説明

静脈再充満検知を用いたコンプライアンス監視

【課題】圧迫療法養生法の患者コンプライアンスを監視する方法を提供すること。
【解決手段】圧迫療法養生法の患者コンプライアンスを監視する方法であって、該方法は、信号を圧迫ガーメントに連結された圧力センサーから受信することであって、該ガーメントは、実質的に着用者の四肢の周りに巻かれるようサイズおよび形状が合わせられており、圧迫を膨張の際に該四肢へ適用する1つ以上の選択的膨張可能嚢を含み、該信号は、該四肢の周囲の寸法の変化を示す、信号を圧迫ガーメントに連結された圧力センサーから受信することと、該四肢の静脈再充満時間を該受信された信号の関数として決定すること、該決定された静脈再充満時間を監視することと、所定の閾値を越えている該監視された静脈再充満時間に応答して、患者コンプライアンスタイマーを増やすこととを含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
本発明の局面は、概して圧迫ガーメントに関し、特に圧迫ガーメントの使用を監視することに関する。
【背景技術】
【0002】
動けない患者およびそのような人にとっての主な関心事は、血液に血塊を形成する、深部静脈血栓症(DVT)および末梢性浮腫のような医学的状態である。そのような患者および人は、外科手術、麻酔、長期間の床上安静などを経験する人々を含む。これらの血塊状態は、下肢および/または骨盤の深部静脈で一般的に生じる。腸骨静脈、大腿静脈、膝窩静脈および膝骨静脈のようなこれら静脈は、酸素の少ない血液を心臓に戻す。例えば、これら静脈の血液循環が病気、怪我または無活動状態に起因して妨げられるとき、血液が蓄積またはうっ血する傾向がある。血液の静的なうっ血は、血塊の形成につながり得る。この状態に関連した主なリスクは、心臓血管循環への妨害である。非常に深刻なのは、血塊の破片は、動き、移動し得る。肺塞栓は、潜在的に主肺動脈をブロックする破片から形成され得、これは命を脅かし得る。現時の発明は、リンパ浮腫のような他の状態の治療にも適用され得る。
【0003】
従来の脈管圧迫システムは、圧迫スリーブまたは圧迫ガーメントを含み、それらはスリーブを周期的に膨張するコントローラーに流動的に接続されている。スリーブは、患者の四肢の周りを包み、1つ以上の室または嚢を有し、それらは膨張されることにより圧迫鼓動を四肢に提供し、典型的には、四肢の最も遠位である部分の周り(例えば、足根関節)から始まり、続いて心臓の方へ進行する。圧迫ガーメントの周期的な膨張は、血液循環を向上させ、DVTの可能性を減らす。また、脈管圧迫システムは、リンパ浮腫のような他の状態の治療に適用され得る。
【0004】
圧迫システムに対する重要な監視パラメータは、コントローラーにより計算される静脈再充満時間(VRT)である。静脈再充満時間は、四肢の静脈が圧迫の後に血液で膨張するのにかかる通常の時間である。特許文献1に開示されるような現時の装置は、スリーブの圧力変化を(例えば、圧力センサーを介して)四肢の周囲の寸法の変化の関数として検知することによりVRTを計測する。同様に、コントローラーは、それに応じて、計算されたVRTに基づいて、圧迫鼓動のサイクルを調節する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,231,532号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
処方された圧迫養生法および圧迫システムの使用の患者コンプライアンスは、共通の課題である。不幸なことに、システムの使用中、医学的専門家が患者を継続的に監視することは、公共医療サービス環境において、ほとんど不可能である。そのため、改善されたコンプライアンス監視に対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
一般的に、発明の局面は、決定されたVRTに基づき、圧迫療法養生法の患者のコンプライアンスを監視することに関する。一局面において、信号は、圧迫ガーメントに連結された圧力センサーから受信される。圧迫ガーメントは、実質的に着用者の四肢の周りに巻かれるようにサイズおよび形状が合わせられている。信号は、四肢の周囲の寸法の変化を示す。四肢の静脈再充満時間は、受信された信号の関数として決定され、監視される。監視された静脈再充満時間が所定の閾値を越えるとき、患者コンプライアンスタイマーは増やされる。
【0008】
発明の局面を具現化するシステムは、圧迫療法養生法の患者コンプライアンスを監視する。システムは、圧迫ガーメント、圧迫制御ユニットおよび圧力センサーを含む。ガーメントは、実質的に着用者の身体部の周りに巻かれるようにサイズおよび形状が合わせられており、ガーメントを身体部の周りに自己保持的な巻かれた構成で固定する使用のための1つ以上のファスナーを有する。ガーメントは、膨張の際に、圧迫を身体部に適用する1つ以上の選択的膨張可能嚢を含む。圧迫制御ユニットは、流体を加圧するポンプと、ポンプに流体連絡している出口ポートとを含む。出口ポートは、加圧された流体を膨張可能嚢のうちの少なくとも1つに選択的に搬送する、出口ポートに接続された流体管を有する。圧力センサーは、嚢のうちの少なくとも1つに連結され、ガーメントが巻かれた構成であるとき、身体部の周囲の寸法の変化を示す信号を生成する。制御ユニットは、また、身体部の静脈再充満時間を決定する圧力センサーにより生成された信号を受信し、信号に応答する1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、決定された静脈再充満時間を監視し、所定の閾値を越えている監視された静脈再充満時間に応答して、患者コンプライアンスタイマーを増やす。
