説明

電離箱式放射線検出器

【課題】電離箱の気密性を高める構造を採用し、信頼性の高い電離箱式放射線検出器を提供する。
【解決手段】電離箱の鏡板11と排気管13との間に介在する排気管接合ジョイント12は、アルミニウム製部材121と銅製部材122とを気密接合して流路123を有するように一体に形成されており、アルミニウム製部材121は電離箱の鏡板11に気密溶接され、また、銅製部材122には排気管13が気密溶接される電離箱式放射線検出器とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電離箱式放射線検出器に係り、特に低エネルギー光子(例えば、エックス線)測定に用いるアルミニウム製の電離箱式放射線検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
低いエネルギー(数keV〜)の光子の測定に用いる電離箱式放射線検出器において、電離箱を透過する低エネルギー光子は、原子番号の5乗に比例して減弱し、またエネルギーの3.5乗に反比例して減弱する。そこで、エネルギー光子のレスポンスが低下しにくいように電離箱の材料は原子番号が小さい材料が採用され、アルミニウムや合成樹脂が用いられる。さらにその厚さを均一にして薄くすることが望ましい。
【0003】
さらに、電離箱式放射線検出器の出力信号(電離電流)を所定の精度で測定するためには、電離電流を測定するエレクトロメータの性能に応じた大きな電離電流を出力する必要がある。そこで電離箱式放射線検出器の出力信号(電離電流)を大きくするため、(1)電離箱の内部空間の容積を大きくする(容積増加)、(2)電離箱を気密構造にして電離箱に封入する不活性ガスの圧力を高くする(高圧化)、などが行われる。これらは電離電流を発する分子・原子を電離箱内で増加させるために行われる。
【0004】
まず、(1)の容積増加について説明する。
電離箱の容積を大きくするに連れて設置空間も大きくなる。このため、容積は上限があり、通常は容積を10リットル以下とする。
【0005】
続いて(2)の高圧化について説明する。
電離箱の封入ガスの圧力を高くするためには、その圧力に十分に耐える強度が電離箱に要求される。そこで、強度が高い材料や耐圧構造を電離箱に採用する必要があり、合成樹脂よりもアルミニウムが採用されることが多い。
【0006】
このような電離箱式放射線検出器の従来技術について、図を参照しつつ説明する。電離箱式放射線検出器500は、図9に示すように、外側電極501、鏡板502、排気管503、電荷収集電極504、高絶縁端子505、中心導体506で構成されている。
【0007】
外側電極501は、断面U字型であってガスが封入できるように内側に空間が設けられており、材料がアルミニウムで形成されている。測定対象である光子のエネルギーの下限を10keVとした場合、低エネルギー光子でも外側電極501への吸収を少なくするため、アルミニウム製の外側電極501の板厚は1mm以下にする必要がある。一方で機械強度や耐圧性等を考慮すると板厚は厚い方が良い。これらが考慮され、外側電極501の板厚は厚さ1mm程度が採用される。
【0008】
鏡板502は、円板体であって材料がアルミニウムで形成されている。鏡板502の外側円周付近と、外側電極501の開口部と、は気密溶接(リークがないように隙間なく溶接される)により固定される。これら外側電極501と鏡板502とが固着されて電離箱が形成される。
【0009】
排気管503は、先端が封止された筒体であって材料がアルミニウムで形成されている。排気管503は、図10で示すように、鏡板502に気密溶接により取り付けられて溶接部507が形成される。排気管503は、半径方向の位置では外側電極501と高絶縁端子505との間で取り付けられる。排気管503は、最初はパイプであり、内部にガスを充填した後で先端を圧接により塞いで外界から封止して形成される。これにより、内部空間に高圧のガスが密封された状態になる。この先端には密着状態となっている圧接部508が形成される。
【0010】
電荷収集電極504は、材料がアルミニウムで形成されている円柱体である。電荷収集電極504は、外側電極501の内側の内部空間に配置される。
【0011】
高絶縁端子505は、鏡板502の中心孔において、溶接により鏡板502に固定される。この高絶縁端子505の詳細構造については後述する。
【0012】
中心導体506は、高絶縁端子505の中央孔に嵌め込まれて支持される棒体である。高絶縁端子505は絶縁状態で中心導体506を支持する。そして中心導体506は、電荷収集電極504を内部空間内に支持固定する。そして、この中心導体506を通じて外部にて電離電流が検出される。
【0013】
続いて高絶縁端子505の詳細構造について説明する。電離箱式放射線検出器500では、放射線を検知した際に発生する微弱な電離電流を電荷収集電極504が収集し、中心導体506を通じて電離箱の外に導く必要がある。そこで中心導体506を支持する高絶縁端子505は、極めて小さい電離電流が鏡板502へ流れないようにするため、中心導体506に対して高い絶縁性を保っている。さらに、高絶縁端子505は、アルミニウムである鏡板502と気密接合されて、電荷収集電極504を支持できる機械的強度を有している。
