説明

非伸張性ヘッドギアおよびCPAPまたはこれらを備えたベンチレータ・マスク

【課題】患者の快適性を犠牲にすることなく安全なマスクの装着性および/またはクッションと患者との間の気密性を提供する1つのヘッドギアを提供する。
【解決手段】1つのベンチレータまたはCPAP装置の1つの人工呼吸マスク8001つのヘッドギア600が提供される。前記ヘッドギアは、1つの実質的に非伸長性の材料で形成される1つのストラップ部分602を含む。前記ストラップ部分は、その一端上に、前記ベンチレータまたはCPAP装置の1つのマスクに構成された1つの接続構造を形成している。1つの利点は、前記マスクがマスク圧力が増加するにつれて前記顔から持ち上がって傾斜しないか、殆んど傾斜しない点にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2002年8月5日に出願された米国仮特許出願第60/400,686か
らの優先権を主張するものであり、その図面と明細書がここに参考として組み込まれてい
る。
【0002】
本発明は、1つの非侵襲的陽圧換気装置と共に使用するための1つの人工呼吸マスクお
よびそのような1つの人工呼吸マスクと共に使用するためのヘッドギア、および1つの人
工呼吸マスクのヘッドギアへの接続を可能にする1つのフレームに関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、持続的気道陽圧法(CPAP)の適用のような非侵襲的陽圧換気(NIPPV
)法は、閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)のような睡眠時呼吸障害(SDB)の治療のため
に使われてきた。NIPPVを適用する1つの装置は通常、1つの送風機、1つの空気供
給管、および1つの患者インタフェースを含む。複数の鼻マスク、複数の鼻口マスク、複
数の全顔マスク、および複数の鼻カニューレまたは鼻枕のような多数の様々な患者インタ
フェースが知られている。すべての場合、1つのヘッドギアのようなマスクを保持する特
徴をもつある種の形状のものが、マスクを顔の上に位置決めしマスクを顔から圧し放そう
とする加圧空気の印加によって生ずる力を相殺するために必要になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つの鼻マスクは通常、たとえばポリカーボネートのような1つの相対的にこわい材料
でできた、使用中は1つの開口側で顔に対して位置決めされる、ほぼ三角形をなすチャン
バを含む。開口側は通常、患者の顔上の1つの気密を形成する助けをする1つのクッショ
ンを含む。このクッションは、患者が快適さを感じやすいように、通常柔らかい。複数の
漏れの殆んどない1つの良好な気密性のあることが重要である。というのは複数の漏れは
、療法を損なう可能性があるからである。例えば、空気噴射と騒音を生じ、患者に不快感
を与えると共に送風機の機能不全の原因となる。患者の快適性は重要である。というのは
、患者はマスクをしたまま眠らなければならないからである。
【0005】
先行技術による複数のマスクは通常、患者にとってかなり不快感を伴うものであった。
以前は、すべてのマスク自体が心地よいものではなかった。その原因は、クッションの表
面積(すなわち、接触面積)が比較的小さく、クッションの柔軟性が乏しかったからであ
る。しかしながら、複数のマスクのデザインに複数の進歩がみられ、クッションの表面積
が増加し、柔軟性が増した。したがって、複数のマスク自体はデザイン上改善され、顔と
比較的快適に係合することができるようになった。しかしながら、マスクに供給される全
ての複数圧力に対して患者にとって快適なようにマスクを患者の顔に保持する点で不都合
が残っている。
【0006】
とりわけ、顔にマスクを接続するヘッドギアの以前の複数のデザインは、複数の可とう
性のストラップを利用しており、概して頭の周りに巻いてマスクにつなぐもの(または、
マスクに接続されたフレーム)であった。ヘッドギアのストラップは、弾性のある、伸長
性のある材料で構成されていて、患者の快適性を増す。しかしながら、ストラップの弾性
を生かすためには、マスクが患者の顔に不快な圧力で縛り付けられる必要性がある。この
ことにより、送風機がマスクに1つの高い圧力を供給するときに、クッションと顔との間
の空気の複数の漏れを防ぐためには、マスクはストラップの十分な張力によって顔に保持
されなければならない。マスクによって顔に加えられる圧力を減ずるには、ストラップ中
の余分な弾性力が無視できるようにストラップを調整することはできる。しかしながら、
このように調整すると複数の漏れを防ぐのに十分な高圧空気を供給している間に、マスク
を顔に保持するには不十分となる可能性がある。漏れが全くなくても、マスクは空気の高
圧のために顔から持ち上げられる可能性があり、これによってヘッドギアのストラップが
反作用的に伸びてしまう。持ち上がった後、高圧空気の供給が止むと、ストラップの弾性
によって、マスクが顔に向けて再び戻るであろう。
【0007】
別の言い方をすれば、1つの送風機または自動CPAP装置または1つの初期圧力上昇
を伴う1つのCPAPのような変動空気圧供給源を使用する場合、ストラップが高圧に対
しても十分な気密性を発揮するような張力で引っ張られていると、低圧においては不必要
に過剰な力が顔にかかることになる。逆に、もしストラップが低圧に対して十分な張力で
付けられるか張られていると、高圧においてはマスクが顔から浮き上がってしまい、漏れ
るであろう。加えて、以前のヘッドギア・デザインの弾性ストラップには、患者が睡眠中
に動くと、患者の頭の周りを移動したり、すべったりする傾向がある。このようにヘッド
ギアがすべると、ヘッドギアの張力ベクトルが最適位置から移動して、漏れおよび/また
は不快を生じさせる可能性がある。
【0008】
さらに、先行技術のヘッドギアのストラップは通常、正確な調整、容易な調整の両方が
可能なようには設計されていない。したがって、ストラップとそれらの調整は、患者にと
っては比較的煩わしいものであった。加えて、弾性があり融通性のあるストラップは、ヘ
ッドギアを被っているとき、急にドスンと動いたりもつれたりする傾向がある。さらに、
多くのデザインにおいては、ヘッドギアを外してまた戻す都度、患者が再調整する必要が
ある。
【0009】
先行技術の他の欠点は、ヘッドギアのマスク自体への接続に関する。この接続は、マス
クに直接取り付けられたクリップおよびヘッドギアのストラップ、または1つのフレーム
