電話端末、電話システムおよび着信応答方法
【課題】着信を受けた電話端末の使用者の、そのときの状況や当該着信の発信者が誰であるかなどに応じて、動的に自動応答することができる電話端末を提供する。
【解決手段】着信に対する複数種の自動応答メッセージを格納保持する応答メッセージ記憶部と、複数種の自動応答メッセージによる複数種の自動応答を含む複数通りの着信応答のうちの一つの着信応答を選択するための着信応答選択手段とを備える。報知手段により、着信を検知したときに、電話帳を検索して、発信電話番号に対応する発信者認識情報により発信者を報知する。自動応答メッセージ送出手段は、着信応答選択手段により複数種の自動応答メッセージの一つによる着信応答が選択されたときに、着信に対して自動応答して、応答メッセージ記憶部から選択された自動応答メッセージを読み出して、発信者に送出する。
【解決手段】着信に対する複数種の自動応答メッセージを格納保持する応答メッセージ記憶部と、複数種の自動応答メッセージによる複数種の自動応答を含む複数通りの着信応答のうちの一つの着信応答を選択するための着信応答選択手段とを備える。報知手段により、着信を検知したときに、電話帳を検索して、発信電話番号に対応する発信者認識情報により発信者を報知する。自動応答メッセージ送出手段は、着信応答選択手段により複数種の自動応答メッセージの一つによる着信応答が選択されたときに、着信に対して自動応答して、応答メッセージ記憶部から選択された自動応答メッセージを読み出して、発信者に送出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電話端末単体における、あるいは電話システムにおける着信応答方法に関する。より詳細には、着信時の電話端末の使用者の状況や要望に応じた動的な着信応答を可能にする発明に関する。
【背景技術】
【0002】
使用者が不在などの場合、留守番モードにすることにより、着信に対して予め定められた固定の応答メッセージを送出する電話端末は一般的に良く知られている。しかし、例えば着信を受けた使用者と発信者との関係の深さの違いなどから、単に着信を拒否するのではなく、メッセージを残してもらいたい、後でこちらから電話をかけ直したい、などの種々の状況が考えられる。しかし、固定の応答メッセージで着信に応答する場合には、そのような発信者に応じた異なる応答メッセージで応答することはできない。
【0003】
そこで、特許文献1(特開平6−125383号公報)や特許文献2(特開平10−215309号公報)には、複数種の応答メッセージを予め用意すると共に、相手の電話番号と応答メッセージとの対応テーブルを用意しておき、留守番モードにおいて受信した着信時の発信電話番号により、前記対応テーブルを参照して、相手に応じた応答メッセージにより着信応答することが開示されている。
【0004】
この特許文献1や特許文献2の技術によれば、留守番モードにおいては、例えば着信を受けた使用者と発信者との関係の深さの違いなどに応じた応答メッセージで着信応答することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−125383号公報
【特許文献2】特開平10−215309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1,2の着信応答方法では、予め発信者に応じて固定的に設定したメッセージで自動応答しているだけであるので、電話端末の使用者の着信時における状況や要望に応じた適切な応答をすることができない。
【0007】
例えば、会議中においては、着信に対しては応答して通話をすることができなくても、着信をしてきた発信者が誰であるかを確認することができる場合があり、そのときの使用者の状況や要望によっては予め設定した固定的な応答のメッセージとは異なるメッセージで着信応答させたい場合も生じる。
【0008】
しかし、着信応答の方法として従来の特許文献1,2の技術を用いた場合には、発信者に応じて予め用意した固定的なメッセージで自動応答することしかできないので、使用者の着信時における状況や要望に応じた着信応答をすることができないという問題がある。
【0009】
この発明は、以上の問題点に鑑み、使用者の着信時における状況や要望に応じて、動的な着信応答をすることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、この発明は、
電話番号と、当該電話番号を発信電話番号として使用する発信者を認識するための発信者認識情報との対応関係からなる電話帳データを記憶する電話帳データ記憶部と、
着信に対する複数種の自動応答メッセージを格納保持する応答メッセージ記憶部と、
着信を検知したときに、発信電話番号により前記電話帳データ記憶部の前記電話帳データを検索して、前記発信電話番号に対応する発信者認識情報により発信者を報知する報知手段と、
前記複数種の自動応答メッセージによる複数種の自動応答を含む複数通りの着信応答のうちの一つの着信応答を選択するための着信応答選択手段と、
前記着信応答選択手段により前記複数種の自動応答メッセージの一つによる着信応答が選択されたときに、前記着信に対して自動応答して、前記応答メッセージ記憶部から前記選択された自動応答メッセージを読み出して、発信者に送出する自動応答メッセージ送出手段と、
を備える電話端末を提供する。
【0011】
また、この発明は、
着信を検知したときに、発信電話番号により記憶部に記憶している電話帳データを検索して、前記発信電話番号に対応する発信者認識情報により発信者を報知すると共に、着信に対する複数種の自動応答メッセージによる複数種の自動応答を含む複数通りの着信応答のうちの一つの着信応答を選択するように促す着信応答選択工程と、
前記着信応答選択工程において、前記複数種の自動応答メッセージの一つによる着信応答が選択されたときに、前記着信に対して自動応答して、応答メッセージ記憶部から前記選択された自動応答メッセージを読み出して、発信者に送出する自動応答メッセージ送出工程と、
を有する着信応答方法を提供する。
【0012】
この発明によれば、着信を受けたときに、報知手段によりその着信の発信者が誰であるかが、使用者に報知される。これに基づき、使用者は、発信者が誰であるかを考慮しながら、着信に対する複数種の自動応答メッセージによる複数種の自動応答を含む複数通りの着信応答のうちから、そのときの使用者の状況に応じた一つの着信応答を選択することができる。そして、その選択された自動応答メッセージが、着信の相手である発信者に送信される。
【0013】
上述のこの発明の着信応答方法は、請求項4〜6のように、主装置と1以上の電話端末からなる電話システムにも適用することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、着信を受けた電話端末の使用者の、そのときの状況や当該着信の発信者が誰であるかなどに応じて、動的に自動応答することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態の電話端末のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の電話端末が有する電話帳データの例を示す図である。
【図3】第1の実施形態の電話端末が備える応答メッセージ記憶部に記憶される応答メッセージの例を示す図である。
【図4】第1の実施形態の電話端末の表示画面の着信を受信したときの表示例を示す図である。
【図5】第1の実施形態の電話端末における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図6】第1の実施形態の電話端末における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図7】第1の実施形態の電話端末における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図8】第1の実施形態の電話端末における着信応答処理のシーケンス例を示す図である。
【図9】この発明による電話端末の第2の実施形態の要部を説明するために用いる図である。
【図10】第3の実施形態の電話システムの全体の概略構成を示す図である。
【図11】第3の実施形態の電話システムを構成する主装置のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図12】第3の実施形態の電話システムを構成する主装置が有するシステム電話帳データの例を示す図である。
【図13】第3の実施形態の電話システムを構成する主装置が備える内線端末管理テーブルの一例を示す図である。
【図14】第3の実施形態の電話システムを構成する電話端末のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図15】第3の実施形態の電話システムを構成する主装置における処理例の流れの一例を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図16】第3の実施形態の電話システムを構成する電話端末における処理例の流れの一例を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図17】第3の実施形態の電話システムを構成する主装置における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図18】第3の実施形態の電話システムを構成する主装置における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図19】第3の実施形態の電話システムを構成する電話端末における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図20】第3の実施形態の電話システムを構成する電話端末における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図21】第3の実施形態の電話システムにおける着信応答処理のシーケンス例を示す図である。
【図22】第4の実施形態の電話システムを構成する主装置における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図23】第4の実施形態の電話システムを構成する電話端末における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図24】第4の実施形態の電話システムにおける着信応答処理のシーケンス例を示す図である。
【図25】第5の実施形態の電話システムの全体の概略構成を示す図である。
【図26】第5の実施形態の電話システムを構成する充電器のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図27】第5の実施形態の電話システムにおける着信応答処理のシーケンス例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の幾つかの実施形態を、図を参照しながら説明する。
【0017】
[第1の実施形態;電話端末単独の構成]
図1は、この発明による電話端末1の実施形態のハードウエア構成例を示す図である。この実施形態の電話端末1は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる携帯電話端末の構成を備える場合である。
【0018】
この実施形態の電話端末1は、マイクロコンピュータで構成される制御部101を備える。そして、電話端末1においては、制御部101が、システムバス100を通じて、無線電話通信部102、受信信号処理部103、送信信号処理部104、音声インターフェース105、ディスプレイインターフェース106、タッチパネルインターフェース107、表示情報生成部108、電話帳管理部109、応答メッセージ送出部110、着信フォルダ管理部111、モード管理部112、のそれぞれと接続されている。
【0019】
無線電話通信部102は、携帯電話網の基地局を通じて相手と通信をするための無線通信部である。受信信号処理部103は、無線電話通信部102を通じて受信した通信情報を解析して、呼制御メッセージや通話信号をデコードし、システムバス100に送出する。送信信号処理部104は、制御部101の制御の下、無線電話通信部102を通じて送信する送信信号を生成する。
【0020】
音声インターフェース105は、制御部101の制御の下、受信信号処理部103からの受話音声情報を、デジタル信号からアナログ信号に変換し、アンプ113に供給する。アンプ113に供給された受話音声信号はスピーカ114に供給されて音響再生される。音声インターフェース105は、また、マイクロホン115で収音され、アンプ116で増幅された送話音声信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換して、制御部101の制御の下、送信信号処理部104に供給する。
【0021】
ディスプレイインターフェース106には、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなるディスプレイ117が接続される。ディスプレイ117の表示画面には、待ち受け画面などが表示されると共に、送信時の相手の電話番号や着信時の発信者表示および着信応答選択操作画面などが表示される。
【0022】
また、この実施形態では、ディスプレイ117の表示画面上には、タッチパネル118が設けられている。タッチパネル118は、タッチパネルインターフェース107に接続されている。タッチパネルインターフェース107は、タッチパネル118を通じた使用者による操作指示入力を受けて、システムバス100に送出する。
【0023】
そして、この実施形態では、操作ボタンなどの操作入力は、このタッチパネル118を通じて行えるようにされており、ディスプレイ117の表示画面には、必要に応じて操作画面が表示される。この表示画面に表示されたアイコンなどに対して、使用者は、指でタッチ操作したり、指でスライドさせたりする所定の振る舞いをすることにより、所定の操作入力をすることができる。この実施形態では、ディスプレイ117の表示画面に表示される着信応答選択操作画面と、タッチパネル118とにより、着信応答選択手段が構成される。
【0024】
表示情報生成部108は、制御部101の制御により、着信時の表示画面、発信時の表示画面、その他の表示画面の表示情報を生成して、ディスプレイインターフェース106を通じてディスプレイ117に供給する。
【0025】
電話帳管理部109は、電話帳記憶部109Mを備える。電話帳記憶部109Mには、例えば図2に示すように、発信者の電話番号と、その発信者を認識するために使用者により登録された発信者認識情報との対応テーブルである電話帳のデータ(電話帳データ)が記憶されている。発信者認識情報は、使用者が、発信者の名前や名称、所属会社などを設定入力することにより、電話帳データとして記憶される。なお、図2では、発信者認識情報は、簡単のため「名前」と表示している。
【0026】
この実施形態では、電話帳記憶部109Mの電話帳には、図2に示すように、電話端末1が留守番モードとなっているときに、当該電話帳に登録された発信者から着信があったときにどのような着信応答方法で着信に応答するかの種別を示す応答種別が付随して設定可能とされている。したがって、応答種別は着信応答方法に対応するものである。この応答種別は、電話帳に登録する発信者の全てに対して設定する必要はなく、未設定のままであっても良い。
【0027】
応答種別(着信応答方法)としては、この例では、「拒否」、「会議」、「用件録音」、「未応答」の4種が用意されている。そして、「未応答」を除く応答種別のそれぞれに対応して、図3に示すようなメッセージ(応答メッセージ)が、応答メッセージ記憶部110Mに記憶されている。ここで、着信に対して応答メッセージを送出して応答する方法を、自動応答方法ということとする。したがって、この例においては、「未応答」を除く「拒否」、「会議」、「用件録音」の応答種別が自動応答方法となる。
【0028】
すなわち、図3の例では、応答種別の「拒否」に対しては、「ただいま電話に出ることができません。後ほどおかけ直し下さい。」という自動応答メッセージが対応付けられて記憶されている。この応答種別の「拒否」は、使用者が電話帳データとして発信者に対して設定登録することも勿論できるが、この実施形態では、応答種別の設定登録がなされていない未設定の発信者に対しての応答種別(デフォルトの応答種別)ともされる。
【0029】
また、応答種別の「会議」に対しては、「ただいま会議中のため、後ほどおかけ直しします。」という自動応答メッセージが対応付けられて記憶されている。また、応答種別の「用件録音」に対しては、「ただいま電話に出ることができません。発信音の後にメッセージをお願いします」という自動応答メッセージが対応付けられて記憶されている。
【0030】
また、応答種別の「未応答」に対しては、自動応答メッセージは記憶されない。応答種別の「未応答」は着信に対して応答しないという着信応答方法である。つまり、応答種別の「未応答」は、着信に対して使用者に着信の報知はするが、自動応答はしない着信応答方法である。
【0031】
そして、この実施形態では、応答メッセージ記憶部110Mには、応答種別の「拒否」、「会議」、「用件録音」のそれぞれに対応して応答時間が設定されている。この応答時間は、着信を検出して着信音やバイブレータにより着信報知をした時点から、各応答種別に応じた応答メッセージを送出するまでの待ち時間であり、後述するように、この応答時間の間に、使用者は、応答種別(着信応答方法)の変更指示をすることができる。この応答時間は、予め定められた値を用いても良いし、使用者が設定するようにしても良い。
【0032】
応答メッセージ送出部110は、この応答メッセージ記憶部110Mを備える。応答メッセージ送出部110は、制御部101からの応答種別の指定情報を受けて、その指定情報で指定された応答種別の応答メッセージを応答メッセージ記憶部110Mから読み出して、制御部101の制御の下、送信信号処理部104および無線電話通信部102を通じて相手方に送信するようにする。
【0033】
着信フォルダ管理部111は、着信を、応答種別(着信応答方法)毎のフォルダに分けて管理するもので、全ての応答種別のフォルダを記憶するフォルダ記憶部111Mを備える。すなわち、フォルダは、応答種別のそれぞれ毎に作成されており、フォルダ記憶部111Mに記憶されている。各応答種別毎のフォルダには、その応答種別により応答した着信のリストが格納される。着信のリストには、着信の日時と、発信者の電話番号、および電話帳データに基づく発信者の氏名、名称などの発信者認識情報などが記録される。
【0034】
また、特に、応答種別「用件録音」の場合には、発信者から送られてくる音声メッセージを受信して録音する(留守録音機能)があるので、「用件録音」のフォルダの場合には、発信者からのメッセージは、「用件録音」のフォルダ内において、それぞれの着信リストに対応して記憶するようにしている。なお、メッセージ記憶部を別途設け、各発信者からのメッセージを「用件録音」のフォルダの着信のリストのそれぞれと対応付けて、そのメッセージ録音部に記憶するようにしても良い。
【0035】
この実施形態の電話端末1においては、ディスプレイ117の表示画面117Dに表示される例えばメニュー画面において使用者が所定の操作をすると、応答種別のフォルダのアイコンが表示されるように構成されている。そして、使用者がタッチパネル118を通じてそれぞれのフォルダを開く操作すると、そのフォルダの着信リストの一覧が表示画面117Dに表示されるように構成されている。
【0036】
そして、この実施形態では、特に、使用者が「会議」のフォルダを開けて、着信リストの一つの着信を選択すると、当該着信の発信者へのかけ直しの発信がなされるように構成されている。また、使用者が、「用件録音」のフォルダを開けて、着信リストの一つの着信を選択すると、当該着信に対応して記憶されているメッセージが再生されるように構成されている。
【0037】
また、この実施形態では、着信フォルダ管理部111は、制御部101の制御の下に、留守番モードのときの着信の発信者が電話帳に登録されている発信者であるときには、上記の複数個の応答種別のフォルダを表示画面117Dに表示する。そして、使用者が、その複数個のフォルダの一つを選択する操作をすると、着信フォルダ管理部111は、当該着信を、選択された応答種別のフォルダに格納する。このとき、制御部101は、着信の発信者に対して電話帳に登録されている応答種別に関係なく、使用者により選択された応答種別の応答メッセージを応答メッセージ送出部110から送出させるようにする。この留守番モードにおける着信時の処理動作については、後で、さらに詳述する。
【0038】
なお、複数の応答種別(着信応答方法)の種類は、予め定められた固定のものとしても良いが、使用者が応答種別の種類を追加すると共に、対応する応答メッセージおよび応答時間を追加設定するようにしても良い。
【0039】
モード管理部112は、電話端末1の現在状態が、待ち受け状態、着信状態、発信状態、通話状態、留守番モード状態などのいずれであるかを管理する機能部である。留守番モードは、使用者のタッチパネル118を通じた留守番モード起動の操作を受けて開始する。留守番モードの起動の操作としては、例えばメニュー画面から設定されたモード設定画面で表示される留守番アイコンボタンを押下する操作とすることができる。あるいは、モード設定画面において、「会議中」アイコンボタンを表示画面に表示させて、当該「会議中」アイコンボタンを押下する操作を留守番モードの設定操作とする構成とすることもできる。
【0040】
[実施形態の電話端末1の外観]
図4は、この実施形態の電話端末1の外観の一例を示すものである。この実施形態の電話端末は扁平の筐体1Aを備える。図4は、電話端末1をディスプレイ117の表示画面117D側から見た図である。
【0041】
この実施形態の電話端末1は、筐体の一面の大部分をディスプレイ117の表示画面117Dが占める。前述したように、この表示画面117Dの上に貼付されているタッチパネル118を通じて使用者は操作入力をすることができるものとされている。なお、図4に示すように、表示画面117Dの上方にスピーカ114からの音声の放音用の開口114Sが設けられると共に、表示画面117Dの下方にマイクロホン115の収音用の開口115Mが設けられている。
【0042】
なお、図1において、受信信号処理部103、送信信号処理部104、表示情報生成部108、電話帳記憶部109Mを除く電話帳管理部109、応答メッセージ記憶部110Mを除く応答メッセージ送出部110、モード管理部112の各部は、制御部101がソフトウエア処理による機能ブロックの構成とすることもできる。
【0043】
[実施形態の電話端末の概略動作]
留守番モードでなければ、電話端末1は、通常と同様に、着信に対して着信音を発したり、マナーモードで例えばバイブレータを振動させたりすることにより使用者に着信を報知する。そして、その着信の発信者の電話番号をディスプレイ117の表示画面に表示する(非通知着信の場合や、公衆電話からの着信は除く)と共に、その着信の発信者の発信者認識情報が電話帳データとして登録されていれば、その発信者の氏名や名称などの発信者認識情報を表示画面に合わせて表示する。以下、この発信者についての着信表示を着信時発信者表示と略称する。
【0044】
使用者は、この着信に対して電話端末1で、ディスプレイ117の表示画面上のタッチパネル118を通じてオフフック動作をして応答すると、通話路が生成され、着信をしてきた発信者と通話をすることができる。
【0045】
また、この実施形態の電話端末1は、留守番モードのときに着信があると、着信時発信者表示と共に、着信の発信者が電話帳に登録されている発信者であるときには、上記の複数個の応答種別のフォルダのアイコンを表示画面117Dに併せて表示する。
【0046】
図4における表示画面117Dの表示例は、留守番モードにおいて着信を検知し、当該着信の発信者が電話帳に登録されている発信者であるときの表示画像の例であり、着信時発信者表示120を表示画面117Dに表示するだけではなく、複数個の応答種別のフォルダのアイコンを表示する。この例では、応答種別が「拒否」、「会議」、「用件録音」のフォルダのアイコン121,122,123を表示する。図4に示すように、この例の表示画面117Dにおいては、各フォルダのアイコン121,122,123の下部にその応答種別を示す文字が表示されて、使用者にどのフォルダであるかを報知している。
【0047】
また、さらに、図4の表示例においては、着信時発信者表示120から、各フォルダのアイコン121,122,123に対して矢印124が表示されていて、いずれの応答種別でも着信自動応答が可能であることを使用者に報知している。そして、この例においては、電話端末1は、留守番モードにおいても、着信音を発したり、マナーモードであれば、例えばバイブレータを振動させたりすることにより使用者に着信を報知する。
【0048】
この着信の報知に対して、使用者が、応答種別毎に設定されている応答時間内に何も操作入力をしなければ、電話端末1は、当該着信の発信者に対して電話帳データに登録されている応答種別の応答メッセージで、その応答時間の経過後に、自動応答する。
【0049】
また、この実施形態では、図4の表示画面において、応答種別毎に設定されている応答時間内に、使用者が、フォルダのアイコン121,122,123のいずれかを選択する操作をすると、電話端末1は、電話帳に設定されている応答種別に関係なく、その選択された応答種別の応答メッセージで自動応答する。
【0050】
ここで、使用者のフォルダの選択操作は、例えば、指を、着信時発信者表示120から、そのときの状況に応じて選択したい応答種別のフォルダのアイコンへのスライド移動とされている。この操作は、着信を選択した応答種別のフォルダに入れるという直感的な操作である。なお、フォルダの選択操作は、このようなスライド移動ではなく、単に、選択したい応答種別のフォルダのアイコンを押下指示するだけの操作であっても良い。
【0051】
前述もしたように、使用者のフォルダの選択操作があると、制御部101は、着信フォルダ管理部111に対して、受信中の着信を、選択されたフォルダの着信リストに入れるように制御する。また、制御部101は、応答メッセージ送出部110に指示して、選択されたフォルダの応答種別に対応する応答メッセージを、着信の発信者に送信するように制御する。
【0052】
したがって、この実施形態の電話端末1によれば、留守番モードにおいては、着信してきた発信者に対応して電話帳データに登録されている応答種別の応答メッセージでのみ自動応答するのではなく、当該着信時の使用者の状況や着信の緊急度などに応じて使用者が選択した応答種別で動的に自動応答することができる。
