電線接続用薄型コネクタ
【課題】 従来品と同等若しくはそれ以上のコネクタ機能を保有していて、嵩低く薄形に形成することを可能とした電線接続用のコネクタを提案すること。
【解決手段】 少なくとも2本の通電線Kどうしを個別に挿入する少なくとも2個の電線挿入孔10を備えた絶縁樹脂製の平板形のコネクタハウジング1と、該ハウジング1の内部に形成された空間a内に配置された金属板製の通電板2と、該通電板2に、互いに非干渉状態に配置された2体の電線押圧バネ3とからなり、該電線押圧バネ3のそれぞれが電線挿入孔10から挿入された通電線Kに対して3カ所で接触し、通電板2への押圧作用と抜け止め作用とを行う構造としたもの。
【解決手段】 少なくとも2本の通電線Kどうしを個別に挿入する少なくとも2個の電線挿入孔10を備えた絶縁樹脂製の平板形のコネクタハウジング1と、該ハウジング1の内部に形成された空間a内に配置された金属板製の通電板2と、該通電板2に、互いに非干渉状態に配置された2体の電線押圧バネ3とからなり、該電線押圧バネ3のそれぞれが電線挿入孔10から挿入された通電線Kに対して3カ所で接触し、通電板2への押圧作用と抜け止め作用とを行う構造としたもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、家屋やビル等の建築構造物内において使用するのに適した薄型の電線接続用コネクタに関するものである。より詳しくは、一般家庭のフロアに敷設されるヒーターパネルの配線接続や、オフィスのフロアに敷設される電子機器類への配線接続時に電線どうしの接続を行うのに際して、可及的に嵩低く床面の上下に配置することができる薄型の電線接続用コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
このようなフロア面に沿って配置する電線接続用コネクタとしては、例えば、特開平9−55239号公報(特許文献1)に見られるように、直方体状に形成された樹脂ケースの一端側と他端側とに位置をずらせて、2対の通電線と1対のアース線とを挿入するための3対の電線挿入孔が形成され、その内部に形成されている3つの空間内に、前記電線挿入孔から挿入された電線どうしを電気的に接続させるための金属金具が収容され、それぞれの金属金具には、ケースの一端側の電線挿入孔からと他端側の電線挿入孔から挿入された1対宛の電線を金属金具に対して押圧するための2体の電線押圧バネを取り付けてある構造とした電線接続用のコネクタが公知になっている。
【0003】
また、芯線が細い複数線からなる被覆リード線どうしを接続するための電線接続用コネクタとしては、例えば、実開平1−155263号明細書(非特許文献1)に見られるように、平面視でほぼ直方体状に形成した樹脂ケースの一端側に、線の先端部にリード線端子を接続した2本のリード線を挿入するための2つの電線挿入孔を隣り合わせに形成し、その内部空間内に、電線挿入孔から挿入した電線どうしを電気的に接続させるための金属金具を収容し、この金属金具に、2つの電線挿入孔からそれぞれ挿入したリード線を個別に押圧するための2体の電線押圧バネ=接続端子を背中合わせに配置した電線接続用のコネクタも既に公知になっている。
【0004】
これらの電線接続用コネクタは、何れもケースの内部に形成された空間内に金属金具の平板面を沿わせて配置し、また、この金属金具の平板面に沿うように電線押圧バネを配置し、電線挿入孔から挿入した電線を水平方向に向かって押圧させる構造とすることによって、樹脂ケースの厚みを小さくする構造となっている。
【特許文献1】特開平9−55239号公報
【非特許文献1】実開平1−155263号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの先行技術のものは、何れのものも、ケース内に挿入された電線に接触して、これを金属金具の受圧面に対して押圧する電線押圧バネの素材幅が、ケースの厚みを配慮する必要のない嵩高形状のコネクタや、若しくはブロック体形状のコネクタに、旧来から長く使用されている広幅の電線押圧バネと同様に、広幅のバネ素材を使用して形成された幅の広い電線押圧バネを使用したものである。
【0006】
そのため、ケース全体の厚さを図示のもの以上に薄くすることは困難な構造となっており、また、そのような必要性や思想を示唆する記載も存在していない。このことは、製品の性質上、挿入電線に対して、所定の押圧作用と抜け止め作用とを確実に付与することができるものでなければならないという必要性が求められていることに起因するものと思われる。
【0007】
然るに、他方では、前記のように、フロア等の上面に嵩低く設置でき、またはフロア等の下面の小さな空間内に確実に設置することができる、可能な限り薄くて嵩の低い構造としたコネクタの潜在的な要求も存在するものと想定される。
【0008】
そこで、本発明者らは、この点に着目し、機能の低下を来すことなく、JIS規格に規定された許容範囲以上の発熱を生じることなく、かつ、旧来品と同等若しくはそれ以上のコネクタ機能を保有していて、可能な限り薄型とした電線接続用コネクタを開発することができるに至ったので、ここにその構造を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために講じた本発明にいうところの電線接続用薄型コネクタの構成を実施例を説明するために示した図面に使用の符号を用いて説明すると、請求項1に記載の構成は、少なくとも2本の通電線Kどうしを個別に挿入する少なくとも2個の電線挿入孔10を備えた絶縁樹脂製の平板形のコネクタハウジング1と、該ハウジング1の内部に形成された空間a内に配置された金属板製の通電板2と、該通電板2に、互いに非干渉状態に配置された2体の電線押圧バネ3とからなり、該電線押圧バネ3のそれぞれが電線挿入孔10から挿入された通電線Kに対して3カ所で接触し、通電板2への押圧作用と抜け止め作用とを行う構造としたことである。
