説明

非常通報装置

【課題】鉄道車両における車内のデザイン性を確保可能な非常通報装置を提供する。
【解決手段】非常通報装置20は、客室2と乗降デッキ8とを仕切る透明の仕切壁16を有する鉄道車両1に設置される。非常通報装置20は、仕切壁16に設けられたシート状の接触検知部22と、接触検知部22に接続されると共に接触検知部22から出力される検知信号を制御部30に伝送する配線部28と、を備える。接触検知部22は、仕切壁16の通路4側の縁部を覆っているカバー部19に隣接している。配線部28は、カバー部19の内側を通って制御部30に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両に設置され、通報者による接触に応じて動作する非常通報装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両は、車内で異常があったときに乗客や乗務員(以下、通報者と呼ぶ)によって押される非常ボタンを備えている。客室と乗降デッキとが仕切られた鉄道車両では、この非常ボタンを、客室ドア上部に設けることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、非常ボタンを客室ドア上部に設置すると、通報者の目につきにくく、また押しにくい。そこで、非常ボタンを他の場所に設置することが考えられる。例えば客室と乗降デッキとを仕切る仕切壁であれば、非常ボタンを、通報者が見つけやすく押しやすい高さに設置できるため、上記問題が解決される。
【0004】
しかしながら、非常ボタンを仕切壁に設置した場合は、非常ボタンが目立ちすぎてしまい、車内デザインとの調和が取れなくなるおそれがある。近年、仕切壁にガラス等の透明部材を用いた鉄道車両が登場してきているが、仕切壁を透明にする理由の一つは車内のデザイン性の向上にある。したがって、非常ボタンの設置場所を仕切壁にするならば、車内のデザイン性を妨げないようにするのが好ましい。
【0005】
そこで本発明は、車内のデザイン性を確保可能な非常通報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、客室と乗降デッキとを仕切る透明な仕切壁を有する鉄道車両に設置される非常通報装置であって、仕切壁に設けられるシート状の接触検知部と、接触検知部に接続されると共に接触検知部から出力される検知信号を制御部に伝送する配線部と、を備え、接触検知部は、仕切壁の通路側縁部に沿って上下に延びる非透明なカバー部に隣接して配置され、配線部は、カバー部の内側を通って制御部に接続されることを特徴とする。
【0007】
この非常通報装置によれば、接触検知部には配線部が接続されているが、配線部が仕切壁の縁部に沿うカバー部の内側を通っていること、及び、接触検知部がこのカバー部に隣接していることから、配線部をカバー部から露出させることなく接触検知部に接続できる。仕切壁が透明な場合、仕切壁越しに配線部が透けて見えてしまうおそれがあるが、本発明では不透明なカバー部の内側に配線部を隠蔽するため、配線部が外から見えることがない。よって本発明の非常通報装置は、透明な仕切壁に設置した状態において、車内のデザインを邪魔しないものとなる。また、本発明の非常通報装置では、配線部をカバー部の内側に通すので、仕切壁に配線のための穴あけ加工をする必要がない。よって、取り付けが容易である。
【0008】
また、本発明の非常通報装置では、カバー部に隣接した状態で仕切壁に貼付されると共に配線部に接続される導電性シートと、導電性シート上に位置する操作部と、を有すると好適である。この場合、導電性シートがカバー部に隣接するため、配線部をカバー部から露出させることなく導電性シートに接続できる。
【0009】
また、本発明の非常通報装置では、導電性シートの領域は操作部の領域よりも広い領域を有し、操作部は導電性シートに対して着脱自在であると好適である。この場合、導電性シート上での操作部の位置を調整することが可能になる。よって、例えば、ある車両では操作部を大人が届く位置とし、他の車両では操作部を子供が届く位置とすることが可能になる。
【0010】
また、本発明の非常通報装置では、接触検知部は、操作部を囲む枠部を有し、枠部の厚みは操作部の厚みよりも大きいと好適である。操作部を当該操作部よりも厚い枠部で囲むことにより、仕切壁に手を着いた際に誤って接触検知に触れてしまうことを防止できる。
【0011】
また、本発明の非常通報装置では、操作部は、少なくとも一部が着色されていると好適である。操作部を着色することにより、通報者が接触検知部を認識しやすくなる。また、着色は一部のみとすることが可能であるため、操作部が必要以上に目立つことを抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、透明な仕切壁に設置した場合でも車内のデザイン性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る非常通報装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る非常通報装置が設置された鉄道車両の内部を示す図である。図2は、本実施形態に係る非常通報装置の正面図である。
