説明

電話機および電話機の制御プログラム書き換え方法

【課題】 コネクタ数の増加を防止可能で、かつ、制御プログラムを容易に変更することが可能な電話機を提供する。
【解決手段】 CPU6aは、ダイヤルボタン12が切替指示を受け付けると、書込みプログラム格納部6bが格納しているデータ書込みプログラムを読み取り、その読み取ったデータ書込みプログラムを実行する。CPU6aは、データ書込みプログラムを実行すると、切替制御線7を通して信号切替回路4に書換え信号を出力する。信号切替回路4は、その書換え信号を受け付けると、ハンドセット接続モジュラコネクタ2をCPU6cと接続する。その後、CPU6aは、データ書込みプログラムを実行することによって、ハンドセット接続モジュラコネクタ2から入力するデータに基づいて制御プログラムを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話機および電話機の制御プログラム書き換え方法に関し、特には、電話機内の制御プログラムを書き換え可能な電話機およびその制御プログラム書き換え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、卓上電話機等の電話機には、マイクロコンピュータが搭載されている。このマイクロコンピュータは、フラッシュメモリを内蔵し、そのフラッシュメモリ内のデータを書き換えることができる。このフラッシュメモリは、電話機の動作を特定する制御プログラムを格納する。
【0003】
従来、フラッシュメモリ内の制御プログラムの変更は、電話機筐体を分解して行わなければならなかった。その理由は、以下の通りである。
【0004】
フラッシュメモリを内蔵したマイクロコンピュータは、電話機筐体内部に取り付けられたプリント基板に実装されている。このため、制御プログラムの変更を行う者は、電話機筐体を分解して、制御プログラムを変更するために必要なデータ書込み機を、マイクロコンピュータと電気的に接続しなければならなかった。
【0005】
特許文献1(特開2001−22571号公報)には、制御プログラムを入力するための専用コネクタを有する電子機器が記載されている。このため、この電子機器は、電子機器の筐体が分解されなくても、フラッシュメモリ内の制御プログラムを変更することが可能となる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の電子機器は、専用コネクタを必要とするため、電子機器のコネクタの数が多くなる。
【0007】
特許文献2(特開2000−148316号公報)には、外部I/Oコネクタを携帯機制御変換部とRS232C変換部とのいずれかに接続する信号切替部を有する携帯端末装置が記載されている。なお、携帯機制御変換部は、制御部(CPU)で実行されるソフトウエア(プログラム)の書き換えを行うための信号を処理する。この携帯端末装置では、1つの外部I/Oコネクタは、複数種類の外部機器と接続することができる。このため、携帯端末装置のコネクタの数を少なくすることが可能になる。
【特許文献1】特開2001−22571号公報
【特許文献2】特開2000−148316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2に記載の技術がRS232C用のインターフェースを搭載していない電話機に採用されると、その電話機には、特許文献2に記載の外部I/Oコネクタ(具体的には、RS232Cと電話機制御との両方に対応するコネクタ)が、新たに設けられなければならない。したがって、電話機のコネクタの数は増えてしまう。
【0009】
本発明の目的は、コネクタ数の増加を防止可能で、かつ、制御プログラムを容易に変更することが可能な電話機および電話機の制御プログラム書き換え方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための、本発明の電話機は、ハンドセットが接続されるハンドセット用コネクタと、電話回線が接続される電話回線用コネクタと、前記電話回線用コネクタを介して前記ハンドセット用コネクタを前記電話回線に接続する通話処理部と、制御プログラムを格納する格納部と、ユーザから動作指示を受け付ける操作部と、前記操作部が前記動作指示を受け付けると、前記格納部が格納している制御プログラムに基づいて前記通話処理部の動作を制御する制御部と、を含む電話機において、前記ハンドセット用コネクタの接続先を、前記通話処理部と前記制御部とのいずれかに切り替える切替部を含み、前記操作部は、ユーザから切替指示を受け付け、前記制御部は、前記操作部が前記切替指示を受け付けると、前記ハンドセット用コネクタが前記制御部と接続するように前記切替部を制御しその後前記ハンドセット用コネクタから入力するデータに基づいて前記制御プログラムを変更し、また、前記操作部が前記動作指示を受け付けると、前記ハンドセット用コネクタが前記通話処理部と接続するように前記切替部を制御しその後前記制御プログラムに基づいて前記通話処理部の動作を制御する。
