説明

非常用のろうそく

【課題】 本発明は、停電時の明かりとなるほか、非常時に赤子,幼児用のミルク等を加温することのできる非常用のろうそくを新規に提供するものである。
【解決手段】 本発明はろう芯を中心部上に有すろう入りの無色透明容器の開口上端に鍋乗せを可能とする複数個の空気取入溝を設け、前記芯の着火により透明容器を通した明かりと、赤子,幼児用のミルク等の加温を可能にしたことを特徴とする非常用のろうそくにある。容器の外表に蓄光テープを貼着して停電時にも素早く存在を確認することができるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は簡易加温を兼ねた非常用のろうそくに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上面を開口する容器内にろうを入れ、その中心にろう芯を直立させた非常用のろうそくは市販されている。そのひとつとして登録第3088330号実用新案がある。
【0003】
上記の実用新案は着火しやすく、風が吹いても消えないようにろう芯の先端を解きほぐすとともに倒れないようにし、且つパラフィン残渣を少なくするための台座を入れたことを記載している。
【特許文献1】実用新案登録第3088330号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来より市販されているものを含めて容器入りのろうそくは、容器の開口上端を平坦形としているために、非常時などの照明用に限られているという課題があった。
また、停電などの非常時に赤子,幼児のいる家庭ではミルクを飲める程に加温することも難儀するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ろう入り容器を無色透明のガラスなどにて形成するとともに開口上端に間隔を置いて複数個の空気取入溝を設けて、ろう芯を酸欠による消火の生ずることなしに鍋等を乗せて赤子,幼児のためのミルク等の加温を可能にして、かかる課題を解決するようにしたのである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の非常用のろうそくは、ろう芯を着火すると非常用の明かりのほか、赤子,幼児用のミルク等を加温することができるという効果を生ずる。
【0007】
容器の開口上端に空気取入溝を設けたので、鍋等を乗せても着火したろう芯は消えることがないという効果を生ずる。また、鍋等を乗せていても、無色透明の容器を通して周囲を明るくすることができるという効果を生ずる。
【0008】
蓄光テープを外表に貼付けたので、暗いところに置いても所在を発見することができるという効果を生ずる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、ろう芯を中心部上に直立させた上面開口のろう入り容器の該開口上端に間隔を置いて複数個の空気取入溝を設けて、該ろう芯の着火により非常用の明かりとなるほか、鍋等を乗せて赤子,幼児のミルク等の加温を可能にしたのである。
【実施例1】
【0010】
上面を開口する無色透明のガラス製の容器1内に1乃至数本のろう芯2を直立させたろう3を充填し、該容器1の開口上端に間隔を置いて複数個の空気取入溝4を設けてなる。5は側面外表に貼着した所在等を示す蓄光テープである。
【0011】
停電などによる非常時にろう芯2を着火するとその着火明かりは周囲を照らして照明作用を奏し、鍋6を上に乗せることで赤子,幼児用のミルク等を加温することもできる。この際、空気取入溝4の存在よってろう芯2には引続き空気が供給されるためにろう芯2が消えることはない。
【0012】
しかして鍋6を乗せても容器1は無色透明によって明かりは引続き周囲を照らし続けることとなる。
【0013】
なお、ろう芯2を2本以上において直立させるときは、明かり,鍋6の加熱ともに能力を倍加させることができることとなる。
【0014】
蓄光テープ5の貼付けによって、停電により暗くなっても蓄光テープ5の発光によって存在を素早く確認し取出することができる。着火用のマッチ7を添えた収納ケース8に入れて収納しておくときも、収納ケース8の全部または一部を透明にすることで蓄光テープ5の発光をケース8に収納したままの状態で見ることができる。なお蓄光テープ5の貼着にかえて蓄光剤入りインクにて文字,絵などを印刷することもある。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明の非常用のろうそくは、停電時用の明かりのほか、非常時に赤子,幼児用のミルクを加温することもできる非常用のろうそくとしてあらゆる家庭,職場などで広く利用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の非常用のろうそくの1実施例を示す斜視図
【図2】ろう芯に着火して開口上端上に鍋を乗せて加温用に使用している状態を示す断面図
【図3】ろう芯を2本に設けた例を示す断面図
【図4】収納ケースに収納した状態の1例を示す斜視図
【符号の説明】
【0017】
1は無色透明な容器
2はろう芯
3はろう
4は空気取入溝
5は蓄光テープ
6は鍋
7は着火用のマッチ
8は収納ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ろう芯を中心部上に有すろう入りの無色透明容器の開口上端に鍋乗せを可能とする複数個の空気取入溝を設け、前記芯の着火により透明容器を通した明かりと赤子,幼児用のミルク等の加温を可能にしたことを特徴とする非常用のろうそく。
【請求項2】
容器の外表に蓄光テープを貼着する請求項1に記載の非常用のろうそく。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−101048(P2008−101048A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−282301(P2006−282301)
【出願日】平成18年10月17日(2006.10.17)
【出願人】(501009816)株式会社丸叶むらた (1)
【Fターム(参考)】