【0009】
別の局面において、圧迫療法養生法の患者コンプライアンスを監視する方法は、圧迫ガーメントに連結された圧力センサーから信号を受信することを含む。信号は、圧迫ガーメントが実質的に四肢の周りに包まれるとき、四肢の周囲の寸法の変化を示す。方法は、四肢の静脈再充満時間を受信された信号の関数として決定することと、決定された静脈再充満時間を監視することとを含む。監視された静脈再充満時間は、通常の静脈再充満時間の所定の範囲に比較される。方法は、また、監視された静脈再充満時間を相関することにより、患者コンプライアンスを比較の関数として決定することを含む。
【0010】
他の目的および特徴は、以降、部分的に明らかになり、部分的に指摘される。
【0011】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
圧迫療法養生法の患者コンプライアンスを監視する方法であって、該方法は、
信号を圧迫ガーメントに連結された圧力センサーから受信することであって、該ガーメントは、実質的に着用者の四肢の周りに巻かれるようサイズおよび形状が合わせられており、圧迫を膨張の際に該四肢へ適用する1つ以上の選択的膨張可能嚢を含み、該信号は、該四肢の周囲の寸法の変化を示す、ことと、
該四肢の静脈再充満時間を該受信された信号の関数として決定すること、
該決定された静脈再充満時間を監視することと、
所定の閾値を越えている該監視された静脈再充満時間に応答して、患者コンプライアンスタイマーを増やすことと
を含む、方法。
(項目2)
上記監視された静脈再充満時間が上記所定の閾値未満であるとき、アラーム状態を示すことをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目3)
上記患者コンプライアンスタイマーを増やし続けるために、上記示されたアラーム状態をユーザーにより機能停止にすることをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
上記示されたアラーム状態が機能停止されたとき、上記所定の閾値を上記監視された静脈再充満時間にリセットすることをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
上記ガーメントの圧迫プロフィールを上記決定された静脈再充満時間の関数として変化させることをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
上記項目のいずれかに記載の方法であって、該方法は、
上記監視された静脈再充満時間を通常の静脈再充満時間の所定の範囲と比較することと、
該監視された静脈再充満時間を患者コンプライアンスに該比較の関数として相関させることと
をさらに含む、方法。
(項目7)
上記比較することは、上記監視された静脈再充満時間が通常の静脈再充満時間の上記範囲外になったとき、アラーム状態を示すことをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
上記示されたアラーム状態を手動で機能停止にすることと、通常の静脈再充満時間の上記範囲を該手動で機能停止にさせる際に、上記決定された静脈再充満時間に基づいてリセットすることとを可能にすることをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
通常の静脈再充満時間の上記範囲は、約30秒から約60秒である、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
圧迫療法養生法の患者コンプライアンスを監視するシステムであって、該システムは、
実質的に着用者の身体部の周りに巻かれるようサイズおよび形状が合わせられた圧迫ガーメントであって、該ガーメントは、膨張の際に圧迫を該身体部に適用する1つ以上の選択的膨張可能嚢を含む、圧迫ガーメントと、
該ガーメントを該身体部の周りに、自己保持的な巻かれた構成で固定する1つ以上のファスナーと、
該嚢のうちの少なくとも1つに連結された圧力センサーであって、該センサーは、該ガーメントが該巻かれた構成にあるとき、該身体部の周囲の寸法の変化を示す信号を生成する、圧力センサーと、
圧迫制御ユニットと
を備え、該制御ユニットは、
流体を加圧するポンプと、
該ポンプと流体連絡している出口ポートであって、該出口ポートは、加圧された流体を該膨張可能嚢のうちの少なくとも1つに選択的に搬送する、該出口ポートに接続された流体管を有する、出口ポートと、
該圧力センサーにより生成された信号を受信し、該圧力センサによって生成された該信号に応答する1つ以上のプロセッサと
を備え、該プロセッサは、
該身体部の静脈再充満時間を該受信された信号の関数として決定することと、
該決定された静脈再充満時間を監視することと、
患者コンプライアンスタイマーを所定の閾値を越えている該監視された静脈再充満時間に応答して増やすことと
を行う、システム。
(項目11)
上記圧迫制御ユニットは、上記監視された静脈再充満時間が上記所定の閾値を下回るときを示すアラームを含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目12)
上記圧迫制御ユニットは、上記患者コンプライアンスタイマーを増やし続けるために、上記アラームを機能停止にするユーザー入力に応答する、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目13)
