説明

静電潜像現像剤用キャリア、および静電潜像現像剤

【課題】トナースペント性、被膜の耐摩耗性(削れ・剥がれ)に優れるキャリアを提供する。
【解決手段】被覆層中に導電性微粒子を含有し、被覆層中の樹脂成分が下記モノマー及び架橋成分をを含む共重合体を加熱処理して得られた樹脂を含み、キャリアの動的抵抗が1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下である静電潜像現像剤用キャリア。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録法に使用される二成分現像剤に用いられる静電潜像現像用キャリア、それを用いた静電潜像現像剤、現像剤入り容器、静電潜像現像方法、静電潜像現像剤を備えるプロセスカートリッジ、画像形成装置及び補給用現像剤に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式による画像形成では、光導電性物質等の静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナーを付着させてトナー像を形成した後、トナー像を記録媒体に転写し、定着され、出力画像となる。近年、電子写真方式を用いた複写機やプリンタの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場は拡大する傾向にある。
【0003】
フルカラー画像形成では、一般に、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はこれに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて全ての色の再現を行う。したがって、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るためには、定着されたトナー像の表面を平滑にして光散乱を減少させる必要がある。このような理由から、従来のフルカラー複写機等の画像光沢は、10〜50%の中〜高光沢のものが多かった。
【0004】
一般に、乾式のトナー像を記録媒体に定着させる方法としては、平滑な表面を持ったローラやベルトを加熱し、トナーと圧着する接触加熱定着方法が多用されている。このような方法は、熱効率が高く、高速定着が可能であり、カラートナーに光沢や透明性を与えることが可能である反面、加熱定着部材の表面と溶融状態のトナーとを加圧下で接触させた後、剥離するために、トナー像の一部が定着ローラ表面に付着して別の画像上に転移する、いわゆるオフセット現象が生じる。
【0005】
このようなオフセット現象を防止することを目的として、離型性に優れたシリコーンゴムやフッ素樹脂で定着ローラの表面を形成し、さらにその定着ローラ表面にシリコーンオイル等のトナー固着防止用オイルを塗布する方法が一般に採用されている。しかしながら、このような方法は、トナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、オイルを供給するための装置が必要であり、定着装置が大型化するという問題がある。
【0006】
このため、モノクロ画像形成では、溶融したトナーが内部破断しないように、溶融時の粘弾性が大きく、離型剤を含有するトナーを用いることにより、定着ローラにオイルを塗布しないオイルレスシステム、或いはオイルの塗布量を微量とするシステムが採用される傾向にある。
【0007】
一方、フルカラー画像形成においても、モノクロ画像形成と同様に、定着装置の小型化、構成の簡素化の目的で、オイルレスシステムが採用される傾向がある。しかしながら、フルカラー画像形成では、定着されたトナー像の表面を平滑にするために、溶融時のトナーの粘弾性を低下させる必要があるため、光沢のないモノクロ画像形成の場合よりもオフセットが発生しやすく、オイルレスシステムの採用が困難になる。また、離型剤を含有するトナーを用いると、トナーの付着性が高まり、記録媒体への転写性が低下する。さらに、トナーのフィルミングが発生して、帯電性が低下することにより、耐久性が低下するという問題がある。
【0008】
一方、キャリアとしては、トナーのフィルミングの防止、均一な表面の形成、表面の酸化の防止、感湿性の低下の防止、現像剤の寿命の延長、感光体の表面への付着の防止、感光体のキズあるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御、帯電量の調節等の目的で、キャリア芯材表面に、表面エネルギーの低い樹脂、例えばフッ素樹脂、シリコーン樹脂などをコートすることによりキャリアの長寿命化がはかられてきた。
【0009】
低表面エネルギーの樹脂を被覆したキャリアの例としては、特許文献1の特開昭55−127569:常温硬化型シリコーン樹脂と正帯電性窒素樹脂で被覆したキャリア、特許文献2の特開昭55− 157751:変性シリコーン樹脂を少なくとも1種含有した被覆材をコートしたキャリア、特許文献3の特開昭56−140358:常温硬化型シリコーン樹脂およびスチレン・アクリル樹脂を含有した樹脂被覆層を有するキャリア、特許文献4の特開昭57−96355:核粒子表面を2層以上のシリコーン樹脂でコートし、層間に接着性がないようにしたキャリア、特許文献5の特開昭57−96356:核粒子表面にシリコーン樹脂を多層塗布したキャリア、特許文献6の特開昭58−207054:炭化ケイ素を含有するシリコーン樹脂で表面を被覆したキャリア、特許文献7の特開昭61−110161:20dyn/cm以下の臨界表面張力を示す材料で被覆した正帯電性キャリア、特許文献8の特開昭62−273576:フッ素アルキルアクリレートを含有する被覆材でコートしたキャリアと、含クロムアゾ染料を含くむトナーからなる現像剤のようなものがあげられる。
【0010】
また、縮合反応性のシラノール基又はその前駆体(例えばハロシリル基、アルコキシシリル基等の加水分解性基等)を有するシロキサン系材料を含む塗工液を、チタン系触媒を用いてポリシロキサン材料に縮合させてなる被覆層をキャリア芯材粒子表面に設けることは従来公知であり、例えば、特許文献9の特開2001−92189号公報には、有機チタン系触媒を含有するシリコーン系樹脂を芯材粒子の周囲に被覆してなるものが開示されており、チタン系触媒の例としてジイソプロポキシビス(アセチルアセトンネート)、テトライソプロポキシチタン、イソプロポキシ(2−エチルヘキサンジオラト)チタン、ビス(アクリロイルオキシ)イソプロポキシイソステアロイルオキシチタン、ビス(2,4−ペンタンジオナト)(1,3−プロパンジオナト)チタン等と同効なものとして羅列されている。また、特許文献10の特開平06−222621号公報には、オルガノポリシロキサンと、オルガノシランと、チタン(例えば前記テトライソプロポキシチタン)、錫(例えば本明細書記載の比較例3で示されるジブチル錫ジアセテート)、亜鉛、コバルト、鉄、アルミニウム系化合物及びアミン類からなる群の中から選択される少なくとも1種である硬化触媒からなる被覆性組成物を主成分とするコーティング剤を、芯材粒子の表面に被覆してなるものが開示されている。さらに、特許文献11の特開2006−337828号公報には、芯材粒子の表面が、4級アンモニウム塩触媒、アルミニウム触媒又はチタン触媒(具体的には前記ジイソプロポキシビス(アセチルアセトンネート))を含有するシリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂で被覆されているものが開示されている。
【0011】
しかしながら、近年は高画質化の為にトナーが小粒径化する傾向にあり、また、プリント速度の高速化も相まって、キャリアへのトナースペントが一段と生じ易くなっている。更にトナーにワックスを含有させてメンテナンスを容易にした現像剤の場合には、トナースペント量が非常に多くなり、トナー帯電量の低下、トナー飛散および地肌汚れに対する余裕度が低下しているのが現状である。耐久性のあるキャリア被覆を得るには、表面エネルギーの小さい樹脂材料を芯材に強固に被覆することが有効であるが、一般に、表面エネルギーの小さい樹脂は芯材に対しても強固に被覆し難い傾向がある。より強固に被覆するためには、例えばテフロン(登録商標)加工に見られるように、より高温での焼付塗工や架橋・硬化が考えられるが、電子写真現像用キャリアの場合、高温処理は芯材のキュリー点という律則条件により磁性を損なう虞れがあって、他分野での被覆と異なり、安易に用いることはできない。
【0012】
フルカラー電子写真システムでは、キャリアのトナースペントやコート被膜削れ・剥がれが起こると、キャリア抵抗や現像剤の汲み上げ量が変化し、画像濃度、特にハイライト部の濃度が変化し、また、被膜の削れによるフィラーの離脱などによって、カラートナー(特にイエロートナー)が色汚れし、高画質が維持出来ないのが現状である。
【0013】
また、被覆層を形成する際にブロッキングが発生したり、耐久性が低下したりするという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑みてなされたものであり、長期に渡り安定した帯電付与能力を有し、膜の硬度及び靭性の双方に優れ、トナースペント性、被膜の耐摩耗性(削れ・剥がれ)に優れるキャリア、該キャリアを有する現像剤及び該現像剤を有する現像剤入り容器、該現像剤を用いる画像形成方法並びに画像形成装置、プロセスカートリッジ及び該現像剤を有する補給用現像剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、忌避性(Repellency)基を含む特定のアクリルシロキサン構造部分を有する特定成分Aと、脱水縮合性のあるシラノール基又はシラノール前駆体基構造部分を有する特定のアクリルシリコン成分Bとを少なくとも有する共重合体で被覆され、加熱処理された芯材粒子からなるキャリアが、その余の樹脂で被覆されたキャリアの比し、トナースペント性の向上を始めとする様々な利点があることを見いだしたが、さらに、検討した結果、キャリアの動的抵抗を制御することにより、画像品質(画像濃度の維持)が大幅に向上し、高精細な画像が得られることを見いだし、本発明を完成することに至った。
したがって、本発明によれば、以下に示す静電潜像現像剤用キャリア、現像剤、現像剤入り容器、画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び補給用現像剤が提供される。
【0016】
すなわち、上記課題は以下の本発明の(1)〜(17)によって解決される。
(1)「磁性を有する芯材粒子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなる静電潜像現像剤用キャリアであって、該被覆層中に導電性微粒子を含有し、該被覆層中の樹脂成分が、少なくとも下記二種のモノマーを含む共重合体を加熱処理して得られた樹脂を含み、キャリアの動的抵抗が1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下であることを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。
【0017】
【化1】