【0014】
そこで、高絶縁端子505は、詳しくは、図11で示すように、セラミック体505a、円筒505bを備える。
セラミック体505aは、中央に中心導体506を保持する程度に細い孔を有する円柱体であり、材料として高い絶縁性を有する特殊なセラミックにより形成されている。
円筒505bは、円筒体であり、材料としてアルミニウムにより形成されている。
【0015】
セラミック体505aが円筒505bに嵌め込まれ気密接合により一体化されて高絶縁端子505となっている。さらに、鏡板502と円筒505bとが隙間なく溶接されて気密溶接部509が形成されており、気密を維持するとともに強固に固定される。このような電離箱式放射線検出器500では、微弱な電離電流を中心導体506を通じて損失なく取得することができる。
【0016】
また、他の従来技術として、例えば、図12で示すような構成の電離箱式放射線検出器500’が知られている。
先の図9〜図11を用いて説明した従来技術では断面U字型の外側電極501の製作が容易ではないのに対し、この従来技術では、外側電極の製作を容易にするため、円筒体510aと蓋部510bとが溶接により一体化されて外側電極510が形成される点が相違する。この外側電極510は、円筒体510aの一方の開口部に蓋部510bの開口部を突き合わせた状態で溶接する。この溶接箇所では、図13(a)のA部拡大図で示すように外側へ盛り上がった状態の全周溶接部511が形成される。
【0017】
また、鏡板502の外側円周付近と円筒体510aの他方の開口部とを突き合わせた状態で溶接する。この溶接箇所では、図13(b)のB部拡大図で示すように外側へ盛り上がった状態の全周溶接部512が形成される。
他は先の説明と同じであり、同じ符号を付するとともに重複する説明を省略する。このような電離箱式放射線検出器500’では、微弱な電離電流を中心導体506を通じて取得する検出能力を維持しつつ、機械的に製造し易くしてコスト低減も実現している。
【0018】
また、他の従来技術として、例えば、図14で示すような構成の電離箱式放射線検出器500”が知られている。
先の図9〜図11を用いて説明した従来技術と比較すると、まず、外側電極513が球形となっている点が相違する。この外側電極513は、中空半球体513a,513bを備え、これらの開口部を突き合わせた状態で溶接する。この溶接箇所では、図15(a)のC部拡大図で示すように外側へ盛り上がった状態の全周溶接部514が形成される。
【0019】
また、鏡板502の突出部502aと半球体513aの他方の開口部とを突き合わせた状態で溶接する。この溶接箇所では、図15(b)のD部拡大図で示すように内側へ盛り上がった状態の全周溶接部516が形成される。順番としてはこちらが先に溶接される。
そして電荷収集電極515も球形である点が相違する。他は先の説明と同じであり、同じ符号を付するとともに重複する説明を省略する。このような電離箱式放射線検出器500”では、入射方向に影響されることなく低エネルギー光子が電荷収集電極515へ到達して検知能力を高めており、微弱な電離電流を中心導体506を通じて取得することができる。
【0020】
また、電離箱式放射線検出器の従来技術として、例えば、特許文献1(特開昭63−115082号公報、発明の名称「深部線量当量測定用電離箱」)に記載の発明が知られている。
【0021】
この従来技術では、生体組織と同等又はそれ以下の実効原子番号を有する物質で構成した電離箱の内面に、適宜の厚さ又は面積の物質を付加している。このため、そのまま読み取っても、1cm深部線量当量値の直接測定が可能となる。例えばサーベイメータ等の身体に直接装着しない可搬型の測定器においても、人体への被爆量評価として規定されている1cm深部線量当量値の直読を実現している。
【0022】
また、電離箱式放射線検出器の従来技術として、例えば、特許文献2(特開平2−304851号公報、発明の名称「電離箱式放射線検出器」)に記載の発明が知られている。
【0023】
この従来技術では、集電極などに調整板を設け、1cm深部線量当量を直接的に測定できるようにしたので、生物学的効果を考慮した放射線量を測定器でリアルタイムに読み取ることができ、従来において行っていた換算演算等をする手間を省くことができ、放射線管理を迅速かつ容易に行うことを可能としている。
【0024】
また、電離箱式放射線検出器の従来技術として、例えば、特許文献3(特開平4−4549号公報、発明の名称「1cm深部線量当量検出用電離箱」)に記載の発明が知られている。
【0025】
この従来技術では、電離箱容器を透過した放射線としてのγ線が該容器内の空気を電離するほか、該容器を透過したγ線が集電極における第1導電領域のニッケルに入射することによってこのニッケルから叩き出された電子さらに電離箱容器内の空気を電離するので、放射線検出信号の値が一般に大きくなり、かつ、フィルタによってこのフィルタを透過して電離箱容器内に入射しようとする低エネルギーのγ線が吸収されるので電離箱容器に入射する放射線の低エネルギー領域では放射線検出信号の値が小さくなって、結局、電離箱のエネルギー特性がH1cm特性に近似した特性になるため放射線のH1cmを容易に検出し得る電離箱としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】特開昭63−115082号公報