上記1つ以上のプロセッサは、上記所定の閾値を上記アラームが機能停止にされたとき、上記監視された静脈再充満時間に対応する値にリセットするように構成されている、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目14)
上記圧迫制御ユニットは、上記患者コンプライアンスタイマーを表示するディスプレイを含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目15)
上記1つ以上のプロセッサは、上記監視された静脈再充満時間が約30〜60秒の範囲にあるとき、上記患者コンプライアンスタイマーを増やす、上記項目のいずれかに記載のシステム。
【0012】
(摘要)
圧迫療法養生法の患者コンプライアンスを監視すること。静脈再充満時間(VRT)は、圧迫システムの嚢の圧力センサーを介して監視される。圧迫システムのコントローラーは、監視されたVRTを所定の閾値に相関させることにより患者が圧迫システムを用いているかどうかを決定する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、圧迫療法養生法の患者コンプライアンスを監視するシステムの略図である。
【図2A】図2Aは、包まれていない構成の圧迫ガーメントの正面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの圧迫ガーメントを患者への使用に適合された巻かれた構成で例示する。
【図3A】図3Aは、本発明に従って、静脈再充満時間を決定する手続き中の例示的圧力プロフィールを例示するグラフである。
【図3B】図3Bは、本発明に従って、静脈再充満時間を決定する手続き中の例示的圧力プロフィールを例示するグラフである。
【図3C】図3Cは、本発明に従って、静脈再充満時間を決定する手続き中の例示的圧力プロフィールを例示するグラフである。
【図3D】図3Dは、本発明に従って、静脈再充満時間を決定する手続き中の例示的圧力プロフィールを例示するグラフである。
【図3E】図3Eは、本発明に従って、静脈再充満時間を決定する手続き中の例示的圧力プロフィールを例示するグラフである。
【図4】図4は、図3A〜図3Eの圧力プロフィールに基づいて、例示的カスタマイズされた静脈再充満決定を例示するグラフである。
【図5A】図5Aは、発明の実施形態に従った、制御ユニットのインターフェイスである。
【図5B】図5Bは、発明の実施形態に従った、患者コンプライアンスの例示的ディスプレイである。
【図6】図6は、発明の実施形態に従った、コンプライアンスを監視する例示的フローチャートである。
【図7】図7は、発明の別の実施形態に従った、コンプライアンスを監視する例示的フローチャートである。
【図8A】図8Aは、使用されていないときの膨張可能嚢の例示的圧力サイクルを例示するグラフである。
【図8B】図8Bは、使用されているときの膨張可能嚢の例示的圧力サイクルを例示するグラフである。
【図9A】図9Aは、使用されていないときの膨張可能嚢の静脈再充満決定中の例示的圧力プロフィールを例示するグラフである。
【図9B】図9Bは、使用されているときの膨張可能嚢の静脈再充満決定中の例示的圧力プロフィールを例示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
対応する参照文字は、図面を通して、対応する部品を示す。
【0015】
(詳細な説明)
図1を参照すると、患者コンプライアンスの監視をする圧迫療法システムが全体的に参照文字10により示される。実施形態において、システム10は、間欠的空気圧迫(IPC)装置などである。システム10は、患者の四肢または他の身体部に適合し得るガーメント14を含む。ガーメント14は、1つ以上の嚢18a〜nを伴ない、嚢の膨張中、圧迫を四肢に適用する。システム10は、また、嚢のうちの少なくとも1つ(例えば、嚢18b)に、例えば接続管および圧迫制御ユニット26を介して連結される圧力センサー22を含む。制御ユニット26は、処方された圧迫療法養生法の患者コンプライアンスを監視する。具体的には、後に詳細に説明されるように、制御ユニット26は、四肢の静脈再充満時間(VRT)を圧力センサー22から得られる圧力計測に基づいて決定または計算する。制御ユニット26は、決定されたVRTを監視し、監視されたVRTが所定の閾値を越える場合、活性時間およびタイマーを増やす。
【0016】
ガーメント14は、システム10の残りのものとは相互連結せずに、図2A〜図2Bに示される例示的実施形態であり、患者の四肢または身体部の周りを実質的に包む。ガーメント14は、ファスナー30A〜F、32A〜Fのようなガーメントを四肢の周りに自己保持的な巻かれた構成で固定する1つ以上の位置づけ装置または適合装置を有する。望ましくは、ガーメント14は、ゆるく適合したガーメントを膨張することに典型的には関連した無駄なエネルギーを避けるように、四肢に適合するようにサイズおよび形状が合わせられている。ガーメント14の適合を決定し、したがって、ファスナー30A〜F、32A〜Fを調節する任意の適切なアプローチは、発明の範囲内である。そのようなアプローチは、指をガーメント14と四肢との間に挿入することにより適合をチェックするような単一のユーザー計測およびより複雑には、ガーメント自体の上に形成された、センサーに基づく適合メカニズムを含み得るが、それらに限定されない。
【0017】