【0018】
【化2】

(式中において、R1、m、R2、R3、X、及びYは以下に該当するものを示す。)
:水素原子、またはメチル基
m:1〜8の整数
:炭素原子数1〜4のアルキル基
は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
X=10〜90モル%
Y=10〜90モル%
(2)「前記導電性微粒子の粉体比抵抗が1〜50Ω・cmであることを特徴とする前記第(1)項に記載の静電潜像現像剤用キャリア」、
(3)「前記被覆層中に前記導電性微粒子が前記樹脂に対し10〜70質量%含まれていることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(4)「記導電性微粒子が、基体の表面に少なくとも二酸化ズズを含む被覆層を有する導電性微粒子であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア」、
(5)「前記被覆層中の樹脂成分が、下記構造を有する共重合体を加熱処理して得られた樹脂を含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
【0019】
【化3】


(式中において、R1、m、R2、R3、X、Y、及びZは以下に該当するものを示す。)
:水素原子、またはメチル基
m:1〜8の整数
:炭素原子数1〜4のアルキル基
は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
A成分:
【0020】
【化4】

X=10〜40モル%である。
B成分:
【0021】
【化5】

Y=10〜40モル%である。
C成分:
【0022】
【化6】

Z=30〜80モル%であり、
かつ、60モル%<Y+Z<90モル%である」、
【0023】
(6)「前記加熱処理時の熱処理温度が100〜350℃であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア」、
(7)「体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上1×1017Ω・cm以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア」、
(8)「前記被覆層は、平均膜厚が0.05μm以上4μm以下であることを特徴とする前記第(1)乃至第(7)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア」、
(9)「前記芯材粒子は、重量平均粒径が20μm以上65μm以下であることを特徴とする前記第(1)乃至第(8)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア」、
(10)「1kOeの磁場における磁化が40Am/kg以上90Am/kg以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア」、
(11)「前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載のキャリアとトナーからなることを特徴とする静電潜像現像剤」、
(12)「前記トナーが、カラートナーであることを特徴とする前記第(11)項に記載の静電潜像現像剤」、
(13)「前記第(11)又は第(12)に記載の現像剤を有することを特徴とする現像剤入り容器」、
(14)「静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を前記第(11)項又は第(12)項に記載の静電潜像現像剤を用いてトナー像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有することを特徴とする画像形成方法」、
(15)「静電潜像を形成する静電潜像担持体と、形成された静電潜像を前記第(11)項又は第(12)項に記載の静電潜像現像剤を用いてトナー像に現像する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有することを特徴とする画像形成装置」、
(16)「静電潜像担持体及び該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を前記第(11)項又は第(12)項に記載の静電潜像現像剤を用いて現像する手段が少なくとも一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジ」、
(17)「前記第(1)項乃至第(10)項いずれかに記載のキャリアとトナーからなる補給用静電潜像現像剤であって、前記キャリアとトナーの配合割合が、キャリア1質量部に対してトナーが2〜50重量部であることを特徴とする補給用静電潜像現像剤」。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、磁性を有する芯材粒子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなる静電潜像現像剤用キャリアにおいて、被覆層中の樹脂成分として、少なくともA成分とB成分の二種のモノマーを含む共重合体を加熱処理して得られた樹脂を含み、動的抵抗を制御するように、導電性微粒子を含有させて、動的抵抗を1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下に制御することにより、長期に渡り安定した帯電付与能力を有し、膜の硬度及び靭性(可撓性&弾力性)の双方に優れ耐摩耗性(削れ・剥がれ)に優れて、キャリア抵抗や現像剤の汲み上げ量の変化が少なく、トナー組成物のスペントによる帯電変動が少なく、かつ、帯電の環境変動を抑制し、さまざまな使用環境においても画像濃度変動、地肌汚れ、トナー飛散による機内汚染などを生じない、という諸特性を同時に満足するキャリアを提供することを可能とし、本発明のキャリアとトナーからなる現像剤を用いることにより、画像形成に際して、高品質で高繊細な画像が得られるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の被覆層の樹脂と従来のシリコーン樹脂の動的抵抗を示した図である。
【図2】本発明のキャリアの動的抵抗を測定する際に用いられる測定装置を示す図である
【図3】本発明の導電性微粒子の粉体比抵抗を測定する際に用いられる測定装置を示す図である。
【図4】本発明のキャリアの体積固有抵抗を測定する際に用いられるセルを示す図である。
【図5】本発明のプロセスカートリッジの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の静電潜像現像剤用キャリアは、磁性を有する芯材粒子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなり、被覆層中に導電性微粒子を含有し、該被覆層中の樹脂成分が、モノマーA成分とモノマーB成分をラジカル共重合して得られる下記の共重合体を被覆した後、加熱処理して得られ、キャリアの動的抵抗が1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下である静電潜像現像用キャリアである。
【0027】
【化7】

ここで、式中において、R、m、R、R、X、Yは以下に該当するものを示す。
:水素原子、またはメチル基
m:1〜8の整数
:炭素原子数1〜4のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基
:炭素数1〜8のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基、または炭素数1〜4のメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基
A成分:
【0028】
【化8】