の使用によって達成される。複数の典型的なフレームは、マスクに接続され、複数の接続
点を有し、ヘッドギアのストラップの接続を可能にしている。典型的には、複数のストラ
ップのフレームへの接続の1つ以上は、マスクの緊急解除を可能にする迅速解放型であっ
た。しかしながら、以前のフレームの設計は、追加的な構成要素を必要とし、マスク/ヘ
ッドギア組立のコストの増加および/またはある形式の額支持を必要とした。加えて、フ
レームと顔との接触により患者の快適性を低下する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明の一側面は、上に述べた先行技術によるマスクおよびヘッドギアに
関する欠点を克服することにある。
【0011】
別の側面は、患者の快適性を犠牲にすることなく安全なマスクの装着性および/または
クッションと患者との間の気密性を提供する1つのヘッドギアを提供することにある。
【0012】
さらに別の側面は、マスクの安全な装着をもたらし、比較的容易に調整できる1つのヘ
ッドギアを提供することである。
【0013】
本発明の1つのさらなる側面は、帽子のようにその形状を保つヘッドギアを提供するこ
とにある。
【0014】
本発明の1つのさらなる側面は、ヘッドギア張力の微調整を可能にするヘッドギアを提
供することにある。
【0015】
本発明の1つのさらなる側面は、選択的に変形可能なマスク・フレームを提供すること
にある。
【0016】
本発明の1つのさらなる側面は、微量変形可能なマスク・フレームを提供することにあ
る。
【0017】
本発明の1つのさらなる側面は、制御可能に膨張可能なマスク・クッションを提供する
ことにある。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、1つのCPAP装置用の人工呼吸マスクが提供される。
そのヘッドギアは、実質的に1つの非伸張性材料で形成された1つのストラップ部分を含
む。ストラップ部分は、1つの人工呼吸マスクに接続すべく構成された1つの接続構造の
その一端上に形成されている。
【0019】
本発明の別の実施形態によれば、1つのベンチレータまたはCPAPの1つの人工呼吸
マスク用に1つのヘッドギアが提供される。そのヘッドギアは、1つの非伸張性材料で形
成され、ストラップとマスクと間1つの間隔が変更されるようにのマスクに調整可能に接
続するよう構成された接続構造の一端上に形成された1つのストラット部分を含む。
【0020】
これらおよび他の側面は、次の複数の好ましい実施形態の詳細な説明中で説明され、ま
たは明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
Ω形鼻口マスク
【0022】
図1は、本発明の一実施形態の原理を具体化した、全体を100で表した、人工呼吸マ
スクを示す。図示すように、マスク100は、一つのシェル構造と一つのクッションを含
む。マスク100は、一人の患者の一つの鼻と口の両方の周りにフィットするように構成
された一つのタイプとして示されることが注目される。一方、マスク100は、本発明の
原理から外れることなく単に鼻の周りにまたは単に口の周りにフィットするタイプにする
ことも考えられる。したがって、マスク100および、とりわけクッション104は、図
2および図3で見られるように、一つの略三角形状を有している。一つの形態において、
クッション104の顔接触部分は、気密外皮を有する一つの順応泡沫構造を含む。この皮
は、別個になった一つのモールドまたは一つの一体型の皮つき泡沫であってもよい。皮が
別個になっている場合、皮を泡沫に周囲点において取り付けてもよい。あるいは、皮を接
着剤を使って泡沫に取り付けることもできる。泡沫または皮のどちらかを形成するのに適
した複数の材料には、ポリウレタンおよびシリコーンがある。
【0023】
シェル構造102は、図3に示すように、実質的には一つの空洞、またはカップ状の構
成を有する。シェル構造102は、それに接続された入口106を有し、それは一つのほ
ぼ円筒形管部分108により規定され、シェル構造102から伸びている。管部分108
は、通気管(示さず)と係合し連通するように構成されており、通気管はベンチレータま
たは一つのシェル構造102に呼吸できる気体を大気圧を越えて供給するタイプの持続的
気道陽圧法(CPAP)装置と連通している。管部分108は、一つの外部周辺上に一連
のリブ構造110を含む。リブ構造110は、図2に示すような一つの螺旋状構成中に配
置することができるものと考えられる。リブ構造110は、管部分108に一つの相対的
な剛性をもたらし管部分108の折れるのを防ぐ。したがって、CPAP装置は、患者の
吸入のために、呼吸できる気体を大気圧を越えてシェル構造102の内部周辺112に供
給できる。
【0024】
図1に示すように、シェル構造102は、クッション104に取り付けられた一つの周
辺部分114を含む。クッション104は、好ましくは、シリコーンのような一つの実質
的にしなやかなのあるまたは可とう性のある(さらに好ましくは柔らかい)材料で形成さ
れる。図3Aに示すように、クッション104は、一つの概略U型の構成を有し、一つの
広い顔接触面116を提供する。クッション104は、ユーザによってシェル構造102
の周辺部分114に接続されてもよく、例えば、接着剤で、またはシェル構造102と一
体物として形成されてもよいことが考えられる。
【0025】
ポート・キャップ
【0026】
図1に戻って参照するに、シェル構造102はまた、シェル構造102の一つの頂上部
分120を通して伸びる一つ以上の補助ポート118を含む。補助ポート118は、シェ
ル構造102の内部周辺112と連通しており、好ましくは、例えば監視装置、一つのア
ラーム、および/または一つの補助液供給管(例えば、一つの酸素供給管)との接続を可
能にするように構成されている。図1に示すように、シェル構造102は、三(3)補助
ポート118を含み、しかしながら、任意の数の補助ポートが備えられてもよい。補助ポ
ート118は、ある数の監視装置(示さず)がそれに接続されることを可能にし、例えば
、シェル構造102の内部周辺112または患者の呼吸によって生じた騒音(例えば、い
びき)を監視する。
【0027】
図1および4に示すように、シェル構造102はまた、その上にポート・キャップ12
2を設ける。ポート・キャップ122は、補助ポート118に”栓”をするのに使われる