【0011】
また、本発明の電話機の制御プログラム書き換え方法は、ハンドセットが接続されるハンドセット用コネクタと、電話回線が接続される電話回線用コネクタと、前記電話回線用コネクタを介して前記ハンドセット用コネクタを前記電話回線に接続する通話処理部と、制御プログラムを格納する格納部と、ユーザから動作指示を受け付ける操作部と、前記操作部が前記動作指示を受け付けると、前記格納部が格納している制御プログラムに基づいて前記通話処理部の動作を制御する制御部と、前記ハンドセット用コネクタの接続先を前記通話処理部と前記制御部とのいずれかに切り替える切替部とを含む電話機が行う電話機の制御プログラム書き換え方法であって、ユーザから切替指示を受け付ける切替指示受け付けステップと、前記切替指示が受け付けられると、前記ハンドセット用コネクタが前記制御部と接続するように前記切替部を制御し、その後、前記制御部が前記ハンドセット用コネクタから入力するデータに基づいて前記制御プログラムを変更する変更ステップと、ユーザから前記動作指示を受け付ける動作指示受付ステップと、前記動作指示が受け付けられると、前記ハンドセット用コネクタが前記通話処理部と接続するように前記切替部を制御し、その後、前記制御部が前記制御プログラムに基づいて前記通話処理部の動作を制御する制御ステップとを含む。
【0012】
上記の発明によれば、切替指示が受け付けられると、ハンドセット用コネクタが制御部と接続するように切替部が制御され、その後、制御部がハンドセット用コネクタから入力するデータに基づいて制御プログラムを変更する。このため、ハンドセット用コネクタが、制御プログラム変更データ用コネクタとしても使用される。したがって、コネクタの数を増加させることなく、制御プログラムを容易に変更することが可能となる。
【0013】
なお、前記制御部が、データ書込みプログラムを格納する書込みプログラム格納部と、コンピュータとを含み、前記切替指示が受け付けられると、前記コンピュータが前記データ書込みプログラムを実行して、前記ハンドセット用コネクタが前記制御部と接続するように前記切替部を制御し、その後、前記ハンドセット用コネクタから入力するデータに基づいて前記制御プログラムを変更することが望ましい。
【0014】
上記の発明によれば、データ書込みプログラムに基づいて制御プログラムの書き換えを行うことが可能になる。
【0015】
また、前記格納部は、フラッシュメモリであることが望ましい。
【0016】
また、前記操作部は、ダイヤルボタンであることが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ハンドセット用コネクタが制御プログラム変更データ用コネクタとしても使用されるため、コネクタの数を増加させることなく、制御プログラムを容易に変更することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施例の電話機を示したブロック図である。
【0020】
図1において、電話機1は、ハンドセット接続モジュラコネクタ2と、ハンドセット接続用信号線3と、信号切替回路4と、電話機ネットワーク回路5と、マイクロコンピュータ6と、切替制御線7と、ハンドセット信号線8と、マイクロコンピュータ信号線9と、電話回線信号線10と、電話回線接続モジュラコネクタ11と、ダイヤルボタン12と、押しボタン情報信号線13と、制御線14と、プリント基板15とを含む。
【0021】
プリント基板15には、信号切替回路4と、電話機ネットワーク回路5と、マイクロコンピュータ6と、切替制御線7と、ハンドセット信号線8と、マイクロコンピュータ信号線9と、制御線14とが、実装されている。
【0022】
マイクロコンピュータ6は、制御プログラム格納部6aおよび制御部6dとを含む。制御部6dは、書込みプログラム格納部6bおよびCPU6cを含む。
【0023】
ハンドセット接続モジュラコネクタ2は、4つの接続端子を有する。
【0024】
