説明

青色光認識能力が増大または抑制された植物体の製造方法

本発明は、青色光認識能力が増大または抑制された植物体の製造方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、青色光認識能力が増大または抑制された植物体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境的要因として、光は唯一のエネルギー源泉であって、植物の成長と発達において非常に重要な役目を果たす。よって、植物は光信号を波長、強度、方向などによって正確に感知するための様々な種類の光受容体を進化させてきた。
現在解明されている光受容体としては、赤/遠赤色光を吸収するフィトクロム(phytochromes)(Botto et al. 1996; Chory et al. 1996)、青色光を吸収するクリプトクロム(cryptochromes)(Ahmad et al. 1998; Christie et al. 1998; Cashmore et al. 1997)、および紫外線を吸収するUV A/B光受容体(Christie et al. 1996)である。
【0003】
フィトクロムは、赤/遠赤色光を吸収して植物の発芽、苗種の発達および開花に至るまで様々な生理学的反応に関与する。クリプトクロムは、青色光を認識する光受容体であって、バクテリア、植物および動物に存在し、植物ではフィトクロムと同様の役目を果たす。
【0004】
一方、植物における光信号の認識能力は、特に耕作植物において重要な意味を持つ。それは光信号の認識能力が収穫量と直結できるためである。光信号の認識能力が増大すると、同じ光量でもより多量の収穫が可能となる。このような理由により、植物生物工学分野の従事者は遺伝子操作の方法で光信号の認識能力を調節するために努力している。
【0005】
本発明はこのような背景の下で行われたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、青色光認識能力が増大または抑制された植物体の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的や本発明の具体的な様態などは以下に提示される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一側面において、本発明は、青色光認識能力が増大した植物体の製造方法に関する。
【0008】
本発明の青色光認識能力が増大した植物体の製造方法は、(I)植物体において配列番号1の塩基配列からなる遺伝子、または配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子を過剰発現させる段階と、(II)その遺伝子が過剰発現されることにより青色光認識能力が増大した植物体を選別する段階とを含んでなる。
【0009】
本明細書において、前記「過剰発現」とは、温度や、昼と夜の長さなど栽培条件が同一の場合において、野生型植物体で発現される水準以上の発現を意味する。
【0010】
本明細書において、「配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子」とは、配列番号1の塩基配列からなる遺伝子の同族体(homologue)であって、青色光認識機能に関連して、植物の種類による進化的経路の相違により配列番号1の塩基配列とは異なる塩基配列からなる全ての遺伝子を含む意味である。ここで、配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子は、配列番号1の塩基配列と配列相同性が高いほど好ましく、最も好ましくは当然100%の配列相同性を持つときである。一方、配列相同性の下限においては前記遺伝子が配列番号1の塩基配列と60%以上の配列相同性を持つ場合が好ましい。よりさらに具体的には、前記配列相同性が60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%および99%の順に高くなるほど好ましい。
【0011】
前記配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子の別の好ましい例としては、コドン縮退性(codon degeneracy)によって配列番号1の塩基配列からなる遺伝子の機能的等価物を挙げることができる。この機能的等価物は、換言すると、配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドを暗号化するポリヌクレオチドである。
【0012】
本発明の方法において、前記段階(I)の過剰発現させる段階は、好ましくは配列番号2に示されるアミノ酸配列を暗号化するポリヌクレオチド、特に配列番号1に示される塩基配列を含むポリヌクレオチドを植物体に形質転換させる段階を含んでなる場合である。
【0013】
本明細書において、前記「形質転換」とは、外来性ポリヌクレオチド(青色光認識能力を持つポリペプチドを暗号化するポリヌクレオチドを意味する。以下同じ)の導入による宿主植物の遺伝子型の変形を意味し、その形質転換に使用された方法と関係なく外来性ポリヌクレオチドが宿主植物、さらに正確には宿主植物の細胞内に導入されたことを意味する。宿主植物内に導入された外来性ポリヌクレオチドは、宿主植物のゲノム内に統合されて維持されるか、或いは統合されずに維持できるが、本発明は両者ともを含む。
