説明

非接触通信端末及び非接触通信端末の組付構造

【課題】アンテナを搭載した第1基板とこれとは異なる第2基板をケース内に収容してなる非接触通信端末に関して、より組み付け作業を行いやすい構造を実現する。
【解決手段】非接触通信装置1は、アンテナ2を搭載した第1基板4とこれとは異なる第2基板5とを収容する収容ケース10が設けられており、第1基板4を保持する上方側ケース体11の上方側底壁部13に当該上方側底壁部13の厚さ方向に連通する連通孔13aが形成されている。さらに、ケーブル7は、連通孔13a内に挿し通されると共に、一端側が第1基板4に接続され、他端側が第2基板5に接続される構成で配置されている。そして、上方側底壁部13の下面側には、連通孔13aの内壁に連続する形態又は連通孔13aの内壁に隣接する形態で連通孔13aの下方に延びる案内壁31を備えたガイド部30が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触通信端末及び非接触通信端末の組付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ICカードリーダ等の非接触通信装置では、一般的にアンテナの一方面側が化粧板(被覆板)などによって覆われており、例えば、ユーザがこの化粧板に接近させるようにICカードなどの非接触通信媒体を翳したときに、この非接触通信媒体とケース内に設けられたアンテナとの間で電磁波を媒介とした非接触通信を行い、読み取りや書き込みなどを行っている。この種の装置では、アンテナを基板上で保持する構成が一般的であり、例えばアンテナを搭載した基板をケース内に収容すると共にこの基板の一方面側を上記化粧板によって覆うように構成することで、化粧板付近に通信エリアを構成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−94901公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようにアンテナを搭載した基板をケース内に収容した構成のものでは、アンテナを搭載する基板とは異なる基板を並列に配置すべき場合も多い。例えば、アンテナを搭載した第1基板とは別で制御回路等の電子部品を実装した第2基板を設け、この第2基板を第1基板からある程度離して配置しておけば、電子部品がアンテナに及ぼす影響を抑えることができ、通信性をより高めやすくなる。
【0005】
このようにアンテナを搭載した第1基板と他の第2基板をケース内に収容する場合、第1基板については、上方の化粧板(被覆板)付近に配置することで通信性を高めることができ、第2基板については、ケース下方側の深い位置に配置することでセキュリティ性を高めることができる。このように構成するためには、図7のように、ケース110を上方側のケース体111と下方側のケース体112とに分割し、図8のように下方側ケース体112の内部に第2基板105を収容すると共にこの下方側ケース体112の上方を上方側ケース体111で閉塞するように構成し、更に上方側ケース体111の上方側でアンテナ102を搭載した第1基板104を保持するように構成すると良い。このように構成し、第1基板104の上方を被覆板120(化粧板)で閉塞するようにすれば、アンテナ102を搭載した第1基板104をより化粧板に近い位置で安定的に保持することができ、第2基板105については、下方側ケース体112の内部において、上方側ケース体111によって閉塞した状態で保持しておくことができる。
【0006】
更に、図8の構成では、下方側の第2基板105に接続されたケーブル107が上方側ケース体111の底壁部113に形成された連通孔113a及び第1基板104に形成された貫通孔104aを介して上方側に引き回されており、ケーブル107の他端側が上方側ケース体111に保持された第1基板104に接続されている。このように構成すると、第1基板104と第2基板105をある程度離して配置してアンテナ102への第2基板105の影響を抑えつつ、ケーブル107をより短く効率的に配置することができるようになる。
【0007】
しかしながら、図8の構成は、組み付けを行いにくいという問題を抱えている。
例えば、図8のように構成する場合、まず図7の下部のように下方側ケース体112の内部にケーブル107の一端側を接続した第2基板105を収容しておき、この状態で、ケーブル107の他端側を連通孔113a内に挿し通しつつ上方側ケース体111を下方側ケース体に組み付けることになる。しかしながら、このように組み付ける場合、上方側ケース体111の連通孔113a内にケーブル107を挿し通しにくく、組み付け作業を行いにくいという問題があった。特に、図7のように上方側ケース体111の連通孔113a内にケーブル107を挿し通すときに、上方側ケース体111の上側からは連通孔113aとケーブル107の先端部との位置関係が視認しにくく、ケーブル107の先端部を孔内に挿し込む作業に手間取る場合があった。そして、このような問題は、ケーブル自体が撓みやすい構造であったり、第2基板105に設けられたコネクタ(ケーブル107の一端側を第2基板105に接続するためのコネクタ)の特性上、ケーブル107が一方側に傾きやすい構造となっているときなどに顕著となっていた。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、アンテナを搭載した第1基板とこれとは異なる第2基板をケース内に収容してなる非接触通信端末に関して、より組み付け作業を行いやすい構造を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本願の第1の発明は、