【0015】
図1に示すように、鉄道車両1は、鉄道車両1の長手方向に沿って延びる客室2を備えている。客室2は、通路4と、当該通路4を挟んで位置する一対の座席エリア5a,5bと、を有しており、通路4及び座席エリア5a,5bは鉄道車両1の長手方向に沿ってそれぞれ延びている。各座席エリア5a,5bには座席6が複数設置されている。
【0016】
鉄道車両1はその一端部に乗降デッキ8を備えており、乗降デッキ8には乗降口(図示せず)や乗客の荷物を収納するための荷物室12,13が位置している。また、乗降デッキ8は客室2と隣り合っており、乗降デッキ8と客室2とは仕切壁16,17及び客室用扉18によって仕切られている。
【0017】
客室用扉18は、客室2の通路4と乗降デッキ8とを仕切る部分である。客室用扉18は片引戸であり、仕切壁17に収容可能となっている。客室用扉18は、中央部に透明ガラスが嵌め込まれているが、それ以外の部分は不透明になっている。なお、客室用扉18は、全体が透明ガラスからなっているとしてもよい。
【0018】
仕切壁16,17は、客室2の通路4と乗降デッキ8とを仕切る部分である。仕切壁16,17は透明であり、客室2からは仕切壁16を介して乗降デッキ8を見通せるようになっている。仕切壁16,17は、例えばガラスからなっている。仕切壁16のうち、客室用扉18側、換言すると通路4側に位置する縁部は、カバー部19によって覆われている。カバー部19は、仕切壁16の縁部を保護するためのものであり、当該縁部に沿って上下方向に延びると共に、閉まっている状態の客室用扉18と当接する。カバー部19は、非透明になっており、より具体的にはステンレス等の金属からなっている。なお、仕切壁17も縁部がカバー部で覆われており、当該カバー部はカバー部19と同様の材料からなっている。
【0019】
鉄道車両1の客室2内には、非常通報装置20が取り付けられている。非常通報装置20は、仕切壁16に設けられたシート状の接触検知部22と、接触検知部22に接続された配線部28(図2参照)と、を有しており、車内で異常が生じたときに、これを察知した乗客及び乗務員(以下、通報者と呼ぶ)が接触検知部22の操作部25に接触することで作動する。図3(a)は、接触検知部22の断面図であり、図3(b)は、接触検知部22の分解斜視図である。
【0020】
接触検知部22は、当該接触検知部22の操作部25に通報者が接触するとこれを検知して、検知信号を出力する。より具体的には、接触検知部22は、透明な導電性シート23と、導電性シート23上に設けられると共に通報者による接触を受け付ける透明なシート状の操作部25と、を有している。導電性シート23は、導電部23aと、導電部23a上に配置された可撓部23bと、を含んでいる。導電部23aは電気信号を発生する部分であり、可撓部23bに接触している時と接触いない時とで異なる電気信号を発生する。操作部25が通報者によって押されると、その圧で可撓部23bが撓み、撓んだ可撓部23bが導電部23aと接触する。可撓部23bと接触した導電部23aは、当該接触に対応した電気信号を発生する。この電気信号が、検知信号となる。
【0021】
導電部23aと可撓部23bとは、略同一の大きさを有している。操作部25は、導電部23a及び可撓部23bを含む導電性シート23よりも小さく、また、導電部23aに対して着脱自在になっている。そのため、操作部25を、導電性シート23の低い位置に配したり、あるいは高い位置に配することができる。
【0022】
導電性シート23上には、操作部25の他に透明な枠部27が設けられている。枠部27は、合成樹脂やガラスによって形成されている。枠部27は、乗客や乗務員が操作部25に偶然触ってしまうことを防止するためのものであり、操作部25を囲むように設けられると共に、操作部25よりも厚みが大きくなっている。そのため、操作部25と枠部27とにおいて段差が形成されることとなり、操作部25の周囲で枠部27が盛り上がった状態になっている。
【0023】
導電性シート23のうち、操作部25の設置面と対向する面は、透明な両面テープ29によって仕切壁16に貼付される。接触検知部22は、この両面テープ29ごと仕切壁16に対して着脱自在になっており、これにより接触検知部22の仕切壁16における位置を適宜調整することができる。
【0024】
ところで、接触検知部22が備える上記の導電性シート23、枠部27、及び両面テープ29はそれぞれ透明である。そのため、これらの部材だけでは接触検知部22は全く目立たない。目立たない接触検知部22は、鉄道車両1内のデザイン性を損なわないという点では優れているものの、非常時に乗客及び乗務員が見つけにくいという点で改善の余地を有する。そこで本実施形態の接触検知部22では、操作部25が赤く着色されている。操作部25に色をつけることで目印となり、乗客及び乗務員に接触検知部22の位置を知らしめることができる。なお、操作部25の色は赤に限られず、接触検知部22の位置を判別しやすい色であればよい。
