説明

静的ウェブページ生成方法、プログラム、記録媒体及び静的ウェブページ生成管理システム

【課題】良好な動的ページから静的ページへの変換を行う。
【解決手段】動的ページの置かれる第1のアドレスと静的ページの置かれる第2のアドレスとの対応関係を定めたテーブルを登録する(ステップS1)。登録された任意の第1のアドレスに基づいてウェブページを呼び出し、テキストファイルに変換して保存する(ステップS2)。保存されたテキストファイルに対し、ウェブページのリンクを示す所定文字列を抽出する(ステップS3)。抽出された文字列の中の特定の部分に関して、テーブルから合致する第1のアドレスを検索する(ステップS4)。ステップS4で検索された第1のアドレスを、対応する第2のアドレスに置換する(ステップS5)。置換された中間ファイルの名称を、ステップS1で呼び出された第1のアドレス(変換前アドレス)に対応する第2のアドレス(変換後アドレス)に書き替えて保存する(ステップS7)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインターネット上での検索エンジンによる検索を有効に機能させるようにするための静的ウェブページ生成方法、プログラム、記録媒体及び静的ウェブページ生成管理システムに関する。詳しくは、動的に生成されたページから静的なページへの自動変換が良好に行われるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来の検索エンジンにおけるインデクシングでは、動的ページからの情報の抽出に多くの処理を必要としている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、ウェブサイトにおいて動的ページにも検索が掛りやすくするための工夫をしているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
すなわち、これらの特許文献1、2に開示された技術では、動的ページは動的ページのままで検索エンジンのインデクシングに対応するようにしているものである。
【特許文献1】特表2003−518293号公報
【特許文献2】特開2003−114891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
いわゆるネットショップの業績は、そのネットショップの来訪者の数と来訪者1人当りの購入率との掛け算で決定される。ここで購入率は市場の外的要因が大きく変化しない短期には大きくは変わらないものと考えられており、従ってネットショップの業績は、そのネットショップへの来訪者の数が多くあるほど上がるものと考えられる。しかしながら、ウェブ上に数多く存在するショップの中から特定のショップを選び出すことは容易ではなく、来訪者の多くは、一度来た人が再訪している場合がほとんどである。
【0006】
一方、ウェブ上に数多く存在するショップの中から特定のショップを選び出す手段として、来訪者の多くはいわゆる検索エンジンを用いていることが考えられる。そこでネットショップに新規の来訪者を増やすには、検索エンジンにおいてショップにつながるキーワードが索引に登録(インデクシング)されることが重要な条件となる。すなわちこのインデクシングによって、検索エンジンでショップが選出される機会が増し、それによって新規の来訪者がショップを訪れることが期待される。
【0007】
ところでネットショップのウェブサイトにおいては、購入契約ページ等との連携の都合から多くの場合にページが動的に生成される。ところが、このような動的ページは、そこから生成されるページの数が無制限であるため、検索エンジンにおいて自動的にインデクシングを行う場合には、その全てのページを対象とすることは困難である。そこで多くの検索エンジンのインデクシングでは、対象とするページ数を制限している。このため、動的に生成されたページでは、インデクシングが充分には行われないのが現状である。
【0008】
このような現状に対して、上述の特許文献1に開示された技術では、検索エンジンにおいて動的ページからの情報の抽出をより詳細に行うものであるが、このような技術が一般的な検索エンジンに採用されるものではない。また、特許文献2に記載の技術は、ウェブサイトにおいて動的ページにも検索が掛りやすくする工夫をしているものであるが、動的ページのままでは検索エンジンのインデクシングに充分対応できるものではなく、さらに動的ページの生成に制限を加えることは、利用者に不利益が生じる恐れがある。
【0009】