アンテナを搭載すると共に、一方面が上方側に面し他方面が下方側に面するように配置される第1基板と、
前記第1基板の下方に配置され、一方面が上方側に面し他方面が下方側に面するように配置される第2基板と、
前記第1基板を収容すると共に前記第1基板の下方面側に対向する上方側底壁部を備えた上方側ケース体と、前記上方側ケース体の下方に取り付けられ、前記第2基板を収容すると共に前記第2基板の下方側に対向する下方側底壁部を備えた下方側ケース体と、前記第1基板を覆う被覆板と、を備えた収容ケースと、
前記第1基板と前記第2基板とを接続するケーブルと、
を備え、
前記上方側ケース体の前記上方側底壁部には当該上方側底壁部の厚さ方向に連通する連通孔が形成され、
前記ケーブルは、前記連通孔内に挿し通されると共に、一端側が前記第1基板に接続され、他端側が前記第2基板に接続される構成で配置されており、
前記上方側底壁部の下面側には、前記連通孔の内壁に連続する形態又は前記連通孔の前記内壁に隣接する形態で前記連通孔の下方に延びる案内壁を備えたガイド部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本願の第2の発明は、
アンテナを搭載する第1基板と、前記第1基板とは異なる第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とを接続するケーブルとを収容する収容ケースを備えた非接触通信端末における組付構造であって、
前記収容ケースには、
前記第1基板の一方面を上方側とし他方面を下方側とするように当該第1基板を支持する上方側底壁部を備えた上方側ケース体と、
前記第2基板の一方面側を上方側とし他方面側を下方側とするように当該第2基板を支持する下方側底壁部を備えた下方側ケース体と、
が設けられ、
前記上方側ケース体の前記上方側底壁部には当該上方側底壁部の厚さ方向に連通する連通孔が形成され、
前記上方側底壁部の下面側には、前記連通孔の内壁に連続する形態又は前記連通孔の前記内壁に隣接する形態で前記連通孔の下方に延びる案内壁を備えたガイド部が設けられており、
前記下方側ケース体に前記第2基板を収容すると共に前記第2基板の基板面に前記ケーブルの一端側を接続し他端側を非接続とした状態で前記上方側ケース体を前記下方側ケース体に組み付ける際に、非接続とされた前記ケーブルの他端側を前記案内壁に沿って前記連通孔内に案内し、前記連通孔内に挿し通された当該他端側を前記第1基板に接続するように組付け可能とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、アンテナを搭載した第1基板と、これとは異なる第2基板とを収容ケース内に収容してなる非接触通信端末において、第1基板を保持する上方側ケース体の上方側底壁部に当該上方側底壁部の厚さ方向に連通する連通孔が形成されている。さらに、ケーブルは、連通孔内に挿し通されると共に、一端側が第1基板に接続され、他端側が第2基板に接続される構成で配置されている。そして、上方側底壁部の下面側には、連通孔の内壁に連続する形態又は連通孔の内壁に隣接する形態で連通孔の下方に延びる案内壁を備えたガイド部が設けられている。
このように構成されているため、製造時やメンテナンス時などにおいて、基板や各ケース体を組付ける際に、ケーブルの他端側が接続された第2基板を下方側ケース体に収容した状態で、この下方側ケース体を閉塞するように第1基板を保持する上方側ケース体を組み付けることができ、その組み付けの際には、第2基板に他端側が接続されたケーブルを、先端側(一端側)から上方側底壁部の連通孔内を通すように引き回して配置することができる。
この構成によれば、アンテナを搭載した第1基板をより化粧板に近い位置で安定的に保持すると共に、下方側ケース体の内部において上方側ケース体によって閉塞した状態で第2基板を保持し得る構成をより簡易に実現でき、更に組み付け作業の容易化をも図ることができる。特に、上方側底壁部の下面側には、連通孔の内壁に連続する形態又は連通孔の内壁に隣接する形態で連通孔の下方に延びる案内壁が設けられているため、ケーブルが接続された第2基板を下方側ケース体に収容した状態で当該ケーブルを上方側に引き回す際にケーブルの一端側(第2基板に接続される側とは反対側)を案内壁に沿って移動させながら連通孔内にスムーズに案内できるため、ケーブルを連通孔内に挿し通す作業を行う際に手間取ることがなく、より簡易に且つ短時間で引き回し作業を行うことができる。
【0012】
請求項2の発明では、ガイド部において、案内壁と、案内壁の幅方向両側において上下に延びるように配される一対の側壁と、案内壁と対向して配置される対向壁とが設けられており、案内壁と一対の側壁と対向壁とによって案内孔が構成され、案内孔が連通孔と連通している。