。例えば、補助ポート118が必要ないときなどに。このようにして、補助ポート118
が必要ないときには、ポート・キャップ122は、その中を通しての気流により生じる空
気漏れおよび騒音を防ぐために、その中に挿入されてもよい。ポート・キャップ122は
、ポート118の内部と係合しそれによって空気漏れを防ぐために、ポート・キャップの
補助ポート内部へ相対的に快適なフィットをするために構成された補助ポート118と一
つの環状拡大キャップ部分125内部への挿入を容易にするための一つのテーパ部分12
4を含む。止め輪126は、キャップ125の不注意による外れを軽減する。
【0028】
図1および4はまた、シェル構造102から外向きに伸び、ポート・キャップ122の
ためのアタッチメントを提供する一つの細長部材127を示す。外しつまみ128は、ユ
ーザにポート・キャップ122を引き開くための手段を提供する。ポート・キャップ12
2、細長部材127および外しつまみ128は、一体物(一部品として)として形成され
ることが好ましい。事実、シェル構造102、細長部材127、外しつまみ128および
ポート・キャップ122は、一体物として形成されるのが好ましいかもしれない。このよ
うに、これらの個別の構成要素は、一つの単一製造工程、例えば一つのモールド工程によ
り形成されうる。例えば、シェル構造102、細長部材127、外しつまみ128および
ポート・キャップ122は、射出成型で形成されうる。これらの構成要素の統合的な性質
から、それらのすべてを形成するのにただのワンショットで以て行う射出成型によって形
成されうる。
【0029】
図1は、三(3)補助ポート118に対応する三(3)細長部材127と三(3)ポー
ト・キャップ122で形成されるシェル構造102を示す。細長部材127は、ポート・
キャップ122が補助ポート118に関する位置に動かされ、その中に挿入されるのを可
能にするに十分な可とう性を有する材料で形成されるのが好ましい。したがって、細長部
材128は、一つのほぼU型案内中に曲って入ることができるのが好ましい。この配置は
有利である。というのは、製造し、部品数を減らし、そしてポート・キャップ122が間
違った所へ置かれる傾向を減らすのに比較的単純であるからである。
【0030】
形状を保つヘッドギア
【0031】
図5−7は、先に説明したマスク100と共に使える、200で指示する一つのヘッド
ギアの一実施形態を示す。示すように、ヘッドギア200は、実質的に患者の頭を囲むよ
うに、そして一つのマスク202に接続されるように、それによってマスク202を患者
の頭に対して保持するように構成され、配置される複数のストラップを含む。ヘッドギア
200の適用を示す単なる一例としてマスク202が示されること、および先に説明のマ
スク100または他の適当な人工呼吸マスクが代替的に使えることが注目される。マスク
202を位置に保持するために、ヘッドギア200は、水平ストラップ204と矢印縫合
ストラップ206を利用する。水平ストラップ204は、概して水平に配置されており、
患者の頭の周りを円周方向に巻く。水平ストラップ204の各端208は、マスク202
に接続されている。水平ストラップ204とマスク202の具体的な接続は、下にさらに
詳しく論ずる。水平ストラップ204は、各耳の下へ複数の首筋肉を横切って図5中21
0で全体的に指示される頭蓋骨のベースに通過するように配置されるのが好ましい。
【0032】
矢印縫合ストラップ206の一つの後端212は、概して水平ストラップ204の一つ
の中点で患者の頭の一つの後部エリアにおいて位置するように接続される。矢印縫合スト
ラップ206は、水平ストラップ204(すなわち、後端212)から伸び、全体を21
4で指示する頭蓋骨の頂上を横切って、全体を216で指示する患者の頭の一つの額を概
して横切って伸び、一つの前の端218がマスク202に接続される。ヘッドギア200
は、水平ストラップと矢印縫合ストラップ204,206を相互接続する一対の冠状面ス
トラップ220を含むのがまた好ましいかもしれない。各冠状面ストラップ220の一つ
の上位端222は、患者の頭の頂上214の近辺で矢印縫合ストラップに接続される。各
冠状面ストラップは、頭頂214(すなわち、上位端222)から頭を横切って横に前に
伸び、水平ストラップ204に冠状面ストラップ220の下位端224で各耳のすぐ前と
すぐ下で接続する。
【0033】
冠状面ストラップ220の各下端224は、クリップ要素226を介して水平ストラッ
プ204へ接続される。図6に示されるように、各クリップ要素226は、中に水平スト
ラップ204が配置される一つのすべり部分228を含む。このようにして、クリップ要
素226は、水平ストラップ204に沿って後または前へ動かされる。クリップ要素22
6を水平ストラップ204に対する位置に保持するために、すべり部分228が対立戻り
止め部分230と共に構成される。戻り止め部分230は水平ストラップ204とその反
対側(すなわち、患者の頭に関して、その外側と内側)で係合し、それによってクリップ
要素226としたがって冠状面ストラップ220の下端224の水平ストラップ204に
対する運動を防ぐ。各クリップ要素226はまた、内部を冠状面ストラップ220の下端
224が通過する一つのループ構造232を含む。したがって、下端224は、例えば、
フックおよびループ係合テープ(例えば、Velcro)または他の適当な接続方法によ
って、ループ構造232内でのすべりから保護されうる。
【0034】
図5に戻って参照するに、別のクリップ要素234が、冠状面ストラップ220の上端
222を矢印縫合ストラップ206に接続するのに使われる。クリップ要素234は、図
7中により詳細に示されている。冠状面ストラップ220は、図7で示すように、一つの
単一ストラップによって形成されうることが考えられる。クリップ要素234は、内部に
冠状面ストラップ220が配置される一つの冠状面ストラップ受容部分236を含む。
加えて、クリップ要素234は、内部で矢印縫合ストラップ206が配置される一つのす
べり部分238を含む。すべり部分238は、矢印縫合ストラップ206に係合して、矢
印縫合ストラップ206と冠状面ストラップ220が複数の相対位置で保持されるように
する一つの戻り止め部分240を含む。しかしながら、矢印縫合ストラップ206と冠状
面ストラップ220とクリップ要素234間の接続のすべる性質に起因して、矢印縫合ス
トラップ206に対する冠状面ストラップ220の調整は可能である。
【0035】