なお、ウェブサイトをインデクシングの対象となる静的ページだけで生成することは可能であるが、すでに生成されている動的ページ等の既存の資源を無駄にすることは利用者の理解を得ることが難しい。また、動的に生成されたページを静的ページに変換することは動的ページを順番に指定することによって可能であるが、その全てのページを対象として自動処理を行うことは、ページ数が無制限であるために、上述の検索エンジンにおける自動的にインデクシングを行う場合と同様に実施が困難である。
【0010】
この発明はこのような問題点に鑑みて成されたものであって、本発明の目的は、動的に生成されたページから静的なページへの自動変換が良好に行われるようにして、生成された静的ページによる検索エンジンでのインデクシングが充分に行われ、検索エンジンを利用した際のウェブサイトの選出が有効に機能されるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決し、本発明の目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、インターネット上で閲覧される動的ページから静的ページを生成する静的ウェブページ生成方法であって、静的ページに変換すべき動的ページの置かれる第1のアドレスとこの動的ページを変換した静的ページの置かれる第2のアドレスとの対応関係を定めたテーブルを登録する第1のステップと、テーブル中の一つの前記第1のアドレスを変換対象アドレスとして読み出して、そのアドレスが示しているウェブページの情報をテキストファイルに変換して保存する第2のステップと、テキストファイル中のリンクを示す所定文字列を全て抽出してこの抽出された文字列に続くアドレスについてテーブルに登録された第1のアドレスの中に一致するものがあるか否かを検索する第3のステップと、検索により第1のアドレスと一致するものがあったときに抽出された文字列に続くアドレスをテーブルに従って対応する第2のアドレスに置き換える第4のステップと、テキストファイルの名称をテーブル中の変換対象アドレスとして読み出した第1のアドレスに対応する第2のアドレスに書き替える第5のステップとを有し、第1〜第5のステップをテーブルに登録された全ての第1のアドレスに対して順次実行することを特徴とする静的ウェブページ生成方法である。
【0012】
請求項2に記載の静的ウェブページ生成方法においては、請求項1に記載の第5のステップの前または後において、第2のアドレスがアクセスされたときにこのアクセスの状況を指定のデータベースに通知するプログラムをテキストファイルに挿入する第6のステップをさらに含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の目的を達成するため、請求項3に記載された発明は、インターネット上で閲覧される動的に生成されたページを静的ページに変換するための静的ウェブページ生成プログラムであって、静的ページに変換すべき動的ページの置かれる第1のアドレスとこの動的ページを変換した静的ページの置かれる第2のアドレスとの対応関係を定めたテーブルを登録する第1の手順と、テーブル中の一つの第1のアドレスを変換対象アドレスとして読み出して、そのアドレスが示しているウェブページの情報をテキストファイルに変換して保存する第2の手順と、テキストファイル中のリンクを示す所定文字列を全て抽出してこの抽出された文字列に続くアドレスについてテーブルに登録された第1のアドレスの中に一致するものがあるか否かを検索する第3の手順と、検索により第1のアドレスと一致するものがあったときに抽出された文字列に続くアドレスをテーブルに従って対応する第2のアドレスに置き換える第4の手順と、テキストファイルの名称をテーブル中の変換対象アドレスとして読み出した第1のアドレスに対応する第2のアドレスに書き替える第5の手順とを順次実行することを特徴とする静的ウェブページ生成プログラムである。
【0014】
請求項4に記載の静的ウェブページ生成プログラムにおいては、請求項3に記載の第5の手順の前または後において、第2のアドレスがアクセスされたときにこのアクセスの状況を指定のデータベースに通知するプログラムをテキストファイルに挿入する第6の手順をさらに実行することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の目的を達成するため、請求項5に記載された発明は、請求項3または4に記載の静的ウェブページ生成プログラムをコンピュータで実施可能な形態で記録した記録媒体である。
【0016】