図2Aは、この目的のためのホック(30A〜F)とループ(32A〜F)タブとしてのファスナーを例示する。図2Bは、ガーメント14を巻かれた構成で患者の脚の上に示し、使用中のファスナー30A〜F、32A〜Fを例示する。あるいは、バックルおよび/またはホックとループ包みが採用され得る。ファスナー30A〜F、32A〜Fの任意のデザインは、発明の範囲内である。図2Aおよび図2Bで例示される例示的実施形態において、ガーメント14は、膨張の際に圧迫を四肢に選択的に適用する4つの膨張可能嚢36〜39(図1において嚢18a〜nと呼ばれる)を含む。膨張可能嚢36〜39の任意の数、形状および構成は、発明の範囲内である。
【0018】
再び図1を参照すると、圧迫制御ユニット26は、圧迫システム10の動作を制御するために動作可能である。ユニット26のポンプ42は、流体供給46に接続し、流体(例えば、圧迫された空気)を嚢18a〜nに接続管を介して提供する。具体的には、ポンプ46の出口ポート50は、嚢18a〜nへの流体搬送を制御する。典型的にはIPCシステムに対して公知であるように、嚢18a〜nは、交互に起きる膨張および収縮サイクルを経ることにより、間欠的圧迫を提供する。制御ユニット26は、また、VRTを監視し、患者コンプライアンス(下記で説明される)を決定するプロセッサ54を含むが、2つ以上のプロセッサが発明の範囲を逸脱することなしに、採用され得る。一般的にプロセッサ54は、上記および下記で説明される圧迫制御ユニットのさまざまな機能を実行するよう動作可能である。例えば、プロセッサ54は、センサー22を監視し、VRTを決定し、それに応じて活性療法時間を増やすソフトウェア命令を実行する。さらに、プロセッサ54は、ポンプ42の動作および動作中、ポート50を制御するようにさらに構成されている。圧力変換器またはセンサー22は、接続管を介して嚢のうちの1つに連結され(例示される実施形態においては嚢18b)、嚢18bにおける圧力を監視する。センサー22は、好ましくはポート50に連結され、交替に、嚢18bにポンプ42により用いられる同じ接続管を介して連結される。代替の接続手段も可能である。監視される圧力は採用され得ることにより制御ユニット26の静脈再充満時間またはVRTモード中の四肢のVRTを決定する。図3A〜3Eを参照すると、プロセッサ54は、嚢18bを加圧することにより、例えば嚢に対するカスタマイズされた静脈再充満時間を決定するようコンピューター実行可能命令を実行するように構成されている。実施形態において、患者に対して静脈再充満時間を決定することが所望の場合、制御ユニット26は、嚢18bが圧迫圧力に達することを可能にし、次いで、特定の嚢における圧力がより低い値に達するまで嚢18bを減圧させる。静脈再充満時間を決定するコンピューター実行可能命令は、嚢18bを第一の圧迫圧力(例えば、20mm Hg)まで加圧することにより脚の血液を嚢の下にある領域(例えば、ふくらはぎ)から動かすことを含む。嚢18bを第一の圧迫圧力まで加圧した後、嚢の圧力は、再充満圧力(例えば、10mm Hg)まで減少させられることにより血液が嚢の下の四肢の領域に(減圧の約2.5秒後に)再流入することを可能にする。
【0019】
嚢18bの圧力は、次いで、血液の流れが完全に嚢の下の四肢の領域まで戻ったと決定されるまで、圧力変換器22により感知される。血液の流れを戻すために経過する時間は、第一の静脈再充満時間tとして特徴づけられ、コントローラー26により記憶される。嚢18bは、次いで、第二の圧迫圧力(例えば、30mm Hg)まで加圧され、第一の圧迫圧力に対して実行されたのと同じプロセスが実行され、第二の静脈再充満時間tを関数として生み出す。嚢18bは、次いで、さらに高い圧迫圧力(例えば、45、60および75mm Hg)まで加圧され得、第一の圧迫圧力および第二の圧迫圧力に対して実行されたプロセスが各圧力レベルに対して繰り返され得ることにより、各追加の圧力レベルに対して静脈再充満時間t、t、t、tを生み出す。上記で説明され、図3A〜図3Eで示されたもの以外の圧力量が発明の範囲を逸脱することなしに、静脈再充満プロセスにおいて用いられ得ることは理解される。加えて、各圧力レベルの静脈再充満プロセスは、複数回実行され得ることにより各圧力レベルに対して複数の静脈再充満時間を生み出す。
【0020】
あるいは、検査中の嚢は、所定の時間期間中、減圧することが可能にされ得るか、または完全に減圧することが可能にされ得、次いで、圧力が所定の値、例えば10mm Hgに達するまで、再加圧され得る。圧力変換器22は、脚の静脈システムが再充満(つまり、血液で再び充血)することを可能にするのに十分な時間中、嚢18bの圧力を感知する。圧力変換器22により感知される圧力は、脚が血液での充満の際に膨張し、脚が再充満したときの全体的に安定した状態に達するにつれ、上昇する。嚢18bの減圧開始と、この安定期が生じる間の時間は、VRTと計測される。
【0021】
例えば、決定された静脈再充満時間t〜tを用いて、プロセッサ54は、カスタマイズされた圧迫圧力を、各選択された圧力レベルに対する静脈再充満時間を図4に示されるグラフ上に表し、最良適合線を標準線形回帰分析を用いたプロットに適合させることにより決定する。最良適合線の頂点Aは、最大静脈再充満時間Tmaxを生み出すカスタマイズされた圧迫圧力Pに対応する。決定された圧迫レベルPおよび再充満時間Tmaxは、次いで、四肢の圧迫療法に組み込まれ、ここで、ガーメントまたはスリーブ14の嚢18bは、カスタマイズされた圧迫圧力Pまで繰り返し加圧され、カスタマイズされた圧迫圧力で時間期間維持され、続いて再充満圧力まで、決定された最大再充満時間Tmaxの間減少させられることにより、四肢の血液循環を促進する。
【0022】