【0014】
一方、外来性ポリヌクレオチドで植物を形質転換させる方法は、当業界における公知の方法(Methods of Enzymology, Vol. 153, 1987, Wu and Grossman編集, Academic Press)を使用することができる。
外来性ポリヌクレオチドをプラスミドやウイルスなどのベクターの運搬体に挿入して植物を形質転換させることができ、アグロバクテリウムバクテリアを媒介体として使用することができ(Chilton et al., 1977, Cell 11:263:271)、直接外来性ポリヌクレオチドを植物細胞内に導入させて植物を形質転換させることができる(Lorz et al., 1985, Mol. Genet. 199:178-182)。
【0015】
一般に植物の形質転換に多く用いられる方法は、外来性ポリヌクレオチドで形質転換されたアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)によって幼植物体、植物細胞、種子、成熟植物などを感染させる方法である。ここで、形質転換された幼植物体、植物細胞、種子などは、当業者が公知の適切な条件の下で培養または栽培して、成熟した植物に成長および発育させることができる。
【0016】
一方、前記形質転換させる段階は、(a)配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドを暗号化するポリヌクレオチドを、調節ヌクレオチド配列を含む発現ベクターに作動可能に挿入させて組み換え発現ベクターを製作する段階と、(b)前記組み換えベクターを植物体に導入する段階とを含んでなることが好ましい。
【0017】
さらに好ましくは、前記形質転換させる段階は、本発明のポリペプチドを暗号化するポリヌクレオチドを、調節ヌクレオチド配列を含む発現ベクターに作動可能に挿入させて組み換え発現ベクターを製作する段階と、前記組み換え発現ベクターをアグロバクテリウムバクテリアに形質転換させる段階と、前記形質転換されたアグロバクテリウムバクテリアで植物体を形質転換させる段階とを含む場合である。特に、前記形質転換されたアグロバクテリウムバクテリアは形質転換されたアグロバクテリウム・ツメファシエンスであることが好ましい。
【0018】
前記「調節ヌクレオチド配列」とは、その存在がそれに連結された遺伝子の発現に影響を及ぼすことが可能な全ての配列を含む意味として理解される。このような調節ヌクレオチド配列はリーダー配列、エンハンサー配列、プロモーター配列、転写開始配列、転写終結配列、複製開始点、リボソーム結合部位などを含む。
【0019】
前記「作動可能に挿入する」とは、ある遺伝子の転写および/または翻訳が影響を受けるように挿入することを意味する。例えば、あるプロモーターがそれと共に挿入された遺伝子の転写に影響を与えるならば、その遺伝子は作動可能に挿入されるのである。
【0020】
プロモーター配列は、誘導性プロモーター(inducible promoter sequence)と構造性プロモーター(constitutive promoter sequence)の両方とも使用可能である。構造性プロモーターとしては、例えばCaMVプロモーター、CsVMVプロモーター、Nosプロモーターなどを挙げることができる。誘導性プロモーター(誘導因子の存在により、それに連結された遺伝子の発現が活発になることを可能とするプロモーター)としては、例えば、銅イオンによって活性化される酵母メタロチオネインプロモーター(Mett et al., Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 90:4567, 1993)、置換ベンゼンスルホンイミドによって活性化されるIn2−1およびIn2−2プロモーター(Hershey et al., Plant Mol. Biol., 17:679, 1991)、グルココルチコイドによって調節されるGRE調節配列(Schena et al., Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 88:10421, 1991)、エタノール調節性プロモーター(Caddick et al., Nature Biotech., 16:177, 1998)、リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ(ssRUBISCO)の小サブユニットに由来した光調節性プロモーター(Coruzzi et al., EMBO J., 3:1671, 1984; Broglie et al., Science, 224:838, 1984)、マンノピンシンターゼプロモーター(Velten et al., EMBO J., 3:2723, 1984)、ノパリンシンターゼ(NOS)およびオクトピンシンターゼ(OCS)プロモーター、熱衝撃プロモーター(Gurley et al., Mol. Cell. Biol., 6:559, 1986; Severin et al., Plant Mol. Biol., 15:827, 1990)などを挙げることができる。
【0021】