さらに、本発明の目的を達成するため、請求項6に記載された発明は、インターネット上で閲覧される動的に生成されたページから静的ページを生成して管理を行う静的ウェブページ生成管理システムであって、インターネットに接続されて動的に生成されたページを保存するサーバ装置に、静的ページに変換すべき動的ページの置かれる第1のアドレスとこの動的ページを変換した静的ページの置かれる第2のアドレスとの対応関係を定めたテーブルを登録する第1の手段と、テーブル中の一つの第1のアドレスを変換対象アドレスとして読み出して、そのアドレスが示しているウェブページの情報をテキストファイルに変換して保存する第2の手段と、テキストファイル中のリンクを示す所定文字列を全て抽出してこの抽出された文字列に続くアドレスについてテーブルに登録された第1のアドレスの中に一致するものがあるか否かを検索する第3の手段と、検索により第1のアドレスと一致するものがあったときに抽出された文字列に続くアドレスをテーブルに従って対応する第2のアドレスに置き換える第4の手段と、テキストファイルの名称をテーブル中の変換対象アドレスとして読み出した第1のアドレスに対応する第2のアドレスに書き替える第5の手段とを設けることを特徴とする静的ウェブページ生成管理システムである。
【0017】
請求項7に記載の静的ウェブページ生成管理システムにおいては、請求項6に記載のサーバ装置には、第2のアドレスがアクセスされたときにこのアクセスの状況をインターネットに接続される指定のデータベースに通知するプログラムをテキストファイルに挿入する第6の手段をさらに設け、指定のデータベースには、通知された第2のアドレスがアクセスされたときの状況に応じて課金する第7の手段を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の静的ウェブページ生成方法、プログラム、記録媒体及び静的ウェブページ生成管理システムによれば、無駄な処理が行われないことによって、動的に生成されたページから静的なページへの自動変換を迅速に行うことができる。そして、このように生成された静的ページは、検索エンジンでのインデクシングが充分に行われ、検索エンジンを利用した際のウェブサイトの選出を有効に機能させることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明による静的ウェブページ生成方法、プログラム、記録媒体及び静的ウェブページ生成管理システムを適用したネットショップの一実施形態例の構成を示すブロック図である。
【0020】
図1の実施形態例において、ウェブサーバ装置100のデータベース101には、例えばネットショップを構成する動的ページを含むウェブページデータ102が記憶される。そして、これらのウェブページデータ102はインターネット200から閲覧可能とされている。従って、このようなウェブページデータ102は、例えばパーソナルコンピュータ300において該当するアドレス(URL)を指定することにより、パーソナルコンピュータ300のディスプレイに表示させることができるものである。
【0021】
しかしながら、このような動的ページを含むウェブページデータ102は、上記のように例えば検索サイト400の検索エンジンではインデクシングの対象になり難いものである。従って、パーソナルコンピュータ301において検索サイト400に所望のキーワードを送っても、この検索サイト400でウェブサーバ装置100のアドレス(URL)を検索することのできない恐れがある。このため、このようなウェブサーバ装置100は、来訪者の数をなかなか増やすことができなかった。
【0022】
本発明は、このような動的ページを含むウェブページデータ102の設けられたウェブサーバ装置100に対して、動的に生成されたページから静的なページへの自動変換を行う処理を導入するものである。そこで、図1の実施形態例においては、ウェブサーバ装置100を制御するコンピュータ110に対して、本発明による静的ウェブページ生成方法を実現するプログラムを、例えば記録媒体103を通じてインストールする。これにより、動的ページから静的ページへの自動変換が実施される。
【0023】
すなわち、本発明の静的ウェブページ生成プログラムのインストールにより、コンピュータ110には、以下に述べる手段111〜116が設けられる。
手段111:静的ページに変換すべき動的ページの置かれる第1のアドレスとこの動的ページを変換した静的ページの置かれる第2のアドレスとの対応関係を定めたテーブルを登録する。
【0024】
手段112:テーブル中の一つの第1のアドレスを変換対象アドレスとして読み出してそのページの情報をテキストファイルに変換して保存する。
手段113:テキストファイル中のリンクを示す所定文字列を抽出してこの抽出された文字列に続くアドレスについてテーブルに登録された第1のアドレスの中に一致するものがあるか否か検索する。
【0025】
手段114:検索により第1のアドレスと一致するものがあったときに抽出された文字列に続くアドレスをテーブルに従って対応する第2のアドレスに置き換える。
手段115:テキストファイルの名称をテーブル中の変換対象アドレスとして読み出した第1のアドレスに対応する第2のアドレスに書き替える。