前式中、
:水素原子、またはメチル基、
m:1〜8の整数、
:炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基
A成分において、X=10〜90モル%であり、より好ましくは、30〜70モル%である。
【0029】
A成分は、側鎖にメチル基が多数存在する原子団・トリス(トリメチルシロキシ)シランを有しており、樹脂全体に対してA成分の比率が高くなると表面エネルギーが小さくなり、トナーの樹脂成分、ワックス成分などの付着が少なくなる。A成分が10モル%未満だと十分な効果が得られず、トナー成分の付着が急増する。また、90モル%より多くなると、成分B、および成分Cが減り、架橋が進まず、強靭性が不足すると共に、芯材と樹脂層の接着性が低下し、キャリア被膜の耐久性が悪くなる。
【0030】
は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、このようなモノマー成分としては、次式で示されるトリス(トリアルキルシロキシ)シラン化合物が例示される。
下式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基である。
CH=CMe−COO−C−Si(OSiMe
CH=CH−COO−C−Si(OSiMe
CH=CMe−COO−C−Si(OSiMe
CH=CMe−COO−C−Si(OSiEt
CH=CH−COO−C−Si(OSiEt
CH=CMe−COO−C−Si(OSiEt
CH=CMe−COO−C−Si(OSiPr
CH=CH−COO−C−Si(OSiPr
CH=CMe−COO−C−Si(OSiPr
【0031】
A成分の製造方法は特に限定されないが、トリス(トリアルキルシロキシ)シランを白金触媒の存在下にアリルアクリレートまたはアリルメタクリレートと反応させる方法や、特開平11−217389に記載されている、カルボン酸と酸触媒の存在下で、メタクリロキシアルキルトリアルコキシシランとヘキサアルキルジシロキサンとを反応させる方法などにより得られる。
B成分:
【0032】
【化9】

前式中、
:水素原子、またはメチル基
m:1〜8の整数
:炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基
:炭素数1〜8のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など)、又は炭素数1〜4のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基)
【0033】
すなわち、B成分は、ラジカル重合性の2官能、又は3官能性のシラン化合物であり、Y=10〜90モル%であるが、より好ましくは30〜70モル%である。
B成分が10モル%未満だと、強靭さが十分得られない。一方、90モル%より多いと、被膜は固くて脆くなり、膜削れが発生し易くなる。また、環境特性が悪化する。加水分解した架橋成分がシラノール基として多数残り、環境特性(湿度依存性)を悪化させていることも考えられる。
【0034】
このようなB成分としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリトキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シラン、3−アクリロキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シランが例示される。
【0035】
本発明は、前記A成分及びB成分にC成分としてアクリル系化合物(モノマー)に加えてもよい。
このようなC成分を加えたものとしては、下記の共重合体が挙げられる。
【0036】
【化10】


(式中において、R、m、R、R、X、Y、及びZは以下に該当するものを示す。)
:水素原子、またはメチル基
m:1〜8の整数
:炭素原子数1〜4のアルキル基
は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
A成分:
【0037】
【化11】

X=10〜40モル%である。
B成分:
【0038】
【化12】

Y=10〜40モル%である。
C成分:
【0039】
【化13】

Z=30〜80モル%であり、
かつ、60モル%<Y+Z<90モル%である。
【0040】
C成分は、被膜に可撓性を付与し、かつ、芯材と被膜との接着性を良好にするものであるが、C成分が30モル%未満だと十分な接着性が得られず、80モル%よりも大きくなると、X成分及びY成分のいずれかが10モル%以下となるため、キャリア被膜の撥水性、硬さと可撓性(膜削れ)を両立させることが難しくなる。
【0041】
C成分のアクリル系化合物(モノマー)としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが好ましく、具体的には、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレートが例示される。これらの内ではアルキルメタクリレートが好ましく、特にメチルメタクリレートが好ましい。また、これらの化合物の1種類を単独で使用してもよく、2種類以上の混合物を使用してもよい。
【0042】
被膜の架橋による高耐久化技術としては、特許第3691115号がある。特許第3691115号は、磁性粒子表面を、少なくとも末端にビニル基を有するオルガノポリシロキサンとヒドロキシル基、アミノ基、アミド基およびイミド基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有するラジカル共重合性単量体との共重合体をイソシアネート系化合物により架橋させた熱硬化性樹脂で被覆したことを特徴とする静電荷像現像用キャリアであるが、被膜の剥がれ・削れにおいて十分な耐久性が得られていないのが現状である。
【0043】
その理由は十分明らかになっているとは言えないが、前述の共重合体をイソシアネート系化合物により架橋させた熱硬化性樹脂の場合、構造式からも分かるように、共重合体樹脂中のイソシアネート化合物と反応(架橋)する単位重量当りの官能基が少なく、架橋点において、ニ次元、あるいは三次元的な緻密な架橋構造を形成することが出来ない。そのために長時間使用すると、被膜剥がれ・削れなどが生じ(被膜の耐磨耗性が小さく)易く、十分な耐久性が得られていないと推察される。
【0044】
被膜の剥がれ・削れが生じると、キャリア抵抗低下による画像品質の変化、キャリア付着が起こる。また、被膜の剥がれ・削れは、現像剤の流動性を低下させ、汲み上げ量低下を引き起こし、画像濃度低下、TCアップに伴う時汚れ、トナー飛散の原因となっている。
【0045】
本発明の樹脂は、樹脂単位重量当たりでみても、二官能、あるいは三官能の架橋可能な官能基(点)を多数(単位重量当り、2倍〜3倍多い)有した共重合樹脂であり、これを更に、縮重合により架橋させたものであるため、被膜が極めて強靭で削れ難く、高耐久化がはかれていると考えられる。
【0046】
また、イソシアネート化合物による架橋より、本発明のシロキサン結合による架橋の方が結合エネルギーが大きく熱ストレスに対しても安定しているため、被膜の経時安定性が保たれていると推察される。
【0047】
架橋成分Bの縮重合触媒としては、チタン系触媒、スズ系触媒、ジルコニウム系触媒、アルミニウム系触媒が揚げられるが、これら各種触媒のうち、優れた結果をもたらすチタン系触媒の中でも、特にチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)が触媒として最も好ましい。これは、シラノール基の縮合反応を促進する効果が大きく、且つ触媒が失活しにくいためであると考えられる。チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)の化学式は構造式1のとおりである。
【0048】
【化14】

