静電放電から供給ノードを保護する方法、装置、およびシステム
【課題】静電放電(ESD)から電力および/またはグランド供給ノードを保護して、これらのノード上の供給信号を急速にランプさせる装置等を提供する。
【解決手段】供給を静電放電から保護する装置は、第1の供給信号を持つノードを有し、第1の供給信号に基づいて第1のタイマ信号を生成するタイマユニットと、タイマユニットに連結されて、第2の供給信号を持つノードを有し、第2の供給信号を持つノードの上の静電放電(ESD)に呼応して第2の供給信号を第1のタイマ信号の信号レベルに基づく期間クランプするクランプユニットとを備える。
【解決手段】供給を静電放電から保護する装置は、第1の供給信号を持つノードを有し、第1の供給信号に基づいて第1のタイマ信号を生成するタイマユニットと、タイマユニットに連結されて、第2の供給信号を持つノードを有し、第2の供給信号を持つノードの上の静電放電(ESD)に呼応して第2の供給信号を第1のタイマ信号の信号レベルに基づく期間クランプするクランプユニットとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は概してプロセッサ分野に係る。より詳しくは本発明の実施形態は、静電放電(ESD)から電力および/またはグランド供給ノードを保護して、これらのノード上の供給信号を急速にランプさせる方法、装置、およびシステムに係る。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)の製造中、または、これらICの処理中に、ICへの電力またはグランド供給ノード/ピンは、高い供給電圧および電流を受ける可能性がある(例えば、数千のボルトおよび数アンペアの電流、ローカル接地に対して正および/または負)。これら高い供給電圧および電流は、ノードにおける静電放電(ESD)イベントを示し、ICの電力および/またはグランドノード/ピンに連結された回路に損傷を与える可能性がある。電力および/またはグランド供給ノード/ピンは、電力および/またはグランド供給ノード/ピンに連結されている他の回路がESDイベントを受けた場合にも、ESDイベントを間接的に受ける可能性がある。このような場合には、他の回路におけるESDが電力経路を通って電力および/またはグランド供給ノード/ピンに流れ、これらノード/ピンに連結された回路へのノード/ピンに対して損傷を与える。これらの回路を保護するために、ESD保護回路がICに設けられ、ESDイベントがこれら供給ノードにある場合、ICの電力供給およびグランド供給ノードを互いに短絡させる、という方策が採られている。
【0003】
これらのESD保護回路は、供給ノード(電力供給およびグランドノード)上の高低電圧信号をクランプすることでICを保護している。この結果、ICの供給ノード上の急速に変化する電圧(例えば10mV/μS以上)が、互いに対して供給(電力供給およびグランド供給)を有するノードを短絡させてESDイベントに関連付けられている大電流(数アンペア)を放電することでESDイベントに対処するESD保護回路にとっては、ESDイベントに見える場合がある。ESDイベントに際して大電流を放電することによって、高電圧がICの回路ノードに構築することがなくなる。
【0004】
図1は、クランプユニット102に連結されているタイマユニット101を有する従来のESD保護回路100を示す。タイマユニット101の時定数は、供給信号Vddのランプ時間よりも短く、ESDイベントの長さよりも長くなるように選択される。このような時定数によって、ESDイベントが供給信号Vddを有するノードで始まった場合にクランプユニット102を起動して、ESDイベントが供給信号Vddを有するノードで終了した後で停止することができるようになる。供給信号Vddは概して、マザーボード上の外部電圧レギュレータ(ICの外部)により生成されるので、ICの外部に曝されるこれら信号についてESD保護が必要となる。これらの外部電圧レギュレータは概して供給信号Vddを低ランプ速度で(例えば1mV/μSで)生成する。
【0005】
しかし、ICの効率的な電力管理には、供給信号を高速ランプ速度(例えば1−10KmV/μS)で生成する高度な電力生成器が利用されている。これら高速ランプ供給信号によって、ICは、電力状態に入退出して、電力消費量を節約してIC性能を向上させる。これら高速ランプ供給信号は、ESD保護回路(図1のESD保護回路100等)にとっては、ESDイベントのように見えることがある。これは、高速ランプ供給信号がICの供給ノードの上で、突発的な高電圧スパイク(ESDイベント)に類似した、またはこれと等しい速度でランプアップしたりランプダウンしたりするところが、ESDイベントに似ているからである。この結果、ESD保護回路(例えば図1のESD保護回路100)は、高速ランプ供給信号を、供給信号を持つノード上のESDイベントから識別することができない。従ってこれらESD保護回路が、例えばICの電力管理に利用する高速ランプ供給信号をクランプしてしまう場合があり、ICの電力管理の妨げとなる。
【0006】
本発明の実施形態は、以下の詳細な記載および本発明の実施形態の添付図面からよりよく理解されるが、これらは、本発明を特定の実施形態に限定するものとしてとらえられるべきではなく、あくまで説明および理解の便宜上の記載である点を理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】静電放電(ESD)イベントから保護されている単一の電力供給を有するノードを介して動作する従来のESD保護回路を示す。
【図2】本発明の一実施形態による高速ランプ供給用のESD保護回路の高レベルブロック図である。
【図3A】本発明の一実施形態におけるESD保護回路のタイマユニットに連結されたフィードバックユニットを有するESD保護回路の高レベルブロック図である。
【図3B】本発明の一実施形態における図3AのESD保護回路の回路レベルダイアグラムである。
【図3C】本発明の一実施形態における図3BのESD保護回路のタイミングダイアグラムである。
【図4A】本発明の一実施形態におけるESD保護回路のクランプユニットに連結されたフィードバックユニットを有するESD保護回路の高レベルブロック図である。
【図4B】本発明の一実施形態における図4AのESD保護回路の回路レベルダイアグラムである。
【図4C】本発明の一実施形態における図4BのESD保護回路のタイミングダイアグラムである。
【図5】本発明の一実施形態における、供給信号を高速にランプさせつつ、供給信号を持つノード上のESDイベントから集積回路(IC)を保護する方法を示す。
【図6】本発明の一実施形態における高速ランプ供給を有するノードのESD保護のシステムレベルダイアグラムを示す。
【図7A】本発明の一実施形態におけるレベルシフタを有する代替的なESD保護回路を示す。
【図7B】本発明の一実施形態における図7Aの代替的なESD保護回路のレベルシフタ信号の動作を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施形態における別の代替的なESD保護回路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態は、静電放電(ESD)から電力および/またはグランド供給ノードを保護して、これらのノード上の供給信号を急速にランプさせる方法、装置、およびシステムに係る。
【0009】
一実施形態では、集積回路(IC)のESD保護回路は、そのタイマユニットがESD回路のクランプユニットから切り離されるように構成される。実施形態の詳細は図2−図8を参照して後述する。一実施形態では、ESD保護回路のタイマユニットは、第1の供給信号を介して第1のタイマ信号を生成することができ、第1の供給信号は遅いランプ供給信号(例えば1mV/μS)である。
【0010】
ランプという用語は、ここでは、供給信号の上下する勾配のことである。一実施形態では、ESD保護回路のクランプユニットは、第2の供給信号を持つノードにおいてESDイベントが生じた場合に、第2の供給信号をクランプすることができる。このような実施形態では、クランプユニットは、第2の供給信号を第1のタイマ信号の期間クランプすることができる。
【0011】
切り離すという用語は、ここでは、タイマユニットおよびクランプユニットのグランドおよび/または供給信号のソースを、互いから電気的に分離させることを示す。例えば、クランプユニットに提供される供給信号は、内部(オンダイ)電圧生成器により生成されてよく、第1の供給信号を利用してよく、この第1の供給信号は、外部(オフダイ)電圧生成器により生成されてよい。
【0012】
上述した実施形態により、第2の供給信号は、第1の供給信号のランプ速度(例えば1mV/μS以上)よりも速いランプ速度(例えば1−10KmV/μS以上)を有することができ、第2の供給信号がずっと速いランプ速度であったとしても、第2の供給信号をクランプするようにESD保護回路に促す必要がなくなる。第2の供給信号をクランプする必要なく第2の供給信号がより速いランプ速度を持つことができるようになることの理由の1つは、第2の供給信号をクランプするときを決定するタイマユニットの第1のタイマ信号が、第1の供給信号に基づいているからである。
【0013】
このように、上述した実施形態では、クランプユニットが、ESDイベント(第2の供給信号を持つノード上の電圧スパイク)と、高速にランプする第2の供給信号とを区別することができる。このような実施形態では、ESD回路のクランプデバイスを起動することで第2の供給信号をクランプする必要なく、ICのコンポーネントに対して高速に(例えば1−10KmV/μSで)電力供給開始および停止することにより、ICに対する効率的な電力管理が可能となる。ここで説明する実施形態は、ICの電力停止モード中に切り離された第2の供給信号(クランプユニットへの供給)を停止することにより、通常のロジックトランジスタと比較して大きなトランジスタである、クランプユニットのクランプデバイスにおけるリーク電力消費を低減することができる。
【0014】
以下の記載においては、幾多の詳細を述べて、本発明の実施形態の完全に説明する。しかしながら当業者にとっては、本発明の実施形態をこれら特定の詳細なしに実行可能であることが明らかである。他方で、公知の構造およびデバイスに関しては詳細に示すのではなくブロック図の形態で示して、本発明の実施形態を曖昧にしないようにしている箇所もある。
【0015】
実施形態の対応する図面では、信号をラインで示している。ラインの幾つかは他のラインより太く描かれることで、より堅牢な信号経路であることを示している場合があり、および/または、1以上の方向を有する矢印により主要な情報の流れの方向を示している場合がある。示されている情報のなかには限定ではないものもある。ラインを1以上の例示的な実施形態との関連で参照することで回路またはロジックユニットの理解がし易くなるであろう。設計上の必要性または都合に則った表示されている信号はいずれも、実際には、任意の方向に移動しうる1以上の信号を含んでよく、任意の適切な種類の信号スキーム(例えば差動対、シングルエンド等)により実装可能である。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態によるESD保護回路200の高レベルブロック図である。一実施形態では、ESD保護回路200は、クランプユニット202に連結されたタイマユニット201を含む。一実施形態では、タイマユニット201は、ESDイベント全体をカバーするのに足る長さの時定数を有するタイマ信号203を生成することができる。一実施形態では、タイマニット201は、電力供給信号Vdd1およびグランド供給信号gnd1を有するノードを有する。このような実施形態では、電力供給信号Vdd1は、遅いランプ速度(例えば1mV/μS)を有し、第1の電圧生成器により生成される。
【0017】
本発明の実施形態を曖昧にすることのないように、第1の電圧生成器の構造については示していない。一実施形態では、第1の電圧生成器は、ICから離れたマザーボード上に常駐しているオフダイ電圧レギュレータである。別の実施形態では、第1の電圧生成器は、第1の供給信号を遅いランプ速度で(例えば1mV/μSで)生成することのできるオンダイ電圧レギュレータである。
【0018】
一実施形態では、クランプユニット202は、タイマ信号203を受信して、バッファリングされたタイマ信号203を生成して、クランプユニット202のクランプデバイス(不図示)を駆動することができる。上述したように、クランプユニット202は、タイマユニット201から切り離されて、クランプユニット202がタイマユニット201の供給(電力および/またはグランド)とは異なる供給(電力および/またはグランド)上で動作するようにする。一実施形態では、クランプユニット202は、タイマユニット201の第1の供給信号Vdd1(例えば1mV/μS)のランプ速度よりも速いランプ速度(例えば1−10mV/μS)を有する第2の供給信号Vdd2を有するノードを有する。
【0019】
一実施形態では、第2の供給信号Vdd2を有するノードは、ボンドワイヤおよび/またはダイパッケージに連結されたICダイのC4バンプを介してICの外部の条件に曝される。このような実施形態では、第2の供給信号Vdd2を有するノードは、ESDに曝される。一実施形態では、第2の供給信号Vdd2を持つノードは、供給信号をICの入出力(I/O)トランシーバに提供し、このI/Oトランシーバひいては第2の供給信号を持つノードは、I/OピンからI/OトランシーバによりESDに曝される。ここにおける実施形態では、第2の供給信号Vdd2を有するノードのESD保護について説明する。
【0020】
一実施形態では、クランプユニット202内のクランプデバイスは、グランド信号を持つノードの上のESDイベントに呼応してグランド信号を持つノードへの第2の供給を有するノードを短絡させることのできるNMOSトランジスタである。別の実施形態では、クランプユニット202内のクランプデバイスは、第2の供給信号を持つノードの上のESDイベントに呼応してグランド信号を持つノードへの第2の供給を有するノードを短絡させることのできるPMOSトランジスタである。一実施形態では、クランプユニット202内のクランプデバイスは、グランド供給信号を持つノードの上のESDイベントに呼応してグランド信号を持つノードへの第2の供給を有するノードを短絡させることのできるPMOSトランジスタである。一実施形態では、クランプユニット202内のクランプデバイスは、第2の供給信号を持つノードの上のESDイベントに呼応してグランド信号を持つノードへの第2の供給を有するノードを短絡させることのできるNMOSトランジスタである。
【0021】
実施形態を曖昧にすることのないように、以下の実施形態は、クランプデバイスがPMOSトランジスタであり、ICが電力停止状態のとき(つまり、第1および第2の供給信号が論理ゼロレベルである場合)、第2の供給信号を持つノードにESDイベントが存在しているケースを例にとって記載される。クランプデバイスは、第2の供給信号Vdd2をクランプすることに関して説明されたが、本発明の実施形態の精神を変更することなく、同じ設計を、NMOSトランジスタを介してグランド供給信号gnd2上のESDをクランプする際にも利用することができる。
【0022】
図3Aから図4Cおよび図7Aから図8は、図2のESD回路200の様々な実施形態を示す。
【0023】
図3Aは、本発明の一実施形態におけるESD保護回路300のタイマユニット201に連結されたフィードバックユニット301を有するESD保護回路300の高レベルブロック図である。一実施形態では、フィードバックユニット301は、タイマ信号203を調節するフィードバック信号fbを生成する。一実施形態では、フィードバックユニット301は、第1の供給信号Vdd1がランプアップしたときにタイマ信号203を調節することのできるキーパデバイスを含む。
【0024】
フィードバックユニット301の目的の1つは、タイマ信号203を安定レベルに保って、タイマ信号203のレベルをICのいずれの電力リークまたは連結経路によっても放電させないことにより、タイマユニット201を安定させることである。タイマ信号203を安定レベルに保って、リークまたは連結経路によって放電させないようにすることにより、放電タイマ信号203に呼応して、クランプユニット202は、第2の供給信号Vdd2を持つノードを、グランド信号を持つノードにクランプしない。一実施形態では、第2の供給信号Vdd2を有するノードの上のESDイベントに呼応して、タイマ信号が放電を続けるので、フィードバックユニット301がディセーブルされる。上述したように、ICは、ESDイベント中に電力停止状態となり、第1および第2の供給ノードを有するノードは、ESDイベントの直前に論理ゼロレベルとなる。
【0025】
図3Bは、本発明の一実施形態における図3AのESD保護回路300の回路レベルダイアグラム310である。一実施形態では、タイマユニット201は、抵抗(R)およびキャパシタ(C)を含み、第2の供給信号を持つノード上のESDイベントの期間をカバーするのに足る時定数を有するタイマ信号203を生成する。タイマユニット201の実施形態は、RCに基づくタイマユニットに限定はされない。別の実施形態では、タイマユニット201は、LCタイマとリング発振器に基づくタイマ(不図示)を含む。本発明の実施形態を曖昧にすることのないように、ESD保護回路300にESDイベントに正確に応答させるための、ESD保護回路300の様々なノード上の連結キャパシタ等の他のデバイスについては図示していない。
【0026】
一実施形態ではフィードバックユニット301は、さらにタイマ信号203を反転させてフィードバック信号fbを生成するインバータにより駆動することのできるキーパデバイスMfbを含む。一実施形態では、タイマユニット201は、第1の供給信号Vdd1を受信することができる。
【0027】
一実施形態では、クランプユニット202は、タイマ信号203を受信することができる。一実施形態では、クランプユニット202は、バッファとクランプデバイスM1とを含む。この実施形態では、バッファは、タイマ信号203からゲートdrv信号を生成してクランプデバイスM1を駆動することができる。一実施形態では、クランプデバイスはグランド信号を持つノードに第2の供給信号Vdd2を有するノードを短絡させることができるPMOSトランジスタである。図2の実施形態を参照して説明したように、クランプユニット202は、第1の供給信号Vdd1から切り離された第2の供給信号Vdd2を受信することができる。
【0028】
図6の実施形態を参照して説明したように、第1の供給信号Vdd1を利用して第2の供給信号Vdd2を生成することができる。一実施形態では、第1の供給信号Vdd1を、ICの外部の電圧レギュレータにより生成する。この実施形態では、ゲートデバイスにより第1の供給信号Vdd1をゲーティングして、第2の供給信号Vdd2を生成する。一実施形態では、ゲートデバイスは、電力管理信号に呼応して自身をONまたはOFFにすることのできるパストランジスタである。この実施形態では、第2の供給信号Vdd2を、ゲートデバイスを介して第1の供給信号Vdd1から切り離す。他の実施形態では、第2の供給信号Vdd2が、第1の供給信号Vdd1を介して内部電圧レギュレータにより生成される。一実施形態では、内部電圧生成器は、オンダイまたはオンパッケージ電圧レギュレータである。
【0029】
図3Cは、本発明の一実施形態における図3BのESD保護回路のタイミングダイアグラム320である。タイミングダイアグラムは、第2の供給信号Vdd2が第1の供給信号Vdd1から切り離されている間は、供給を有する2つのノードの間に電気的経路(例えばクランプユニット202のバッファを介して第2の供給信号Vdd2を有する、タイマ信号203、フィードバックユニット301、RCネットワーク等を有するノードから、第1の供給信号Vdd1を有するノードへのリーク経路)が存在しうる、という仮定に基づいている。リークまたは連結経路は、さらに、図3BのESD保護回路の一部ではない別の回路を介して存在してもよい。
【0030】
図3Cの参照に戻ると、リーク経路は、第2の供給信号を持つノード上におけるESDイベントに呼応して第1の供給信号を持つノードの上にリップル効果を生じさせる。しかし、供給信号を持つノード間に電気的経路が存在するという仮定は、本発明の実施形態を限定する事項ではない。本発明の実施形態では、第1および第2の供給信号を持つノード間の完全な絶縁と完全な短絡の間のいずれかに関して、第2の供給信号Vdd2を有するノードの上のESDイベント中に、第2の供給信号Vdd2を有するノードが保護される。
【0031】
図3Cの上半分において、タイマ信号203は、第1の供給信号Vdd1が論理ゼロレベルから論理高レベルにランプアップするとき、第1の供給信号Vdd1をトラックする。タイマユニット201の時定数は、タイマ信号203が、第1の供給信号Vdd1がランプするときにこれをトラックするよう構成されている。
【0032】
トラックという用語は、ここでは、第1の信号のランプ速度を第2の信号のランプ速度と等しくする第1の信号の振る舞いのことである。
【0033】
第1の供給信号Vdd1をトラックすることによりタイマ信号がランプアップすると、フィードバック信号fbがキーパデバイスMfbをONに保つ。第2の供給信号Vdd2がランプアップすると、ゲートdrv信号が第2の供給信号Vdd2をトラックする。タイマ信号203の論理レベルにより、クランプデバイスM1へのゲートdrv信号が、第1の供給信号を持つノードまたは第2の供給信号を持つノードのいずれの上にもESDイベントがない場合、クランプデバイスM1を確実にOFFとすることができる。
【0034】
図3Cの下半分に示すように、第2の供給信号Vdd2を有するノードの上のESDイベントに呼応して、ESD電圧/ストライクが、タイマユニット201が応答するには速すぎるので、タイマ信号203は、論理ゼロレベルに、またはその付近に留まる。第1の供給信号を持つノードおよび第2の供給信号を持つノードの間に電気的経路または連結経路がない場合には、タイマユニット201は、第2の供給信号を持つノードの上のESDイベントに応答しない。上述したように、ICは、ESDイベント中に電力停止状態となり、第1および第2の供給信号(それぞれVdd1およびVdd2)を有するノードは、ESDイベントの直前に論理ゼロレベルとなる。
【0035】
タイマ信号203が論理ゼロレベルであるということは、フィードバック信号fbがキーパデバイスMfbをOFF状態に維持することを意味する。しかし、タイマ信号203の論理ゼロレベルによって、クランプデバイスM1がONに起動されて、これにより第2の供給信号Vdd2を有するノードを、グランド供給信号を持つノードへと短絡させる。2つのノードの短絡により、第2の供給信号Vdd2を有するノード上のESD放電が生じる。第1の供給信号の上の小さなリップル効果は、第1の供給信号を持つノードと、ESDイベントが生じた第2の供給信号を持つノードとの間の電気的経路により生じる。上述したように、実施形態のESD保護回路は、第1の供給信号を持つノードと、ESDイベントが生じた第2の供給信号を持つノードとの間に電気的経路がなくても適切に機能する。
【0036】
図4Aは、本発明の一実施形態におけるESD保護回路のクランプユニット202に連結されたフィードバックユニット401を有するESD保護回路400の高レベルブロック図である。上述した実施形態は、ICの電力管理中に第2の供給信号Vdd2が電力停止状態であるときにフィードバックユニット401をOFFに停止させることができるので、図3Aの実施形態よりも消費電力節約効果がある。図4Aの実施形態ではさらに、図3Aのフィードバックユニット301をタイマユニット201からなくすことにより、タイマユニット201を簡略化している。フィードバックユニット401の動作を、図4Bおよび図4Cを参照して説明する。ESD保護回路400の残りのコンポーネントは、図2および図3AのESD保護回路の実施形態の動作同様に動作する。
【0037】
図3Aよび図4Aの実施形態では、フィードバックユニットを有するESD保護回路の異なる回路トポロジーが示されているが、一実施形態では、図2を参照して記載した発明の精神を変更することなく、フィードバックユニットを省くこともできる。
【0038】
図4Bは、本発明の一実施形態における図4AのESD保護回路の回路レベルダイアグラム410である。一実施形態では、クランプユニット202のバッファは、タイマ信号203からフィードバック信号fbを生成することができる。一実施形態では、フィードバックユニット401のフィードバック信号fbは、タイマ信号203の信号レベルに応じてONまたはOFFにすることにより、フィードバックトランジスタMfbを制御する。本実施形態のフィードバック信号fbは第2の供給信号Vdd2により電力供給されるので、第1の供給信号Vdd1がON(論理の高レベル)である間またはランプアップしている間は、第2の供給信号Vdd2がOFF(つまり、論理ゼロレベル)のときには電気的なリークが存在する。一実施形態では、フィードバックユニット401が、第2の供給信号Vdd2により供給されるクランプユニット202に連結されているので、第2の供給信号Vdd2を有するノード上のESDイベントに呼応して、フィードバック信号fbは、第2の供給信号Vdd2を有するノードの上のESDをトラックする。
【0039】
図4Cは、本発明の一実施形態における図4BのESD保護回路のタイミングダイアグラム420である。第2の供給信号Vdd2が依然として電力停止状態である間に(論理ゼロレベル)第1の供給信号Vdd1が論理ゼロレベルからランプアップしている通常動作中には、タイマ信号203が第1の供給信号Vdd1をトラックし始め、その後、フィードバックトランジスタMfbの閾値電圧レベルに制限される。タイマ信号203がトランジスタMfbの閾値電圧(Vtp)に制限される理由の1つは、第1の供給信号Vdd1を有するノードと第2の供給信号Vdd2を有するノードとの間にリーク経路が存在するからである。第2の供給信号Vdd2がランプアップすると、タイマ信号203が第2の供給信号Vdd2をトラックして、クランプデバイスM1を停止させて、通常動作にする。
【0040】
第2の供給信号Vdd2を有するノードの上のESDイベントに呼応して、タイマ信号は論理ゼロレベルに留まり、これによりクランプデバイスがONに起動され、第2の供給信号Vdd2がクランプされる。上述したように、ICは、ESDイベント中に電力停止状態となり、第1および第2の供給信号(それぞれVdd1およびVdd2)を有するノードは、ESDイベントの直前に論理ゼロレベルとなる。図3Bの実施形態と比べて、図4Bの実施形態におけるフィードバック信号fbは、フィードバックユニット401が第2の供給信号Vdd2を有するノードにより供給されることから、第2の供給信号Vdd2を有するノードの上のESDをトラックする。
【0041】
図5は、本発明の一実施形態における、ESDクランプデバイスを有するノードの上の供給信号を高速にランプさせつつ、ESDイベントからICを保護するフローチャート500を示す。この方法を、図2から図4Cおよび図6から図8の実施形態を参照しながら説明する。
【0042】
ブロック501で、第1の供給信号Vdd1を、第2の供給信号Vdd2の生成前に生成する。ブロック502で、第1の供給信号Vdd1に基づく第1のタイマ信号203がタイマユニット201を介して生成される。ブロック503で、第2の供給信号Vdd2を有するノードの上のESDに呼応して、クランプユニット202によって第2の供給信号Vdd2をクランプするが、このクランププロセスはタイマ信号203に基づく期間続けられる。
【0043】
図6は、本発明の一実施形態におけるESD保護のシステムレベル装置600を示す。一実施形態では、システム600は、プロセッサ603(ICとも称される)に連結された外部電圧レギュレータ601を含む。システムはさらに、コンピュータ実行可能命令607を格納したメモリモジュール606も含み、このメモリモジュール606はネットワークバスを介してプロセッサ603に連結される。一実施形態では、外部電圧レギュレータ601は、プロセッサ603によりパッケージピン(不図示)を介して受信される第1の供給信号602を生成することができる。一実施形態では、プロセッサ603は、図2から図5、および図7A、図8のESD保護回路のいずれかを表すESD保護回路605を含む。
【0044】
一実施形態では、ESD保護回路605は、内部電圧レギュレータ604から第2の供給信号606を受信することができる。一実施形態では、内部電圧レギュレータ604は、第1の供給信号602を受信して、第2の供給信号606を生成することができる。他の実施形態では、第2の供給信号606は、電力ゲートトランジスタの1つの端子で第1の供給信号602を受信して、電力ゲートトランジスタの他の端子で第2の供給信号Vdd2を生成することのできる電力ゲートトランジスタ(不図示)により生成される。一実施形態では、電力ゲートトランジスタは、電力管理信号によりそのゲート端子で制御される。一実施形態では、内部電圧レギュレータ604は、プロセッサ603のパッケージ上に常駐する。一実施形態では、内部電圧レギュレータ604は、ESD保護回路605に連結されたオンダイ電圧レギュレータであり、内部電圧レギュレータ604およびESD保護回路605の両方がプロセッサ603内に常駐している。
【0045】
本発明の実施形態は、さらに、プログラム可能なコンピュータ実行可能命令607により実装される。例えば一実施形態では、図3Aから図4C、および図6から図8のPMOSクランプトランジスタM1のサイズは、コンピュータ実行可能命令607によりプログラム可能である。一実施形態では、タイマユニット201からのタイマ信号203の時定数もまた、コンピュータ実行可能命令607によりプログラム可能である。一実施形態では、第2の供給信号のランプ速度も、コンピュータ実行可能命令607により調節可能である。機械可読格納媒体608は、これらに限定はされないが、フラッシュメモリ、光ディスク、CD−ROM、DVD ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気カードまたは光学カード、またはその他の種類の、電子またはコンピュータ実行可能命令の格納に適した機械可読格納媒体を含んでよい。例えば本発明の実施形態は、遠隔コンピュータ(例えばサーバ)からコンピュータプログラムとして要求元のコンピュータ(例えばクライアント)へと、通信リンク(例えばモデムまたはネットワーク接続)を介したデータ信号によりダウンロードできる。
【0046】
本明細書における「一実施形態」「1つの実施形態」「一部の実施形態」あるいは「他の実施形態」といった言い回しは、その実施形態との関連で記載された特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも一部の実施形態に含まれることを示すものであるが、必ずしも全ての実施形態に含まれなければならないということではない。「一実施形態」「1つの実施形態」「一部の実施形態」といった言い回しが随所に見られるといって、それらが全て実施形態のことを示しているわけではない。明細書において、コンポーネント、特徴、構造、または特性が、含まれてもよい、含まれうる、または含まれる場合もある、といった言い回しは、特定のコンポーネント、特徴、構造、または特性が含まれることが必須ではないことを示している。英語の明細書または請求項における単数形不定冠詞の利用は、その部材が1つだけあることを意味しているわけではない。明細書または請求項が「さらなる」部材(an additional element)、と言及している場合、このさらなる部材は1つ以上あってもよい。
【0047】
本発明を特定の実施形態との関連で説明してきたが、当業者であれば、前述の記載に照らして、これら実施形態の数多くの代替例、変形例、および変更例について想到するであろう。図7Aから図8は、このうち2つの代替例を示す。
【0048】
図7Aは、本発明の一実施形態におけるレベルシフタ702を有するESD保護回路700を示す。本実施形態では、ESD保護回路700は、タイマユニット701、レベルシフタ702、および、クランプユニット703を含む。一実施形態では、タイマユニット701は、フィードバック信号fbを生成することのできるフィードバックユニットに連結されたRCネットワークを含む。本実施形態では、第1の供給信号Vdd1は、トランジスタプロセス製造技術で許容できるゲート酸化物電圧限界よりも高い。一実施形態では、タイマユニット701は、分割された第1の供給信号の上で動作して、トランジスタにおける酸化物の絶縁破壊を回避する。
【0049】
一実施形態では、タイマユニット701の出力信号タイマlvをレベルシフタ702に入力する。一実施形態では、レベルシフタ702は、タイマlv信号からタイマhv#信号を生成することができる。一実施形態では、レベルシフタ702は、第2の供給信号Vdd2がランプアップしている間、タイマhv#信号を論理低レベルに維持することができる。一実施形態では、レベルシフタ702は、タイマlv信号を介してレベルシフタ702のプルダウンデバイスに電力供給するべく、第1の供給信号Vdd1を利用することで論理低レベルにタイマhv#信号を維持することができる。この実施形態では、タイマhv#信号は凹形状の波形を有し、第2の供給信号がランプアップする間、クランプデバイスがOFFに維持される。
【0050】
図7Bは、図7Aの実施形態における、第2の供給信号Vdd2のランプと比べたときの、タイマhv#信号の凹形状の波形を有する、電圧と時間との関係を示すグラフ710である。
【0051】
一実施形態では、レベルシフタ701の出力信号(タイマlvおよびタイマhv#)が、クランプユニット703により受信される。一実施形態では、クランプユニット703は、図3Bおよび図4Bのクランプユニットと対照的に、積層型のクランプユニットである。一実施形態では、クランプユニット703のデバイスは積層されることで、クランプユニット703のデバイスの酸化物の絶縁破壊の影響を低減させている。一実施形態では、信号ミッドノードは、第2の供給信号Vdd2およびグランド信号の論理中間レベルに設定されたバイアス信号である。一実施形態では、ミッドノード信号は、クランプデバイスM1に対して上昇されたグランドレベルを供給することで、酸化物の信頼性の効果を低減させる。ESD保護回路700の動作全体は、図2から図5の実施形態を参照して上述したものと同じである。一実施形態では、図7Aの発明の精神を変更することなく、別の回路トポロジーをレベルシフタ702に利用することもできる。
【0052】
図8は、ESD保護回路の別の実施形態800を示す。この実施形態は図4Aの実施形態に類似しており、さらにフィードバックユニット803に連結されているクランプユニット802に連結されているタイマユニット801を含む。本実施形態では、第2の供給信号Vdd2がランプダウンするとき、fb信号を生成するフィードバックユニット803は、タイマ信号がフィードバックトランジスタMfbの閾値電圧レベル(Vtp)に達するまで、供給信号Vdd2によりタイマ信号がランプダウンする。この実施形態では、タイマユニット801の抵抗が、タイマ信号を持つノードを、フィードバックトランジスタMfbの閾値電圧レベル(Vtp)より低く降下することを回避する。一実施形態では、第2の供給信号Vdd2が再びランプアップすると、フィードバックユニット803のインバータおよびフィードバックPMOSデバイスMfbは、タイマノードをハイに保つ増幅器として振舞う。この代替的な実施形態は、図4Bの実施形態と対照的であり、ここでは第2の供給信号Vdd2がランプダウンするときもタイマ信号203がハイに保たれる。
【0053】
図2を参照すると、代替的な実施形態では、電圧変換ユニット(不図示)が、タイマユット201とクランプユニット202との間に追加されている。この実施形態では、電圧変換ユニットは、第1の供給信号Vdd1と第2の供給信号Vdd2との間の交流(AC)または直流(DC)の差異を処理することができる。一実施形態では、電圧変換ユニットは、抵抗分配回路である。他の実施形態では、電圧変換ユニットはバッファ電圧レベルシフタを含む。
【0054】
本発明の実施形態は、これら全ての代替例、変更例、および変更例を、添付請求項の広義の範囲内に含むことを意図している。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は概してプロセッサ分野に係る。より詳しくは本発明の実施形態は、静電放電(ESD)から電力および/またはグランド供給ノードを保護して、これらのノード上の供給信号を急速にランプさせる方法、装置、およびシステムに係る。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)の製造中、または、これらICの処理中に、ICへの電力またはグランド供給ノード/ピンは、高い供給電圧および電流を受ける可能性がある(例えば、数千のボルトおよび数アンペアの電流、ローカル接地に対して正および/または負)。これら高い供給電圧および電流は、ノードにおける静電放電(ESD)イベントを示し、ICの電力および/またはグランドノード/ピンに連結された回路に損傷を与える可能性がある。電力および/またはグランド供給ノード/ピンは、電力および/またはグランド供給ノード/ピンに連結されている他の回路がESDイベントを受けた場合にも、ESDイベントを間接的に受ける可能性がある。このような場合には、他の回路におけるESDが電力経路を通って電力および/またはグランド供給ノード/ピンに流れ、これらノード/ピンに連結された回路へのノード/ピンに対して損傷を与える。これらの回路を保護するために、ESD保護回路がICに設けられ、ESDイベントがこれら供給ノードにある場合、ICの電力供給およびグランド供給ノードを互いに短絡させる、という方策が採られている。
【0003】
これらのESD保護回路は、供給ノード(電力供給およびグランドノード)上の高低電圧信号をクランプすることでICを保護している。この結果、ICの供給ノード上の急速に変化する電圧(例えば10mV/μS以上)が、互いに対して供給(電力供給およびグランド供給)を有するノードを短絡させてESDイベントに関連付けられている大電流(数アンペア)を放電することでESDイベントに対処するESD保護回路にとっては、ESDイベントに見える場合がある。ESDイベントに際して大電流を放電することによって、高電圧がICの回路ノードに構築することがなくなる。
【0004】
図1は、クランプユニット102に連結されているタイマユニット101を有する従来のESD保護回路100を示す。タイマユニット101の時定数は、供給信号Vddのランプ時間よりも短く、ESDイベントの長さよりも長くなるように選択される。このような時定数によって、ESDイベントが供給信号Vddを有するノードで始まった場合にクランプユニット102を起動して、ESDイベントが供給信号Vddを有するノードで終了した後で停止することができるようになる。供給信号Vddは概して、マザーボード上の外部電圧レギュレータ(ICの外部)により生成されるので、ICの外部に曝されるこれら信号についてESD保護が必要となる。これらの外部電圧レギュレータは概して供給信号Vddを低ランプ速度で(例えば1mV/μSで)生成する。
【0005】
しかし、ICの効率的な電力管理には、供給信号を高速ランプ速度(例えば1−10KmV/μS)で生成する高度な電力生成器が利用されている。これら高速ランプ供給信号によって、ICは、電力状態に入退出して、電力消費量を節約してIC性能を向上させる。これら高速ランプ供給信号は、ESD保護回路(図1のESD保護回路100等)にとっては、ESDイベントのように見えることがある。これは、高速ランプ供給信号がICの供給ノードの上で、突発的な高電圧スパイク(ESDイベント)に類似した、またはこれと等しい速度でランプアップしたりランプダウンしたりするところが、ESDイベントに似ているからである。この結果、ESD保護回路(例えば図1のESD保護回路100)は、高速ランプ供給信号を、供給信号を持つノード上のESDイベントから識別することができない。従ってこれらESD保護回路が、例えばICの電力管理に利用する高速ランプ供給信号をクランプしてしまう場合があり、ICの電力管理の妨げとなる。
【0006】
本発明の実施形態は、以下の詳細な記載および本発明の実施形態の添付図面からよりよく理解されるが、これらは、本発明を特定の実施形態に限定するものとしてとらえられるべきではなく、あくまで説明および理解の便宜上の記載である点を理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】静電放電(ESD)イベントから保護されている単一の電力供給を有するノードを介して動作する従来のESD保護回路を示す。
【図2】本発明の一実施形態による高速ランプ供給用のESD保護回路の高レベルブロック図である。
【図3A】本発明の一実施形態におけるESD保護回路のタイマユニットに連結されたフィードバックユニットを有するESD保護回路の高レベルブロック図である。
【図3B】本発明の一実施形態における図3AのESD保護回路の回路レベルダイアグラムである。
【図3C】本発明の一実施形態における図3BのESD保護回路のタイミングダイアグラムである。
【図4A】本発明の一実施形態におけるESD保護回路のクランプユニットに連結されたフィードバックユニットを有するESD保護回路の高レベルブロック図である。
【図4B】本発明の一実施形態における図4AのESD保護回路の回路レベルダイアグラムである。
【図4C】本発明の一実施形態における図4BのESD保護回路のタイミングダイアグラムである。
【図5】本発明の一実施形態における、供給信号を高速にランプさせつつ、供給信号を持つノード上のESDイベントから集積回路(IC)を保護する方法を示す。
【図6】本発明の一実施形態における高速ランプ供給を有するノードのESD保護のシステムレベルダイアグラムを示す。
【図7A】本発明の一実施形態におけるレベルシフタを有する代替的なESD保護回路を示す。
【図7B】本発明の一実施形態における図7Aの代替的なESD保護回路のレベルシフタ信号の動作を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施形態における別の代替的なESD保護回路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態は、静電放電(ESD)から電力および/またはグランド供給ノードを保護して、これらのノード上の供給信号を急速にランプさせる方法、装置、およびシステムに係る。
【0009】
一実施形態では、集積回路(IC)のESD保護回路は、そのタイマユニットがESD回路のクランプユニットから切り離されるように構成される。実施形態の詳細は図2−図8を参照して後述する。一実施形態では、ESD保護回路のタイマユニットは、第1の供給信号を介して第1のタイマ信号を生成することができ、第1の供給信号は遅いランプ供給信号(例えば1mV/μS)である。
【0010】
ランプという用語は、ここでは、供給信号の上下する勾配のことである。一実施形態では、ESD保護回路のクランプユニットは、第2の供給信号を持つノードにおいてESDイベントが生じた場合に、第2の供給信号をクランプすることができる。このような実施形態では、クランプユニットは、第2の供給信号を第1のタイマ信号の期間クランプすることができる。
【0011】
切り離すという用語は、ここでは、タイマユニットおよびクランプユニットのグランドおよび/または供給信号のソースを、互いから電気的に分離させることを示す。例えば、クランプユニットに提供される供給信号は、内部(オンダイ)電圧生成器により生成されてよく、第1の供給信号を利用してよく、この第1の供給信号は、外部(オフダイ)電圧生成器により生成されてよい。
【0012】
上述した実施形態により、第2の供給信号は、第1の供給信号のランプ速度(例えば1mV/μS以上)よりも速いランプ速度(例えば1−10KmV/μS以上)を有することができ、第2の供給信号がずっと速いランプ速度であったとしても、第2の供給信号をクランプするようにESD保護回路に促す必要がなくなる。第2の供給信号をクランプする必要なく第2の供給信号がより速いランプ速度を持つことができるようになることの理由の1つは、第2の供給信号をクランプするときを決定するタイマユニットの第1のタイマ信号が、第1の供給信号に基づいているからである。
【0013】
このように、上述した実施形態では、クランプユニットが、ESDイベント(第2の供給信号を持つノード上の電圧スパイク)と、高速にランプする第2の供給信号とを区別することができる。このような実施形態では、ESD回路のクランプデバイスを起動することで第2の供給信号をクランプする必要なく、ICのコンポーネントに対して高速に(例えば1−10KmV/μSで)電力供給開始および停止することにより、ICに対する効率的な電力管理が可能となる。ここで説明する実施形態は、ICの電力停止モード中に切り離された第2の供給信号(クランプユニットへの供給)を停止することにより、通常のロジックトランジスタと比較して大きなトランジスタである、クランプユニットのクランプデバイスにおけるリーク電力消費を低減することができる。
【0014】
以下の記載においては、幾多の詳細を述べて、本発明の実施形態の完全に説明する。しかしながら当業者にとっては、本発明の実施形態をこれら特定の詳細なしに実行可能であることが明らかである。他方で、公知の構造およびデバイスに関しては詳細に示すのではなくブロック図の形態で示して、本発明の実施形態を曖昧にしないようにしている箇所もある。
【0015】
実施形態の対応する図面では、信号をラインで示している。ラインの幾つかは他のラインより太く描かれることで、より堅牢な信号経路であることを示している場合があり、および/または、1以上の方向を有する矢印により主要な情報の流れの方向を示している場合がある。示されている情報のなかには限定ではないものもある。ラインを1以上の例示的な実施形態との関連で参照することで回路またはロジックユニットの理解がし易くなるであろう。設計上の必要性または都合に則った表示されている信号はいずれも、実際には、任意の方向に移動しうる1以上の信号を含んでよく、任意の適切な種類の信号スキーム(例えば差動対、シングルエンド等)により実装可能である。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態によるESD保護回路200の高レベルブロック図である。一実施形態では、ESD保護回路200は、クランプユニット202に連結されたタイマユニット201を含む。一実施形態では、タイマユニット201は、ESDイベント全体をカバーするのに足る長さの時定数を有するタイマ信号203を生成することができる。一実施形態では、タイマニット201は、電力供給信号Vdd1およびグランド供給信号gnd1を有するノードを有する。このような実施形態では、電力供給信号Vdd1は、遅いランプ速度(例えば1mV/μS)を有し、第1の電圧生成器により生成される。
【0017】
本発明の実施形態を曖昧にすることのないように、第1の電圧生成器の構造については示していない。一実施形態では、第1の電圧生成器は、ICから離れたマザーボード上に常駐しているオフダイ電圧レギュレータである。別の実施形態では、第1の電圧生成器は、第1の供給信号を遅いランプ速度で(例えば1mV/μSで)生成することのできるオンダイ電圧レギュレータである。
【0018】
一実施形態では、クランプユニット202は、タイマ信号203を受信して、バッファリングされたタイマ信号203を生成して、クランプユニット202のクランプデバイス(不図示)を駆動することができる。上述したように、クランプユニット202は、タイマユニット201から切り離されて、クランプユニット202がタイマユニット201の供給(電力および/またはグランド)とは異なる供給(電力および/またはグランド)上で動作するようにする。一実施形態では、クランプユニット202は、タイマユニット201の第1の供給信号Vdd1(例えば1mV/μS)のランプ速度よりも速いランプ速度(例えば1−10mV/μS)を有する第2の供給信号Vdd2を有するノードを有する。
【0019】
一実施形態では、第2の供給信号Vdd2を有するノードは、ボンドワイヤおよび/またはダイパッケージに連結されたICダイのC4バンプを介してICの外部の条件に曝される。このような実施形態では、第2の供給信号Vdd2を有するノードは、ESDに曝される。一実施形態では、第2の供給信号Vdd2を持つノードは、供給信号をICの入出力(I/O)トランシーバに提供し、このI/Oトランシーバひいては第2の供給信号を持つノードは、I/OピンからI/OトランシーバによりESDに曝される。ここにおける実施形態では、第2の供給信号Vdd2を有するノードのESD保護について説明する。
【0020】
一実施形態では、クランプユニット202内のクランプデバイスは、グランド信号を持つノードの上のESDイベントに呼応してグランド信号を持つノードへの第2の供給を有するノードを短絡させることのできるNMOSトランジスタである。別の実施形態では、クランプユニット202内のクランプデバイスは、第2の供給信号を持つノードの上のESDイベントに呼応してグランド信号を持つノードへの第2の供給を有するノードを短絡させることのできるPMOSトランジスタである。一実施形態では、クランプユニット202内のクランプデバイスは、グランド供給信号を持つノードの上のESDイベントに呼応してグランド信号を持つノードへの第2の供給を有するノードを短絡させることのできるPMOSトランジスタである。一実施形態では、クランプユニット202内のクランプデバイスは、第2の供給信号を持つノードの上のESDイベントに呼応してグランド信号を持つノードへの第2の供給を有するノードを短絡させることのできるNMOSトランジスタである。
【0021】
実施形態を曖昧にすることのないように、以下の実施形態は、クランプデバイスがPMOSトランジスタであり、ICが電力停止状態のとき(つまり、第1および第2の供給信号が論理ゼロレベルである場合)、第2の供給信号を持つノードにESDイベントが存在しているケースを例にとって記載される。クランプデバイスは、第2の供給信号Vdd2をクランプすることに関して説明されたが、本発明の実施形態の精神を変更することなく、同じ設計を、NMOSトランジスタを介してグランド供給信号gnd2上のESDをクランプする際にも利用することができる。
【0022】
図3Aから図4Cおよび図7Aから図8は、図2のESD回路200の様々な実施形態を示す。
【0023】
図3Aは、本発明の一実施形態におけるESD保護回路300のタイマユニット201に連結されたフィードバックユニット301を有するESD保護回路300の高レベルブロック図である。一実施形態では、フィードバックユニット301は、タイマ信号203を調節するフィードバック信号fbを生成する。一実施形態では、フィードバックユニット301は、第1の供給信号Vdd1がランプアップしたときにタイマ信号203を調節することのできるキーパデバイスを含む。
【0024】
フィードバックユニット301の目的の1つは、タイマ信号203を安定レベルに保って、タイマ信号203のレベルをICのいずれの電力リークまたは連結経路によっても放電させないことにより、タイマユニット201を安定させることである。タイマ信号203を安定レベルに保って、リークまたは連結経路によって放電させないようにすることにより、放電タイマ信号203に呼応して、クランプユニット202は、第2の供給信号Vdd2を持つノードを、グランド信号を持つノードにクランプしない。一実施形態では、第2の供給信号Vdd2を有するノードの上のESDイベントに呼応して、タイマ信号が放電を続けるので、フィードバックユニット301がディセーブルされる。上述したように、ICは、ESDイベント中に電力停止状態となり、第1および第2の供給ノードを有するノードは、ESDイベントの直前に論理ゼロレベルとなる。
【0025】
図3Bは、本発明の一実施形態における図3AのESD保護回路300の回路レベルダイアグラム310である。一実施形態では、タイマユニット201は、抵抗(R)およびキャパシタ(C)を含み、第2の供給信号を持つノード上のESDイベントの期間をカバーするのに足る時定数を有するタイマ信号203を生成する。タイマユニット201の実施形態は、RCに基づくタイマユニットに限定はされない。別の実施形態では、タイマユニット201は、LCタイマとリング発振器に基づくタイマ(不図示)を含む。本発明の実施形態を曖昧にすることのないように、ESD保護回路300にESDイベントに正確に応答させるための、ESD保護回路300の様々なノード上の連結キャパシタ等の他のデバイスについては図示していない。
【0026】
一実施形態ではフィードバックユニット301は、さらにタイマ信号203を反転させてフィードバック信号fbを生成するインバータにより駆動することのできるキーパデバイスMfbを含む。一実施形態では、タイマユニット201は、第1の供給信号Vdd1を受信することができる。
【0027】
一実施形態では、クランプユニット202は、タイマ信号203を受信することができる。一実施形態では、クランプユニット202は、バッファとクランプデバイスM1とを含む。この実施形態では、バッファは、タイマ信号203からゲートdrv信号を生成してクランプデバイスM1を駆動することができる。一実施形態では、クランプデバイスはグランド信号を持つノードに第2の供給信号Vdd2を有するノードを短絡させることができるPMOSトランジスタである。図2の実施形態を参照して説明したように、クランプユニット202は、第1の供給信号Vdd1から切り離された第2の供給信号Vdd2を受信することができる。
【0028】
図6の実施形態を参照して説明したように、第1の供給信号Vdd1を利用して第2の供給信号Vdd2を生成することができる。一実施形態では、第1の供給信号Vdd1を、ICの外部の電圧レギュレータにより生成する。この実施形態では、ゲートデバイスにより第1の供給信号Vdd1をゲーティングして、第2の供給信号Vdd2を生成する。一実施形態では、ゲートデバイスは、電力管理信号に呼応して自身をONまたはOFFにすることのできるパストランジスタである。この実施形態では、第2の供給信号Vdd2を、ゲートデバイスを介して第1の供給信号Vdd1から切り離す。他の実施形態では、第2の供給信号Vdd2が、第1の供給信号Vdd1を介して内部電圧レギュレータにより生成される。一実施形態では、内部電圧生成器は、オンダイまたはオンパッケージ電圧レギュレータである。
【0029】
図3Cは、本発明の一実施形態における図3BのESD保護回路のタイミングダイアグラム320である。タイミングダイアグラムは、第2の供給信号Vdd2が第1の供給信号Vdd1から切り離されている間は、供給を有する2つのノードの間に電気的経路(例えばクランプユニット202のバッファを介して第2の供給信号Vdd2を有する、タイマ信号203、フィードバックユニット301、RCネットワーク等を有するノードから、第1の供給信号Vdd1を有するノードへのリーク経路)が存在しうる、という仮定に基づいている。リークまたは連結経路は、さらに、図3BのESD保護回路の一部ではない別の回路を介して存在してもよい。
【0030】
図3Cの参照に戻ると、リーク経路は、第2の供給信号を持つノード上におけるESDイベントに呼応して第1の供給信号を持つノードの上にリップル効果を生じさせる。しかし、供給信号を持つノード間に電気的経路が存在するという仮定は、本発明の実施形態を限定する事項ではない。本発明の実施形態では、第1および第2の供給信号を持つノード間の完全な絶縁と完全な短絡の間のいずれかに関して、第2の供給信号Vdd2を有するノードの上のESDイベント中に、第2の供給信号Vdd2を有するノードが保護される。
【0031】
図3Cの上半分において、タイマ信号203は、第1の供給信号Vdd1が論理ゼロレベルから論理高レベルにランプアップするとき、第1の供給信号Vdd1をトラックする。タイマユニット201の時定数は、タイマ信号203が、第1の供給信号Vdd1がランプするときにこれをトラックするよう構成されている。
【0032】
トラックという用語は、ここでは、第1の信号のランプ速度を第2の信号のランプ速度と等しくする第1の信号の振る舞いのことである。
【0033】
第1の供給信号Vdd1をトラックすることによりタイマ信号がランプアップすると、フィードバック信号fbがキーパデバイスMfbをONに保つ。第2の供給信号Vdd2がランプアップすると、ゲートdrv信号が第2の供給信号Vdd2をトラックする。タイマ信号203の論理レベルにより、クランプデバイスM1へのゲートdrv信号が、第1の供給信号を持つノードまたは第2の供給信号を持つノードのいずれの上にもESDイベントがない場合、クランプデバイスM1を確実にOFFとすることができる。
【0034】
図3Cの下半分に示すように、第2の供給信号Vdd2を有するノードの上のESDイベントに呼応して、ESD電圧/ストライクが、タイマユニット201が応答するには速すぎるので、タイマ信号203は、論理ゼロレベルに、またはその付近に留まる。第1の供給信号を持つノードおよび第2の供給信号を持つノードの間に電気的経路または連結経路がない場合には、タイマユニット201は、第2の供給信号を持つノードの上のESDイベントに応答しない。上述したように、ICは、ESDイベント中に電力停止状態となり、第1および第2の供給信号(それぞれVdd1およびVdd2)を有するノードは、ESDイベントの直前に論理ゼロレベルとなる。
【0035】
タイマ信号203が論理ゼロレベルであるということは、フィードバック信号fbがキーパデバイスMfbをOFF状態に維持することを意味する。しかし、タイマ信号203の論理ゼロレベルによって、クランプデバイスM1がONに起動されて、これにより第2の供給信号Vdd2を有するノードを、グランド供給信号を持つノードへと短絡させる。2つのノードの短絡により、第2の供給信号Vdd2を有するノード上のESD放電が生じる。第1の供給信号の上の小さなリップル効果は、第1の供給信号を持つノードと、ESDイベントが生じた第2の供給信号を持つノードとの間の電気的経路により生じる。上述したように、実施形態のESD保護回路は、第1の供給信号を持つノードと、ESDイベントが生じた第2の供給信号を持つノードとの間に電気的経路がなくても適切に機能する。
【0036】
図4Aは、本発明の一実施形態におけるESD保護回路のクランプユニット202に連結されたフィードバックユニット401を有するESD保護回路400の高レベルブロック図である。上述した実施形態は、ICの電力管理中に第2の供給信号Vdd2が電力停止状態であるときにフィードバックユニット401をOFFに停止させることができるので、図3Aの実施形態よりも消費電力節約効果がある。図4Aの実施形態ではさらに、図3Aのフィードバックユニット301をタイマユニット201からなくすことにより、タイマユニット201を簡略化している。フィードバックユニット401の動作を、図4Bおよび図4Cを参照して説明する。ESD保護回路400の残りのコンポーネントは、図2および図3AのESD保護回路の実施形態の動作同様に動作する。
【0037】
図3Aよび図4Aの実施形態では、フィードバックユニットを有するESD保護回路の異なる回路トポロジーが示されているが、一実施形態では、図2を参照して記載した発明の精神を変更することなく、フィードバックユニットを省くこともできる。
【0038】
図4Bは、本発明の一実施形態における図4AのESD保護回路の回路レベルダイアグラム410である。一実施形態では、クランプユニット202のバッファは、タイマ信号203からフィードバック信号fbを生成することができる。一実施形態では、フィードバックユニット401のフィードバック信号fbは、タイマ信号203の信号レベルに応じてONまたはOFFにすることにより、フィードバックトランジスタMfbを制御する。本実施形態のフィードバック信号fbは第2の供給信号Vdd2により電力供給されるので、第1の供給信号Vdd1がON(論理の高レベル)である間またはランプアップしている間は、第2の供給信号Vdd2がOFF(つまり、論理ゼロレベル)のときには電気的なリークが存在する。一実施形態では、フィードバックユニット401が、第2の供給信号Vdd2により供給されるクランプユニット202に連結されているので、第2の供給信号Vdd2を有するノード上のESDイベントに呼応して、フィードバック信号fbは、第2の供給信号Vdd2を有するノードの上のESDをトラックする。
【0039】
図4Cは、本発明の一実施形態における図4BのESD保護回路のタイミングダイアグラム420である。第2の供給信号Vdd2が依然として電力停止状態である間に(論理ゼロレベル)第1の供給信号Vdd1が論理ゼロレベルからランプアップしている通常動作中には、タイマ信号203が第1の供給信号Vdd1をトラックし始め、その後、フィードバックトランジスタMfbの閾値電圧レベルに制限される。タイマ信号203がトランジスタMfbの閾値電圧(Vtp)に制限される理由の1つは、第1の供給信号Vdd1を有するノードと第2の供給信号Vdd2を有するノードとの間にリーク経路が存在するからである。第2の供給信号Vdd2がランプアップすると、タイマ信号203が第2の供給信号Vdd2をトラックして、クランプデバイスM1を停止させて、通常動作にする。
【0040】
第2の供給信号Vdd2を有するノードの上のESDイベントに呼応して、タイマ信号は論理ゼロレベルに留まり、これによりクランプデバイスがONに起動され、第2の供給信号Vdd2がクランプされる。上述したように、ICは、ESDイベント中に電力停止状態となり、第1および第2の供給信号(それぞれVdd1およびVdd2)を有するノードは、ESDイベントの直前に論理ゼロレベルとなる。図3Bの実施形態と比べて、図4Bの実施形態におけるフィードバック信号fbは、フィードバックユニット401が第2の供給信号Vdd2を有するノードにより供給されることから、第2の供給信号Vdd2を有するノードの上のESDをトラックする。
【0041】
図5は、本発明の一実施形態における、ESDクランプデバイスを有するノードの上の供給信号を高速にランプさせつつ、ESDイベントからICを保護するフローチャート500を示す。この方法を、図2から図4Cおよび図6から図8の実施形態を参照しながら説明する。
【0042】
ブロック501で、第1の供給信号Vdd1を、第2の供給信号Vdd2の生成前に生成する。ブロック502で、第1の供給信号Vdd1に基づく第1のタイマ信号203がタイマユニット201を介して生成される。ブロック503で、第2の供給信号Vdd2を有するノードの上のESDに呼応して、クランプユニット202によって第2の供給信号Vdd2をクランプするが、このクランププロセスはタイマ信号203に基づく期間続けられる。
【0043】
図6は、本発明の一実施形態におけるESD保護のシステムレベル装置600を示す。一実施形態では、システム600は、プロセッサ603(ICとも称される)に連結された外部電圧レギュレータ601を含む。システムはさらに、コンピュータ実行可能命令607を格納したメモリモジュール606も含み、このメモリモジュール606はネットワークバスを介してプロセッサ603に連結される。一実施形態では、外部電圧レギュレータ601は、プロセッサ603によりパッケージピン(不図示)を介して受信される第1の供給信号602を生成することができる。一実施形態では、プロセッサ603は、図2から図5、および図7A、図8のESD保護回路のいずれかを表すESD保護回路605を含む。
【0044】
一実施形態では、ESD保護回路605は、内部電圧レギュレータ604から第2の供給信号606を受信することができる。一実施形態では、内部電圧レギュレータ604は、第1の供給信号602を受信して、第2の供給信号606を生成することができる。他の実施形態では、第2の供給信号606は、電力ゲートトランジスタの1つの端子で第1の供給信号602を受信して、電力ゲートトランジスタの他の端子で第2の供給信号Vdd2を生成することのできる電力ゲートトランジスタ(不図示)により生成される。一実施形態では、電力ゲートトランジスタは、電力管理信号によりそのゲート端子で制御される。一実施形態では、内部電圧レギュレータ604は、プロセッサ603のパッケージ上に常駐する。一実施形態では、内部電圧レギュレータ604は、ESD保護回路605に連結されたオンダイ電圧レギュレータであり、内部電圧レギュレータ604およびESD保護回路605の両方がプロセッサ603内に常駐している。
【0045】
本発明の実施形態は、さらに、プログラム可能なコンピュータ実行可能命令607により実装される。例えば一実施形態では、図3Aから図4C、および図6から図8のPMOSクランプトランジスタM1のサイズは、コンピュータ実行可能命令607によりプログラム可能である。一実施形態では、タイマユニット201からのタイマ信号203の時定数もまた、コンピュータ実行可能命令607によりプログラム可能である。一実施形態では、第2の供給信号のランプ速度も、コンピュータ実行可能命令607により調節可能である。機械可読格納媒体608は、これらに限定はされないが、フラッシュメモリ、光ディスク、CD−ROM、DVD ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気カードまたは光学カード、またはその他の種類の、電子またはコンピュータ実行可能命令の格納に適した機械可読格納媒体を含んでよい。例えば本発明の実施形態は、遠隔コンピュータ(例えばサーバ)からコンピュータプログラムとして要求元のコンピュータ(例えばクライアント)へと、通信リンク(例えばモデムまたはネットワーク接続)を介したデータ信号によりダウンロードできる。
【0046】
本明細書における「一実施形態」「1つの実施形態」「一部の実施形態」あるいは「他の実施形態」といった言い回しは、その実施形態との関連で記載された特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも一部の実施形態に含まれることを示すものであるが、必ずしも全ての実施形態に含まれなければならないということではない。「一実施形態」「1つの実施形態」「一部の実施形態」といった言い回しが随所に見られるといって、それらが全て実施形態のことを示しているわけではない。明細書において、コンポーネント、特徴、構造、または特性が、含まれてもよい、含まれうる、または含まれる場合もある、といった言い回しは、特定のコンポーネント、特徴、構造、または特性が含まれることが必須ではないことを示している。英語の明細書または請求項における単数形不定冠詞の利用は、その部材が1つだけあることを意味しているわけではない。明細書または請求項が「さらなる」部材(an additional element)、と言及している場合、このさらなる部材は1つ以上あってもよい。
【0047】
本発明を特定の実施形態との関連で説明してきたが、当業者であれば、前述の記載に照らして、これら実施形態の数多くの代替例、変形例、および変更例について想到するであろう。図7Aから図8は、このうち2つの代替例を示す。
【0048】
図7Aは、本発明の一実施形態におけるレベルシフタ702を有するESD保護回路700を示す。本実施形態では、ESD保護回路700は、タイマユニット701、レベルシフタ702、および、クランプユニット703を含む。一実施形態では、タイマユニット701は、フィードバック信号fbを生成することのできるフィードバックユニットに連結されたRCネットワークを含む。本実施形態では、第1の供給信号Vdd1は、トランジスタプロセス製造技術で許容できるゲート酸化物電圧限界よりも高い。一実施形態では、タイマユニット701は、分割された第1の供給信号の上で動作して、トランジスタにおける酸化物の絶縁破壊を回避する。
【0049】
一実施形態では、タイマユニット701の出力信号タイマlvをレベルシフタ702に入力する。一実施形態では、レベルシフタ702は、タイマlv信号からタイマhv#信号を生成することができる。一実施形態では、レベルシフタ702は、第2の供給信号Vdd2がランプアップしている間、タイマhv#信号を論理低レベルに維持することができる。一実施形態では、レベルシフタ702は、タイマlv信号を介してレベルシフタ702のプルダウンデバイスに電力供給するべく、第1の供給信号Vdd1を利用することで論理低レベルにタイマhv#信号を維持することができる。この実施形態では、タイマhv#信号は凹形状の波形を有し、第2の供給信号がランプアップする間、クランプデバイスがOFFに維持される。
【0050】
図7Bは、図7Aの実施形態における、第2の供給信号Vdd2のランプと比べたときの、タイマhv#信号の凹形状の波形を有する、電圧と時間との関係を示すグラフ710である。
【0051】
一実施形態では、レベルシフタ701の出力信号(タイマlvおよびタイマhv#)が、クランプユニット703により受信される。一実施形態では、クランプユニット703は、図3Bおよび図4Bのクランプユニットと対照的に、積層型のクランプユニットである。一実施形態では、クランプユニット703のデバイスは積層されることで、クランプユニット703のデバイスの酸化物の絶縁破壊の影響を低減させている。一実施形態では、信号ミッドノードは、第2の供給信号Vdd2およびグランド信号の論理中間レベルに設定されたバイアス信号である。一実施形態では、ミッドノード信号は、クランプデバイスM1に対して上昇されたグランドレベルを供給することで、酸化物の信頼性の効果を低減させる。ESD保護回路700の動作全体は、図2から図5の実施形態を参照して上述したものと同じである。一実施形態では、図7Aの発明の精神を変更することなく、別の回路トポロジーをレベルシフタ702に利用することもできる。
【0052】
図8は、ESD保護回路の別の実施形態800を示す。この実施形態は図4Aの実施形態に類似しており、さらにフィードバックユニット803に連結されているクランプユニット802に連結されているタイマユニット801を含む。本実施形態では、第2の供給信号Vdd2がランプダウンするとき、fb信号を生成するフィードバックユニット803は、タイマ信号がフィードバックトランジスタMfbの閾値電圧レベル(Vtp)に達するまで、供給信号Vdd2によりタイマ信号がランプダウンする。この実施形態では、タイマユニット801の抵抗が、タイマ信号を持つノードを、フィードバックトランジスタMfbの閾値電圧レベル(Vtp)より低く降下することを回避する。一実施形態では、第2の供給信号Vdd2が再びランプアップすると、フィードバックユニット803のインバータおよびフィードバックPMOSデバイスMfbは、タイマノードをハイに保つ増幅器として振舞う。この代替的な実施形態は、図4Bの実施形態と対照的であり、ここでは第2の供給信号Vdd2がランプダウンするときもタイマ信号203がハイに保たれる。
【0053】
図2を参照すると、代替的な実施形態では、電圧変換ユニット(不図示)が、タイマユット201とクランプユニット202との間に追加されている。この実施形態では、電圧変換ユニットは、第1の供給信号Vdd1と第2の供給信号Vdd2との間の交流(AC)または直流(DC)の差異を処理することができる。一実施形態では、電圧変換ユニットは、抵抗分配回路である。他の実施形態では、電圧変換ユニットはバッファ電圧レベルシフタを含む。
【0054】
本発明の実施形態は、これら全ての代替例、変更例、および変更例を、添付請求項の広義の範囲内に含むことを意図している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の供給信号を持つノードを有し、前記第1の供給信号に基づいて第1のタイマ信号を生成するタイマユニットと、
前記タイマユニットに連結されて、第2の供給信号を持つノードを有し、静電放電(ESD)に呼応して前記第2の供給信号を前記第1のタイマ信号の信号レベルに基づく期間クランプするクランプユニットと
を備える装置。
【請求項2】
前記タイマユニットは、前記第2の供給信号を持つノードの上のESDイベントの期間より長い時定数で、前記第1のタイマ信号を生成する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の供給信号および前記第2の供給信号は、それぞれ、第1の電力供給信号および第2の電力供給信号に対応する請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の供給信号および前記第2の供給信号は、それぞれ、第1のグランド供給信号および第2のグランド供給信号に対応する請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の供給信号を生成する第1の電圧生成器と、
前記第2の供給信号を生成する第2の電圧生成器と
をさらに備え、
前記第1の電圧生成器は、前記第1の供給信号を、前記第2の供給信号のランプ速度より遅いランプ速度でランプする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の電圧生成器は、前記第2の電圧生成器が前記第2の供給信号を生成する前に、前記第1の供給信号を生成し、前記第1の電圧生成器が自身を停止する前に前記第2の電圧生成器が自身を停止する請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記タイマユニットと前記クランプユニットとに連結されたレベルシフタをさらに備え、
前記クランプユニットは、前記第1の供給信号の供給レベルより高い供給レベルを有する前記第2の供給信号を受信して、
前記レベルシフタは、前記第1のタイマ信号から前記クランプユニットの第2のタイマ信号を生成し、
前記第2のタイマ信号は、前記クランプユニットの信頼性を保護する信号レベルを有する請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記クランプユニットまたは前記タイマユニットに連結され、前記第1の供給信号または前記第2の供給信号がランプアップまたはランプダウンすることに呼応して、前記第1のタイマ信号を調節するフィードバックユニットをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記クランプユニットは、前記第2の供給信号を持つノードと、グランド供給信号を持つノードとの間にPMOSトランジスタを有し、
前記第2の供給信号は第2の電力供給信号である請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記クランプユニットは、前記第2の供給信号を持つノードと、電力供給信号を持つノードとの間にNMOSトランジスタを有し、
前記第2の供給信号はグランド電力供給信号である請求項1に記載の装置。
【請求項11】
第1の供給信号を生成する第1の電圧生成器と、
前記第1の電圧生成器に連結されたプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
第2の供給信号を生成する第2の電圧生成器と、
前記第1の供給信号を介して第1のタイマ信号を生成して、静電放電(ESD)に呼応して、前記第1のタイマ信号に基づく期間、前記第2の供給信号をクランプするESDユニットと
を有するシステム。
【請求項12】
前記第1の電圧生成器は、前記第2の供給信号のランプ速度より遅いランプ速度で前記第1の供給信号をランプする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の電圧生成器は、前記第2の電圧生成器が前記第2の供給信号を生成する前に、前記第1の供給信号を生成し、前記第1の電圧生成器が自身を停止する前に前記第2の電圧生成器が自身を停止する請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記ESDユニットは、
前記第1の供給信号を持つノードを有し、前記第1の供給信号に基づいて前記第1のタイマ信号を生成するタイマユニットと、
前記タイマユニットに連結されて、前記第2の供給信号を持つノードを有し、前記第2の供給信号をクランプするクランプユニットと
を含む請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記クランプユニットは、前記第2の供給信号を持つノードと、グランド供給信号を持つノードとの間にPMOSトランジスタを有し、
前記第2の供給信号は第2の電力供給信号である請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記クランプユニットは、前記第2の供給信号を持つノードと、電力供給信号を持つノードとの間にNMOSトランジスタを有し、
前記第2の供給信号はグランド電力供給信号である請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記ESDユニットは、前記クランプユニットまたは前記タイマユニットに連結され、前記第1の供給信号または前記第2の供給信号がランプアップまたはランプダウンすることに呼応して、前記第1のタイマ信号を調節するフィードバックユニットをさらに含む請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記ESDユニットは、前記タイマユニットと前記クランプユニットとに連結されたレベルシフタをさらに含み、
前記クランプユニットは、前記第1の供給信号の供給レベルより高い供給レベルを有する前記第2の供給信号を受信して、
前記レベルシフタは、前記第1のタイマ信号から前記クランプユニットの第2のタイマ信号を生成し、
前記第2のタイマ信号は、前記クランプユニットの信頼性を保護する信号レベルを有する請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の電圧生成器は、前記第2の供給信号のランプ速度より遅いランプ速度で前記第1の供給信号を生成するオフダイ電圧レギュレータである請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記第2の電圧生成器は、前記第1の供給信号のランプ速度より速いランプ速度で前記第2の供給信号を生成する請求項11に記載のシステム。
【請求項21】
前記第2の電圧生成器は、前記第2の供給信号として、前記第1の供給信号のゲーティングされたバージョンを生成する請求項11に記載のシステム。
【請求項22】
第1の供給信号を持つノードを有するタイマユニットを介して、前記第1の供給信号に基づく第1のタイマ信号を生成する段階と、
第2の供給信号を持つノードの上の静電放電(ESD)に呼応して前記第2の供給信号を前記第1のタイマ信号に基づく期間クランプする段階と
を備える方法。
【請求項23】
前記第1の供給信号および前記第2の供給信号を、互いに異なる速度でランプアップまたはランプダウンする段階をさらに備える請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第2の供給信号を持つノードの上のESDイベントの期間より長い前記第1のタイマ信号の時定数を提供する段階をさらに備える請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の供給信号を生成する前に前記第1の供給信号を生成する段階をさらに備える請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の供給信号のランプ速度よりも遅いランプ速度で前記第1の供給信号を生成する段階をさらに備える請求項22に記載の方法。