【0010】
また、請求項2に記載の構成は、請求項1に記載の通電板2が、銅板・黄銅板・アルミ板その他適宜の良導体金属素材に金属メッキを施した板状体で、横幅b方向の両側に電線受け止め面21を備え、電線押圧バネ3が該電線受け止め面21に対して通電線Kを3カ所で押圧する構造としてあることである。
【0011】
更に、請求項3に記載の構成は、請求項1または2に記載の電線押圧バネ3が、連続した一枚の板バネを屈曲させて、通電線Kに対し3カ所で接触して押圧作用をするものであって、この接触箇所のうち、1カ所または2カ所で電線の抜け止め作用をもさせる構造としてあることである。
【発明の効果】
【0012】
このような構造とした前記請求項1に記載の電線接続用薄型コネクタは、電線挿入孔からコネクタハウジング内に挿入された通電線を通電板に対して押圧する電線押圧バネの構造を、通電線に対して3カ所で接触して押圧作用とこれらの接触箇所のうち1カ所か2カ所で電線の抜け止め作用とを行わせるようにしたものであるから、電線押圧バネの素材幅、即ち、電線押圧バネの幅wによる通電線への押圧作用と抜け止め作用とを充分に大きくすることができ、同電線押圧バネの幅wを、所定の加圧力を具有する範囲内において、電線挿入時の過大な抵抗圧を生じさせることなく、可及的に小幅のものとすることができるという顕著な利点を有する。よって、この小幅化した電線押圧バネの縮小幅分だけ、少なくともハウジング全体の厚さを薄型のものとすることができ、フロア等の上下に最低厚さの状態で装着したり、載置させて使用することができるという効果を有するものとすることができる。
【0013】
請求項2に記載のコネクタは、通電板を、銅板・黄銅板・アルミ板その他適宜の良導体金属素材に金属メッキを施して通電性能を向上させた板状体で形成してあることによって、通電性能の良好な状態で、横幅b方向の両側に形成した電線受け止め面に通電線を3カ所で押圧させて受け止めさせることができ、この電線受け止め面の高さも電線押圧バネの幅と同様に最低の高さに形成させておくことができ、この点でも、ハウジング全体の厚さを薄型のものとすることができるという効果を備えさせることができる。
【0014】
請求項3に記載のコネクタは、電線押圧バネを、連続した一枚の板バネを屈曲させたものとし、通電線に対し3カ所で接触させて押圧作用をするものとし、この接触箇所のうち、1カ所または2カ所で電線の抜け止め作用をもさせる構造としてあるので、従来公知の2点接触バネ構造のように、バネ厚を薄くすると電線に対する押圧力が低下して通電時に発熱を生じ易くなったり、バネ厚を厚くすると電線に対する押圧力は増大できるが電線挿入時の抵抗が増大し、電線の挿入が困難なものとなるという課題を生じることなく、電線挿入時のバネ抵抗が無用に増大することなく、電線の挿入が容易なものでありながら、挿入した電線を通電板に対して確実に平均的に押圧させることができ、安定した通電性能を発揮させることができるという効果を発揮させることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を実施するに当たっては、通電板2の横幅b方向の両側に立設した電線受け止め面21の、横幅bと直交する側面視形状を断面円弧状としておくと、断面円形の単線電線や、電線の先端部に連結した金属端子Tの通電部tが断面円形や円弧状のものと、接触し易く受け止め易い点で好ましい。
【0016】
また、コネクタハウジング1の形成に当たっては、ハウジング1の一端側と他端側とに電線挿入孔10を対向配置してある構造としてもよく、ハウジング1の一端面に互いに隣接した状態で2つの電線挿入孔10を形成してある構造として実施してもよい。また、前者の場合は、ハウジング1内に通電板2を1組のみ内装したもののみならず、複数組内装し、組数に対応する電線挿入孔10をそれぞれの端面に形成して複数電線接続用のものとして実施することができ、後者の場合も、通電板2を横方向に複数組内装させて複数線通電用のものとしたり、電線挿入孔10を形成してない端面を基準として軸対称形に形成して2組の電線通電用としたり、水平面上において3個を三角形や凸字形に、4個を+字形に、またはそれ以上を周方向に配置して複数線通電用として実施することもできる。
【0017】
電線押圧バネ3の構造としては、後記図10に纏めて示したように、平面視形状において、電線挿入側から内奥側に向かって傾斜させ、電線と接触する先端部に電線への食い込みエッジを形成した刃体状接触部と、電線との接触面を弧状に形成して電線への押圧作用を専らに行わせる電線押圧部との何れかを2カ所備えている構造とし、これらの3カ所で
電線に接触して押圧する構造として実施することができる。
【0018】