この構成によれば、ケーブルの先端側(一端側)を案内壁によって案内する際に、ケーブルの両側部を一対の側壁部によってガイドしながら案内することができるため、ケーブルを連通孔に挿し通す際に連通孔付近でケーブルが幅方向に外れてしまうようなことが起こりにくくなる。また、案内壁と対向壁の間を通すように案内することができるため、ケーブルを案内壁に沿わせて案内する際に連通孔付近でケーブルが案内壁から大きく離れてしまうことがなくなる。
更に、案内壁及び一対の側壁は、いずれも下端部が対向壁の下端部よりも下方位置となるように対向壁よりも上下に長く構成され、案内孔は、案内壁及び一対の側壁の下端部よりも下方側に開放すると共に、対向壁の下端部よりも下方側において一対の側壁の間が開放するように構成されている。この構成によれば、ケーブルの先端側をガイド部の案内孔に導入する際に、案内孔の真下からの挿入に限定されず、対向壁の下端部の下方側において一対の側壁の間に設けられた開放部を利用して横から導き入れることも可能となる。このように下方側に延びるケーブルの先端部を横から導き入れた場合、案内壁に当接させて、そのまま案内壁に沿って移動させれば容易に連通孔内に誘導することができるため、より挿入作業、引き回し作業を行いやすくなる。
【0013】
請求項3の発明では、第2基板の上面側に、ケーブルを当該第2基板に接続する接続部が設けられており、案内壁の下端部は、上方側底壁部と第2基板との間において接続部寄りに設けられている。
このように案内壁の下端部を第2基板に設けられた接続部に近づけるように配置すると、連通孔を介して下方側ケース体の内部の様子を視認しようとしても内部の様子が把握し難くなるため、下方側ケース体の内部構成が第三者により把握され難くなり、セキュリティ性を一層高めることができる。
【0014】
請求項4の発明では、上方側底壁部は、非透明部材によって構成されている。
このように上方側底壁部を非透明部材によって構成すると、上方側ケース体が下方側ケース体に組み付けられているときに上方側から下方側ケース体の内部を視認することが難しくなるため、第三者による内部構成の把握を困難としてセキュリティ性を高めることができる。一方、このように上方側底壁部を非透明部材によって構成すると、ケーブルを連通孔内に挿し通す引き回し作業を行う際にケーブルの先端部と連通孔の位置関係を把握することがより困難となるが、本発明のようにガイド部を設けてケーブルを連通孔内に案内する構成とすれば、ケーブルの先端部と連通孔の位置関係を緻密に把握せずともケーブルを連通孔内に容易に挿し通すことができる。
【0015】
請求項5の発明では、ガイド部が非透明部材によって構成されている。
このように、上方側底壁部だけでなくガイド部材についても非透明部材によって構成することで、上方側ケース体が下方側ケース体に組み付けられているときに連通孔を介した内部の覗き見が困難となり、第三者による内部構成の把握をより一層困難とすることができる。
【0016】
請求項6の発明では、第2基板において、アンテナに電気的に接続される制御回路が搭載されている。このように第2基板に制御回路を搭載し、アンテナを搭載した第1基板から配置すれば、アンテナでの送受信に制御回路の影響が及び難くなり、通信性をより高めることができる。また、制御回路を下方側ケース体の内部に収容しておくことができるため、制御回路及びこれに関連する部品を第三者に把握されにくくすることができる。
【0017】
請求項7の発明では、下方側ケース体は、第2基板の厚さ方向を上下方向としたときの当該上下方向と直交する所定方向において第1側壁部と第2側壁部とが対向して配置され、これら側壁部の下端部側に下方側底壁部が連結されている。更に、第2基板の上面側には、所定方向における第1側壁部側に寄った位置にケーブルを第2基板に接続する接続する接続部が設けられ、案内壁は、所定方向において連通孔よりも第2側壁部側に配置されている。
このように構成すると、ケーブルを片側に寄せて効率的に配置できるようになり、更に案内壁が所定方向において連通孔よりも第2側壁部側に配置されているため、ケーブルを連通孔内に引き回す作業を行う際に、広いスペース側(ケーブルが寄った側とは反対側)からガイド部をケーブルに近づければ当該ケーブルを案内壁における連通孔側の壁面に容易に当接させることができ、当該壁面に沿って移動させればケーブルの先端部を容易に連通孔内に挿入することができる。
【0018】
請求項8の発明では、下方側ケース体は、第2基板の厚さ方向を上下方向としたときの当該上下方向と直交する所定方向において第1側壁部と第2側壁部とが対向して配置され、これら側壁部の下方側に下方側底壁部が連結されており、第2基板の上面側には、所定方向における第1側壁部側に寄った位置にケーブルを第2基板に接続する接続する接続部が設けられている。また、接続部は、第2基板の上面側から上方に突出するように固定されると共に上方側に開口するように形成され、且つケーブルが上方側から開口内に挿し込まれるように構成されるコネクタからなり、このコネクタには、当該コネクタの開口内にケーブルが挿し込まれたときにケーブルよりも第2側壁部側においてコネクタの内壁とケーブルとの間に上方側から押し込まれる固定部材が装着されるようになっている。そして、案内壁は、所定方向において連通孔よりも第2側壁部側に配置されている。
