説明

非動物由来ラクトース

オルトゴナル保護基の使用、4’位での適当な脱離基の形成、求核的攻撃による立体化学的反転、及び脱保護による、ラクトースの4’−エピマー類似体からの非動物由来ラクトースの調製のための合成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラクトースの4’−エピマー類似体を経る非動物由来ラクトースの合成に関する。
【背景技術】
【0002】
炭水化物は生体内での様々な機能の中で中心的な役割を果たしており、例えば、代謝中で、エネルギー源としてや、生物学的マーカーとして、環境からの保護のため、受容体物質として、及び抗原決定基(例えば血液型抗原)として、種々の重要な役割を果たしている。炭水化物構造は、また糖タンパク質の安定性、活性、局在性、免疫原性及び分解に対して、病原体、タンパク質、ホルモン、毒素に対する細胞表面に結合する際における及び細胞間相互作用の受容体として、並びに発癌に対しても重要である。
オリゴ糖類誘導体、例えば、デオキシ−、ホスホ−、スルファート−、誘導化されたアミノ基又はチオ基は、炭水化物の代謝を修正し、及び/又は天然物質の生物学的効果を強めるため、炭水化物の製剤用途又は診断用途に対して大いに興味が持たれている。
【0003】
ラクトースは動物の母乳中に見つかった二糖であり、母乳中の固形物の約2〜8%を構成する乳糖として初めは知られた。ラクトースはβ1−4グリコシド結合で結合したガラクトースサブユニットとグルコースサブユニットからなる。ガラクトースサブユニットとグルコースサブユニットの両方はラクトース中ピラノース型で存在する。
本発明は、純粋な化学合成による非動物由来(based)ラクトースの新規な生成方法に関する。現在、動物由来でないラクトース生成物(animal free lactose product)は知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一特徴によれば、本発明はセロビオース中間体を経由する非動物由来ラクトースの調製のための新規な合成方法からなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この方法は、オルトゴナル(orthogonal)保護基の使用、4’位での適当な脱離基の形成、求核的攻撃による立体化学的反転、及び脱保護によるラクトースの4’−エピマー類似体からのラクトースの合成方法からなる。
別の特徴としては、本発明は、ここに記載した方法に従って生成された非動物由来ラクトースに関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の形態は、以下の図面を参照しながら記載する。図1は、セロビオースから始まる、ラクトースの調製のための合成経路の一態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明を記載するにあたって、ここで定義されていない全ての用語は、共通の技術的に認識されている意味を有する。以下の記載が本発明の特定の態様又は特別な使用に関する限りにおいて、本発明の例示であって、本発明を何ら限定するものではないことが企図される。以下の記載は、本発明の精神及び範囲に含まれるすべての代替物、修正物及び等価物に及ぶものであることが企図される。
【0008】
ここで使用される「エピマー」は、一つの立体中心において立体化学的に互いに異なる分子を意味し、従って、多数の立体中心のうちのただ一つにおいて立体化学的に互いに異なるジアステレオマーはエピマーと呼ばれる。ここで使用される「立体中心」は、4つの異なる原子又は原子群が結合している炭素原子を意味する。ここで使用される「求核試薬(nucleophile)」は、電子対を供与する試薬を意味する。ここで使用される「立体異性体」は、同じ原子配列を持つが、立体配置の異なる分子を意味する。ここで使用される「保護基」は、合成過程の一部として行われる反応(もしくは複数の反応)の条件に対して反応性のない化学基を意味する。ここで使用される「脱離基」は、置換反応でその結合電子を持つ分子から脱離し得る安定種を意味する。
【0009】
ここで使用される「オルトゴナル保護基」は、互いに相補的である保護基であり、そのため、それぞれ独立して除去することができる保護基を意味する。オルトゴナル保護基に関する手法及び条件は、教本、T.W.Greene and G.M.Wicks,Protecting Groups in Organic Synthesis,Third Edition,Wiley,New York,1999,及びPhilip J.Kocienski, Protecting Groups,Third Edition,Thieme,New York,2004,で論評されている。ここで参考として取り入れる。
ここで使用される「ラクトース」は、ピラノース型β−D−ガラクトース及びピラノース型β−D−グルコースからなり、β1−4グリコシド結合により結合している二糖を意味し、保護されたラクトース類似体を含み得る。
【0010】
一態様において、本発明の合成法は、開始物質としてラクトースの4’−エピマー類似体を使用するものであり、ここで、化学処理によってC4’位の官能基が立体化学的反転を受け得るものであり、続いて、分離することの可能なオルトゴナル保護基の使用、立体化学的反転、脱保護によってラクトースを得る。この方法は、効率的な合成経路を与えると同時に、新規かつ純粋に化学的な合成経路でラクトースを与える。
【0011】