ハンドセット接続モジュラコネクタ2にハンドセットコード16が装着されると、ハンドセット接続モジュラコネクタ2は、ハンドセットコード16を介して、ハンドセット(受話器)17と接続する。具体的には、ハンドセット接続モジュラコネクタ2が有する4つの接続端子のそれぞれが、ハンドセットコード16が有する4つの接続端子のいずれかに接続する。なお、ハンドセットコード16をハンドセット接続モジュラコネクタ2から取り外すことも可能である。
【0025】
また、ハンドセット接続モジュラコネクタ2に接続ケーブル18が装着されると、ハンドセット接続モジュラコネクタ2は、接続ケーブル18を介して、データ書込み機19と接続する。具体的には、ハンドセット接続モジュラコネクタ2が有する4つの接続端子のそれぞれが、接続ケーブル18が有する4つの接続端子のいずれかに接続する。なお、接続ケーブル18をハンドセット接続モジュラコネクタ2から取り外すことも可能である。
【0026】
ハンドセット接続モジュラコネクタ2は、ハンドセット接続用信号線3を介して、信号切替回路4と接続する。
【0027】
ハンドセット接続用信号線3は、4本の信号線を含み、その4本の信号線のそれぞれは、ハンドセット接続モジュラコネクタ2が有する4つの接続端子のいずれかと接続する。
【0028】
信号切替回路4は、ハンドセット接続モジュラコネクタ2の接続先を、電話機ネットワーク回路5とマイクロコンピュータ6とのいずれかに切り替える。
【0029】
具体的には、信号切替回路4は、切替制御線7から提供される切替信号に基づいて、ハンドセット接続モジュラコネクタ2の接続先を切り替える。なお、切替信号は、制御部6d(具体的にはCPU6c)から出力される。
【0030】
例えば、信号切替回路4は、切替信号として電話信号を受け付けると、ハンドセット接続モジュラコネクタ2の接続先をハンドセット信号線8とし、ハンドセット接続モジュラコネクタ2を電話機ネットワーク回路5と接続する。なお、ハンドセット信号線8は、4本の信号線を含み、その4本の信号線のそれぞれは、電話機ネットワーク回路5を信号切替回路4と接続する。
【0031】
また、信号切替回路4は、切替信号として書換え信号を受け付けると、ハンドセット接続モジュラコネクタ2の接続先をマイクロコンピュータ信号線9とし、ハンドセット接続モジュラコネクタ2を制御部6d(具体的には、CPU6c)と接続する。なお、マイクロコンピュータ信号線9は、4本の信号線を含み、その4本の信号線のそれぞれは、制御部6d(具体的には、CPU6c)を信号切替回路4と接続する。
【0032】
電話機ネットワーク回路5は、通話処理部として働き、電話回線信号線10を介して、ハンドセット信号線8を電話回線接続モジュラコネクタ11に接続する。なお、電話回線信号線10は、電話機ネットワーク回路5を電話回線接続モジュラコネクタ11と接続する。また、電話回線接続モジュラコネクタ11には、電話回線が接続される。
【0033】
電話機ネットワーク回路5は、電話回線接続モジュラコネクタ11に接続された電話回線をハンドセット17と接続させて通話処理を行う。
【0034】
ダイヤルボタン12は、操作部として働き、ユーザから動作指示(例えば、電話番号)を受け付け、その受け付けた動作指示を、押しボタン情報信号線13を介して、制御部6d(具体的にはCPU6c)に出力する。押しボタン情報信号線13は、ダイヤルボタン12を制御部6d(具体的にはCPU6c)と接続する。
【0035】
また、ダイヤルボタン12は、ユーザから切替指示を受け付け、その受け付けた切替指示を、押しボタン情報信号線13を介して、制御部6d(具体的にはCPU6c)に出力する。なお、この切替指示は、動作指示とは異なり、一般ユーザによって行わない特定の操作をダイヤルボタン12に対して行うことによって入力される
制御プログラム格納部6aは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。例えば、制御プログラム格納部6aは、データ書換え可能なフラッシュメモリである。制御プログラム格納部6aは、電話機1の動作を特定する制御プログラムを格納する。
【0036】
書込みプログラム格納部6bは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。例えば、書込みプログラム格納部6bは、データ書換え可能なフラッシュメモリまたはROMである。書込みプログラム格納部6bは、データ書込みプログラムを格納する。
【0037】
CPU(コンピュータ)6aは、電話機1の動作を制御する。
【0038】