この構成では、ケーブルを第2基板に着脱可能に接続することができ、コネクタに挿し込まれたケーブルを固定部材によって安定的に固定することができる。一方、このように構成すると、固定部材を押し込んで固定したときに、固定部材側にケーブルが傾倒してしまい、ケーブルの先端側を連通孔内に挿し込みにくくなることが懸念されるが、案内壁が設けられているため、このような弊害が生じ難くなる。また、案内壁が所定方向において連通孔よりも第2側壁部側に配置されているため、ケーブルを連通孔内に引き回す作業を行う際に、ケーブルが傾倒する側からガイド部をケーブルに近づければ当該ケーブルを案内壁における連通孔側の壁面に容易に当接させることができ、当該壁面に沿って移動させればケーブルの先端部を容易に連通孔内に挿入することができる。
【0019】
請求項9の構成によれば、請求項1と同様の効果を奏する組付構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る非接触通信端末を概略的に示す平面図である。
【図2】図2は、図1の非接触通信端末の概略断面図である。
【図3】図3は、図1の非接触通信端末のガイド部を概略的に示す斜視図である。
【図4】図4は、図1の非接触通信端末の組み付け作業の一工程を示す説明図であり、図4(A)は、下方側ケース体に収容された第2基板にケーブルが挿し込まれた様子を示す説明図であり、図4(B)は、図4(A)の状態から固定部材がコネクタ内に押し込まれてケーブルが固定された状態を示す説明図である。
【図5】図5は、図4(B)のように収容された下方側ケース体に上方側ケース体、被覆板を組み付ける様子を説明する説明図である。
【図6】図6は、図2に示す非接触通信端末から被覆板を取り外し、連通孔を介して視認しようとしたときの様子を説明する説明図である。
【図7】図7は、本願発明の比較対象となる非接触通信端末の組み付けの様子を説明する説明図である。
【図8】図8は、本願発明の比較対象となる非接触通信端末の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(全体構成)
まず、第1実施形態に係る非接触通信端末の全体構成について図1〜図3等を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る非接触通信端末を概略的に示す平面図である。図2は、図1の非接触通信端末の概略断面図である。図3は、図1の非接触通信端末のガイド部を概略的に示す斜視図である。
【0022】
第1実施形態に係る非接触通信端末1は、ICカード等の非接触通信媒体と電磁波を媒介とした非接触通信を行い、当該非接触通信媒体からの情報の読み取り、或いは非接触通信媒体に対する情報の書き込み等を行うように構成されている。以下では、非接触通信端末1が決済端末として機能するICカードリーダとして構成される場合について説明する。
【0023】
非接触通信端末1は、図1〜図3に示すように、主として、第1基板4と、第2基板5と、これらを接続するケーブル7と、これら部品を収容する収容ケース10とを備えている。
【0024】
第1基板4は、例えば樹脂製の基板として構成されており、例えばループアンテナとして構成されるアンテナ2を上面側に搭載すると共に、一方面(上面)が上方側に面し他方面(下面)が下方側に面するように配置されている。
【0025】
第2基板5は、例えば樹脂製の基板として構成されており、例えば、CPUやマイコンなどからなる制御回路50を上面側に搭載した構成をなしている。この第2基板5は、第1基板4の下方に配置され、一方面(上面)が上方側に面し他方面(下面)が下方側に面するように配置されている。
【0026】
収容ケース10は、主として上方側ケース体11と、下方側ケース体12と、被覆板20とによって構成されている。
上方側ケース体11は、第1基板4を収容するように箱状に構成され、第1基板4の下方面側に対向する上方側底壁部13と、この上方側底壁部13から立ち上がり、第1基板4の周囲を取り囲むように配置される側壁部11a、11b、11c、11dを備えている。上方側ケース体11の上方側底壁部13及び側壁部11a、11b、11c、11dはいずれも非透明な樹脂部材によって一体的に構成されている。
【0027】
下方側ケース体12は、上方側ケース体11の下方において第2基板5を収容するように箱状に構成され、第2基板5の下方面側に対向する下方側底壁部14と、この下方側底壁部14から立ち上がり、第2基板5の周囲を取り囲むように配置される側壁部を備えている。下方側ケース体12の下方側底壁部14及びいずれの側壁部も非透明な樹脂部材によって一体的に構成されている。本実施形態では、第2基板5の厚さ方向を上下方向としており、下方側ケース体12は、この上下方向と直交する所定方向において第1側壁部12aと第2側壁部12bとが対向して配置され、これら側壁部の下端部側に下方側底壁部14が連結されている。なお、上記上下方向及び所定方向と直交する方向において図示しない一対の側壁部が対向して配置されており、これら一対の側壁部と上記第1側壁部12a及び第2側壁部12bによって第2基板5の四方が取り囲まれるようになっている。
【0028】
被覆板20は、化粧板として板状に構成され、箱状に構成された上方側ケース体11の上方側を閉塞するように構成されている。この被覆板20も非透明な樹脂部材によって構成されている。