【特許文献2】特開平2−304851号公報
【特許文献3】特開平4−4549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
従来技術の電離箱式放射線検出器において、内部空間に封入するガスの圧力を更に高くして、検出能力を高めたいという要請があった。しかしながら、従来技術の電離箱式放射線検出器では圧力を高くするには以下の点で問題があった。
【0028】
(1)排気管503のガス封止の信頼性
排気管503は、図10で示すように先端が尖塔状となっているが、最初の形状は円筒のパイプで、このパイプを介してガスの封入を行う。ガスを充填した後の封止は、排気管503の先端を押し潰して、排気管503の内側を圧接して圧接部508を形成する。しかし、アルミニウム製の排気管は、封止時において、圧接部508に酸化膜ができやすく、その酸化膜が接合を阻害するように作用するため、排気管製作後、酸化膜が生成されないように保管環境や電離箱式放射線検出器の組み立て工程を管理しないと封止の信頼性を低下させる欠点がある。
【0029】
(2)高絶縁端子505のガス封止の信頼性
図11に示した高絶縁端子505は、セラミック体505aと、アルミニウム製の円筒505bとを気密接合したもので、両者の膨張係数はアルミニウムのほうが大きく、温度が変化すると接合面に熱応力がかかることになる。製造工程における温度変化や使用時の環境温度変化により熱応力が許容限度を超えると接合面が剥離し気密リークが発生するため信頼性が低い欠点がある。
【0030】
(3)外側電極510,513の溶接部の信頼性
アルミニウム製の外側電極510(図12)や外側電極513(図14)の場合、上記のように薄い板厚にすると、加工誤差が大きく、かつ機械的強度が弱いので、図12で示す円筒体510aと蓋部510bとを突き合わせて溶接する溶接面や、図14で示す半球体513a,513bと突き合わせて溶接する溶接面が、歪みにより全円周で一致しないため気密を確保して溶接することが困難になり、その信頼性は溶接技能者の技量に大きく依存するようになり、気密溶接の信頼性が低下する。
【0031】
このような問題は特許文献1,2,3に記載の従来技術でも同様に内包するものであった。
【0032】
そこで、本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、総じて電離箱の気密性を高める構造を採用し、信頼性の高い電離箱式放射線検出器を提供することにある。
詳しくは溶接に相性が良い材料を選択することで、強固な気密溶接を可能にし、電離箱の気密性を高める構造にしたいという要請があった。
また、詳しくは機械形状を工夫することで、強固な気密溶接を可能にし、電離箱の気密性を高める構造にしたいという要請があった。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明の請求項1に係る電離箱式放射線検出器は、
内部空間を有するアルミニウム製の電離箱と、
電離箱の内部空間に配置される電荷収集電極と、
電離箱に固着され、電離箱の内部空間と連通する流路を有する排気管接合ジョイントと、
排気管接合ジョイントに固着され、排気管接合ジョイントの流路と連通する管路を有する銅製の排気管と、
を備え、排気管および排気管接合ジョイントを通じて電離箱の内部空間から排気後に所定のガスを充填し、内部空間に封入したガスの電離電荷を電荷収集電極により検出して放射線計測を行う電離箱式放射線検出器であって、
この排気管接合ジョイントは、アルミニウム製部材と銅製部材とを気密接合して流路を有するように一体に形成されており、アルミニウム製部材は電離箱に気密溶接され、また、銅製部材には排気管が気密溶接されることを特徴とする。
【0034】
また、本発明の請求項2に係る電離箱式放射線検出器は、
内部空間を有するアルミニウム製の電離箱と、
電離箱の内部空間に配置される電荷収集電極と、
電離箱に固着される高絶縁端子接合ジョイントと、
高絶縁端子接合ジョイントに固着され、電荷収集電極と電気的に接続される中心導体を支持する高絶縁端子と、
を備え、内部空間に封入したガスの電離電荷を電荷収集電極により検出して放射線計測を行う電離箱式放射線検出器であって、
高絶縁端子接合ジョイントは、アルミニウム製部材と銅製部材とを気密接合して孔を有する状態で一体に形成されており、
高絶縁端子は、コバール金属製部材である円筒体とこの円筒体の中に充填されるセラミック体と気密接合して孔を有する状態で一体に形成されており、
高絶縁端子接合ジョイントのアルミニウム製部材は電離箱に気密溶接され、また、高絶縁端子接合ジョイントの銅製部材には高絶縁端子の円筒体が気密溶接されることを特徴とする。
【0035】
また、本発明の請求項3に係る電離箱式放射線検出器は、
電離箱内にガスを封入し、封入したガスの電離電荷を電荷収集電極により検出して放射線計測を行う電離箱式放射線検出器であって、
電離箱は、アルミニウム製の蓋部と、アルミニウム製の円筒と、一方に蓋部の開口部が、また、他方に円筒の開口部が嵌め込まれる継ぎ手リングと、を有し、蓋部と円筒とを継ぎ手リングを介して突き合わせ、継ぎ手リングの一方に蓋部を、また、他方に円筒を気密溶接したことを特徴とする。
【0036】
また、本発明の請求項4に係る電離箱式放射線検出器は、
電離箱内にガスを封入し、封入したガスの電離電荷を電荷収集電極により検出して放射線計測を行う電離箱式放射線検出器であって、
電離箱は、アルミニウム製の2個の中空半球体と、両側に中空半球体の開口部が嵌め込まれる継ぎ手リングと、を有し、2個の中空半球体を継ぎ手リングを介して突き合わせ、継ぎ手リングの両側に2個の中空半球体を気密溶接したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、電離箱の気密性を高める構造を採用し、信頼性の高い電離箱式放射線検出器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明を実施するための形態に係る電離箱式放射線検出器の全体構成図である。
【図2】排気管接合ジョイントおよび排気管の説明図である。
【図3】他の形態に係る電離箱式放射線検出器の全体構成図である。
【図4】高絶縁端子接合ジョイントおよび高絶縁端子の説明図である。
【図5】他の形態に係る電離箱式放射線検出器の全体構成図である。
【図6】気密溶接部の説明図である。
【図7】他の形態に係る電離箱式放射線検出器の全体構成図である。
【図8】気密溶接部の説明図である。
【図9】従来技術の電離箱式放射線検出器の全体構成図である。
【図10】従来技術の排気管の説明図である。
【図11】従来技術の高絶縁端子の説明図である。
【図12】従来技術の他の電離箱式放射線検出器の全体構成図である。
【図13】溶接部の説明図である。
【図14】従来技術の他の電離箱式放射線検出器の全体構成図である。
【図15】溶接部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
続いて、本発明を実施するための形態に係る電離箱式放射線検出器について説明する。なお、先に図9〜図11を用いて説明した従来技術の電離箱式放射線検出器と一部重複する説明があるが、説明の明瞭化のため再掲する。
このような発明を実施するための形態の電離箱式放射線検出器について、図を参照しつつ説明する。電離箱式放射線検出器1は、図1に示すように、外側電極10、鏡板11、排気管接合ジョイント12、排気管13、電荷収集電極14、高絶縁端子15、中心導体16で構成されている。
【0040】
外側電極10は、断面U字型であってガスが封入できるように内側に空間が設けられており、材料がアルミニウムで形成されている。測定の対象とする光子のエネルギーの下限を10keVとした場合、アルミニウム製の外側電極10の板厚は1mm以下にする必要がある。強度等を考慮すると外側電極10の板厚は厚さ1mm程度が採用される。
【0041】
鏡板11は、アルミニウム製の円板体であって中央に孔が設けられている。鏡板11の外側円周部付近と、外側電極10の開口部と、は気密溶接により固定される。外側電極10と鏡板11とが組み立てられて電離箱が形成される。
【0042】
排気管接合ジョイント12は、図2で示すように、アルミニウム製部材121、銅製部材122を備える。このような排気管接合ジョイント12は、半径方向の位置では外側電極10と高絶縁端子15との間に取り付けられる。排気管接合ジョイント12の内部には流路123が形成されている。この排気管用接合ジョイント12の詳細については後述する。
【0043】
排気管13は、先端が封止された筒体であって材料が銅で形成されている。排気管13は、図2で示すように、排気管接合ジョイント12に気密溶接により取り付けられる。排気管13は、最初は管路131を有するパイプであり、内部にガスを充填した後で先端を圧接により塞いで外界から封止する。すると、内部空間に高圧のガスが密封された状態になる。先端には圧接部132が形成される。なお、この排気管13の詳細についても後述する。
【0044】
電荷収集電極14は、材料がアルミニウムで形成されている円柱体である。電荷収集電極14は、外側電極10の内側の内部空間に配置される。
高絶縁端子15は、鏡板11の中心孔において、溶接により鏡板11に固定される。高絶縁端子15は、高い絶縁性を有し、放射線を検知した際に発生する微弱な電離電流を電荷収集電極14が収集し中心導体16を通じて電離箱の外に導く際に、鏡板11へ電離電流を流さないようにする。
【0045】
中心導体16は、アルミニウム等導電性金属により形成される棒体であって、高絶縁端子15の中央孔に嵌め込まれて支持されており、電荷収集電極14を内部空間内に支持固定する。そして、この中心導体16を通じて電離電流が検出される。
【0046】