【0053】
以上説明したようにして、この実施形態では、表示画面117Dに選択可能な応答種別のフォルダアイコンの表示をすると共に、タッチパネル118を通じた使用者の選択の操作を検出する処理により、着信応答方法の選択ができる。この表示画面117Dの表示およびタッチパネル118を通じた選択操作の受付処理機能は、着信応答方法選択手段の一例を構成する。
【0054】
なお、この実施形態では、電話端末1は、着信の発信者のデータが電話帳データに存在しない場合には、デフォルトの応答種別の「拒否」の自動応答メッセージを、着信の発信者側に対して送出することで自動応答する。
【0055】
[着信に対する応答の処理動作例]
この実施形態の電話端末の着信処理の動作の流れの例を、図5〜図7のフローチャートを参照しながら説明する。この図5〜図7の処理例は、制御部101が、受信信号処理部103、送信信号処理部104、表示情報生成部108、電話帳記憶部109Mを除く電話帳管理部109、応答メッセージ記憶部110Mを除く応答メッセージ送出部110、モード管理部112の各機能部を、ソフトウエア処理機能部として構成する場合の例である。
【0056】
制御部101は、無線電話通信部102の受信信号を監視して、着信を受信したか否か判別する(ステップS1)。このステップS1で、着信を受信してはいないと判別したときには、制御部101は、その他の処理を行う(ステップS2)。また、ステップS1で、着信を受信したと判別したときには、制御部101は、着信音を発したり、マナーモードであればバイブレータにより振動させたりして、着信報知を実行する(ステップS3)。
【0057】
次に、制御部101は、電話端末1が留守番モードの状態であるか否か判別し(ステップS4)、留守番モードの状態でなければ、通常の着信処理ルーチンを実行する(ステップS5)。
【0058】
ステップS4で、電話端末1が留守番モードの状態であると判別したときには、制御部101は、電話帳記憶部109Mの電話帳データを検索し(ステップS6)、着信の発信者のデータが存在するか否か、すなわち、発信者は電話帳に登録されているか否か判別する(ステップS7)。このステップS7で、発信者が電話帳に登録されていないと判別したときには、制御部101は、着信に対して自動応答して通話路を生成し(ステップS8)、応答メッセージ記憶部110Mから応答種別の「拒否」の応答メッセージを読み出して、生成した通話路を通じて発信者側に送信する(ステップS9)。そして、制御部101は、生成した通話路を切断する処理をし(ステップS10)、この処理ルーチンを終了する。
【0059】
ステップS7で、発信者が電話帳に登録されていると判別したときには、制御部101は、図4に示したように、表示画面117Dに、着信時発信者表示120を表示すると共に、使用者が選択可能な複数の応答種別のフォルダのアイコン121〜123を表示する(図6のステップS21)。次に、制御部101は、電話帳記憶部109Mの電話帳データを参照して、着信の発信者に対して設定されている応答種別を認識する(ステップS22)。
【0060】
次に、制御部101は、着信の発信者に対して応答種別の設定がなされているか否か判別し(ステップS23)、応答種別の設定がなされていないと判別したときには、ステップS8に進んで、前述したこのステップS8以降の処理を行い、応答種別の「拒否」の応答メッセージによる自動応答の処理を実行する。
【0061】
また、ステップS23で、応答種別の設定がされていると判別したときには、制御部101は、設定された応答種別は「未応答」であるか否か判別する(ステップS24)。このステップS24で、応答種別は「未応答」ではないと判別したときには、制御部101は、ステップS22で認識した応答種別により、応答メッセージ記憶部110Mを参照し、認識した応答種別について設定されている応答時間の時間計測を開始する(図7のステップS31)。
【0062】
次に、制御部101は、応答時間が経過したか否か判別し(ステップS32)、経過していないと判別したときには、使用者による前述したフォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作があったか否か判別する(ステップS33)。
【0063】
このステップS33で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作がなされていないと判別したときには、制御部101は、処理をステップS32に戻し、このステップS32以降の処理を繰り返す。ステップS33で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作がなされたと判別したときには、制御部101は、着信に対して自動応答し(ステップS34)、即座に選択指定された応答種別の応答メッセージを、応答メッセージ記憶部110Mから読み出して、無線電話通信部102を通じて着信の発信者側に送信する(ステップS35)。
【0064】
使用者によるフォルダの選択指定が行われることなく、ステップS32で、応答時間が経過したと判別したときには、制御部101は、着信に対して自動応答し(ステップS36)、ステップS22で認識された着信の発信者に対して設定されている応答種別の応答メッセージを、応答メッセージ記憶部110Mから読み出して、無線電話通信部102を通じて着信の発信者側に送信する(ステップS37)。
【0065】
ステップS34またはステップS35の次には、制御部101は、着信に対して送出された応答メッセージの応答種別は、「用件録音」であるか否か判別する(ステップS38)。ステップS38で、「用件録音」ではないと判別したときには、制御部101は、切断処理を実行し(ステップS41)、この処理ルーチンを終了する。
【0066】
また、ステップS38で、「用件録音」であると判別したときには、制御部101は、着信の発信者からの音声メッセージの録音処理を実行して、音声メッセージを「用件録音」のフォルダの着信リストに対応付けて記憶する(ステップS39)。次に制御部101は、着信をしてきた発信者側からの切断通知を受信したか否か判別し(ステップS40)、受信していなければ、ステップS39に戻って着信の発信者からの音声メッセージの録音処理を継続する。そして、ステップS40で、切断通知を受信したと判別したときには、切断処理を実行し(ステップS41)、この処理ルーチンを終了する。
【0067】
また、図6のステップS24で、応答種別は「未応答」であると判別したときには、制御部101は、着信報知を使用者に対して行いつつ、使用者による前述したフォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択する操作があったか否か判別する(ステップS25)。
【0068】
このステップS25で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択する操作がなされていないと判別したときには、制御部101は、相手(発信者)による切断がなされたか否か判別し(ステップS26)、相手による切断がなされていなければ、ステップS25に戻り、このステップS25以降の処理を繰り返す。そして、ステップS26で、相手切断を確認したら、制御部101は、この処理ルーチンを終了する。
【0069】
また、ステップS25で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択する操作がなされたと判別したときには、制御部101は、処理を図7のステップS34に進めて、着信に対して自動応答し、次のステップS35で、選択指定された応答種別の応答メッセージを、応答メッセージ記憶部110Mから読み出して、無線電話通信部102を通じて着信の発信者側に送信する。そして、その後、ステップS35以降の処理を繰り返す。
【0070】
以上のようにして、この第1の実施形態の電話端末1によれば、留守番モードにおいて着信を受けたときは、使用者は、当該着信の発信者を着信時発信者表示120により確認しながら、そのときの状況や要望に応じた着信応答方法で動的に着信応答することができる。
【0071】
すなわち、使用者は、着信を受けて着信時発信者表示120により確認した結果の発信者に対しては、電話帳に登録した応答種別での応答方法ではない他の希望する着信応答方法で応答したいと判断したときには、表示画面117Dにおいて、前述したようにして、前記希望する着信応答方法の応答種別のフォルダに着信を入れるスライド操作により着信応答方法を選択する。すると、電話端末1は、その選択された着信応答方法の応答種別の応答メッセージにより、着信に対する応答メッセージを送出する。したがって、使用者は、着信を受けたときの状況や要望に応じた応答メッセージで動的に着信応答をすることができるようになる。
【0072】
図8のシーケンス図を参照しながら、具体的な着信応答処理例を説明する。前半の図8(A)のシーケンス例は、電話帳に電話番号「09088889999」として登録されている佐藤次郎氏からの着信を受けた場合である。すなわち、電話端末1は、留守番モードにおいて、佐藤次郎氏からの着信を受けると、その着信時の発電話番号により電話帳データを検索して発信者認識情報として佐藤次郎氏の名前を検出する。そして、電話端末1は、図4に示すように、表示画面117Dに、発電話番号と佐藤次郎氏の名前とからなる着信時発信者表示120を表示すると共に、使用者が選択可能な複数の応答種別のフォルダのアイコン121〜123を表示する。また、電話端末1は、電話帳データから、佐藤次郎氏について設定されている応答種別が「用件録音」であることを確認する。
【0073】
そして、電話端末1は、応答メッセージ記憶部110Mに記憶されている応答種別「用件録音」についての応答時間の時間計測を開始して応答メッセージの送出待ちの状態となる。
【0074】
図8(A)の例では、この応答時間の間に、電話端末1の使用者は、表示画面117D上のタッチパネル118において、指を着信時発信者表示120から「用件録音」のフォルダのアイコン123にスライド移動させて、着信を「用件録音」のフォルダに格納する操作をする。
【0075】
すると、電話端末1は、応答時間の経過を待つことなく即座に自動応答して通話路を生成し、応答メッセージ記憶部110Mから応答種別「用件録音」に対応する応答メッセージを読み出して、着信をしてきた佐藤次郎氏の電話端末宛に送信する。そして、佐藤次郎氏からの音声メッセージを録音して、「用件録音」のフォルダの当該佐藤次郎氏の着信に対応付けて、その録音メッセージを保持する。そして、電話端末1は、佐藤次郎氏からの切断を待って通話路を切断して、この着信シーケンスを終了する。
【0076】
この図8(A)の例の場合には、使用者が手動操作しなくても、電話帳に設定されている応答種別は「用件録音」であったので、同じ着信応答方法で着信に応答することができるが、手動操作をすることにより、応答時間の経過を待つことなく、同じ応答メッセージが送出されることになる。
【0077】
次に、後半の図8(B)の場合のシーケンス例について説明する。この例も、留守番モードにおいて、電話帳に電話番号「09088889999」として登録されている佐藤次郎氏からの着信を受けた場合であり、着信を受けてから、応答メッセージの送出待ちの状態になるまでは、図8(A)の場合と全く同様である。
【0078】
図8(B)の例では、応答時間の間に、電話端末1の使用者は、表示画面117D上のタッチパネル118において、指を着信時発信者表示120から「会議」のフォルダのアイコン122にスライド移動させて、着信を「会議」のフォルダに格納する操作をする。
【0079】
すると、電話端末1は、応答時間の計測を終了させて、即座に自動応答して通話路を生成し、応答メッセージ記憶部110Mから応答種別「会議」に対応する応答メッセージを読み出して、着信をしてきた佐藤次郎氏の電話端末宛に送信する。そして、佐藤次郎氏からの切断を待って通話路を切断して、この着信シーケンスを終了する。
【0080】
以上のように、使用者は、自分が電話帳に設定した応答種別に関係なく、表示画面117Dに表示されている複数個のフォルダアイコンのうちから、当該着信時点において、自分が選択したい着信応答方法のフォルダアイコンを選択操作することにより、選択した着信応答方法で着信に対する応答ができる。
【0081】
[第1の実施形態の変形例]
なお、上述の例では、応答種別の「未応答」は、使用者が選択することができる応答種別とはしなかったが、この応答種別の「未応答」(自動応答方法ではない)のアイコンをも表示画面117Dに表示して、使用者が選択することができるようにしてもよい。そして、「未応答」を選択した場合には、留守番モードであっても着信に応答するフックボタンを表示するようにして、当該着信に使用者が応答操作することができるようにしてもよい。そのようにすれば、例えば着信の発信者を着信時発信者表示120から認識した使用者が、「未応答」を選択して応答時間をかせぎ、場所を移動するなどした後、フックボタンを選択するようにすることで、自動応答メッセージで対応せずに、自分で着信に応答するようにすることができる。
【0082】
また、以上の例では、使用者が表示画面117Dに表示されている複数個のフォルダアイコンのうちから、選択したい着信応答方法のフォルダアイコンを選択すると、即座に選択された応答メッセージを送出するようにしたが、選択された応答メッセージに対応して設定されている応答時間の経過後に、応答メッセージを送出するようにしてもよい。
【0083】
[第2の実施形態]
上述した第1の実施形態では、電話端末1は留守番モードに設定されているときに、設定されている複数の応答種別(着信応答方法)で応答するようにしており、「未応答」という自動応答方法でない着信応答方法も含むが、着信に対してオフフックして「通話」を開始するようにする着信応答方法は、考慮していない。
【0084】
この第2の実施形態の電話端末では、着信に対してオフフックして「通話」を開始するようにする着信応答方法も、着信に対する応答種別(着信応答方法)の一つとして選択することができるようにする。したがって、この第2の実施形態では、電話端末は、留守番モードを備える必要はない。そして、この第2の実施形態の電話端末は、全ての着信に対して、通話のためのオフフック操作による応答および未応答の応答種別の他、自動着信後の応答メッセージ送出からなる自動着信応答による複数種の応答種別の中の一つにより、着信応答することを可能にする。
【0085】
この第2の実施形態の電話端末についても、第1の実施形態と同様に、スマートフォンと呼ばれる携帯電話端末の場合の例を以下に説明する。
【0086】
この第2の実施形態の電話端末のハードウエア構成例は、前述の図1に示した構成と同様である。そこで、以下の説明において、第1の実施形態の構成と同一部分については、同一の参照符号を用いて説明することとする。
【0087】
この第2の実施形態においては、電話帳記憶部109Mに記憶する電話帳データとしては、応答種別の設定データは不要とされる。また、応答メッセージ記憶部110Mの記憶データについても、応答種別毎の応答メッセージに対応する応答時間のデータも不要とされる。
【0088】
そして、この第2の実施形態の電話端末2においては、着信応答方法選択手段の例としてのタッチパネル118付きの表示画面117Dには、図9に示すように、自動応答方法である「拒否」、「会議」、「用件録音」の応答種別のフォルダアイコン121,122,123に加えて、着信に対するオフフック操作(着信応答操作)をイメージしたオフフックアイコン125を、選択可能な着信応答方法の選択肢の一つとして表示する。
【0089】
すなわち、この第2の実施形態の電話端末2においては、着信があると、常に、図9の表示画面117Dに示すような、着信応答方法選択手段としての操作画面が表示される。この場合、図5のフローチャートにおける、着信時に電話端末が留守番モードの状態であるか否かを判断するステップS3は不要であり、着信を検出すると、即座に図9のような着信応答方法選択のための操作画面が表示される。
【0090】
使用者は、表示画面117Dの着信時発信者表示120を参照して着信の発信者を知り、希望する着信応答方法を、フォルダアイコン121,122,123およびオフフックアイコン125のうちから選択して、その着信応答方法を選択指定する操作をする。すなわち、使用者は、着信に応答操作をして、通話をするときには、オフフックアイコン125を選択する操作をする。このときの着信の履歴は、応答種別「通話」の履歴フォルダに格納される。
【0091】
また、通話をせずに、応答メッセージを用いた自動応答方法を選択したいときには、使用者は、フォルダアイコン121,122,123のうちの希望するフォルダアイコンを選択操作する。この選択操作により、第1の実施形態と同様にして、使用者は、着信時の状況や要望に応じた着信応答方法を選択して着信応答することができる。
【0092】
なお、上述した第1の実施形態の場合には、着信の発信者が電話帳に登録されていないときには、自動応答して拒否の応答メッセージを送出するようにした。しかし、この第2の実施形態では、着信の発信者が電話帳に登録されていない場合であっても、使用者による選択操作に従った着信応答方法(通話のためのオフフック操作による着信応答方法も含む)で着信応答することができる。
【0093】
また、この第2の実施形態の電話端末2においては、留守番モードを有していなくても、応答種別「用件録音」による着信応答方法を使用者が選択することで、自動応答して、用件録音を告げる応答メッセージを送出した後、相手からのメッセージを録音することができる。
【0094】
[第2の実施形態の変形例]
上述の第2の実施形態では、電話端末は、留守番モードを備えない場合として説明した。しかし、第2の実施形態においても、留守番モードを備えるようにしても良い。その場合には、第1の実施形態と同様に、電話帳には、発信者毎に応答種別を登録するようにすると共に、応答メッセージについては応答時間を設定するようにしておく。
【0095】
そして、その変形例の場合の電話端末においては、留守番モードを設定していない状態では、上述の第2の実施形態で説明した着信処理動作により着信応答処理を行なう。一方、留守番モードを設定した状態においては、前述した第1の実施形態で説明した留守番モードにおける着信処理動作により着信応答処理をするように構成する。
【0096】
上述の第2の実施形態の変形例によれば、電話帳に登録されていない発信者に対しては、留守番モードが設定されているか否かにより、使用者のそのときの状況や要望を反映した着信応答ができる。すなわち、電話端末に留守番モードを設定していないときには、電話帳に登録されていない発信者からの着信に応答して通話をすることもできるし、選択した自動応答方法による着信応答方法で着信応答することもできる。また、留守番モードを設定したときには、電話帳に登録されていない発信者からの着信に対して、予め定めたデフォルトの「拒否」の応答種別の応答メッセージによる自動応答方法で着信応答することができる。
【0097】
また、上述の第2の実施形態では、着信に対しては、常に着信応答方法の選択操作をする必要があるが、第2の実施形態の変形例においては、電話端末を留守番モードに設定することにより、選択操作をしなくても、デフォルトの応答種別の応答メッセージや電話帳に登録された応答種別の応答メッセージで着信応答することができる。
【0098】
[第3の実施形態]
以上の第1および第2の実施形態は、単独で使用される電話端末の場合であったが、この発明は、1個あるいは複数個の電話端末と主装置とからなる電話システムにも適用することができる。第3の実施形態は、電話システムの場合の一例である。
【0099】
図10は、この第3の実施形態の電話システムの概略の全体構成例を示す図である。すなわち、この実施形態の電話システムは、公衆電話網や光電話網などを含む通信ネットワーク4に接続される主装置3と、複数個の電話端末51,52,・・・,5n(nは2以上の整数)とからなる。
【0100】
主装置3と複数個の電話端末51,52,・・・,5nとは、この例では、無線LAN6により接続されている。複数個の電話端末51,52,・・・,5nは、主装置3による呼制御を受けて、無線LAN6を通じて内線通話をすることができる。なお、複数個の電話端末51,52,・・・,5nは、全て同じ構成を備えるので、それぞれを区別して説明する必要がないときには、電話端末5と記載するものとする。
【0101】
[主装置3のハードウエア構成例]
図11は、この実施形態の主装置3のハードウエア構成例を示す図である。この例の主装置3は、マイクロコンピュータで構成される制御部301を備える。そして、主装置3においては、制御部301が、システムバス300を通じて、通信ネットワークインターフェース302、無線LANインターフェース303、受信信号処理部304、送信信号処理部305、システム電話帳管理部306、内線端末管理部307、拒否応答メッセージ送出部308、のそれぞれと接続されている。
【0102】
通信ネットワークインターフェース302は、通信ネットワーク4に接続して相手と通信をするためのインターフェースであり、受信信号は受信信号処理部304に転送し、送信信号処理部305からの送信信号を通信ネットワーク4に送出する。無線LANインターフェース303は、無線LAN6を通じて電話端末5のそれぞれと通信するためのインターフェースであり、受信信号は受信信号処理部304に転送し、送信信号処理部305からの送信信号を指定された電話端末5に送信する。
【0103】
受信信号処理部304は、通信ネットワークインターフェース302を通じて受信した通信情報を解析して、呼制御メッセージや通話信号をデコードし、システムバス300に送出する。受信信号処理部304は、また、無線LANインターフェース303を通じて電話端末5から受信した通信情報を解析して、呼制御メッセージや通話信号をデコードし、システムバス300に送出する。
【0104】
送信信号処理部305は、制御部301の制御の下、通信ネットワークインターフェース302を通じて送信する信号や、無線LANインターフェース303を通じて送信する信号を生成する。
【0105】
システム電話帳管理部306は、システム電話帳記憶部306Mを備える。このシステム電話帳記憶部306Mには、例えば図12に示すように、発信者の電話番号と、その発信者を認識するための前述した発信者認識情報との対応テーブルである電話帳のデータが記憶されている。この第3の実施形態では、システム電話帳には、応答種別は設定されない。
【0106】
内線端末管理部307は、無線LAN6を通じて接続される複数個の内線端末としての電話端末5の状態を、記憶部(図示は省略)に記憶する内線端末管理テーブルに登録して管理する。図13は、内線端末管理テーブルの一例を示すもので、複数個の電話端末5のそれぞれに対して割り当てられている内線番号と、それぞれの電話端末5のそのときの状態、例えば空き、通話中、着信中、留守番モードなどの状態、との対応が記録される。
【0107】
主装置3は、呼制御に基づき、各電話端末5が空き状態か、通話中状態か、着信中か、などを検出して、内線端末管理テーブルに、それぞれの状態を登録する。また、電話端末5から「会議中状態」などの留守番モードとすべき状態の状態通知を受け取ったときには、その電話端末5は、留守番モードとして管理する。
【0108】
拒否応答メッセージ送出部308は、前述の応答種別「拒否」に対応する応答メッセージを送出する。この第3の実施形態では、後述するように、留守番モードになっている内線の電話端末5に対して外線着信があったときに、その着信の発信者がシステム電話帳に登録されていないときには、内線の電話端末5に着信を通知することなく、主装置3が自動応答して、応答種別「拒否」の応答メッセージを、発信者に送信するようにする。拒否応答メッセージ送出部308は、その際に、応答種別「拒否」の応答メッセージを送出するためのものである。
【0109】
なお、図11において、受信信号処理部304、送信信号処理部305、システム電話帳記憶部306Mを除くシステム電話帳管理部306、内線端末管理部307、応答メッセージ送出部308の各部は、制御部301がソフトウエア処理による機能ブロックの構成とすることもできる。
【0110】
[電話端末5のハードウエア構成例]
図14は、第3の実施形態の場合の電話端末5のハードウエア構成例を示す図である。この例の電話端末5は、図1に示した第1の実施形態の電話端末1とほぼ同様のハードウエア構成を有するもので、説明を簡略化するために、100番台の参照符号を付した電話端末1の構成部分と同じ構成部分には、500番台の参照符号を付して示してある。
【0111】
電話端末1とこの例の電話端末5との違いを説明すると、電話端末1の無線電話通信部102の代わりに、電話端末5では、無線LAN6に接続するための無線LANインターフェース502がシステムバス500に接続されて設けられると共に、電話帳管理部109は備えない。
【0112】
そして、第3の実施形態の電話端末5では、使用者が「会議中状態」などの状態通知の入力操作をすると、モード管理部512において、自端末の状態を「会議中モード(留守番モード)」にすると共に、「会議中状態」の状態通知を主装置3に送る機能を備える。
【0113】
そして、電話端末1では直接に通信ネットワークの基地局を通じて通信を行なったのに対して、電話端末5においては、主装置3に対して無線LAN4を通じて通信を行う点が異なる。電話端末5のその他の動作は、前述した電話端末1と同様である。
【0114】
[電話端末5の留守番モード管理について]
図15は、主装置3の内線端末管理部307における各内線の電話端末5の留守番モードの状態管理のための処理の流れの例を示すフローチャートである。ここでは、内線端末管理部307が、制御部301のソフトウエア処理による機能ブロックとされた場合として説明する。
【0115】
すなわち、主装置3の制御部301は、無線LAN4を介して電話端末5のいずれかから、「会議中」の状態通知を受信したか否か判別する(ステップS201)。このステップS201で、「会議中」の状態通知を受信したと判別したときには、制御部301は、当該「会議中」の状態通知に含まれる内線の電話端末5の識別情報から、電話端末51,52,・・・,5nのいずれの電話端末からの状態通知であるかを認識し、内線端末管理テーブルにおいて、認識した電話端末の内線番号に対応して「会議中(留守番モード)」を登録する(ステップS202)。そして、この処理ルーチンを終了する。
【0116】
また、ステップS201で、「会議中」の状態通知を受信してはいないと判別したときには、制御部301は、無線LAN4を介して電話端末5のいずれかから、「会議中解除」の状態通知を受信したか否か判別する(ステップS203)。このステップS203で、「会議中解除」の状態通知を受信してはいないと判別したときには、制御部301は、その他の処理を行う(ステップS204)。