図8と9に示すように、図5に示すのと類似の一つのヘッドギア300は、単一の材料
から形成されうる。示されるように、ヘッドギア300は、第一および第二矢印縫合スト
ラップ部分302,304を含む。第一矢印縫合ストラップ部分302は、矢印縫合スト
ラップ206に、ストラップ302が患者の頭の頭頂214を横切って伸びる点で似てい
る。第二矢印縫合ストラップ部分304は、額216を横切って伸び、マスク202に一
つの前端318で接続される。ヘッドギア300もまた、第一および第二水平ストラップ
部分306,308を含む。各水平ストラップ部分306,308は、患者の頭の周りを
円周に沿って部分的に包み、患者の耳のすぐ下に位置する。水平ストラップ部分306,
308の前端320は、マスク202に解放可能に接続される。水平ストラップ部分30
6,308の後端322は、首筋肉の頭蓋骨のベースへの挿入エリア210の近辺で矢印
縫合ストラップ部分302と交叉する。加えて、ヘッドギア300は、第一および第二冠
状面ストラップ部分310,312を含む。冠状面ストラップ部分310,312は、そ
の上端324を有し、これは第一および第二矢印縫合ストラップ部分302,304と交
叉し、そこから頭頂214近辺に頭を横に前に横切って伸び、水平ストラップ部分306
,308のそれぞれに複数の耳のそれぞれに対して丁度前下で、その下端326において
接続する。
【0036】
ヘッドギア300は、シート材の一片から打ち抜くような方法で、一つの単一片の材料
から形成されうることが考えられる。しかしながら、図5中で示す実施形態について説明
したように、調整可能性の一つの度合いは、ストラップ部分の統合された非可調整関係に
起因して犠牲になるであろうことが注目される。マスク200の安全で快適な装着を維持
するためには、ヘッドギアのストラップ200,300は、実質的に非伸張性材料で形成
されるのが好ましいことが注目される。言い換えれば、ストラップは、幾分可とう性があ
るが、著しい伸びのないものが好ましい。ストラップは、その形状を保つために十分な硬
性または剛性をもっている。ストラップの想定材料には、塩化ビニル(PVC)、皮革、
ポリプロピレン、またはポリウレタンが含まれる。他の材料も、勿論、可能性がある。例
えば、別の想定適正材料としては、比較的強い布テープがよい。また予期できることは、
患者の快適性を増すためにストラップがフェルト材で縁取りされることである。他の変更
に含まれるのは、ストラップを介して冷却を可能にする穿孔または穴である。
【0037】
マスクをヘッドギアに接続すること
【0038】
前に論じたように、ヘッドギア200,300は、マスク202に結合され、好ましく
は、マスク202のヘッドギア200,300のストラップに対する位置の調整を可能に
することである。図5は、マスク202へ複数のストラップを接続するための二つの考え
られる配置を示す。第一案は、マスク202から伸びる一つのフランジ構造400を含む
。示すように、矢印縫合ストラップ206の一つの前部分242は、フランジ構造400
内の一つの受け口402を介して通過する。矢印縫合ストラップ206の一つの尾部分2
42Aは、その上で前部分242に折り返されてもよい。尾部分242Aは、その上で前
部分242に、例えば、フックおよびループ係合テープ(例えば、Velcro)、スナ
ップ要素、または複数のリベット形コネクタを使って固定されてもよい。しかし好ましい
のは、矢印縫合ストラップ206の尾部分242Aが、ストラップ206の引き続く再調
整を可能にするやり方で固定されることである。図5中に示す第二アタッチメント配置は
、水平ストラップ204の端208をマスク202に接続しているのを示している。具体
的には、端208は、接続構造404に取り付けられ、それ自体はマスク202に接続さ
れる。図10に示すように、接続構造404は、一つのフランジ構造406を含み、それ
を通して水平ストラップ204の前端208が通過する。水平ストラップ204の一つの
尾部分208Aは、例えば、フックおよびループ係合テープ(例えば、Velcro)、
または他の適当なファスナで端208に固定される。加えて、接続構造404は、マスク
202に、リベット構造またはプレス・スタッド要素でもよい機械的なファスナ408を
使って固定されうる。
【0039】
図9は、ヘッドギア200,300をマスク202に接続するための別の考えられる配
置を示す。この配置は、ヘッドギア300への関係で示される。図9に示すように、第一
および第二水平ストラップ部分306,308のおのおのの各前端320、ならびに第二
矢印縫合ストラップ部分304の前端318は、その中を通る開口を備えている。開口3
28の形成は、下に詳しく説明する。図11を参照するに、開口328のおのおのの内部
に、メス接続要素410が締まりばめのような方法でしっかりと固定されている。加えて
、マスク202は、三つのオス接続要素412を備えている。これらはストラップ304
,306,308のおのおのをマスク202に固定するために、それぞれのメス接続要素
410内部において解放可能なやりかたで係合する。したがって、一つの快適な装着を患
者に提供するためには、メス接続要素410の正確な位置決めが好ましい。
【0040】
開口328を形成し位置決めする好ましい一つの方法を、いま図12を参照しながら論
ずる。示すように、一つの装着治具450が、メス接続要素410の正確な位置決めのた
めに使われる。装着治具450は、その中に形成された一つの溝452を持っており、こ
の溝は矢印縫合ストラップ304、水平ストラップ306,308の一つを受け入れる。
装着治具450はまた、一つのメス接続部分454を含む。これは、ひとたびそれぞれの
ストラップが溝452内に挿入されると、対応するマスク202上のオス接続要素412
と係合する。患者はその上でヘッドギアとマスクをかぶり、他方装着治具450はストラ
ップ上の定位置にある。ストラップはその上で一つの快適な装着が行われるまで、溝45
2内部ですべらせて調整される。この点において、一つの穿孔要素456が一つの装着治
具450内の開口458内に挿入される。穿孔要素456の一つの端上の一つの穿孔構造
460はその上でストラップと係合し、ストラップを通して押され、ストラップの中に一
つの開口を穿孔する。ひとたび開口がストラップ中に形成されると、装着治具450はス
トラップから除去してもよくなり、一つのメス接続要素410がその上でストラップ中の
開口内に挿入されうる。メス接続要素410は、その上で正確な位置を得て、快適な装着
を提供する。
【0041】
フレーム
【0042】
一つの人工呼吸マスクの一つのヘッドギアへの接続を容易にするために、一つのフレー
ム500が使えることもまた考えられる。図13に示すように、フレーム500は、形状
としてほぼ三角形にでき、その中に形成された一つの中心開口502を有する。フレーム
500は、黄銅のような比較的薄い金属材料で形成するのが好ましいかもしれない。フレ
ーム500は、三つの(3)外向きに伸びる接続部材504,506,508を含み、こ
れらは、フレーム500の三角形構成のそれぞれの点に位置する。フレーム500を、例
えば、接着剤で、図1に示すマスク100のような一つの人工呼吸マスクに取り付けると
いうことが考えられる。しかしながら、マスクの一つの部分(マスク100のシェル構造
102のような)にとって、マスクの材料内に実質的にまたは部分的にフレーム500が
包み込まれるようにフレーム500上に上からモールドするということが好ましいかもし
れない。ただし、接続部材504,506,508は外へ露出させる。
【0043】
図14に示すとおり、フレーム500と共に使う一つのヘッドギアの各ストラップ51
0は、一つの螺子端子部材512を含むことが好ましい。図13に示すように、接続部材
504,506,508は、一つのほぼ円形の開口514を含む。図14に戻って参照す
るに、ストラップ510の螺子部材512は、対応する開口514内に挿入され、一つの
螺子ファスナ516がストラップ510の螺子部材512と螺合する。このやりかたで、
ストラップ510はフレーム500に対して比較的しっかりと保持され、ストラップ51
0の容易な調整が螺子ファスナ516の回転によって可能となる。
【0044】
ヘッドギアの代案
【0045】
図15および16は、一つのヘッドギア600、一つのフレーム700、および一つの
マスク800の代案的な実施形態を示す。ヘッドギア600は、第一および第二の矢印縫
合ストラップ部分602,604を含む。第一矢印縫合ストラップ部分602は、患者の
頭の頭頂214を横切って伸びる。第二矢印縫合ストラップ部分604は、頭頂214近
傍の第一矢印縫合ストラップ部分602から一つの前への方向に伸び、フレーム700と
その前端606で接続する。ヘッドギア600はまた、第一および第二水平ストラップ部
分608,610を含む。各水平ストラップ部分608,610は、患者の頭の周りを円
周方向に部分的に包み、患者の耳のすぐ下に位置する。水平ストラップ部分608,61
0の複数の前端612は、調整できるようにマスク800に接続される。これは下で論ず
る。水平ストラップ部分608,610の複数の後端614は、首筋肉の頭蓋骨への挿入
エリア近傍で矢印縫合ストラップ部分602と交叉する。加えて、ヘッダ600は、第一
および第二冠状面ストラップ部分616,618を含む。冠状面ストラップ部分616,
618は、第一および第二矢印縫合ストラップ部分602,604と交叉するその複数の
上位端620を有し、そこから頭を横に前に向かって横切って頭頂214近傍へ伸び、そ
の下端622におけるそれぞれの複数の耳の丁度前下で複数の水平ストラップ部分608
,610に接続する。ヘッドギア600は、シート材の一片から打ち抜きなどで、一つの
単一材料から形成されてよいということが考えられる。一つの安全で快適なマスク800
の装着を維持するためには、ヘッドギア600のストラップは実質的に非伸長性であるこ
とが好ましい。ストラップは幾分可とう性があり、しかし著しい弾性的伸びのないもので
あることが好ましい。ヘッドギアは、その形状を保つための十分な鋼性または硬性を持っ
ている。このやり方で、ヘッドギア600は、その形状を保持し、一人の患者の頭上に位
置しないときもフィットし、先行技術のヘッドギア・デザインにおけるように、そのヘッ
ドギアを被るために、または脱ぐために、複数のだらけたストラップを操作する必要性を
除去する。ヘッドギア600の構造のための可能性のある材料には、PVC、皮革、ポリ
プロピレン、およびポリウレタンが含まれる。他の材料は、勿論、可能性がある。他の適
当な材料には、比較的強い布テープが含まれる。ストラップが、図15中の624に示す
フェルトのような比較的柔らかい材料で縁取りされるということも考えられる。例えば、
一つのフェルト・シート材料がヘッドギア600のストラップと同時に切断され、その上
で引き続いてストラップの内側に、例えば、接着剤で固定されることも可能である。
【0046】
ファスナによるヘッドギアの微調整
【0047】
第一および第二水平ストラップ部分608,610の前端612は、図15および16
に示すようにフレーム700に調整可能に接続される。図15を参照するに、各前端61
2は、それにフレーム700の接続部分702に接続される一つの螺子調整部材626を
取り付ける。螺子調整部材626は、例えば、接着剤、ファスナ(リベットのような)、
縫合、ポリマ溶接、などにより前端612に接続可能である。部材626にとっては、ス
トラップ自体と統合的に形成されることもまた可能である。図17中に詳しく示すように
、螺子調整部材626は、接続部分702内で開口(示さず)を通して伸びる。好ましく
は、螺子調整部材626は、図17に示すような一つの矩形断面構成のような一つの非円
形断面構成を持っている。螺子調整部材626と複数の接続部分702間の相対的な回転
を防ぐために、各接続部分702中に形成される開口は、螺子調整部材626とその中の
螺子調整部材626を滑動的に非回転的に受ける一つの断面構成を持っている。一つの螺
子ファスナ628は、螺子調整部材626と螺合し、接続部分702の一つの前向表面7
04に隣接する。図15に戻って参照するに、患者の頭に対するフレーム700の一つの
位置は螺子ファスナ628を螺子調整部材626に沿って前進または後退させることによ
り調整できる。加えて、水平ストラップ部分608,610(および他のストラップ部分
602,604、616,618)内に発生する一つの張力もまた、螺子ファスナ628
の位置を螺子調整部材626に対して調整することによって変化させうる。螺子ファスナ
628の操作を容易にするために、特に片手動作のために、螺子ファスナ628に、図1
7中に示す複数の円周方向に間隔を取った戻り止め630のような把握仕様、または図1
5中に示すような一つのギザギザの付いた外面632を持たせることが考えられる。
【0048】
図15に戻って参照するに、第二矢印縫合ストラップ部分604の前端606がそれに
別の螺子調整部材634を接続している。螺子調整部材626のように、螺子調整部材6
34は、矢印縫合ストラップ部分604の前端606に、例えば、接着剤、ファスナ、縫
合、溶着、または類似手段で接続できる。螺子調整部材634をストラップ部分604と
共に一体物として形成できるということも考えられる。螺子調整部材634は、前端60
6から前へ伸び、フレーム700へ調整可能に結合される。とりわけ、フレーム700は
、その中に一つ以上の開口708を形成した一つの全体的に上向きに伸びる接続部706
を含み、その一つの内部に螺子調整部材634が伸びる。図18を参照するに、螺子調整
部材634は、矩形のような一つの非円形断面構造を有する。開口708は、螺子調整部
材634の構成と協調してその中に螺子調整部材634を滑動的に、非回転的に受けるよ
うな一つの構成で形成されるのが好ましい。一つの螺子ファスナ636が螺子調整部材6
34と羅合しており、接続部分706の一つの前向対面710に隣接する。患者の頭に対
するフレーム700の一つの位置、同様に矢印縫合ストラップ部分604(および他のス
トラップ部分608,610,616,618)内の一つの張力は、螺子調整部材634
に沿って螺子調整ファスナ636を前進させたり後退させたりすることによって調整可能
である。
【0049】
図16に戻って参照するに、フレーム700は、一つの全体的に三角形のフレーム構造
712を含む。フレーム構造712は、マスク800をそれに取り付けている。それらの
間の接続については、下に詳細に亘って論じる。接続部分706は、フレーム712に三
角フレーム712の一つの上部頭頂714のところで接続される。一つの螺子機構716
は、フレーム712に対する接続部分706の水平位置の調整を可能にする。矢印縫合ス
トラップ部分604の一つの垂直位置は、接続部分706に対して、螺子調整部材634
を下部または上部開口708中に位置させることによって調整されうることが考えられる

【0050】
(迅速な解放)
フレーム700が図19に示すように、水平対向接続アーム718の一対を含みうると
いうことがまた考えられる。各接続アーム718は、第一および複数の第二アーム部分7
20,722を含む。第一アーム部分720の複数の内端は、フレーム712に、フレー
ム712の対向水平間隔頭頂のところで回転可能に接続され、第一アーム部分720の複
数の外端は、第二アーム部分722の内端に回転可能に接続される。第二アーム部分72
2の複数の外端部分はその上に接続部分702を提供する。
【0051】
接続アーム718は、患者がヘッドギア600、フレーム700およびマスク800を
ファスナ628,636の位置を修正することなく容易に除去することを可能にする迅速
解放機構を提供するように構成される。したがって、ファスナ628,636の正確な設
定が、患者がヘッドギア600およびフレーム700を脱いだり、被ったりするときに、
保存されうる。第一および第二アーム部分720,722は、図19に示す解放された位
置から図15および16に示す掛け金の閉まる位置まで第一アーム部分720をフレーム
712との回転接続のまわりでフレーム712に向かって回転させることと、同時に第二
アーム部分722をその第一アーム部分720との回転接続の周りでフレーム712に向
かって回転させることとにより動かすことができる。第一および第二アーム部分720,
722の回転運動は、図19中の矢印によって指示されるように、互いに対して反対方向
になる。第一および第二アーム部分720,722の具体的な構成によって決定される一
つの中間位置(示さず)において、第二アーム部分722は、それぞれの第一アーム部分
720との中心をこえる関係に突入する。したがって、接続アーム718が図16に示す
その掛け金の掛かった位置にあるときには、接続アーム718は、補足的な接続構造なし
で、掛け金の掛かった位置に残る。さらに、接続アーム718は、中間の中心を越える位
置を過ぎて第一およびダイにアーム部分720,722を動かすことによって、すばやく
、そして容易にその解放位置に突入する。
【0052】
選択的に変形可能なマスク・フレーム
【0053】
図15および16に示すように、マスク800は、一つの実質的に三角形の構成で形成
されうる。示されるようにまた、マスク800は、フレーム700がつながる一つの環状
の、前方延長周辺フランジ802を含む。具体的には、フレーム712は、複数の後へ伸
びる支持部材724を含む。図20に示すように、支持部材724は、複数の螺子ボディ
726と、その後端上に複数の接続構造728を有する。螺子ボディ726は、フレーム
712内の複数の穴730を通して伸び、螺子付指回し円盤732と螺合する。指回し円
盤732は、水平間隔前向きおよび後部壁構造734,736の間に位置し、その間で保
持される。したがって、指回し円盤732は、螺子ボディ726をフレーム712に対し
て前進させたり、後退させたりさせる。接続構造728は、マスク800の周辺フランジ
802内のそれぞれの開口804内で受け止められる、横断的に伸びるタブ・部材738
を含む。
【0054】
したがって、指回し円盤732を調整することにより、マスク800の一つの位置、ま
たはその複数の部分は、フレーム712に対して操作されうる。フレーム712は、ヘッ
ドギア600によって患者の頭に対して相対的に一定に保持されうるので、指回し円盤7
32の調整がマスク800および/またはその複数の部分の患者の頭に対する実質的に細
かい調整を可能にする。加えて、ヘッドギア(すなわち、螺子調整部材626,634)
およびフレーム700(すなわち、接続部分702,706)およびフレーム700(す
なわち、支持部材724)およびマスク800(すなわち、開口804)間の調整により
、患者は、ヘッドギア、フレームおよびマスクの相対的な位置を非常に容易に、微量ずつ
行うことができる。このようにして、患者は、マスクとヘッドギアの快適な装着を行うこ
とができる一方、患者の顔とマスク間の空気漏れを防ぐ適切な気密を確保できる。さらに
また、回転接続アーム718の使用によって、ヘッドギアおよびマスクを被るため、また
は脱ぐための相対的なヘッドギア、フレームおよびマスクの位置の調整の必要をなくする
一つの迅速解放機構を提供する。
【0055】
ヘッドギアの追加的な微調整
【0056】
図21は、螺子調整部材626,634およびそれぞれのファスナ628,636の代