複数の静脈再充満時間が、各選択された圧迫圧力レベルに対して記録される例において、再充満時間は、プロセッサ54により平均化されることにより、特定の圧力レベルに対して平均値を生み出す。これら平均値は、次いで、表され、最良適合線が、平均値のプロットに適合され、カスタマイズされた圧迫圧力および最大静脈再充満時間が上記で説明されたものと同じように、プロットから推定される。ガーメント14が複数の嚢(例えば、図2Aおよび図2Bにおいて示されるように、足首、ふくらはぎ、および腿の嚢)を含む場合、コントローラー26は、IPC装置10を動作するように構成され得ることにより、連続して起こる圧迫療法を四肢に、カスタマイズされた圧力および最大再充満時間を用いて適用する。
【0023】
追加の実施形態または代替の実施形態において、各時間制御ユニット26は、VRTを決定し、嚢18bを圧迫圧力のいくつかの値を通して循環させる(つまり、膨張および収縮させる)ことにより、圧迫圧力の各値に対する対応するVRT値を得る。制御ユニット26は、次いで、最大VRTまたはVmaxを計算する。Vmaxは、圧迫圧力値と、対応するVRT値との間の最良適合を任意の適切な適合方法(例えば、線形回帰分析)を介して決定することにより確認される。具体的には、最良適合の最大がVmaxとして示される。望ましくは、個別のVRT値を用いる代わりに、複数のVRTが記録され、各圧迫圧力に対して平均がとられることにより、各圧迫圧力値に対して平均VRT値を提供する。
【0024】
あつらえの圧迫圧力Pは、次いで、Vmaxに対応して決定され、嚢18bの圧迫療法養生法の目標圧迫圧力として示される。
【0025】
圧迫療法を四肢に時間期間適用した後で、カスタマイズされた圧迫圧力および最大静脈再充満時間を決定するプロセスは、繰り返され得ることにより新たな値を決定する。加えてまたはあるいは、コントローラー26のメモリは、圧迫療法中、圧力変換器22により感知された静脈再充満時間を記録し得、例えば、記録された値を平均化し得ることにより平均化された再充満時間に基づいた嚢18bの連続した加圧の間の時間を調整する。これら2つのプロセスは、四肢に搬送される圧迫療法が、四肢の変化する特性に合い、カスタマイズされた圧迫療法が四肢に圧迫療法の継続時間を通して搬送されることを保証する。
【0026】
上記で説明されたように、制御ユニット26のプロセッサ54は、上記で説明されたVRTを決定する圧力センサー22の出力信号に対して応答する。ユニット26は、さらに、時間にわたり、決定されたVRTを監視する動作可能である。計測されたVRTの任意の局面は、監視され得、個別のVRT値、特定の時間ウィンドウ内の平均VRT、移動時間ウィンドウ内の平均VRT、複数のVRT計測および/または圧迫サイクルにわたるVRTのバリエーション、VRT計測中に達成される安定状態圧力、任意の圧迫サイクルパラメータなどを含むが、それらに限定されない。
【0027】
たいていの患者は、脚計測に対して、40〜50秒の間の通常のVRTを有し、不活性な脚形態は、30秒という低いVRT値を生成する。約30秒のVRTは、また、ガーメント14が患者により使用されていないときに典型的に観察される。したがって、監視されたVRTは、患者がガーメント14を用いているかどうか決定するために用いられ得る。そのため、好ましい実施形態において、制御ユニット26は、監視されたVRTが通常の範囲(例えば、30〜60秒)内に該当するか、または単に所定の閾値を越える(例えば、30秒)かするとき(両方が圧迫システム10の通常の使用を示す)、活性療法時間を記憶し、増やす。このようにして、活性療法時間の値は、ガーメント14を着用した患者、およびその連続して起きる膨張と収縮の計測である。あるいは、活性療法時間は、患者がコンプライアンスに従うと考えられるコントローラー動作の累積的時間である。
【0028】
別の実施形態において、制御ユニット26は、監視されたVRTが所定の閾値を下回ったときにユーザーに示すアラーム58を含む。この点で、プロセッサ54は、活性療法時間を、さらなる行動が取られるまで増やすのをやめる。アラーム58は、聴覚アラームおよび視覚アラームのうちの1つ以上であり得る。患者がポジションを変え、間欠的な落ち込みを監視されたVRTに生じさせる場合など、ユーザー(典型的には患者または患者を監視する臨床医)は、アラーム58に、患者は実際コンプライアンスに従っていることを示すことにより応答し得る。換言すると、ユーザーは、アラームを機能停止にする。療法時間は、次いで、増やされ続ける。
【0029】
(所定の閾値より)低くなったVRT値により誘発されたアラーム58を機能停止にすることにより、臨床医が引き続きコンプライアンスを示すとき、制御ユニット26は、所定の閾値を機能停止にされたときの、より低いVRT値にリセットまたは改訂する。このようにして、アラーム58は、監視されたVRTが改訂された閾値まで落ち込むまで、再び誘発されない。これは、アラーム58が、ユニークな生理、姿勢などのような正当と認められる理由によって、患者がより低いVRT値を有する、またはしばしば達成する際に、わずらわしくなるのを防ぐ。
【0030】
あるいは、アラーム58に応答して、臨床医は、患者がガーメント14を着用しておらず、そのため、圧迫養生法のコンプライアンスに従っていないということを決定し得る。臨床医は、制御ユニット26を切ることにより応答し得、この点で、療法時間は増えるのをやめる。療法時間は、次回の、制御ユニット26が起動される引き続きの計測のために、有利にメモリ62、プロセッサ54の外部または内部に記憶され得る。
【0031】