【0117】
また、ステップS203で、「会議中解除」の状態通知を受信したと判別したときには、制御部301は、当該「会議中解除」の状態通知に含まれる内線の電話端末5の識別情報から、電話端末51,52,・・・,5nのいずれの電話端末からの状態通知であるかを認識し、内線端末管理テーブルにおいて、認識した電話端末の内線番号に対応する状態を、「会議中(留守番モード)」から、「空き」を変更登録する(ステップS205)。そして、この処理ルーチンを終了する。
【0118】
図16は、図15の主装置での処理に対応する電話端末5における処理の流れを説明するためのフローチャートである。この例は、電話端末5の制御部501が、モード管理部512の処理機能をソフトウエア処理機能として実行する場合である。
【0119】
すなわち、制御部501は、タッチパネル518を通じて「会議中」の状態設定入力があったか否か判別し(ステップS211)、「会議中」の状態設定入力があったと判別したときには、主装置3に「会議中」の状態通知を送信する(ステップS212)。そして、制御部501は、自端末を「会議中モード(留守番モード)」の状態にし(ステップS213)、この処理ルーチンを終了する。
【0120】
また、ステップS211で、「会議中」の状態設定入力はされていないと判別したときには、制御部501は、タッチパネル518を通じて「会議中解除」の状態設定入力があったか否か判別し(ステップS214)、「会議中解除」の状態設定入力がなされていないと判別したときには、その他の処理を行う(ステップS215)。
【0121】
そして、ステップS214において、「会議中解除」の状態設定入力があったと判別したときには、制御部501は、主装置3に「会議中解除」の状態通知を送信する(ステップS216)。そして、制御部501は、自端末の「会議中モード(留守番モード)」を解除し(ステップS217)、この処理ルーチンを終了する。
【0122】
[着信に対する応答の処理動作例]
<主装置3の処理動作例>
図17および図18は、この第3の実施形態における主装置3での着信処理の動作の流れの例を示すフローチャートである。また、図19および図20は、この第3の実施形態における電話端末5での着信処理の動作の流れの例を示すフローチャートである。
【0123】
先ず、主装置3での着信処理の動作の流れの例について説明する。この例においては、主装置3の制御部301が、受信信号処理部304、送信信号処理部305、システム電話帳記憶部306Mを除くシステム電話帳管理部306、内線端末管理部307、応答メッセージ送出部308の各部をソフトウエア処理機能として実行する場合として説明する。
【0124】
制御部301は、通信ネットワークインターフェース302の受信信号を監視して、着信を受信したか否か判別する(ステップS301)。このステップS301で、着信の受信を検知しなかったときには、制御部301は、その他の処理を行う(ステップS302)。
【0125】
また、ステップS301で、着信の受信を検知したときには、制御部301は、例えばダイヤルインによる電話端末5への個別着信であるか否か判別する(ステップS303)。ステップS303で、個別着信ではなく、電話システム全体あるいは複数個の電話端末5が複数グループに分けられていて、その複数グループのうちの一つへの着信であると判別したときには、制御部301は、それらのシステム全体に対する着信やグループ単位の着信についての通常の処理を実行する(ステップS304)。
【0126】
そして、ステップS303で、個別着信であると判別したときには、制御部301は、着信先の内線の電話端末5については、会議中モード(留守番モード)であるか否か判別し(ステップS305)、会議中モード(留守番モード)でないと判別したときには、個別着信についての通常の処理を実行する(ステップS306)。
【0127】
ステップS305で、着信先の電話端末5が会議中モード(留守番モード)の状態であると判別したときには、制御部301は、システム電話帳記憶部306Mのシステム電話帳データを検索し(ステップS307)、着信の発信者のデータが存在するか否か、すなわち、発信者はシステム電話帳に登録されているか否か判別する(ステップS308)。
【0128】
このステップS308で、発信者がシステム電話帳に登録されていないと判別したときには、制御部301は、電話端末5に着信通知をすることなく、着信に対して自動応答して主装置3と着信の発信者側との間の通話路を生成し(ステップS309)、拒否応答メッセージ送出部308から応答種別の「拒否」の応答メッセージを送出させて、生成した通話路を通じて発信者に送信する(ステップS310)。そして、制御部301は、生成した通話路を切断する処理をし(ステップS311)、この処理ルーチンを終了する。
【0129】
ステップS308で、発信者がシステム電話帳に登録されていると判別したときには、制御部301は、発信者の電話番号を含む着信通知を着信先の電話端末5に通知する(図18のステップS321)。次いで、制御部301は、システム電話帳記憶部306Mから発信者認識情報(例えば名前)を読み出して、着信先の電話端末5に通知する(ステップS322)。
【0130】
次に、制御部301は、着信先の電話端末5から着信応答通知を受信するのを待ち(ステップS323)、このステップS323で、着信応答通知の受信を判別したら、着信の相手に対して応答通知を送って、電話端末5と着信の発信者側との間の通話路を生成する(ステップS324)。そして、制御部301は、発信者側からの切断通知を待ち(ステップS325)、発信者側からの切断通知を確認したら、電話端末5に切断通知をすると共に、生成した通話路を切断する処理をし(ステップS326)、この処理ルーチンを終了する。
【0131】
<電話端末5の処理動作例>
次に、電話端末5での着信処理の動作の流れの例について図19および図20のフローチャートを参照して説明する。この例は、電話端末5の制御部501が、受信信号処理部503、送信信号処理部504、表示情報生成部508、応答メッセージ記憶部510Mを除く応答メッセージ送出部510、モード管理部512の各機能部を、ソフトウエア処理機能として構成する場合の例である。
【0132】
制御部501は、無線LANインターフェース502を通じて得た受信信号を監視して、主装置3からの着信通知を受信したか否か判別する(ステップS331)。このステップS331で、着信通知を受信していないと判別したときには、制御部501は、その他の処理を行う(ステップS332)。また、ステップS331で、着信通知を受信したと判別したときには、制御部501は、着信音を発したり、マナーモードであればバイブレータにより振動させたりして、使用者に対する着信の報知を実行する(ステップS333)。
【0133】
次に、制御部501は、電話端末5が会議中モード(留守番モード)であるか否か判別し(ステップS334)、会議中モード(留守番モード)でなければ、通常の着信処理ルーチンを実行する(ステップS335)。
【0134】
ステップS334で、電話端末5が会議中モード(留守番モード)であると判別したときには、制御部501は、ディスプレイ517の表示画面に、着信通知に含まれる電話番号と主装置3から送られてくる発信者認識情報とを用いて生成した表示情報による着信時発信者表示120を表示すると共に、使用者が選択可能な複数の応答種別のフォルダのアイコン121〜123を表示する(ステップS336)。
【0135】
次に、制御部501は、使用者によるフォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作があったか否か判別する(ステップS337)。このステップS337で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作がなされたと判別したときには、制御部501は、着信応答を主装置3に通知し(ステップS338)、選択指定された応答種別の応答メッセージを、応答メッセージ記憶部510Mから読み出して、主装置3により生成された通話路を通じて着信の発信者に送信する(ステップS339)。
【0136】
次に、制御部501は、着信に対して送出された応答メッセージの応答種別は、「用件録音」であるか否か判別する(図20のステップS351)。このステップS351で、「用件録音」であると判別したときには、制御部501は、通話路を通じて送られてくる着信の発信者からの音声メッセージの録音処理を実行して、音声メッセージを「用件録音」のフォルダの着信リストに対応付けて記憶する(ステップS352)。次に制御部501は、主装置3からの切断通知を受信したか否か判別し(ステップS353)、受信していなければ、ステップS352に戻って着信の発信者からの音声メッセージの録音処理を継続する。そして、ステップS353で、切断通知を受信したと判別したときには、切断処理を実行し(ステップS354)、この処理ルーチンを終了する。
【0137】
また、ステップS351で、「用件録音」ではないと判別したときには、制御部501は、応答メッセージの送出完了後、切断処理を実行し(ステップS354)、この処理ルーチンを終了する。
【0138】
また、ステップS337で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作がなされていないと判別したときには、制御部501は、予め定められた所定時間が経過したか否か判別する(ステップS340)。ここで、この所定時間は、使用者が着信に応答しない、あるいは応答できないことを確認できる程度の時間とされ、例えば10秒程度とされる。
【0139】
ステップS340で、所定時間が経過していないと判別したときには、制御部501は、処理をステップS337に戻してこのステップS337以降の処理を繰り返す。また、ステップS340で、所定時間が経過したと判別したときには、制御部501は、着信の自動応答を主装置3に送り(ステップS341)、応答メッセージ記憶部510Mから応答種別「拒否」の応答メッセージを読み出して、主装置3により生成される通話路を通じて着信の相手方に送信する(ステップS342)。そして、制御部501は、応答メッセージの送出完了後、切断処理を実行し(ステップS343)、この処理ルーチンを終了する。
【0140】
次に、図21のシーケンス図を参照しながら、第3の実施形態における具体的な着信応答処理例を説明する。
【0141】
先ず、使用者は、自分の電話端末例えば電話端末51に対してタッチパネル518を通じて「会議中」の状態設定入力操作を行う。すると、この「会議中」の状態設定入力を受けた電話端末51は、「会議中モード(留守番モード)」になると共に、主装置3に「会議中」の状態通知を送る。すると、主装置3は、内線端末管理テーブルにおいて、当該電話端末51の状態を「会議中モード(留守番モード)」にする。
【0142】
そして、前半の図21(A)のシーケンス例は、上記の状態において、システム電話帳に電話番号「09088889999」として登録されている佐藤次郎氏からの着信を主装置3が受けた場合である。
【0143】
すなわち、主装置3は、佐藤次郎氏からの着信を受けると、その着信時の発電話番号によりシステム電話帳データを検索して、着信の発信者がシステム電話帳に登録されていることを検出すると共に、発信者認識情報として佐藤次郎氏の名前を検出する。そして、主装置3は、着信の宛先の電話番号から、着信の宛先が電話端末51であることを検出すると共に、内線端末管理テーブルを参照して、電話端末51が「会議中モード(留守番モード)」であることを認識する。
【0144】
そして、主装置3は、着信の発信者がシステム電話帳に登録されていることから、その着信通知を、その宛先である電話端末51に通知する。また、主装置3は、システム電話帳から検出した発信者認識情報として佐藤次郎氏の名前を電話端末51に通知する。
【0145】
主装置3からの通知を受けた電話端末51では、ディスプレイ517の表示画面に、発電話番号と佐藤次郎氏の名前とからなる着信時発信者表示120を表示すると共に、使用者が選択可能な複数の応答種別のフォルダのアイコン121〜123を表示する。そして、電話端末51では、予め定めた所定時間(ステップS340参照)の計測を開始する。
【0146】
図21(A)の例では、前記所定時間の間に、電話端末51の使用者は、ディスプレイ517の表示画面のタッチパネル518において、指を着信時発信者表示120から「用件録音」のフォルダのアイコン123にスライド移動させて、着信を「用件録音」のフォルダに格納する操作をする。
【0147】
すると、電話端末51は、前記フォルダの選択操作に基づき、自動応答の通知を主装置3に送る。主装置3は、自動応答の通知を受けて、着信の発信者側に応答通知を送って電話端末51と着信の発信者側との間の通話路を生成する。その後、電話端末51は、応答メッセージ記憶部510Mから応答種別「用件録音」に対応する応答メッセージを読み出して、生成された通話路を通じて着信をしてきた佐藤次郎氏の電話端末宛に送信する。
【0148】
そして、電話端末51は、生成された通話路を通じて送られてくる佐藤次郎氏からの音声メッセージを録音して、「用件録音」のフォルダの当該佐藤次郎氏の着信に対応付けて、その録音メッセージを保持する。そして、主装置3は、佐藤次郎氏からの切断通知を受け取ると、当該切断通知を電話端末51に送って通話路を切断して、この着信シーケンスを終了する。
【0149】
次に、後半の図21(B)の場合のシーケンス例について説明する。この例も、電話端末51が「会議中モード(留守番モード)」になっていて、主装置3は、内線端末管理テーブルにおいて、当該電話端末51の状態を「会議中モード(留守番モード)」にしていることが前提である。この前提において、図21(B)の例は、システム電話帳に登録されていない電話番号の発信者Aから、電話端末51宛ての着信があった場合である。
【0150】
この図21(B)の例の場合においては、主装置3は、着信を受けると、その着信時の発電話番号によりシステム電話帳データを検索して、着信の発信者Aがシステム電話帳に登録されていないことを認識する。そして、主装置3は、着信の宛先の電話番号から、着信の宛先が電話端末51であることを検出すると共に、内線端末管理テーブルを参照して、電話端末51が「会議中モード(留守番モード)」であることを認識する。
【0151】
そして、主装置3は、着信の宛先の電話端末51が「会議中モード(留守番モード)」であり、且つ、着信の発信者Aがシステム電話帳に登録されていないことに基づいて、当該着信を電話端末51に通知することはしない。そして、主装置3は、着信の発信者Aの電話端末に対して自動応答して主装置3と着信の発信者Aとの間の通話路を生成し、拒否応答メッセージ送出部308から、応答種別「拒否」の応答メッセージを読み出して、生成した通話路を通じて発信者A側に送信する。そして、主装置3は、通話路を切断する処理を行う。
【0152】
以上のようにして、この第3の実施形態の電話システムにおいても、電話端末5の使用者は、着信の発信者を着信時発信者表示120により確認しながら、そのときの状況や要望に応じた着信応答方法で着信応答することができる。
【0153】
そして、この第3の実施形態の場合には、システム電話帳に着信の発信者が登録されていないときには、「会議中モード(留守番モード)」に設定されている電話端末5には、着信通知をすることなく、主装置3が自動応答して、応答メッセージを送出するようにしている。このため、会議中モード(留守番モード)に設定している電話端末5の使用者は、システム電話帳に登録されていない、特段重要でない発信者からの着信通知により煩わされることがない。
【0154】
また、上述の第3の実施形態においては、主装置3のみがシステム電話帳を備え、着信時の発信者認識情報を各電話端末5に通知するようにしているので、電話端末5のそれぞれは電話帳を備える必要がない。
【0155】
[第3の実施形態の変形例]
なお、上述の第3の実施形態では、「会議中モード(留守番モード)」に設定されている電話端末5に着信があったときに、使用者が、所定時間、応答種別の選択の操作をしなかったときには、電話端末5が自動応答して、応答種別「拒否」の応答メッセージを送出するようにした。しかし、主装置3が、電話端末5に代わって、「会議中モード(留守番モード)」に設定されている電話端末5に着信通知した後の時間経過を計測して、所定時間の経過を確認したら、自動応答して、応答種別「拒否」の応答メッセージを送出するようにしても良い。
【0156】
また、着信時の発信者認識情報は、主装置3が各電話端末5に通知するようにしたが、電話端末5のそれぞれが電話帳を備えることで、着信通知に含まれる発電話番号に基づいて、電話端末5のそれぞれが発信者認識情報を取得し、着信時発信者表示を行うようにすることもできる。
【0157】
また、上述の第3の実施形態の例は、電話端末5として、上述した留守番モードを有する第1の実施形態の電話端末1を用いた場合に相当する。しかし、第3の実施形態は、会議中モード(留守番モード)を有しない第2の実施形態の電話端末2の機能を、電話端末5に適用するように構成することもできる。
【0158】
そのように構成した場合には、電話端末5から主装置3への会議中の状態通知は不要であり、主装置3は、電話端末5について「会議中モード(留守番モード)」であるか否かを管理する必要はない。また、その場合には、主装置3は、システム電話帳に登録されていない発信者からの着信であっても、全て電話端末5に着信通知をする必要があるので、システム電話帳に着信の発信者が登録されているかどうかに応じて電話端末5に着信を通知するかどうかを判定する機能手段を備える必要はない。また、その場合には、電話端末5から、着信の発信者に対して全ての応答メッセージを送出するようにするので、主装置3は、拒否応答メッセージの送出機能手段を備える必要はない。
【0159】
さらに、第3の実施形態は、前述した留守番モードをも有する第2の実施形態の電話端末2を、電話端末5とするようにしても良い。その場合には、電話端末5を留守番モードで使用するときは、上述の第3の実施形態の説明と同様の処理動作となる。
【0160】
[第4の実施形態]
上述の第3の実施形態では、電話端末5のそれぞれが応答メッセージ記憶部511Mを有する応答メッセージ送出部510を備え、電話端末5から応答メッセージを着信してきた発信者に送信するようにした。また、上述の第3の実施形態では、電話端末5のそれぞれが、応答種別「用件録音」で応答メッセージを送出したことに対応して送られてくる相手からのメッセージを録音して保持するようにしている。そのため、複数の電話端末5のそれぞれが、重複して応答メッセージ送出部510や用件録音機能および用件録音用の記憶部を備える必要があり、コスト高となる。
【0161】
第4の実施形態は、この問題点を解決した第3の実施形態の電話システムの改良実施形態である。すなわち、図示は省略するが、第4の実施形態の電話システムにおいては、主装置3´は、図11のハードウエア構成に加えて、応答メッセージ記憶部を有する応答メッセージ送出部を備えると共に、用件録音機能および用件録音用の記憶部を備える。また、この第4の実施形態の電話端末5´は、図14のハードウエア構成において、応答メッセージ送出510(留守録音機能を含む)を削除したものとなる。なお、用件録音用の記憶部は、内線の電話端末5´のそれぞれ毎の留守番録音フォルダを備えていて、各電話端末5´毎にメッセージを記憶するようにする。
【0162】
次に、この第4の実施形態における主装置3および電話端末5´の処理動作について説明する。先ず、主装置3の着信処理動作について説明する。
【0163】
この第4の実施形態においても、システム電話帳に登録されていない発信者からの着信についての処理は、第3の実施形態について図17に示したフローチャートと全く同一であるので、ここではその説明は省略する。この第4の実施形態では、図17のステップS308で、着信の発信者がシステム電話帳に登録されていると制御部301が判断した場合の処理が、第3の実施形態と異なり、図22に示すような処理例となる。
【0164】
すなわち、図17のステップS308で、着信の発信者がシステム電話帳に登録されていると判別したときには、制御部301は、発信者の電話番号を含む着信通知を着信先の電話端末5´に通知する(図22のステップS401)。次いで、制御部301は、システム電話帳記憶部306Mから発信者認識情報(例えば名前)を読み出して、着信先の電話端末5´に通知する(ステップS402)。
【0165】
次に、制御部301は、着信先の電話端末5´から応答種別の選択指定指示を受信したか否か判別し(ステップS403)、応答種別の選択指定指示を受信してはいないと判別したときには、予め定められた所定時間が経過したか否か判別する(ステップS404)。このステップS404で、所定時間が経過してはいないと判別したときには、制御部301は、処理をステップS403に戻し、このステップS403以降の処理を繰り返す。
【0166】
ステップS404で、所定時間が経過したと判別したときには、制御部301は、着信に対して自動応答して主装置3´と着信の発信者側との間の通話路を生成し(ステップS405)、拒否応答メッセージ送出部308から応答種別の「拒否」の応答メッセージを送出させて、生成した通話路を通じて発信者に送信する(ステップS406)。そして、制御部301は、生成した通話路を切断する処理をし(ステップS407)、この処理ルーチンを終了する。
【0167】
また、ステップS403で、着信先の電話端末5´から応答種別の選択指定指示を受信したと判別したときには、制御部301は、着信に対して自動応答して主装置3´と着信の発信者側との間の通話路を生成する(ステップS408)。そして、制御部301は、電話端末5´からの応答種別の選択指定指示により指定された応答メッセージを、応答メッセージ記憶部から読み出して、生成した通話路通じて着信の発信者側に送信する(ステップS409)。
【0168】
次に、制御部301は、着信に対して送出された応答メッセージの応答種別は、「用件録音」であるか否か判別する(ステップS410)。このステップS410で、「用件録音」であると判別したときには、制御部301は、通話路を通じて送られてくる着信の発信者からの音声メッセージの録音処理を実行して、音声メッセージを、着信の識別子と共に、例えば、内線の電話端末5´のそれぞれ毎の留守番録音フォルダに分けて記憶する(ステップS411)。ここで、着信の識別子は、少なくとも、着信日時、着信の発信者を含むものである。
【0169】
次に、制御部301は、着信の発信者からの切断通知を受信したか否か判別し(ステップS412)、受信していなければ、ステップS411に戻って着信の発信者からの音声メッセージの録音処理を継続する。そして、ステップS412で、切断通知を受信したと判別したときには、制御部301は、生成した通話路の切断処理を実行する(ステップS413)。そして、制御部301は、着信の宛先の電話端末5´には、用件の音声メッセージを録音した旨の通知を送り(ステップS414)、その後、この処理ルーチンを終了する。
【0170】
また、ステップS410で、「用件録音」ではないと判別したときには、制御部301は、応答メッセージの送出完了後、生成した通話路の切断処理を実行し(ステップS407)、この処理ルーチンを終了する。
【0171】
次に、第4の実施形態における電話端末5´の着信処理動作例について、図23のフローチャートを参照して説明する。この例は、電話端末5´の制御部501が、受信信号処理部503、送信信号処理部504、表示情報生成部508、モード管理部512の各機能部を、ソフトウエア処理機能として構成する場合の例である。
【0172】
この図23のフローチャートにおいて、ステップS421からステップS426までの処理は、図19のステップS331からステップS336までの処理と同一であるので、ここではその説明は省略する。
【0173】
この第4の実施形態においては、制御部501は、ステップS426で、着信時発信者表示120と、使用者が選択可能な複数の応答種別のフォルダのアイコン121〜123をディスプレイ517の表示画面に表示した後、使用者によるフォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作があったか否か判別する(ステップS427)。このステップS427で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作がなされたと判別したときには、制御部501は、選択指定された応答種別の選択指定指示を主装置3に通知する(ステップS428)。
【0174】
次に、制御部501は、主装置3´からの切断通知の受信を待ち(ステップS429)、切断通知の受信を確認したら、切断処理を実行し(ステップS430)、この処理ルーチンを終了する。
【0175】
また、制御部501は、ステップS427で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作がなされていないと判別したときには、主装置3´からの切断通知を受信したか否か判別し(ステップS431)、切断通知を受信してはいないと判別したときには、処理をステップS427に戻し、このステップS427以降の処理を繰り返す。そして、ステップS431で、主装置3´から切断通知を受信したと判別したときには、制御部501は、切断処理をし(ステップS432)、この処理ルーチンを終了する。
【0176】
なお、使用者により選択指定された応答種別が「用件録音」であったときには、当該電話端末5´には、主装置3´から、前述したように、用件の音声メッセージを録音した旨の通知が送られてくる。この通知を受信した電話端末5´は、ディスプレイ517の表示画面において、録音されたメッセージがある旨の表示をして、使用者に留守録音通知をする。
【0177】
使用者が、この表示画面のタッチパネル518を通じて、録音されたメッセージの再生を指示する操作をすると、電話端末5´は、自端末の内線番号を含む録音メッセージ再生依頼を、主装置3´に送る。
【0178】
主装置3´は、この録音メッセージ再生依頼を受け取ると、依頼してきた電話端末5´に対応する留守番録音フォルダに記憶されている録音メッセージを、依頼してきた電話端末5´に送るようにする。なお、この際、主装置3は、録音メッセージ一覧を最初に電話端末5´に送り、電話端末5´から、そのうちの一つの録音メッセージの指定情報を得たら、その指定された録音メッセージを、電話端末5´に送信するようにする。主装置3´は、電話端末5´からの過去の録音メッセージ再生依頼に基づき、録音メッセージ一覧には、再生済みかどうかのマークを付すようにすることができる。
【0179】