わりに利用できる、一つのばねクリップ900および細長部材902の一つの配置を示す
。細長部材902は、上で論じた一実施形態の一つのヘッドギアのような、一つのヘッド
ギアのストラップ部分の一つの、一つの前端904から伸びる。細長部材902は、螺子
調整部材626,634に似させることができ、または円形のような別の構成をもたせる
こともできることが考えられる。細長部材902は、螺子調整部材626,634のよう
なポリマ材にすること、あるいは、例えば、コードまたは紐にすることも考えられる。ば
ねクリップ900は、細長部材902に、一つのフレーム(例えば、接続部分702,7
06)の一つの接続部分906の、その上の前の一つの位置で固定され、細長部材902
内の一つの張力を維持するために、接続部分906の一つの前方対向面908と隣接する
。図22に示すように、ばねクリップ900は、貫通する横断的な穴912を提供する、
一つの実質的に円筒形のハウジング・部材910を含み、これを通して細長部材902は
通過できる。一つの中心部材914がハウジング・部材910の一つの内部内に配置され
ており、それを通して形成される一つの穴916を有する。中心部材914は、ハウジン
グ・部材910の一つの底部分から、一つの圧縮ばねでもよい、ばね構造918によって
偏らされている。中心部材914は、穴912、916をほぼ整列させるために、ハウジ
ング・部材910内で、手でずらせることができる。この点において、細長部材902は
、穴912,916内に挿入でき、または細長部材902上のクリップ900の一つの相
対的長手位置を変えることができる。中心部材914の手動運動の解放によって、中心部
材914は、穴912,916の複数の対向面が細長部材902の複数のそれぞれの表面
と係合するまで、ハウジング・部材910の方にばね構造918によって相対的に動かさ
れる。ばねクリップ900はその上で、細長部材902に固定される。細長部材902は
、例えば、戻り止めの摩擦および/または係合によって固定される。戻り止めは、例えば
、固くするために滑らせ、ボタンを外すために押すなどの、こきざみな動きをさせるため
に増減されうる。上の説明は、本発明の複数の具体例を含んでいるが、これらは本発明の
範囲を制限するものとと解釈されるべきでなく、単に本発明の現在好ましい複数の実施形
態のいくつかの解説を提供しているものと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態による1つの人工呼吸マスクの1つの透視図である。
【図2】図1中に示す1つの人工呼吸マスクの1つの平面図である。
【図3】図1中に示す1つの人工呼吸マスクの1つの底面図である。
【図3A】図3中に示された人工呼吸マスクの線I−Iでとった1つの断面図である。
【図4】図1中に示す1つの人工呼吸マスクの1つの側面図である。
【図5】本発明の一実施形態による1つのヘッドギアの一人の患者の頭上の位置に示す1つの側面図である。
【図6】図5中に示すヘッドギアと共に使用する1つのクリップ要素の1つの断面図である。
【図7】図5中に示すヘッドギアと共に使用する別のクリップ要素の1つの断面図である。
【図8】本発明の別の実施形態による1つのヘッドギアの1つの平面図である。
【図9】図8中に一人の患者の頭上の位置で示すヘッドギアの側面図である。
【図10】図8中にマスク付きで示すヘッドギアを接続するのに使用される1つの接続構造の1つの断面図である。
【図11】図8中にマスク付きで示すヘッドギアを接続するのに使用される別の接続構造の1つの断面図である。
【図12】1つのヘッドギア内の穴を打ち抜くのに使われる1つの治具構造の1つの断面図である。
【図13】本発明の別の実施形態による1つのフレームの1つの平面図である。
【図14】図13中の線14−14に沿った図13中に示すフレームの一部の1つの断面図である。
【図15】一人の患者の頭の位置における本発明の別の実施形態による1つのヘッドギア、フレーム、およびマスクの1つの側面図である。
【図16】図15中に示すヘッドギア、フレーム、およびマスクの1つの正面図である。
【図17】本発明の一実施形態による1つの接続部分とファスナの1つの透視図である。
【図18】本発明の別の実施形態による1つの接続部分とファスナの1つの透視図である。
【図19】1つの解放位置における図15中に示すヘッドギア、フレーム、およびマスクの1つの透視図である。
【図20】図15中に示すフレームの1つの側面図である。
【図21】ばねクリップおよび細長部材の1つの透視図である。
【図22】図21中に示すばねクリップの1つの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの人工呼吸マスク用の1つのヘッドギアであって、
複数のストラップ部分であって、1つのユニットとしての前記ストラップ部分は、一人
の着装者が前記ヘッドギアを被るときの1つの第1位置および前記着装者が前記ヘッドギ
アを被れないときの1つの第2位置に位置決め可能であり、第1位置においては、張力に
よって、前記複数のストラップが前記着装者の頭の形状に適合するように構成され、第2
位置においては、前記複数のストラップは崩れにくくし、その形状をほぼ前記着装者の頭
の形状に近似する1つの形態に保持するように構成されている複数のストラップ
を備える、ヘッドギア。
【請求項2】
前記複数のストラップが前記着装者の1つの頭のひとつの頭頂に沿って伸びるように構
成された1つ以上の矢印縫合ストラップ、部分的に円周方向に前記着装者の頭の周りに伸
びるように構成され、かつ前記着装者の1つの耳に対して丁度下に配置されるようにそれ
ぞれ構成されている一対の水平ストラップ部分、および1つ以上の矢印ストラップ部分と
水平ストラップ部分とを相互接続する一対の冠状ストラップ部分を、請求項1に記載のヘ
ッドギア。
【請求項3】
前記複数のストラップ部分が互いに対して調整可能である、請求項1および2の任意の
1つに記載のヘッドギア。
【請求項4】
前記複数のストラップ部分が1つの一体物のユニットとして形成されている、請求項1
および2の任意の1つに記載のヘッドギア。
【請求項5】
前記複数のストラップ部分は、前記ユニットとして、1つのほぼキャップ状の形態を第
1および第2位置において有する、請求項1から4までの任意の1つに記載のヘッドギア

【請求項6】
前記複数のストラップ部分の1つ以上、好ましくは全部が、1つの第1層および1つの
第2層を含み、前記第2層が前記着装者側のヘッドギアの1つの内部上に位置し、前記第