さらに別の実施形態において、制御ユニット26は、監視されたVRTが所定の閾値を下回っても、療法時間が増え続けることを可能にする構成可能オプションを有する。この実施形態において、療法時間の蓄積は、臨床医がアラーム58またはその他に応答して制御ユニット26を切ったとき初めて停止される。このように療法時間を増やし続けることは、臨床医が、後に単にコントローラー動作時間と呼ばれる制御ユニット26の動作時間を綿密にたどることを可能にする。この実施形態は、例えば、静脈不全に苦しむ患者のような、珍しく低いVRTを有する患者を監視するときに有益である。そのような患者において、低いVRT計測は、使用中、コンプライアンスに従っていないと誤って示し得る。患者の状態の知識を有する臨床医は、次いで、療法時間の蓄積を手動で制御し得る。
【0032】
活性療法時間から患者コンプライアンスを決定することは、多くの方法で行われ得る。一実施形態において、患者コンプライアンスは、単に療法時間値である。別の実施形態において、患者コンプライアンスは、活性療法時間とコントローラー動作時間との間の比率として規定される。
【0033】
別の実施形態において、シフト時間は監視され、24時間のような特定の値を有する。コンプライアンスは、活性療法時間とシフト時間との比率として規定される。監視が始まると、活性療法時間とシフト時間の両方は、継続して評価される。コントローラーの動作時間がシフト時間に達する(つまり、動作時間=24時間)とき、コンプライアンス計測は、24時間(シフト時間)ウィンドウに限定される。これ以降、任意の時間地点で、活性療法時間および、したがってコンプライアンスは、動作の最後の24時間に対してのみ説明される。望ましくは、シフト時間は、ユーザーにより養生法可能でありリセット可能である。このようにして、臨床医または他の健康管理提供者は、彼または彼女自身のシフト時間を規定し得、次いで、患者がシフト中、どれだけの時間コンプライアンスに従ったかを観察し得る。
【0034】
制御ユニット26は、コントローラーインターフェイス66をさらに含む。インターフェイス66のディスプレイ70は、図5Aに例示されるように、患者コンプライアンスをパーセンテージ74として表示し、ここで、パーセンテージは、表示された活性療法時間76と表示されたシフト時間78との比率として評価される。インターフェイス66は、タイマーをリセットするリセットオプション82を含む。ディスプレイ70は、また、VRTインジケーター102およびVRT値106を例示する。
【0035】
ユーザーは、コンプライアンスグラフ90(図5B参照)にインターフェイス66のグラフオプション86を介してさらにアクセスし得る。具体的に、図5Bは、コンプライアンスを監視する24時間ウィンドウを例示し、パーセンテージコンプライアンス94を示す。図5Bの例示的ユーザーインターフェイスは、さまざまな時間地点の四角で囲まれた療法時間およびシフト時間(参照文字98により一緒に示される)の表示と共に、パーセンテージコンプライアンス94を表示する。タイマーは、時間地点100でリセットされ、それ以降、監視される。この例において、コンプライアンスは、最初の24時間(午前6時から午前6時)に対して約90%、午後6時から午後6時スロットに対して100%、深夜12時から深夜12時スロットに対して90%である。コンプライアンスを表示する他の手段およびさまざまなタイマーは、発明の範囲内である。
【0036】
発明の局面に従って、患者コンプライアンスを監視する方法は、図6に例示的流れ図の形態で、全体的に例示されている。コンプライアンス監視は、402で始められるか、またはリセットされる。404で、信号は、嚢18bに連結された圧力センサー22から連続的に受信される。信号は、嚢圧力の結果であり、患者の四肢または身体部の周囲の寸法の変化をさらに示す。四肢の静脈再充満時間またはVRTは、408で受信された信号の関数として決定および監視される。410で、監視されたVRTが所定の閾値を越えるかどうかの決定がなされる。そのような場合、活性療法時間は、414で増やされる。活性療法時間およびコンプライアンスは、ユーザーに418で表示される。
【0037】
410で、監視されたVRTが閾値を越えない場合、アラーム58が420で始められる。424で、ユーザーは、アラーム58を機能停止にするか、または制御ユニット26を停止するかのどちらかにより、応答する。ユーザーがアラーム58を機能停止にすることを選ぶ場合、閾値は、428で監視されたVRT値にセットされ、活性療法時間は、上記で説明したように増え続ける。ユーザーが424で制御ユニット26を停止することを選ぶ場合、活性療法時間は、430でメモリ62に記憶され、制御ユニット26は432でシャットダウンする。
【0038】
発明のさらなる局面に従って、患者コンプライアンスを監視する方法は、図7に例示的流れ図の形態で、全体的に例示されている。コンプライアンス監視は、502で始められるか、またはリセットされる。504で、信号は、嚢18bに連結された圧力センサー22から連続的に受信される。信号は、嚢圧力の結果であり、患者の四肢または身体部の周囲の寸法の変化をさらに示す。四肢の静脈再充満時間またはVRTは、508で受信された信号の関数として決定および監視される。510で、監視されたVRTが所定の閾値を越えるかどうかの決定がなされる。そのような場合、活性療法時間は、514で増やされる。活性療法時間は、コンプライアンスに相関し、ユーザーに518でさらに表示され得る。
【0039】
510で、監視されたVRTが閾値を越えない場合、アラーム58が520で始められる。524で、ユーザーは、アラーム58を機能停止にするか、または制御ユニット26を停止するかのどちらかにより、応答する。ユーザーがアラーム58を機能停止にすることを選ぶ場合、閾値は、528で監視されたVRT値にセットされ、活性療法時間は、上記で説明したように増え続ける。ユーザーが524で制御ユニット26を停止することを選ぶ場合、活性療法時間は、530でメモリ62に記憶され、制御ユニット26は532でシャットダウンする。