手段116:第2のアドレスがアクセスされたときにこのアクセスの状況を指定のデータベースに通知するプログラムをテキストファイルに挿入する。
【0026】
そしてこれらの手段111〜116を用いて、動的に生成されたページから静的なページへの自動変換を行う処理が、図2に示すフローチャートに従って行われる。
【0027】
図2において処理が開始されると、最初に登録手段111を用いて、静的ページに変換すべき動的ページの置かれる第1のアドレスとこの動的ページを変換した静的ページの置かれる第2のアドレスとの対応関係を定めたテーブルを登録する(ステップS1)。このテーブルでは、A欄とB欄とが各行において対応関係とされ、例えば図3に示すように、A欄には静的ページに変換しようとする動的ページの第1のアドレス、B欄には変換した静的ページの置かれる第2のアドレスが記載される。
【0028】
なお、テーブルのA欄に記載される第1のアドレス(変換前アドレス)は、例えばネットショップの経営者がすでに作成されたウェブページの中から、検索エンジンによるインデクシングを期待するキーワードを含む任意のページを選択することによって指定される。これに対して、B欄に記載される第2のアドレス(変換後アドレス)は、第1のアドレスで動的ページを示す例えば「.asp?」以降の部分を、互いに異なる任意の文字列に書き替えると共に、アドレスの末尾を例えば「.htm」としたものである。
【0029】
次に、ステップS1でテーブルが登録されると、このテーブルのA欄に記載された任意のアドレスに基づいてウェブサーバ装置100のデータベース101に記憶されたウェブページを呼び出し、呼び出されたウェブページの情報をテキストファイルに変換して、保存手段112により中間ファイルとして保存する(ステップS2)。なお、図1の実施形態例ではコンピュータ110をウェブサーバ装置100に直結して設けているが、これらの処理はインターネット200を通じて外部から行うことも可能である。
【0030】
続いて、ステップS2で保存されたテキストファイルに対して、ウェブページのリンクを示す所定文字列を抽出する(ステップS3)。ここでは、例えばテキストファイルの中の「a href="サーバ名〜"」の文字列が抽出される。このステップS3での文字列の抽出の後、抽出された文字列の中の「サーバ名〜」の部分に関して、上述のテーブルのA欄に記載されたアドレスの中にこの「サーバ名〜」に合致するアドレス(該当ページ)があるか否かを検索手段113により検索する(ステップS4)。
【0031】
そして、ステップS4で検索されたA欄のアドレスを、上述のテーブルに従って対応するB欄のアドレスに置き換える(ステップS5)。この処理は、図1の実施形態例では置換手段114にて行われる。なお、ステップS3、4で該当する文字列やアドレスが無いときは、処理は何も行われない。また、ステップS3〜5の処理がステップS2で保存されたテキストファイルの全文に対して行われたか否かを判断し(ステップS6)、解析・置換が終了していないとき(No)は、ステップS3からの動作を繰り返す。
【0032】
さらに、ステップS6で解析・置換が終了したとき(Yes)は、置換された中間ファイルの名称を、ステップS1で呼び出された第1のアドレス(変換前アドレス)に対応するB欄に記載された第2のアドレス(変換後アドレス)に書替手段115で書き替えて、ウェブサーバ装置100のデータベース101に保存する(ステップS7)。また、挿入手段116にて、置換された中間ファイルに後述するアクセスの状況を指定のデータベースに通知するスクリプト(プログラム)を挿入する(ステップS8)。
【0033】
以上の処理を、ステップS1で登録されたテーブルのA欄に記載される第1のアドレス(変換前アドレス)の全てについて完了するまで、ステップS2〜8を繰り返す(ステップS9=No)。そして、全ての登録ページの変換が完了すると、ステップS9の判断が(Yes)となり、処理は終了される。これによって、例えばネットショップの経営者が指定したインデクシングを期待するキーワードを含む全てのウェブページについて、動的に生成されたページから静的なページへの変換が行われる。
【0034】
さらに図4には、上述の処理の流れを模式図にして示す。なお図面は、プログラムPに沿って左から右への時系列で描かれている。
【0035】
この図4において、最初にテーブルTが登録されると、このテーブルTのA欄に記載された任意のページAのURLが選択され、選択されたURLに従ってウェブサーバ装置100からページが取り出され、中間ファイルFに変換されて保存される。次に、このファイルFの中にリンクを示す所定の文字列があるか否かが判断され(ステップS3)、文字列があるとき(Yes)は、さらに文字列に続く「サーバ名〜」について、テーブルTのA欄に該当するページがあるか否かが判断される(ステップS4)。