【0025】
接触検知部22の導電性シート23は、カバー部19に一部が隣接している。そして、導電性シート23のうちカバー部19に当接している部分は、配線部28に接続されている。配線部28は、、導電性シート23から出力された検知信号を伝送するためのものである。導電性シート23と配線部28とは分離可能になっており、配線部28と導電性シート23との相対位置を調整することができる。
【0026】
導電性シート23から出力された検知信号は、配線部28及び制御部30を経由して乗務員室に設置された機器(図示せず)に送られる。制御部30は、乗務員室に設置された機器と種々の情報の送受信を行うものであり、乗員や乗務員の目に付きにくい場所に設置されている。また、配線部28は、カバー部19の内側を通っている。そのため、配線部28はカバー部19で隠蔽された状態になり、外観上目立たない。
【0027】
カバー部19には、乗務員室に設置された機器に対して音声を送信するためのマイクロホン32と、乗務員室に設置された機器から受信した音声を出力するためのスピーカー34とが取り付けられている。マイクロホン32及びスピーカー34の一部はカバー部19から露出しており、通報者はこれらを介して乗務員室にいる乗務員と会話をすることができる。また、カバー部19には、マイクロホン32及びスピーカー34が現在使用可能か否かを示すランプ36が取り付けられており、例えばマイクロホン32及びスピーカー34が使用可能な場合はランプ36は緑色に点灯し、使用不可能な場合は赤色に点灯する。このようなマイクロホン32、スピーカー34、及びランプ36には配線部38,39,40がそれぞれ接続されており、配線部38〜40はカバー部19の内側を通って制御部30に接続されている。
【0028】
続いて、上述した非常通報装置20における動作を説明する。
【0029】
異常を察知した通報者が、仕切壁16上に設置された接触検知部22の操作部25に接触すると、操作部25を介して導電シート23の可撓部23bに圧がかかる。圧を受けることで可撓部23bが撓み、導電シート23の導電部23aに接触する。導電部23aは、可撓部23bと接触することにより検知信号を出力する。この検知信号は、導電シート23に接続された配線部28と、当該配線部28に接続された制御部30とを介して乗務員室に設置された機器(図示せず)に送られる。乗務員室に設置された機器は、検知信号を受け取ると、電子音等を発生することにより非常通報があった旨を乗務員に知らせる。電子音に気づいた乗務員による操作に応じて、非常通報装置20のマイクロホン32及びスピーカー34が使用可能となり、通報者はマイクロホン32及びスピーカー34を用いて乗務員と会話することが可能になる。
【0030】
上述したように、本実施形態の非常通報装置20によれば、通報者が接触する接触検知部22が仕切壁16に設置される。接触検知部22には配線部28が接続されているが、配線部28が仕切壁16の縁部を覆うカバー部19内を通っていること、及び、接触検知部22がこのカバー部19に接していることから、配線部28をカバー部19から露出させることなく接触検知部22に接続できる。仕切壁16が透明なため、仕切壁16の裏側や仕切壁16上に配線をするとこれが目立ってしまうが、本実施形態のようにカバー部19を利用して配線を行うことで、配線を目立たなくすることができる。よって本実施形態の非常通報装置20は、透明な仕切壁16に設置した場合にも、鉄道車両1の車内デザインを邪魔しない。また、配線部28をカバー部19の内側に通すので、仕切壁16に配線のための穴あけ加工をする必要がなく、取り付けが容易である。
【0031】
更に、本実施形態の非常通報装置20では、接触検知部22が操作部25の貼付部分を除き透明になっている。そのため、接触検知部22もまた、車内のデザイン性を損なうものではない。
【0032】
また本実施形態では、導電性シート23の領域は操作部25の領域よりも広く、操作部25は導電性シート23に対して着脱自在になっている。これにより、導電性シート23上における操作部25の位置を調整することができる。よって、例えば、ある車両では操作部25を大人が届く位置に設置し、他の車両では操作部25を子供が届く位置に設置する、ということが可能になる。
【0033】
また本実施形態では、操作部25を枠部27で囲んでおり、枠部27の厚みは操作部25の厚みより大きくなっている。これにより、例えば仕切壁16に手を着いた際に誤って操作部25に触れてしまうことを防止できる。
【0034】
また本実施形態では、導電シート23が透明なのに対して、操作部25が着色されている。そのため、接触検知部22の位置が判別しやすくなっている。また、着色された操作部25は導電性シート23よりも小さいので、接触検知部22全体からみると、着色された領域は一部にとどまる。よって、接触検知部22が必要以上に目立つことはない。