制御部6dは、ダイヤルボタン12が切替指示を受け付けると、切替制御線7を通して信号切替回路4に書換え信号を出力する。信号切替回路4は、その書換え信号を受け付けると、ハンドセット接続モジュラコネクタ2を制御部6dと接続する。その後、制御部6dは、ハンドセット接続モジュラコネクタ2から入力するデータに基づいて制御プログラムを変更する。
【0039】
具体的には、CPU6aは、ダイヤルボタン12が切替指示を受け付けると、書込みプログラム格納部6bが格納しているデータ書込みプログラムを読み取り、その読み取ったデータ書込みプログラムを実行する。
【0040】
CPU6aは、データ書込みプログラムを実行すると、切替制御線7を通して信号切替回路4に書換え信号を出力する。信号切替回路4は、その書換え信号を受け付けると、ハンドセット接続モジュラコネクタ2をマイクロコンピュータ6(具体的には、CPU6c)と接続する。
【0041】
その後、CPU6aは、データ書込みプログラムを実行することによって、ハンドセット接続モジュラコネクタ2から入力するデータに基づいて制御プログラムを変更する。
【0042】
また、制御部6dは、ダイヤルボタン12が動作指示を受け付けると、切替制御線7を通して信号切替回路4に電話信号を出力する。信号切替回路4は、その電話信号を受け付けると、ハンドセット接続モジュラコネクタ2を電話機ネットワーク回路5と接続する。その後、制御部6dは、その受け付けた動作指示を制御線14を介して電話機ネットワーク回路5に出力し、電話機ネットワーク回路5の動作を制御する。制御線14は、制御部6d(具体的にはCPU6c)を電話機ネットワーク回路5と接続する。
【0043】
具体的には、CPU6aは、ダイヤルボタン12が動作指示を受け付けると、制御プログラム格納部6aが格納している制御プログラムを読み取り、その読み取った制御プログラムを実行する。
【0044】
CPU6aは、制御プログラムを実行すると、切替制御線7を通して信号切替回路4に電話信号を出力する。信号切替回路4は、その電話信号を受け付けると、ハンドセット接続モジュラコネクタ2を電話機ネットワーク回路5と接続する。
【0045】
その後、CPU6aは、制御プログラムを実行することによって、その受け付けた動作指示を制御線14を介して電話機ネットワーク回路5に出力し、電話機ネットワーク回路5の動作を制御する。制御線14は、マイクロコンピュータ6(具体的にはCPU6c)を電話機ネットワーク回路5と接続する。
【0046】
次に、動作を説明する。
【0047】
図2は、電話機1の動作を説明するためのフローチャートである。以下、図2を参照して、電話機1の動作を説明する。
【0048】
ハンドセット17がハンドセット接続モジュラコネクタ2に接続されている場合、電話機1は、通常の電話として動作する。この場合、ユーザ(一般ユーザ)は、ダイヤルボタン12を操作して動作指令を入力する。
【0049】
ダイヤルボタン12は、ユーザから入力された動作指令を受け付け、その受け付けた動作指令をCPU6cに出力する。
【0050】
CPU6aは、ダイヤルボタン12が動作指示を受け付けると(ステップ21)、制御プログラム格納部6aが格納している制御プログラムを読み取り、その読み取った制御プログラムを実行する(ステップ22)。
【0051】
CPU6aは、制御プログラムを実行すると、切替制御線7を通して信号切替回路4に電話信号を出力する。信号切替回路4は、その電話信号を受け付けると、ハンドセット接続モジュラコネクタ2を電話機ネットワーク回路5と接続する。
【0052】
その後、CPU6aは、制御プログラムを実行することによって、その受け付けた動作指示を制御線14を介して電話機ネットワーク回路5に出力し、電話機ネットワーク回路5の動作を制御する。
【0053】
一方、制御プログラムが変更される場合、ユーザ(制御プログラム管理者)は、ハンドセット接続モジュラコネクタ2からハンドセットコード16を取り外しデータ書込み機19の接続ケープル18をハンドセット接続モジュラコネクタ2に接続する。
【0054】
その後、ユーザ(制御プログラム管理者)は、一般使用者の操作しない特定の操作(例えば、“*”ダイヤルボタン,“0”ダイヤルボタン,“#”ダイヤルボタン3個の同時押し等)をダイヤルボタン12に対して行って、切替指示を入力する。
【0055】
ダイヤルボタン12は、ユーザから入力された切替指令を受け付け、その受け付けた切替指令をCPU6cに出力する。
【0056】
CPU6aは、ダイヤルボタン12が切替指示を受け付けると(ステップ21)、書込みプログラム格納部6bが格納しているデータ書込みプログラムを読み取り、その読み取ったデータ書込みプログラムを実行する(ステップ23)。
【0057】
CPU6aは、データ書込みプログラムを実行すると、切替制御線7を通して信号切替回路4に書換え信号を出力する。信号切替回路4は、その書換え信号を受け付けると、ハンドセット接続モジュラコネクタ2をマイクロコンピュータ6(具体的には、CPU6c)と接続する。
【0058】
その後、CPU6aは、データ書込みプログラムを実行することによって、ハンドセット接続モジュラコネクタ2から入力するデータに基づいて制御プログラムを変更する。
【0059】
具体的には、CPU6aは、データ書込みプログラムによって定められた制御手順により、データ書込み機19から、制御プログラムの変更データを取り込み、その取り込んだ変更データを制御プログラム格納部6aに書込む。
【0060】
ここで、データ書込み機19とマイクロコンピュータ6とのデータ通信制御信号を含めた接続線本数であるが、もっとも少ない本数での接続は、グランド線を含めて3本で可能であることが知られている(一例として、フィリップス社の提唱するI2C等が挙げられるが、具体的な方式の説明は他文献に譲る)。
【0061】
通常、この種の電話機では、ハンドセット17と電話機1は、4本(送話信号2本、受話信号2本)の信号線により接続されており、したがって、データ書換えのための接続線本数は十分であることはいうまでもない。
【0062】
本実施例では、電話機筐体を分解することなく制御プログラム変更を行うことを可能とすることにより、次に述べる効果を奏する。
【0063】
第1の効果は、制御プログラムの開発を効率的に行えることである。特に、ハンズフリー機能を搭載した電話機にあっては、制御プログラム中のハンズフリー機能(さらに言えば、音響制御機能)の開発を効率的に行える。このため、安定的な音響結合を得ることが可能となり、精度の高い開発が可能になる。
【0064】
第2の効果は、生産途中でも制御プログラムの変更を効率的に行えることである。特に、大量生産を前提とするこの種の電話機にあっては、その効果は著しい。
【0065】
第3の効果は、製品出荷後の市場における顧客からの特殊要求による制御プログラム変更および制御プログラムの不具合についても、迅速に対応できることである。
【0066】
本実施例によれば、切替指示が受け付けられると、ハンドセット接続モジュラコネクタ2が制御部6dと接続するように信号切替回路4が制御され、その後、制御部6dがハンドセット接続モジュラコネクタ2から入力する変更データに基づいて制御プログラムを変更する。このため、ハンドセット接続モジュラコネクタ2が、制御プログラム変更データ用コネクタとしても使用される。したがって、コネクタの数を増加させることなく、制御プログラムを容易に変更することが可能となる。
【0067】
なお、本実施例では、制御部6dが書込みプログラム格納部6bとCPU6cとを含み、切替指示が受け付けられると、CPU6cがそのデータ書込みプログラムを実行して、ハンドセット接続モジュラコネクタ2がCPU6cと接続するように信号切替回路4を制御し、その後、ハンドセット接続モジュラコネクタ2から入力する変更データに基づいて制御プログラムを変更する。このため、データ書込みプログラムに基づいて制御プログラムの書き換えを行うことが可能になる。
【0068】
以上説明した実施例において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0069】

【図1】本発明の一実施例の電話機を示した回路ブロック図である。
【図2】電話機の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】

1 電話機
2 ハンドセット接続モジュラコネクタ
3 ハンドセット接続用信号線
4 信号切替回路
5 電話機ネットワーク回路
6 マイクロコンピュータ
6a 制御プログラム格納部
6b 書込みプログラム格納部
6c CPU
6d 制御部
7 切替制御線
8 ハンドセット信号線
9 マイクロコンピュータ信号線
10 電話回線信号線
11 電話回線接続モジュラコネクタ
12 ダイヤルボタン
13 押しボタン情報信号線
14 制御線
15 プリント基板
16 ハンドセットコード
17 ハンドセット
18 接続ケーブル