本発明にいうコネクタは、使用する電線が単線のものでも、複数の細線の集合線でもよい。単線の場合は、コネクタに直接挿入して使用することができるが、この単線の場合を含めて、殊に、複数細線の集合線の場合には、断面丸形・角形・平板形等に形成した通電部tを有する金属端子Tを先端に連結して、通電部tが電線押圧バネ3と接触するようにして使用するのが好ましい。
【実施例】
【0019】
以下本発明の実施例について図示例と共に説明する。図1乃至図9は本発明の第1実施例のコネクタを示す図であって、図1は全体の外形を示す斜視図、図2はハウジング本体と蓋体とを分離した斜視図、図3は内部金具の分解斜視図、図4は内部金具の組み立て斜視図、図5はハウジングの正面図、図6はハウジングの右側面図、図7はハウジングの蓋体を除去した平面図、図8は図7におけるA−A線に沿った断面図、図9は図7におけるB−B線に沿った断面図である。
【0020】
該実施例に示したコネクタは、図1,2,7等に見られるように、平面視横長長方形状に形成したハウジング本体1Aと蓋体1Bとからなる平板形に形成したハウジング1を備えていて、例えば、ポリカーボネート樹脂のような絶縁性に優れ、耐熱性をも備えた合成樹脂素材によって成形したもので、その内部にコンタクト用の金属体を内装させてある電線接続用のコネクタである。
【0021】
該ハウジング1は、図1,2及び5に見られるように、ハウジング本体1Aの長手方向に沿った両側面に突出させた係止突起12と、蓋体1Bの対応側面から垂下させた係合穴11とを係合させて一体化する構造としてある。このハウジング1は、殊に、図2,7に顕著に見られるように、長手方向の一端側と他端側との対角線箇所に、ハウジング1内に向かって開口するそれぞれ1個づつの電線挿入孔10,10を対向形成してある構造としたものである。
【0022】
このハウジング1内には、同ハウジング1の外形に沿った横長長方形状とした金具装着用の空間aを形成してあり、この空間a内に、平面視形状を同空間aの平面形状と同形状に形成した金属板製の通電板2を内装させてある。
【0023】
この通電板2は、例えば、銅板に錫メッキを施して通電性能を向上させた横長長方形の金属板を使用し、図7に示した上下方向の幅b(全体説明では、電線押圧バネ3の幅wと区別するため横幅bと表現している)の両側縁部分を、図9に見られるように、上方に向かって立ち上げて立ち上げ壁21,21を形成し、その断面形状を円弧状に曲げ形成し、単線の電線を直接使用する場合や、この単線や、多条細線集合線の先端部に連結した端子Tにおける円形断面とした通電部tとの接触度を向上させるようにしてある。
【0024】
この通電板2には、図7について詳述すると、左右方向に離して互いが干渉し合わないように2体の電線押圧バネ3を、左右方向と上下方向とにおいて対称形となる姿勢で配置させてある。これらの電線押圧バネ3は、連続した一枚の板バネを屈曲させて形成したものであって、それぞれの電線挿入孔10,10に近い入り口側バネ部分31が、電線との接触姿勢において、電線挿入孔10側から内奥側に向かって傾斜するように形成され、続く、その内奥側の中間バネ部分32が、曲線状に曲げられて電線に対して弧状部分で接触し、更に、その内奥側の奥側バネ部分33が、入り口側バネ部分31と同じ傾斜方向に傾斜するように形成してある。なお、該図7における符号13は、素材の軽減化のための空洞部を示す。
【0025】
このようにした電線押圧バネ3は、電線挿入孔10から挿入された通電線Kに対して、入り口側バネ部分31と、中間バネ部分32と、奥側バネ部分33との3カ所で接触して通電線Kを通電板2の前記立ち上げ壁21に向けて押圧する。これらのうち、中間バネ部分32は、主として通電線Kを通電板2に押圧する作用をし、他の入り口側バネ部分31と奥側バネ部分33とは、通電線Kの通電板2への押圧作用と同時に2カ所で抜け止め作用を行う構造としたものである。
【0026】
このように、電線押圧バネ3は、連続した一枚の板バネを特殊な形状に屈曲させて形成したもので、電線挿入孔10から挿入された通電線Kに対して3カ所で接触し、通電板2の立ち上げ壁21に向けて押圧作用をするとともに、前後2カ所で電線の抜け止め作用を行うものであるので、幅wの狭い素材を使用することが可能となり、電線挿入孔10からの通電線Kの挿入が抵抗少なく容易にできるものでありながら、通電板2への充分な押圧作用と電線の確実な抜け止め作用とを果たさせることができるのである。
【0027】
このような構造とした本実施例に示した電線接続用の薄型コネクタは特定寸法のものに限定されるものではないが、参考までに概寸を記載しておくと次の通りである。ハウジング1の長さ方向寸法=46mm、幅方向寸法=16mm、厚さ=4.6mm、通電板2の長さ方向寸法=34mm、幅方向寸法=8.2mm、厚さ=0.4mm、電線押圧バネ3の幅w=1.8mm、厚さ=0.3mmである。
【0028】
図10は、連続した一枚の板バネを屈曲させて形成した電線押圧バネ3についての他の実施例構造の平面形状を示したものである。同図の(a)及び(b)は、前記第1実施例の電線押圧バネ3と同様に、通電線Kに対して2カ所で抜け止め作用をさせ1カ所で押圧作用のみをさせる構造としたもので、(a)のものは、抜け止め作用を入り口側バネ部分31と中間バネ部分32とで行わせ、(b)のものは、中間バネ部分32と奥側バネ部分33とで行わせるようにしたものである。また、(c)乃至(f)は、通電線Kに対して1カ所で抜け止め作用をさせ2カ所で押圧作用のみをさせる構造とした事例を示したもので、これらのうち(c)と(d)は、抜け止め作用を入り口側バネ部分31のみでさせるようにし、中間バネ部分32と奥側バネ部分33とで押圧作用のみをさせる構造としたものであり、(e)のものは、中間バネ部分32のみで、(f)のものは、奥側バネ部分33のみで抜け止め作用を行わせるようにしたものである。
