説明

電線接続器

【課題】 使用する電線が細線の場合でも、電線を引き抜こうとする外力に対して、電線が引き抜き方向に移動することを阻止する電気的接続を行うことができ、同時に、電線の挿入状態を外部から容易に確認できるようにした電線接続器を提供すること。
【解決手段】 容器本体1と、複数の電線案内孔41を有する蓋体4と、幅方向に連続するように形成された底板23と複数の電線案内孔41の各々に対応して幅方向に独立した前側壁21及び後側壁22を有し、前側壁21には電線通過案内穴28と前側電線押圧爪25が形成され、後側壁22には後側電線押圧爪26が形成されている通電金具2とからなり、該金具2の底板23には、平面視において、前記電線挿入孔41の電線挿入方向中央線に沿って、左右対称形で奥狭の略八の字形に、底板23から空洞部15側に向かって切り起こされて立設された電線直進案内片51が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、火災報知器用の接続コネクタであって、被覆電線を必要な本数平行に差し込んで、電線ケーブルどうしを接続若しくは分岐配線する場合に使用するための電線接続器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、火災報知器用のみに限らず、単線を導体とした電線ケーブルどうしを電気的に接続するための電線接続器としては、電線を挿入するだけのワンタッチ操作によって電線ケーブル間の電気的接続を行えるようにしたものが既に提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
この種の電線接続器には、2本の電線だけを接続する2本用のものから、3本用や4本用等の複数本の電線を接続するものがある。これらの電線接続器は、電線接続器の内部に電線を挿入した場合、挿入した電線を導電性の底板に向けて押し付けて電気的に接続すると共に、不意に電線が抜け出すことを防止するために電線に食い込んで引き抜き方向への移動を阻止する電線抜け防止用押圧爪と電線を通電板に押し付けて確実な通電を行わせる押圧爪とを持つ構造とされている。
【0004】
図9及び図10は、従来の電線接続器の一例を示す図である。図9は従来の電線接続器を各部品に分解した斜視図であり、図10は電線を挿入した状態の従来の電線接続器を示す垂直断面図である。この電線接続器の構成は、有底角筒状で合成樹脂製の容器本体1と、容器本体1の開口部11に嵌合固定された合成樹脂製の蓋であって、電線の先端部を案内する複数(図示のものは3つ)の電線案内孔41を有する蓋体4と、容器本体1の内部に内装された金具であって、幅方向に連続するように形成された底板23と、複数の電線案内孔41の各々に対応して幅方向に独立して分離された前側壁21及び後側壁22とを有する通電金具2とからなる。各前側壁21には電線通過案内穴28と前側電線押圧爪25とが形成されるとともに、各後側壁22には後側電線押圧爪26が形成されている。
【0005】
なお、このような各部品によって電線接続器を組み立てるには、まず、矢印Aで示したように、容器本体1の開口部11から、通電金具2を容器本体1の内部に挿入することにより、空洞部15に収納する。次に、矢印Bで示したように、3つの電線案内孔41を有する蓋体4を容器本体1の開口部11に圧入し、突起42を容器本体1の蓋係止穴12に嵌合させて固定することになる。
【0006】
このような電線接続器において、電線案内孔41から挿入された電線wは、電線通過案内穴28を通過した後、前側電線押圧爪25と後側電線押圧爪26とを撓めながら侵入し電線wの先端部が後側壁22に接当する構造となっている。挿入完了後の電線wは、前側電線押圧爪25と後側電線押圧爪26とによって底板23と押圧接触すると共に、電線wを引き抜こうとする外力に対しては、前側電線押圧爪25と後側電線押圧爪26との端部が電線wに食い込んで電線wが引き抜き方向に移動することを阻止する。また、通電金具2の底板23には、電線挿入ガイド用の半円柱形状の溝29が、前側電線押圧爪25から後側電線押圧爪26に向かって形成されている。
【特許文献1】特開2002−184484号公報