続いて本発明の特徴をなす排気管用接合ジョイント12および排気管13の詳細構造、並びに、この排気管用接合ジョイント12への排気管13の接続について説明する。
排気管用接合ジョイント12は、詳しくは図2で示すように、アルミニウム製部材121、銅製部材122を備える。アルミニウム製部材121は、リング形状であり、材料としてアルミニウムにより形成されている。アルミニウム製部材121は、アルミニウム製である鏡板11側にある。銅製部材122は、多段リング体であり、材料として銅により形成されている。銅製部材122は、銅製である排気管13側にある。
【0047】
排気管接合ジョイント12は、アルミニウム製部材121、銅製部材122を摩擦圧接により予め固着しておいたものである。摩擦圧接は、アルミニウム製部材121か銅製部材122かの何れか一方を高速で回転させながら他方に押し付けて、摩擦熱で両者を接合させたものである。摩擦圧接は、一般的に使用されている接合方法である。
さらに、そのアルミニウム製部材121が同じくアルミニウム製の鏡板11に気密溶接により取り付けられて気密溶接部17が形成される。アルミニウム同士であり強固に固着される。このようにして排気管接合ジョイント12が鏡板11に固定される。
【0048】
排気管13は、材料が銅で形成されている。排気管13と排気管接合ジョイント12の銅製部材122とは気密溶接により取り付けられて気密溶接部18が形成される。銅同士であり強固に固着される。
排気管用接合ジョイント12および排気管13はこのようなものである。
【0049】
以上本発明について説明した。このような電離箱式放射線検出器1によれば、同じ材料である鏡板11と排気管接合ジョイント12のアルミニウム製部材121とを強固に気密溶接し、また、同じ材料である排気管接合ジョイント12の銅製部材122と排気管13とを強固に気密溶接したため、電離箱に対して排気管13を気密性を保ちつつ強固に固着することができる。
【0050】
さらに、排気管13は銅製であり、外気に触れない圧接部132では酸化膜ができにくく、酸化膜により接合が阻害されないように配慮している。これら強固な固着および圧接を実現しており、気密性を高め、封入されるガスが高圧であってもガスがリークするおそれを低減させている。
【0051】
続いて、本発明を実施するための他の形態に係る電離箱式放射線検出器について図を参照しつつ説明する。
電離箱式放射線検出器2は、図3に示すように、外側電極10、鏡板11、排気管接合ジョイント12、排気管13、電荷収集電極14、高絶縁端子19、中心導体20、高絶縁端子接合ジョイント21で構成されている。先に図1,図2を用いて説明した電離箱式放射線検出器と比較すると、高絶縁端子19および中心導体20の構成が変更され、また、高絶縁端子接合ジョイント21が追加されている点が相違する。そこで、本形態では高絶縁端子19、中心導体20および高絶縁端子接合ジョイント21について重点的に説明するものとし、他の外側電極10、鏡板11、排気管接合ジョイント12、排気管13、電荷収集電極14については、同じ符号を付するとともに重複する説明を省略する。
【0052】
電離箱式放射線検出器2では、放射線を検知した際に発生する微弱な電離電流を電荷収集電極14が収集し、中心導体20を通じて電離箱の外に導く必要がある。そこで中心導体20を支持する高絶縁端子19は、極めて小さい電離電流が鏡板11へ流れないように中心導体20に対して高く絶縁されている。さらに、高絶縁端子19には、アルミニウムである鏡板11と気密接合しつつ、電荷収集電極14および中心導体20を支持できる機械的強度が要求される。そこで、高絶縁端子19および中心導体20の構成を変更し、かつ高絶縁端子接合ジョイント21を追加した。
【0053】
続いて各構成について説明する。
高絶縁端子19は、詳しくは、図4で示すように、セラミック体191、円筒192を備える。
セラミック体191は、中央に中心導体20を保持する程度に細い孔を有する円柱体であり、材料として高い絶縁性を保つ特殊なセラミックにより形成されている。
円筒192は、円筒体であり、材料としてセラミック体191と膨張係数が近いコバール金属により形成されている。
高絶縁端子19では、セラミック体191が円筒192に嵌め込まれ気密接合により一体化されている。
【0054】
中心導体20は、高絶縁端子19の中央孔に嵌め込まれて支持されており、セラミック体191と膨張係数が近いコバール金属製の棒体であって、電荷収集電極14を内部空間内に支持固定する。そして、この中心導体20を通じて電離電流が検出される。
【0055】
また、高絶縁端子接合ジョイント21は、アルミニウムリング211、銅リング212を備える。アルミニウムリング211は、材料としてアルミニウムにより形成されている。銅リング212は、多段リング体であり、材料として銅により形成されている。アルミニウムリング211および銅リング212は、図4で示すような形状となるように予め整合させて加工したものである。本形態では、アルミニウムリング211は、内部空間側にある。また、銅リング212は、外側にある。
【0056】