【0036】
そしてA欄に該当するページがあるとき(Yes)は、「サーバ名〜」がテーブルTのA欄のページXからB欄のページYに置換されて、中間ファイルF´とされる(ステップS5)。なお、中間ファイルFに所定の文字列が無いか、該当するページが無いとき(No)は、中間ファイルFはそのままである。
【0037】
そこで、これらの中間ファイルFまたはF´をファイルBとして、その名称が、任意に選択された上述のテーブルTのA欄に記載されたページAに対応するB欄に記載されたページBのURLに書き替えられ、書き替えられたファイルB´がウェブサーバ装置100に保存される(ステップS6)。また、書き替えられたファイルB´には、アクセス解析用のスクリプトS(プログラム)が追加される(ステップS7)。なお、スクリプトSを追加するステップS7は、ステップS6の前または後のいずれでもよい。
【0038】
以上のようにして、動的に生成されたページから静的なページへの変換が行われる。そして、このように静的に変換されたページのウェブページデータ104は、図1においては、例えば検索サイト400の検索エンジンのインデクシングの対象になるものである。従って、パーソナルコンピュータ301から検索サイト400に所望のキーワードを送ることにより、この検索サイト400でウェブサーバ装置100のアドレス(URL)が検索され、新たな来訪者の数を良好に増やすことができるようになる。
【0039】
従って、上述の実施形態例においては、動的に生成されたページから静的なページへの自動変換が良好に行われることにより、生成された静的ページによる検索エンジンでのインデクシングが充分に行われて、検索エンジンを利用した際のウェブサイトの選出を有効に機能させることができる。また、その際に、すでに生成されている動的ページ等の既存の資源を無駄にすることがない。さらに変換の対象となるページが予め指定されるので、変換対象のページ数が無制限になることも無く、現実的な実施が可能となる。
【0040】
なお、上述の実施形態例において、最初に登録手段111でテーブルTに登録されない動的ページについては、静的ページへの変換の対象とならないと共に、ステップS5でのアドレスの置換の対象にもならない。このため、購入契約ページ等の動的ページで機能するページのアドレスはテーブルTに登録しないことによって、その機能を保存することができる。すなわち、検索される静的ページに設けられた動的ページへのリンクは、そのまま置換を行わないことにより、動的ページへのリンクも可能となる。
【0041】
これにより、例えば購入契約ページ以外の商品の機能動作を紹介するような動的ページについても、テーブルTに登録しないことによって、検索された静的ページからのリンクを可能にすることができる。従って、上述の実施形態例は、動的ページを活用したウェブページにも有効に利用することができると共に、すでに生成されている動的ページ等の既存の資源も無駄にすることなく有効に利用して、検索対象となる良好なウェブページを形成することができるものである。
【0042】
さらに、上述の実施形態例においては、静的に変換されたページのウェブページデータ104にはアクセス解析用のスクリプトS(プログラム)が追加されている。このため、例えば図1においてウェブページデータ104がアクセスされると、その情報がインターネット200を通じて課金サイト500に通知される。そしてこの通知される情報には、例えばアクセスされたウェブページのアドレスと、アクセス元のアドレス、及びアクセスの経路等を含めることが可能である。
【0043】
そこで、このようなアクセス解析の情報を利用することにより、例えばネットショップの経営者に対して、本発明の静的ウェブページ生成プログラムを用いて生成されたウェブページへのアクセスに対する課金を行うことが可能となる。すなわち、課金サイト500に通知されたアクセス情報をウェブページのアドレスごとに計数して、その計数値に応じた課金を実施することが可能となる。またその課金では、アクセス経路が検索サイトを通じたものであるときのみ課金を行うなどの処理も行うことができる。
【0044】
なお、上述のアクセス解析用のスクリプトは、例えば次のように記述される。
<SCRIPT Language="JavaScript">
<!--
document.write("<img src='http://アクセス解析サーバ名/cgi-bin/test_program.cgi?referrer=");
document.write(document.referrer+"&ATL=");
document.write(escape(document.title)+"&AHP=");
document.write(document.URL+"&AID=契約顧客番号' width=1 height=1>");