【特許文献2】特開2005−235711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記説明による従来の電線接続器にあっては、直径1.5〜2mm程度の比較的太い線径の電線wを用いたときには、電線wが所要の硬度を有しているため、電線案内孔41から電線wを挿入するだけで、電線通過案内穴28を通過させた後、前側電線押圧爪25と後側電線押圧爪26とを前方に向けて撓めながら電線wを容易に奥まで侵入させていくことができたが、線径の細い細線、例えば、直径0.5〜1.2mmの電線の場合には、被覆を除去した裸電線部分の直進性が弱くて変形し易く、電線押圧爪を押して前方に撓ませながら、接続器の奥まで侵入させることができにくかった。
【0008】
そのため、本発明にいうところの信号線のような細線を、この種の電線差し込み式の電線接続器に使用することは、接続不良という危険性を伴うため実施が避けられていた。しかしながら、本発明が対象としているこの種の細線どうしを単純な方法で電気的に接続したいという要求は高い。
【0009】
そこで、本発明は、細線であっても、電線が引き抜き外力を受けても容易には引き抜かれることがなく、電線どうしの通電を確実に行うことができ、短絡事故等の発生を防止できる電線接続器を提供することを目的とする。同時に、本発明は、電線どうしが電気的接続を確実に行うことができる状態で接続器内に挿入されているか否かを外部から目視で確認することができるようにした電線接続器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題を解決するために講じた本発明にいう電線接続器の構成は、絶縁被覆電線wを使用対象とした電線接続器であって、電気絶縁性を備えた樹脂素材で成形したハウジングHと、該ハウジングHに内挿され、複数本の電線どうしを電気的に接続する通電金具2とからなり、前記ハウジングHが、前記通電金具2を内挿する空洞部15と、該空洞部15に連なる開口部11を備え、有底角筒状に形成された容器本体1と、並列開口された複数の電線挿入孔41と、容器本体1の開口部11への嵌合部43とを備えた蓋体4とからなり、前記通電金具2が、複数本の電線並列幅に対応する横幅bを備えた底板23と、該底板23の入口側縦壁21と奥側縦壁22との上端側から折り返され、その開放端が底板23近くで終わっている形状とされ、前記電線挿入孔41の各々に対応して形成された前後方向二つの電線押圧爪25,26と、平面視において、前記電線挿入孔41の電線挿入方向中央線に沿って、左右対称形で奥狭の略八の字形に、底板23から空洞部15側に向かって切り起こされて立設された電線直進案内片51とを備え、かつ、容器本体1が内部透視可能な樹脂素材で形成され、該通電金具2が、奥側縦壁22に電線先端確認用穴52を備え、容器本体1が、該電線先端確認用穴52の奥側に、同確認用穴52を通過した電線先端部分の確認用空室cを備えている構造としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる電線接続器は、電線相互の通電作用を通電金具の底板に直接負担させるものとし、電線挿入穴を介して接続器内に挿入されたそれぞれの電線を、通電金具の底板に対して前後方向二つの電線押圧爪によって押圧させて密接させる構造とし、殊に、通電金具の底板に、平面視において、電線挿入方向の中央線に沿って、左右対称形で奥狭の略八の字形に、底板から空洞部側に向かって切り起こされて立設させてある電線直進案内片を形成してあるので、電線挿入穴から接続器内に挿入されたそれぞれの電線は、この電線直進案内片に側面が接当して直進し、内奥部に侵入することを助長する作用を果たす。よって、本発明が使用対象としている信号線のような細線であっても、通常一般的な剛性を備えた単線ケーブルのように、電線接続器に対して電線を単純に挿入するだけで、電線どうしの接続を達成できるという効果を期待することができるに至ったのである。
【0012】
更に、本発明の電線接続器は、容器本体を内部透視可能な樹脂素材で形成してあるものとし、該容器本体の内部に挿通させた通電金具を、奥側縦壁に電線先端確認用穴を形成してあるものとしてあることによって、電線接続器内に挿入した電線の先端が、該確認用穴の先部にまで達しているのか、該確認用穴にまで達することなくその内奥部(ここでは電線挿入穴側)で止まっているのかの確認を、容器本体の外部から目視確認することができるので、変形し易く直進性に欠ける電線であっても、電線の挿入不足による通電不良や、通電不良による発熱や短絡事故の発生を未然に確実に回避させることができる利点を有している。