ここに表示される本発明の方法の好ましい態様は、β−配置で結合した二つのグルコピラノースサブユニットからなるセロビオースを用いて始まる。セロビオースは、ラクトースの4’−エピマーである。図1に示されるように、一態様では、DMSO中p−トルエンスルホン酸の存在下にベンズアルデヒドを用いてセロビオースの4’,6’−ヒドロキシを保護すると、アセタール2となり、これは次いで除去されて4’−ヒドロキシへの処理が可能である。ピリジン中で無水酢酸を使用して他のヒドロキシ基をアセチル化すると、3となる。前記アセタールを除去すると、フリーの4’,6’−ヒドロキシを有し、他は完全にアセチル化された分子が生じる。C6’位の第一級ヒドロキシ基は、立体化学的反転を受けることができないが、C4’位での立体化学的反転を助けることができる。立体化学的反転の複数の経路がこの時点で可能である。いくつかの実施例が図1に示される。
【0012】
一経路は、アセチル体6又はベンゾイル体5による選択的な6’−ヒドロキシの保護を伴う。次に4’−ヒドロキシ基を適当な脱離基へ変換し、続いて、求核的攻撃が起こると、図1に示されるように一段階で反転を行うことができる。例えば、前記ベンゾイル基によって保護された5はその場でトリフラートに変換し、続いて安息香酸ナトリウムと反応させると形態7に変換することができ、又はトリフラートへの変換に続いて亜硝酸ナトリウムと反応させると形態8に変換することができる。あるいは、前記6’−アセチルで保護されたセロビオース6は類似の反応によって形態9又は10に変換することができる。またその場で形成された5のトリフラートをアセトニトリル中酢酸テトラエチルアンモニウムと反応させて形態11にすることもできる。
【0013】
別の経路は、それぞれ6、5又は4からできるメシラート12、13又は14の単離を伴い、続いて立体化学的反転が起こる。
エステル7、8、9、10、11又は15は、塩基性水性媒体、例えば、ナトリウムメトキシド、を使用して加水分解することができ、続いて中和及び分離をすると、ラクトース16が得られる。
本発明の態様は、以下の実施例に記載され、これらの実施例は、本発明の理解を助けるために説明され、本発明の範囲を何ら制限するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0014】
実施例1―4’6’−O−ベンジリデン−セロビオース2
DMSO(1049mL)中のセロビオース(350g)の混和物に、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(245mL)を加え、続いてp−トルエンスルホン酸(16g)を加えた。この混和物を40℃で24時間加熱して蒸発させ、トルエンと共に蒸発させた。該残留物をジクロロメタンで洗浄し、粗生成物2を実施例2で使用した。
【0015】
実施例2―1,2,3,6,2',3'−ヘキサ−O−アセチル−4'6'−O−ベンジリデン−セロビオース3
上記の粗生成物2をピリジン(1200mL)及び無水酢酸(600mL)中で16時間アセチル化した。蒸発後、該残留物をジクロロメタンに溶解し、水で洗浄した。該溶媒を蒸発によって除去して、粗生成物3(683g)を得た。粗生成物3を直接実施例3で使用した。
【0016】
実施例3―1,2,3,6,2',3'−ヘキサ−O−アセチル−セロビオース4
ジクロロメタン(643mL)における上記粗生成物3(321g)の溶液を−20℃に冷却した。トリフルオロ酢酸(90%、257mL)を加えた。−20℃で1時間撹拌し続けた。得られた溶液を次いで氷水及び重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。該生成物は、溶離剤としてヘキサン−アセトン1:1を使用してシリカゲルカラムで精製して、発泡物として4(150g)を得た。
【0017】
実施例4―1,2,3,6,2',3'−ヘキサ−O−アセチル−6'−O−ベンゾイル−セロビオース5
ジクロロメタン(5L)及びピリジン(836mL)中の1,2,3,6,2',3'−ヘキサ−O−アセチル−セロビオース4(209g)溶液を−40℃に冷却し、塩化ベンゾイル(45mL)を滴加した。−40℃〜−20℃で1時間撹拌し続け、メタノール(20mL)を加えた。得られた溶液を次いで水で洗浄し、蒸発させた。得られた粗生成物を70℃でメチルtert−ブチルエーテル(1200mL)に溶解した。得られた溶液を次いで4℃に冷却し、ヘキサン(1500mL)を加えた。固形生成物5(190g)を濾過により集めた。
【0018】
実施例5―1,2,3,6,2',3',6'−ヘプタ−O−アセチル−セロビオース6
ジクロロメタン(60mL)及びピリジン(4mL)中の1,2,3,6,2',3'−ヘキサ−O−アセチル−セロビオース4(1.93g)溶液を−30℃に冷却し、塩化アセチル(4.87mL)のジクロロメタン(5mL)溶液を滴加した。−30℃〜−20℃で1時間撹拌し続け、メタノール(1mL)を加えた。得られた溶液を次いで水で洗浄し、蒸発させた。得られた粗生成物を酢酸エチル中で沈殿させて、6(1.3g)を得た。
【0019】
実施例6―1,2,3,6,2',3',−ヘキサ−O−アセチル−4'6'−ジ−O−ベンゾイル−ラクトース7
ジクロロメタン(2280mL)及びピリジン(380mL)中の1,2,3,6,2',3'−ヘキサ−O−アセチル−6'−O−ベンゾイル−セロビオース5(183g)溶液を−10℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(57mL)のジクロロメタン(915mL)溶液を滴加した。得られた反応混和物を次いで室温で1時間撹拌し、冷水、2%塩酸及び飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。DMF(1252mL)中の黄色の発泡物(220g)及び安息香酸ナトリウム(63g)を室温で一晩中撹拌した。混和物をジクロロメタンで希釈し、濾過した。得られた濾過液を蒸発させ、生成した残留物を、溶離剤としてヘキサン−酢酸エチル1:1を使用してシリカゲルカラムでクロマトグラフィーにより精製して、生成物7(78g)を得た。