高絶縁端子接合ジョイント21は、アルミニウムリング211、銅リング212を摩擦圧接により予め固着しておいたものである。摩擦圧接は、アルミニウムリング211か銅リング212かの何れか一方を高速で回転させながら他方に押し付けて、摩擦熱で両者を接合させたものである。摩擦圧接は、一般的に使用されている接合方法である。
さらに、そのアルミニウムリング211が同じくアルミニウム製の鏡板11に気密溶接により取り付けられて気密溶接部22が形成される。アルミニウム同士であり強固に固着される。また、銅リング212がコバール製の円筒192に気密溶接により取り付けられて気密溶接部23が形成される。コバール製金属と銅とは溶接性が良く、強固に固着される。気密溶接部22が外周側、気密溶接部23が内周側に形成される。このようにして高絶縁端子接合ジョイント21が鏡板11に固定され、また、高絶縁端子19が高絶縁端子接合ジョイント21に固定される。
【0057】
以上本発明について説明した。なお、本形態では排気管接合ジョイント12を用いて排気管13を固着しているが、排気管接合ジョイント12を用いずに、図9を用いて説明した従来技術のようにアルミニウム製の排気管503を、アルミニウム製の鏡板11に気密溶接により固着する形態であっても良い。
この場合でも本形態のように鏡板11、高絶縁端子19、中心導体20および高絶縁端子接合ジョイント21の強固な密着を実現することができる。
【0058】
このような電離箱式放射線検出器2によれば、同じ材料である鏡板11と高絶縁端子接合ジョイント21のアルミニウムリング211とを強固に気密溶接し、また、高絶縁端子接合ジョイント21の銅リング212とコバール製の円筒192とを強固に気密溶接したため、電離箱に対して高絶縁端子19、中心導体20および高絶縁端子接合ジョイント21を気密性を保ちつつ強固に固着することができる。
このように強固な固着を実現しており、気密性を高め、封入されるガスが高圧であってもガスがリークするおそれを低減させている。
【0059】
続いて、本発明を実施するための他の形態に係る電離箱式放射線検出器について図を参照しつつ説明する。
電離箱式放射線検出器3は、図5に示すように、外側電極24、鏡板11、排気管接合ジョイント12、排気管13、電荷収集電極14、高絶縁端子19、中心導体20、高絶縁端子接合ジョイント21で構成されている。先に図3,図4を用いて説明した電離箱式放射線検出器と比較すると、外側電極24の構成が変更されている点が相違する。そこで、本形態では外側電極24について重点的に説明するものとし、他の鏡板11、排気管接合ジョイント12、排気管13、電荷収集電極14、高絶縁端子19、中心導体20、高絶縁端子接合ジョイント21については、同じ符号を付するとともに重複する説明を省略する。
【0060】
本形態では、外側電極24は、円筒体241、蓋体242、継ぎ手リング243を備える。
円筒体241は、薄いアルミニウム板から形成されており、中空円筒体を有している。円筒体241は、その端面を鏡板11の当たり面と平行かつ直径が合致するように加工したものであり、溶接面を確保し、溶接強度を維持して気密溶接ができるようにしている。
蓋体242は、薄いアルミニウム板から形成されており、略半球体を有している。蓋体242は、中空球体の一部を円筒体241の当たり面と平行かつ直径が合致するように切断加工したものであり、溶接面を確保し、溶接強度を維持して気密溶接ができるようにしている。
継ぎ手リング243は、図6(a)のa部拡大図に示すように、リング部243aから凸部243bが突出しており、断面が凸状のリング体である。
【0061】
図6(a)のa部拡大図に示すように、円筒体241の開口部と蓋体242の開口部との突き合わせ面に継ぎ手リング243の凸部243bを挿入し、円筒体241の開口部端面と継ぎ手リング243の凸部243bとに電子ビーム溶接により気密溶接部25を形成し、また、蓋体242の開口部端面と継ぎ手リング243の凸部243bとに電子ビーム溶接により気密溶接部26を形成している。
【0062】
仮に円筒体241および蓋体242の開口部の直径の誤差や真円度の誤差によって突き合わせ面が一致しなくても、継ぎ手リング243の凸部243bの半径方向の長さ(図6(a)の上下方向)を円筒体241および蓋体242の板厚よりも大きくして誤差を吸収できるようにしており、継ぎ手リング243の凸部243bに円筒体241および蓋体242の端面を突き当てて電子ビーム溶接すれば溶接面積が確保でき、溶接強度を維持して気密溶接することができる。
また、リング部243aは、開口が円形となるように補正する機能も有する。
【0063】
また、図6(b)のb部拡大図に示すように、円筒体241の開口部と鏡板11の外側円周部との突き合わせ面に電子ビーム溶接により気密溶接部27を形成している。この場合も鏡板11の当たり面と平行かつ直径が合致するように切断した円筒体241とし、また、半径方向の長さ(図6(b)の上下方向)を大きくしている。
【0064】