一方、前記組み換えベクターは選別マーカー遺伝子を含むことができる。ここで、「マーカー遺伝子」とは、そのようなマーカー遺伝子を含む形質転換体の選別を可能とする形質を暗号化する遺伝子を意味する。マーカー遺伝子は抗生物質耐性遺伝子であってもよく、除草剤耐性遺伝子であってもよい。適した選別マーカー遺伝子の例としてはアデノシンデアミナーゼの遺伝子、ジヒドロ葉酸リダクターゼ、ハイグロマイシン−B−ホスホトランスフェラーゼの遺伝子、チミジンキナーゼの遺伝子、キサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼの遺伝子、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ遺伝子などを挙げることができる。
【0022】
一方、本発明の実施例では、配列番号1に示される塩基配列からなる遺伝子を発現ベクターpCsVMV−GFPベクターに挿入させて組み換えベクターpCsVMV−GFP::BIT1を製作した後、前記組み換えベクターをアグロバクテリウム・ツメファシエンスに形質転換させ、その形質転換されたアグロバクテリウム・ツメファシエンスをシロイヌナズナに形質転換させた。
【0023】
このような本発明の実施様態を考慮するとき、前記形質転換させる段階は、配列番号1に示される塩基配列からなる遺伝子を植物に形質転換させる段階を含むことが好ましく、さらに好ましくは前記遺伝子を含む組み換えベクター、特にpCsVMV−GFP::BIT1を植物に形質転換させる段階を含むときである。最も好ましくは前記組み換えベクター、特にpCsVMV−GFP::BIT1で形質転換されたアグロバクテリウム・ツメファシエンスを植物に形質転換させる段階を含むときである。
【0024】
一方、前記(II)選別段階は、(I)段階を行った後、青色光認識能力が増大した植物体を青色光の光源下で栽培して下胚軸の長さを比較することにより肉眼で選別するか、或いは形質転換の際に選別マーカー遺伝子が共に形質転換される場合には選別マーカー遺伝子を用いて選別することができる。場合によっては、下記の実施例に示すように、アントシアニンの蓄積程度を比較することにより選別することもでき、当該遺伝子の過剰発現有無を確認することにより選別することもできる。青色光認識能力が増大する場合に下胚軸の成長が阻害されるというのは本発明の実施例から確認されるうえ、[Chentao Lin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA Vol. 95, pp. 2686-2690, 1998]などの文献からも確認されるところである(上記文献は本明細書の一部として看做される)。
【0025】
他の側面において、本発明は、青色光認識能力が抑制された植物体の製造方法に関するものである。
【0026】
本発明の青色光認識能力が抑制された植物体の製造方法は、(I)植物体において配列番号1の塩基配列からなる遺伝子、または配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子の発現を抑制させる段階と、(II)その遺伝子の発現が抑制されることにより青色光認識能力が抑制された植物体を選別する段階とを含んでなる。
【0027】
本発明の方法において、配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子の意味とその好適な様態については、前述したとおりである。
【0028】
本発明の方法において、前記(I)の抑制段階は、好ましくは配列番号1の塩基配列からなる遺伝子、またはその転写産物(mRNA)または配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子、またはその転写産物(mRNA)に相補的に結合することが可能なアンチセンスヌクレオチドを植物体に形質転換させる段階を含んで構成できる。
【0029】
前記アンチセンスヌクレオチドは、配列番号1の塩基配列からなる遺伝子、または配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子に相補的に結合し、転写(transcription)または翻訳(translation)を阻害することができる全てのポリ(またはオリゴ)ヌクレオチドを含む。
【0030】
このようなアンチセンスヌクレオチドは、前記遺伝子またはその転写産物に相補的に結合して転写または翻訳を阻害することができれば、その長さまたはその相補的な配列相同性は特に問題にはならない。前記アンチセンスヌクレオチドが短い長さ、例えば30個のヌクレオチド程度のポリヌクレオチドであるとしても、それの該当遺伝子(DNAおよびRNAを含む)に100%の相補的な配列相同性を有し、その他の条件、例えば濃度やpHなどが適切に備えられるならば、本発明の方法においてアンチセンスヌクレオチドとして作用することができる。また、配列においても、それの該当遺伝子と100%の相補的な配列相同性を持たなくても、適切な大きさの長さを有するならば、同様にアンチセンスヌクレオチドとして作用することができる。よって、アンチセンスヌクレオチドの長さ、相補的な配列相同性の度合いに関係なくアンチセンスヌクレオチドとして作用することができるならば、すなわち該当遺伝子の転写または翻訳を阻害することが可能な能力を保有しているならば、いずれも本発明のアンチセンスヌクレオチドに含まれるものと看做されるべきである。ここで、アンチセンスヌクレオチドとして必要な長さの決定、該当遺伝子と相補的な配列相同性の度合い、およびそのようなアンチセンスヌクレオチドの製造方法などは、本明細書が開示している配列番号1の塩基配列、配列番号2のアミノ酸配列、および当業界における公知の技術に基づく当業者の通常の能力範囲内に属するであろう。