【0029】
ケーブル5は、例えばフレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)として構成されており、第1基板4と第2基板5とを電気的に接続するように機能している。ケーブル5は、下方側ケース体12の内部では、第1側壁部12aと第2側壁部12bとが対向する方向を厚さ方向とするように配置され、一方面7cが第1側壁部12a側に面し、他方面7dが第2側壁部12d側に面するように配置されている。
【0030】
更に、図2に示すように、上方側ケース体11の上方側底壁部13には当該上方側底壁部13の厚さ方向に連通する連通孔13aが形成されている。そして、ケーブル7は、連通孔13a内に挿し通されると共に、一端側(図3に示す先端部7a側)が第1基板4に接続されるようになっており、他端側が第2基板5に接続される構成で配置されている。そして、上方側底壁部13の下面側には、連通孔13aの内壁に連続する形態又は連通孔13aの内壁に隣接する形態で連通孔13aの下方に延びる案内壁31を備えたガイド部30が設けられている。なお、連通孔13aの内壁に連続する形態とは、例えば連通孔13aと案内壁31とが同一材料で一体的に構成され、連通孔13aの内壁面と案内壁31の壁面が連続(例えば段差無く連続)している構成を意味している。また、連通孔13aの内壁に隣接する形態とは、連通孔13aの内壁と案内壁31が別部材として構成され、互いに密着或いはわずかな距離を隔てて近接している構成を意味している。
【0031】
ガイド部30には、案内壁31と、案内壁31の幅方向両側において上下に延びるように配される一対の側壁33,34と、案内壁31と対向して配置される対向壁32とが設けられている。そして、案内壁31と一対の側壁33,34と対向壁32とによって案内孔35が構成され、この案内孔35が連通孔13aと連通している。
【0032】
更に、図3のように、案内壁31及び一対の側壁33,34は、いずれも下端部33a,34aが対向壁32の下端部32aよりも下方位置となるように対向壁32よりも上下に長く構成され、案内孔35は、案内壁31及び一対の側壁33,34の下端部31a,33a,34aよりも下方側に開放すると共に、対向壁32の下端部32aよりも下方側において一対の側壁33,34の間が開放するように構成されている。
【0033】
また、図2に示すように、第2基板5の上面側には、ケーブル7を当該第2基板5に接続するコネクタ40が設けられている。このコネクタ40は、第2基板5の上面側において、所定方向(第1側壁部12aと第2側壁部12bの対向方向)における第1側壁部12a側に寄った位置に配置されている。そして、案内壁31の下端部は、上方側底壁部13と第2基板5との間においてコネクタ40寄りに(具体的にはコネクタ40の上端部に近接した構成で)設けられている。
【0034】
コネクタ40は、第2基板5の上面側から上方に突出するように固定されると共に上方側に開口するように形成され、且つケーブル7が上方側から開口内に挿し込まれるように構成されている。このコネクタ40には、当該コネクタ40の開口内にケーブル7が挿し込まれたときにケーブル7よりも第2側壁部12b側においてコネクタ40の内壁とケーブル7との間に上方側から押し込まれる固定部材42が装着されるようになっている(図4(A)(B)参照)。そして、案内壁31は、所定方向(第1側壁部12aと第2側壁部12bとが対向する方向であって、収容ケース10を平面視したときの短手方向)において連通孔13aよりも第2側壁部12b側に配置されている。
【0035】
上述の非接触通信端末1で採用される組付構造では、図4(B)のように下方側ケース体12に第2基板5を収容すると共に第2基板5の基板面(具体的には上面)にケーブル7の一端側を接続し他端側を非接続とした状態で上方側ケース体11を下方側ケース体12に組み付けることができる。そして、このように上方側ケース体11を下方側ケース体12に組み付ける際には、図5のように、非接続とされたケーブル7の他端側を案内壁31に沿って上方側に移動させることで連通孔13a内に容易に案内することができる。更に、連通孔13aと第1基板4の貫通孔4aとが連通しており、連通孔13a内に挿し通されたケーブル7の他端側については、貫通孔4a内に挿し通して第1基板4の上方側に配策することができるようになっている。そして、このようにして第1基板4の上面側に引き回されたケーブル7の他端側を図6のように第1基板4の上面側に接続することで、第1基板4と第2基板5とがケーブル7を介して電気的に接続されることとなる。
【0036】
(第1実施形態の主な効果)
第1実施形態に係る非接触通信装置1では、第1基板4を収容・保持する上方側ケース体11の上方側底壁部13に当該上方側底壁部13の厚さ方向に連通する連通孔13aが形成されている。さらに、ケーブル7は、連通孔13a内に挿し通されると共に、一端側が第1基板4に接続され、他端側が第2基板5に接続される構成で配置されている。そして、上方側底壁部13の下面側には、連通孔13aの内壁に連続する形態又は連通孔13aの内壁に隣接する形態で連通孔13aの下方に延びる案内壁31を備えたガイド部30が設けられている。
このように構成されているため、製造時やメンテナンス時などにおいて、基板や各ケース体を組付ける際に、図4(B)のようにケーブル7の他端側が接続された第2基板5を下方側ケース体12に収容した状態で、図5のようにこの下方側ケース体12を閉塞するように第1基板4を保持する上方側ケース体11を組み付けることができ、その組み付けの際には、第2基板5に他端側が接続されたケーブル7を、先端側(一端側)から上方側底壁部13の連通孔13a内を通すように引き回して配置することができる。
この構成によれば、アンテナ2を搭載した第1基板4をより化粧板に近い位置で安定的に保持すると共に、下方側ケース体12の内部において上方側ケース体11によって閉塞した状態で第2基板5を保持し得る構成をより簡易に実現でき、更に組み付け作業の容易化をも図ることができる。特に、上方側底壁部13の下面側には、連通孔13aの内壁に連続する形態又は連通孔13aの内壁に隣接する形態で連通孔13aの下方に延びる案内壁31が設けられているため、ケーブル7が接続された第2基板5を下方側ケース体12に収容した状態で当該ケーブル7を上方側に引き回す際にケーブル7の一端側(第2基板5に接続される側とは反対側)を案内壁31に沿って移動させながら連通孔13a内にスムーズに案内できるため、ケーブル7を連通孔13a内に挿し通す作業を行う際に手間取ることがなく、より簡易に且つ短時間で引き回し作業を行うことができる。
【0037】
また、ガイド部30には、案内壁31と、案内壁31の幅方向両側において上下に延びるように配される一対の側壁33,34と、案内壁31と対向して配置される対向壁32とが設けられており、案内壁31と一対の側壁33,34と対向壁32とによって案内孔が構成され、案内孔が連通孔13aと連通している。
この構成によれば、ケーブル7の先端側(一端側)を案内壁31によって案内する際に、図3のようにケーブル7の両側部を一対の側壁33,34部によってガイドしながら案内することができるため、ケーブル7を連通孔13aに挿し通す際に連通孔13a付近でケーブル7が幅方向に外れてしまうようなことが起こりにくくなる。また、案内壁31と対向壁32の間を通すように案内することができるため、ケーブル7を案内壁31に沿わせて案内する際に連通孔13a付近でケーブル7が案内壁31から大きく離れてしまうことがなくなる。
更に、案内壁31及び一対の側壁33,34は、いずれも下端部が対向壁32の下端部よりも下方位置となるように対向壁32よりも上下に長く構成され、連通孔13aは、案内壁31及び一対の側壁33,34の下端部よりも下方側に開放すると共に、対向壁32の下端部よりも下方側において一対の側壁33,34の間が開放するように構成されている。この構成によれば、ケーブル7の先端側をガイド部30の案内孔に導入する際に、案内孔の真下からの挿入に限定されず、対向壁32の下端部の下方側において一対の側壁33,34の間に設けられた開放部を利用して横から導き入れることも可能となる。このように下方側に延びるケーブル7の先端部を横から導き入れた場合、案内壁31に当接させて、そのまま案内壁31に沿って移動させれば容易に連通孔13a内に誘導することができるため、より挿入作業、引き回し作業を行いやすくなる。
【0038】
また、第2基板5の上面側に、ケーブル7を当該第2基板5に接続するコネクタ40が設けられており、案内壁31の下端部は、上方側底壁部13と第2基板5との間においてコネクタ40寄りに設けられている。
このように案内壁31の下端部を第2基板5に設けられたコネクタ40に近づけるように配置すると、図6のように連通孔13aを介して下方側ケース体12の内部の様子を視認しようとしても内部の様子が把握し難くなるため、下方側ケース体12の内部構成が第三者により把握され難くなり、セキュリティ性を一層高めることができる。
【0039】
また、上方側底壁部13は、非透明部材によって構成されている。このように上方側底壁部13を非透明部材によって構成すると、上方側ケース体11が下方側ケース体12に組み付けられているときに上方側から下方側ケース体12の内部を視認することが難しくなるため、第三者による内部構成の把握を困難としてセキュリティ性を高めることができる。一方、このように上方側底壁部13を非透明部材によって構成すると、ケーブル7を連通孔13a内に挿し通す引き回し作業を行う際にケーブル7の先端部と連通孔13aの位置関係を把握することがより困難となるが、本発明のようにガイド部30を設けてケーブル7を連通孔13a内に案内する構成とすれば、ケーブル7の先端部と連通孔13aの位置関係を緻密に把握せずともケーブル7を連通孔13a内に容易に挿し通すことができる。
【0040】
また、ガイド部30についても非透明部材によって構成されているため、上方側ケース体11が下方側ケース体12に組み付けられているときに連通孔13aを介した内部の覗き見が困難となり、第三者による内部構成の把握をより一層困難とすることができる。
【0041】
また、第2基板5において、アンテナ2に電気的に接続される制御回路50が搭載されている。このように第2基板5に制御回路50を搭載し、アンテナ2を搭載した第1基板4から配置すれば、アンテナ2での送受信に制御回路50の影響が及び難くなり、通信性をより高めることができる。また、制御回路50を下方側ケース体12の内部に収容しておくことができるため、制御回路50及びこれに関連する部品を第三者に把握されにくくすることができる。