【0040】
発明の局面を詳細に説明したので、改変およびバリエーションが添付の特許請求の範囲に定められる発明の範囲から逸脱することなしに、可能であることが明らかになる。例えば、アラームも誘発する監視されたVRTのうちのより上の所定の閾値(例えば、60秒)が定められ得る。換言すると、アラームは、通常のVRT値の所定の範囲、典型的には30〜60秒、の上および下で誘発され得る。より上の所定の閾値は、リセットが可能でもあり得る。加えて、2つ以上の膨張嚢は、各々異なる圧力センサーに接続され得、次いで、いくつかの圧力センサーからの圧力示度が、VRTおよび/またはコンプライアンスを決定することが可能な任意の方法で結合され得る。
【0041】
コンプライアンスパーセンテージは、例示されるように数的に示されることに加えて、円グラフ(示されていない)のようなグラフによる要素を介しても表示され得る。インターフェイス66は、望ましくは、例示されるように関連ソフトキーに統合されたディスプレであり、ユーザーが上記で説明されるさまざまな要素を、ソフトキーを用いて選択およびブラウズすることを可能にする。しかし、インターフェイス66の他の構成は、発明の範囲内である。
【0042】
圧迫療法の患者コンプライアンスを改善するために、臨床医にコンプライアンス通知および監視に対する実用品を提供する一方で、臨床医の参加を増加させるニーズが存在する。この目標を達成するために、いくつかの要件が満たされなければならない。臨床医は、コンプライアンスが達成されていないといわれるときに通知されるべきである。さらに、臨床医は、患者がコンプライアンスに従っていると考えるべきか否かを判断可能であるべきであり、コンプライアンスパラメータを各患者に調節可能であるべきである。最後に、臨床医は、具体的な時間期間、コンプライアンスの継続時間を監視可能であるべきである。なぜなら、具体的な時間期間は、具体的な時間期間の作業シフト中、患者コンプライアンスに関わることがより多いからである。ユーザーフレンドリーなコンプライアンス監視インターフェイスがこの目的のために提供される。
【0043】
上記から考えて、発明のいくつかの目的が達成され、他の有利な結果が成し遂げられることが分かる。図8Aおよび図8Bは、動作中の膨張可能嚢18bの圧力サイクルを例示する。患者により使用されていないときですら、嚢18bは、嚢18bが患者により使用されているとき(図8B参照)に類似する圧力値に達する(図8A参照)。曲線ピークにおける差異は、例示されるケースに対して2〜3mm Hgに過ぎない。圧力センサーにより監視されているとき、圧力値は、内部嚢圧力に対応し、ガーメント14の実際の使用を十分に説明できない。一方で、VRT計測に対する圧力プロフィールは、嚢圧力を再充満圧力まで減少させ、(上記で説明されたように)通気バルブを閉じることにより決定され、これに血液が四肢に再流入する際の圧力増加の監視が続く。四肢への血液の流れは、関数として四肢の膨張を生じ、これは、空気を嚢18bから追い出し、接続管を通してセンサー22へ戻す。センサー22は、圧力の増加を記録する。次いで、プロセッサ54は、圧力の増加を評価することによりVRTを計算し、コンプライアンスを決定する。
【0044】
図9Aおよび図9Bは、VRT計測中の嚢18bの再充満カーブとしての圧力プロフィールを例示する。例示された圧力プロフィールは、2つのシナリオを比較する。つまり、a)ガーメント14が患者により使用されていないとき(図9A参照)およびb)患者による使用中(図9B参照)。非使用中のような、血液の流れが検知されないとき、圧力のわずかな増加が観察され(例示されるケースに対して、2mm Hgをわずかに下回る)、これは圧力の安定化のためと考えられる。一方で、使用中、四肢の拡大に起因して、10mm Hg程の圧力変化が嚢18bで観察可能(図9Bに対して約5.5mm Hg)である。発明の実施形態は、圧力におけるこの検知可能な変化をVRTと解釈し、コンプライアンスのしるしに対して、これによって、実際の使用と見積もられるコンプライアンスとの強い相関を提供する。
【0045】
加えて、同じ圧力センサーおよびVRTと使用を監視するための出力を用いることにより、コントローラーは、ガーメント自体に追加の扱いにくいハードウェアを要求することなしに、コンプライアンスを決定することが可能である。
【0046】
本発明またはその好ましい実施形態の要素を導入するとき、冠詞の「a(1つの)」、「an(1つの)」、「the(該、前記)」および「said(該、前記)」は、要素のうちの1つ以上が存在することを意味することが意図されている。「comprising(含んでいる)」、「including(含んでいる)」および「having(有している)」という用語は、非排他的であり、リストされた要素の他にさらに要素が存在し得ることを意味することが意図されている。
【0047】
上記の構造でさまざまな変更がなされ得るため、製品および方法は、発明の範囲を逸脱することがなく、上記の説明に含有され、添付の図面において示された全てのものは、例示的であり、限定的な意味ではないと解釈されることが意図されている。
【符号の説明】
【0048】
10 圧迫療法システム
14 ガーメント
18a〜n 嚢
22 圧力センサー
26 圧迫制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧迫療法養生法の患者コンプライアンスを監視する方法であって、該方法は、