【0029】
図11は、第2実施例のコネクタを示す前記図7相当部分の平面図、図12は、第3実施例のコネクタを示す前記図7相当部分の平面図である。図11に示した第2実施例のコネクタは、前記第1実施例に示したコネクタにおける通電板2を、ハウジング内に2体並列内装させてあるものとし、コネクタ一個で2回線の電線接続を行うようにしたものである。
【0030】
また、図12に示した第3実施例のコネクタは、前記第1実施例に示したコネクタにおける通電板2を、ハウジング内に3体並列内装させてあるものとし、このコネクタ一個で3回線の電線接続か、2回線の電線接続と1回線のアース線接続を行うことができるようにしたものである。
【0031】
図13は、第4実施例のコネクタを示す開蓋状態を示す平面図であって、該実施例のコネクタは、平面視形状を略正方形状に形成したハウジング1の一端面に、図において右側の端面に隣り合わせの状態で、2つの電線挿入孔10を形成してある構造とし、その内部空間a内に、前記第1実施例において示したのと同様構造とした2本の電線押圧バネ3を背中合わせ状に、所謂図において上下対称形に装着した1体の通電板2を内装してある構造としたものである。
【0032】
また、該実施例に示した通電線Kは、複数の細線を集合した通電線であって、コネクタハウジング1に直接挿入することなく、挿入前に、複数細線kの先端部に断面丸形とした通電部tを有する金属端子Tを連結して、通電部tを残して樹脂カバーcで絶縁被覆し、通電部tが電線押圧バネ3と接触するようにハウジング1内に挿入して使用するようにしたものである。その他は、前記第1実施例に準じた構造である。
【0033】
なお、具体的な図例は省略するが、この実施例のコネクタの場合も、前記第2実施例や第3実施例の場合のように、通電板2を横方向に2体または3体並列内装させて、2回線または3回線の通電用コネクタとして実施することができる。また、図13のコネクタを
左右方向に反転させて、図における左側端面を基準として軸対称形に反転した形の2回線通電用として実施することもでき、水平面上において3個を三角形や凸字形に配置させて3回線用としたり、4個を+字形に配置して4回線用としたり、それ以上の個数を周方向に配置させて多数回線用として実施してもよい。
【0034】
以上本発明の代表的と思われる実施例について説明したが、本発明にいう電線接続用薄形コネクタは、これらの実施例構造のみに限定されるものではなく、本発明にいう前記の構成要件を備え、かつ本発明にいう目的を達成し、効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明にいう電線接続用薄形コネクタは、従来のコネクタに比し薄形で嵩張らないので各種建造物等の床面の上下に沿わせて配置することができるので、使用者にとって便利に使用され、大いに活用されるものと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施例のコネクタの外形を示す斜視図。
【図2】ハウジング本体と蓋体とを分離した斜視図。
【図3】内部金具の分解斜視図。
【図4】内部金具の組み立て斜視図。
【図5】ハウジングの正面図。
【図6】ハウジングの右側面図。
【図7】ハウジングの蓋体を除去した平面図。
【図8】図7におけるA−A線に沿った断面図。
【図9】図7におけるB−B線に沿った断面図。
【図10】電線押圧バネの他の構造を示す平面図。
【図11】第2実施例のコネクタを示す開蓋状態の平面図。
【図12】第3実施例のコネクタを示す開蓋状態の平面図。
【図13】第4実施例のコネクタを示す開蓋状態の平面図。
【符号の説明】
【0037】
1 ハウジング
10 電線挿入孔
11 係合穴
12 係止突起
1A ハウジング本体
1B 蓋体
2 通電板
21 電線受け止め面
3 電線押圧バネ
31 入り口側バネ部分
32 中間バネ部分
33 奥側バネ部分
a 空間
b 横幅
K 通電線
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、家屋やビル等の建築構造物内において使用するのに適した薄型の電線接続用コネクタに関するものである。より詳しくは、一般家庭のフロアに敷設されるヒーターパネルの配線接続や、オフィスのフロアに敷設される電子機器類への配線接続時に電線どうしの接続を行うのに際して、可及的に嵩低く床面の上下に配置することができる薄型の電線接続用コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
このようなフロア面に沿って配置する電線接続用コネクタとしては、例えば、特開平9−55239号公報(特許文献1)に見られるように、直方体状に形成された樹脂ケースの一端側と他端側とに位置をずらせて、2対の通電線と1対のアース線とを挿入するための3対の電線挿入孔が形成され、その内部に形成されている3つの空間内に、前記電線挿入孔から挿入された電線どうしを電気的に接続させるための金属金具が収容され、それぞれの金属金具には、ケースの一端側の電線挿入孔からと他端側の電線挿入孔から挿入された1対宛の電線を金属金具に対して押圧するための2体の電線押圧バネを取り付けてある構造とした電線接続用のコネクタが公知になっている。