【0020】
実施例7―1,2,3,6,2',3',−ヘキサ−O−アセチル−6'−O−ベンゾイル−ラクトース8
ジクロロメタン(17mL)及びピリジン(2.7mL)中の1,2,3,6,2',3'−ヘキサ−O−アセチル−6'−O−ベンゾイル−セロビオース5(880mg)溶液を−10℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.31mL)のジクロロメタン(3mL)溶液を滴加した。反応混和物を次いで室温で1時間撹拌し、冷水、2%塩酸及び飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。DMF(10mL)中で生成した黄色の発泡物(1g)及びナトリウムニトリル(174mg)を室温で一晩中撹拌した。混和物をジクロロメタンで希釈し、濾過した。濾過液を蒸発させ、残留物を、溶離剤としてヘキサン−酢酸エチル1:1を使用してシリカゲルカラムでクロマトグラフィーにより精製して、生成物8(320g)を得た。
【0021】
実施例8―1,2,3,6,2',3',6'−ヘプタ−O−アセチル−4'−O−ベンゾイル−ラクトース9
ジクロロメタン(2mL)及びピリジン(0.17mL)中の1,2,3,6,2',3',6'−ヘプタ−O−アセチル−セロビオース6(30mg)溶液を−10℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(17μL)のジクロロメタン(0.5mL)溶液を滴加した。反応混和物を次いで室温で1時間撹拌し、冷水、2%塩酸及び飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。DMF(0.8mL)中で黄色の発泡物(35mg)及び安息香酸ナトリウム(40mg)を50℃で3時間撹拌した。混和物を蒸発させ、残留物をジクロロメタンに溶解し、水で洗浄した。次いで、蒸発させると、生成物9(34mg)が残った。
【0022】
実施例9―1,2,3,6,2',3',6'−ヘプタ−O−アセチル−ラクトース10
ジクロロメタン(3mL)及びピリジン(0.19mL)中の1,2,3,6,2',3',6'−ヘプタ−O−アセチル−セロビオース6(42mg)溶液を−10℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(22mL)のジクロロメタン(0.7mL)溶液を滴加した。反応混和物を次いで室温で1時間撹拌し、冷水、2%塩酸及び飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。DMF(1mL)中で黄色の発泡物(50mg)及びナトリウムニトリル(60mg)を室温で一晩中撹拌した。混和物を蒸発させ、残留物をジクロロメタンに溶解し、水で洗浄した。次いで、蒸発させると、生成物10(40mg)が残った。
【0023】
実施例10―1,2,3,6,2',3',4'−ヘプタ−O−アセチル−6'−O−ベンゾイル−ラクトース11
ジクロロメタン(10mL)及びピリジン(1.5mL)中の1,2,3,6,2',3'−ヘキサ−O−アセチル−6'−O−ベンゾイル−セロビオース5(500mg)溶液を−10℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.4mL)のジクロロメタン(2mL)溶液を滴加した。反応混和物を次いで室温で1時間撹拌し、冷水、2%塩酸及び飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。アセトニトリル(5mL)中で黄色の発泡物(600mg)及び酢酸テトラエチルアンモニウム水和物(230mg)を室温で一晩中撹拌した。混和物を蒸発させ、残留物を、溶離剤としてヘキサン−酢酸エチル1:1を使用してシリカゲルカラムでクロマトグラフィーにより精製して、生成物11(350g)を得た。
【0024】
実施例11―1,2,3,6,2',3',6'−ヘプタ−O−アセチル−4'−O−メタンスルホニル−セロビオース12
ジクロロメタン(2mL)及びピリジン(0.5mL)中の1,2,3,6,2',3',6'−ヘプタ−O−アセチル−セロビオース6(60mg)溶液を0℃に冷却し、塩化メタンスルホニル(15μL)を加えた。室温で3時間撹拌し続け、メタノール(1mL)を加えた。溶液を次いで蒸発させ、粗生成物を、溶離剤としてヘキサン−酢酸エチルを使用してシリカゲルでクロマトグラフィーにより精製して、生成物12(53mg)を得た。
【0025】
実施例12―1,2,3,6,2',3',−ヘキサ−O−アセチル−6'−O−ベンゾイル−4'−O−メタンスルホニル−セロビオース13
ジクロロメタン(10mL)及びピリジン(1mL)中の1,2,3,6,2',3'−ヘキサ−O−アセチル−6'−ベンゾイル−セロビオース5(300mg)溶液を0℃に冷却し、塩化メタンスルホニル(0.2mL)を加えた。室温で3時間撹拌し続け、メタノール(1mL)を加えた。溶液を次いで蒸発させ、粗生成物を、溶離剤としてヘキサン−酢酸エチルを使用してシリカゲルでクロマトグラフィーにより精製して、生成物13(160mg)を得た。