【0049】
本発明の被覆層は、前述のシラノール基及び/又は加水分解性官能基を有するシリコーン樹脂、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)等の触媒、溶媒を含む被覆層用組成物を用いて形成することができる。具体的には、被覆層用組成物で芯材粒子を被覆した後に、使用する芯材粒子のキューリー点未満の温度、好ましくは100〜350℃の温度で熱処理することにより、縮合による架橋反応が促進される。
100℃より低いと、縮合による架橋反応が進まず、十分な被膜強度が得られない。一方、350℃よりも高温になると、樹脂が炭化してくる等の理由のため、被膜が削れ易くなる。
【0050】
本発明において、被覆層用組成物は、シラノール基及び/又は加水分解性官能基を有するシリコーン樹脂以外の樹脂を含ませてもよい。含ませる樹脂は特に限定されないが、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体のターポリマー等のフルオロターポリマー、シラノール基又は加水分解性官能基を有さないシリコーン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、芯材粒子及び導電性粒子との密着性が強く、脆性が低いことから、アクリル樹脂が好ましい。
【0051】
アクリル樹脂は、ガラス転移点が20〜100℃であることが好ましく、25〜80℃がさらに好ましい。このようなアクリル樹脂は、適度な弾性を有しているため、現像剤を摩擦帯電させる際に、トナーとキャリアの摩擦あるいはキャリア同士の摩擦による被覆層への強い衝撃を伴う場合に、衝撃を吸収することができ、被覆層を破損することなく、維持することができる。
【0052】
また、被覆層は、アクリル樹脂とアミノ樹脂の架橋物を含有することがさらに好ましい。これにより、適度な弾性を維持したまま、被覆層同士の融着を抑制することができる。
【0053】
アミノ樹脂としては、特に限定されないが、キャリアの帯電付与能力を向上させることができるため、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂が好ましい。また、適度にキャリアの帯電付与能力を制御する必要がある場合には、メラミン樹脂及び/又はベンゾグアナミン樹脂と、他のアミノ樹脂を併用してもよい。
【0054】
アミノ樹脂と架橋し得るアクリル樹脂としては、ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有するものが好ましく、ヒドロキシル基を有するものがさらに好ましい。これにより、芯材粒子や導電性粒子との密着性をさらに向上させることができ、導電性粒子の分散安定性も向上させることができる。このとき、アクリル樹脂は、水酸基価が10mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上がさらに好ましい。
【0055】
本発明において、被覆層用組成物は、シランカップリング剤を含有させてもよい。これにより、導電性粒子を安定に分散させることができる。
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、r−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−r−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、r−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、r−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、r−クロルプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、r−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、r−クロルプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0056】
シランカップリング剤の市販品としては、AY43−059、SR6020、SZ6023、SH6026、SZ6032、SZ6050、AY43−310M、SZ6030、SH6040、AY43−026、AY43−031、sh6062、Z−6911、sz6300、sz6075、sz6079、sz6083、sz6070、sz6072、Z−6721、AY43−004、Z−6187、AY43−021、AY43−043、AY43−040、AY43−047、Z−6265、AY43−204M、AY43−048、Z−6403、AY43−206M、AY43−206E、Z6341、AY43−210MC、AY43−083、AY43−101、AY43−013、AY43−158E、Z−6920、Z−6940(東レ・シリコーン社製)等が挙げられる。
【0057】
シランカップリング剤の添加量は、樹脂に対して、0.1〜10質量%であることが好ましい。シランカップリング剤の添加量が0.1質量%未満であると、芯材粒子や導電性粒子とシリコーン樹脂の接着性が低下して、長期間の使用中に被覆層が脱落することがあり、10質量%を超えると、長期間の使用中にトナーのフィルミングが発生することがある。
【0058】
本発明の被覆層は、キャリアの動的抵抗を抑えるために、導電性粒子を含有する。
導電性粒子は、被覆層中に樹脂に対し10〜70質量%含むことが好ましい。導電性粒子の添加量が10質量%未満であると、キャリアの体積固有抵抗を調整する効果が不十分となることがあり、70質量%を超えると、導電性微粒子を保持することが難しくなり、キャリアの表面層が破壊され易くなる。
【0059】
本発明の導電性微粒子としては、特に限定されないが、カーボンブラック、ITO、酸化錫、酸化亜鉛、ポリアニリン等の導電性高分子が挙げられ、二種以上併用してもよいが、白色無機顔料粒子である酸化アルミニウムや酸化チタンを基体とし、その表面に二酸化スズを含有させた導電性被覆層を有する導電性微粒子が好ましい。
このような導電性被覆層は、酸化アルミニウムあるいは酸化チタン表面へ、スズの加水反応生成物を均一に沈着させ、さらに非酸化性雰囲気にて400〜700℃で1〜2時間程度加熱処理することにより得られる。
【0060】
加熱処理は不活性ガスを吹き込みながら行うことが好ましく、空気中で加熱処理したものと比べると粉体の体積固有抵抗を2〜3桁低くすることができる。不活性ガスとしては例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス等を使用することができる。工業的には、窒素ガスを吹き込みながら加熱処理を行うことがコスト的に有利であり、特性の安定したものが得られる。
【0061】
スズの加水反応生成物の被覆量は、基体の白色無機顔料に対して、SnOとして1.5〜60重量%が好ましく、1.5重量%未満では、基体の無機顔料の影響を受け、粉体の体積固有抵抗が高くなり、60重量%を超えると、基体の無機顔料粒子表面に密着していないスズの加水反応生成物の量が多くなり、被覆が不均一になり易い。
【0062】
このように、酸化アルミニウムや酸化チタンを基体に用い、さらにはスズの加水反応生成物をシェル剤として用いることで、粉体比抵抗をさらに下げることを可能としている。また、前記シェル剤の質量比率を上げることで粉体比抵抗を所望の値に下げることができる。
【0063】
また、前記導電性被覆層をビニルテトラエトキシシランで表面処理してもよい。この処理により、製造過程においての流動性すなわち材料製造における取り出しやすさに絶大な効果を持たせることが可能となる。一般に表面処理を行うと、処理剤が絶縁物なため粉体比抵抗値は上昇する傾向にあることが知られているが、理由は定かでないにせよ、前記表面処理剤を用いることで粉体比抵抗はほぼ上昇することなく所定の特性値を達成できる。