【0003】
また、芯線が細い複数線からなる被覆リード線どうしを接続するための電線接続用コネクタとしては、例えば、実開平1−155263号明細書(非特許文献1)に見られるように、平面視でほぼ直方体状に形成した樹脂ケースの一端側に、線の先端部にリード線端子を接続した2本のリード線を挿入するための2つの電線挿入孔を隣り合わせに形成し、その内部空間内に、電線挿入孔から挿入した電線どうしを電気的に接続させるための金属金具を収容し、この金属金具に、2つの電線挿入孔からそれぞれ挿入したリード線を個別に押圧するための2体の電線押圧バネ=接続端子を背中合わせに配置した電線接続用のコネクタも既に公知になっている。
【0004】
これらの電線接続用コネクタは、何れもケースの内部に形成された空間内に金属金具の平板面を沿わせて配置し、また、この金属金具の平板面に沿うように電線押圧バネを配置し、電線挿入孔から挿入した電線を水平方向に向かって押圧させる構造とすることによって、樹脂ケースの厚みを小さくする構造となっている。
【特許文献1】特開平9−55239号公報
【非特許文献1】実開平1−155263号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの先行技術のものは、何れのものも、ケース内に挿入された電線に接触して、これを金属金具の受圧面に対して押圧する電線押圧バネの素材幅が、ケースの厚みを配慮する必要のない嵩高形状のコネクタや、若しくはブロック体形状のコネクタに、旧来から長く使用されている広幅の電線押圧バネと同様に、広幅のバネ素材を使用して形成された幅の広い電線押圧バネを使用したものである。
【0006】
そのため、ケース全体の厚さを図示のもの以上に薄くすることは困難な構造となっており、また、そのような必要性や思想を示唆する記載も存在していない。このことは、製品の性質上、挿入電線に対して、所定の押圧作用と抜け止め作用とを確実に付与することができるものでなければならないという必要性が求められていることに起因するものと思われる。
【0007】
然るに、他方では、前記のように、フロア等の上面に嵩低く設置でき、またはフロア等の下面の小さな空間内に確実に設置することができる、可能な限り薄くて嵩の低い構造としたコネクタの潜在的な要求も存在するものと想定される。
【0008】
そこで、本発明者らは、この点に着目し、機能の低下を来すことなく、JIS規格に規定された許容範囲以上の発熱を生じることなく、かつ、旧来品と同等若しくはそれ以上のコネクタ機能を保有していて、可能な限り薄型とした電線接続用コネクタを開発することができるに至ったので、ここにその構造を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために講じた本発明にいうところの電線接続用薄型コネクタの構成を実施例を説明するために示した図面に使用の符号を用いて説明すると、請求項1に記載の構成は、少なくとも2本の通電線Kどうしを個別に挿入する少なくとも2個の電線挿入孔10を備えた絶縁樹脂製の平板形のコネクタハウジング1と、該ハウジング1の内部に形成された空間a内に配置された金属板製の通電板2と、該通電板2に、互いに非干渉状態に配置された2体の電線押圧バネ3とからなり、該電線押圧バネ3のそれぞれが電線挿入孔10から挿入された通電線Kに対して3カ所で接触し、通電板2への押圧作用と抜け止め作用とを行う構造としたことである。
【0010】
また、請求項2に記載の構成は、請求項1に記載の通電板2が、銅板・黄銅板・アルミ板その他適宜の良導体金属素材に金属メッキを施した板状体で、横幅b方向の両側に電線受け止め面21を備え、電線押圧バネ3が該電線受け止め面21に対して通電線Kを3カ所で押圧する構造としてあることである。
【0011】
更に、請求項3に記載の構成は、請求項1または2に記載の電線押圧バネ3が、連続した一枚の板バネを屈曲させて、通電線Kに対し3カ所で接触して押圧作用をするものであって、この接触箇所のうち、1カ所または2カ所で電線の抜け止め作用をもさせる構造としてあることである。
【発明の効果】
【0012】
このような構造とした前記請求項1に記載の電線接続用薄型コネクタは、電線挿入孔からコネクタハウジング内に挿入された通電線を通電板に対して押圧する電線押圧バネの構造を、通電線に対して3カ所で接触して押圧作用とこれらの接触箇所のうち1カ所か2カ所で電線の抜け止め作用とを行わせるようにしたものであるから、電線押圧バネの素材幅、即ち、電線押圧バネの幅wによる通電線への押圧作用と抜け止め作用とを充分に大きくすることができ、同電線押圧バネの幅wを、所定の加圧力を具有する範囲内において、電線挿入時の過大な抵抗圧を生じさせることなく、可及的に小幅のものとすることができるという顕著な利点を有する。よって、この小幅化した電線押圧バネの縮小幅分だけ、少なくともハウジング全体の厚さを薄型のものとすることができ、フロア等の上下に最低厚さの状態で装着したり、載置させて使用することができるという効果を有するものとすることができる。
【0013】
請求項2に記載のコネクタは、通電板を、銅板・黄銅板・アルミ板その他適宜の良導体金属素材に金属メッキを施して通電性能を向上させた板状体で形成してあることによって、通電性能の良好な状態で、横幅b方向の両側に形成した電線受け止め面に通電線を3カ所で押圧させて受け止めさせることができ、この電線受け止め面の高さも電線押圧バネの幅と同様に最低の高さに形成させておくことができ、この点でも、ハウジング全体の厚さを薄型のものとすることができるという効果を備えさせることができる。
【0014】
請求項3に記載のコネクタは、電線押圧バネを、連続した一枚の板バネを屈曲させたものとし、通電線に対し3カ所で接触させて押圧作用をするものとし、この接触箇所のうち、1カ所または2カ所で電線の抜け止め作用をもさせる構造としてあるので、従来公知の2点接触バネ構造のように、バネ厚を薄くすると電線に対する押圧力が低下して通電時に発熱を生じ易くなったり、バネ厚を厚くすると電線に対する押圧力は増大できるが電線挿入時の抵抗が増大し、電線の挿入が困難なものとなるという課題を生じることなく、電線挿入時のバネ抵抗が無用に増大することなく、電線の挿入が容易なものでありながら、挿入した電線を通電板に対して確実に平均的に押圧させることができ、安定した通電性能を発揮させることができるという効果を発揮させることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を実施するに当たっては、通電板2の横幅b方向の両側に立設した電線受け止め面21の、横幅bと直交する側面視形状を断面円弧状としておくと、断面円形の単線電線や、電線の先端部に連結した金属端子Tの通電部tが断面円形や円弧状のものと、接触し易く受け止め易い点で好ましい。
【0016】
また、コネクタハウジング1の形成に当たっては、ハウジング1の一端側と他端側とに電線挿入孔10を対向配置してある構造としてもよく、ハウジング1の一端面に互いに隣接した状態で2つの電線挿入孔10を形成してある構造として実施してもよい。また、前者の場合は、ハウジング1内に通電板2を1組のみ内装したもののみならず、複数組内装し、組数に対応する電線挿入孔10をそれぞれの端面に形成して複数電線接続用のものとして実施することができ、後者の場合も、通電板2を横方向に複数組内装させて複数線通電用のものとしたり、電線挿入孔10を形成してない端面を基準として軸対称形に形成して2組の電線通電用としたり、水平面上において3個を三角形や凸字形に、4個を+字形に、またはそれ以上を周方向に配置して複数線通電用として実施することもできる。
【0017】
電線押圧バネ3の構造としては、後記図10に纏めて示したように、平面視形状において、電線挿入側から内奥側に向かって傾斜させ、電線と接触する先端部に電線への食い込みエッジを形成した刃体状接触部と、電線との接触面を弧状に形成して電線への押圧作用を専らに行わせる電線押圧部との何れかを2カ所備えている構造とし、これらの3カ所で
電線に接触して押圧する構造として実施することができる。
【0018】
本発明にいうコネクタは、使用する電線が単線のものでも、複数の細線の集合線でもよい。単線の場合は、コネクタに直接挿入して使用することができるが、この単線の場合を含めて、殊に、複数細線の集合線の場合には、断面丸形・角形・平板形等に形成した通電部tを有する金属端子Tを先端に連結して、通電部tが電線押圧バネ3と接触するようにして使用するのが好ましい。
【実施例】
【0019】
以下本発明の実施例について図示例と共に説明する。図1乃至図9は本発明の第1実施例のコネクタを示す図であって、図1は全体の外形を示す斜視図、図2はハウジング本体と蓋体とを分離した斜視図、図3は内部金具の分解斜視図、図4は内部金具の組み立て斜視図、図5はハウジングの正面図、図6はハウジングの右側面図、図7はハウジングの蓋体を除去した平面図、図8は図7におけるA−A線に沿った断面図、図9は図7におけるB−B線に沿った断面図である。
【0020】
該実施例に示したコネクタは、図1,2,7等に見られるように、平面視横長長方形状に形成したハウジング本体1Aと蓋体1Bとからなる平板形に形成したハウジング1を備えていて、例えば、ポリカーボネート樹脂のような絶縁性に優れ、耐熱性をも備えた合成樹脂素材によって成形したもので、その内部にコンタクト用の金属体を内装させてある電線接続用のコネクタである。
【0021】
該ハウジング1は、図1,2及び5に見られるように、ハウジング本体1Aの長手方向に沿った両側面に突出させた係止突起12と、蓋体1Bの対応側面から垂下させた係合穴11とを係合させて一体化する構造としてある。このハウジング1は、殊に、図2,7に顕著に見られるように、長手方向の一端側と他端側との対角線箇所に、ハウジング1内に向かって開口するそれぞれ1個づつの電線挿入孔10,10を対向形成してある構造としたものである。
【0022】
このハウジング1内には、同ハウジング1の外形に沿った横長長方形状とした金具装着用の空間aを形成してあり、この空間a内に、平面視形状を同空間aの平面形状と同形状に形成した金属板製の通電板2を内装させてある。
【0023】
この通電板2は、例えば、銅板に錫メッキを施して通電性能を向上させた横長長方形の金属板を使用し、図7に示した上下方向の幅b(全体説明では、電線押圧バネ3の幅wと区別するため横幅bと表現している)の両側縁部分を、図9に見られるように、上方に向かって立ち上げて立ち上げ壁21,21を形成し、その断面形状を円弧状に曲げ形成し、単線の電線を直接使用する場合や、この単線や、多条細線集合線の先端部に連結した端子Tにおける円形断面とした通電部tとの接触度を向上させるようにしてある。