次に、図24のシーケンス図を参照しながら、第4の実施形態における具体的な着信応答処理例を説明する。この図24のシーケンス例においては、図21のシーケンス例と同様に、電話端末51´は、「会議中モード(留守番モード)」に設定されていると共に、主装置3´は、電話端末51´からの「会議中」の状態通知に基づき、内線端末管理テーブルにおいて、当該電話端末51´の状態を「会議中モード(留守番モード)」にしている。
【0180】
そして、この図24のシーケンス例においても、図21の例と同様に、システム電話帳に電話番号「09088889999」として登録されている佐藤次郎氏からの着信を主装置3´が受けた場合である。そして、電話端末51´では、着信を「用件録音」のフォルダに格納する選択指定操作をする。
【0181】
この第4の実施形態の場合には、電話端末51´は、前記フォルダの選択指定操作に基づき、応答種別の選択指定指示、この例では、「用件録音」の選択指定指示、を主装置3´に送る。
【0182】
主装置3´は、この応答種別の選択指定指示を受けて、着信の発信者側に応答通知を送って主装置3´と着信の発信者側との間の通話路を生成する。その後、主装置3´は、応答メッセージ記憶部から応答種別「用件録音」に対応する応答メッセージを読み出して、生成された通話路を通じて着信をしてきた佐藤次郎氏の電話端末宛に送信する。
【0183】
そして、主装置3´は、生成された通話路を通じて送られてくる佐藤次郎氏からの音声メッセージを受信して録音する。そして、その録音メッセージは、電話端末51´の用件録音フォルダに保持する。そして、主装置3´は、佐藤次郎氏からの切断通知を受け取ると、当該切断通知を電話端末51´に送って通話路を切断して、この着信シーケンスを終了する。その後、主装置3´は、着信の宛先の電話端末51´に、用件の音声メッセージを録音した旨の通知(留守録音通知)を送る。
【0184】
電話端末51´では、この留守録音通知に基づく表示をディスプレイ517の表示画面に行う。そして、使用者からのタッチパネル518を通じた録音メッセージの再生の指示操作を受け付けると、電話端末51´は、主装置3´に、録音メッセージ再生依頼を送る。主装置3´は、この録音メッセージ再生依頼に基づいて、録音メッセージを電話端末51´に送る。
【0185】
以上のようにして、この第4の実施形態の電話システムにおいても、電話端末5´の使用者は、着信の発信者を着信時発信者表示120により確認しながら、そのときの状況や要望に応じた着信応答方法で動的に着信応答することができる。そして、この第4の実施形態の場合には、電話端末5´には、応答メッセージ送出部や録音メッセージの録音機能部および記憶部を設けなくても良いという効果がある。
【0186】
[第4の実施形態の変形例]
なお、上述の第4の実施形態では、着信時の発信者認識情報は、主装置3´が各電話端末5´に通知するようにしたが、電話端末5´のそれぞれが電話帳を備えることで、着信通知に含まれる発電話番号に基づいて、電話端末5´のそれぞれが発信者認識情報を取得し、着信時発信者表示を行うようにすることもできる。
【0187】
また、上述の第4の実施形態は、電話端末5´として、上述した第1の実施形態の電話端末1を用いた場合に相当する。しかし、第4の実施形態も、第3の実施形態と同様に、会議中モード(留守番モード)を有しない第2の実施形態の電話端末2の機能を、電話端末5´に適用するように構成することもできる。さらには、第4の実施形態も、第3の実施形態と同様に、前述した留守番モードをも有する第2の実施形態の電話端末2の機能を、電話端末5´に適用するように構成しても良い。
【0188】
[第5の実施形態]
第5の実施形態は、この発明による電話システムのさらに他の例である。この第5の実施形態の例においても、電話端末は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる携帯電話端末と同様の構成を備える。そして、この第5の実施形態では、携帯型の電話端末は、その電源としてのバッテリー(電池)の充電器を通じて、主装置と通信を行うように構成される。そして、この第5の実施形態では、充電器が応答メッセージ送出部を備え、充電器が上述の第4の実施形態と同様に、電話端末からの応答種別の選択指定指示に応じて、応答メッセージを送出するように構成する。
【0189】
図25は、この第5の実施形態の全体のシステム構成の概略を示す図である。この第5の実施形態では、主装置7が通信ネットワーク4に接続されて設けられると共に、この主装置7と、複数個の充電器81,82,・・・,8nとが、無線LAN6を介して通信接続できるように構成されている。
【0190】
充電器81,82,・・・,8nは、携帯型無線電話端末としての電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれ用の充電器であり、予め1:1に対応付けられている。そして、充電器81,82,・・・,8nと電話端末91,92,・・・,9nとは、例えばBluetoothなどを用いた近距離無線通信により、通信接続ができるように構成されている。充電器81,82,・・・,8nは、主装置7と、対応する電話端末91,92,・・・,9nとの間の中継転送装置としての機能を有する。
【0191】
この例の主装置7は、図11の主装置3のハードウエア構成において、システム電話帳管理部306および拒否応答メッセージ送出部308を有しない構成とされている。主装置7の内線端末管理部307は、充電器81,82,・・・,8nと電話端末91,92,・・・,9nとの対応関係も管理している。したがって、例えば、主装置7は、電話端末91宛ての着信を受信すると、その着信通知は、対応関係にある充電器81を通じて、電話端末91に送るようにする。
【0192】
そして、この第5の実施形態では、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれは、留守番モードを有しない第2の実施形態の電話端末2が適用された構成とされる。ただし、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれは、図14の電話端末5のハードウエア構成において、無線LANインターフェース502の代わりに、対応する充電器81,82,・・・,8nのそれぞれと無線接続するための無線通信インターフェースを備える。また、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれは、この例においては、応答メッセージ送出部510は備えず、また、着信フォルダ管理部には留守録音メッセージの記憶部は有しない。その代わりに、この例では、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれは、電話帳記憶部を有する電話帳管理部を備える。
【0193】
この例の充電器81,82,・・・,8nのそれぞれは、一例として、図26に示すようなハードウエア構成を有する。
【0194】
この実施形態の充電器81,82,・・・,8nのそれぞれは、マイクロコンピュータで構成される制御部801を備える。そして、制御部801が、システムバス800を通じて、主装置通信部802、端末通信部803、受信信号処理部804、送信信号処理部805、充電回路806、端末接続検出回路807、応答メッセージ送出部808、メッセージ録音部809、のそれぞれと接続されている。そして、充電回路806および端末接続検出回路807に対して、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれのバッテリー充電端子と接続される充電器コネクタ810が接続されている。
【0195】
主装置通信部802は、無線LAN6を通じて主装置7と通信するための無線LANインターフェースである。端末通信部803は、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれと近距離無線通信するための通信インターフェースである。受信信号処理部804は、主装置7や電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれから受信した信号を解析し、転送する信号は、送信信号処理部805に送り、自充電器で処理すべきものは、制御部801に送って処理させる。
【0196】
送信信号処理部805は、主装置7からの信号を電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれに転送するための送信信号を生成し、端末通信部803を通じて電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれに送信する。また、送信信号処理部805は、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれからの信号を主装置7に転送するための送信信号を生成し、主装置通信部802を通じて主装置7に送信する。
【0197】
充電回路806は、端末接続検出回路807により、充電器コネクタ810に電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれが接続されたことを検知されたときに、制御部801の制御にしたがって、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれに対して充電を実行する。
【0198】
応答メッセージ送出部808は、前述の実施形態と同様に、応答メッセージ記憶部808Mに、例えば前述の図3に示したような複数の応答種別に応じた応答メッセージを格納している。ただし、この例では、応答時間の情報は記憶されていない。
【0199】
そして、応答メッセージ送出部808は、後述するように、制御部801の制御により、電話端末91,92,・・・,9nからの応答種別の選択指定指示に従って応答メッセージを読み出して、応答メッセージとして送出する。
【0200】
メッセージ録音部809は、応答種別「用件録音」の応答メッセージを送出したときに、着信の発信者から送られてくる音声メッセージを録音して保持するためのものである。
【0201】
[第5の実施形態の着信応答方法の説明]
この第5の実施形態における着信応答方法の例を、図27のシーケンス例を参照しながら説明する。
【0202】
この第5の実施形態においては、主装置7は、特定の電話端末宛の着信を検出すると、その着信の宛先の電話端末91,92,・・・,9nのいずれかに、充電器81,82,・・・,8nのそれぞれを通じて着信通知を送る。図27の例では、着信の宛先は電話端末91であり、主装置7は充電器81に着信を転送する。すると、充電器81の制御部801は、着信通知を電話端末91に送る。
【0203】
着信通知を受けた電話端末91は、前述した図9に示すように、そのディスプレイ517の表示画面に、着信時発信者表示120を表示すると共に、使用者が選択可能な応答種別のフォルダのアイコン121,122,123および125を表示する。
【0204】
そして、使用者が、その表示画面において、タッチパネル518を通じて、一つの応答種別のフォルダのアイコンを選択すると、着信通知を受けた電話端末91は、その応答種別の選択指定指示を、対応する充電器81に送る。
【0205】
使用者により選択されたフォルダアイコンが、オフフックアイコン125であるときには、電話端末91は、応答種別「通話」の選択指定指示が充電器81に送る。充電器81は、この応答種別「通話」の選択指定指示を受けると、主装置7に対して着信応答を通知する。したがって、主装置7は、充電器81と着信の発信者側との間の通話路を生成する。したがって、電話端末91の使用者は、発信者と通話をすることができる。
【0206】
一方、図27の例では、応答種別「用件録音」のフォルダのアイコン123が使用者により選択されたので、当該「用件録音」の選択指定指示が、電話端末91から充電器81に送られる。
【0207】
応答種別の選択指定指示を受信した充電器81の制御部801は、主装置7に着信応答(自動応答)を送る。この着信応答に応じて主装置7は、着信の発信者端末と充電器81との間に通話路を生成する。
【0208】
続いて、充電器81の制御部801は、電話端末91の使用者により選択指定された応答種別の応答メッセージを、応答メッセージ記憶部808Mから読み出して、主装置7により生成された通信路を通じて着信の発信者端末に対して送信する。
【0209】
図27の例の場合には、「用件録音」の応答メッセージが着信の発信者に送られるので、着信の発信者からメッセージが送られてくることがある。そこで、充電器81の制御部801は、メッセージ録音部809により着信の発信者から送られてくる音声メッセージを録音して記憶保持する。この録音メッセージ情報は、電話番号や発信者認識情報からなる発信者情報と、着信の日時情報と、対応して記憶される。
【0210】
そして、充電器81は主装置7からの切断通知を受けると、この着信シーケンスを終了する。その後、充電器81は、着信の宛先の電話端末91に、用件の音声メッセージを録音した旨の通知(留守録音通知)を送る。
【0211】
電話端末91では、この留守録音通知に基づく表示をディスプレイ517の表示画面に行う。そして、使用者からのタッチパネル518を通じた録音メッセージの再生の指示操作を受け付けると、電話端末91は、充電器81に、録音メッセージ再生依頼を送る。充電器81は、この録音メッセージ再生依頼に基づいて、録音メッセージを電話端末91に送る。
【0212】
以上のようにして、この第5の実施形態の電話システムにおいても、電話端末の使用者は、着信の発信者を着信時発信者表示120により確認しながら、そのときの状況や要望に応じた着信応答方法で着信応答することができる。そして、この第5の実施形態の場合には、電話端末には、応答メッセージ送出部や録音メッセージの録音機能部および記憶部を設けなくても良いという効果がある。また、電話端末毎に対応する充電器が応答メッセージを送出すると共に、留守録音メッセージを記憶するようにするので、主装置は、電話端末毎の留守録音メッセージの格納管理をする必要はない。
【0213】
[第5の実施形態の変形例]
上述の実施形態では、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれは、第2の実施形態の電話端末2のように留守番モードを有しない場合であったが、第1の実施形態の電話端末1のように、留守番モードを有する電話端末であっても良い。その場合には、電話端末が留守番モードになるときには、対応する充電器に留守番モードを通知するようにする。充電器は、留守番モードの通知を受けたときにのみ、上述の応答処理を行う。
【0214】
また、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれは、第2の実施形態において留守番モードをも備える電話端末の構成とすることができるのは、上述の実施形態と同様である。
【0215】
また、上述の第5の実施形態では、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれが電話帳を備えて、着信時発信者表示をするようにしたが、第3の実施形態のように、主装置7がシステム電話帳を有し、着信の発信者がシステム電話帳にあるときには、発電話番号と共に発信者認識情報を通知するようにしても良い。
【0216】
[他の実施形態および変形例]
なお、上述の実施形態においては、電話端末1,2,51〜5n,91〜9nは、無線電話端末の場合であるが、この発明における電話端末は、無線電話端末に限られるものではなく、有線の電話端末であってもこの発明は適用可能である。
【0217】
また、電話端末1,2,51〜5n,91〜9nは、機械的なボタン操作部を有さない、いわゆるスマートフォンの構成としたが、特に、そのように構成する必要はなく、ボタン操作部を備える電話端末にも適用可能であることは言うまでもない。したがって、この発明の電話システムは、いわゆるボタン電話システムの構成とすることも、勿論できる。
【0218】
また、この発明における電話システムは、IP(Internet Protocol)電話システムの構成であっても良く、その場合には、主装置は、SIP(Session Initiation Protocol)サーバの機能を備えるものとなるものである。
【符号の説明】
【0219】
1,2,51〜5n,91〜9n…電話端末、3,7…主装置、4…通信ネットワーク、81〜8n…充電器
【技術分野】
【0001】
この発明は、電話端末単体における、あるいは電話システムにおける着信応答方法に関する。より詳細には、着信時の電話端末の使用者の状況や要望に応じた動的な着信応答を可能にする発明に関する。
【背景技術】
【0002】
使用者が不在などの場合、留守番モードにすることにより、着信に対して予め定められた固定の応答メッセージを送出する電話端末は一般的に良く知られている。しかし、例えば着信を受けた使用者と発信者との関係の深さの違いなどから、単に着信を拒否するのではなく、メッセージを残してもらいたい、後でこちらから電話をかけ直したい、などの種々の状況が考えられる。しかし、固定の応答メッセージで着信に応答する場合には、そのような発信者に応じた異なる応答メッセージで応答することはできない。
【0003】
そこで、特許文献1(特開平6−125383号公報)や特許文献2(特開平10−215309号公報)には、複数種の応答メッセージを予め用意すると共に、相手の電話番号と応答メッセージとの対応テーブルを用意しておき、留守番モードにおいて受信した着信時の発信電話番号により、前記対応テーブルを参照して、相手に応じた応答メッセージにより着信応答することが開示されている。
【0004】
この特許文献1や特許文献2の技術によれば、留守番モードにおいては、例えば着信を受けた使用者と発信者との関係の深さの違いなどに応じた応答メッセージで着信応答することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−125383号公報
【特許文献2】特開平10−215309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1,2の着信応答方法では、予め発信者に応じて固定的に設定したメッセージで自動応答しているだけであるので、電話端末の使用者の着信時における状況や要望に応じた適切な応答をすることができない。
【0007】
例えば、会議中においては、着信に対しては応答して通話をすることができなくても、着信をしてきた発信者が誰であるかを確認することができる場合があり、そのときの使用者の状況や要望によっては予め設定した固定的な応答のメッセージとは異なるメッセージで着信応答させたい場合も生じる。
【0008】
しかし、着信応答の方法として従来の特許文献1,2の技術を用いた場合には、発信者に応じて予め用意した固定的なメッセージで自動応答することしかできないので、使用者の着信時における状況や要望に応じた着信応答をすることができないという問題がある。
【0009】
この発明は、以上の問題点に鑑み、使用者の着信時における状況や要望に応じて、動的な着信応答をすることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、この発明は、
電話番号と、当該電話番号を発信電話番号として使用する発信者を認識するための発信者認識情報との対応関係からなる電話帳データを記憶する電話帳データ記憶部と、
着信に対する複数種の自動応答メッセージを格納保持する応答メッセージ記憶部と、
着信を検知したときに、発信電話番号により前記電話帳データ記憶部の前記電話帳データを検索して、前記発信電話番号に対応する発信者認識情報により発信者を報知する報知手段と、
前記複数種の自動応答メッセージによる複数種の自動応答を含む複数通りの着信応答のうちの一つの着信応答を選択するための着信応答選択手段と、
前記着信応答選択手段により前記複数種の自動応答メッセージの一つによる着信応答が選択されたときに、前記着信に対して自動応答して、前記応答メッセージ記憶部から前記選択された自動応答メッセージを読み出して、発信者に送出する自動応答メッセージ送出手段と、
を備える電話端末を提供する。
【0011】
また、この発明は、
着信を検知したときに、発信電話番号により記憶部に記憶している電話帳データを検索して、前記発信電話番号に対応する発信者認識情報により発信者を報知すると共に、着信に対する複数種の自動応答メッセージによる複数種の自動応答を含む複数通りの着信応答のうちの一つの着信応答を選択するように促す着信応答選択工程と、
前記着信応答選択工程において、前記複数種の自動応答メッセージの一つによる着信応答が選択されたときに、前記着信に対して自動応答して、応答メッセージ記憶部から前記選択された自動応答メッセージを読み出して、発信者に送出する自動応答メッセージ送出工程と、
を有する着信応答方法を提供する。
【0012】
この発明によれば、着信を受けたときに、報知手段によりその着信の発信者が誰であるかが、使用者に報知される。これに基づき、使用者は、発信者が誰であるかを考慮しながら、着信に対する複数種の自動応答メッセージによる複数種の自動応答を含む複数通りの着信応答のうちから、そのときの使用者の状況に応じた一つの着信応答を選択することができる。そして、その選択された自動応答メッセージが、着信の相手である発信者に送信される。
【0013】
上述のこの発明の着信応答方法は、請求項4〜6のように、主装置と1以上の電話端末からなる電話システムにも適用することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、着信を受けた電話端末の使用者の、そのときの状況や当該着信の発信者が誰であるかなどに応じて、動的に自動応答することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態の電話端末のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の電話端末が有する電話帳データの例を示す図である。
【図3】第1の実施形態の電話端末が備える応答メッセージ記憶部に記憶される応答メッセージの例を示す図である。
【図4】第1の実施形態の電話端末の表示画面の着信を受信したときの表示例を示す図である。
【図5】第1の実施形態の電話端末における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図6】第1の実施形態の電話端末における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図7】第1の実施形態の電話端末における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図8】第1の実施形態の電話端末における着信応答処理のシーケンス例を示す図である。
【図9】この発明による電話端末の第2の実施形態の要部を説明するために用いる図である。
【図10】第3の実施形態の電話システムの全体の概略構成を示す図である。
【図11】第3の実施形態の電話システムを構成する主装置のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図12】第3の実施形態の電話システムを構成する主装置が有するシステム電話帳データの例を示す図である。
【図13】第3の実施形態の電話システムを構成する主装置が備える内線端末管理テーブルの一例を示す図である。
【図14】第3の実施形態の電話システムを構成する電話端末のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図15】第3の実施形態の電話システムを構成する主装置における処理例の流れの一例を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図16】第3の実施形態の電話システムを構成する電話端末における処理例の流れの一例を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図17】第3の実施形態の電話システムを構成する主装置における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図18】第3の実施形態の電話システムを構成する主装置における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図19】第3の実施形態の電話システムを構成する電話端末における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図20】第3の実施形態の電話システムを構成する電話端末における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図21】第3の実施形態の電話システムにおける着信応答処理のシーケンス例を示す図である。
【図22】第4の実施形態の電話システムを構成する主装置における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図23】第4の実施形態の電話システムを構成する電話端末における着信応答処理の流れの一例を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図24】第4の実施形態の電話システムにおける着信応答処理のシーケンス例を示す図である。
【図25】第5の実施形態の電話システムの全体の概略構成を示す図である。
【図26】第5の実施形態の電話システムを構成する充電器のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図27】第5の実施形態の電話システムにおける着信応答処理のシーケンス例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の幾つかの実施形態を、図を参照しながら説明する。
【0017】
[第1の実施形態;電話端末単独の構成]
図1は、この発明による電話端末1の実施形態のハードウエア構成例を示す図である。この実施形態の電話端末1は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる携帯電話端末の構成を備える場合である。
【0018】
この実施形態の電話端末1は、マイクロコンピュータで構成される制御部101を備える。そして、電話端末1においては、制御部101が、システムバス100を通じて、無線電話通信部102、受信信号処理部103、送信信号処理部104、音声インターフェース105、ディスプレイインターフェース106、タッチパネルインターフェース107、表示情報生成部108、電話帳管理部109、応答メッセージ送出部110、着信フォルダ管理部111、モード管理部112、のそれぞれと接続されている。
【0019】
