ロ)図に示した屈折補強部342b,342bを外面側二重壁341の下面に向けて更に屈曲させた屈曲補強部342c,342cを形成したものである。
【0031】
以上本発明の代表的と思われる実施例について説明したが、本発明は必ずしもここに示した実施例構造のもののみに限定されるものではなく、本発明にいう前記の構成要件を充足し、上記の目的を達成し、上記の効果を有する範囲内において適宜に改変して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明にいう電線差込コネクタは、太さの太い電線ケーブルであっても下壁全体を弧状に変形させて接触不良となることなく、確実に大容量の通電を行わせることができ、極めて簡単なワンタッチ的な電線の挿入操作で通電させることができるので、市場に提供すると大いに使用される可能性を秘めたものである。
【符号の説明】
【0033】
1 ハウジング本体
12 内部空所
13 周壁
2 電線押圧バネ
21 第1爪
22 第2爪
3 通電フレーム
3a 電線挿入室
3b 電線挿入室
31 上壁
32 側壁
33 側壁
34 下壁
341 二重壁
342 二重壁
343 二重壁外側壁の先端部
344 遊端部
345 二重壁内側壁の先端部
346 小孔
35 側壁の中間部
36 上壁の中間部
37 支柱壁
371 支柱壁の先端部
38 係止孔
4 ハウジング蓋体
4a 電線案内孔
4b 電線案内孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定太さの電線を複数本同一方向から挿入して互いに電気的接続を行う電線差込コネクタであって、
合成樹脂素材で形成された有底角筒状のハウジング本体(1)と、
同一傾斜方向に向けて傾斜させた電線押圧用の第1爪(21)と第2爪(22)とを備えた硬質金属製の複数体の電線押圧バネ(2)と、
前記ハウジング本体(1)における内部空所(12)内に挿入される良導体金属板製の通電フレーム(3)と、
前面に複数の電線案内孔(4a,4b)を備え、前記ハウジング本体(1)における周壁(13)に嵌合固定される合成樹脂製のハウジング蓋体(4)とからなり、
前記通電フレーム(3)が、一枚の金属板で上壁(31)と左右側壁(32,33)と下壁(34)とを備えていて、左右側壁(32,33)の少なくとも片方の側壁(32または33)の前後幅方向中間部(35)の所要幅と該中間部(35)に連なる上壁(31)の前後幅方向中間部(36)の所要幅とが一連に切り込まれ、当該所要幅部分が切り込み基部(31a)から下壁(34)方向に向かって屈折された支柱壁(37)に形成され、その先端部(371)が下壁(34)に形成された係止孔(38)に固定され、該支柱壁(37)によって複数の電線挿入室(3a,3b)が区画形成されている電線差込コネクタ。
【請求項2】
通電フレーム(3)の下壁(34)が、左右側壁(32,33)の下部を折り重ね、二枚重ねとした二重壁(341,342)構造に形成させてある請求項1に記載の電線差込コネクタ。
【請求項3】
通電フレーム(3)の下壁(34)が、二枚重ねの二重壁(341,342)構造に形成され、その外側壁(341または342)の先端部(343)が上壁(31)方向に屈折され、その遊端部(344)を側壁(32または33)の切り込み縁と係止させてある請求項1または2に記載の電線差込コネクタ。
【請求項4】
通電フレーム(3)の下壁(34)が、二枚重ねの二重壁(341,342)構造に形成され、その内側壁(342または341)の先端部(345)が、対向側壁(32または33)に形成された小孔(346)に挿入固定させてある請求項1乃至3の何れかに記載の電線差込コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−69515(P2013−69515A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206759(P2011−206759)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(591028773)株式会社ニチフ端子工業 (23)