【0024】
この通電板2には、図7について詳述すると、左右方向に離して互いが干渉し合わないように2体の電線押圧バネ3を、左右方向と上下方向とにおいて対称形となる姿勢で配置させてある。これらの電線押圧バネ3は、連続した一枚の板バネを屈曲させて形成したものであって、それぞれの電線挿入孔10,10に近い入り口側バネ部分31が、電線との接触姿勢において、電線挿入孔10側から内奥側に向かって傾斜するように形成され、続く、その内奥側の中間バネ部分32が、曲線状に曲げられて電線に対して弧状部分で接触し、更に、その内奥側の奥側バネ部分33が、入り口側バネ部分31と同じ傾斜方向に傾斜するように形成してある。なお、該図7における符号13は、素材の軽減化のための空洞部を示す。
【0025】
このようにした電線押圧バネ3は、電線挿入孔10から挿入された通電線Kに対して、入り口側バネ部分31と、中間バネ部分32と、奥側バネ部分33との3カ所で接触して通電線Kを通電板2の前記立ち上げ壁21に向けて押圧する。これらのうち、中間バネ部分32は、主として通電線Kを通電板2に押圧する作用をし、他の入り口側バネ部分31と奥側バネ部分33とは、通電線Kの通電板2への押圧作用と同時に2カ所で抜け止め作用を行う構造としたものである。
【0026】
このように、電線押圧バネ3は、連続した一枚の板バネを特殊な形状に屈曲させて形成したもので、電線挿入孔10から挿入された通電線Kに対して3カ所で接触し、通電板2の立ち上げ壁21に向けて押圧作用をするとともに、前後2カ所で電線の抜け止め作用を行うものであるので、幅wの狭い素材を使用することが可能となり、電線挿入孔10からの通電線Kの挿入が抵抗少なく容易にできるものでありながら、通電板2への充分な押圧作用と電線の確実な抜け止め作用とを果たさせることができるのである。
【0027】
このような構造とした本実施例に示した電線接続用の薄型コネクタは特定寸法のものに限定されるものではないが、参考までに概寸を記載しておくと次の通りである。ハウジング1の長さ方向寸法=46mm、幅方向寸法=16mm、厚さ=4.6mm、通電板2の長さ方向寸法=34mm、幅方向寸法=8.2mm、厚さ=0.4mm、電線押圧バネ3の幅w=1.8mm、厚さ=0.3mmである。
【0028】
図10は、連続した一枚の板バネを屈曲させて形成した電線押圧バネ3についての他の実施例構造の平面形状を示したものである。同図の(a)及び(b)は、前記第1実施例の電線押圧バネ3と同様に、通電線Kに対して2カ所で抜け止め作用をさせ1カ所で押圧作用のみをさせる構造としたもので、(a)のものは、抜け止め作用を入り口側バネ部分31と中間バネ部分32とで行わせ、(b)のものは、中間バネ部分32と奥側バネ部分33とで行わせるようにしたものである。また、(c)乃至(f)は、通電線Kに対して1カ所で抜け止め作用をさせ2カ所で押圧作用のみをさせる構造とした事例を示したもので、これらのうち(c)と(d)は、抜け止め作用を入り口側バネ部分31のみでさせるようにし、中間バネ部分32と奥側バネ部分33とで押圧作用のみをさせる構造としたものであり、(e)のものは、中間バネ部分32のみで、(f)のものは、奥側バネ部分33のみで抜け止め作用を行わせるようにしたものである。
【0029】
図11は、第2実施例のコネクタを示す前記図7相当部分の平面図、図12は、第3実施例のコネクタを示す前記図7相当部分の平面図である。図11に示した第2実施例のコネクタは、前記第1実施例に示したコネクタにおける通電板2を、ハウジング内に2体並列内装させてあるものとし、コネクタ一個で2回線の電線接続を行うようにしたものである。
【0030】
また、図12に示した第3実施例のコネクタは、前記第1実施例に示したコネクタにおける通電板2を、ハウジング内に3体並列内装させてあるものとし、このコネクタ一個で3回線の電線接続か、2回線の電線接続と1回線のアース線接続を行うことができるようにしたものである。
【0031】
図13は、第4実施例のコネクタを示す開蓋状態を示す平面図であって、該実施例のコネクタは、平面視形状を略正方形状に形成したハウジング1の一端面に、図において右側の端面に隣り合わせの状態で、2つの電線挿入孔10を形成してある構造とし、その内部空間a内に、前記第1実施例において示したのと同様構造とした2本の電線押圧バネ3を背中合わせ状に、所謂図において上下対称形に装着した1体の通電板2を内装してある構造としたものである。
【0032】
また、該実施例に示した通電線Kは、複数の細線を集合した通電線であって、コネクタハウジング1に直接挿入することなく、挿入前に、複数細線kの先端部に断面丸形とした通電部tを有する金属端子Tを連結して、通電部tを残して樹脂カバーcで絶縁被覆し、通電部tが電線押圧バネ3と接触するようにハウジング1内に挿入して使用するようにしたものである。その他は、前記第1実施例に準じた構造である。
【0033】
なお、具体的な図例は省略するが、この実施例のコネクタの場合も、前記第2実施例や第3実施例の場合のように、通電板2を横方向に2体または3体並列内装させて、2回線または3回線の通電用コネクタとして実施することができる。また、図13のコネクタを