【0026】
実施例13―1,2,3,6,2',3',−ヘキサ−O−アセチル−4'6'−ジ−O−メタンスルホニル−セロビオース14
ジクロロメタン(5mL)及びピリジン(0.8mL)中の1,2,3,6,2',3'−ヘキサ−O−アセチル−セロビオース4(140mg)溶液を0℃に冷却し、塩化メタンスルホニル(0.16mL)を加えた。室温で4時間撹拌し続け、溶液をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発して、生成物14(140mg)を得た。
【0027】
実施例14―1,2,3,6,2',3',4',6'−オクタ−O−アセチル−ラクトース15
DMF(1mL)中の1,2,3,6,2',3',−ヘキサ−O−アセチル−4'6'−ジ−O−メタンスルホニル−セロビオース14(100mg)及び酢酸テトラエチルアンモニウム水和物(30mg)の溶液を100℃で4.5時間加熱し、蒸発させた。残留物を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄した。溶媒を蒸発させると、15(15mg)が残った。
【0028】
実施例15―ラクトース16
1,2,3,6,2',3',−ヘキサ−O−アセチル−4'6'−ジ−O−ベンゾイル−ラクトース7(800mg)をメタノール(10mL)中ナトリウムメトキシド(25%、2mL)で一晩中処理した。固形生成物を濾過し、メタノールで洗浄した。メタノール溶液をAmberlite IR 120 H+を用いて中和し、濾過し、蒸発させた。粗生成物をエタノール(2mL)中で撹拌し、濾過した。ラクトース16(260mg)を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルトゴナル保護基の使用、4’位での適当な脱離基の形成、求核的攻撃による立体化学的反転、及び脱保護によるラクトースの4’−エピマー類似体からのラクトースを合成する方法。
【請求項2】
ラクトースを合成する方法であって、以下の工程、
a)ラクトースの4’−エピマー類似体の少なくとも4’−エピマー官能基を第一保護基で保護する工程、
b)他の全てのヒドロキシ基を第二保護基で保護する工程、
c)前記第一保護基を除去する工程、
d)前記4’−エピマー官能基を適当な脱離基に変換する工程、
e)4’位での立体化学的反転を生じる求核的攻撃を行う工程、及び
f)前記保護基を除去する工程、
を含み、前記第一保護基及び第二保護基が、オルトゴナルであり、前記第一保護基及び第
二保護基が、アセタール、ケタール、又はエステルであることを特徴とする方法。
【請求項3】
前記第一保護基が、アセタール又はケタールである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第二保護基が、エステルである請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記適当な脱離基が、メシラート又はトリフラートである請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記求核的攻撃によって立体化学的に反転したエステルを形成する請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記保護基が、塩基性媒体を使用して除去される請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記塩基性媒体が、ナトリウムメトキシドからなる請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ラクトースの前記4’−エピマー類似体が、セロビオースである請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記エステルが、アセチル又はベンゾイルである請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記第一保護基の除去が、アセタール又はケタールと、トリフルオロ酢酸又は酢酸との反応によるものである請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記4’位での立体化学的反転を生じる求核的攻撃が、安息香酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、酢酸テトラエチルアンモニウム水和物との反応によるものである請求項2に記載の方法。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法に従って生成されたラクトース。

【図1】
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【公表番号】特表2009−541365(P2009−541365A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516840(P2009−516840)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際出願番号】PCT/CA2007/001161
【国際公開番号】WO2008/000082
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(501253028)アルバータ リサーチ カウンシル インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】