【0064】
本発明において、被覆層は、平均膜厚が0.05〜4μmであることが好ましい。平均膜厚が0.05μm未満であると、被覆層が破壊されやすくなり、膜が削れてしまうことがあり、4μmを超えると、被覆層は磁性体でないため、画像にキャリア付着し易くなる。
【0065】
本発明において、芯材粒子としては、磁性体であれば、特に限定されないが、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金や化合物;これらの磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子等が挙げられる。中でも、環境面への配慮から、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Srフェライト等が好ましい。
【0066】
前記芯材粒子は、重量平均粒径が20〜65μmであることが好ましい。重量平均粒径が20μm未満であると、キャリア付着が発生することがあり、65μmを超えると、画像細部の再現性が低下し、精細な画像を形成できなくなることがある。
なお、重量平均粒径は、マイクロトラック粒度分布計モデルHRA9320―X100(日機装社製)を用いて測定することができる。
【0067】
本発明のキャリアは、1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下の動的抵抗を有する。
前述したように、本発明の樹脂を用いることでトナースペント性の向上を始めとする様々な利点があるものの、従来用いられるキャリア用コート樹脂であるシリコーン樹脂を主成分とする樹脂に比し、動的抵抗値が上昇するという問題が発生する。
キャリアの特性値は様々あるが、その1つとして抵抗が上げられる。一般には、静抵抗を特性値として抑えることで、a.実機において、現像部からのキャリアの飛びを抑制できる、b.エッジ効果を抑えた、文字部などの細線の再現性が良い色汚れのない高精細な画像が得られる、とされている。
ところが、上記bのエッジ効果を抑えた、文字部などの細線の再現性が良い色汚れのない高精細な画像が得られることに関しては静抵抗では抑えきれないという問題がある。
その理由として、キャリアの抵抗としては、A.キャリアに対して抵抗を発生させうる対象が静的である場合、B.キャリアに対して抵抗を発生させうる対象が動的である場合、の2つの要素が考えられる。
例えばトナーとキャリアの電気的なやりとりやキャリアを支持させる現像部とキャリアとの電気的なやりとりであれば、静的となり、Aの物性が密に関与する。これに対し、像支持体との電気的なやりとりであれば、動くもの同士であるため、動的となり、これがBの物性が密に関与する要因であり、実機においては、この動的関係になる。そのため、上記bのエッジ効果を抑えた、文字部などの細線の再現性が良い色汚れのない高精細な画像が得るためには、動抵抗を抑える必要がある。
ところが、図1に示すように、従来の樹脂を用いるキャリアに対し、本発明の樹脂を用いると、動的抵抗が約0.6乗程度上昇してしまうことがわかる。これにより、本発明の樹脂を用いるためには、動的抵抗を下げる工夫が必要不可欠であることがわかる。
【0068】
そこで、本発明では、前述した樹脂を用いるとともに、その動的抵抗を抑えるように1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下に規定したものである。
動的抵抗が1×10Ω・cm未満では、導電性微粒子の処方量が多くなり、被覆膜からの遊離を引き起こしたり、さらにはコストの面でも問題が発生してしまい、1×10Ω・cmを超えると、動抵抗が高くなりすぎ、上記のような高繊細な画像を得ることができない。
【0069】
なお、動的抵抗は、図2に示すように、現像スリーブ(1)と電極(2)からなる装置を用い、攪拌部を作成する以外は静抵抗同様に測定を行った。
ここで、測定に用いるキャリア(3)の量は実機スリーブ上を再現しているものとして適量であり、電極(2)のギャップは1.0mm、現像スリーブ(1)の回転数は250rpm、電極(2)と現像スリーブ(1)間の印加電圧は2000Vとし、現像スリーブ(1)としてはアルミニウムを用い、以上の条件において直流抵抗を測定し、電気抵抗LogR・Ωcmを算出し、その値から動的抵抗を算定した。
【0070】
また、動的抵抗を抑えるためには、一般に導電性微粒子の処方量を増加させることで静抵抗及び動的抵抗値を下げられ得るが、導電性微粒子の種類によっては目標とする動的抵抗を達成するためには相当量の処方量を必要とする。その際には静抵抗値が目標値を下回ったり、処方量が増えることでコート膜からの遊離を引き起こしたり、さらにはコストの面でも問題が発生してしまう。
【0071】
そこで、上記のような問題を起こさず、適量で動的抵抗を下げることを可能とする導電性微粒子として、粉体比抵抗が1〜50Ω・cmを有するものが好ましく、特に、前記した酸化アルミニウム等の基体表面に二酸化スズを含有させた導電性被覆層を有する導電性微粒子を用いると、二酸化スズの質量比率を調整することで粉体比抵抗を所望の値に下げることができる。
【0072】
このように、上記の粉体比抵抗を有する導電性微粒子を効果的に用いることで、キャリアの動的抵抗を容易に抑えることができ、長期に渡り安定した帯電付与能力を有し、膜の硬度及び靭性(可撓性&弾力性)の双方に優れ耐摩耗性(削れ・剥がれ)に優れて、キャリア抵抗や現像剤の汲み上げ量の変化が少なく、トナー組成物のスペントによる帯電変動が少なく、かつ、帯電の環境変動を抑制し、さまざまな使用環境においても画像濃度変動、地肌汚れ、トナー飛散による機内汚染などを生じない、という諸特性を同時に満足するキャリアを提供することを可能としたものである。
【0073】
なお、粉体比抵抗は、(S(断面積cm)×r(抵抗Ω)/H(充填厚みcm)で表されるので、本発明では、図3に示すように、円筒状の塩化ビニル管(1)をの中に試料(導電性微粒子)(3)を入れ、その上下を電極(2a)(2b)で挟み、これら電極(2a)(2b)をプレス機(図示せず)により、10kg/cmの圧力を加える。続いて、この加圧した状態で、LCRメータ(横河−HEWLETT−PACKARD 4216A)による測定を行い、抵抗(r)を得る。得られた抵抗値を、下記式1により計算して、粉体比抵抗を求めることができる。
【0074】
粉体比抵抗(Ω・cm)=[S×r]/H (式1)
なお、式中、S(cm)は圧粉された試料の断面積を表し、S=(塩化ビニル管の内径/2)×πで算出され、容器H(cm)は圧粉された試料の厚みを表し、rは抵抗値を表す。
【0075】
本発明のキャリアは、1kOe(10/4π[A/m])の磁場における磁化が、40〜90Am/kgであることが好ましい。この磁化が40Am/kg未満であると、画像にキャリアが付着することがあり、90Am/kgを超えると、磁性穂が硬くなり、画像カスレが発生することがある。
なお、磁化は、VSM−P7−15(東英工業社製)を用いて測定することができる。
【0076】
本発明のキャリアは、体積固有抵抗が1×10〜1×1017Ω・cmであることが好ましい。体積固有抵抗が1×10Ω・cm未満であると、非画像部でキャリア付着が発生することがあり、1×1017Ω・cmを超えると、エッジ効果が許容できないレベルになることがある。
【0077】
なお、体積固有抵抗(静的抵抗)は、図4に示すセルを用いて測定することができる。具体的には、まず、表面積2.5cm×4cmの電極(1a)及び電極(1b)を、0.2cmの距離を隔てて収容したフッ素樹脂製容器(2)からなるセルに、キャリア(3)を充填し、落下高さ1cm、タッピングスピード30回/分で、10回のタッピングを行う。次に、電極(1a)及び(1b)の間に1000Vの直流電圧を印加して30秒後の抵抗値r[Ω]を、ハイレジスタンスメーター4329A(横河ヒューレットパッカード社製)を用いて測定し、下式から、体積固有抵抗[Ω・cm]を算出することができる。
【0078】

【0079】
本発明の現像剤は、前記のキャリア及びトナーを有する。
トナーは、結着樹脂と着色剤を含有するが、モノクロトナー及びカラートナーのいずれであってもよい。また、定着ローラにトナー固着防止用オイルを塗布しないオイルレスシステムに適用するために、トナーは、離型剤を含有してもよい。このようなトナーは、一般に、フィルミングが発生しやすいが、本発明のキャリアは、フィルミングを抑制することができるため、本発明の現像剤は、長期に亘り、良好な品質を維持することができる。さらに、カラートナー、特に、イエロートナーは、一般に、キャリアの被覆層の削れによる色汚れが発生するという問題があるが、本発明の現像剤は、色汚れの発生を抑制することができる。
【0080】
トナーは、粉砕法、重合法等の公知の方法を用いて製造することができる。例えば、粉砕法を用いてトナーを製造する場合、まず、トナー材料を混練することにより得られる溶融混練物を冷却した後、粉砕し、分級して、母体粒子を作製する。次に、転写性、耐久性をさらに向上させるために、母体粒子に外添剤を添加し、トナーを作製する。
【0081】
このとき、トナー材料を混練する装置としては、特に限定されないが、バッチ式の2本ロール;バンバリーミキサー;KTK型2軸押出し機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出し機(東芝機械社製)、2軸押出し機(KCK社製)、PCM型2軸押出し機(池貝鉄工社製)、KEX型2軸押出し機(栗本鉄工所社製)等の連続式の2軸押出し機;コ・ニーダ(ブッス社製)等の連続式の1軸混練機等が挙げられる。
また、冷却した溶融混練物を粉砕する際には、ハンマーミル、ロートプレックス等を用いて粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機、機械式の微粉砕機等を用いて微粉砕することができる。なお、平均粒径が3〜15μmとなるように粉砕することが好ましい。
【0082】
さらに、粉砕された溶融混練物を分級する際には、風力式分級機等を用いることができる。なお、母体粒子の平均粒径が5〜20μmとなるように分級することが好ましい。
また、母体粒子に外添剤を添加する際には、ミキサー類を用いて混合攪拌することにより、外添剤が解砕されながら母体粒子の表面に付着する。
【0083】
結着樹脂としては、特に限定されないが、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単独重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0084】
圧力定着用の結着樹脂としては、特に限定されないが、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体;エポキシ樹脂、ポリエステル、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0085】
着色剤(顔料又は染料)としては、特に限定されないが、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料;ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等の青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等の緑色顔料;カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等の黒色顔料等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
【0086】
離型剤としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールワックス、シリコーンワニス、カルナウバワックス、エステルワックス等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0087】
また、トナーは、帯電制御剤をさらに含有してもよい。帯電制御剤としては、特に限定されないが、ニグロシン;炭素数が2〜16のアルキル基を有するアジン系染料(特公昭42−1627号公報参照);C.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)等の塩基性染料;これらの塩基性染料のレーキ顔料;C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩;ジブチル、ジオクチル等のジアルキルスズ化合物;ジアルキルスズボレート化合物;グアニジン誘導体;アミノ基を有するビニル系ポリマー、アミノ基を有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂;特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩;特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸;ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体;スルホン化した銅フタロシアニン顔料;有機ホウ素塩類;含フッ素4級アンモニウム塩;カリックスアレン系化合物等が挙げられるが、二種以上併用してもよい。なお、ブラック以外のカラートナーにおいては、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好ましい。
【0088】
外添剤としては、特に限定されないが、シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機粒子;ソープフリー乳化重合法により得られる平均粒径が0.05〜1μmのポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等の樹脂粒子が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、表面が疎水化処理されているシリカ、酸化チタン等の金属酸化物粒子が好ましい。さらに、疎水化処理されているシリカ及び疎水化処理されている酸化チタンを併用し、疎水化処理されているシリカよりも疎水化処理されている酸化チタンの添加量を多くすることにより、湿度に対する帯電安定性に優れるトナーが得られる。
【0089】
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有する。
【0090】
図5に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。プロセスカートリッジ(10)は、感光体(11)、感光体(11)を帯電する帯電装置(12)、感光体(11)上に形成された静電潜像を本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像装置13及び感光体(11)上に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、感光体(11)上に残留したトナーを除去するクリーニング装置(14)が一体に支持されており、プロセスカートリッジ(10)は、複写機、プリンター等の画像形成装置の本体に対して着脱可能である。
【0091】
以下、プロセスカートリッジ(10)を搭載した画像形成装置を用いて画像を形成する方法について説明する。まず、感光体(11)が所定の周速度で回転駆動され、帯電装置(12)により、感光体(11)の周面が正又は負の所定電位に均一に帯電される。次に、スリット露光方式の露光装置、レーザービームで走査露光する露光装置等の露光装置(不図示)から感光体(11)の周面に露光光が照射され、静電潜像が順次形成される。さらに、感光体(11)の周面に形成された静電潜像は、現像装置(13)により、本発明の現像剤を用いて現像され、トナー像が形成される。次に、感光体(11)の周面に形成されたトナー像は、感光体(11)の回転と同期されて、給紙部(不図示)から感光体(11)と転写装置(不図示)の間に給紙された転写紙に、順次転写される。さらに、トナー像が転写された転写紙は、感光体(11)の周面から分離されて定着装置(不図示)に導入されて定着された後、複写物(コピー)として、画像形成装置の外部へプリントアウトされる。一方、トナー像が転写された後の感光体(11)の表面は、クリーニング装置(14)により、残留したトナーが除去されて清浄化された後、除電装置(不図示)により除電され、繰り返し画像形成に使用される。
【0092】
本発明のキャリアを、キャリアとトナーから成る補給用現像剤とし、現像装置内の余剰の現像剤を排出しながら画像形成を行う画像形成装置に適用することで、極めて長期に渡って安定した画像品質が得られる。つまり、現像装置内の劣化したキャリアと、補給用現像剤中の劣化していないキャリアを入れ替え、長期間に渡って帯電量を安定に保ち、安定した画像が得られる。本方式は、特に高画像面積印字時に有効である。高画像面積印字時は、キャリアへのトナースペントによるキャリア帯電劣化が主なキャリア劣化であるが、本方式を用いることで、高画像面積時には、キャリア補給量も多くなるため、劣化したキャリアが入れ替わる頻度があがる。これにより、極めて長期間に渡って安定した画像を得られる。
【0093】
補給用現像剤の混合比率は、キャリア1質量部に対してトナーを2〜50質量部の配合割合とすることが好ましい。トナーが2質量部未満の場合には、補給キャリア量が多すぎ、キャリア供給過多となり現像装置中のキャリア濃度が高くなりすぎるため、現像剤の帯電量が増加しやすい。又、現像剤帯電量が上がる事により、現像能力が下がり画像濃度が低下してしまう。また50質量部を超えると、補給用現像剤中のキャリア割合が少なくなるため、画像形成装置中のキャリアの入れ替わりが少なくなり、キャリア劣化に対する効果が期待できなくなる。
【実施例】
【0094】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、「部」は、重量部を表わす。
【0095】
[樹脂合成例]
(樹脂合成例1)
撹拌機付きフラスコにトルエン500gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温
した。次いでこれに、CH=CMe−COO−C−Si(OSiMe (式中、Meはメチル基である。)で示される3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン211g(500ミリモル:サイラプレーン TM−0701T/チッソ株式会社製)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン124.0g(500ミリモル)、および、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3ミリモル)の混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3ミリモル)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3ミリモル)、90〜100℃で3時間混合してラジカル共重合させてメタクリル系共重合体を得た。得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は35、000であった。 次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25重量%になるようにトルエンで希釈した。このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.5mm2/sであり、比重は0.92であった。
これに、2官能または3官能のモノマーから作成された重量平均分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)30部を加えて、樹脂1を得た。
【0096】
(樹脂合成例2)
撹拌機付きフラスコにトルエン300gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次いでこれに、CH=CMe−COO−C−Si(OSiMe (式中、Meはメチル基である。)で示される3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン84.4g(200ミリモル:サイラプレーン TM−0701T/チッソ株式会社製)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン37.2g(150ミリモル)、メタクリル酸メチル65.0g(650ミリモル)、および、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3ミリモル)の混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3ミリモル)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3ミリモル)、90〜100℃で3時間混合してラジカル共重合させてメタクリル系共重合体を得た。得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は34,000であった。次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25重量%になるようにトルエンで希釈した。このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.7mm2/sであり、比重は0.91であった。
これに、2官能または3官能のモノマーから作成された重量平均分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)30部を加えて、樹脂2を得た。
【0097】
[導電性微粒子製造例]
(導電性微粒子製造例1)
酸化アルミニウム(住友化学製AKP〜30)100gを水1リットルに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。その懸濁液に塩化第二錫100gと五酸化りん3gを2N塩酸1リットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のPHが7〜8になるように2時間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次にこの乾燥粉末を窒素気流中で500℃1時間処理し導電性微粒子1を得た。
【0098】
(導電性粒子製造例2)
酸化アルミニウム(住友化学製AKP〜30)100gを水1リットルに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。その懸濁液に塩化第二錫10gと五酸化りん0.30gを2N塩酸100ミリリットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のPHが7〜8になるように12分間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次にこの乾燥粉末を窒素気流中で500℃1時間処理し導電性微粒子2を得た。
【0099】
(導電性粒子製造例3)
酸化アルミニウム(住友化学製AKP〜30)100gを水1リットルに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。その懸濁液に塩化第二錫150gと五酸化りん4.5gを2N塩酸1.5リットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のPHが7〜8になるように3時間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次にこの乾燥粉末を窒素気流中で500℃1時間処理し導電性微粒子3を得た。
【0100】
(導電性粒子製造例4)
酸化アルミニウム(住友化学製AKP〜30)100gを水1リットルに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。その懸濁液に塩化第二錫6gと五酸化りん0.18gを2N塩酸60ミリリットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のPHが7〜8になるように8分間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次にこの乾燥粉末を窒素気流中で500℃1時間処理し導電性微粒子4を得た。
【0101】
(導電性粒子製造例5)
酸化アルミニウム(住友化学製AKP〜30)100gを水1リットルに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。その懸濁液に塩化第二錫170gと五酸化りん5.1gを2N塩酸1.7リットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のPHが7〜8になるように3時間20分かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次にこの乾燥粉末を窒素気流中で500℃1時間処理し導電性微粒子5を得た。
【0102】
(導電性微粒子製造例6)
導電性微粒子製造例1の酸化アルミニウム(住友化学製AKP〜30)をルチル型酸化チタン(チタン工業製KR−310)に代えた以外は導電性微粒子製造例1と同様にして、導電性微粒子6を得た。
【0103】
(導電性微粒子製造例7)
導電性微粒子製造例2の酸化アルミニウム(住友化学製AKP〜30)をルチル型酸化チタン(チタン工業製KR−310)に代えた以外は導電性微粒子製造例2と同様にして、導電性微粒子7を得た。
【0104】
(導電性粒子製造例8)
導電性微粒子製造例3の酸化アルミニウム(住友化学製AKP〜30)をルチル型酸化チタン(チタン工業製KR−310)に代えた以外は導電性微粒子製造例3と同様にして、導電性微粒子8を得た。
【0105】
(導電性粒子製造例9)
導電性微粒子製造例4の酸化アルミニウム(住友化学製AKP〜30)をルチル型酸化チタン(チタン工業製KR−310)に代えた以外は導電性微粒子製造例4と同様にして、導電性微粒子9を得た。
【0106】
(導電性粒子製造例10)
導電性微粒子製造例5の酸化アルミニウム(住友化学製AKP〜30)をルチル型酸化チタン(チタン工業製KR−310)に代えた以外は導電性微粒子製造例5と同様にして、導電性微粒子10を得た。
【0107】
[導電性微粒子の粉体比抵抗]
粉体比抵抗は、図3に示すように、内径1インチ(2.54cm)の円筒状の塩化ビニル管(1)中に試料(導電性微粒子)(3)を5g入れ、その上下を電極(2a、2b)で挟み、これら電極をプレス機(図示せず)により、10kg/cmの圧力を加える。続いて、この加圧した状態で、LCRメータ(横河−HEWLETT−PACKARD 4216A)による測定を行い、抵抗(r)を測定して、下記式から、粉体比抵抗を算出した。
粉体比抵抗(Ω・cm)=[(2.54/2)×π×r]/H
ここで、式中、H(cm)は圧粉された試料の厚みを表し、rは抵抗値を表す。
得られた導電性微粒子の粉体比抵抗を表1に示す。
【0108】
【表1】