【0031】
一方、好ましくは、前記アンチセンスヌクレオチドは、配列番号1の塩基配列の一部分に相補的な部分を含むアンチセンスヌクレオチドである。ここで、「配列番号1の塩基配列の一部分に相補的な部分」とは、配列番号1の塩基配列からなるDNAまたはそれから転写されたRNAと相補的に結合してその転写または翻訳を妨害するのに十分な長さを含むものと理解できる。
【0032】
アンチセンスヌクレオチドから植物体への形質転換は、一般に、これを含む発現ベクターを製作し、この発現ベクターをアグロバクテリウムバクテリアに形質転換させ、その形質転換されたアグロバクテリウムバクテリアを植物体に導入する段階を含んでなる。
【0033】
アンチセンスの植物体への形質転換に関連しては、前記本発明の青色光認識能力が増大した植物体の製造方法に関連して説明したところが適用できる。
【0034】
一方、本発明の方法において、前記(I)段階は当業界における公知の他の方法で可能であるが、そのような方法としては、例えば遺伝子除去(gene deletion)、遺伝子挿入(gene insertion)、T−DNA導入、同種組み換え(homologous recombination)またはトランスポゾン標識法(transposon tagging)、siRNA(small interfering RNA)などの方法を挙げることができる。
【0035】
本発明の青色光認識能力が抑制された植物体の製造方法においても、前記本発明の青色光認識能力が増大した植物体の製造方法と同様に、前記(II)選別段階は植物体の下胚軸の長さ、選別マーカー遺伝子、アントシアニンの蓄積程度、該当遺伝子の発現抑制程度などを比較することにより可能である。
【0036】
別の側面において、本発明は、前述したような青色光認識能力が増大または抑制された植物体の製造方法によって得られた植物体に関するものである。
【0037】
別の側面において、本発明は、アントシアニンが過蓄積された植物体の製造方法に関するものである。
【0038】
本発明のアントシアニンが過蓄積された植物体の製造方法は、(I)植物体において配列番号1の塩基配列からなる遺伝子、または配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子を過剰発現させる段階、および(II)その遺伝子が過剰発現されることによりアントシアニンが過蓄積された植物体を選別する段階を含んでなる。
【0039】
本明細書において、「過蓄積」とは、温度や、昼と夜の長さなど栽培条件が同一の場合において、野生型植物体で蓄積された水準以上に蓄積された場合を意味する。
【0040】
本発明のアントシアニンが過蓄積された植物体の製造方法において、配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子の意味、前記段階(I)、段階(II)の好適な様態などに対しては、前記本発明の青色光認識能力が増大した植物体の製造方法に関連して説明したところがそのまま適用できる。
【0041】
別の側面において、本発明は、アントシアニンが未蓄積された植物体の製造方法に関するものである。
【0042】
本発明のアントシアニンが未蓄積された植物体の製造方法は、(I)植物体において配列番号1の塩基配列からなる遺伝子、または配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子の発現を抑制する段階と、(II)その遺伝子の発現が抑制されることによりアントシアニンが未蓄積された植物体を選別する段階とを含んでなる。
【0043】
本明細書において、「未蓄積」とは、温度や、昼と夜の長さなど栽培条件が同一の場合において、野生型植物体で蓄積された水準以下に蓄積された場合を意味する。
【0044】
本発明のアンオシアニンが未蓄積された植物体の製造方法において、配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子の意味、前記段階(I)、段階(II)の好適な様態などについては、前記本発明の青色光認識能力が抑制された植物体の製造方法に関連して説明したところがそのまま適用できる。
【0045】
別の側面において、配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチドなどをマーカー遺伝子として用いて形質転換植物体を選別する方法に関するものである。
本発明の形質転換された植物体の選別方法は、(I)目的遺伝子、アントシアニンを過蓄積させる機能を持つ配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチドおよび調節ヌクレオチド配列を含む発現ベクターを植物体に形質転換させる段階と、(II)アントシアニンが過蓄積された植物体を選別する段階とを含んでなる。