左右方向に反転させて、図における左側端面を基準として軸対称形に反転した形の2回線通電用として実施することもでき、水平面上において3個を三角形や凸字形に配置させて3回線用としたり、4個を+字形に配置して4回線用としたり、それ以上の個数を周方向に配置させて多数回線用として実施してもよい。
【0034】
以上本発明の代表的と思われる実施例について説明したが、本発明にいう電線接続用薄形コネクタは、これらの実施例構造のみに限定されるものではなく、本発明にいう前記の構成要件を備え、かつ本発明にいう目的を達成し、効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明にいう電線接続用薄形コネクタは、従来のコネクタに比し薄形で嵩張らないので各種建造物等の床面の上下に沿わせて配置することができるので、使用者にとって便利に使用され、大いに活用されるものと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施例のコネクタの外形を示す斜視図。
【図2】ハウジング本体と蓋体とを分離した斜視図。
【図3】内部金具の分解斜視図。
【図4】内部金具の組み立て斜視図。
【図5】ハウジングの正面図。
【図6】ハウジングの右側面図。
【図7】ハウジングの蓋体を除去した平面図。
【図8】図7におけるA−A線に沿った断面図。
【図9】図7におけるB−B線に沿った断面図。
【図10】電線押圧バネの他の構造を示す平面図。
【図11】第2実施例のコネクタを示す開蓋状態の平面図。
【図12】第3実施例のコネクタを示す開蓋状態の平面図。
【図13】第4実施例のコネクタを示す開蓋状態の平面図。
【符号の説明】
【0037】
1 ハウジング
10 電線挿入孔
11 係合穴
12 係止突起
1A ハウジング本体
1B 蓋体
2 通電板
21 電線受け止め面
3 電線押圧バネ
31 入り口側バネ部分
32 中間バネ部分
33 奥側バネ部分
a 空間
b 横幅
K 通電線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2本の通電線(K)どうしを個別に挿入する少なくとも2個の電線挿入孔(10)を備えた絶縁樹脂製の平板形のコネクタハウジング(1)と、
該ハウジング(1)の内部に形成された空間(a)内に配置された金属板製の通電板(2)と、
該通電板(2)に、互いに非干渉状態に配置された2体の電線押圧バネ(3)とからなり、
該電線押圧バネ(3)のそれぞれが電線挿入孔(10)から挿入された通電線(K)に対して3カ所で接触し、通電板(2)への押圧作用と抜け止め作用とを行う構造としてある
電線接続用薄型コネクタ。
【請求項2】
通電板(2)が、銅板・黄銅板・アルミ板その他適宜の良導体金属素材に金属メッキを施した板状体で、横幅(b)方向の両側に電線受け止め面(21)を備え、電線押圧バネ(3)が該電線受け止め面(21)に対して通電線(K)を3カ所で押圧する構造としてある請求項1に記載の電線接続用薄型コネクタ。
【請求項3】
電線押圧バネ(3)が、連続した一枚の板バネを屈曲させて、通電線(K)に対し3カ所で接触して押圧作用をするものであって、この接触箇所のうち、1カ所または2カ所で電線の抜け止め作用をもさせる構造としてある請求項1または2に記載の電線接続用薄型コネクタ。
【請求項1】
少なくとも2本の通電線(K)どうしを個別に挿入する少なくとも2個の電線挿入孔(10)を備えた絶縁樹脂製の平板形のコネクタハウジング(1)と、
該ハウジング(1)の内部に形成された空間(a)内に配置された金属板製の通電板(2)と、
該通電板(2)に、互いに非干渉状態に配置された2体の電線押圧バネ(3)とからなり、
該電線押圧バネ(3)のそれぞれが電線挿入孔(10)から挿入された通電線(K)に対して3カ所で接触し、通電板(2)への押圧作用と抜け止め作用とを行う構造としてある
電線接続用薄型コネクタ。
【請求項2】
通電板(2)が、銅板・黄銅板・アルミ板その他適宜の良導体金属素材に金属メッキを施した板状体で、横幅(b)方向の両側に電線受け止め面(21)を備え、電線押圧バネ(3)が該電線受け止め面(21)に対して通電線(K)を3カ所で押圧する構造としてある請求項1に記載の電線接続用薄型コネクタ。
【請求項3】
電線押圧バネ(3)が、連続した一枚の板バネを屈曲させて、通電線(K)に対し3カ所で接触して押圧作用をするものであって、この接触箇所のうち、1カ所または2カ所で電線の抜け止め作用をもさせる構造としてある請求項1または2に記載の電線接続用薄型コネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−61840(P2010−61840A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223422(P2008−223422)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(591028773)株式会社ニチフ端子工業 (23)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(591028773)株式会社ニチフ端子工業 (23)
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