説明

電線集中器

【課題】 外部の枠台を使わなくても複数の電線集中器を安定に重ねて支え置くことが可能な内蔵型支え脚を有する電線集中器を提供する。
【解決手段】 本考案の電線集中器は、ケーシング10底部に折畳み可能な内蔵型支え脚30を枢設し、複数台の電線集中器を重ね置きした場合、上層にある電線集中器をそのケーシング10底部に設けられている二枚のゴムシート20および内蔵型支え脚30により、しっかりと下層の電線集中器のケーシング10頂上に置くことができる。よって、上、下層の二つの電線集中器のケーシング10面は安定な支えを得ることができ、多数台の電線集中器が多層に積み重ねられた場合、他の支え枠を設けなくても安定したバランスが保たれ、揺動して電線集中器の操作に影響を及ぼすことがない。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、内蔵型支え脚を有する電線集中器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンピュータのネットワークシステムにおいて、サーバとワークステーションとの間は電線をもって互いに接続されており、一つのサーバに接続されるワークステーションは十数台から数百台もあるので、通常は電線集中器を中心点として電線をサーバまたはワークステーションへ接続しており、電線集中器はさらに他の電線集中器へ接続することができ、それによってより多くのワークステーションへ接続することができる。一つのネットワークシステムに接続されるワークステーションが多くなるほど、使用される電線集中器も多くなり、通常は管理およびメンテナンスを便利にするため、それらの電線集中器を一個所に集中し、かつスペースを節約するため、多くの電線集中器を重ねて置く。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、操作時の便利さおよび美観の要求を顧みるため、その電線集中器の板面の多くは円弧面または規則的な曲面を呈しており、そのために電線集中器を重ねて置くと垂直に重ねられず、別の架台を準備して置かなければならず、スペースの浪費だけでなく、ネットワークシステムを設置するためのコストが増えてしまう。
【0004】
したがって、本考案の目的は、重ね置きを便利にし、外部の枠台を使わなくても電線集中器を安定に支え置くことが可能な内蔵型支え脚を有する電線集中器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するための本考案の手段によると、電線集中器のケーシング底部に折畳み可能な内蔵型支え脚を設置することにより、電線集中器を重ねて置いた場合、別の支え枠を使わなくてもよく、上層にある電線集中器はケーシング底部に設けられる二枚のゴムシートおよび内蔵型支え脚により、しっかりと下層の電線集中器の頂部板面に立つことが可能であり、上、下に重ねた二つの電線集中器の隣接面は安定した支えが得られる。よって、多数の電線集中器が重ね置かれても安定を保つことが可能であり、移動して電線集中器の操作に影響することがなく、かつスペースを節約することが可能である。
【0006】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
本実施例では、図1から図3に示すように、電線集中器のケーシング10の底部に折畳み可能な内蔵型支え脚30を枢設する。その内蔵型支え脚30を折畳むと電線集中器のケーシング10の底部と同一平面になり、それによって電線集中器を平坦な地面、机面または平台の上に置くことができる。内蔵型支え脚30の枢軸方向の両端にはそれぞれ弾性臂33が設けられ、その弾性臂33の自由端の外側にはそれぞれ突起ボタン34が設けられており、内蔵型支え脚30をしまう場合は弾性臂33の自由端を内側に押込み、突起ボタン34をケーシング10の容納空間に対応して設置された軸孔に嵌込む。それによって、ケーシング10に枢接される内蔵型支え脚30は、その軸を中心として一定角度で回転することができる。内蔵型支え脚30の自由端縁の中央部には、支え脚凹口31が設けられている。
【0007】
電線集中器のケーシング10の底部後側端縁には、電線集中器を対合させて設置したときの滑りを止めるための二枚のゴムシート20が設けられ、電線集中器のケーシング10の頂部は後側端から前へ低くなる円弧面であり、かつ前側端縁に近い個所には当止凸塊32が設けられ、その当止凸塊32を内蔵型支え脚30の自由端に設けられている支え脚凹口31内にちょうどよく嵌止めることができる。
【0008】
電線集中器を重ねて置く場合、図4および図5に示すように、一つの電線集中器を他の電線集中器の上に垂直に合わせ、上層の電線集中器の底部にある二枚のゴムシート20を下層の電線集中器のケーシング10の頂上部に貼付け、さらに上層の電線集中器の内蔵型支え脚30を支え位置まで開き、支え脚凹口31を下層の電線集中器頂部の当止凸塊32に貼付ける。それによって、上層の電線集中器の底部にある二枚のゴムシート20および内蔵型支え脚30の三点は、下層の電線集中器の頂部円弧面に固定されて立つことができる。
【0009】
ゴムシート20には滑り止めの効果があり、支え脚凹口31および当止凸塊32が嵌付けられた後に固定の作用があるので、図5および図6に示すように、上層の電線集中器を下層の電線集中器の上にしっかりと重ね置くことができ、かつ電線集中器の頂部は円弧面であるため、重ね置かれても上、下二つの電線集中器の間には空気が流れるための充分なスペースがあり、電線集中器の排熱に影響することがなく、電線集中器は正常な運転温度を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例による電線集中器を示す底面図である。
【図2】本考案の実施例による電線集中器を示す側面図である。
【図3】本考案の実施例による内蔵型支え脚を示す立体図である。
【図4】本考案の実施例による電線集中器の作動を示す図である。
【図5】本考案の実施例による電線集中器を重ね置いた状態を示す図である。
【図6】本考案の実施例による電線集中器を重ね置いた状態を示す側面図である。
【符号の説明】
10 ケーシング
20 ゴムシート
30 内蔵型支え脚
31 支え脚凹口
32 当止凸塊
33 弾性臂
34 突起ボタン

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 ケーシングと、前記ケーシングの底部の片側に設けられる複数のシートと、前記ケーシングの底部のもう一方の側に設けられる折畳み可能な内蔵型支え脚とを備える電線集中器であって、前記電線集中器が多層に重ね置かれる場合、前記内蔵型支え脚が支え位置まで開かれて下側にある電線集中器のケーシング頂部に設けられる当止部材に支え置かれることにより、上層の電線集中器は下層の電線集中器の上にしっかりと重ね置かれ、下層の電線集中器と異なる平面に平行に置かれることが可能であることを特徴とする電線集中器。
【請求項2】 前記シートは、ゴムシートから作られることを特徴とする請求項1記載の電線集中器。
【請求項3】 前記ケーシングの底部に容納空間が形成され、前記内蔵型支え脚は折畳まれて前記容納空間に納められ、前記ケーシングの底部は平坦な平面をなすことが可能であることを特徴とする請求項1記載の電線集中器。
【請求項4】 前記内蔵型支え脚の自由端に前記当止部材と対応する凹口が形成され、前記電線集中器が重ね置かれる場合、前記当止部材はちょうど前記凹口に嵌付けられ、重ね置かれた電線集中器の揺動を防止することが可能であることを特徴とする請求項1記載の電線集中器。
【請求項5】 前記内蔵型支え脚の枢軸の両端に二個の突起ボタンが設けられ、前記突起ボタンが前記ケーシングにある対応した二つの凹洞内にちょうどよく嵌込まれることにより、前記内蔵型支え脚は前記ケーシングに取付けられることを特徴とする請求項1記載の電線集中器。
【請求項6】 前記内蔵型支え脚の突起ボタンに近い枢軸の両端にそれぞれ前記枢軸に垂直である長条状の欠口が形成され、前記内蔵型支え脚が前記ケーシングに架設される場合、前記突起ボタンは内側に押込まれ、前記内蔵型支え脚の取付けを便利にすることを特徴とする請求項5記載の電線集中器。
【請求項7】 前記内蔵型支え脚は、プラスチックから製作されることを特徴とする請求項1記載の電線集中器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【登録番号】第3051726号
【登録日】平成10年(1998)6月17日
【発行日】平成10年(1998)9月2日
【考案の名称】電線集中器
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平10−779
【出願日】平成10年(1998)2月23日
【出願人】(593106893)友訊科技股▲分▼有限公司 (2)