// -->
</SCRIPT>
【0045】
このスクリプトにおいて、記述中の「http://アクセス解析サーバ/acclog.cgi?」は、このサービスが実際に稼動しているサーバのURLを示している。そして、このようなスクリプトが挿入されることによって、課金サイト500には、例えば図5に示すようなアクセスログが送信されて保存されることになる。ここで、図5に示すアクセスログには、22件のアクセスの状況が記載されているが、そのリファーの欄にはアクセスがどこから行われたかが示されている。
【0046】
そこで、このリファー欄に示されたアクセス経路を用いて、課金の対象となるアクセスを判別することができる。すなわち、図5のID欄の1番に記載されたトップページへのアクセスは、リファー欄によると任意の検索サイトAを経由したものであり、検索サイトを経由したアクセスは本発明が機能した結果であると判断されるので、課金の対象となる。これに対して、図5のID欄の2〜4番に記載されたアクセスは、トップページからサイト内を移動したものであり、課金の対象とはしない。
【0047】
さらに、図5のID欄の5〜10番に記載されたアクセスは、検索サイトAを経由したものであるから課金の対象となる。また、図5のID欄の11〜15番及び16〜19番に記載されたアクセスも、それぞれ任意の検索サイトBまたはCを経由したものであるので、課金の対象となる。しかしながら、図5のID欄の20〜22番はリファー欄が空欄であり、これは利用者が直接URLを指定してアクセスを行ったものであるので、これも課金の対象外となる。
【0048】
以上のようにして、図5に示したアクセスログの例によれば、ID欄の1番と5〜19番が課金の対象となり、ID欄の2〜5番と20〜22番は課金の対象から除外される。すなわち、本発明においては、課金の対象が検索サイトを経由したアクセスのみに限定される。従って、例えば本発明を採用したネットショップの経営者には、本発明が機能した結果のアクセスだけに課金が請求され、他のアクセスは課金の対象外とされることによって、常に適正な課金が行われることになる。
【0049】
ところで、上述の実施形態例において、図3のB欄に記載されるアドレスの中で、先頭の「http//サーバ名/」と、最後の「.htm」を除く間の部分の文字列は任意に記述することができるものである。そこでこの部分に「商品名」や「カテゴリ名」を記述して、このアドレスをURL欄に表示することで、それらの認識を高めることができる。すなわち、従来は省略された英文や数字の記述で直接的な意味を成さなかったURLに「商品名」や「カテゴリ名」を記述することで、それらに意味を持たせることができる。
【0050】
そこでそのためには、例えば図6に示すように、テーブルのA欄の記入に際して、関連する「商品名」や「カテゴリ名」を記入する商品名欄を設ける。なお、このような商品名欄に記入される「商品名」や「カテゴリ名」は、例えばネットショップ上の商品マスタを抽出することによって、容易に選択して商品名欄に記入することができる。そして、これらの商品名欄に記入された「商品名」や「カテゴリ名」と、A欄のアドレスとを合せることにより、B欄のアドレスが自動的に形成される。
【0051】
こうして、上述の実施形態例においては、検索サイトからのアクセス時に、URL欄には「商品名」や「カテゴリ名」を含むアドレスが表示され、これらの「商品名」や「カテゴリ名」に対する認識を高めることができ、高い宣伝効果を得ることができる。すなわち、アクセスを行った利用者には、URL欄に表示された「商品名」や「カテゴリ名」を見せることで、その「商品名」や「カテゴリ名」に対する認識度が高められ、有効な商品の宣伝を行うことができる。
【0052】
以上説明したように、本発明の静的ウェブページ生成方法によれば、インターネット上で閲覧される動的ページから静的ページを生成する静的ウェブページ生成方法であって、静的ページに変換すべき動的ページの置かれる第1のアドレスとこの動的ページを変換した静的ページの置かれる第2のアドレスとの対応関係を定めたテーブルを登録する第1のステップと、テーブル中の一つの前記第1のアドレスを変換対象アドレスとして読み出して、そのアドレスが示しているウェブページの情報をテキストファイルに変換して保存する第2のステップと、テキストファイル中のリンクを示す所定文字列を全て抽出してこの抽出された文字列に続くアドレスについてテーブルに登録された第1のアドレスの中に一致するものがあるか否かを検索する第3のステップと、検索により第1のアドレスと一致するものがあったときに抽出された文字列に続くアドレスをテーブルに従って対応する第2のアドレスに置き換える第4のステップと、テキストファイルの名称をテーブル中の変換対象アドレスとして読み出した第1のアドレスに対応する第2のアドレスに書き替える第5のステップとを有し、第1〜第5のステップをテーブルに登録された全ての第1のアドレスに対して順次実行することにより、良好な動的ページから静的ページへの変換を行うことができる。