【0013】
殊に、本発明の電線接続器にあっては、通電金具の奥側縦壁に形成してある電線先端確認用穴を通過して、その奥側に形成されている電線先端部分確認用空室内にまで電線の先端部分が確実に挿入されているか否かを、透明な樹脂素材で形成された容器本体の外部から迅速かつ確実に目視確認することができるので、電線の挿入不足に起因する通電不良や発熱による短絡事故の発生を未然に確実に回避させることができ、安全性の高い電線接続器が得られるという利点を享受することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明にいう電線接続器を実施するに当たっては、通電金具2の素材を、導電性が高く細密加工に耐える金属素材であれば特定素材のみに限定されるものではないが、一例を挙げると、導電性、弾性力、強度性、曲げ加工性、入手の容易性等に優れているという観点から、リン青銅板を素材とすることが好ましい。また、ベリリウム銅板、抗張力銅合金板等も好ましい素材である。
【0015】
また、容器本体1や蓋体4を形成するのに適した合成樹脂素材としては、耐熱性と絶縁性とが求められる場合には、液晶ポリマを用いることが好ましい。この液晶ポリマ材料として、例えばベクトラ(POLYPLASTICS;登録商標)を挙げることができる。また、耐熱性と絶縁性とが求められない場合の素材としては、透明性に秀で、電線の挿入状態の確認が容易であるポリカーボネートが好ましく、また、ポリイミド、PEEK,PEK等も素材とすることができる。
【実施例】
【0016】
以下、本発明の実施例を図示例と共に説明する。図1〜図8は、本願発明の主たる実施例の電線接続器を示す図である。図1は該実施例の電線接続器を各部品に分解して示した斜視図、図2は電線接続器の外観形状を示す斜視図、図3は組み立て状態を示す要部の縦断面斜視図、図4は各部品を分解配置した要部の縦断側面図、図5は各部品を分解配置した要部の横断平面図、図6は組み立て状態を示した要部の縦断側面図、図7は組み立て状態を示した要部の横断平面図、図8は通電金具を左側から示した斜視図である。
【0017】
該実施例に示した電線接続器は、図4及び図5に示したように、一本の細線を絶縁被覆した電線wを使用対象としたものである。該電線wは、電線接続器に挿入するのに先立って、電線端の被覆を所要長さ剥離して裸電線としてから、後述する蓋体4の電線挿入穴41に向けて挿入する。
【0018】
また、該実施例に示した電線接続器は、図1,2に示した左右2個の電線挿入穴41,41を形成してあるものとし、2本の電線を互いに電気的に接続する接続器を示してある。該実施例に示した容器本体1は、透明樹脂素材としてポリカーボネートを使用し、有底角筒状に成形してある。従って、内部透視が可能なものではあるが、図が複雑になることを避けるため、内部構造は省略してある。
【0019】
而して、該容器本体1は、その一端(図1において左側)に蓋嵌合用の開口部11を設けてあり、該開口部11を構成する上面壁14には、横長長方形状とした上部の蓋係止穴12を形成し、下面壁17には、少し小さめとした横長長方形状の下部の蓋係止穴18を形成してある。また、該開口部11の下面壁17には、図1に見られるように、その内面側に2本の浅い弧状溝19を形成してある。この溝の存在によって、これらの両溝19,19間に形成してある下部蓋係止穴18の形成壁部分が蓋体4の嵌合時に外方に向かって一時的に変形し、蓋体4の嵌合が容易となるようにしてある。
【0020】
蓋体4は、容器本体1と同様に、透明なポリカーボネートを素材として使用してもよいが、該実施例のものにあっては、不透明な着色素材で形成してあり、この色彩によって、電線接続器の種類分けを行うようにしてある。即ち、同じ2本線用の電線接続器であっても、電線径の異なるものごとに色分けして識別性能を高め、また、使用する電線の本数ごとでも、電線挿入穴41の穴数を確認することなく外観上から容易に識別できるように色彩を異ならせて、誤使用の防止ができるようにしてある。
【0021】
この蓋体4は、容器本体1の前後方向長さに比して、短い角柱状としてあり、その前面側に容器本体1の開口部11を形成する周壁の前面と接当する大きさとしたフランジ部46を設けてある開口部11への嵌合部43を連設してあり、該嵌合部43の下面側には、図6のように、前記2本の弧状溝19,19と当接する2本の弧状の凸部47を形成してある。このようにして、前記フランジ部46の奥側の嵌合部43を容器本体1の開口部11にぴったりと嵌合する大きさに成形してある。
【0022】
また、該蓋体4の嵌合部43の上面には、容器本体1の開口部11の上面壁14に形成してある上部の蓋係止穴12と嵌合する横長の突起42を形成し、下面には、容器本体1の開口部11の下面壁17に形成してある下部の蓋係止穴18と嵌合する突起45を形成してある。これら上下の突起42,45の上下の蓋係止穴12,18への嵌合係止によって蓋体4が容器本体1から引き抜き方向に移動することを阻止するようにしてある。より具体的には、これらのうち、上面側の突起42は、側面視において、前方側が垂直面となり、後方側に向かって突出量が小さくなる傾斜面を有し、下面側の突起45は、前方側が垂直面となり、後方側に向かって突出量が小さくなる傾斜面を有する形状としてある。
【0023】
容器本体1の内部空洞部15に収納させる通電金具2は、1枚のリン青銅の薄板を折り曲げ加工して2本の電線wを挿入できる横幅を備えている形状としてある。該通電金具2の具体的な形状は、側面視形状において底板23を中心として、その前後を略コの字形に曲げて電線挿入穴41側に近い前側壁21と、電線挿入穴41側から離れた後側壁22とを形成し、前側壁21の上端部を後側壁22と底板23方向とに向かってU字形に折り返してその下端縁部分を後側壁22方向に傾斜させて底板23の近くで終わらせて、前側電線押圧爪25とし、後側壁22の上端部は、一旦前側壁21の方向に向かわせたのち、後側壁22と底板23方向とに向かって再びU字形に折り返してその下端縁部分を後側壁22方向に傾斜させて、底板23の近くで終わらせてある形状として、後側電線押圧爪26としてある。
【0024】
また、該通電金具2は、殊に、図1,5に見られるように、底板23の前後方向の一部を含んで、その他の部分を左右幅方向に2分割させてある。より具体的には、底板23の前側部分の一部と前側壁22とその上端折り曲げ部分と前側電線押圧爪25とが切り欠き部27で左右方向に2等分され、底板23の後側の一部と後側壁22とその先端を折り曲げて形成した上部壁部分と後側電線押圧爪26とも切り欠き部27で左右方向に2等分してある。このようにして、隣り合う前側電線押圧爪25,25どうし、隣り合う後側電線押圧爪26,26どうしが、挿入電線に対して互いに干渉し合うことを回避させてある。
【0025】
更に、各前側壁21の下端部には、図1,5に見られるように、略方形の電線通過案内穴28が形成され、各後側壁22の下端部にも、略方形とした前記電線先端確認用穴52が形成されている。このようにした通電金具2に対して、電線案内孔41から挿入した電線wは、前側壁21の電線通過案内穴28を通過して、前側電線押圧爪25と接触し底板23に向けて押圧されながら前進し、先端部分の撚り作用が弛んでバラけようとしても、底板23に形成してある左右の電線直進案内片51a,51bと左右の側面が接当し収斂作用を受けて集合状態を維持させられながら前進し、続いて後側電線押圧爪26と接触し底板23に向けて押圧されながら更に前進する。このようにして、電線wの先端部は内奥部にまで侵入する。
【0026】
このとき、図6及び図7に示したように、後側壁22に形成してある電線先端確認用穴52の奥側に、電線先端部分の確認用空室cを形成してある構造としてあるので、同確認用穴52を通過した電線wの先端部分が、この電線先端部分確認用空室c内にまで達することとなる。このように、電線先端部分確認用空室c内にまで電線wの先端部が達しているか否かは、本発明の容器本体1にあっては、内部透視可能な樹脂素材で形成してあるので、外部から容易に視認し確認することができる。
【0027】
ここで、前記第1実施例に示した電線2本通電用の電線接続器を組み立て方法について図1を用いて説明する。まず、矢印Aで示したように、容器本体1の開口部11から、通電金具2を容器本体1の内部に挿入し、空洞部15内に収納させる。この際、該通電金具2の後側壁22が、図7に示した容器本体1の背面壁13の前面16と当接し、同時に底板23の幅方向が開口部11の幅方向とぴったりと嵌合する大きさに成形してある。このことにより、通電金具2の移動防止と位置規制とが自動的に行われるようにしてある。