【0109】
[実施例(キャリア)]
【実施例1】
【0110】
合成例1で得られた樹脂1(共重合体)100部、触媒としてジルコニウムテトラアセチルアセトネート4部を、フィラーとして導電性微粒子1を50部用い、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。芯材として重量平均粒径Dw=59.0μmのMnフェライト粒子を用いて、芯材表面において平均膜厚が0.20μmになるように、流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアを得た。
【実施例2】
【0111】
樹脂1を用い、フィラーとして導電性微粒子2を50部用いて、実施例1同様にキャリアアを製造した。
【実施例3】
【0112】
樹脂1を用い、フィラーとして導電性微粒子3を50部用いて、実施例1同様にキャリアを製造した。
【実施例4】
【0113】
樹脂1を用い、フィラーとして導電性微粒子6を50部用いて、実施例1同様にキャリアを製造した。
【実施例5】
【0114】
樹脂1を用い、フィラーとして導電性微粒子7を50部用いて、実施例1同様にキャリアを製造した。
【実施例6】
【0115】
樹脂1を用い、フィラーとして導電性微粒子8を50部用いて、実施例1同様にキャリアを製造した。
【実施例7】
【0116】
合成例2で得られた樹脂2(共重合体)100部、触媒としてジルコニウムテトラアセチルアセトネート4部を、フィラーとして導電性微粒子1を50部用い、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。 芯材として重量平均粒径Dw=59.0μmのMnフェライト粒子を用いて、芯材表面において平均膜厚が0.20μmになるように、流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアを得た。
【実施例8】
【0117】
樹脂2を用い、フィラーとして導電性微粒子2を50部用いて、実施例1同様にキャリアを製造した。
【実施例9】
【0118】
樹脂2を用い、フィラーとして導電性微粒子3を50部用いて、実施例1同様にキャリアを製造した。
【実施例10】
【0119】
樹脂2を用い、フィラーとして導電性微粒子6を50部用いて、実施例1同様にキャリアを製造した。
【実施例11】
【0120】
樹脂2を用い、フィラーとして導電性微粒子7を50部用いて、実施例1同様にキャリアを製造した。
【実施例12】
【0121】
樹脂2を用い、フィラーとして導電性微粒子8を50部用いて、実施例1同様にキャリアを製造した。
【0122】
[比較例]
(比較例1)
合成例1で得られた樹脂1(共重合体)100部、触媒としてジルコニウムテトラアセチルアセトネート4部を、フィラーとして導電性微粒子4を50部用い、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。 芯材として重量平均粒径Dw=59.0μmのMnフェライト粒子を用いて、芯材表面において平均膜厚が0.20μmになるように、流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアを得た。
【0123】
(比較例2)
樹脂1を用い、フィラーとして導電性微粒子5を50部用いて、比較例1同様にキャリアを製造した。
【0124】
(比較例3)
樹脂1を用い、フィラーとして導電性微粒子9を50部用いて、比較例1同様にキャリアを製造した。
【0125】
(比較例4)
樹脂1を用い、フィラーとして導電性微粒子10を50部用いて、比較例1同様にキャリアを製造した。
【0126】
(比較例5)
樹脂2を用い、フィラーとして導電性微粒子4を50部用いて、比較例1同様にキャリアを製造した。
【0127】
(比較例6)
樹脂2を用い、フィラーとして導電性微粒子5を50部用いて、比較例1同様にキャリアを製造した。
【0128】
(比較例7)
樹脂2を用い、フィラーとして導電性微粒子9を50部用いて、比較施例1同様にキャリアを製造した。
【0129】
(比較例8)
樹脂2を用い、フィラーとして導電性微粒子10を50部用いて、比較例1同様にキャリアを製造した。
【0130】
(比較例9)
樹脂1を用い、フィラーとして導電性微粒子10を15部用いて、比較例1同様にキャリアを製造した。
【0131】
(比較例10)
樹脂1を用い、フィラーとして導電性微粒子10を72部用いて、比較例1同様にキャリアを製造した。
(表2、3に合わせて)
【0132】
[トナー製造例]
ポリエステル樹脂 100部
[重量平均分子量(Mw)18,000、数平均分子量(Mn)4000、ガラス転移点(Tg)59℃、軟化点;120℃]
離型剤:カルナウバワックス 5部
カーボンブラック(#44 三菱化学社製) 10部
含フッ素4級アンモニウム塩 4部
以上の各成分をヘンシェルミキサーにより十分混合し、2軸式押出し機にて溶融混練し、混練物を圧延冷却した。放冷後カッターミルで粗粉砕し、ついでジェット気流式微粉砕機で微粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級して、重量平均粒径7.4μmのトナー母体粒子を得た。
更に、このトナー母体粒子100部に対して、疎水性シリカ微粒子(R972:日本アエロジル社製)1.0部を加え、ヘンシェルミキサーで混合して、トナーを得た。
【0133】
[現像剤の作成]
実施例1〜12、比較例1〜10のキャリア100部に対して、トナー製造例で得られたトナー(7.4μm)を7.0部を加えて、ボールミルで20分攪拌して、現像剤を作成した。
【0134】
[キャリア特性評価]
以下、キャリアの特性の評価方法を示す。
[動的抵抗]
動的抵抗は、図2に示すアルミニウム製の現像スリーブ(1)と電極(3)からなる装置を用い、現像スリーブ(1)上にキャリア(3)を供給し、電極(2)のギャップを1.0mm、現像スリーブの回転数を250rpm、電極と現像スリーブ間の印加電圧は2000Vとし、直流抵抗を測定し、電気抵抗LogR・Ωcmを算出し、その値から動的抵抗を算定した。
【0135】
[画像品質]
(実機品質評価)
なお、画像品質確認および信頼性試験等の特性試験は、リコー社製 イマジオカラー4000(リコー製デジタルカラー複写機・プリンタ複合機)を使用し、前記[現像剤の作成]で得られた現像剤を用い、次の現像条件で作成した。
・現像ギャップ(感光体−現像スリーブ):0.3mm
・ドクターギャップ(現像スリーブ−ドクター):0.65mm
・感光体線速度:200mm/sec
・(現像スリーブ線速度)/(感光体線速度):1.80
・書込み密度:600dpi
・帯電電位(Vd):−600V
・画像部(ベタ原稿)にあたる部分の感光後の電位:−100V
・現像バイアス:DC −500V /交流バイアス成分:2KHz、−100V〜―
900V、50%duty
品質評価は転写紙上で実施。
上記現像条件における、30mm×30mmのベタ部(注1)の中心をX−Rite938分光測色濃度計で、5個所測定し平均値を出した。
注1;現像ポテンシャル400V相当箇所=(露光部電位−現像バイアスDC)=−100V−(−500V)
ここで、測定値が1.3〜1.5ならば○を、それ以外なら濃度が適正でないという判断をし×と評価した。
【0136】
[スペント]
スペント量の測定については以下に準じる。
まずランニング後または初期のキャリアに対し、トナー成分をメチルエチルケトンで抽出し、乾燥させ、その前後の質量差をスペントトナー量とし、キャリア重量に対するwt%で表示する。
上記測定方法で、10万枚ランニングしたキャリアと初期キャリアについてそれぞれ測定し、この差をランニング経時におけるスペントトナー量(キャリア重量に対するwt%で表示)として評価する。
0.00以上〜 0.05wt%未満 : ○良好
0.05wt%以上 : ×不良
【0137】
[削れ]
10万枚ランニングしたキャリアと初期キャリアについて、静抵抗の測定を行い、その差(初期キャリア静抵抗値―10万枚ランニングしたキャリア静抵抗値)を削れによる抵抗低下として評価した。
0.0以上4.0未満 : ○
4.0以上 : ×
【0138】
以上の結果をまとめて表2、表3に示す。
【0139】
【表2】