【0053】
また、本発明の静的ウェブページ生成プログラムによれば、インターネット上で閲覧される動的に生成されたページを静的ページに変換するための静的ウェブページ生成プログラムであって、静的ページに変換すべき動的ページの置かれる第1のアドレスとこの動的ページを変換した静的ページの置かれる第2のアドレスとの対応関係を定めたテーブルを登録する第1の手順と、テーブル中の一つの第1のアドレスを変換対象アドレスとして読み出して、そのアドレスが示しているウェブページの情報をテキストファイルに変換して保存する第2の手順と、テキストファイル中のリンクを示す所定文字列を全て抽出してこの抽出された文字列に続くアドレスについてテーブルに登録された第1のアドレスの中に一致するものがあるか否かを検索する第3の手順と、検索により第1のアドレスと一致するものがあったときに抽出された文字列に続くアドレスをテーブルに従って対応する第2のアドレスに置き換える第4の手順と、テキストファイルの名称をテーブル中の変換対象アドレスとして読み出した第1のアドレスに対応する第2のアドレスに書き替える第5の手順とを順次実行することにより、良好な動的ページから静的ページへの変換が行われる。
【0054】
さらに本発明の記録媒体によれば、上記の静的ウェブページ生成プログラムをコンピュータで実施可能な形態で記録することにより、上記のプログラムを円滑に配布することができる。
【0055】
また、本発明の静的ウェブページ生成管理システムによれば、インターネット上で閲覧される動的に生成されたページから静的ページを生成して管理を行う静的ウェブページ生成管理システムであって、インターネットに接続されて動的に生成されたページを保存するサーバ装置に、静的ページに変換すべき動的ページの置かれる第1のアドレスとこの動的ページを変換した静的ページの置かれる第2のアドレスとの対応関係を定めたテーブルを登録する第1の手段と、テーブル中の一つの第1のアドレスを変換対象アドレスとして読み出して、そのアドレスが示しているウェブページの情報をテキストファイルに変換して保存する第2の手段と、テキストファイル中のリンクを示す所定文字列を全て抽出してこの抽出された文字列に続くアドレスについてテーブルに登録された第1のアドレスの中に一致するものがあるか否かを検索する第3の手段と、検索により第1のアドレスと一致するものがあったときに抽出された文字列に続くアドレスをテーブルに従って対応する第2のアドレスに置き換える第4の手段と、テキストファイルの名称をテーブル中の変換対象アドレスとして読み出した第1のアドレスに対応する第2のアドレスに書き替える第5の手段とを設けることにより、動的ページから静的ページへの変換とその管理を良好に行うことができる。
【0056】
なお本発明は、上述の説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能とされるものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明による静的ウェブページ生成方法、プログラム、記録媒体及び静的ウェブページ生成管理システムを適用したネットショップの一実施形態例の構成を示すブロック図である。
【図2】その動作の説明のためのフローチャート図である。
【図3】その説明のためのテーブルの一例を示す表図である。
【図4】その説明のための処理の流れを示す模式図である。
【図5】その説明のためのテーブルの一例を示す表図である。
【図6】その説明のためのテーブルの一例を示す表図である。
【符号の説明】
【0058】
100…ウェブサーバ装置、101…データベース、102,104…ウェブページデータ、103…記録媒体、110…コンピュータ、111…登録手段、112…保存手段、113…検索手段、114…置換手段、115…書替手段、116…挿入手段、200…インターネット、300,301…パーソナルコンピュータ、400…検索サイト、500…課金サイト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット上で閲覧される動的ページから静的ページを生成する静的ウェブページ生成方法であって、
前記静的ページに変換すべき動的ページの置かれる第1のアドレスと該動的ページを変換した静的ページの置かれる第2のアドレスとの対応関係を定めたテーブルを登録する第1のステップと、
前記テーブル中の一つの前記第1のアドレスを変換対象アドレスとして読み出して、そのアドレスが示しているウェブページの情報をテキストファイルに変換して保存する第2のステップと、