【0042】
また、下方側ケース体12は、第2基板5の厚さ方向を上下方向としたときの当該上下方向と直交する所定方向において第1側壁部12aと第2側壁部12bとが対向して配置され、これら側壁部の下端部側に下方側底壁部14が連結されている。更に、第2基板5の上面側には、所定方向における第1側壁部12a側に寄った位置にケーブル7を第2基板5に接続する接続するコネクタ40が設けられ、案内壁31は、所定方向において連通孔13aよりも第2側壁部12b側に配置されている。
このように構成すると、ケーブル7を片側に寄せて効率的に配置できるようになり、更に案内壁31が所定方向において連通孔13aよりも第2側壁部12b側に配置されているため、図5のようにケーブル7を連通孔13a内に引き回す作業を行う際に、広いスペース側(ケーブル7が寄った側とは反対側)からガイド部30をケーブル7に近づければ当該ケーブル7を案内壁31における連通孔13a側の壁面に容易に当接させることができ、当該壁面に沿って移動させればケーブル7の先端部を容易に連通孔13a内に挿入することができる。
【0043】
また、第2基板5の上面側には、所定方向における第1側壁部12a側に寄った位置にケーブル7を第2基板5に接続する接続するコネクタ40が設けられている。また、図4(A)のように、コネクタ40は、第2基板5の上面側から上方に突出するように固定されると共に上方側に開口するように形成され、且つケーブル7が上方側から開口内に挿し込まれるように構成されており、更に、図4(B)のように、このコネクタ40には、当該コネクタ40の開口内にケーブル7が挿し込まれたときにケーブル7よりも第2側壁部12b側においてコネクタの内壁とケーブル7との間に上方側から押し込まれる固定部材42が装着されるようになっている。そして、案内壁31は、所定方向において連通孔13aよりも第2側壁部12b側に配置されている。
この構成では、ケーブル7を第2基板5に着脱可能に接続することができ、コネクタに挿し込まれたケーブル7を固定部材42によって安定的に固定することができる。一方、このように構成すると、図4(B)のように固定部材42を押し込んで固定したときに、固定部材42側にケーブル7が傾倒してしまい、ケーブル7の先端側を連通孔13a内に挿し込みにくくなることが懸念されるが、本実施形態では案内壁31が設けられているため、このような弊害が生じ難くなる。また、案内壁31が所定方向において連通孔13aよりも第2側壁部12b側に配置されているため、ケーブル7を連通孔13a内に引き回す作業を行う際に、ケーブル7が傾倒する側からガイド部30をケーブル7に近づければ当該ケーブル7を案内壁31における連通孔13a側の壁面に容易に当接させることができ、当該壁面に沿って移動させればケーブル7の先端部を容易に連通孔13a内に挿入することができる。
【0044】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0045】
上記実施形態では、ケーブル7の一例としてFFCケーブルを例示したが、ケーブルの種類はこれに限定されるものではなく、公知の他の種類のケーブルであってもよい。
【0046】
上記実施形態では、第2基板にCPUやマイコンなどが搭載される例を示したが、送信回路や受信回路が第2基板に搭載されていてもよい。また、半導体メモリや外部装置との通信インターフェースなどが第2基板に搭載されていてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…非接触通信端末
2…アンテナ
4…第1基板
5…第2基板
7…ケーブル
10…収容ケース
11…上方側ケース体
12…下方側ケース体
12a…第1側壁部
12b…第2側壁部
13…上方側底壁部
13a…連通孔
14…下方側底壁部
20…被覆板
30…ガイド部
31…案内壁
31…案内壁の下端部
32…対向壁
32a…対向壁の下端部
33,34…側壁
33a,34a…側壁の下端部
40…コネクタ(接続部)
42…固定部材
50…制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを搭載すると共に、一方面が上方側に面し他方面が下方側に面するように配置される第1基板と、
前記第1基板の下方に配置され、一方面が上方側に面し他方面が下方側に面するように配置される第2基板と、
前記第1基板を収容すると共に前記第1基板の下方面側に対向する上方側底壁部を備えた上方側ケース体と、前記上方側ケース体の下方に取り付けられ、前記第2基板を収容すると共に前記第2基板の下方側に対向する下方側底壁部を備えた下方側ケース体と、前記第1基板を覆う被覆板と、を備えた収容ケースと、
前記第1基板と前記第2基板とを接続するケーブルと、
を備え、
前記上方側ケース体の前記上方側底壁部には当該上方側底壁部の厚さ方向に連通する連通孔が形成され、
前記ケーブルは、前記連通孔内に挿し通されると共に、一端側が前記第1基板に接続され、他端側が前記第2基板に接続される構成で配置されており、