【0028】
続いて、矢印Bで示したように、二つの電線案内孔41を有する蓋体4を容器本体1の開口部11に圧入し、その上下壁から突出させた突起42,45を容器本体1の上下壁に形成してある蓋係止穴12,18にそれぞれ嵌合係止させて固定する。この突起42,45と係止穴12,18との嵌合係止によって、容器本体1に蓋体4を固着させ、前記第1実施例に示した電線接続器を得る。
【0029】
以上本発明の代表例と思われる実施例について説明したが、本発明の電線接続器は、これらの実施例に示した構造のみに限定されるものではなく、その他本発明にいう前記の構成要件を備え、かつ本発明にいう目的を達成し、本発明にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の電線接続器は、従来では直線挿入の困難性から通電性能の不確実性が危惧されてきた細線の絶縁被覆電線を対象として、確実に通電可能な構造としたので、この実施品を市場に提供すれば、当業者間において大いに使用されるものと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1実施例の各部品を示す斜視図。
【図2】電線接続器全体の外観斜視図。
【図3】組み立て状態を示す要部の縦断面斜視図。
【図4】各部品を分解配置した要部の縦断側面図。
【図5】各部品を分解配置した要部の横断平面図。
【図6】電線を挿入した状態を鎖線で示した組み立て状態の縦断側面図。
【図7】電線を挿入した状態を鎖線で示した組み立て状態の横断平面図。
【図8】通電金具を拡大して示した斜視図。
【図9】従来の電線接続器を各部品に分解した斜視図。
【図10】電線を挿入した状態の従来の電線接続器を示す垂直断面図。
【符号の説明】
【0032】
1 容器本体
11 開口部
12 蓋係止穴
13 背面壁
14 上面壁
15 空洞部
16 前面
2 通電金具
21 前側壁
22 後側壁
23 底板
25 前側電線押圧爪
26 後側電線押圧爪
27 切り欠き部
28 電線通過案内穴
4 蓋体
41 電線挿入穴
42 突起
43 嵌合部
51 凸部
52 先端確認用穴
H ハウジング
c 空室
w 電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁被覆電線(w)を使用対象とした電線接続器であって、
電気絶縁性を備えた樹脂素材で成形したハウジング(H)と、
該ハウジング(H)に内挿され、複数本の電線どうしを電気的に接続する通電金具(2)と
からなり、
前記ハウジング(H)が、
前記通電金具(2)を内挿する空洞部(15)と、該空洞部(15)に連なる開口部(11)を備え、有底角筒状に形成された容器本体(1)と、
並列開口された複数の電線挿入孔(41)と、容器本体(1)の開口部(11)への嵌合部(43)とを備えた蓋体(4)とからなり、
前記通電金具(2)が、
複数本の電線並列幅に対応する横幅(b)を備えた底板(23)と、
該底板(23)の入口側縦壁(21)と奥側縦壁(22)との上端側から折り返され、その開放端が底板(23)近くで終わっている形状とされ、前記電線挿入孔(41)の各々に対応して形成された前後方向二つの電線押圧爪(25,26)と、
平面視において、前記電線挿入孔(41)の電線挿入方向中央線に沿って、左右対称形で奥狭の略八の字形に、底板(23)から空洞部(15)側に向かって切り起こされて立設された電線直進案内片(51)とを備え、
かつ、容器本体(1)が内部透視可能な樹脂素材で形成され、該通電金具(2)が、奥側縦壁(22)に電線先端確認用穴(52)を備え、容器本体(1)が、該電線先端確認用穴(52)の奥側に同確認用穴(52)を通過した電線先端部分の確認用空室(c)を備えている構造とされた電線接続器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−218141(P2009−218141A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62197(P2008−62197)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(591028773)株式会社ニチフ端子工業 (23)