本明細書において、「目的遺伝子」とは、発現させようとする遺伝子であって、目的する生成物(すなわち、RNAまたはポリペプチド)を暗号化する一定長さのポリヌクレオチド配列として定義できるが、このようなポリヌクレオチド配列は、切断された形態、融合された形態、タグされた形態であってもよく、cDNAまたはgDNAであってもよく、天然形態の生成物を暗号化する配列または所望の突然変異形態の生成物を暗号化する配列であってもよい。
【0046】
前記(I)発現ベクターを植物体に形質転換させる段階は、その発現ベクターをアグロバクバクテリウムバクテリアに形質転換させる段階、および前記形質転換されたアグロバクテリウムバクテリアで植物体を形質転換させる段階を含んで構成できる。ここで、アグロバクテリウムバクテリアはアグロバクテリウム・ツメファシエンスであることが好ましい。
【0047】
前記(II)段階の選別段階は、紫色を呈するアントシアニンの過蓄積された度合いを肉眼で確認することにより可能である。肉眼ではアントシアニンの過蓄積された度合いの確認が不分明な場合には当業界における公知の方法を用いてアントシアニンを抽出・定量して確認することができる。
【0048】
前記本発明の方法は青色光受容体を持つ全ての植物に適用できる。例えば、稲、小麦、大麦、トウモロコシ、大豆、ジャガイモ、小麦、小豆、オート麦、モロコシキビ、シロイヌナズナ、白菜、大根、唐辛子、イチゴ、トマト、スイカ、キュウリ、キャベツ、マクワウリ、南瓜、ネギ、玉ねぎ、ニンジン、高麗人参、タバコ、棉、胡麻、砂糖黍、砂糖大根、荏胡麻、落花生、油菜、リンゴの木、梨の木、棗の木、桃の木、キーウィー、ブドウ、柑橘、柿、スモモ、満州杏、バナナ、バラ、グラジオラス、ガーベラ、カネーション、菊、ユリ、チューリップ、ライグラス、レッドクローバー、オーチャードグラス、アルファルファ、トールフェスク、ペレニアルライグラスなどに適用できる。好ましくは下記の実施例で使用されたシロイヌナズナと同様にアブラナ科に属する植物を意味する。アブラナ科に属する植物としては、白菜、油菜、ハクサイ(Brassica campestris L. ssp. penkinensisまたはBrassica rapa L. ssp. pekinensis)、キャベツ(Brassica oleracea L.)、ブロッコリー(broccoli)、カリフラワー(cauliflower)、ケール(kale)、芥子菜、カブ(turnip or Brassica rapa)、油菜、大根(radish)などを挙げることができる。
【0049】
一方、本明細書において、「植物体」とは、成熟した植物だけでなく、成熟した植物に発育することが可能な植物細胞、植物組織、植物の種子などを全て含む意味として理解される。
【発明の効果】
【0050】
前述したように、本発明によれば、青色光認識能力が増大または抑制された植物体の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は本発明の実施例で使用されたBIT1遺伝子およびそれのポリペプチドの模式図である。 Gray Boxes:R3R4 TYPE MYB domain Thin line:Intron Arrow:Antisense Lineの製造のために使用された部位
【図2】図2はシロイヌナズナコロンビア野生型(Col)、青色光認識能力が抑制されたシロイヌナズナ形質転換体(BIT1 AS−1)および陽性対照区植物体としてのクリプトクロム変異体(cry1)を暗所および10μmol m-2sec-1青色光の下で5日間放置した後の下胚軸の長さを比較して示す。
【図3】図3はシロイヌナズナコロンビア野生型、青色光信号伝達調節シロイヌナズナ形質転換体(BIT1 AS−1、BIT1 AS−11、BIT1 GFP−2およびBIT1 GFP−16)、および陽性対照区植物体としてのクリプトクロム変異体(cry1)の多様な強さの青色光下での下胚軸の長さを比較して示す。
【図4】図4はシロイヌナズナコロンビア野生型、青色光信号伝達調節シロイヌナズナ形質転換体(BIT1 AS−1、BIT1 AS−11、BIT1 GFP−2およびBIT1 GFP−16)、および陽性対照区植物体としてのクリプトクロム変異体(cry1)を10μmol m-2sec-1青色光の下で5日間放置した後の下胚軸の長さを示すための写真である。
【図5】図5はシロイヌナズナコロンビア野生型(Col)および青色光認識能力が抑制または増大したシロイヌナズナ形質転換体(BIT1 AS−1、BIT1 AS−11、BIT1 GFP−2およびBIT1 GFP−16)における、本発明の実施例で使用されたBIT1遺伝子の発現程度をRT−PCR分析で検出した結果である。
【図6】図6はシロイヌナズナコロンビア野生型、青色光信号伝達調節シロイヌナズナ形質転換体(BIT1 AS−1、BIT1 AS−11、BIT1 GFP−2およびBIT1 GFP−16)、および陽性対照区植物体としてのクリプトクロム変異体(cry1)の青色光下でのアントシアニン生合成量を比較して示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明について実施例および実験例を参照して説明する。ところが、これらの実施例および実験例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0053】
<実施例1>青色光信号伝達が抑制されたシロイヌナズナ形質転換体の製作および選抜