前記上方側底壁部の下面側には、前記連通孔の内壁に連続する形態又は前記連通孔の前記内壁に隣接する形態で前記連通孔の下方に延びる案内壁を備えたガイド部が設けられていることを特徴とする非接触通信端末。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記案内壁と、前記案内壁の幅方向両側において上下に延びるように配される一対の側壁と、前記案内壁と対向して配置される対向壁とを備えると共に、前記案内壁と前記一対の側壁と前記対向壁とによって案内孔が構成され、前記案内孔が前記連通孔と連通しており、
前記案内壁及び前記一対の側壁は、いずれも下端部が前記対向壁の下端部よりも下方位置となるように前記対向壁よりも上下に長く構成され、前記案内孔は、前記案内壁及び前記一対の側壁の下端部よりも下方側に開放すると共に、前記対向壁の下端部よりも下方側において前記一対の側壁の間が開放していることを特徴とする請求項1に記載の非接触通信端末。
【請求項3】
前記第2基板の上面側には、前記ケーブルを当該第2基板に接続する接続部が設けられており、
前記案内壁の下端部は、前記上方側底壁部と前記第2基板との間において前記接続部寄りに設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非接触通信端末。
【請求項4】
前記上方側底壁部は、非透明部材によって構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の非接触通信端末。
【請求項5】
前記ガイド部は、非透明部材によって構成されていることを特徴とする請求項4に記載の非接触通信端末。
【請求項6】
前記第2基板には、前記アンテナに電気的に接続される制御回路が搭載されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の非接触通信端末。
【請求項7】
前記下方側ケース体は、前記第2基板の厚さ方向を上下方向としたときの当該上下方向と直交する所定方向において第1側壁部と第2側壁部とが対向して配置され、これら側壁部の下端部側に前記下方側底壁部が連結されており、
前記第2基板の上面側には、前記所定方向における前記第1側壁部側に寄った位置に前記ケーブルを前記第2基板に接続する接続する接続部が設けられ、
前記案内壁は、前記所定方向において前記連通孔よりも前記第2側壁部側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の非接触通信端末。
【請求項8】
前記下方側ケース体は、前記第2基板の厚さ方向を上下方向としたときの当該上下方向と直交する所定方向において第1側壁部と第2側壁部とが対向して配置され、これら側壁部の下方側に前記下方側底壁部が連結されており、
前記第2基板の上面側には、前記所定方向における前記第1側壁部側に寄った位置に前記ケーブルを前記第2基板に接続する接続する接続部が設けられ、
前記接続部は、前記第2基板の上面側から上方に突出するように固定されると共に上方側に開口するように形成され、且つ前記ケーブルが上方側から開口内に挿し込まれるように構成されるコネクタからなり、
前記コネクタには、当該コネクタの開口内に前記ケーブルが挿し込まれたときに前記ケーブルよりも前記第2側壁部側において前記コネクタの内壁と前記ケーブルとの間に上方側から押し込まれる固定部材が装着されるようになっており、
前記案内壁は、前記所定方向において前記連通孔よりも前記第2側壁部側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の非接触通信端末。
【請求項9】
アンテナを搭載する第1基板と、前記第1基板とは異なる第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とを接続するケーブルとを収容する収容ケースを備えた非接触通信端末における組付構造であって、
前記収容ケースには、
前記第1基板の一方面を上方側とし他方面を下方側とするように当該第1基板を支持する上方側底壁部を備えた上方側ケース体と、
前記第2基板の一方面側を上方側とし他方面側を下方側とするように当該第2基板を支持する下方側底壁部を備えた下方側ケース体と、
が設けられ、
前記上方側ケース体の前記上方側底壁部には当該上方側底壁部の厚さ方向に連通する連通孔が形成され、
前記上方側底壁部の下面側には、前記連通孔の内壁に連続する形態又は前記連通孔の前記内壁に隣接する形態で前記連通孔の下方に延びる案内壁を備えたガイド部が設けられており、
前記下方側ケース体に前記第2基板を収容すると共に前記第2基板の基板面に前記ケーブルの一端側を接続し他端側を非接続とした状態で前記上方側ケース体を前記下方側ケース体に組み付ける際に、非接続とされた前記ケーブルの他端側を前記案内壁に沿って前記連通孔内に案内し、前記連通孔内に挿し通された当該他端側を前記第1基板に接続するように組付け可能とされていることを特徴とする非接触通信端末の組付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−50808(P2013−50808A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187706(P2011−187706)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】