【0140】
【表3】

【符号の説明】
【0141】
(図2において)
1 現像スリーブ
2 電極
3 キャリア
(図3において)
1 円筒状の塩化ビニル管
2a 電極
2b 電極
3 試料(導電性微粒子)
(図4において)
1a 電極
1b 電極
2 フッ素樹脂製容器からなるセル
3 キャリア
(図5において)
10 プロセスカートリッジ
11 感光体
12 帯電装置
13 現像装置
14 クリーニング装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0142】
【特許文献1】特開昭55−127569
【特許文献2】特開昭55−157751
【特許文献3】特開昭56−140358
【特許文献4】特開昭57−96355
【特許文献5】特開昭57−96356
【特許文献6】特開昭58−207054
【特許文献7】特開昭61−110161
【特許文献8】特開昭62−273576
【特許文献9】特開2001−92189号公報
【特許文献10】特開平06−222621号公報
【特許文献11】特開2006−337828号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性を有する芯材粒子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなる静電潜像現像剤用キャリアであって、
該被覆層中に導電性微粒子を含有し、
該被覆層中の樹脂成分が、少なくとも下記二種のモノマーを含む共重合体を加熱処理して得られた樹脂を含み、
キャリアの動的抵抗が1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下であることを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。
【化1】

【化2】

(式中において、R、m、R、R、X、及びYは以下に該当するものを示す。)
:水素原子、またはメチル基
m:1〜8の整数
:炭素原子数1〜4のアルキル基
は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
X=10〜90モル%
Y=10〜90モル%
【請求項2】
前記導電性微粒子の粉体比抵抗が1〜50Ω・cmであることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
【請求項3】
前記被覆層中に前記導電性微粒子が前記樹脂に対し10〜70質量%含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
【請求項4】
前記導電性微粒子が、基体の表面に少なくとも二酸化ズズを含む被覆層を有する導電性微粒子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
【請求項5】
前記被覆層中の樹脂成分が、下記構造を有する共重合体を加熱処理して得られた樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
【化3】


(式中において、R、m、R、R、X、Y、及びZは以下に該当するものを示す。)
:水素原子、またはメチル基
m:1〜8の整数
:炭素原子数1〜4のアルキル基
は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
A成分:
【化4】

X=10〜40モル%である。
B成分:
【化5】

Y=10〜40モル%である。
C成分:
【化6】

Z=30〜80モル%であり、
かつ、60モル%<Y+Z<90モル%である。
【請求項6】
前記加熱処理時の熱処理温度が100〜350℃であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
【請求項7】
体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上1×1017Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
【請求項8】
前記被覆層は、平均膜厚が0.05μm以上4μm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
【請求項9】
前記芯材粒子は、重量平均粒径が20μm以上65μm以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
【請求項10】
1kOeの磁場における磁化が40Am/kg以上90Am/kg以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載のキャリアとトナーからなることを特徴とする静電潜像現像剤。
【請求項12】
前記トナーが、カラートナーであることを特徴とする請求項11に記載の静電潜像現像剤。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の現像剤を有することを特徴とする現像剤入り容器。
【請求項14】
静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を請求項11又は12に記載の静電潜像現像剤を用いてトナー像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項15】
静電潜像を形成する静電潜像担持体と、形成された静電潜像を請求項11又は12に記載の静電潜像現像剤を用いてトナー像に現像する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有することを特徴とする画像形成装置
【請求項16】
静電潜像担持体、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を請求項11又は12に記載の静電潜像現像剤を用いて現像する手段が少なくとも一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項17】
請求項1乃至10のいずれかに記載のキャリアとトナーからなる補給用静電潜像現像剤であって、前記キャリアとトナーの配合割合が、キャリア1質量部に対してトナーが2〜50重量部であることを特徴とする補給用静電潜像現像剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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