信号を圧迫ガーメントに連結された圧力センサーから受信することであって、該ガーメントは、実質的に着用者の四肢の周りに巻かれるようサイズおよび形状が合わせられており、圧迫を膨張の際に該四肢へ適用する1つ以上の選択的膨張可能嚢を含み、該信号は、該四肢の周囲の寸法の変化を示す、ことと、
該四肢の静脈再充満時間を該受信された信号の関数として決定すること、
該決定された静脈再充満時間を監視することと、
所定の閾値を越えている該監視された静脈再充満時間に応答して、患者コンプライアンスタイマーを増やすことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記監視された静脈再充満時間が前記所定の閾値未満であるとき、アラーム状態を示すことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記患者コンプライアンスタイマーを増やし続けるために、前記示されたアラーム状態をユーザーにより機能停止にすることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記示されたアラーム状態が機能停止されたとき、前記所定の閾値を前記監視された静脈再充満時間にリセットすることをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ガーメントの圧迫プロフィールを前記決定された静脈再充満時間の関数として変化させることをさらに含む、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、該方法は、
前記監視された静脈再充満時間を通常の静脈再充満時間の所定の範囲と比較することと、
該監視された静脈再充満時間を患者コンプライアンスに該比較の関数として相関させることと
をさらに含む、方法。
【請求項7】
前記比較することは、前記監視された静脈再充満時間が通常の静脈再充満時間の前記範囲外になったとき、アラーム状態を示すことをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記示されたアラーム状態を手動で機能停止にすることと、通常の静脈再充満時間の前記範囲を該手動で機能停止にさせる際に、前記決定された静脈再充満時間に基づいてリセットすることとを可能にすることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
通常の静脈再充満時間の前記範囲は、約30秒から約60秒である、請求項6〜8のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
圧迫療法養生法の患者コンプライアンスを監視するシステムであって、該システムは、
実質的に着用者の身体部の周りに巻かれるようサイズおよび形状が合わせられた圧迫ガーメントであって、該ガーメントは、膨張の際に圧迫を該身体部に適用する1つ以上の選択的膨張可能嚢を含む、圧迫ガーメントと、
該ガーメントを該身体部の周りに、自己保持的な巻かれた構成で固定する1つ以上のファスナーと、
該嚢のうちの少なくとも1つに連結された圧力センサーであって、該センサーは、該ガーメントが該巻かれた構成にあるとき、該身体部の周囲の寸法の変化を示す信号を生成する、圧力センサーと、
圧迫制御ユニットと
を備え、該制御ユニットは、
流体を加圧するポンプと、
該ポンプと流体連絡している出口ポートであって、該出口ポートは、加圧された流体を該膨張可能嚢のうちの少なくとも1つに選択的に搬送する、該出口ポートに接続された流体管を有する、出口ポートと、
該圧力センサーにより生成された信号を受信し、該圧力センサによって生成された該信号に応答する1つ以上のプロセッサと
を備え、該プロセッサは、
該身体部の静脈再充満時間を該受信された信号の関数として決定することと、
該決定された静脈再充満時間を監視することと、
患者コンプライアンスタイマーを所定の閾値を越えている該監視された静脈再充満時間に応答して増やすことと
を行う、システム。
【請求項11】
前記圧迫制御ユニットは、前記監視された静脈再充満時間が前記所定の閾値を下回るときを示すアラームを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記圧迫制御ユニットは、前記患者コンプライアンスタイマーを増やし続けるために、前記アラームを機能停止にするユーザー入力に応答する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサは、前記所定の閾値を前記アラームが機能停止にされたとき、前記監視された静脈再充満時間に対応する値にリセットするように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記圧迫制御ユニットは、前記患者コンプライアンスタイマーを表示するディスプレイを含む、請求項10〜13のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つ以上のプロセッサは、前記監視された静脈再充満時間が約30〜60秒の範囲にあるとき、前記患者コンプライアンスタイマーを増やす、請求項10〜13のうちのいずれか一項に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【公開番号】特開2012−75891(P2012−75891A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215391(P2011−215391)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)