前記テキストファイル中のリンクを示す所定文字列を全て抽出して該抽出された文字列に続くアドレスについて前記テーブルに登録された前記第1のアドレスの中に一致するものがあるか否かを検索する第3のステップと、
前記検索により第1のアドレスと一致するものがあったときに前記抽出された文字列に続くアドレスを前記テーブルに従って対応する第2のアドレスに置き換える第4のステップと、
前記テキストファイルの名称を前記テーブル中の前記変換対象アドレスとして読み出した前記第1のアドレスに対応する第2のアドレスに書き替える第5のステップとを有し、
前記第1〜第5のステップを前記テーブルに登録された全ての前記第1のアドレスに対して順次実行する
ことを特徴とする静的ウェブページ生成方法。
【請求項2】
前記第5のステップの前または後において、前記第2のアドレスがアクセスされたときに該アクセスの状況を指定のデータベースに通知するプログラムを前記テキストファイルに挿入する第6のステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項1記載の静的ウェブページ生成方法。
【請求項3】
インターネット上で閲覧される動的に生成されたページを静的ページに変換するための静的ウェブページ生成プログラムであって、
前記静的ページに変換すべき動的ページの置かれる第1のアドレスと該動的ページを変換した静的ページの置かれる第2のアドレスとの対応関係を定めたテーブルを登録する第1の手順と、
前記テーブル中の一つの前記第1のアドレスを変換対象アドレスとして読み出して、そのアドレスが示しているウェブページの情報をテキストファイルに変換して保存する第2の手順と、
前記テキストファイル中のリンクを示す所定文字列を全て抽出して該抽出された文字列に続くアドレスについて前記テーブルに登録された前記第1のアドレスの中に一致するものがあるか否かを検索する第3の手順と、
前記検索により第1のアドレスと一致するものがあったときに前記抽出された文字列に続くアドレスを前記テーブルに従って対応する第2のアドレスに置き換える第4の手順と、
前記テキストファイルの名称を前記テーブル中の前記変換対象アドレスとして読み出した前記第1のアドレスに対応する第2のアドレスに書き替える第5の手順と、
を順次実行することを特徴とする静的ウェブページ生成プログラム。
【請求項4】
前記第5の手順の前または後において、前記第2のアドレスがアクセスされたときに該アクセスの状況を指定のデータベースに通知するプログラムを前記テキストファイルに挿入する第6の手順をさらに実行する
ことを特徴とする請求項3記載の静的ウェブページ生成プログラム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の静的ウェブページ生成プログラムをコンピュータで実施可能な形態で記録した記録媒体。
【請求項6】
インターネット上で閲覧される動的に生成されたページから静的ページを生成して管理を行う静的ウェブページ生成管理システムであって、
前記インターネットに接続されて前記動的に生成されたページを保存するサーバ装置に、
前記静的ページに変換すべき動的ページの置かれる第1のアドレスと該動的ページを変換した静的ページの置かれる第2のアドレスとの対応関係を定めたテーブルを登録する第1の手段と、
前記テーブル中の一つの前記第1のアドレスを変換対象アドレスとして読み出して、そのアドレスが示しているウェブページの情報をテキストファイルに変換して保存する第2の手段と、
前記テキストファイル中のリンクを示す所定文字列を全て抽出して該抽出された文字列に続くアドレスについて前記テーブルに登録された前記第1のアドレスの中に一致するものがあるか否かを検索する第3の手段と、
前記検索により第1のアドレスと一致するものがあったときに前記抽出された文字列に続くアドレスを前記テーブルに従って対応する第2のアドレスに置き換える第4の手段と、
前記テキストファイルの名称を前記テーブル中の前記変換対象アドレスとして読み出した前記第1のアドレスに対応する第2のアドレスに書き替える第5の手段と、を設ける
ことを特徴とする静的ウェブページ生成管理システム。
【請求項7】
前記サーバ装置には、前記第2のアドレスがアクセスされたときに該アクセスの状況を前記インターネットに接続される指定のデータベースに通知するプログラムを前記テキストファイルに挿入する第6の手段をさらに設け、
前記指定のデータベースには、前記通知された前記第2のアドレスがアクセスされたときの状況に応じて課金する第7の手段を設ける
ことを特徴とする請求項6記載の静的ウェブページ生成管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate