説明

静電気発生装置

【課題】人体に帯電している静電気を低減/除去することが可能な静電気発生装置を提供すること。
【解決手段】家庭用電源(AC100 V)にてモータ3a(3b)を駆動させ、イオン棒4a(4b)を所定方向へ回転させると、摩擦布8a、8bと、イオン棒4a(4b)表面との摩擦によって、静電気が発生し、コード16a 、16b の電位間に電位差が生じる。イオン棒4a(4b)内には、マイナスイオン化された珪素粒が封入されており、ガラス管の両端が円錐形をなしていることによって、マイナスイオンが放出される。装置内は、珪素シートが貼付されたアクリル基板1及びカバー7によって外部の静電気から遮断されており、アクリル基板1、カバー7には、充放電回路の端子のコード19、20が接続されている。コード16a 、16b の銅製の握り棒21、22を握ると、帯電している静電気が除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電気発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、静電気の帯電が人体に悪影響を及ぼすことが判明しつつあり、これを解消し得る、マイナスイオン効果を有する森林浴、マイナスイオンによる空気清浄器等に対する関心が高まっている。電気機器が氾濫し、電気ケーブルが張り巡らされており、しかも電気通信機器により電磁波が多用されている現代社会においては、静電気は無視することができなくなっている。
【0003】
静電気の帯電が一因である症状としては、軽度のものでは、肩こり、いらいら感、腰痛等があり、重度のものでは内蔵疾患、肢体不自由、脳性麻痺、癌等が挙げられる。静電気が帯電した場合、血行が悪くなり、その浄化作用が低減し、また細胞の活動がにぶくなることが要因であると考えられる。
【0004】
また肩こりの治療器として、その普及が急速に高まっている低周波治療器は、電流を人体に流すことにより得られる振動で筋肉を刺激すると共に、人体に帯電している静電気を除去して、症状を緩和するものであるといえる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、好適な条件で発生した静電気を用いて、人体に帯電している静電気を低減/除去することに利用できる静電気発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の静電気発生装置は、2本のガラス管と、各ガラス管の周面に部分的に設けられた金属層と、各ガラス管の表面と摺接させる摩擦材と、前記ガラス管を管軸回りに回転駆動する駆動手段と、前記摩擦材に夫々接続された2本の導線とを備え、前記ガラス管と前記摩擦材との摩擦により発生する静電気が前記導線により取り出されるようになしてあることを特徴とする。
【0007】
ガラス管を回転させると、金属層が設けられていないガラス管表面と摩擦材とが摺接し、静電気が発生する。ここで摩擦タイミング等、種々の要因が異なることにより、各ガラス管における静電気には電位差が生じる。従ってこれらガラス管に接続された導線からは、相対的に高電位と低電位とを取り出すことができる。これら導線を、適宜間隔を隔てて患部に接触させることにより、患部に負の微弱電流が流れる。これによって、患部に帯電している正の静電気が低電位側のガラス管へ流れ、負の静電気は高電位側のガラス管へ流れる。これにより患部に帯電している静電気が低減/除去される。
【0008】
請求項2記載の静電気発生装置は、請求項1において、前記ガラス管の内部にはマイナスイオン化された珪素粒が封入されており、前記ガラス管の両端は円錐形をなしていることを特徴とする。
【0009】
マイナスイオン化された珪素粒が封入された2本のガラス管からはマイナスイオンが放出され、両端が円錐形をなすことにより、ガラス管から放出されたマイナスイオンの、空気浄化作用が高められる。従ってマイナスイオンが存在する好適な空間で静電気を発生させることができる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明に係る静電気発生装置は、2本のガラス管を回転させ、ガラス管の表面と摩擦材とを摺接させることにより、好適条件において静電気を発生させ、発生させた静電気を利用した電流を人体に流し、そこに帯電している静電気を低減/除去することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に係る静電気発生装置を示す斜視図である。図中1は珪素蒸着シートが全面に貼着された透明な矩形のアクリル製基板であり、その上に、トランス/整流器2と、2個のモータ3a、(3b)と、2本のイオン棒4a、(4b)と、コンデンサ18と、スイッチ6とを備え、これらは全て、珪素蒸着シートが全面に貼着された透明なアクリル板からなる直方体状のカバー7で覆ってあり、カバー7の下端はアクリル製基板1に固着されている。
【0012】