【0035】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0036】
例えば、接触検知部22は仕切壁16に貼付されるとしたが、仕切壁17であってもよい。この場合、配線部28は、仕切壁17の縁部を覆うカバー部の内側を通ることになる。
【0037】
また、仕切壁16,17は透明であるとしたが、完全な透明でなくてもよく、すりガラスのように半透明であってもよい。また、客室用扉18は片引戸タイプに限られず、両開きの引戸であってもよい。また、客室用扉18はなくてもよい。
【0038】
また、接触検知部22には、公知のタッチパネルを用いるとしてもよい。より具体的には、導電部23a及び可撓部23bの代わりに、図4に示すような、一対の導電性フィルムの間にドットスペーサ78となる絶縁膜を挟んた抵抗膜方式等のタッチパネル80を用いてもよい。操作部25はタッチパネル80上に貼付されるか、あるいはタッチパネル80上に液晶表示されており、通報者が操作部25を押下することにより、ドットスペーサ78間において導電性フィルム同士がショートして接触検知部22から検知信号が発生する。なお、操作部25はタッチパネル80よりも小さく、かつタッチパネル80に対して着脱自在になっている。そのため、複数の鉄道車両においてタッチパネル80の位置はそれぞれ同一とした上で、ある車両では操作部25をタッチパネル80上の比較的高いところに設置して大人の目に入りやすくし、他の車両では操作部25をタッチパネル80上の低いところに設置して子供の目に入りやすくする、ということが可能になる。
【0039】
また、非常通報装置20は、通報者の接触に応じて、周囲にこれを知らせるためのベル音やブザー音を接触検知部22あるいはスピーカー34から発生するとしてもよい。
【0040】
また、非常通報装置20は、いたずら等を回避するため、所定時間の間(例えば2秒間)操作部25が押された場合に検知信号を出力するとしてもよい。そのほか、いたずらを回避する目的で、接触検知部22を収納ケースで覆うとしてもよい。この収納ケースは、前面に扉が設けられている。通報者は扉を開いて収納ケースの中に手を差し込み、操作部25を押すことになる。なお、車内デザインを邪魔しないという観点からすれば、収納ケースは透明であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本実施形態に係る非常通報装置が設置された鉄道車両の内部を示す図である。
【図2】本実施形態に係る非常通報装置の正面図である。
【図3】本実施形態に係る非常通報装置が備える接触検知部の分解斜視図及び断面図である。
【図4】本実施形態に係る非常通報装置が備える接触検知部の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1…鉄道車両、2…客室、8…乗降デッキ、16,17…仕切壁、19…カバー部、20…非常通報装置、22…接触検知部、23…導電性シート、25…操作部、27…枠部、28…配線部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
客室と乗降デッキとを仕切る透明な仕切壁を有する鉄道車両に設置される非常通報装置であって、
前記仕切壁に設けられるシート状の接触検知部と、
前記接触検知部に接続されると共に前記接触検知部から出力される検知信号を制御部に伝送する配線部と、を備え、
前記接触検知部は、前記仕切壁の通路側縁部に沿って上下に延びる非透明なカバー部に隣接して配置され、
前記配線部は、前記カバー部の内側を通って前記制御部に接続されることを特徴とする非常通報装置。
【請求項2】
前記接触検知部は、
前記カバー部に隣接した状態で前記仕切壁に貼付されると共に前記配線部に接続される導電性シートと、
前記導電性シート上に位置する操作部と、を有することを特徴とする請求項1記載の非常通報装置。
【請求項3】
前記導電性シートは前記操作部の領域よりも広い領域を有し、前記操作部は前記導電性シートに対して着脱自在であることを特徴とする請求項2記載の非常通報装置。
【請求項4】
前記接触検知部は、前記操作部を囲む枠部を有し、
前記枠部の厚みは前記操作部の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項2又は3記載の非常通報装置。
【請求項5】
前記操作部は、少なくとも一部が着色されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項記載の非常通報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−105635(P2010−105635A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282259(P2008−282259)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000003377)東急車輛製造株式会社 (332)