1層が、PVC、皮革、ポリプロピレンおよびポリウレタンのような1つの実質的に非伸
長性材料で形成されており、前記第2層がフェルトのような1つの比較的柔らかい材料で
形成されている、請求項1から5までの任意の1つに記載のヘッドギア。
【請求項7】
1つの人工呼吸マスク用の1つのヘッドギアであって、
一人の着装者の頭の一部分の周りを巻くように構成された1つ以上のストラップ部分で
あって、1つの実質的に非伸長性材料でできている前記1つ以上のストラップ部分と、
前記1つ以上のストラップの1つの端部に設けられた1つの細長部材であって、前記細
長部材が前記ストラップとマスクとの間の1つの空間距離を変更できるように構成された
前記細長部材と
を備える、ヘッドギア。
【請求項8】
前記細長部材が1つの螺子部材であり、前記ヘッドギアがさらに、前記空間距離の調整
を可能にするために前記螺子部材に設けられた1つの螺子ファスナを含む、請求項7に記
載のヘッドギア。
【請求項9】
前記細長部材が1つのコードまたは紐であり、前記空間距離の調整を可能にするために
前記ヘッドギアがさらに前記紐またはコードに設けられた1つのばねクリップを含む、請
求項7に記載のヘッドギア。
【請求項10】
前記細長部材が、1つの接着剤で、縫合によって前記1つ以上のストラップ部分に設け
られ、またはそれが統合的にまたは一体物として前記1つ以上のストラップ部分に形成さ
れる、請求項7から9までの任意の1つに記載のヘッドギア。
【請求項11】
1つのベンチレータまたは1つのCPAP装置と共に使用するための1つのマスクであ
って、
1つのフレームと、
前記フレームに設けられた1つのクッションと
を備え、
前記クッションおよび前記フレームは互いに対し1つ以上の離散部分において選択的に
調整可能であり、これによって一人の装着者の顔の輪郭に能動的に適応するように前記ク
ッションを適合させる、
マスク。
【請求項12】
前記マスクが前記クッションの離散部分の1つの選択された離散部分に接続された1つ
以上の接続構造を含み、前記接続構造は前記フレームに対して可動であり、これによって
前記接続構造が前記選択された離散部分に固定された1つの端を含み、前記フレームと前
記クッションとの間の、したがって前記クッションと前記装着者との間の相対的な位置を
調整するようになっている、請求項11に記載のマスク。
【請求項13】
前記フレームが、間隙によって隔てられた二つの壁構造、および前記間隙内に位置し前
記フレームの周囲に沿ってアクセス可能な1つの調整装置を含み、前記接続構造がその端
の運動、したがって、前記クッションの選択された離散部分に前記フレームへの運動およ
び前記フレームからの運動を可能させるために前記調整装置に羅合している、請求項12
に記載のマスク。
【請求項14】
前記クッションが1つのシリコーン皮で覆われた1つの泡沫を含む、請求項11から1
3までの任意の1つに記載のマスク。
【請求項15】
前記フレームが、前記マスクの前記材料内に実質的にまたは部分的に覆われている、請
求項11から14までの任意の1つに記載のマスク。
【請求項16】
1つのベンチレータまたはCPAP装置と共に使用する1つのマスクであって、
1つのフレームと、
前記フレームに設けられた1つのクッションであって、前記フレームが前記クッション
の材料内に少なくとも部分的に覆われている前記クッションと
を備える、マスク。
【請求項17】
前記フレームが、選択的に変形可能で、好ましくは微量変形可能である、比較的薄い金
属材料でできている、請求項16に記載のマスク。
【請求項18】
前記フレームが、前記クッションの前記材料の外へ伸びる複数の接続部材を含み、前記
接続部材のおのおのがヘッドギアの1つのストラップ部分の1つの接続構造を受け入れる
1つの開口を含む、請求項16および17の任意の1つに記載のマスク。
【請求項19】
1つのベンチレータまたはCPAP装置を使用する一人の装着者のための1つのマスク
・アセンブリであって、
1つのヘッドギアと、
前記ヘッドギアに設けられた1つのマスクであって、1つのフレームおよび1つのクッ
ションを含む前記マスクと、
前記フレーム/マスクを前記装着者の頭に対して調整する手段と、
前記フレームに前記ヘッドギアを調整する手段と、
前記マスクに対して前記フレームを調整する手段と
を備える、マスク・アセンブリ。
【請求項20】
1つのベンチレータまたはCPAP装置と共に使用する1つのマスク・アセンブリであ
って、
1つのマスクと、
1つの調整可能な設定を有する1つ以上のファスナを備えた前記マスクに設けられた1
つのヘッドギアと、
ヘッドギアのどの部分も前記マスクから除去せず、または前記ファスナの設定を変えず
に、前記マスク・アセンブを一人の装着者から除去することのできる1つの迅速解放機構

を備える、マスク・アセンブリ。
【請求項21】
前記迅速解放機構が、前記フレームに設けられた一対の接続アームを含み、前記接続ア
ームのおのおのが、互いに対して可動である1つの第1アーム部分および1つの第2アー
ム部分を含み、前記第1アーム部分が前記フレームに設けられ、前記第2アーム部分が、
前記第1アーム部分に接続された1つの第1端、および前記ヘッドギアの1つのストラッ
プ部分に設けられた1つの第2端を含む、請求項20に記載のマスク。
【請求項22】
前記第1および第2アーム部分は前記装着者が前記マスク・アセンブリを被ったり脱い
だりできる1つの解放位置と、前記マスクと前記装着者の顔との間で1つの十分な気密が
生じる拘束位置との間で可動である、請求項21に記載のマスク。
【請求項23】
前記第2アーム部分のおのおのが前記第1アーム部分に対して1つの中心を越える関係
に移動可能であり、このため複数の追加的な接続構造が前記解放位置に前記接続アームを
維持するには不要となる、請求項22に記載のマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−5855(P2012−5855A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−183841(P2011−183841)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【分割の表示】特願2010−176666(P2010−176666)の分割
【原出願日】平成15年8月5日(2003.8.5)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD