説明

非共沸混合物冷媒を使用するヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システム

【課題】 凝縮器において生じる未凝縮の非共沸混合物冷媒の凝縮を促進して、正常な動作を確保するとともに効率を低下させないヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システムを提供する。
【解決手段】 非共沸混合冷媒を使用するヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システムであって、圧縮機と、凝縮器と、第1の膨張弁と、蒸発器と、蒸発器と圧縮機との間に配置され、凝縮器から出力される未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒の凝縮を促進する凝縮促進手段とを備え、凝縮促進手段が、蒸発器から出力される低圧低温の気相の非共沸混合物冷媒の冷熱の一部を利用して、非共沸混合物冷媒の凝縮を促進する熱交換器であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非共沸混合冷媒を使用するヒートポンプシステムまたは空調機システムに関し、特に、凝縮器から出力される未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒の凝縮を促進する手段を備えるヒートポンプシステムまたは空調機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、二酸化炭素は、オゾン破壊係数がゼロであり、地球温暖化係数が1であり、環境への負荷が極めて小さく、かつ毒性、可燃性が無く安全で安価であること、臨界温度が31.1℃と低く、空調や給湯用では、サイクルの高圧側が容易に超臨界になることから冷媒と被冷却流体との温度差が小さい加熱を行うことができるので、給湯のように昇温幅が大きい加熱プロセスでは、高い成績係数(COP)が得られること、圧縮機の単位流入体積当たりの加熱能力が大きく、熱伝導率が高いことから、エコキュート(登録商標)の名称でヒートポンプ給湯機用冷媒として普及利用されている。
【0003】
図1に、二酸化炭素を冷媒として利用する従来のヒートポンプシステム100の代表的な構成図を示す。図1に示されるヒートポンプシステムは、圧縮機101、凝縮器102、膨張弁103、蒸発器104、二酸化炭素冷媒用の配管105、および加熱されるべき水用の配管106を備える。図1の矢印で示されるように、二酸化炭素冷媒は、配管105を介して、圧縮機101、凝縮器102、膨張弁103、および蒸発器104の順番で循環する。また加熱されるべき水は、水用の配管106を介して凝縮器102に導入され、凝縮器102で加熱された後で暖房用/給湯用として使用される。なお空調機若しくは冷凍機システムの冷媒として二酸化炭素を利用する場合には、水用の配管106は無い。
【0004】
図2に、二酸化炭素を冷媒として利用した従来のヒートポンプシステム100におけるサイクルを、横軸がエンタルピーを表しかつ縦軸が温度を表す線図を用いて示す。なお、図2における5は外気温を表し、6は造温水過程を表す線である。
【0005】
図1および図2を参照して、従来のヒートポンプのサイクルを、各構成部品の動作および各構成部品における冷媒の状態に基づいて以下に簡単に説明する。
【0006】
蒸発器104で外部から熱を奪いながら蒸発した低圧低温の気相の二酸化炭素は、圧縮機101へ送られる。この蒸発器104における状態は、図2の4〜1に対応する。二酸化炭素冷媒は、温度は低温で一定のままであるが、外部から熱を奪うことによってエンタルピーは増大して、液相から気化し続けて飽和蒸気線に近付く。
【0007】
この低圧低温の気相の二酸化炭素は、圧縮機101で断熱圧縮されて高圧高温の気相の二酸化炭素になり、凝縮器102へ送られる。この圧縮機101における状態は、図2の1〜2に対応する。二酸化炭素冷媒は、温度が上昇した過熱状態の気相の二酸化炭素になる。
【0008】
温度が上昇した過熱状態の気相の二酸化炭素は、凝縮器102において放熱し冷却される。この凝縮器102における状態は、図2の2〜3に対応する。過熱状態の気相の二酸化炭素(図2の2)から、超臨界圧の状態で冷却されてエンタルピーが減少し、液相の二酸化炭素になる(図2の3)。この凝縮器102において、気相の二酸化炭素冷媒から放出される熱を利用して、水用の配管106から導入される水を加熱して、暖房または給湯に用いる。
【0009】
高圧で温度が低下した液相の二酸化炭素は、凝縮器102から膨張弁103へ送られる。膨張弁103で、液相の二酸化炭素は、圧力が急激に低下しかつ温度が急激に低下して、低圧低温の気相および液相の二酸化炭素になる。この膨張弁104における状態は、図2の3〜4に対応する。二酸化炭素は、エンタルピーが同一で温度が急激に低下する。
【0010】
低圧低温の気相および液相の二酸化炭素は、再び蒸発器104で外部から熱を奪い蒸発して、図2の4〜1に対応する状態になり、低圧低温の気相の二酸化炭素になる。
【0011】
二酸化炭素冷媒がこのようなサイクルを繰り返すことによって、ヒートポンプシステム100が動作して、凝縮器102において水を加熱する。
【0012】
このように動作するヒートポンプシステムにおいて冷媒として二酸化炭素を用いることは、普及利用されているが、二酸化炭素冷媒の作動圧が、約10MPaと他の冷媒と比べると非常に高く、そのため、ヒートポンプシステムにおける各構成部品を超高圧仕様にしなければならない問題があった。そのため、作動圧が低い冷媒の開発が大きな課題となっている。
【0013】
二酸化炭素超臨界冷媒に代わる、オゾン層破壊の危険性がなく、地球温暖化に及ぼす悪影響が小さく、かつ不燃性ないし難燃性で、低圧において作動する等の優れた性能を有する、安全で毒性のない給湯/暖房用冷媒組成物として、ジメチルエーテルと二酸化炭素との混合物冷媒が提案されている。
【0014】
すなわち、物性的に伝熱効果の高い二酸化炭素(0.02W/mK)とより高い比熱を有するジメチルエーテル(138J/molK)とを混合することによって、極めて高い熱効率を示す物性になり、低圧で作動する成績係数(COP)の優れた暖房用/給湯用冷媒となる。このジメチルエーテルと二酸化炭素との混合物冷媒を利用した暖房用/給湯用ヒートポンプは、外気温5℃程度の条件下で、数値シミュレーションと実証実験の結果、3.5MPa以下の低圧で作動し、かつ高い成績係数(COP)が得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ジメチルエーテルおよび二酸化炭素などの非共沸混合物冷媒を用いるヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システムにおける問題として、凝縮器において未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒が生じることに関するものがある。このような場合、膨張弁の正常な制御ができなくなり、圧縮機の吐出温度が上昇して、冷凍効率が低下するなどの問題につながることがあった。
【0016】
本発明は、凝縮器において生じる未凝縮の非共沸混合物冷媒の凝縮を促進して、正常な動作を確保するとともに効率を低下させないヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1に係る発明によれば、非共沸混合冷媒を使用するヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システムであって、
低圧低温の気相の非共沸混合冷媒を吸入圧縮して、高圧高温の気相の非共沸混合物冷媒にする圧縮機と、
圧縮機に接続され、かつ高圧高温の気相の非共沸混合物冷媒を液相に凝縮し放熱させて、液相の非共沸混合物冷媒にする凝縮器と、
凝縮器に接続され、かつ液相の非共沸混合物冷媒を減圧膨張させて、低圧低温の気相および液相の非共沸混合物冷媒にする第1の膨張弁と、
第1の膨張弁に接続され、かつ低圧低温の気相および液相の非共沸混合物冷媒を気相に蒸発し吸熱させて、低圧低温の気相の非共沸混合物冷媒を圧縮機に送る蒸発器と、
蒸発器と圧縮機との間に配置され、凝縮器から出力される未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒の凝縮を促進する凝縮促進手段とを備え、
凝縮促進手段が、蒸発器から出力される低圧低温の気相の非共沸混合物冷媒の冷熱の一部を利用して、非共沸混合物冷媒の凝縮を促進する熱交換器であることを特徴とする。
【0018】
このような構成によって、非共沸混合物冷媒の凝縮を促進して、正常な動作を確保するとともに効率を低下させないことができる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、凝縮促進手段が、凝縮器から第1の膨張弁への配管から分岐部で分岐され、凝縮促進手段へ非共沸混合物冷媒の一部を導く第1の配管と、該第1の配管を介して凝縮促進手段に導かれた非共沸混合物冷媒を第1の膨張弁へ戻すために、凝縮器から第1の膨張弁への配管への合流部に接続された第2の配管と、蒸発器から出力される非共沸混合物冷媒を凝縮促進手段へ導く第3の配管と、該第3の配管を介して凝縮促進手段へ導かれた非共沸混合物冷媒を圧縮器へ送る第4の配管とを備え、
第3の配管を介して凝縮促進手段へ導かれた低温の非共沸混合物冷媒と、第1の配管を介して凝縮促進手段に導かれた未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒との間で熱交換を行って、非共沸混合物冷媒の凝縮を促進することを特徴とする。
【0020】
このような構成によって、第3の配管を介して凝縮促進手段へ導かれた低温の非共沸混合物冷媒の冷熱を利用して、未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒の凝縮を促進することができる。
【0021】
請求項3に係る発明によれば、凝縮器と第1の膨張弁との間に気液分離手段をさらに備え、該気液分離手段が、凝縮器から出力される非共沸混合物冷媒を、凝縮された液相の非共沸混合物冷媒と、未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒とに分離し、
気液分離手段によって分離された未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒を、凝縮促進手段へ送り凝縮を促進した後、凝縮された液相の非共沸混合物冷媒を第1の膨張弁へ送ることを特徴とする。
【0022】
気液分離手段によって分離された未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒だけを、凝縮促進手段を用いて凝縮することにより、効率的に非共沸混合物冷媒の凝縮を促進することができる。
【0023】
請求項4に係る発明によれば、非共沸混合冷媒を使用するヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システムであって、
低圧低温の気相の非共沸混合冷媒を吸入圧縮して、高圧高温の気相の非共沸混合物冷媒にする圧縮機と、
圧縮機に接続され、かつ高圧高温の気相の非共沸混合物冷媒を液相に凝縮し放熱させて、液相の非共沸混合物冷媒にする凝縮器と、
凝縮器に接続され、かつ液相の非共沸混合物冷媒を減圧膨張させて、低圧低温の気相および液相の非共沸混合物冷媒にする第1の膨張弁と、
凝縮器と第1の膨張弁との間に配置され、凝縮器から出力される非共沸混合物冷媒を、凝縮された液相の非共沸混合物冷媒と、未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒とに分離する気液分離手段と、
第1の膨張弁に接続され、かつ低圧低温の気相および液相の非共沸混合物冷媒を気相に蒸発し吸熱させて、低圧低温の気相の非共沸混合物冷媒を圧縮機へ送る蒸発器と、
気液分離手段によって分離された未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒を、減圧膨張させて、合流部を介して圧縮機へ送る第2の膨張弁とを備えることを特徴とする。
【0024】
凝縮器で未凝縮である気相の非共沸混合物冷媒を、気液分離手段で分離した後、第2の膨張弁を介して減圧膨張させて圧縮機へ送ることで、正常な動作を確保するとともに効率を低下させないことができる。
【0025】
請求項5に係る発明によれば、非共沸混合物冷媒が、ジメチルエーテルと二酸化炭素との混合物であることを特徴とする。
【0026】
オゾン層破壊の危険性がなく、地球温暖化に及ぼす悪影響が小さく、かつ不燃性ないし難燃性で、低圧において作動する等の優れた性能を有する、安全で毒性のない給湯/暖房用冷媒組成物であるジメチルエーテルと二酸化炭素との非共沸混合物冷媒を用いた場合でも、凝縮器において二液分離した液相の非共沸混合物冷媒を、再び均一な非共沸混合物冷媒にする効果を得ることができる。
【0027】
以下、本発明を、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態に基づいて詳細に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図3は、本発明によるヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システム1000の実施形態の構成図を示す。
【0029】
図1に示される従来のシステム構成と、図3に示されるシステム構成との異なる点は、凝縮促進手段200であり、他の要素である圧縮機101、凝縮器102、第1の膨張弁103、蒸発器104、冷媒用の配管105、および加熱されるべき水用の配管106は同一である。これら同一の要素は、図1と同じ参照符号で示される。なお空調機システムの場合には、水用の配管106は無い。
【0030】
凝縮促進手段200は、蒸発器104と圧縮機101との間に配置され、凝縮器102から出力される未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒の凝縮を促進する熱交換器である。また、第1の配管203は、凝縮器102から第1の膨張弁103への配管から分岐部201で分岐され、凝縮促進手段200へ非共沸混合物冷媒の一部を導き、第2の配管204は、第1の配管203を介して凝縮促進手段200に導かれた非共沸混合物冷媒を第1の膨張弁103へ戻すために、凝縮器102から第1の膨張弁103への配管への合流部202に接続され、第3の配管205は、蒸発器104から出力される非共沸混合物冷媒を凝縮促進手段200へ導き、第4の配管は、第3の配管205を介して凝縮促進手段200へ導かれた非共沸混合物冷媒を圧縮器101へ送る。
【0031】
凝縮促進手段200を備える構成によって、凝縮器において生じる未凝縮の非共沸混合物冷媒の凝縮を促進して、正常な動作を確保するとともに効率を低下させないヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システムを提供することができる。
【0032】
図4は、凝縮器と第1の膨張弁との間に気液分離手段をさらに備える構成を示す図である。
【0033】
図4において、気液分離手段210は、凝縮器102から出力される非共沸混合物冷媒を、凝縮された液相の非共沸混合物冷媒と、未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒とに分離する。気液分離手段210によって分離された未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒は、凝縮促進手段200へ送られ凝縮が促進された後、気液分離手段210を介して第1の膨張弁103へ送られる。一方、気液分離手段210によって分離された液相の非共沸混合物冷媒は、第1の膨張弁103へ送られる。
【0034】
気液分離手段210によって分離された未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒だけを、凝縮促進手段200を用いて凝縮することにより、効率的に非共沸混合物冷媒の凝縮を促進することができる。
【0035】
図5は、気液分離手段、第1の蒸発器、第2の蒸発器と、第1の膨張弁、および第2の膨張弁とを備える構成を示す図である。
【0036】
図5において、気液分離手段210は、凝縮器102と第1の膨張弁103との間に配置され、凝縮器102から出力される非共沸混合物冷媒を、凝縮された液相の非共沸混合物冷媒と、未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒とに分離する。蒸発器104は、第1の膨張弁103に接続され、かつ低圧低温の液相の非共沸混合物冷媒を気相に蒸発し吸熱させて、低圧低温の気相の非共沸混合物冷媒を、合流部221を介して圧縮機101へ送る。第2の膨張弁220は、気液分離手段210によって分離された未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒を、減圧膨張させて、合流部221を介して圧縮機101へ送る。
【0037】
この構成によって、凝縮器で未凝縮である気相の非共沸混合物冷媒を、気液分離手段で分離した後、第2の膨張弁を介して減圧膨張させて圧縮機へ送ることで、正常な動作を確保するとともに効率を低下させないことができる。
【0038】
非共沸混合物冷媒は、オゾン層破壊の危険性がなく、地球温暖化に及ぼす悪影響が小さく、かつ不燃性ないし難燃性で、低圧において作動する等の優れた性能を有する、安全で毒性のない給湯/暖房用冷媒組成物であるジメチルエーテルと二酸化炭素との非共沸混合物冷媒であることが好ましいが、本発明のヒートポンプシステムまたは空調機システムで使用される非共沸混合物冷媒は、これに限定されるものではなく、任意の混合物冷媒を使用することができる。さらに、単一冷媒、例えば二酸化炭素の単一冷媒を用いるヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システムであっても、外気温が低い場合には本発明の構成は有効である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】二酸化炭素を利用したヒートポンプシステムの代表的な構成図を示す。
【図2】二酸化炭素を冷媒として利用した従来のサイクルを示す、横軸がエンタルピーでありかつ縦軸が温度の線図である。
【図3】本発明によるヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システムの実施形態の構成図を示す。
【図4】凝縮器と第1の膨張弁との間に気液分離手段をさらに備える構成を示す図である。
【図5】気液分離手段、第1の蒸発器、第2の蒸発器と、第1の膨張弁、および第2の膨張弁とを備える構成を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
100 ヒートポンプシステム
101 圧縮機
102 凝縮器
103 第1の膨張弁
104 蒸発器
105 冷媒用の配管
106 水用の配管
200 凝縮促進手段
201 分岐部
202、221 合流部
203 第1の配管
204 第2の配管
205 第3の配管
206 第4の配管
210 気液分離手段
220 第2の膨張弁
1000 ヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非共沸混合冷媒を使用するヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システムであって、
低圧低温の気相の非共沸混合冷媒を吸入圧縮して、高圧高温の気相の非共沸混合物冷媒にする圧縮機と、
圧縮機に接続され、かつ高圧高温の気相の非共沸混合物冷媒を液相に凝縮し放熱させて、液相の非共沸混合物冷媒にする凝縮器と、
凝縮器に接続され、かつ液相の非共沸混合物冷媒を減圧膨張させて、低圧低温の気相および液相の非共沸混合物冷媒にする第1の膨張弁と、
第1の膨張弁に接続され、かつ低圧低温の気相および液相の非共沸混合物冷媒を気相に蒸発し吸熱させて、低圧低温の気相の非共沸混合物冷媒を圧縮機に送る蒸発器と、
蒸発器と圧縮機との間に配置され、凝縮器から出力される未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒の凝縮を促進する凝縮促進手段とを備え、
凝縮促進手段が、蒸発器から出力される低圧低温の気相の非共沸混合物冷媒の冷熱の一部を利用して、非共沸混合物冷媒の凝縮を促進する熱交換器であることを特徴とするヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システム。
【請求項2】
凝縮促進手段が、凝縮器から第1の膨張弁への配管から分岐部で分岐され、凝縮促進手段へ非共沸混合物冷媒の一部を導く第1の配管と、該第1の配管を介して凝縮促進手段に導かれた非共沸混合物冷媒を第1の膨張弁へ戻すために、凝縮器から第1の膨張弁への配管への合流部に接続された第2の配管と、蒸発器から出力される非共沸混合物冷媒を凝縮促進手段へ導く第3の配管と、該第3の配管を介して凝縮促進手段へ導かれた非共沸混合物冷媒を圧縮器へ送る第4の配管とを備え、
第3の配管を介して凝縮促進手段へ導かれた低温の非共沸混合物冷媒と、第1の配管を介して凝縮促進手段に導かれた未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒との間で熱交換を行って、非共沸混合物冷媒の凝縮を促進することを特徴とする、請求項1に記載のヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システム。
【請求項3】
凝縮器と第1の膨張弁との間に気液分離手段をさらに備え、該気液分離手段が、凝縮器から出力される非共沸混合物冷媒を、凝縮された液相の非共沸混合物冷媒と、未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒とに分離し、
気液分離手段によって分離された未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒を、凝縮促進手段へ送り凝縮を促進した後、凝縮された液相の非共沸混合物冷媒を第1の膨張弁へ送ることを特徴とする、請求項2に記載のヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システム。
【請求項4】
非共沸混合冷媒を使用するヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システムであって、
低圧低温の気相の非共沸混合冷媒を吸入圧縮して、高圧高温の気相の非共沸混合物冷媒にする圧縮機と、
圧縮機に接続され、かつ高圧高温の気相の非共沸混合物冷媒を液相に凝縮し放熱させて、液相の非共沸混合物冷媒にする凝縮器と、
凝縮器に接続され、かつ液相の非共沸混合物冷媒を減圧膨張させて、低圧低温の気相および液相の非共沸混合物冷媒にする第1の膨張弁と、
凝縮器と第1の膨張弁との間に配置され、凝縮器から出力される非共沸混合物冷媒を、凝縮された液相の非共沸混合物冷媒と、未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒とに分離する気液分離手段と、
第1の膨張弁に接続され、かつ低圧低温の気相および液相の非共沸混合物冷媒を気相に蒸発し吸熱させて、低圧低温の気相の非共沸混合物冷媒を圧縮機へ送る蒸発器と、
気液分離手段によって分離された未凝縮の気相の非共沸混合物冷媒を、減圧膨張させて、合流部を介して圧縮機へ送る第2の膨張弁とを備えることを特徴とするヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システム。
【請求項5】
非共沸混合物冷媒が、ジメチルエーテルと二酸化炭素との混合物であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のヒートポンプシステムまたは空調機若しくは冷凍機システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−155176(P2007−155176A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−348818(P2005−348818)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(000187149)昭和炭酸株式会社 (60)
【出願人】(397066627)エヌ・ケイ・ケイ株式会社 (18)