無線電話通信部102は、携帯電話網の基地局を通じて相手と通信をするための無線通信部である。受信信号処理部103は、無線電話通信部102を通じて受信した通信情報を解析して、呼制御メッセージや通話信号をデコードし、システムバス100に送出する。送信信号処理部104は、制御部101の制御の下、無線電話通信部102を通じて送信する送信信号を生成する。
【0020】
音声インターフェース105は、制御部101の制御の下、受信信号処理部103からの受話音声情報を、デジタル信号からアナログ信号に変換し、アンプ113に供給する。アンプ113に供給された受話音声信号はスピーカ114に供給されて音響再生される。音声インターフェース105は、また、マイクロホン115で収音され、アンプ116で増幅された送話音声信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換して、制御部101の制御の下、送信信号処理部104に供給する。
【0021】
ディスプレイインターフェース106には、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなるディスプレイ117が接続される。ディスプレイ117の表示画面には、待ち受け画面などが表示されると共に、送信時の相手の電話番号や着信時の発信者表示および着信応答選択操作画面などが表示される。
【0022】
また、この実施形態では、ディスプレイ117の表示画面上には、タッチパネル118が設けられている。タッチパネル118は、タッチパネルインターフェース107に接続されている。タッチパネルインターフェース107は、タッチパネル118を通じた使用者による操作指示入力を受けて、システムバス100に送出する。
【0023】
そして、この実施形態では、操作ボタンなどの操作入力は、このタッチパネル118を通じて行えるようにされており、ディスプレイ117の表示画面には、必要に応じて操作画面が表示される。この表示画面に表示されたアイコンなどに対して、使用者は、指でタッチ操作したり、指でスライドさせたりする所定の振る舞いをすることにより、所定の操作入力をすることができる。この実施形態では、ディスプレイ117の表示画面に表示される着信応答選択操作画面と、タッチパネル118とにより、着信応答選択手段が構成される。
【0024】
表示情報生成部108は、制御部101の制御により、着信時の表示画面、発信時の表示画面、その他の表示画面の表示情報を生成して、ディスプレイインターフェース106を通じてディスプレイ117に供給する。
【0025】
電話帳管理部109は、電話帳記憶部109Mを備える。電話帳記憶部109Mには、例えば図2に示すように、発信者の電話番号と、その発信者を認識するために使用者により登録された発信者認識情報との対応テーブルである電話帳のデータ(電話帳データ)が記憶されている。発信者認識情報は、使用者が、発信者の名前や名称、所属会社などを設定入力することにより、電話帳データとして記憶される。なお、図2では、発信者認識情報は、簡単のため「名前」と表示している。
【0026】
この実施形態では、電話帳記憶部109Mの電話帳には、図2に示すように、電話端末1が留守番モードとなっているときに、当該電話帳に登録された発信者から着信があったときにどのような着信応答方法で着信に応答するかの種別を示す応答種別が付随して設定可能とされている。したがって、応答種別は着信応答方法に対応するものである。この応答種別は、電話帳に登録する発信者の全てに対して設定する必要はなく、未設定のままであっても良い。
【0027】
応答種別(着信応答方法)としては、この例では、「拒否」、「会議」、「用件録音」、「未応答」の4種が用意されている。そして、「未応答」を除く応答種別のそれぞれに対応して、図3に示すようなメッセージ(応答メッセージ)が、応答メッセージ記憶部110Mに記憶されている。ここで、着信に対して応答メッセージを送出して応答する方法を、自動応答方法ということとする。したがって、この例においては、「未応答」を除く「拒否」、「会議」、「用件録音」の応答種別が自動応答方法となる。
【0028】
すなわち、図3の例では、応答種別の「拒否」に対しては、「ただいま電話に出ることができません。後ほどおかけ直し下さい。」という自動応答メッセージが対応付けられて記憶されている。この応答種別の「拒否」は、使用者が電話帳データとして発信者に対して設定登録することも勿論できるが、この実施形態では、応答種別の設定登録がなされていない未設定の発信者に対しての応答種別(デフォルトの応答種別)ともされる。
【0029】
また、応答種別の「会議」に対しては、「ただいま会議中のため、後ほどおかけ直しします。」という自動応答メッセージが対応付けられて記憶されている。また、応答種別の「用件録音」に対しては、「ただいま電話に出ることができません。発信音の後にメッセージをお願いします」という自動応答メッセージが対応付けられて記憶されている。
【0030】
また、応答種別の「未応答」に対しては、自動応答メッセージは記憶されない。応答種別の「未応答」は着信に対して応答しないという着信応答方法である。つまり、応答種別の「未応答」は、着信に対して使用者に着信の報知はするが、自動応答はしない着信応答方法である。
【0031】
そして、この実施形態では、応答メッセージ記憶部110Mには、応答種別の「拒否」、「会議」、「用件録音」のそれぞれに対応して応答時間が設定されている。この応答時間は、着信を検出して着信音やバイブレータにより着信報知をした時点から、各応答種別に応じた応答メッセージを送出するまでの待ち時間であり、後述するように、この応答時間の間に、使用者は、応答種別(着信応答方法)の変更指示をすることができる。この応答時間は、予め定められた値を用いても良いし、使用者が設定するようにしても良い。
【0032】
応答メッセージ送出部110は、この応答メッセージ記憶部110Mを備える。応答メッセージ送出部110は、制御部101からの応答種別の指定情報を受けて、その指定情報で指定された応答種別の応答メッセージを応答メッセージ記憶部110Mから読み出して、制御部101の制御の下、送信信号処理部104および無線電話通信部102を通じて相手方に送信するようにする。
【0033】
着信フォルダ管理部111は、着信を、応答種別(着信応答方法)毎のフォルダに分けて管理するもので、全ての応答種別のフォルダを記憶するフォルダ記憶部111Mを備える。すなわち、フォルダは、応答種別のそれぞれ毎に作成されており、フォルダ記憶部111Mに記憶されている。各応答種別毎のフォルダには、その応答種別により応答した着信のリストが格納される。着信のリストには、着信の日時と、発信者の電話番号、および電話帳データに基づく発信者の氏名、名称などの発信者認識情報などが記録される。
【0034】
また、特に、応答種別「用件録音」の場合には、発信者から送られてくる音声メッセージを受信して録音する(留守録音機能)があるので、「用件録音」のフォルダの場合には、発信者からのメッセージは、「用件録音」のフォルダ内において、それぞれの着信リストに対応して記憶するようにしている。なお、メッセージ記憶部を別途設け、各発信者からのメッセージを「用件録音」のフォルダの着信のリストのそれぞれと対応付けて、そのメッセージ録音部に記憶するようにしても良い。
【0035】
この実施形態の電話端末1においては、ディスプレイ117の表示画面117Dに表示される例えばメニュー画面において使用者が所定の操作をすると、応答種別のフォルダのアイコンが表示されるように構成されている。そして、使用者がタッチパネル118を通じてそれぞれのフォルダを開く操作すると、そのフォルダの着信リストの一覧が表示画面117Dに表示されるように構成されている。
【0036】
そして、この実施形態では、特に、使用者が「会議」のフォルダを開けて、着信リストの一つの着信を選択すると、当該着信の発信者へのかけ直しの発信がなされるように構成されている。また、使用者が、「用件録音」のフォルダを開けて、着信リストの一つの着信を選択すると、当該着信に対応して記憶されているメッセージが再生されるように構成されている。
【0037】
また、この実施形態では、着信フォルダ管理部111は、制御部101の制御の下に、留守番モードのときの着信の発信者が電話帳に登録されている発信者であるときには、上記の複数個の応答種別のフォルダを表示画面117Dに表示する。そして、使用者が、その複数個のフォルダの一つを選択する操作をすると、着信フォルダ管理部111は、当該着信を、選択された応答種別のフォルダに格納する。このとき、制御部101は、着信の発信者に対して電話帳に登録されている応答種別に関係なく、使用者により選択された応答種別の応答メッセージを応答メッセージ送出部110から送出させるようにする。この留守番モードにおける着信時の処理動作については、後で、さらに詳述する。
【0038】
なお、複数の応答種別(着信応答方法)の種類は、予め定められた固定のものとしても良いが、使用者が応答種別の種類を追加すると共に、対応する応答メッセージおよび応答時間を追加設定するようにしても良い。
【0039】
モード管理部112は、電話端末1の現在状態が、待ち受け状態、着信状態、発信状態、通話状態、留守番モード状態などのいずれであるかを管理する機能部である。留守番モードは、使用者のタッチパネル118を通じた留守番モード起動の操作を受けて開始する。留守番モードの起動の操作としては、例えばメニュー画面から設定されたモード設定画面で表示される留守番アイコンボタンを押下する操作とすることができる。あるいは、モード設定画面において、「会議中」アイコンボタンを表示画面に表示させて、当該「会議中」アイコンボタンを押下する操作を留守番モードの設定操作とする構成とすることもできる。
【0040】
[実施形態の電話端末1の外観]
図4は、この実施形態の電話端末1の外観の一例を示すものである。この実施形態の電話端末は扁平の筐体1Aを備える。図4は、電話端末1をディスプレイ117の表示画面117D側から見た図である。
【0041】
この実施形態の電話端末1は、筐体の一面の大部分をディスプレイ117の表示画面117Dが占める。前述したように、この表示画面117Dの上に貼付されているタッチパネル118を通じて使用者は操作入力をすることができるものとされている。なお、図4に示すように、表示画面117Dの上方にスピーカ114からの音声の放音用の開口114Sが設けられると共に、表示画面117Dの下方にマイクロホン115の収音用の開口115Mが設けられている。
【0042】
なお、図1において、受信信号処理部103、送信信号処理部104、表示情報生成部108、電話帳記憶部109Mを除く電話帳管理部109、応答メッセージ記憶部110Mを除く応答メッセージ送出部110、モード管理部112の各部は、制御部101がソフトウエア処理による機能ブロックの構成とすることもできる。
【0043】
[実施形態の電話端末の概略動作]
留守番モードでなければ、電話端末1は、通常と同様に、着信に対して着信音を発したり、マナーモードで例えばバイブレータを振動させたりすることにより使用者に着信を報知する。そして、その着信の発信者の電話番号をディスプレイ117の表示画面に表示する(非通知着信の場合や、公衆電話からの着信は除く)と共に、その着信の発信者の発信者認識情報が電話帳データとして登録されていれば、その発信者の氏名や名称などの発信者認識情報を表示画面に合わせて表示する。以下、この発信者についての着信表示を着信時発信者表示と略称する。
【0044】
使用者は、この着信に対して電話端末1で、ディスプレイ117の表示画面上のタッチパネル118を通じてオフフック動作をして応答すると、通話路が生成され、着信をしてきた発信者と通話をすることができる。
【0045】
また、この実施形態の電話端末1は、留守番モードのときに着信があると、着信時発信者表示と共に、着信の発信者が電話帳に登録されている発信者であるときには、上記の複数個の応答種別のフォルダのアイコンを表示画面117Dに併せて表示する。
【0046】
図4における表示画面117Dの表示例は、留守番モードにおいて着信を検知し、当該着信の発信者が電話帳に登録されている発信者であるときの表示画像の例であり、着信時発信者表示120を表示画面117Dに表示するだけではなく、複数個の応答種別のフォルダのアイコンを表示する。この例では、応答種別が「拒否」、「会議」、「用件録音」のフォルダのアイコン121,122,123を表示する。図4に示すように、この例の表示画面117Dにおいては、各フォルダのアイコン121,122,123の下部にその応答種別を示す文字が表示されて、使用者にどのフォルダであるかを報知している。
【0047】
また、さらに、図4の表示例においては、着信時発信者表示120から、各フォルダのアイコン121,122,123に対して矢印124が表示されていて、いずれの応答種別でも着信自動応答が可能であることを使用者に報知している。そして、この例においては、電話端末1は、留守番モードにおいても、着信音を発したり、マナーモードであれば、例えばバイブレータを振動させたりすることにより使用者に着信を報知する。
【0048】
この着信の報知に対して、使用者が、応答種別毎に設定されている応答時間内に何も操作入力をしなければ、電話端末1は、当該着信の発信者に対して電話帳データに登録されている応答種別の応答メッセージで、その応答時間の経過後に、自動応答する。
【0049】
また、この実施形態では、図4の表示画面において、応答種別毎に設定されている応答時間内に、使用者が、フォルダのアイコン121,122,123のいずれかを選択する操作をすると、電話端末1は、電話帳に設定されている応答種別に関係なく、その選択された応答種別の応答メッセージで自動応答する。
【0050】
ここで、使用者のフォルダの選択操作は、例えば、指を、着信時発信者表示120から、そのときの状況に応じて選択したい応答種別のフォルダのアイコンへのスライド移動とされている。この操作は、着信を選択した応答種別のフォルダに入れるという直感的な操作である。なお、フォルダの選択操作は、このようなスライド移動ではなく、単に、選択したい応答種別のフォルダのアイコンを押下指示するだけの操作であっても良い。
【0051】
前述もしたように、使用者のフォルダの選択操作があると、制御部101は、着信フォルダ管理部111に対して、受信中の着信を、選択されたフォルダの着信リストに入れるように制御する。また、制御部101は、応答メッセージ送出部110に指示して、選択されたフォルダの応答種別に対応する応答メッセージを、着信の発信者に送信するように制御する。
【0052】
したがって、この実施形態の電話端末1によれば、留守番モードにおいては、着信してきた発信者に対応して電話帳データに登録されている応答種別の応答メッセージでのみ自動応答するのではなく、当該着信時の使用者の状況や着信の緊急度などに応じて使用者が選択した応答種別で動的に自動応答することができる。
【0053】
以上説明したようにして、この実施形態では、表示画面117Dに選択可能な応答種別のフォルダアイコンの表示をすると共に、タッチパネル118を通じた使用者の選択の操作を検出する処理により、着信応答方法の選択ができる。この表示画面117Dの表示およびタッチパネル118を通じた選択操作の受付処理機能は、着信応答方法選択手段の一例を構成する。
【0054】
なお、この実施形態では、電話端末1は、着信の発信者のデータが電話帳データに存在しない場合には、デフォルトの応答種別の「拒否」の自動応答メッセージを、着信の発信者側に対して送出することで自動応答する。
【0055】
[着信に対する応答の処理動作例]
この実施形態の電話端末の着信処理の動作の流れの例を、図5〜図7のフローチャートを参照しながら説明する。この図5〜図7の処理例は、制御部101が、受信信号処理部103、送信信号処理部104、表示情報生成部108、電話帳記憶部109Mを除く電話帳管理部109、応答メッセージ記憶部110Mを除く応答メッセージ送出部110、モード管理部112の各機能部を、ソフトウエア処理機能部として構成する場合の例である。
【0056】
制御部101は、無線電話通信部102の受信信号を監視して、着信を受信したか否か判別する(ステップS1)。このステップS1で、着信を受信してはいないと判別したときには、制御部101は、その他の処理を行う(ステップS2)。また、ステップS1で、着信を受信したと判別したときには、制御部101は、着信音を発したり、マナーモードであればバイブレータにより振動させたりして、着信報知を実行する(ステップS3)。
【0057】
次に、制御部101は、電話端末1が留守番モードの状態であるか否か判別し(ステップS4)、留守番モードの状態でなければ、通常の着信処理ルーチンを実行する(ステップS5)。
【0058】
ステップS4で、電話端末1が留守番モードの状態であると判別したときには、制御部101は、電話帳記憶部109Mの電話帳データを検索し(ステップS6)、着信の発信者のデータが存在するか否か、すなわち、発信者は電話帳に登録されているか否か判別する(ステップS7)。このステップS7で、発信者が電話帳に登録されていないと判別したときには、制御部101は、着信に対して自動応答して通話路を生成し(ステップS8)、応答メッセージ記憶部110Mから応答種別の「拒否」の応答メッセージを読み出して、生成した通話路を通じて発信者側に送信する(ステップS9)。そして、制御部101は、生成した通話路を切断する処理をし(ステップS10)、この処理ルーチンを終了する。
【0059】
ステップS7で、発信者が電話帳に登録されていると判別したときには、制御部101は、図4に示したように、表示画面117Dに、着信時発信者表示120を表示すると共に、使用者が選択可能な複数の応答種別のフォルダのアイコン121〜123を表示する(図6のステップS21)。次に、制御部101は、電話帳記憶部109Mの電話帳データを参照して、着信の発信者に対して設定されている応答種別を認識する(ステップS22)。
【0060】
次に、制御部101は、着信の発信者に対して応答種別の設定がなされているか否か判別し(ステップS23)、応答種別の設定がなされていないと判別したときには、ステップS8に進んで、前述したこのステップS8以降の処理を行い、応答種別の「拒否」の応答メッセージによる自動応答の処理を実行する。
【0061】
また、ステップS23で、応答種別の設定がされていると判別したときには、制御部101は、設定された応答種別は「未応答」であるか否か判別する(ステップS24)。このステップS24で、応答種別は「未応答」ではないと判別したときには、制御部101は、ステップS22で認識した応答種別により、応答メッセージ記憶部110Mを参照し、認識した応答種別について設定されている応答時間の時間計測を開始する(図7のステップS31)。
【0062】
次に、制御部101は、応答時間が経過したか否か判別し(ステップS32)、経過していないと判別したときには、使用者による前述したフォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作があったか否か判別する(ステップS33)。
【0063】
このステップS33で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作がなされていないと判別したときには、制御部101は、処理をステップS32に戻し、このステップS32以降の処理を繰り返す。ステップS33で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作がなされたと判別したときには、制御部101は、着信に対して自動応答し(ステップS34)、即座に選択指定された応答種別の応答メッセージを、応答メッセージ記憶部110Mから読み出して、無線電話通信部102を通じて着信の発信者側に送信する(ステップS35)。
【0064】
使用者によるフォルダの選択指定が行われることなく、ステップS32で、応答時間が経過したと判別したときには、制御部101は、着信に対して自動応答し(ステップS36)、ステップS22で認識された着信の発信者に対して設定されている応答種別の応答メッセージを、応答メッセージ記憶部110Mから読み出して、無線電話通信部102を通じて着信の発信者側に送信する(ステップS37)。
【0065】
ステップS34またはステップS35の次には、制御部101は、着信に対して送出された応答メッセージの応答種別は、「用件録音」であるか否か判別する(ステップS38)。ステップS38で、「用件録音」ではないと判別したときには、制御部101は、切断処理を実行し(ステップS41)、この処理ルーチンを終了する。
【0066】
また、ステップS38で、「用件録音」であると判別したときには、制御部101は、着信の発信者からの音声メッセージの録音処理を実行して、音声メッセージを「用件録音」のフォルダの着信リストに対応付けて記憶する(ステップS39)。次に制御部101は、着信をしてきた発信者側からの切断通知を受信したか否か判別し(ステップS40)、受信していなければ、ステップS39に戻って着信の発信者からの音声メッセージの録音処理を継続する。そして、ステップS40で、切断通知を受信したと判別したときには、切断処理を実行し(ステップS41)、この処理ルーチンを終了する。
【0067】
また、図6のステップS24で、応答種別は「未応答」であると判別したときには、制御部101は、着信報知を使用者に対して行いつつ、使用者による前述したフォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択する操作があったか否か判別する(ステップS25)。
【0068】
このステップS25で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択する操作がなされていないと判別したときには、制御部101は、相手(発信者)による切断がなされたか否か判別し(ステップS26)、相手による切断がなされていなければ、ステップS25に戻り、このステップS25以降の処理を繰り返す。そして、ステップS26で、相手切断を確認したら、制御部101は、この処理ルーチンを終了する。
【0069】
また、ステップS25で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択する操作がなされたと判別したときには、制御部101は、処理を図7のステップS34に進めて、着信に対して自動応答し、次のステップS35で、選択指定された応答種別の応答メッセージを、応答メッセージ記憶部110Mから読み出して、無線電話通信部102を通じて着信の発信者側に送信する。そして、その後、ステップS35以降の処理を繰り返す。
【0070】
以上のようにして、この第1の実施形態の電話端末1によれば、留守番モードにおいて着信を受けたときは、使用者は、当該着信の発信者を着信時発信者表示120により確認しながら、そのときの状況や要望に応じた着信応答方法で動的に着信応答することができる。
【0071】
すなわち、使用者は、着信を受けて着信時発信者表示120により確認した結果の発信者に対しては、電話帳に登録した応答種別での応答方法ではない他の希望する着信応答方法で応答したいと判断したときには、表示画面117Dにおいて、前述したようにして、前記希望する着信応答方法の応答種別のフォルダに着信を入れるスライド操作により着信応答方法を選択する。すると、電話端末1は、その選択された着信応答方法の応答種別の応答メッセージにより、着信に対する応答メッセージを送出する。したがって、使用者は、着信を受けたときの状況や要望に応じた応答メッセージで動的に着信応答をすることができるようになる。
【0072】
図8のシーケンス図を参照しながら、具体的な着信応答処理例を説明する。前半の図8(A)のシーケンス例は、電話帳に電話番号「09088889999」として登録されている佐藤次郎氏からの着信を受けた場合である。すなわち、電話端末1は、留守番モードにおいて、佐藤次郎氏からの着信を受けると、その着信時の発電話番号により電話帳データを検索して発信者認識情報として佐藤次郎氏の名前を検出する。そして、電話端末1は、図4に示すように、表示画面117Dに、発電話番号と佐藤次郎氏の名前とからなる着信時発信者表示120を表示すると共に、使用者が選択可能な複数の応答種別のフォルダのアイコン121〜123を表示する。また、電話端末1は、電話帳データから、佐藤次郎氏について設定されている応答種別が「用件録音」であることを確認する。
【0073】
そして、電話端末1は、応答メッセージ記憶部110Mに記憶されている応答種別「用件録音」についての応答時間の時間計測を開始して応答メッセージの送出待ちの状態となる。
【0074】
図8(A)の例では、この応答時間の間に、電話端末1の使用者は、表示画面117D上のタッチパネル118において、指を着信時発信者表示120から「用件録音」のフォルダのアイコン123にスライド移動させて、着信を「用件録音」のフォルダに格納する操作をする。
【0075】
すると、電話端末1は、応答時間の経過を待つことなく即座に自動応答して通話路を生成し、応答メッセージ記憶部110Mから応答種別「用件録音」に対応する応答メッセージを読み出して、着信をしてきた佐藤次郎氏の電話端末宛に送信する。そして、佐藤次郎氏からの音声メッセージを録音して、「用件録音」のフォルダの当該佐藤次郎氏の着信に対応付けて、その録音メッセージを保持する。そして、電話端末1は、佐藤次郎氏からの切断を待って通話路を切断して、この着信シーケンスを終了する。
【0076】
この図8(A)の例の場合には、使用者が手動操作しなくても、電話帳に設定されている応答種別は「用件録音」であったので、同じ着信応答方法で着信に応答することができるが、手動操作をすることにより、応答時間の経過を待つことなく、同じ応答メッセージが送出されることになる。
【0077】
次に、後半の図8(B)の場合のシーケンス例について説明する。この例も、留守番モードにおいて、電話帳に電話番号「09088889999」として登録されている佐藤次郎氏からの着信を受けた場合であり、着信を受けてから、応答メッセージの送出待ちの状態になるまでは、図8(A)の場合と全く同様である。
【0078】
図8(B)の例では、応答時間の間に、電話端末1の使用者は、表示画面117D上のタッチパネル118において、指を着信時発信者表示120から「会議」のフォルダのアイコン122にスライド移動させて、着信を「会議」のフォルダに格納する操作をする。
【0079】
すると、電話端末1は、応答時間の計測を終了させて、即座に自動応答して通話路を生成し、応答メッセージ記憶部110Mから応答種別「会議」に対応する応答メッセージを読み出して、着信をしてきた佐藤次郎氏の電話端末宛に送信する。そして、佐藤次郎氏からの切断を待って通話路を切断して、この着信シーケンスを終了する。
【0080】
以上のように、使用者は、自分が電話帳に設定した応答種別に関係なく、表示画面117Dに表示されている複数個のフォルダアイコンのうちから、当該着信時点において、自分が選択したい着信応答方法のフォルダアイコンを選択操作することにより、選択した着信応答方法で着信に対する応答ができる。
【0081】
[第1の実施形態の変形例]
なお、上述の例では、応答種別の「未応答」は、使用者が選択することができる応答種別とはしなかったが、この応答種別の「未応答」(自動応答方法ではない)のアイコンをも表示画面117Dに表示して、使用者が選択することができるようにしてもよい。そして、「未応答」を選択した場合には、留守番モードであっても着信に応答するフックボタンを表示するようにして、当該着信に使用者が応答操作することができるようにしてもよい。そのようにすれば、例えば着信の発信者を着信時発信者表示120から認識した使用者が、「未応答」を選択して応答時間をかせぎ、場所を移動するなどした後、フックボタンを選択するようにすることで、自動応答メッセージで対応せずに、自分で着信に応答するようにすることができる。
【0082】
また、以上の例では、使用者が表示画面117Dに表示されている複数個のフォルダアイコンのうちから、選択したい着信応答方法のフォルダアイコンを選択すると、即座に選択された応答メッセージを送出するようにしたが、選択された応答メッセージに対応して設定されている応答時間の経過後に、応答メッセージを送出するようにしてもよい。
【0083】
[第2の実施形態]
上述した第1の実施形態では、電話端末1は留守番モードに設定されているときに、設定されている複数の応答種別(着信応答方法)で応答するようにしており、「未応答」という自動応答方法でない着信応答方法も含むが、着信に対してオフフックして「通話」を開始するようにする着信応答方法は、考慮していない。
【0084】
この第2の実施形態の電話端末では、着信に対してオフフックして「通話」を開始するようにする着信応答方法も、着信に対する応答種別(着信応答方法)の一つとして選択することができるようにする。したがって、この第2の実施形態では、電話端末は、留守番モードを備える必要はない。そして、この第2の実施形態の電話端末は、全ての着信に対して、通話のためのオフフック操作による応答および未応答の応答種別の他、自動着信後の応答メッセージ送出からなる自動着信応答による複数種の応答種別の中の一つにより、着信応答することを可能にする。
【0085】
この第2の実施形態の電話端末についても、第1の実施形態と同様に、スマートフォンと呼ばれる携帯電話端末の場合の例を以下に説明する。
【0086】
この第2の実施形態の電話端末のハードウエア構成例は、前述の図1に示した構成と同様である。そこで、以下の説明において、第1の実施形態の構成と同一部分については、同一の参照符号を用いて説明することとする。
【0087】
この第2の実施形態においては、電話帳記憶部109Mに記憶する電話帳データとしては、応答種別の設定データは不要とされる。また、応答メッセージ記憶部110Mの記憶データについても、応答種別毎の応答メッセージに対応する応答時間のデータも不要とされる。
【0088】
そして、この第2の実施形態の電話端末2においては、着信応答方法選択手段の例としてのタッチパネル118付きの表示画面117Dには、図9に示すように、自動応答方法である「拒否」、「会議」、「用件録音」の応答種別のフォルダアイコン121,122,123に加えて、着信に対するオフフック操作(着信応答操作)をイメージしたオフフックアイコン125を、選択可能な着信応答方法の選択肢の一つとして表示する。
【0089】
すなわち、この第2の実施形態の電話端末2においては、着信があると、常に、図9の表示画面117Dに示すような、着信応答方法選択手段としての操作画面が表示される。この場合、図5のフローチャートにおける、着信時に電話端末が留守番モードの状態であるか否かを判断するステップS3は不要であり、着信を検出すると、即座に図9のような着信応答方法選択のための操作画面が表示される。
【0090】
使用者は、表示画面117Dの着信時発信者表示120を参照して着信の発信者を知り、希望する着信応答方法を、フォルダアイコン121,122,123およびオフフックアイコン125のうちから選択して、その着信応答方法を選択指定する操作をする。すなわち、使用者は、着信に応答操作をして、通話をするときには、オフフックアイコン125を選択する操作をする。このときの着信の履歴は、応答種別「通話」の履歴フォルダに格納される。
【0091】
また、通話をせずに、応答メッセージを用いた自動応答方法を選択したいときには、使用者は、フォルダアイコン121,122,123のうちの希望するフォルダアイコンを選択操作する。この選択操作により、第1の実施形態と同様にして、使用者は、着信時の状況や要望に応じた着信応答方法を選択して着信応答することができる。
【0092】
なお、上述した第1の実施形態の場合には、着信の発信者が電話帳に登録されていないときには、自動応答して拒否の応答メッセージを送出するようにした。しかし、この第2の実施形態では、着信の発信者が電話帳に登録されていない場合であっても、使用者による選択操作に従った着信応答方法(通話のためのオフフック操作による着信応答方法も含む)で着信応答することができる。
【0093】
また、この第2の実施形態の電話端末2においては、留守番モードを有していなくても、応答種別「用件録音」による着信応答方法を使用者が選択することで、自動応答して、用件録音を告げる応答メッセージを送出した後、相手からのメッセージを録音することができる。
【0094】
[第2の実施形態の変形例]
上述の第2の実施形態では、電話端末は、留守番モードを備えない場合として説明した。しかし、第2の実施形態においても、留守番モードを備えるようにしても良い。その場合には、第1の実施形態と同様に、電話帳には、発信者毎に応答種別を登録するようにすると共に、応答メッセージについては応答時間を設定するようにしておく。
【0095】
そして、その変形例の場合の電話端末においては、留守番モードを設定していない状態では、上述の第2の実施形態で説明した着信処理動作により着信応答処理を行なう。一方、留守番モードを設定した状態においては、前述した第1の実施形態で説明した留守番モードにおける着信処理動作により着信応答処理をするように構成する。
【0096】
上述の第2の実施形態の変形例によれば、電話帳に登録されていない発信者に対しては、留守番モードが設定されているか否かにより、使用者のそのときの状況や要望を反映した着信応答ができる。すなわち、電話端末に留守番モードを設定していないときには、電話帳に登録されていない発信者からの着信に応答して通話をすることもできるし、選択した自動応答方法による着信応答方法で着信応答することもできる。また、留守番モードを設定したときには、電話帳に登録されていない発信者からの着信に対して、予め定めたデフォルトの「拒否」の応答種別の応答メッセージによる自動応答方法で着信応答することができる。
【0097】
また、上述の第2の実施形態では、着信に対しては、常に着信応答方法の選択操作をする必要があるが、第2の実施形態の変形例においては、電話端末を留守番モードに設定することにより、選択操作をしなくても、デフォルトの応答種別の応答メッセージや電話帳に登録された応答種別の応答メッセージで着信応答することができる。
【0098】
[第3の実施形態]
以上の第1および第2の実施形態は、単独で使用される電話端末の場合であったが、この発明は、1個あるいは複数個の電話端末と主装置とからなる電話システムにも適用することができる。第3の実施形態は、電話システムの場合の一例である。
【0099】
図10は、この第3の実施形態の電話システムの概略の全体構成例を示す図である。すなわち、この実施形態の電話システムは、公衆電話網や光電話網などを含む通信ネットワーク4に接続される主装置3と、複数個の電話端末51,52,・・・,5n(nは2以上の整数)とからなる。
【0100】
主装置3と複数個の電話端末51,52,・・・,5nとは、この例では、無線LAN6により接続されている。複数個の電話端末51,52,・・・,5nは、主装置3による呼制御を受けて、無線LAN6を通じて内線通話をすることができる。なお、複数個の電話端末51,52,・・・,5nは、全て同じ構成を備えるので、それぞれを区別して説明する必要がないときには、電話端末5と記載するものとする。
【0101】
[主装置3のハードウエア構成例]
図11は、この実施形態の主装置3のハードウエア構成例を示す図である。この例の主装置3は、マイクロコンピュータで構成される制御部301を備える。そして、主装置3においては、制御部301が、システムバス300を通じて、通信ネットワークインターフェース302、無線LANインターフェース303、受信信号処理部304、送信信号処理部305、システム電話帳管理部306、内線端末管理部307、拒否応答メッセージ送出部308、のそれぞれと接続されている。
【0102】
通信ネットワークインターフェース302は、通信ネットワーク4に接続して相手と通信をするためのインターフェースであり、受信信号は受信信号処理部304に転送し、送信信号処理部305からの送信信号を通信ネットワーク4に送出する。無線LANインターフェース303は、無線LAN6を通じて電話端末5のそれぞれと通信するためのインターフェースであり、受信信号は受信信号処理部304に転送し、送信信号処理部305からの送信信号を指定された電話端末5に送信する。
【0103】
受信信号処理部304は、通信ネットワークインターフェース302を通じて受信した通信情報を解析して、呼制御メッセージや通話信号をデコードし、システムバス300に送出する。受信信号処理部304は、また、無線LANインターフェース303を通じて電話端末5から受信した通信情報を解析して、呼制御メッセージや通話信号をデコードし、システムバス300に送出する。
【0104】
送信信号処理部305は、制御部301の制御の下、通信ネットワークインターフェース302を通じて送信する信号や、無線LANインターフェース303を通じて送信する信号を生成する。
【0105】
システム電話帳管理部306は、システム電話帳記憶部306Mを備える。このシステム電話帳記憶部306Mには、例えば図12に示すように、発信者の電話番号と、その発信者を認識するための前述した発信者認識情報との対応テーブルである電話帳のデータが記憶されている。この第3の実施形態では、システム電話帳には、応答種別は設定されない。
【0106】
内線端末管理部307は、無線LAN6を通じて接続される複数個の内線端末としての電話端末5の状態を、記憶部(図示は省略)に記憶する内線端末管理テーブルに登録して管理する。図13は、内線端末管理テーブルの一例を示すもので、複数個の電話端末5のそれぞれに対して割り当てられている内線番号と、それぞれの電話端末5のそのときの状態、例えば空き、通話中、着信中、留守番モードなどの状態、との対応が記録される。
【0107】
主装置3は、呼制御に基づき、各電話端末5が空き状態か、通話中状態か、着信中か、などを検出して、内線端末管理テーブルに、それぞれの状態を登録する。また、電話端末5から「会議中状態」などの留守番モードとすべき状態の状態通知を受け取ったときには、その電話端末5は、留守番モードとして管理する。
【0108】
拒否応答メッセージ送出部308は、前述の応答種別「拒否」に対応する応答メッセージを送出する。この第3の実施形態では、後述するように、留守番モードになっている内線の電話端末5に対して外線着信があったときに、その着信の発信者がシステム電話帳に登録されていないときには、内線の電話端末5に着信を通知することなく、主装置3が自動応答して、応答種別「拒否」の応答メッセージを、発信者に送信するようにする。拒否応答メッセージ送出部308は、その際に、応答種別「拒否」の応答メッセージを送出するためのものである。
【0109】
なお、図11において、受信信号処理部304、送信信号処理部305、システム電話帳記憶部306Mを除くシステム電話帳管理部306、内線端末管理部307、応答メッセージ送出部308の各部は、制御部301がソフトウエア処理による機能ブロックの構成とすることもできる。
【0110】
[電話端末5のハードウエア構成例]
図14は、第3の実施形態の場合の電話端末5のハードウエア構成例を示す図である。この例の電話端末5は、図1に示した第1の実施形態の電話端末1とほぼ同様のハードウエア構成を有するもので、説明を簡略化するために、100番台の参照符号を付した電話端末1の構成部分と同じ構成部分には、500番台の参照符号を付して示してある。
【0111】
電話端末1とこの例の電話端末5との違いを説明すると、電話端末1の無線電話通信部102の代わりに、電話端末5では、無線LAN6に接続するための無線LANインターフェース502がシステムバス500に接続されて設けられると共に、電話帳管理部109は備えない。
【0112】
そして、第3の実施形態の電話端末5では、使用者が「会議中状態」などの状態通知の入力操作をすると、モード管理部512において、自端末の状態を「会議中モード(留守番モード)」にすると共に、「会議中状態」の状態通知を主装置3に送る機能を備える。
【0113】
そして、電話端末1では直接に通信ネットワークの基地局を通じて通信を行なったのに対して、電話端末5においては、主装置3に対して無線LAN4を通じて通信を行う点が異なる。電話端末5のその他の動作は、前述した電話端末1と同様である。
【0114】
[電話端末5の留守番モード管理について]
図15は、主装置3の内線端末管理部307における各内線の電話端末5の留守番モードの状態管理のための処理の流れの例を示すフローチャートである。ここでは、内線端末管理部307が、制御部301のソフトウエア処理による機能ブロックとされた場合として説明する。
【0115】
すなわち、主装置3の制御部301は、無線LAN4を介して電話端末5のいずれかから、「会議中」の状態通知を受信したか否か判別する(ステップS201)。このステップS201で、「会議中」の状態通知を受信したと判別したときには、制御部301は、当該「会議中」の状態通知に含まれる内線の電話端末5の識別情報から、電話端末51,52,・・・,5nのいずれの電話端末からの状態通知であるかを認識し、内線端末管理テーブルにおいて、認識した電話端末の内線番号に対応して「会議中(留守番モード)」を登録する(ステップS202)。そして、この処理ルーチンを終了する。
【0116】
また、ステップS201で、「会議中」の状態通知を受信してはいないと判別したときには、制御部301は、無線LAN4を介して電話端末5のいずれかから、「会議中解除」の状態通知を受信したか否か判別する(ステップS203)。このステップS203で、「会議中解除」の状態通知を受信してはいないと判別したときには、制御部301は、その他の処理を行う(ステップS204)。
【0117】
また、ステップS203で、「会議中解除」の状態通知を受信したと判別したときには、制御部301は、当該「会議中解除」の状態通知に含まれる内線の電話端末5の識別情報から、電話端末51,52,・・・,5nのいずれの電話端末からの状態通知であるかを認識し、内線端末管理テーブルにおいて、認識した電話端末の内線番号に対応する状態を、「会議中(留守番モード)」から、「空き」を変更登録する(ステップS205)。そして、この処理ルーチンを終了する。
【0118】
図16は、図15の主装置での処理に対応する電話端末5における処理の流れを説明するためのフローチャートである。この例は、電話端末5の制御部501が、モード管理部512の処理機能をソフトウエア処理機能として実行する場合である。
【0119】
すなわち、制御部501は、タッチパネル518を通じて「会議中」の状態設定入力があったか否か判別し(ステップS211)、「会議中」の状態設定入力があったと判別したときには、主装置3に「会議中」の状態通知を送信する(ステップS212)。そして、制御部501は、自端末を「会議中モード(留守番モード)」の状態にし(ステップS213)、この処理ルーチンを終了する。
【0120】
また、ステップS211で、「会議中」の状態設定入力はされていないと判別したときには、制御部501は、タッチパネル518を通じて「会議中解除」の状態設定入力があったか否か判別し(ステップS214)、「会議中解除」の状態設定入力がなされていないと判別したときには、その他の処理を行う(ステップS215)。
【0121】
そして、ステップS214において、「会議中解除」の状態設定入力があったと判別したときには、制御部501は、主装置3に「会議中解除」の状態通知を送信する(ステップS216)。そして、制御部501は、自端末の「会議中モード(留守番モード)」を解除し(ステップS217)、この処理ルーチンを終了する。
【0122】
[着信に対する応答の処理動作例]
<主装置3の処理動作例>
図17および図18は、この第3の実施形態における主装置3での着信処理の動作の流れの例を示すフローチャートである。また、図19および図20は、この第3の実施形態における電話端末5での着信処理の動作の流れの例を示すフローチャートである。
【0123】
先ず、主装置3での着信処理の動作の流れの例について説明する。この例においては、主装置3の制御部301が、受信信号処理部304、送信信号処理部305、システム電話帳記憶部306Mを除くシステム電話帳管理部306、内線端末管理部307、応答メッセージ送出部308の各部をソフトウエア処理機能として実行する場合として説明する。
【0124】
制御部301は、通信ネットワークインターフェース302の受信信号を監視して、着信を受信したか否か判別する(ステップS301)。このステップS301で、着信の受信を検知しなかったときには、制御部301は、その他の処理を行う(ステップS302)。
【0125】
また、ステップS301で、着信の受信を検知したときには、制御部301は、例えばダイヤルインによる電話端末5への個別着信であるか否か判別する(ステップS303)。ステップS303で、個別着信ではなく、電話システム全体あるいは複数個の電話端末5が複数グループに分けられていて、その複数グループのうちの一つへの着信であると判別したときには、制御部301は、それらのシステム全体に対する着信やグループ単位の着信についての通常の処理を実行する(ステップS304)。
【0126】
そして、ステップS303で、個別着信であると判別したときには、制御部301は、着信先の内線の電話端末5については、会議中モード(留守番モード)であるか否か判別し(ステップS305)、会議中モード(留守番モード)でないと判別したときには、個別着信についての通常の処理を実行する(ステップS306)。
【0127】
ステップS305で、着信先の電話端末5が会議中モード(留守番モード)の状態であると判別したときには、制御部301は、システム電話帳記憶部306Mのシステム電話帳データを検索し(ステップS307)、着信の発信者のデータが存在するか否か、すなわち、発信者はシステム電話帳に登録されているか否か判別する(ステップS308)。
【0128】
このステップS308で、発信者がシステム電話帳に登録されていないと判別したときには、制御部301は、電話端末5に着信通知をすることなく、着信に対して自動応答して主装置3と着信の発信者側との間の通話路を生成し(ステップS309)、拒否応答メッセージ送出部308から応答種別の「拒否」の応答メッセージを送出させて、生成した通話路を通じて発信者に送信する(ステップS310)。そして、制御部301は、生成した通話路を切断する処理をし(ステップS311)、この処理ルーチンを終了する。
【0129】
ステップS308で、発信者がシステム電話帳に登録されていると判別したときには、制御部301は、発信者の電話番号を含む着信通知を着信先の電話端末5に通知する(図18のステップS321)。次いで、制御部301は、システム電話帳記憶部306Mから発信者認識情報(例えば名前)を読み出して、着信先の電話端末5に通知する(ステップS322)。
【0130】
次に、制御部301は、着信先の電話端末5から着信応答通知を受信するのを待ち(ステップS323)、このステップS323で、着信応答通知の受信を判別したら、着信の相手に対して応答通知を送って、電話端末5と着信の発信者側との間の通話路を生成する(ステップS324)。そして、制御部301は、発信者側からの切断通知を待ち(ステップS325)、発信者側からの切断通知を確認したら、電話端末5に切断通知をすると共に、生成した通話路を切断する処理をし(ステップS326)、この処理ルーチンを終了する。
【0131】
<電話端末5の処理動作例>
次に、電話端末5での着信処理の動作の流れの例について図19および図20のフローチャートを参照して説明する。この例は、電話端末5の制御部501が、受信信号処理部503、送信信号処理部504、表示情報生成部508、応答メッセージ記憶部510Mを除く応答メッセージ送出部510、モード管理部512の各機能部を、ソフトウエア処理機能として構成する場合の例である。
【0132】
制御部501は、無線LANインターフェース502を通じて得た受信信号を監視して、主装置3からの着信通知を受信したか否か判別する(ステップS331)。このステップS331で、着信通知を受信していないと判別したときには、制御部501は、その他の処理を行う(ステップS332)。また、ステップS331で、着信通知を受信したと判別したときには、制御部501は、着信音を発したり、マナーモードであればバイブレータにより振動させたりして、使用者に対する着信の報知を実行する(ステップS333)。
【0133】
次に、制御部501は、電話端末5が会議中モード(留守番モード)であるか否か判別し(ステップS334)、会議中モード(留守番モード)でなければ、通常の着信処理ルーチンを実行する(ステップS335)。
【0134】
ステップS334で、電話端末5が会議中モード(留守番モード)であると判別したときには、制御部501は、ディスプレイ517の表示画面に、着信通知に含まれる電話番号と主装置3から送られてくる発信者認識情報とを用いて生成した表示情報による着信時発信者表示120を表示すると共に、使用者が選択可能な複数の応答種別のフォルダのアイコン121〜123を表示する(ステップS336)。
【0135】
次に、制御部501は、使用者によるフォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作があったか否か判別する(ステップS337)。このステップS337で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作がなされたと判別したときには、制御部501は、着信応答を主装置3に通知し(ステップS338)、選択指定された応答種別の応答メッセージを、応答メッセージ記憶部510Mから読み出して、主装置3により生成された通話路を通じて着信の発信者に送信する(ステップS339)。
【0136】
次に、制御部501は、着信に対して送出された応答メッセージの応答種別は、「用件録音」であるか否か判別する(図20のステップS351)。このステップS351で、「用件録音」であると判別したときには、制御部501は、通話路を通じて送られてくる着信の発信者からの音声メッセージの録音処理を実行して、音声メッセージを「用件録音」のフォルダの着信リストに対応付けて記憶する(ステップS352)。次に制御部501は、主装置3からの切断通知を受信したか否か判別し(ステップS353)、受信していなければ、ステップS352に戻って着信の発信者からの音声メッセージの録音処理を継続する。そして、ステップS353で、切断通知を受信したと判別したときには、切断処理を実行し(ステップS354)、この処理ルーチンを終了する。
【0137】
また、ステップS351で、「用件録音」ではないと判別したときには、制御部501は、応答メッセージの送出完了後、切断処理を実行し(ステップS354)、この処理ルーチンを終了する。
【0138】
また、ステップS337で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作がなされていないと判別したときには、制御部501は、予め定められた所定時間が経過したか否か判別する(ステップS340)。ここで、この所定時間は、使用者が着信に応答しない、あるいは応答できないことを確認できる程度の時間とされ、例えば10秒程度とされる。
【0139】
ステップS340で、所定時間が経過していないと判別したときには、制御部501は、処理をステップS337に戻してこのステップS337以降の処理を繰り返す。また、ステップS340で、所定時間が経過したと判別したときには、制御部501は、着信の自動応答を主装置3に送り(ステップS341)、応答メッセージ記憶部510Mから応答種別「拒否」の応答メッセージを読み出して、主装置3により生成される通話路を通じて着信の相手方に送信する(ステップS342)。そして、制御部501は、応答メッセージの送出完了後、切断処理を実行し(ステップS343)、この処理ルーチンを終了する。
【0140】
次に、図21のシーケンス図を参照しながら、第3の実施形態における具体的な着信応答処理例を説明する。
【0141】
先ず、使用者は、自分の電話端末例えば電話端末51に対してタッチパネル518を通じて「会議中」の状態設定入力操作を行う。すると、この「会議中」の状態設定入力を受けた電話端末51は、「会議中モード(留守番モード)」になると共に、主装置3に「会議中」の状態通知を送る。すると、主装置3は、内線端末管理テーブルにおいて、当該電話端末51の状態を「会議中モード(留守番モード)」にする。
【0142】
そして、前半の図21(A)のシーケンス例は、上記の状態において、システム電話帳に電話番号「09088889999」として登録されている佐藤次郎氏からの着信を主装置3が受けた場合である。
【0143】
すなわち、主装置3は、佐藤次郎氏からの着信を受けると、その着信時の発電話番号によりシステム電話帳データを検索して、着信の発信者がシステム電話帳に登録されていることを検出すると共に、発信者認識情報として佐藤次郎氏の名前を検出する。そして、主装置3は、着信の宛先の電話番号から、着信の宛先が電話端末51であることを検出すると共に、内線端末管理テーブルを参照して、電話端末51が「会議中モード(留守番モード)」であることを認識する。
【0144】
そして、主装置3は、着信の発信者がシステム電話帳に登録されていることから、その着信通知を、その宛先である電話端末51に通知する。また、主装置3は、システム電話帳から検出した発信者認識情報として佐藤次郎氏の名前を電話端末51に通知する。
【0145】