青色光信号伝達が抑制されたシロイヌナズナ形質転換体の製作および選抜は、Weigel等(Weigel et al., (2000) Plant Physiology, Vol 122 1003-1013)の方法によって行われた。
【0054】
まず、BIT1遺伝子(その塩基配列とそのアミノ酸配列はそれぞれ配列番号1と配列番号2であり、その遺伝子およびその遺伝子が暗号化するポリペプチドの模式図は図1に示されている)のC末端部分(BIT1 cDNAの349〜894部分の546塩基対)をpNB96ベクター(Jun et al., Planta (2002) 214: 668-674)に制限酵素EcoRIとXhoIとの間にアンチセンス方向にクローニングして、BIT1遺伝子のC末端部分を含むpNB96::BIT1−C組み換えベクターを製作した。結果的に構築されたpNB96::BIT1−Cベクターは、大腸菌またはアグロバクテリウム・ツメファシエンスに導入するときに形質転換体を選別し得るカナマイシン(kannmycin)抵抗性遺伝子を含み、シロイヌナズナに導入するときに形質転換体を選別し得るカナマイシン抵抗性遺伝子を含む。pNB96::BIT1−Cをエレクトロポレーション方法でアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens strain AGL1;Lazo et al., (1991) Biotechnology 9:963-967)に導入させ、カナマイシンに対して抵抗性を示す形質転換菌株を選別した後、その菌株をシロイヌナズナコロンビア野生型(Col−0(wt))にフローラルディッピング方法(floral dipping method; Clough et al., Plant J(1998)16: 735-743)で形質転換させた。形質転換されたシロイヌナズナから得られた種子を、30μg/mLのカナマイシンが含まれた培地で栽培して、抵抗性を示すシロイヌナズナ形質転換体を1次的に選抜した。その後、選抜されたシロイヌナズナ形質転換体とシロイヌナズナコロンビア野生型(Col−O(wt))を22℃の温度で16/8時間の明暗周期で調節される生長調節器内で栽培した。形質転換体と野生型シロイヌナズナを10μmol m-2sec-1青色光の下に5日間放置して植物の下胚軸の長さを比較することにより、青色光認識能力の抑制有無を判断した。その結果、図2から確認されるように、シロイヌナズナ形質転換体(BIT1 AS)は、コロンビア野生型(Col−O(wt))に比べて青色光認識能力が抑制された表現型を示した。青色光認識能力の抑制されたクリプトクロム変異体(cry1)が陽性対照区植物体として使用された。BIT1 AS形質転換体の開花時期における表現型は野生型との大きい相違点は無かった。
【0055】
<実施例2>青色光信号伝達が増大した表現型を示す形質転換植物体の製作および選抜
【0056】
実施例1で得られた形質転換シロイヌナズナの表現型に対してBIT1遺伝子の発現が抑制されて見えたのかを確認するために、BIT1遺伝子を過剰発現させて形質転換シロイヌナズナの表現型を観察した。まず、BIT1遺伝子をpCsVMV−GFPベクター(本ベクターは強い発現を誘導する−443to+72のCsVMV(Cassava vein mosaic virus)プロモーターを含む(Verdaguer et al., (1998) Plant Mol Biol. 37: 1055-67)を制限酵素EcoRIとXhoIとの間にクローニングすることにより、BIT1遺伝子を含むpCsVMV−GFP::BIT1組み換えベクターを製作した。 結果的に構築されたpCsVMV−GFP::BIT1ベクターは、大腸菌またはアグロバクテリウム・ツメファシエンスに導入するときに形質転換体を選別し得るカナマイシン(kannmycin)抵抗性遺伝子を含み、シロイヌナズナに導入するときに形質転換体を選別し得るハイグロマイシン(hygromycine)抵抗性遺伝子を含む。
【0057】
前記pCsVMV−GFP::BIT1組み換えベクターをアグロバクテリウム・ツメファシエンスAgl1菌株(Lazo et al., 1991) Biotechnology 9:963-967)にエレクトロポレーション方法で導入させ、カナマイシン抵抗性を有するアグロバクテリウム・ツメファシエンスを培養してフローラルディッピング方法(Clough et al., (1998) Plant J. 16: 735-743)でシロイヌナズナに形質転換させた。形質転換されたシロイヌナズナを、15μg/mLのハイグロマイシンが含まれた培地で選別した。図3および図4に示すように、形質転換されたシロイヌナズナ(BIT1 GFP)は、対照群としてのシロイヌナズナとは異なり、青色光認識が増大した表現型を示すことを確認することができた。BIT1 GFP形質転換体の表現型は、苗木状態のときには非常に小さい状態であるが、成長しながら益々回復して開花時期における表現型は野生型との大きい相違点は無かった。
【0058】
<実施例3>RT−PCRによる形質転換植物体におけるBIT1遺伝子の発現程度の確認
【0059】
BIT1遺伝子が形質転換シロイヌナズナで低発現或いは過剰発現されるか否かを確認するために、RT−PCRを行った。まず、シロイヌナズナコロンビア野生型(Col−O(wt))と実施例1および2で得られたシロイヌナズナ形質転換体からRNeasy plant mini kit(QIAGEN、USA)を用いて製造社の指針に従って全体RNAをそれぞれ抽出した。得られた全体RNAを1μgずつImProme−II reverse transcription system(Promega、USA)を用いて製造社の指針に従ってcDNAをそれぞれ生成した。こうしに作られたcDNAを鋳型DNAにして下記のPCR条件で行った。
【0060】
全体反応溶液の量は50μLである。PCR反応における最終濃度および行われたサイクルの回数および条件は次のとおりである。
【0061】
(最終濃度)
鋳型DNA:1μL
BIT1正方向プライマー(配列番号3):0.2μM
BIT1逆方向プライマー(配列番号4):0.2μM
ACT正方向プライマー(配列番号5):0.2μM
ACT逆方向プライマー(配列番号6):0.2μM
dNTP mix:0.8mM
Taq buffer:1x
Taq酵素:1U
【0062】
(サイクルの回数および条件)
94℃で10秒、56℃で30秒、72℃で1分間各30回繰り返し行い、72℃で10分間反応する。
【0063】
その結果、図5に示すように、野性型(Col−0)に比べてBIT1アンチセンス形質転換体(BIT1 AS)では前記遺伝子が殆ど発現されず、逆にBIT1遺伝子過剰発現形質転換体(BIT1 GFP)では前記遺伝子が相当高い水準に発現されることを確認することができた。
【0064】
<実施例4>形質転換植物体におけるアントシアニン(Anthocyanin)蓄積程度の確認
【0065】
強い青色光によって、蓄積されるアントシアニンが野生型(Col−0)に比べて形質転換シロイヌナズナで低発現或いは過剰発現されるか否かを確認するために、アントシアニンを測定した。まず、シロイヌナズナコロンビア野生型(Col−O(wt))と実施例1、2で得られたシロイヌナズナ形質転換体の種子を消毒し、3日間低温処理を施した後、1/2 B5倍値に50個ずつ播いて12時間白色光の下で発芽を誘導した後、青色光の下で5日間育てた。5日間青色光の下で成長した個体をサンプリングしてその重さを測った後、アントシアニン抽出法(Kim et al., (2003) Plant Cell, 15: 23992407)を用いて300μLの1%(v/v)hydrochloric acid in methanolに浸し、しかる後に、一晩中4℃で保管した。相対的なアントシアニン濃度は530nm〜657nm値にそれぞれのサンプル重量で割って計算した。
その結果、図6に示すように、野性型(Col−0)に比べてBIT1アンチセンス形質転換体(BIT1 AS)ではアントシアニンの蓄積が低く、逆にBIT1遺伝子過剰発現形質転換体(BIT1 GFP)ではアントシアニンが相当高い水準に蓄積されることを確認することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)植物体において配列番号1の塩基配列からなる遺伝子、または配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子を過剰発現させる段階と、
(II)その遺伝子が過剰発現されることにより青色光認識能力が増大した植物体を選別する段階とを含んでなる、青色光認識能力が増大した植物体の製造方法。
【請求項2】
前記配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子は、配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドを暗号化する遺伝子であることを特徴とする、請求項1に記載の青色光認識能力が増大した植物体の製造方法。
【請求項3】
前記段階(I)の過剰発現させる段階は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを暗号化するポリヌクレオチドを植物体に導入する段階を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の青色光認識能力が増大した植物体の製造方法。
【請求項4】
前記段階(I)の過剰発現させる段階は、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドを暗号化するポリヌクレオチドを、調節ヌクレオチド配列を含む発現ベクターに作動可能に挿入させて組み換え発現ベクターを製作する段階と、前記組み換えベクターをアグロバクテリウムバクテリアに形質転換させる段階と、前記形質転換されたアグロバクテリウムバクテリウムで植物体を形質転換させる段階とを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の青色光認識能力が増大した植物体の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法によって得られた、青色光認識能力が増大した植物体。
【請求項6】
(I)植物体において配列番号1の塩基配列からなる遺伝子、または配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子の発現を抑制させる段階と、
(II)その遺伝子の発現が抑制されることにより青色光認識能力が抑制された植物体を選別する段階とを含んでなる、青色光認識能力が抑制された植物体の製造方法。