19 データ書込み機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドセットが接続されるハンドセット用コネクタと、電話回線が接続される電話回線用コネクタと、前記電話回線用コネクタを介して前記ハンドセット用コネクタを前記電話回線に接続する通話処理部と、制御プログラムを格納する格納部と、ユーザから動作指示を受け付ける操作部と、前記操作部が前記動作指示を受け付けると、前記格納部が格納している制御プログラムに基づいて前記通話処理部の動作を制御する制御部と、を含む電話機において、
前記ハンドセット用コネクタの接続先を、前記通話処理部と前記制御部とのいずれかに切り替える切替部を含み、
前記操作部は、ユーザから切替指示を受け付け、
前記制御部は、前記操作部が前記切替指示を受け付けると、前記ハンドセット用コネクタが前記制御部と接続するように前記切替部を制御しその後前記ハンドセット用コネクタから入力するデータに基づいて前記制御プログラムを変更し、また、前記操作部が前記動作指示を受け付けると、前記ハンドセット用コネクタが前記通話処理部と接続するように前記切替部を制御しその後前記制御プログラムに基づいて前記通話処理部の動作を制御することを特徴とする電話機。
【請求項2】
請求項1に記載の電話機において、
前記制御部は、
データ書込みプログラムを格納する書込みプログラム格納部と、
前記操作部が前記切替指示を受け付けると、前記書込みプログラム格納部が格納しているデータ書込みプログラムを実行して、前記ハンドセット用コネクタが前記制御部と接続するように前記切替部を制御し、その後、前記ハンドセット用コネクタから入力するデータに基づいて前記格納部が格納している制御プログラムを変更するコンピュータと、を含む電話機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電話機において、
前記格納部は、フラッシュメモリである、電話機。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電話機において、
前記操作部は、ダイヤルボタンである、電話機。
【請求項5】
ハンドセットが接続されるハンドセット用コネクタと、電話回線が接続される電話回線用コネクタと、前記電話回線用コネクタを介して前記ハンドセット用コネクタを前記電話回線に接続する通話処理部と、制御プログラムを格納する格納部と、ユーザから動作指示を受け付ける操作部と、前記操作部が前記動作指示を受け付けると、前記格納部が格納している制御プログラムに基づいて前記通話処理部の動作を制御する制御部と、前記ハンドセット用コネクタの接続先を前記通話処理部と前記制御部とのいずれかに切り替える切替部とを含む電話機が行う電話機の制御プログラム書き換え方法であって、
ユーザから切替指示を受け付ける切替指示受け付けステップと、
前記切替指示が受け付けられると、前記ハンドセット用コネクタが前記制御部と接続するように前記切替部を制御し、その後、前記制御部が前記ハンドセット用コネクタから入力するデータに基づいて前記制御プログラムを変更する変更ステップと、
ユーザから前記動作指示を受け付ける動作指示受付ステップと、
前記動作指示が受け付けられると、前記ハンドセット用コネクタが前記通話処理部と接続するように前記切替部を制御し、その後、前記制御部が前記制御プログラムに基づいて前記通話処理部の動作を制御する制御ステップと、を含む電話機の制御プログラム書き換え方法。
【請求項6】
請求項5に記載の電話機の制御プログラム書き換え方法において、
前記制御部は、データ書込みプログラムを格納する書込みプログラム格納部と、コンピュータとを含み、
前記変更ステップは、前記データ書込みプログラムを実行しているコンピュータによって実行される、電話機の制御プログラム書き換え方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の電話機の制御プログラム書き換え方法において、
前記格納部は、フラッシュメモリである、電話機の制御プログラム書き換え方法。
【請求項8】
請求項5ないし7のいずれか1項に記載の電話機の制御プログラム書き換え方法において、
前記操作部は、ダイヤルボタンである、電話機の制御プログラム書き換え方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−128769(P2006−128769A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−310743(P2004−310743)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】