主装置3からの通知を受けた電話端末51では、ディスプレイ517の表示画面に、発電話番号と佐藤次郎氏の名前とからなる着信時発信者表示120を表示すると共に、使用者が選択可能な複数の応答種別のフォルダのアイコン121〜123を表示する。そして、電話端末51では、予め定めた所定時間(ステップS340参照)の計測を開始する。
【0146】
図21(A)の例では、前記所定時間の間に、電話端末51の使用者は、ディスプレイ517の表示画面のタッチパネル518において、指を着信時発信者表示120から「用件録音」のフォルダのアイコン123にスライド移動させて、着信を「用件録音」のフォルダに格納する操作をする。
【0147】
すると、電話端末51は、前記フォルダの選択操作に基づき、自動応答の通知を主装置3に送る。主装置3は、自動応答の通知を受けて、着信の発信者側に応答通知を送って電話端末51と着信の発信者側との間の通話路を生成する。その後、電話端末51は、応答メッセージ記憶部510Mから応答種別「用件録音」に対応する応答メッセージを読み出して、生成された通話路を通じて着信をしてきた佐藤次郎氏の電話端末宛に送信する。
【0148】
そして、電話端末51は、生成された通話路を通じて送られてくる佐藤次郎氏からの音声メッセージを録音して、「用件録音」のフォルダの当該佐藤次郎氏の着信に対応付けて、その録音メッセージを保持する。そして、主装置3は、佐藤次郎氏からの切断通知を受け取ると、当該切断通知を電話端末51に送って通話路を切断して、この着信シーケンスを終了する。
【0149】
次に、後半の図21(B)の場合のシーケンス例について説明する。この例も、電話端末51が「会議中モード(留守番モード)」になっていて、主装置3は、内線端末管理テーブルにおいて、当該電話端末51の状態を「会議中モード(留守番モード)」にしていることが前提である。この前提において、図21(B)の例は、システム電話帳に登録されていない電話番号の発信者Aから、電話端末51宛ての着信があった場合である。
【0150】
この図21(B)の例の場合においては、主装置3は、着信を受けると、その着信時の発電話番号によりシステム電話帳データを検索して、着信の発信者Aがシステム電話帳に登録されていないことを認識する。そして、主装置3は、着信の宛先の電話番号から、着信の宛先が電話端末51であることを検出すると共に、内線端末管理テーブルを参照して、電話端末51が「会議中モード(留守番モード)」であることを認識する。
【0151】
そして、主装置3は、着信の宛先の電話端末51が「会議中モード(留守番モード)」であり、且つ、着信の発信者Aがシステム電話帳に登録されていないことに基づいて、当該着信を電話端末51に通知することはしない。そして、主装置3は、着信の発信者Aの電話端末に対して自動応答して主装置3と着信の発信者Aとの間の通話路を生成し、拒否応答メッセージ送出部308から、応答種別「拒否」の応答メッセージを読み出して、生成した通話路を通じて発信者A側に送信する。そして、主装置3は、通話路を切断する処理を行う。
【0152】
以上のようにして、この第3の実施形態の電話システムにおいても、電話端末5の使用者は、着信の発信者を着信時発信者表示120により確認しながら、そのときの状況や要望に応じた着信応答方法で着信応答することができる。
【0153】
そして、この第3の実施形態の場合には、システム電話帳に着信の発信者が登録されていないときには、「会議中モード(留守番モード)」に設定されている電話端末5には、着信通知をすることなく、主装置3が自動応答して、応答メッセージを送出するようにしている。このため、会議中モード(留守番モード)に設定している電話端末5の使用者は、システム電話帳に登録されていない、特段重要でない発信者からの着信通知により煩わされることがない。
【0154】
また、上述の第3の実施形態においては、主装置3のみがシステム電話帳を備え、着信時の発信者認識情報を各電話端末5に通知するようにしているので、電話端末5のそれぞれは電話帳を備える必要がない。
【0155】
[第3の実施形態の変形例]
なお、上述の第3の実施形態では、「会議中モード(留守番モード)」に設定されている電話端末5に着信があったときに、使用者が、所定時間、応答種別の選択の操作をしなかったときには、電話端末5が自動応答して、応答種別「拒否」の応答メッセージを送出するようにした。しかし、主装置3が、電話端末5に代わって、「会議中モード(留守番モード)」に設定されている電話端末5に着信通知した後の時間経過を計測して、所定時間の経過を確認したら、自動応答して、応答種別「拒否」の応答メッセージを送出するようにしても良い。
【0156】
また、着信時の発信者認識情報は、主装置3が各電話端末5に通知するようにしたが、電話端末5のそれぞれが電話帳を備えることで、着信通知に含まれる発電話番号に基づいて、電話端末5のそれぞれが発信者認識情報を取得し、着信時発信者表示を行うようにすることもできる。
【0157】
また、上述の第3の実施形態の例は、電話端末5として、上述した留守番モードを有する第1の実施形態の電話端末1を用いた場合に相当する。しかし、第3の実施形態は、会議中モード(留守番モード)を有しない第2の実施形態の電話端末2の機能を、電話端末5に適用するように構成することもできる。
【0158】
そのように構成した場合には、電話端末5から主装置3への会議中の状態通知は不要であり、主装置3は、電話端末5について「会議中モード(留守番モード)」であるか否かを管理する必要はない。また、その場合には、主装置3は、システム電話帳に登録されていない発信者からの着信であっても、全て電話端末5に着信通知をする必要があるので、システム電話帳に着信の発信者が登録されているかどうかに応じて電話端末5に着信を通知するかどうかを判定する機能手段を備える必要はない。また、その場合には、電話端末5から、着信の発信者に対して全ての応答メッセージを送出するようにするので、主装置3は、拒否応答メッセージの送出機能手段を備える必要はない。
【0159】
さらに、第3の実施形態は、前述した留守番モードをも有する第2の実施形態の電話端末2を、電話端末5とするようにしても良い。その場合には、電話端末5を留守番モードで使用するときは、上述の第3の実施形態の説明と同様の処理動作となる。
【0160】
[第4の実施形態]
上述の第3の実施形態では、電話端末5のそれぞれが応答メッセージ記憶部511Mを有する応答メッセージ送出部510を備え、電話端末5から応答メッセージを着信してきた発信者に送信するようにした。また、上述の第3の実施形態では、電話端末5のそれぞれが、応答種別「用件録音」で応答メッセージを送出したことに対応して送られてくる相手からのメッセージを録音して保持するようにしている。そのため、複数の電話端末5のそれぞれが、重複して応答メッセージ送出部510や用件録音機能および用件録音用の記憶部を備える必要があり、コスト高となる。
【0161】
第4の実施形態は、この問題点を解決した第3の実施形態の電話システムの改良実施形態である。すなわち、図示は省略するが、第4の実施形態の電話システムにおいては、主装置3´は、図11のハードウエア構成に加えて、応答メッセージ記憶部を有する応答メッセージ送出部を備えると共に、用件録音機能および用件録音用の記憶部を備える。また、この第4の実施形態の電話端末5´は、図14のハードウエア構成において、応答メッセージ送出510(留守録音機能を含む)を削除したものとなる。なお、用件録音用の記憶部は、内線の電話端末5´のそれぞれ毎の留守番録音フォルダを備えていて、各電話端末5´毎にメッセージを記憶するようにする。
【0162】
次に、この第4の実施形態における主装置3および電話端末5´の処理動作について説明する。先ず、主装置3の着信処理動作について説明する。
【0163】
この第4の実施形態においても、システム電話帳に登録されていない発信者からの着信についての処理は、第3の実施形態について図17に示したフローチャートと全く同一であるので、ここではその説明は省略する。この第4の実施形態では、図17のステップS308で、着信の発信者がシステム電話帳に登録されていると制御部301が判断した場合の処理が、第3の実施形態と異なり、図22に示すような処理例となる。
【0164】
すなわち、図17のステップS308で、着信の発信者がシステム電話帳に登録されていると判別したときには、制御部301は、発信者の電話番号を含む着信通知を着信先の電話端末5´に通知する(図22のステップS401)。次いで、制御部301は、システム電話帳記憶部306Mから発信者認識情報(例えば名前)を読み出して、着信先の電話端末5´に通知する(ステップS402)。
【0165】
次に、制御部301は、着信先の電話端末5´から応答種別の選択指定指示を受信したか否か判別し(ステップS403)、応答種別の選択指定指示を受信してはいないと判別したときには、予め定められた所定時間が経過したか否か判別する(ステップS404)。このステップS404で、所定時間が経過してはいないと判別したときには、制御部301は、処理をステップS403に戻し、このステップS403以降の処理を繰り返す。
【0166】
ステップS404で、所定時間が経過したと判別したときには、制御部301は、着信に対して自動応答して主装置3´と着信の発信者側との間の通話路を生成し(ステップS405)、拒否応答メッセージ送出部308から応答種別の「拒否」の応答メッセージを送出させて、生成した通話路を通じて発信者に送信する(ステップS406)。そして、制御部301は、生成した通話路を切断する処理をし(ステップS407)、この処理ルーチンを終了する。
【0167】
また、ステップS403で、着信先の電話端末5´から応答種別の選択指定指示を受信したと判別したときには、制御部301は、着信に対して自動応答して主装置3´と着信の発信者側との間の通話路を生成する(ステップS408)。そして、制御部301は、電話端末5´からの応答種別の選択指定指示により指定された応答メッセージを、応答メッセージ記憶部から読み出して、生成した通話路通じて着信の発信者側に送信する(ステップS409)。
【0168】
次に、制御部301は、着信に対して送出された応答メッセージの応答種別は、「用件録音」であるか否か判別する(ステップS410)。このステップS410で、「用件録音」であると判別したときには、制御部301は、通話路を通じて送られてくる着信の発信者からの音声メッセージの録音処理を実行して、音声メッセージを、着信の識別子と共に、例えば、内線の電話端末5´のそれぞれ毎の留守番録音フォルダに分けて記憶する(ステップS411)。ここで、着信の識別子は、少なくとも、着信日時、着信の発信者を含むものである。
【0169】
次に、制御部301は、着信の発信者からの切断通知を受信したか否か判別し(ステップS412)、受信していなければ、ステップS411に戻って着信の発信者からの音声メッセージの録音処理を継続する。そして、ステップS412で、切断通知を受信したと判別したときには、制御部301は、生成した通話路の切断処理を実行する(ステップS413)。そして、制御部301は、着信の宛先の電話端末5´には、用件の音声メッセージを録音した旨の通知を送り(ステップS414)、その後、この処理ルーチンを終了する。
【0170】
また、ステップS410で、「用件録音」ではないと判別したときには、制御部301は、応答メッセージの送出完了後、生成した通話路の切断処理を実行し(ステップS407)、この処理ルーチンを終了する。
【0171】
次に、第4の実施形態における電話端末5´の着信処理動作例について、図23のフローチャートを参照して説明する。この例は、電話端末5´の制御部501が、受信信号処理部503、送信信号処理部504、表示情報生成部508、モード管理部512の各機能部を、ソフトウエア処理機能として構成する場合の例である。
【0172】
この図23のフローチャートにおいて、ステップS421からステップS426までの処理は、図19のステップS331からステップS336までの処理と同一であるので、ここではその説明は省略する。
【0173】
この第4の実施形態においては、制御部501は、ステップS426で、着信時発信者表示120と、使用者が選択可能な複数の応答種別のフォルダのアイコン121〜123をディスプレイ517の表示画面に表示した後、使用者によるフォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作があったか否か判別する(ステップS427)。このステップS427で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作がなされたと判別したときには、制御部501は、選択指定された応答種別の選択指定指示を主装置3に通知する(ステップS428)。
【0174】
次に、制御部501は、主装置3´からの切断通知の受信を待ち(ステップS429)、切断通知の受信を確認したら、切断処理を実行し(ステップS430)、この処理ルーチンを終了する。
【0175】
また、制御部501は、ステップS427で、フォルダのアイコン121〜123のいずれかを選択指定する操作がなされていないと判別したときには、主装置3´からの切断通知を受信したか否か判別し(ステップS431)、切断通知を受信してはいないと判別したときには、処理をステップS427に戻し、このステップS427以降の処理を繰り返す。そして、ステップS431で、主装置3´から切断通知を受信したと判別したときには、制御部501は、切断処理をし(ステップS432)、この処理ルーチンを終了する。
【0176】
なお、使用者により選択指定された応答種別が「用件録音」であったときには、当該電話端末5´には、主装置3´から、前述したように、用件の音声メッセージを録音した旨の通知が送られてくる。この通知を受信した電話端末5´は、ディスプレイ517の表示画面において、録音されたメッセージがある旨の表示をして、使用者に留守録音通知をする。
【0177】
使用者が、この表示画面のタッチパネル518を通じて、録音されたメッセージの再生を指示する操作をすると、電話端末5´は、自端末の内線番号を含む録音メッセージ再生依頼を、主装置3´に送る。
【0178】
主装置3´は、この録音メッセージ再生依頼を受け取ると、依頼してきた電話端末5´に対応する留守番録音フォルダに記憶されている録音メッセージを、依頼してきた電話端末5´に送るようにする。なお、この際、主装置3は、録音メッセージ一覧を最初に電話端末5´に送り、電話端末5´から、そのうちの一つの録音メッセージの指定情報を得たら、その指定された録音メッセージを、電話端末5´に送信するようにする。主装置3´は、電話端末5´からの過去の録音メッセージ再生依頼に基づき、録音メッセージ一覧には、再生済みかどうかのマークを付すようにすることができる。
【0179】
次に、図24のシーケンス図を参照しながら、第4の実施形態における具体的な着信応答処理例を説明する。この図24のシーケンス例においては、図21のシーケンス例と同様に、電話端末51´は、「会議中モード(留守番モード)」に設定されていると共に、主装置3´は、電話端末51´からの「会議中」の状態通知に基づき、内線端末管理テーブルにおいて、当該電話端末51´の状態を「会議中モード(留守番モード)」にしている。
【0180】
そして、この図24のシーケンス例においても、図21の例と同様に、システム電話帳に電話番号「09088889999」として登録されている佐藤次郎氏からの着信を主装置3´が受けた場合である。そして、電話端末51´では、着信を「用件録音」のフォルダに格納する選択指定操作をする。
【0181】
この第4の実施形態の場合には、電話端末51´は、前記フォルダの選択指定操作に基づき、応答種別の選択指定指示、この例では、「用件録音」の選択指定指示、を主装置3´に送る。
【0182】
主装置3´は、この応答種別の選択指定指示を受けて、着信の発信者側に応答通知を送って主装置3´と着信の発信者側との間の通話路を生成する。その後、主装置3´は、応答メッセージ記憶部から応答種別「用件録音」に対応する応答メッセージを読み出して、生成された通話路を通じて着信をしてきた佐藤次郎氏の電話端末宛に送信する。
【0183】
そして、主装置3´は、生成された通話路を通じて送られてくる佐藤次郎氏からの音声メッセージを受信して録音する。そして、その録音メッセージは、電話端末51´の用件録音フォルダに保持する。そして、主装置3´は、佐藤次郎氏からの切断通知を受け取ると、当該切断通知を電話端末51´に送って通話路を切断して、この着信シーケンスを終了する。その後、主装置3´は、着信の宛先の電話端末51´に、用件の音声メッセージを録音した旨の通知(留守録音通知)を送る。
【0184】
電話端末51´では、この留守録音通知に基づく表示をディスプレイ517の表示画面に行う。そして、使用者からのタッチパネル518を通じた録音メッセージの再生の指示操作を受け付けると、電話端末51´は、主装置3´に、録音メッセージ再生依頼を送る。主装置3´は、この録音メッセージ再生依頼に基づいて、録音メッセージを電話端末51´に送る。
【0185】
以上のようにして、この第4の実施形態の電話システムにおいても、電話端末5´の使用者は、着信の発信者を着信時発信者表示120により確認しながら、そのときの状況や要望に応じた着信応答方法で動的に着信応答することができる。そして、この第4の実施形態の場合には、電話端末5´には、応答メッセージ送出部や録音メッセージの録音機能部および記憶部を設けなくても良いという効果がある。
【0186】
[第4の実施形態の変形例]
なお、上述の第4の実施形態では、着信時の発信者認識情報は、主装置3´が各電話端末5´に通知するようにしたが、電話端末5´のそれぞれが電話帳を備えることで、着信通知に含まれる発電話番号に基づいて、電話端末5´のそれぞれが発信者認識情報を取得し、着信時発信者表示を行うようにすることもできる。
【0187】
また、上述の第4の実施形態は、電話端末5´として、上述した第1の実施形態の電話端末1を用いた場合に相当する。しかし、第4の実施形態も、第3の実施形態と同様に、会議中モード(留守番モード)を有しない第2の実施形態の電話端末2の機能を、電話端末5´に適用するように構成することもできる。さらには、第4の実施形態も、第3の実施形態と同様に、前述した留守番モードをも有する第2の実施形態の電話端末2の機能を、電話端末5´に適用するように構成しても良い。
【0188】
[第5の実施形態]
第5の実施形態は、この発明による電話システムのさらに他の例である。この第5の実施形態の例においても、電話端末は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる携帯電話端末と同様の構成を備える。そして、この第5の実施形態では、携帯型の電話端末は、その電源としてのバッテリー(電池)の充電器を通じて、主装置と通信を行うように構成される。そして、この第5の実施形態では、充電器が応答メッセージ送出部を備え、充電器が上述の第4の実施形態と同様に、電話端末からの応答種別の選択指定指示に応じて、応答メッセージを送出するように構成する。
【0189】
図25は、この第5の実施形態の全体のシステム構成の概略を示す図である。この第5の実施形態では、主装置7が通信ネットワーク4に接続されて設けられると共に、この主装置7と、複数個の充電器81,82,・・・,8nとが、無線LAN6を介して通信接続できるように構成されている。
【0190】
充電器81,82,・・・,8nは、携帯型無線電話端末としての電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれ用の充電器であり、予め1:1に対応付けられている。そして、充電器81,82,・・・,8nと電話端末91,92,・・・,9nとは、例えばBluetoothなどを用いた近距離無線通信により、通信接続ができるように構成されている。充電器81,82,・・・,8nは、主装置7と、対応する電話端末91,92,・・・,9nとの間の中継転送装置としての機能を有する。
【0191】
この例の主装置7は、図11の主装置3のハードウエア構成において、システム電話帳管理部306および拒否応答メッセージ送出部308を有しない構成とされている。主装置7の内線端末管理部307は、充電器81,82,・・・,8nと電話端末91,92,・・・,9nとの対応関係も管理している。したがって、例えば、主装置7は、電話端末91宛ての着信を受信すると、その着信通知は、対応関係にある充電器81を通じて、電話端末91に送るようにする。
【0192】
そして、この第5の実施形態では、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれは、留守番モードを有しない第2の実施形態の電話端末2が適用された構成とされる。ただし、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれは、図14の電話端末5のハードウエア構成において、無線LANインターフェース502の代わりに、対応する充電器81,82,・・・,8nのそれぞれと無線接続するための無線通信インターフェースを備える。また、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれは、この例においては、応答メッセージ送出部510は備えず、また、着信フォルダ管理部には留守録音メッセージの記憶部は有しない。その代わりに、この例では、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれは、電話帳記憶部を有する電話帳管理部を備える。
【0193】
この例の充電器81,82,・・・,8nのそれぞれは、一例として、図26に示すようなハードウエア構成を有する。
【0194】
この実施形態の充電器81,82,・・・,8nのそれぞれは、マイクロコンピュータで構成される制御部801を備える。そして、制御部801が、システムバス800を通じて、主装置通信部802、端末通信部803、受信信号処理部804、送信信号処理部805、充電回路806、端末接続検出回路807、応答メッセージ送出部808、メッセージ録音部809、のそれぞれと接続されている。そして、充電回路806および端末接続検出回路807に対して、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれのバッテリー充電端子と接続される充電器コネクタ810が接続されている。
【0195】
主装置通信部802は、無線LAN6を通じて主装置7と通信するための無線LANインターフェースである。端末通信部803は、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれと近距離無線通信するための通信インターフェースである。受信信号処理部804は、主装置7や電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれから受信した信号を解析し、転送する信号は、送信信号処理部805に送り、自充電器で処理すべきものは、制御部801に送って処理させる。
【0196】
送信信号処理部805は、主装置7からの信号を電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれに転送するための送信信号を生成し、端末通信部803を通じて電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれに送信する。また、送信信号処理部805は、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれからの信号を主装置7に転送するための送信信号を生成し、主装置通信部802を通じて主装置7に送信する。
【0197】
充電回路806は、端末接続検出回路807により、充電器コネクタ810に電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれが接続されたことを検知されたときに、制御部801の制御にしたがって、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれに対して充電を実行する。
【0198】
応答メッセージ送出部808は、前述の実施形態と同様に、応答メッセージ記憶部808Mに、例えば前述の図3に示したような複数の応答種別に応じた応答メッセージを格納している。ただし、この例では、応答時間の情報は記憶されていない。
【0199】
そして、応答メッセージ送出部808は、後述するように、制御部801の制御により、電話端末91,92,・・・,9nからの応答種別の選択指定指示に従って応答メッセージを読み出して、応答メッセージとして送出する。
【0200】
メッセージ録音部809は、応答種別「用件録音」の応答メッセージを送出したときに、着信の発信者から送られてくる音声メッセージを録音して保持するためのものである。
【0201】
[第5の実施形態の着信応答方法の説明]
この第5の実施形態における着信応答方法の例を、図27のシーケンス例を参照しながら説明する。
【0202】
この第5の実施形態においては、主装置7は、特定の電話端末宛の着信を検出すると、その着信の宛先の電話端末91,92,・・・,9nのいずれかに、充電器81,82,・・・,8nのそれぞれを通じて着信通知を送る。図27の例では、着信の宛先は電話端末91であり、主装置7は充電器81に着信を転送する。すると、充電器81の制御部801は、着信通知を電話端末91に送る。
【0203】
着信通知を受けた電話端末91は、前述した図9に示すように、そのディスプレイ517の表示画面に、着信時発信者表示120を表示すると共に、使用者が選択可能な応答種別のフォルダのアイコン121,122,123および125を表示する。
【0204】
そして、使用者が、その表示画面において、タッチパネル518を通じて、一つの応答種別のフォルダのアイコンを選択すると、着信通知を受けた電話端末91は、その応答種別の選択指定指示を、対応する充電器81に送る。
【0205】
使用者により選択されたフォルダアイコンが、オフフックアイコン125であるときには、電話端末91は、応答種別「通話」の選択指定指示が充電器81に送る。充電器81は、この応答種別「通話」の選択指定指示を受けると、主装置7に対して着信応答を通知する。したがって、主装置7は、充電器81と着信の発信者側との間の通話路を生成する。したがって、電話端末91の使用者は、発信者と通話をすることができる。
【0206】
一方、図27の例では、応答種別「用件録音」のフォルダのアイコン123が使用者により選択されたので、当該「用件録音」の選択指定指示が、電話端末91から充電器81に送られる。
【0207】
応答種別の選択指定指示を受信した充電器81の制御部801は、主装置7に着信応答(自動応答)を送る。この着信応答に応じて主装置7は、着信の発信者端末と充電器81との間に通話路を生成する。
【0208】
続いて、充電器81の制御部801は、電話端末91の使用者により選択指定された応答種別の応答メッセージを、応答メッセージ記憶部808Mから読み出して、主装置7により生成された通信路を通じて着信の発信者端末に対して送信する。
【0209】
図27の例の場合には、「用件録音」の応答メッセージが着信の発信者に送られるので、着信の発信者からメッセージが送られてくることがある。そこで、充電器81の制御部801は、メッセージ録音部809により着信の発信者から送られてくる音声メッセージを録音して記憶保持する。この録音メッセージ情報は、電話番号や発信者認識情報からなる発信者情報と、着信の日時情報と、対応して記憶される。
【0210】
そして、充電器81は主装置7からの切断通知を受けると、この着信シーケンスを終了する。その後、充電器81は、着信の宛先の電話端末91に、用件の音声メッセージを録音した旨の通知(留守録音通知)を送る。
【0211】
電話端末91では、この留守録音通知に基づく表示をディスプレイ517の表示画面に行う。そして、使用者からのタッチパネル518を通じた録音メッセージの再生の指示操作を受け付けると、電話端末91は、充電器81に、録音メッセージ再生依頼を送る。充電器81は、この録音メッセージ再生依頼に基づいて、録音メッセージを電話端末91に送る。
【0212】
以上のようにして、この第5の実施形態の電話システムにおいても、電話端末の使用者は、着信の発信者を着信時発信者表示120により確認しながら、そのときの状況や要望に応じた着信応答方法で着信応答することができる。そして、この第5の実施形態の場合には、電話端末には、応答メッセージ送出部や録音メッセージの録音機能部および記憶部を設けなくても良いという効果がある。また、電話端末毎に対応する充電器が応答メッセージを送出すると共に、留守録音メッセージを記憶するようにするので、主装置は、電話端末毎の留守録音メッセージの格納管理をする必要はない。
【0213】
[第5の実施形態の変形例]
上述の実施形態では、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれは、第2の実施形態の電話端末2のように留守番モードを有しない場合であったが、第1の実施形態の電話端末1のように、留守番モードを有する電話端末であっても良い。その場合には、電話端末が留守番モードになるときには、対応する充電器に留守番モードを通知するようにする。充電器は、留守番モードの通知を受けたときにのみ、上述の応答処理を行う。
【0214】
また、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれは、第2の実施形態において留守番モードをも備える電話端末の構成とすることができるのは、上述の実施形態と同様である。
【0215】
また、上述の第5の実施形態では、電話端末91,92,・・・,9nのそれぞれが電話帳を備えて、着信時発信者表示をするようにしたが、第3の実施形態のように、主装置7がシステム電話帳を有し、着信の発信者がシステム電話帳にあるときには、発電話番号と共に発信者認識情報を通知するようにしても良い。
【0216】
[他の実施形態および変形例]
なお、上述の実施形態においては、電話端末1,2,51〜5n,91〜9nは、無線電話端末の場合であるが、この発明における電話端末は、無線電話端末に限られるものではなく、有線の電話端末であってもこの発明は適用可能である。
【0217】
また、電話端末1,2,51〜5n,91〜9nは、機械的なボタン操作部を有さない、いわゆるスマートフォンの構成としたが、特に、そのように構成する必要はなく、ボタン操作部を備える電話端末にも適用可能であることは言うまでもない。したがって、この発明の電話システムは、いわゆるボタン電話システムの構成とすることも、勿論できる。
【0218】
また、この発明における電話システムは、IP(Internet Protocol)電話システムの構成であっても良く、その場合には、主装置は、SIP(Session Initiation Protocol)サーバの機能を備えるものとなるものである。
【符号の説明】
【0219】
1,2,51〜5n,91〜9n…電話端末、3,7…主装置、4…通信ネットワーク、81〜8n…充電器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信に対する複数種の応答メッセージを格納保持する応答メッセージ記憶部と、
着信を検知したときに、前記着信に含まれる発信電話番号に基づいて発信者を報知する報知手段と、
前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法を含む複数通りの着信応答方法のうちの一つの着信応答方法を選択するための着信応答方法選択手段と、
前記着信応答方法選択手段により選択された着信応答方法が、前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法の一つであるときに、前記着信に対して自動応答して、前記応答メッセージ記憶部から前記選択された自動応答方法に対応する応答メッセージを読み出して、発信者に送出する応答メッセージ送出手段と、
を備える電話端末。
【請求項2】
前記着信応答方法選択手段と前記応答メッセージ送出手段は、留守番電話モードが設定されているときに動作する
ことを特徴とする請求項1に記載の電話端末。
【請求項3】
表示画面を備えると共に、
電話番号と、当該電話番号を発信電話番号として使用する発信者を認識するための発信者認識情報との対応関係からなる電話帳データを記憶する電話帳データ記憶部を備え、
前記報知手段は、着信に含まれる発信電話番号により前記電話帳データ記憶部の前記電話帳データを検索して、前記発信電話番号に対応する発信者認識情報を取得し、前記表示画面に、少なくとも前記発信者認識情報に対応する表示情報を表示することにより、前記発信者を報知し、
前記着信応答方法選択手段は、前記発信者認識情報に対応する表示情報と共に前記表示画面に表示された前記複数通りの着信応答方法の選択肢のうちのいずれかを選択する手段である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電話端末。
【請求項4】
前記電話帳データは、前記発信電話番号毎に、前記複数通りの着信応答方法の中から選定された一つの着信応答方法の設定情報を含み、
前記応答メッセージ送出手段は、着信を検知してから所定時間経過しても前記着信応答方法選択手段により前記着信応答方法の選択がなされないときには、前記電話帳データに、前記着信に含まれる前記発信電話番号に対応して設定されている前記着信応答方法に対応する応答メッセージを前記応答メッセージ記憶部から読み出して、発信者に送出する
ことを特徴とする請求項3に記載の電話端末。
【請求項5】
1以上の電話端末と、前記電話端末と無線あるいは有線で接続され、前記電話端末を内線端末として管理する主装置とからなる電話システムであって、
前記主装置は、
着信を検知したときに、発信電話番号を含む着信通知を前記電話端末に送信する手段と、
前記電話端末からの着信応答に応じて、前記電話端末と前記発信者側との通話路を生成する手段と、
を備え、
前記電話端末は、
着信に対する複数種の応答メッセージを格納保持する応答メッセージ記憶部と、
前記主装置からの着信通知を受信したときに、前記着信通知に含まれる発信電話番号に基づいて発信者を報知する報知手段と、
前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法を含む複数通りの着信応答方法のうちの一つの着信応答方法を選択するための着信応答方法選択手段と、
前記着信応答方法選択手段により選択された着信応答方法が、前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法の一つであるときに、前記着信に対する着信応答を前記主装置に通知する着信応答手段と、
前記着信応答方法選択手段により選択された着信応答方法に対応する応答メッセージを前記応答メッセージ記憶部から読み出して、前記着信応答に基づいて前記主装置により生成された通話路を通じて発信者に送出する応答メッセージ送出手段と、
を備えることを特徴とする電話システム。
【請求項6】
1以上の電話端末と、前記電話端末と無線あるいは有線で接続され、前記電話端末を内線端末として管理する主装置とからなる電話システムであって、
前記主装置は、
着信に対する複数種の応答メッセージを格納保持する応答メッセージ記憶部と、
着信を検知したときに、発信電話番号を含む着信通知を前記電話端末に送信する手段と、
前記電話端末からの前記応答メッセージの指定情報の受信に応じて、前記発信者側との通話路を生成する生成手段と、
前記応答メッセージ記憶部から、前記電話端末から受信した前記応答メッセージの指定情報により指定された応答メッセージを前記応答メッセージ記憶部から読み出して、前記生成手段により生成された通話路を通じて発信者に送出する応答メッセージ送出手段と、
を備え、
前記電話端末は、
前記主装置からの着信通知を受信したときに、前記着信通知に含まれる発信電話番号に基づいて発信者を報知する報知手段と、
前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法を含む複数通りの着信応答方法のうちの一つの着信応答方法を選択するための着信応答方法選択手段と、
前記着信応答方法選択手段により選択された着信応答方法が、前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法の一つであるときに、前記選択された着信応答方法に対応する前記応答メッセージの指定情報を前記主装置に送信する指定情報送信手段と、
を備えることを特徴とする電話システム。
【請求項7】
1以上の電話端末と、前記電話端末のそれぞれの充電器と、前記電話端末と前記充電器を通じて無線あるいは有線で接続され、前記電話端末を内線端末として管理する主装置とからなる電話システムであって、
前記主装置は、
着信を検知したときに、発信電話番号を含む着信通知を前記充電器を介して前記電話端末に送信する手段と、
前記充電器から受信した着信応答に応じて、前記充電器と前記発信者側との通話路を生成する手段と、
を備え、
前記充電器は、
前記主装置との間での通信を行うための第1の通信手段と、
前記電話端末との間での通信を行うための第2の通信手段と、
前記第1の通信手段を通じて受信した前記発信電話番号を含む着信通知を前記第2の通信手段を通じて前記電話端末に送信する手段と、
着信に対する複数種の応答メッセージを格納保持する応答メッセージ記憶部と、
前記電話端末からの前記応答メッセージの指定情報の受信に応じて、前記第1の通信手段を通じて着信応答を前記主装置に通知する着信応答手段と、
前記応答メッセージ記憶部から、前記電話端末から受信した前記応答メッセージの指定情報により指定された応答メッセージを読み出して、前記生成された通話路を通じて発信者に送出する応答メッセージ送出手段と、
を備え、
前記電話端末は、
前記充電器を通じて着信通知を検知したときに、前記着信通知に含まれる発信電話番号に基づいて発信者を報知する報知手段と、
前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法を含む複数通りの着信応答方法のうちの一つの着信応答方法を選択するための着信応答方法選択手段と、
前記着信応答方法選択手段により選択された着信応答方法が、前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法の一つであるときに、前記選択された着信応答方法に対応する前記応答メッセージの指定情報を前記充電器に送信する手段と、
を備えることを特徴とする電話システム。
【請求項8】
少なくとも、前記着信応答方法選択手段と、前記着信応答手段と、前記応答メッセージ送出手段とは、着信先の電話端末が留守番電話モードであるときに動作する
ことを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の電話システム。
【請求項9】
前記主装置は、
電話番号と、当該電話番号を発信電話番号として使用する発信者を認識するための発信者認識情報との対応関係からなる電話帳データを記憶する電話帳データ記憶部と、
着信を検知したときに、発信電話番号により前記電話帳データ記憶部の前記電話帳データを検索して、前記発信電話番号に対応する発信者認識情報を着信先の電話端末に送信する手段と、
を備え、
前記電話端末の報知手段は、前記主装置から送られてくる前記発信電話番号に対応する発信者認識情報により発信者を報知する
ことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の電話システム。
【請求項10】
前記電話端末は、表示画面を備え、
前記電話端末の前記報知手段は、前記表示画面に少なくとも前記発信者認識情報に対応する表示情報を表示することにより、前記発信者を報知し、
前記電話端末の前記着信応答方法選択手段は、前記発信者認識情報に対応する表示情報と共に前記表示画面に表示された前記複数通りの着信応答方法の選択子のうちのいずれかを選択する手段である
ことを特徴とする請求項9に記載の電話システム。
【請求項11】
前記主装置は、
電話番号と、当該電話番号を発信電話番号として使用する発信者を認識するための発信者認識情報との対応関係からなる電話帳データを記憶する電話帳データ記憶部と、
前記電話端末からの状態通知情報に基づいて、当該電話端末を留守番モードに設定管理する手段と、
留守番モードにおける固定の応答メッセージを記憶する手段と
を備え、
前記留守番モードとなっている電話端末宛の着信について、前記発信電話番号が前記電話帳データ中に含まれているかどうかを判断し、
前記発信電話番号が前記電話帳データ中に含まれていないと判断したときには、留守番モードとなっている前記着信通知を着信先の電話端末に送信せずに、前記着信に自動応答して、前記固定の応答メッセージを発信者に送信する
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の電話システム。
【請求項12】
着信を検知したときに、発信電話番号により記憶部に記憶している電話帳データを検索して、前記発信電話番号に対応する発信者認識情報により発信者を報知すると共に、着信に対する複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法を含む複数通りの着信応答方法のうちの一つの着信応答方法の選択を受け付け可能とする着信応答方法選択受付工程と、
前記着信応答方法選択受付工程において選択された着信応答方法が、前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法の一つであるときに、前記着信に対して自動応答して、応答メッセージ記憶部から前記選択された着信応答方法に対応する応答メッセージを読み出して、発信者に送出する応答メッセージ送出工程と、
を有する着信応答方法。
【請求項13】
着信先の電話端末が留守番モードであるときにのみ、前記着信応答方法選択工程と、応答メッセージ送出工程とを実行することを特徴とする請求項12に記載の着信応答方法。
【請求項1】
着信に対する複数種の応答メッセージを格納保持する応答メッセージ記憶部と、
着信を検知したときに、前記着信に含まれる発信電話番号に基づいて発信者を報知する報知手段と、
前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法を含む複数通りの着信応答方法のうちの一つの着信応答方法を選択するための着信応答方法選択手段と、
前記着信応答方法選択手段により選択された着信応答方法が、前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法の一つであるときに、前記着信に対して自動応答して、前記応答メッセージ記憶部から前記選択された自動応答方法に対応する応答メッセージを読み出して、発信者に送出する応答メッセージ送出手段と、
を備える電話端末。
【請求項2】
前記着信応答方法選択手段と前記応答メッセージ送出手段は、留守番電話モードが設定されているときに動作する
ことを特徴とする請求項1に記載の電話端末。
【請求項3】
表示画面を備えると共に、
電話番号と、当該電話番号を発信電話番号として使用する発信者を認識するための発信者認識情報との対応関係からなる電話帳データを記憶する電話帳データ記憶部を備え、
前記報知手段は、着信に含まれる発信電話番号により前記電話帳データ記憶部の前記電話帳データを検索して、前記発信電話番号に対応する発信者認識情報を取得し、前記表示画面に、少なくとも前記発信者認識情報に対応する表示情報を表示することにより、前記発信者を報知し、
前記着信応答方法選択手段は、前記発信者認識情報に対応する表示情報と共に前記表示画面に表示された前記複数通りの着信応答方法の選択肢のうちのいずれかを選択する手段である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電話端末。
【請求項4】
前記電話帳データは、前記発信電話番号毎に、前記複数通りの着信応答方法の中から選定された一つの着信応答方法の設定情報を含み、
前記応答メッセージ送出手段は、着信を検知してから所定時間経過しても前記着信応答方法選択手段により前記着信応答方法の選択がなされないときには、前記電話帳データに、前記着信に含まれる前記発信電話番号に対応して設定されている前記着信応答方法に対応する応答メッセージを前記応答メッセージ記憶部から読み出して、発信者に送出する
ことを特徴とする請求項3に記載の電話端末。
【請求項5】
1以上の電話端末と、前記電話端末と無線あるいは有線で接続され、前記電話端末を内線端末として管理する主装置とからなる電話システムであって、
前記主装置は、
着信を検知したときに、発信電話番号を含む着信通知を前記電話端末に送信する手段と、
前記電話端末からの着信応答に応じて、前記電話端末と前記発信者側との通話路を生成する手段と、
を備え、
前記電話端末は、
着信に対する複数種の応答メッセージを格納保持する応答メッセージ記憶部と、
前記主装置からの着信通知を受信したときに、前記着信通知に含まれる発信電話番号に基づいて発信者を報知する報知手段と、
前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法を含む複数通りの着信応答方法のうちの一つの着信応答方法を選択するための着信応答方法選択手段と、
前記着信応答方法選択手段により選択された着信応答方法が、前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法の一つであるときに、前記着信に対する着信応答を前記主装置に通知する着信応答手段と、
前記着信応答方法選択手段により選択された着信応答方法に対応する応答メッセージを前記応答メッセージ記憶部から読み出して、前記着信応答に基づいて前記主装置により生成された通話路を通じて発信者に送出する応答メッセージ送出手段と、
を備えることを特徴とする電話システム。
【請求項6】
1以上の電話端末と、前記電話端末と無線あるいは有線で接続され、前記電話端末を内線端末として管理する主装置とからなる電話システムであって、
前記主装置は、
着信に対する複数種の応答メッセージを格納保持する応答メッセージ記憶部と、
着信を検知したときに、発信電話番号を含む着信通知を前記電話端末に送信する手段と、
前記電話端末からの前記応答メッセージの指定情報の受信に応じて、前記発信者側との通話路を生成する生成手段と、
前記応答メッセージ記憶部から、前記電話端末から受信した前記応答メッセージの指定情報により指定された応答メッセージを前記応答メッセージ記憶部から読み出して、前記生成手段により生成された通話路を通じて発信者に送出する応答メッセージ送出手段と、
を備え、
前記電話端末は、
前記主装置からの着信通知を受信したときに、前記着信通知に含まれる発信電話番号に基づいて発信者を報知する報知手段と、
前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法を含む複数通りの着信応答方法のうちの一つの着信応答方法を選択するための着信応答方法選択手段と、
前記着信応答方法選択手段により選択された着信応答方法が、前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法の一つであるときに、前記選択された着信応答方法に対応する前記応答メッセージの指定情報を前記主装置に送信する指定情報送信手段と、
を備えることを特徴とする電話システム。
【請求項7】
1以上の電話端末と、前記電話端末のそれぞれの充電器と、前記電話端末と前記充電器を通じて無線あるいは有線で接続され、前記電話端末を内線端末として管理する主装置とからなる電話システムであって、
前記主装置は、
着信を検知したときに、発信電話番号を含む着信通知を前記充電器を介して前記電話端末に送信する手段と、
前記充電器から受信した着信応答に応じて、前記充電器と前記発信者側との通話路を生成する手段と、
を備え、
前記充電器は、
前記主装置との間での通信を行うための第1の通信手段と、
前記電話端末との間での通信を行うための第2の通信手段と、
前記第1の通信手段を通じて受信した前記発信電話番号を含む着信通知を前記第2の通信手段を通じて前記電話端末に送信する手段と、
着信に対する複数種の応答メッセージを格納保持する応答メッセージ記憶部と、
前記電話端末からの前記応答メッセージの指定情報の受信に応じて、前記第1の通信手段を通じて着信応答を前記主装置に通知する着信応答手段と、
前記応答メッセージ記憶部から、前記電話端末から受信した前記応答メッセージの指定情報により指定された応答メッセージを読み出して、前記生成された通話路を通じて発信者に送出する応答メッセージ送出手段と、
を備え、
前記電話端末は、
前記充電器を通じて着信通知を検知したときに、前記着信通知に含まれる発信電話番号に基づいて発信者を報知する報知手段と、
前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法を含む複数通りの着信応答方法のうちの一つの着信応答方法を選択するための着信応答方法選択手段と、
前記着信応答方法選択手段により選択された着信応答方法が、前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法の一つであるときに、前記選択された着信応答方法に対応する前記応答メッセージの指定情報を前記充電器に送信する手段と、
を備えることを特徴とする電話システム。
【請求項8】
少なくとも、前記着信応答方法選択手段と、前記着信応答手段と、前記応答メッセージ送出手段とは、着信先の電話端末が留守番電話モードであるときに動作する
ことを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の電話システム。
【請求項9】
前記主装置は、
電話番号と、当該電話番号を発信電話番号として使用する発信者を認識するための発信者認識情報との対応関係からなる電話帳データを記憶する電話帳データ記憶部と、
着信を検知したときに、発信電話番号により前記電話帳データ記憶部の前記電話帳データを検索して、前記発信電話番号に対応する発信者認識情報を着信先の電話端末に送信する手段と、
を備え、
前記電話端末の報知手段は、前記主装置から送られてくる前記発信電話番号に対応する発信者認識情報により発信者を報知する
ことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の電話システム。
【請求項10】
前記電話端末は、表示画面を備え、
前記電話端末の前記報知手段は、前記表示画面に少なくとも前記発信者認識情報に対応する表示情報を表示することにより、前記発信者を報知し、
前記電話端末の前記着信応答方法選択手段は、前記発信者認識情報に対応する表示情報と共に前記表示画面に表示された前記複数通りの着信応答方法の選択子のうちのいずれかを選択する手段である
ことを特徴とする請求項9に記載の電話システム。
【請求項11】
前記主装置は、
電話番号と、当該電話番号を発信電話番号として使用する発信者を認識するための発信者認識情報との対応関係からなる電話帳データを記憶する電話帳データ記憶部と、
前記電話端末からの状態通知情報に基づいて、当該電話端末を留守番モードに設定管理する手段と、
留守番モードにおける固定の応答メッセージを記憶する手段と
を備え、
前記留守番モードとなっている電話端末宛の着信について、前記発信電話番号が前記電話帳データ中に含まれているかどうかを判断し、
前記発信電話番号が前記電話帳データ中に含まれていないと判断したときには、留守番モードとなっている前記着信通知を着信先の電話端末に送信せずに、前記着信に自動応答して、前記固定の応答メッセージを発信者に送信する
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の電話システム。
【請求項12】
着信を検知したときに、発信電話番号により記憶部に記憶している電話帳データを検索して、前記発信電話番号に対応する発信者認識情報により発信者を報知すると共に、着信に対する複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法を含む複数通りの着信応答方法のうちの一つの着信応答方法の選択を受け付け可能とする着信応答方法選択受付工程と、
前記着信応答方法選択受付工程において選択された着信応答方法が、前記複数種の応答メッセージによる複数種の自動応答方法の一つであるときに、前記着信に対して自動応答して、応答メッセージ記憶部から前記選択された着信応答方法に対応する応答メッセージを読み出して、発信者に送出する応答メッセージ送出工程と、
を有する着信応答方法。
【請求項13】
着信先の電話端末が留守番モードであるときにのみ、前記着信応答方法選択工程と、応答メッセージ送出工程とを実行することを特徴とする請求項12に記載の着信応答方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
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【図15】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2012−147063(P2012−147063A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1628(P2011−1628)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】
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