仮に円筒体241の開口部の直径の誤差や真円度の誤差によって突き合わせ面が一致しなくても、鏡板11の当たり面の半径方向の長さを円筒体241の厚みよりも大きくして誤差を吸収できるようにしており、鏡板11の外側円周部の突き合わせ面に円筒体241の端面を突き当てて電子ビーム溶接すれば溶接面積が確保でき、溶接強度を維持して気密溶接することができる。
【0065】
以上本発明について説明した。なお、本形態では排気管接合ジョイント12を用いて排気管13を固着しているが、排気管接合ジョイント12を用いずに、図9を用いて説明した従来技術のようにアルミニウム製の排気管503を、アルミニウム製の鏡板11に気密溶接により固着する形態であっても良い。また、高絶縁端子19、中心導体20、高絶縁端子接合ジョイント21を用いずに、図9を用いて説明した従来技術のように高絶縁端子505、中心導体506を用いる形態であっても良い。
これらの場合でも本形態のように外側電極24の強固な密着を実現することができる。
【0066】
本発明ではこのように外側電極24において、強固な固着を実現しており、気密性を高め、封入されるガスが高圧であってもガスがリークするおそれを低減させている。
【0067】
続いて、本発明を実施するための他の形態に係る電離箱式放射線検出器について図を参照しつつ説明する。
電離箱式放射線検出器4は、図7に示すように、外側電極29、鏡板11、排気管接合ジョイント12、排気管13、電荷収集電極28、高絶縁端子19、中心導体20、高絶縁端子接合ジョイント21で構成されている。先に図5,図6を用いて説明した電離箱式放射線検出器と比較すると、電荷収集電極28および外側電極29の構成が変更されている点が相違する。そこで、本形態では電荷収集電極28および外側電極29について重点的に説明するものとし、他の鏡板11、排気管接合ジョイント12、排気管13、高絶縁端子19、中心導体20、高絶縁端子接合ジョイント21については、同じ符号を付するとともに重複する説明を省略する。
【0068】
電荷収集電極28は、材料がアルミニウムで形成されている球体である。電荷収集電極28は、外側電極29の内側の内部空間に配置される。
【0069】
外側電極29は、鏡板側半球体291、半球体292、継ぎ手リング293を備える。
鏡板側半球体291は、薄いアルミニウム板から形成されており、略半球体であって鏡板11を固定する孔を有している。鏡板側半球体291は、中空球体の一部を半球体292の当たり面と平行かつ直径が合致するように切断加工したものであり、溶接面を確保し、溶接強度を維持して気密溶接ができるようにしている。
半球体292は、薄いアルミニウム板から形成されており、略半球体を有している。半球体292は、中空球体の一部を鏡板側半球体291の当たり面と平行かつ直径が合致するように切断加工したものであり、溶接面を確保し、溶接強度を維持して気密溶接ができるようにしている。
継ぎ手リング293は、図8(a)のc部拡大図に示すように、リング部293aから凸部293bが突出しており、断面が凸状のリング体である。
【0070】
図8(a)のc部拡大図に示すように、鏡板側半球体291の開口部と、半球体292の開口部との突き合わせ面に継ぎ手リング293の凸部293bを挿入し、鏡板側半球体291の開口部端面と継ぎ手リング293の凸部293bとに電子ビーム溶接により気密溶接部30を形成し、また、半球体292の開口部端面と継ぎ手リング293の凸部293bとに電子ビーム溶接により気密溶接部31を形成している。
【0071】
仮に鏡板側半球体291および半球体292の開口部の直径の誤差や真円度の誤差によって突き合わせ面が一致しなくても、継ぎ手リング293の凸部293bの半径方向の長さ(図8(a)の上下方向)を鏡板側半球体291および半球体292の板厚よりも大きくして誤差を吸収できるようにしており、継ぎ手リング293の凸部293bに鏡板側半球体291および半球体292の端面を突き当てて電子ビーム溶接すれば溶接面積が確保でき、溶接強度を維持して気密溶接をすることができる。
また、リング部293aは、開口が円形となるように補正する機能も有する。
【0072】
また、図8(b)のd部拡大図に示すように、鏡板側半球体291の開口部と鏡板11の外側円周部との突き合わせ面に電子ビーム溶接により気密溶接部32を形成している。この場合も鏡板11の当たり面と平行かつ直径が合致するように切断した鏡板側半球体291とし、また、半径方向の長さ(図8(b)の上下方向)を長くしている。
【0073】
仮に鏡板側半球体291の開口部の直径の誤差や真円度の誤差によって突き合わせ面が一致しなくても、鏡板11の当たり面の半径方向の長さを鏡板側半球体291の板厚よりも大きくして誤差を吸収できるようにしており、鏡板11の段差部当たり面に鏡板側半球体291の端面を突き当てて電子ビーム溶接すれば溶接面積が確保でき、溶接強度を維持して気密溶接をすることができる。
【0074】
以上本発明について説明した。なお、本形態では排気管接合ジョイント12を用いて排気管13を固着しているが、排気管接合ジョイント12を用いずに、図9を用いて説明した従来技術のようにアルミニウム製の排気管503を、アルミニウム製の鏡板11に気密溶接により固着する形態であっても良い。また、高絶縁端子19、中心導体20、高絶縁端子接合ジョイント21を用いずに、図9を用いて説明した従来技術のように高絶縁端子505、中心導体506を用いる形態であっても良い。
これらの場合でも本形態のように外側電極29の強固な密着を実現することができる。
【0075】
本発明ではこのように外側電極29において、強固な固着および圧接を実現しており、気密性を高め、封入されるガスが高圧であってもガスがリークするおそれを低減させている。
【0076】
以上、本発明の電離箱式放射線検出器について説明した。
この発明によれば、簡易な構成の追加のみで電離箱の気密性を高める構造を採用し、高圧ガスの封入を可能として検出能力を高め、かつ強度的にも信頼性の高い電離箱式放射線検出器を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の電離箱式放射線検出器は、原子力施設,放射性同位元素利用施設等で放射線の計測監視などに適用できる。
【符号の説明】
【0078】
1,2,3,4:電離箱式放射線検出器
10:外側電極
11:鏡板
12:排気管接合ジョイント
121:アルミニウム製部材
122:銅製部材
123:流路
13:排気管
131:管路
132:接合部
14:電荷収集電極
15:高絶縁端子
16:中心導体
17:気密溶接部
18:気密溶接部
19:高絶縁端子
191:セラミック体
192:円筒
20:中心導体
21:高絶縁端子接合ジョイント
211:アルミニウムリング
212:銅リング
22:気密溶接部
23:気密溶接部
24:外側電極
241:円筒体
242:蓋体
243:継ぎ手リング
243a:リング部
243b:凸部
25:気密溶接部
26:気密溶接部
27:気密溶接部
28:電荷収集電極
29:外側電極
291:鏡板側半球体
292:半球体
293:継ぎ手リング
293a:リング部
293b:凸部
30:気密溶接部
31:気密溶接部
32:気密溶接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を有するアルミニウム製の電離箱と、
電離箱の内部空間に配置される電荷収集電極と、
電離箱に固着され、電離箱の内部空間と連通する流路を有する排気管接合ジョイントと、
排気管接合ジョイントに固着され、排気管接合ジョイントの流路と連通する管路を有する銅製の排気管と、
を備え、排気管および排気管接合ジョイントを通じて電離箱の内部空間から排気後に所定のガスを充填し、内部空間に封入したガスの電離電荷を電荷収集電極により検出して放射線計測を行う電離箱式放射線検出器であって、
この排気管接合ジョイントは、アルミニウム製部材と銅製部材とを気密接合して流路を有するように一体に形成されており、アルミニウム製部材は電離箱に気密溶接され、また、銅製部材には排気管が気密溶接されることを特徴とする電離箱式放射線検出器。
【請求項2】
内部空間を有するアルミニウム製の電離箱と、
電離箱の内部空間に配置される電荷収集電極と、
電離箱に固着される高絶縁端子接合ジョイントと、
高絶縁端子接合ジョイントに固着され、電荷収集電極と電気的に接続される中心導体を支持する高絶縁端子と、
を備え、内部空間に封入したガスの電離電荷を電荷収集電極により検出して放射線計測を行う電離箱式放射線検出器であって、
高絶縁端子接合ジョイントは、アルミニウム製部材と銅製部材とを気密接合して孔を有する状態で一体に形成されており、
高絶縁端子は、コバール金属製部材である円筒体とこの円筒体の中に充填されるセラミック体と気密接合して孔を有する状態で一体に形成されており、
高絶縁端子接合ジョイントのアルミニウム製部材は電離箱に気密溶接され、また、高絶縁端子接合ジョイントの銅製部材には高絶縁端子の円筒体が気密溶接されることを特徴とする電離箱式放射線検出器。
【請求項3】
電離箱内にガスを封入し、封入したガスの電離電荷を電荷収集電極により検出して放射線計測を行う電離箱式放射線検出器であって、
電離箱は、アルミニウム製の蓋部と、アルミニウム製の円筒と、一方に蓋部の開口部が、また、他方に円筒の開口部が嵌め込まれる継ぎ手リングと、を有し、蓋部と円筒とを継ぎ手リングを介して突き合わせ、継ぎ手リングの一方に蓋部を、また、他方に円筒を気密溶接したことを特徴とする電離箱式放射線検出器。
【請求項4】
電離箱内にガスを封入し、封入したガスの電離電荷を電荷収集電極により検出して放射線計測を行う電離箱式放射線検出器であって、
電離箱は、アルミニウム製の2個の中空半球体と、両側に中空半球体の開口部が嵌め込まれる継ぎ手リングと、を有し、2個の中空半球体を継ぎ手リングを介して突き合わせ、継ぎ手リングの両側に2個の中空半球体を気密溶接したことを特徴とする電離箱式放射線検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−47634(P2013−47634A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185902(P2011−185902)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】