図2は、2本のイオン棒4a、4b及びこれを回転駆動するモータ3a、3bの取り付け状態を示す平面図であり、図3は、図2のIII-III 線における要部の断面図である。イオン棒4a、4bは、両端が円錐形をなす同サイズ(直径、約30mm、全長、約180 mm)のガラス管内にマイナスイオン化された珪素粒が封入されてなる。
【0013】
イオン棒4aの直胴部の周面には、長さが約110 mmであり、幅が約5(3〜10)mmであり、厚みが約0.1mmである複数のアルミニウム箔9が、周方向に所定間隔を隔て、その長辺を管軸方向に一致させて貼着されている。イオン棒4aの直胴部に貼着された各アルミニウム箔9、9間には、夫々、長さが約13(10〜30)mmであり、幅が約5(3〜10)mmであり、厚みが約0.1mmである銅箔10が、管軸方向に6、7枚ずつ、適宜間隔を隔てて貼着されており、あるアルミニウム箔9の両側の銅箔10は貼付位置が互い違いになしてある。
【0014】
イオン棒4bの直胴部の周面には、長さが約110 mmであり、幅が約5(3〜10)mmであり、厚みが約0.1mmである複数の銅箔10が、所定間隔を隔て、その長辺を管軸方向に一致させて貼着されている。イオン棒4bの直胴部に貼着された各銅箔10、10間には、夫々、長さが約13(10〜30)mmであり、幅が約5(3〜10)mmであり、厚みが約0.1mmであるアルミニウム箔9が、管軸方向に6、7枚ずつ、適宜間隔を隔てて互い違いに貼着されており、ある銅箔10の両側のアルミニウム箔9は貼付位置が互い違いになしてある。
なお、イオン棒4a、4bに貼着する金属箔は、アルミニウム、銅に限定されるものではなく、異種のものであればよい。そして、その形状も上述したものに限定されるものではなく、各イオン棒4a、4bにおいてその表面積が異なっていればよい。
【0015】
アクリル製基板1上の対向する両縁部には、イオン棒4a、4bを、棒軸回りの回転を可能に水平に軸受けを介して平行保持する保持台11、12が固設されており、イオン棒4aの側方にはモータ3aが固定されており、イオン棒4bの側方にはモータ3bが固定されている。イオン棒4aの一端部と、モータ3aの出力軸に取り付けられたプーリとにはベルト23a が張架されており、またイオン棒4bの一端部とモータ3bとにはベルト23b が張架されている。これによりイオン棒4a、4bは、図3に示す如く、互いに逆方向に回転せしめられるようになしてある。
【0016】
保持台11、12の上面には、アクリル板からなる摩擦布保持板13a 、13b が架設されて、ボルト24a 、24b にて螺子止めされている。摩擦布保持板13a 、13b の対向する縁部には、摩擦布8a、8b(例えばアクリル等の静電気を起こし易い合成繊維製のフェルト)がその1辺で夫々接着保持されている。これにより摩擦布8aはイオン棒4a、4b間の隙間へ垂下してイオン棒4aの表面と接触し、また摩擦布8bはイオン棒4a、4b間の隙間へ垂下してイオン棒4bの表面と接触している。
【0017】
摩擦布保持板13a 、13b を保持台12に固定しているボルト24a 、24b は、コード16a 、16b も共に螺子止めしており、コード16a 、16b はカバー7に設けられた孔から装置外へ引き出されている。コード16a 、16b の先端には人が握るための銅製の握り棒21、22が夫々取り付けられている。
【0018】
イオン棒4a、4bの上方には、支持部材14を介して保持台11、12にて支持された回路基板15が取り付けられており、回路基板15上の所定位置には、コンデンサ18、スイッチ6、ダイオード31及び抵抗5が装着されている。
また保持台12の側方にはトランス/整流器2が設置されており、回路基板15と接続されている。トランス/整流器2及びモータ3a、3bは、その側方に取り付けられた配電盤17に接続されており、配電盤17からの電源コード32は、カバー7に設けられた孔から引き出されている。
【0019】
スイッチ6の切替端子は、図5に示す如く、コンデンサ18に接続されており、一端子はコンデンサ充電のため、ダイオード31を介して電源に接続されており、他端子はコンデンサ放電側の抵抗5に接続されている。コンデンサ18にコード19が接続されており、アクリル製基板1にビス33で固定されている。また抵抗5にコード20が接続されており、カバー7に取り付けられたビス34にて固定されている。なお、スイッチ6は所定間隔(例えば3回/sec.)で自動的に切り替わる、例えば半導体スイッチである。
【0020】
以上の如く構成された本発明装置は、2つの回路を兼ね備える。
図4は、一方の回路を示す図である。家庭用電源(AC100 V、1.4 A)にてモータ3a、3bを駆動させ、イオン棒4a、4bを互いに逆方向へ回転させる。そうすると、摩擦布8a、8bと、イオン棒4a、4b表面、及びここに貼着されたアルミニウム箔9及び銅箔10との摩擦によって、静電気が発生する。このとき摩擦タイミング等、種々の要因が異なることにより、イオン棒4a、4bにおける起電力に差があり、コード16a 、16b の電位間に電位差が生じる。これにより摩擦布8a、8bは、正又は負の異なる電位の電極として機能する。
【0021】
また装置全体が珪素シートで覆われているので、装置内は外部空間にある静電気から遮断されている(特開平8−317995号公報参照)。従って外部の静電気の影響を受けることなく、内部で発生させた静電気を取り出すことができる。
【0022】
図5は、本発明装置における他方の回路を示す図である。トランス/整流器2に接続された充放電回路では、スイッチ6が充電側の一端子に接続されている間はコンデンサ18に蓄電され、放電抵抗5側の他端子に切り換えられると、コード19、20を介して、アクリル製基板1及びカバー7に貼付されている珪素シート(107 Ω)へ放電される。この回路では、トランス/整流器2による供給電圧をDC6Vとした場合、5V、0.06Aの放電電圧が得られる。これにより装置内は負の静電気が充満する。
【0023】
充電回路(コンデンサ18)に接続されたコード19と、放電回路(抵抗5)に接続されたコード20とを引き出して人体に接触させた場合は、脈動波を得て、低周波治療器の如き作用が得られる(図6)。
【実施利用例】
【0024】
実施利用例1.
図4に示す回路の端子である握り棒21、22を人体に接触させ、図5に示す回路の端子であるコード19、20をアクリル製基板1、カバー7に接続する。そしてイオン棒4a、4bの回転数を3000rpm にした場合、握り棒21、22間には、0.01〜0.2Vの電圧が発生し、0.001 〜0.02μAの電流が流れた。
【0025】
各症状を有する複数人がこの装置を用いたところ、肩こり、いらいら感が解消された、手足の関節の痛みが解消された、内蔵の痛みが和らげられた、という効果が得られた。さらに本発明装置の使用を継続することにより、重度の症状が治癒される例も見られた。なお、イオン棒4a、4bの回転数は1000〜5000rpm であることが望ましい。
【0026】
実施利用例2.
図6は実施利用例2における接続構成を示す斜視図である。実施利用例1とは逆に、図4に示す回路による静電気の取り出し端子である摩擦布保持板13a 、13b をビス34、33に接続させ、図5に示す回路の端子であるコード19、20を、カバー7に設けられた孔から装置外へ引き出す。発生電圧が6Vであるトランス/整流器2を用い、イオン棒4a、4bの回転数を3000rpm にした場合、パッド19a 、20a 間には、5Vの電圧が発生し、0.06Aの電流が流れた。また人体を介して、測定したところ、5Vの電圧が発生し、0.01mAの電流が流れた。
【0027】
各症状を有する複数人がこの装置を用いたところ、肩こり、いらいら感が解消された、手足の関節の痛みが解消された、という効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る静電気発生装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示すイオン棒の取り付け状態を示す平面図である。
【図3】図2のIII-III 線に相当する要部の断面図である。
【図4】本発明装置の一方の回路を示す図である。
【図5】本発明装置の他方の回路を示す図である。
【図6】実施利用例2における接続構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
1 アクリル製基板
2 トランス/整流器
3a、3b モータ
4a、4bガラス管
5 抵抗
6 スイッチ
7 カバー
8a、8b 摩擦布
9 アルミニウム箔
10 銅箔
16a、16b、19、20 コード
18 コンデンサ
21、22 握り棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本のガラス管と、各ガラス管の周面に部分的に設けられた金属層と、各ガラス管の表面と摺接させる摩擦材と、前記ガラス管を管軸回りに回転駆動する駆動手段と、前記摩擦材に夫々接続された2本の導線とを備え、前記ガラス管と前記摩擦材との摩擦により発生する静電気が前記導線により取り出されるようになしてあることを特徴とする静電気発生装置。
【請求項2】
前記ガラス管の内部にはマイナスイオン化された珪素粒が封入されており、前記ガラス管の両端は円錐形をなしていることを特徴とする請求項1記載の静電気発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−216050(P2007−216050A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118958(P2007−118958)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【分割の表示】特願平9−243228の分割
【原出願日】平成9年9月8日(1997.9.8)
【出願人】(595075458)
【出願人】(595075469)
【Fターム(参考)】