【請求項27】
第1の供給信号を受信して、前記第1の供給信号に基づいて第2の供給信号を生成する電圧生成器と、
前記第1の供給信号を介して第1のタイマ信号を生成して、静電放電(ESD)に呼応して、前記第1のタイマ信号に基づく期間、前記第2の供給信号をクランプするESDユニットと
を備えるプロセッサ。
【請求項28】
前記第1の供給信号は、前記第1の供給信号を前記第2の供給信号のランプ速度より遅いランプ速度でランプする第1の電圧生成器により生成される請求項27に記載のプロセッサ。
【請求項29】
前記ESDユニットは、
前記第1の供給信号を持つノードを有し、前記第1の供給信号に基づいて前記第1のタイマ信号を生成するタイマユニットと、
前記タイマユニットに連結されて、前記第2の供給信号を持つノードを有し、前記第2の供給信号をクランプするクランプユニットと
を含む請求項27に記載のプロセッサ。
【請求項30】
前記ESDユニットは、前記クランプユニットまたは前記タイマユニットに連結され、前記第1の供給信号または前記第2の供給信号がランプアップまたはランプダウンすることに呼応して、前記第1のタイマ信号を調節するフィードバックユニットをさらに含む請求項29に記載のプロセッサ。
【請求項1】
第1の供給信号を持つノードを有し、前記第1の供給信号に基づいて第1のタイマ信号を生成するタイマユニットと、
前記タイマユニットに連結されて、第2の供給信号を持つノードを有し、静電放電(ESD)に呼応して前記第2の供給信号を前記第1のタイマ信号の信号レベルに基づく期間クランプするクランプユニットと
を備える装置。
【請求項2】
前記タイマユニットは、前記第2の供給信号を持つノードの上のESDイベントの期間より長い時定数で、前記第1のタイマ信号を生成する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の供給信号および前記第2の供給信号は、それぞれ、第1の電力供給信号および第2の電力供給信号に対応する請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の供給信号および前記第2の供給信号は、それぞれ、第1のグランド供給信号および第2のグランド供給信号に対応する請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の供給信号を生成する第1の電圧生成器と、
前記第2の供給信号を生成する第2の電圧生成器と
をさらに備え、
前記第1の電圧生成器は、前記第1の供給信号を、前記第2の供給信号のランプ速度より遅いランプ速度でランプする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の電圧生成器は、前記第2の電圧生成器が前記第2の供給信号を生成する前に、前記第1の供給信号を生成し、前記第1の電圧生成器が自身を停止する前に前記第2の電圧生成器が自身を停止する請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記タイマユニットと前記クランプユニットとに連結されたレベルシフタをさらに備え、
前記クランプユニットは、前記第1の供給信号の供給レベルより高い供給レベルを有する前記第2の供給信号を受信して、
前記レベルシフタは、前記第1のタイマ信号から前記クランプユニットの第2のタイマ信号を生成し、
前記第2のタイマ信号は、前記クランプユニットの信頼性を保護する信号レベルを有する請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記クランプユニットまたは前記タイマユニットに連結され、前記第1の供給信号または前記第2の供給信号がランプアップまたはランプダウンすることに呼応して、前記第1のタイマ信号を調節するフィードバックユニットをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記クランプユニットは、前記第2の供給信号を持つノードと、グランド供給信号を持つノードとの間にPMOSトランジスタを有し、
前記第2の供給信号は第2の電力供給信号である請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記クランプユニットは、前記第2の供給信号を持つノードと、電力供給信号を持つノードとの間にNMOSトランジスタを有し、
前記第2の供給信号はグランド電力供給信号である請求項1に記載の装置。
【請求項11】
第1の供給信号を生成する第1の電圧生成器と、
前記第1の電圧生成器に連結されたプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
第2の供給信号を生成する第2の電圧生成器と、
前記第1の供給信号を介して第1のタイマ信号を生成して、静電放電(ESD)に呼応して、前記第1のタイマ信号に基づく期間、前記第2の供給信号をクランプするESDユニットと
を有するシステム。
【請求項12】
前記第1の電圧生成器は、前記第2の供給信号のランプ速度より遅いランプ速度で前記第1の供給信号をランプする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の電圧生成器は、前記第2の電圧生成器が前記第2の供給信号を生成する前に、前記第1の供給信号を生成し、前記第1の電圧生成器が自身を停止する前に前記第2の電圧生成器が自身を停止する請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記ESDユニットは、
前記第1の供給信号を持つノードを有し、前記第1の供給信号に基づいて前記第1のタイマ信号を生成するタイマユニットと、
前記タイマユニットに連結されて、前記第2の供給信号を持つノードを有し、前記第2の供給信号をクランプするクランプユニットと
を含む請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記クランプユニットは、前記第2の供給信号を持つノードと、グランド供給信号を持つノードとの間にPMOSトランジスタを有し、
前記第2の供給信号は第2の電力供給信号である請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記クランプユニットは、前記第2の供給信号を持つノードと、電力供給信号を持つノードとの間にNMOSトランジスタを有し、
前記第2の供給信号はグランド電力供給信号である請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記ESDユニットは、前記クランプユニットまたは前記タイマユニットに連結され、前記第1の供給信号または前記第2の供給信号がランプアップまたはランプダウンすることに呼応して、前記第1のタイマ信号を調節するフィードバックユニットをさらに含む請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記ESDユニットは、前記タイマユニットと前記クランプユニットとに連結されたレベルシフタをさらに含み、
前記クランプユニットは、前記第1の供給信号の供給レベルより高い供給レベルを有する前記第2の供給信号を受信して、
前記レベルシフタは、前記第1のタイマ信号から前記クランプユニットの第2のタイマ信号を生成し、
前記第2のタイマ信号は、前記クランプユニットの信頼性を保護する信号レベルを有する請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の電圧生成器は、前記第2の供給信号のランプ速度より遅いランプ速度で前記第1の供給信号を生成するオフダイ電圧レギュレータである請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記第2の電圧生成器は、前記第1の供給信号のランプ速度より速いランプ速度で前記第2の供給信号を生成する請求項11に記載のシステム。
【請求項21】
前記第2の電圧生成器は、前記第2の供給信号として、前記第1の供給信号のゲーティングされたバージョンを生成する請求項11に記載のシステム。
【請求項22】
第1の供給信号を持つノードを有するタイマユニットを介して、前記第1の供給信号に基づく第1のタイマ信号を生成する段階と、
第2の供給信号を持つノードの上の静電放電(ESD)に呼応して前記第2の供給信号を前記第1のタイマ信号に基づく期間クランプする段階と
を備える方法。
【請求項23】
前記第1の供給信号および前記第2の供給信号を、互いに異なる速度でランプアップまたはランプダウンする段階をさらに備える請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第2の供給信号を持つノードの上のESDイベントの期間より長い前記第1のタイマ信号の時定数を提供する段階をさらに備える請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の供給信号を生成する前に前記第1の供給信号を生成する段階をさらに備える請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の供給信号のランプ速度よりも遅いランプ速度で前記第1の供給信号を生成する段階をさらに備える請求項22に記載の方法。
【請求項27】
第1の供給信号を受信して、前記第1の供給信号に基づいて第2の供給信号を生成する電圧生成器と、
前記第1の供給信号を介して第1のタイマ信号を生成して、静電放電(ESD)に呼応して、前記第1のタイマ信号に基づく期間、前記第2の供給信号をクランプするESDユニットと
を備えるプロセッサ。
【請求項28】
前記第1の供給信号は、前記第1の供給信号を前記第2の供給信号のランプ速度より遅いランプ速度でランプする第1の電圧生成器により生成される請求項27に記載のプロセッサ。
【請求項29】
前記ESDユニットは、
前記第1の供給信号を持つノードを有し、前記第1の供給信号に基づいて前記第1のタイマ信号を生成するタイマユニットと、
前記タイマユニットに連結されて、前記第2の供給信号を持つノードを有し、前記第2の供給信号をクランプするクランプユニットと
を含む請求項27に記載のプロセッサ。
【請求項30】
前記ESDユニットは、前記クランプユニットまたは前記タイマユニットに連結され、前記第1の供給信号または前記第2の供給信号がランプアップまたはランプダウンすることに呼応して、前記第1のタイマ信号を調節するフィードバックユニットをさらに含む請求項29に記載のプロセッサ。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【公開番号】特開2012−39852(P2012−39852A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−114898(P2011−114898)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114898(P2011−114898)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】
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