【請求項7】
前記配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子は、配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドを暗号化する遺伝子であることを特徴とする、請求項6に記載の青色光認識能力が抑制された植物体の製造方法。
【請求項8】
前記(I)の抑制段階は、配列番号1の塩基配列からなる遺伝子、配列番号1の塩基配列からなる遺伝子転写産物(mRNA)、配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子、および配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子転写産物(mRNA)から構成された群から選ばれたポリヌクレオチドに相補的に結合することが可能なアンチセンスヌクレオチドを植物体に形質転換させる段階を含んでなることを特徴とする、請求項6に記載の青色光認識能力が抑制された植物体の製造方法。
【請求項9】
前記アンチセンスヌクレオチドを植物体に形質転換させる段階は、そのアンチセンスヌクレオチドを、調節ヌクレオチド配列を含む発現ベクターに作動可能に挿入させて組み換え発現ベクターを製作する段階と、前記組み換え発現ベクターをアグロバクテリウムバクテリアに形質転換させる段階と、前記形質転換されたアグロバクテリウムバクテリアで植物体を形質転換させる段階とを含んでなることを特徴とする、請求項8に記載の青色光認識能力が抑制された植物体の製造方法。
【請求項10】
前記(I)の抑制段階は、当業界における遺伝子除去(gene deletion)、遺伝子挿入(gene insertion)、T−DNA導入、同種組み換え(homologous recombination)、トランスポゾン標識法(transposon tagging)、またはsiRNA(small interfering RNA)による方法によって行われることを特徴とする、請求項6に記載の青色光認識能力が抑制された植物体の製造方法。
【請求項11】
請求項6〜10のいずれか1項に記載の方法によって得られた、青色光認識能力が抑制された植物体。
【請求項12】
(I)植物体において配列番号1の塩基配列からなる遺伝子、または配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子を過剰発現させる段階と、
(II)その遺伝子が過剰発現されることによりアントシアニンが過蓄積された 植物体を選別する段階とを含んでなる、アントシアニンが過蓄積された植物体の製造方法。
【請求項13】
前記配列番号1の塩基配列と類似の配列からなる遺伝子は、配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドを暗号化する遺伝子であることを特徴とする、請求項12に記載のアントシアニンが過蓄積された植物体の製造方法。
【請求項14】
前記段階(I)の過剰発現させる段階は、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドを暗号化するポリヌクレオチドを植物体に導入する段階を含んでなることを特徴とする、請求項12に記載のアントシアニンが過蓄積された植物体の製造方法。
【請求項15】
前記段階(I)の過剰発現させる段階は、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドを暗号化するポリヌクレオチドを、調節ヌクレオチド配列を含む発現ベクターに作動可能に挿入させて組み換え発現ベクターを製作する段階と、前記組み換えベクターをアグロバクテリウムバクテリアに形質転換させる段階と、前記形質転換されたアグロバクテリウムバクテリウムで植物体を形質転換させる段階とを含んでなることを特徴とする、請求項12に記載のアントシアニンが過蓄積された植物体の製造方法。
【請求項16】
請求項12〜15のいずれか1項に記載の方法によって得られたアントシアニンが過蓄積された植物体。
【請求項17】
(I)発現させようとする目的遺伝子、アントシアニンを過蓄積させる機能を有する配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチドおよび調節ヌクレオチド配列を含む発現ベクターを植物体に形質転換させる段階と、(II)アントシアニンの過蓄積された植物体を選別する段階とを含んでなる、植物体の選別方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2012−518405(P2012−518405A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551016(P2011−551016)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【国際出願番号】PCT/KR2010/001111
【国際公開番号】WO2010/095909
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(509242794)ポステック アカデミー‐インダストリー ファウンデーション (9)
【Fターム(参考)】